Cobe.fm 本好きコンサル2人の読後感想戦
R+

Cobe.fm 本好きコンサル2人の読後感想戦

Miki Watanuki/Nozomi Tanaka 271 Episodes
Nozomi Tanaka

コンサル×アートでフリーランスっぽく働くみき(左)と、コンサル・リサーチ会社を経営するのぞみ(右)の二人で、1冊の本を実際に読んで感じたこと、思ったことをふんわり楽しく話します。ビジネス書から戯曲・小説、SF、ノンフィクションまで幅広く取り上げています。読書が好きな人、本が好きな人、学びが好きな人、ぜひお耳に合いましたら。

"読むことは人を豊かにする。聴くことは人を謙虚にする"

みき(Tw: @miki_apreciar)
のぞみ(Tw: @Nozomitnk)

書き起こしサービスLISTENはこちら:https://listen.style/p/hv5wngkh?LUsFq7mq

https://www.cobe.co.jp/
われらみな食人種:レヴィ=ストロース随想集 #1

われらみな食人種:レヴィ=ストロース随想集 #1

Mar 10, 2026 26:02 Nozomi Tanaka

サンタクロースの火炙り事件から、農耕・文字・進歩の“当たり前”が揺さぶられていく。今回の課題本は、レヴィ=ストロース晩年の論考集『我ら皆カニバル』。新聞寄稿を中心にした文章だけに、専門用語で押し切るのではなく、身近な出来事を入口にして社会の深層構造へ潜っていくのが面白さです。part1ではまず冒頭の「サンタ人形火炙り事件」を手がかりに、贈与やイニシエーション、子ども/大人、生者/死者といった対立のフレームが立ち上がる瞬間を二人で追体験。さらに「農耕は進歩だったのか?」「原因だと思っていたものが、実は帰結かもしれない」といった視点から、人類史を“必然の一本道”ではなく“無数の可能性の一断面”として捉え直していきます。「しょうもない炎上を、構造で説明できる人になりたい」という憧れと、「ポスト○○って次どうするの?」という脱線ツッコミが交差しながら、現代社会の見え方が少し変わる回です。

水を差す仕組みとサラリーマン:山本七平『空気の研究』#3

水を差す仕組みとサラリーマン:山本七平『空気の研究』#3

Mar 3, 2026 34:40 Nozomi Tanaka

空気が「なぜ壊れないのか」「どう壊せるのか」を、具体例と仕事感覚で一気に掘り下げる回。のぞみは高校野球経験者として、真夏の甲子園が暑さの限界を超えてもなお維持されるニュースを取り上げ、「誰も説明できないのに決まってしまう」古空気の手触りを久々に見たと語る。そこから本書後半の核心である「空気と水」へ。水差しは個人の勇気に回収されがちだが、現実に空気を動かすには“集団で水を差す”仕組みが要る——ただし、その運営には「水を差す空気」も同時に設計しなければならない、という難しさに踏み込む。さらに終盤では、難解な一節「合理性を追求させる原動力は、非合理的な力」を咀嚼し、非合理をゼロにも絶対化にもできないというバランス感覚へ着地。のぞみはその“逃がし先”としてスポーツや演劇のような虚構の必要性を補助線として提示する。ラストは「会社員であるだけで人間として十分だと思えてしまう」空気の正体へ議論が移り、会社員という概念、普通(デフォルト)、硬いピラミッド構造が“水を差させない空気”を強化しているのではないか、という問いを残して締める。次回課題本はレヴィ=ストロース『われわれみな食人種』。

臨在感的把握のこと:山本七平『空気の研究』#2

臨在感的把握のこと:山本七平『空気の研究』#2

Feb 24, 2026 29:23 Nozomi Tanaka

山本七平『空気の研究』回のpart2は、「いき」と「空気」の違いを、ふたりの“ものの見方”の差から掘り下げていく。みきは、人を理解するとき「心の中(何を考えているか)」に意識が寄りやすいので、「いき」のほうが手がかりにしやすいと自己分析する。一方でのぞみは、人そのものの内面というより、相手がまとっている“周辺情報”(会社での位置づけ、場の配置、振る舞いの輪郭)を読むほうが馴染む感覚があり、「空気」は合意形成を経ずに状況として立ち上がり、場全体を支配するものとして“ただ分かってしまう”と輪郭をつけていく。鍵になるのが、空気の成立条件としての「臨在感的把握」。幽霊、森、古いものへの畏れ、無意味な会議を終わらせたい空気まで、言語化しにくい“ある感じ”を例で押し広げる。さらに、ハベルの寓話を引用したダボス会議のスピーチを足がかりに「空気は日本固有なのか?」へ論点が越境し、同調圧力としての空気と、アニミズム的な感受性としての空気が同じ線上にあるのかを探っていく。終盤は、一神教と多神教の差、進化論と現人神が同居するエピソードを通じて、矛盾を矛盾のまま運用してしまう日本的な思考の切り替えに触れ、のぞみの仕事観(空気で決まる意思決定を“整える”)にも接続していく回。

確実はそこにあるもの:山本七平『空気の研究』#1

確実はそこにあるもの:山本七平『空気の研究』#1

Feb 17, 2026 35:22 Nozomi Tanaka

本好きのふたり・みき/のぞみが、山本七平『空気の研究』を読み解く回のpart1。水曜休みの効用、嬉野温泉の湯豆腐セットで始まった長い昼、ガンダム映画を“2作目から”観てしまった話、中型免許(MT)教習の筋肉痛まで、近況トークを経て本編へ入っていきます。後半では『空気の研究』へ。「空気はKY世代の新しい現象だと思っていたけれど、1970年代にすでに言語化されていた」という驚き、田舎で“空気”に押されてきた幼少期の体験、そして「最近は言葉としては使わないのに、空気は確実にある」という実感が共有されます。さらに、のぞみは仕事の経験を通じて「相手がどう決めそうか」「どんな空気を作ると流れが動くか」を読む感覚が育ってきたと振り返り、みきは『いきの構造』との違い(空気のほうが相対的に捉えやすい)から手触りを整理。次回の議論につながる助走がつく回です。

九鬼周造『いきの構造』#3

九鬼周造『いきの構造』#3

Feb 10, 2026 27:09 Nozomi Tanaka

最終回は、「渋い」と「いき」の差分を、さらに日常語へ降ろしていく回。女性の“渋さ”は成立するのか、樹木希林の「土渋」や年齢・経験量の議論を経て、渋みは“少量で後から効く”山椒のようなものだ、という比喩に辿り着きます。一方で話題は、失敗談の扱いへ。にじみ出る深みは渋いが、ひけらかす失敗は野暮。NewsPicks的「失敗語りビジネス」を俎上に、想像の余地を残す振る舞いの難しさを検討します。さらに『いきの構造』後半の「優しさ/哀れみ」論を手がかりに、助言は優しさとして成立するのか、それとも暴力(哀れみ)になるのかを自己点検。「成立しない可能性があっても言いたいか」という判断基準が提示され、粋の核心にある“諦め(軽やかさ)”とも接続します。締めは、令和でも強度を保つ言葉「垢抜け」。湯上がりの“抜け”や薄化粧の粋、そして「垢」の解像度のズレ(都会の垢抜け/農村の“物理垢”)まで掘り下げ、粋の感受性が現代の身体感覚にどう残っているかを照らします。次回課題本は山本七平『空気の研究』に決定。「日本社会の研究」2冊連続へ。

九鬼周造『いきの構造』#2

九鬼周造『いきの構造』#2

Feb 3, 2026 27:03 Nozomi Tanaka

『いきの構造』を読み進めながら、議論は「いきな人とは誰か」から「いきな仕事とは何か」へ。白い部屋に“バン!”と光を当てるような「わかりやすさ」の誘惑と、そこから一歩引いた“野暮じゃない”振る舞いの難しさを、みき・のぞみが自分たちの働き方に重ねていきます。後半の主役は「手土産」。高すぎず安すぎず、甘すぎず渋すぎず、相手に“返してね”を匂わせない絶妙なバランスに、粋の構造が露わになる。さらに「ビジュイイじゃん」という現代の褒め言葉を俎上に、ルッキズムを回避しながら肯定を差し出す“言葉遣いの粋”も検討。そして九鬼の「甘み/渋み」軸に苦戦するのぞみは、「渋いおっさんになりたい」という欲望を自覚し、渋みは表層ではなく経験から醸成されるのだと痛感する。粋は“避ける”だけでは到達できない。その「あいだ」に立ち上がる倫理と美意識を、雑談のようでいて妙に実務的な手触りで掘り下げるpart2。

九鬼周造『いきの構造』#1

九鬼周造『いきの構造』#1

Jan 27, 2026 24:20 Nozomi Tanaka

九鬼周造『いきの構造』を課題本に、みき・のぞみが“そもそもいきって何?”から立ち止まって語り合う回。新年の近況と本厄トークを挟みつつ、神社のおみくじの価格設計を「正月マーケティング」として眺めてみたり、「粋/野暮」感覚の手触りを日常の所作や食べ方に引き寄せていきます。後半は、みきが谷崎潤一郎『陰翳礼讃』と舞台照明の経験から、「見せすぎない」「主役に気づかせないのに効いている」美学としての“いき”を言語化。さらに『あかね噺』の“演者が透明になる”描写を手がかりに、自己主張と表現の関係を更新していきます。構造化の快感と、その構造に回収されきらない違和感の両方を抱えながら、“いき”を自分の身体にインストールしていく読書会・part1。

2025年振り返り #3

2025年振り返り #3

Jan 20, 2026 27:05 Nozomi Tanaka

旅と読書の“折り返し地点”。のぞみはアイスランド出張の移動時間にAudibleで沢木耕太郎『深夜特急』を一気聴きし、旅の記憶と重ねて再発見します。後半はみきが『AはアセクシュアルのA』を起点に、“恋愛中心”の常識を問い直す視点へ。締めはのぞみの追加ベストとして『ハイ・コンフリクト』とSF『亜空間不動産株式会社』を紹介。次回課題本は九鬼周造『「いき」の構造』です。以下、事前メモみき本AはアセクシュアルのA菜食主義イリナグリゴレさんのエッセイ世界99恥辱朝と夜夏蜜柑とソクラテス友達じゃないかもしれない映画ワンアフターバトルアナザー教皇選挙落下の王国アノーラ漫画ころがるきょうだいローズロージィローズフルバッドゲキドウ演劇あんまりいい芝居に出会えなかったやみ・あがりシアターヌトミックのアクセシビリティ旅カナダでオーロラを見た!バルト3国に行けた!北欧は来年にでもお買い物リピしたいのぞみ本/マンガ好き嫌いと経営High Conflict よい対立 悪い対立 世界を二極化させないためにエネルギーをめぐる旅最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1亜空間不動産株式会社余白の芸術生きる言葉深夜特急1~6ケインとアベル銀と金/ナニワ金融道映画教皇選挙SING SING劇場立川談春 独演会「鼠穴 落語」千原ジュニアの座王 in日本武道館さらば単独「八百長」銀シャリ単独「純米大吟醸」体験ダイアローグインザダーク旅アイスランド

2025年振り返り #2

2025年振り返り #2

Jan 13, 2026 24:08 Nozomi Tanaka

のぞみの年間ベストは、立川談春の古典落語「鼠穴」。30円の“貸し方”が突きつけるのは、優しさと残酷さの境界、そして「相手の尊厳を傷つけてでも変化を促すこと」はあり得るのか、という問い。後半はみきが、映画『教皇選挙』の“中間管理職映画”としての面白さと映像美、さらに『落下の王国』4Kリマスターの圧巻ビジュアルを語る。以下、事前メモみき本AはアセクシュアルのA菜食主義イリナグリゴレさんのエッセイ世界99恥辱朝と夜夏蜜柑とソクラテス友達じゃないかもしれない映画ワンアフターバトルアナザー教皇選挙落下の王国アノーラ漫画ころがるきょうだいローズロージィローズフルバッドゲキドウ演劇あんまりいい芝居に出会えなかったやみ・あがりシアターヌトミックのアクセシビリティ旅カナダでオーロラを見た!バルト3国に行けた!北欧は来年にでもお買い物リピしたいのぞみ本/マンガ好き嫌いと経営High Conflict よい対立 悪い対立 世界を二極化させないためにエネルギーをめぐる旅最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1亜空間不動産株式会社余白の芸術生きる言葉深夜特急1~6ケインとアベル銀と金/ナニワ金融道映画教皇選挙SING SING劇場立川談春 独演会「鼠穴 落語」千原ジュニアの座王 in日本武道館さらば単独「八百長」銀シャリ単独「純米大吟醸」体験ダイアローグインザダーク旅アイスランド

2025年振り返り #1

2025年振り返り #1

Jan 6, 2026 26:51 Nozomi Tanaka

年末恒例の「2025年ベストコンテンツ」回。冒頭は、韓国でコーヒーショップが“公園代わり”になっているという都市計画の話からスタート。新聞販売店の厳しい現実と、配達が結果的に“見守り”として機能している話、さらに花屋の仕入れがリアルタイム入札に置き換わっていく現場感まで、生活と産業の変化を拾い上げます。そして本題は、みきの年間ベスト1『世界99』。ずっとまとわりつく「気持ち悪さ」を、なぜ“読む手”が止まらない引力に変えてしまうのか。『消滅世界』『すばらしい新世界』などの連想も交えつつ、欲望・同調・家族・都市といったテーマを二人で噛み締めながら整理していきます。みき本AはアセクシュアルのA菜食主義イリナグリゴレさんのエッセイ世界99恥辱朝と夜夏蜜柑とソクラテス友達じゃないかもしれない映画ワンアフターバトルアナザー教皇選挙落下の王国アノーラ漫画ころがるきょうだいローズロージィローズフルバッドゲキドウ演劇あんまりいい芝居に出会えなかったやみ・あがりシアターヌトミックのアクセシビリティ旅カナダでオーロラを見た!バルト3国に行けた!北欧は来年にでもお買い物リピしたいのぞみ本/マンガ好き嫌いと経営High Conflict よい対立 悪い対立 世界を二極化させないためにエネルギーをめぐる旅最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1亜空間不動産株式会社余白の芸術生きる言葉深夜特急1~6ケインとアベル銀と金/ナニワ金融道映画教皇選挙SING SING劇場立川談春 独演会「鼠穴 落語」千原ジュニアの座王 in日本武道館さらば単独「八百長」銀シャリ単独「純米大吟醸」体験ダイアローグインザダーク旅アイスランド

トルストイ『人間にはたくさんの土地が必要か』#3

トルストイ『人間にはたくさんの土地が必要か』#3

Dec 2, 2025 21:38 Nozomi Tanaka

『人間にはたくさんの土地が必要か』最終回となるpart3では、トルストイ本人の生き方から、現代の「反資本主義ブーム」まで、話題が一気に広がっていきます。のぞみはまず、トルストイの人生をざっくりおさらい。 裕福な伯爵家に生まれ、『戦争と平和』を書き、晩年には「私有財産なんていらない」と悟りつつも、実際には家督と財産を背負い続け、最後は82歳で家出して地方の小さな駅で亡くなった——そんな「思想と現実に引き裂かれたおじいちゃん」の姿に、自分の将来をちょっと重ねてみます。そこから話は、斎藤幸平をはじめとする「反資本主義」言説や、それを批判する論者たちへ。 「欲望に振り回されているパホーム的な人よりも、“それを見抜いて批判してるつもりの人”のほうが、実は一番ダサくて品がないのでは?」という、みきの鋭くも笑える読み解きが飛び出します。二人がたどり着くキーワードは「バランス」。 NPOと営利事業を両立させる組織の話や、矛盾を抱えたまま成立している社会の構造を例にしながら、 「矛盾してるよね」と指摘して終わるのではなく、 シーソーの両端にある価値をどう同時に抱えるか——その難しさと価値を考えます。 パホームのような“行きすぎた欲望の人”がいたからこそ、フロンティアが開かれてきた面もあるのでは?という視点も。後半は一転、「寓話」という形式そのものの話へ。 トルストイの短編や三体の“プレートに刻まれたメッセージ”を引きながら、 短くて、情景が浮かんで、読みながら比喩としても受け取れてしまう—— そんな寓話のすごさと、自分たちもいつか一本は書いてみたいという願望が語られます。最後は、みきがぽろっとこぼしたアイデアで締めくくり。 老後、伊勢丹で貯金をすべて使い切り、 そのあと延々と昔話をしながら死んでいくおばあさんの寓話—— 「人間は、昔話をしながら死んでいく」というテーマで、いつか自作寓話を一本書いてみようか、という約束めいた冗談でエピソードは終了します。トルストイとパホームを入り口に、 欲望とバランス、矛盾を抱えたまま生きること、 そして「自分ならどんな寓話を書くだろう?」というところまで、 じわじわと話が広がっていく『人間にはたくさんの土地が必要か』part3です。

トルストイ『人間にはたくさんの土地が必要か』#2

トルストイ『人間にはたくさんの土地が必要か』#2

Nov 25, 2025 21:28 Nozomi Tanaka

みき=「人生、事件少ないな〜っていつも思ってるほう」 のぞみ=「長野の退屈でも案外ハッピーだった世界観を背負ってるほう」 として、このpart2はこんな回です👇トルストイのパホームは土地に取り憑かれていくけれど、 もし彼が2020年代に転生していたら——狙うのは「タワマン」「フォロワー数」「課金コンテンツ」だったかもしれません。今回のpart2では、みきとのぞみがパホームの欲望を、現代の私たちの「これさえあれば」に引き寄せて語り合います。渋谷に実在するという、ギャルやインフルエンサー志望の子たちが SNS運用を学ぶ学校の話から、上限のないフォロワー数・エンゲージメントの世界へ。 目の前に広がる畑や牧草地としての「土地」と、 スマホの中の数字としての「資産」や「影響力」。 見える欲望と、見えない欲望は、どちらの方が人を狂わせるのか——?のぞみは「日々、十分だなと思って生きてる」と話しつつ、 長野の、毎年ほとんど同じことが繰り返される退屈な田舎で それなりに幸せに暮らす人たちを見てきた感覚から、 「退屈=悪いことじゃないし、最悪そこに戻ればいい」という妙な安心感を打ち明けます。一方のみきは、「お金もっと欲しいし、人生ちょっと物足りない」「暇で退屈、めちゃくちゃ分かる」と、 『暇と退屈の倫理学』の話まで引っ張り出しながら、 いつもどこかで「事件」を求めてしまう自分を認めます。 同じパホームを読んでも、「日々タルを知る」側と「まだ足りない」側で、見えてくるものが違うのが面白いところ。そして話題は、作品に出てくる悪魔と、歩き出す前の晩に見る不吉な夢へ。 「どこかから見張られてジャッジされている感じ」のロシア正教的な世界と、 お天道さまや八百万の神様が“そばにいる”日本的な宗教観の違いを、 二人の育ちや肌感覚から比べてみます。現代のパホームは、どんな「土地」に取り憑かれてしまうのか? 自分の中で際限なく膨らみがちな欲望は、お金なのか、住まいなのか、フォロワーなのか、それとも「もっとドラマチックな人生」なのか。そんなことを、エロボイスチャット課金おじさんという極端なたとえまで持ち出しながら、 笑い半分・ため息半分で考えてしまう回が、この『人間にはたくさんの土地が必要か』part2です。

トルストイ『人間にはたくさんの土地が必要か』#1

トルストイ『人間にはたくさんの土地が必要か』#1

Nov 18, 2025 30:43 Nozomi Tanaka

今回の課題本は、トルストイの短編『人間にはたくさんの土地が必要か』。 ……のはずが、冒頭はインフルエンザで学年閉鎖になった小学校の話からスタートします。健康の話ばかりするようになった自分たちの年齢感に苦笑しつつ、みきは「都内ホテルで一泊して、伊勢丹ギフトを上限まで使い切る」というバースデー大散財プランを報告。妹と平成のヒットソングを肴に、一日中“昔話”をしてしまった自分を振り返ります。一方ののぞみは、男友だち3人飲みで盛り上がった『DIE WITH ZERO』論争を持ち込みます。「お金より思い出のほうが“複利”で増える」というコンセプトは本当にそうなのか? みきは、演劇プロジェクトで出会った「経験を積むことに意味はあるのか?」と問い続ける65歳デザイナーのエピソードを紹介し、スキルとして換算しづらい経験や感情の記憶をどう捉えるかを一緒に考えていきます。そこからようやくトルストイへ。のぞみが、不動産業者のニュースレターでこの作品に再会した話をしつつ、主人公パホームが悪魔に見張られながら、より広い土地を求めて走り続け、最後には自分のお墓一つ分の土地しか残らない——という寓話のあらすじを語ります。不動産屋さんが「俺たちはパホームより速く走り抜ける」と読んでしまう危うさに、二人で苦笑しつつゾワッとするくだりも。「どれくらいまでが“今”で、どこからが“昔話”なのか?」 「お金や土地、“もっと欲しい”という気持ちに終わりはあるのか?」健康・老い・思い出・経験の価値をぐるぐる話しながら、トルストイの問いに近づいていく導入回が、このpart1です。

ドストエフスキー『地下室の手記』#3

ドストエフスキー『地下室の手記』#3

Nov 11, 2025 17:16 Nozomi Tanaka

「地下室」にとどまる生の魅力と危うさをもう一度見直します。 みきは“働かず読書に没入する理想”に惹かれつつ、それが行動不能のこもりへと傾く怖さを自省。比喩として、日光と外気のある「離島の図書館」を挟み、閉鎖と開放のバランスを考えます。 のぞみは、リーザの出自(リガ)からバルトの光の弱さ/陰影を想起し、作中の階段描写を手掛かりに“地下室”の物理的条件や時系列(役人時代の住まい)を検討。さらに、執筆当時の連載状況と家族の不幸に触れ、作品の陰影を背景から補助線で引きます。後半は、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』と並走させ、 「自己完結の独白がSNS空間に溢れると何が起こるか」「欲望の押し付けと合理主義の限界」を検討。 同時に、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』へ視野を広げ、こもる独白から他者との応答へと開くドスト作品のダイナミクスにも触れました。

ドストエフスキー『地下室の手記』#2

ドストエフスキー『地下室の手記』#2

Nov 4, 2025 16:57 Nozomi Tanaka

第二部のリーザの場面を軸に、語りの“痛さ”ではなく行動不能としての地下室男を読んでいきます。 みきは、第一部(40歳の独白)→第二部(20年前の回想)という配置が、主人公のこじらせを終生のものとして浮かび上がらせる点に注目。さらに、主観の濁流に客観的事実を少量混ぜるドストエフスキーの叙述のうまさ(例:リーザが札を置いて去る)を指摘します。のぞみは、自己完結に陥る近代自我への対抗としてテニスのダブルスを参照。二人で“一つの身体”のように動く感覚や、柔道・剣道・将棋に見られる儀礼=共同で場を整える意識から、勝ち負けとコミュニケーションを両立するモデルを考えます。終盤は、「地下室」は孤立の象徴であると同時に、こもり続けられる“特権”にもなりえるのでは、という論点へ。主人公とは距離を置きつつ、誰の中にもある“小さな地下室”をどう扱うかを話しました。

ドストエフスキー『地下室の手記』#1

ドストエフスキー『地下室の手記』#1

Oct 28, 2025 23:34 Nozomi Tanaka

今回取り上げるのは、ドストエフスキー『地下室の手記』。 40歳の元役人が、自意識とこじらせの果てにたどり着いた独白の物語です。冒頭では、のぞみがテニスウェア販売の現場で感じた“人の選択の不思議さ”を話し、 みきは久しぶりに小劇場のスタッフとして参加した経験から、 「若い人は体と魂がピタッとしている」という印象的な言葉で、世代の感覚の違いを語ります。そこから、二人の話題は自然と“地下室男”へ。 のぞみは「SNSでとりあえず怒ってみる人たちと似ている」と感じ、 みきは「書かれているのはリアルな感情ではなく、あとから上書きされた認知では?」と分析します。こじらせた独白にいら立ちながらも、どこか他人事ではいられない。 距離をとって読むからこそ見えてくる、滑稽さと人間らしさについて話しました。

ショーペンハウアー『孤独と人生』#3

ショーペンハウアー『孤独と人生』#3

Oct 7, 2025 25:33 Nozomi Tanaka

ショーペンハウアーの肝は、「人と一緒にいる時でさえ、内側に孤独を持ち込む」こと。――言うは易く、どうやって?みきは、年齢とともに外部の“ガソリン”に頼りがちな自分を見つめつつ、その実践の難しさを素直に語ります。のぞみは、岩波茂雄・山下太郎・南方熊楠の伝記を手がかりに、人が動き続けるためのエネルギー源のちがいを比較。さらに二人は、「会議で話が通じない瞬間」「機内で自分だけ読書灯を点けたとき」など、それぞれの“孤独が立ち上がる場面”を持ち寄って、孤独をネガではなく“状態”として捉え直していきます。寄り道は『暇と退屈の倫理学』や『死に至る病』まで。最後は「選んだ孤独は良い孤独」というフレーズで、日常に持ち帰れる一行をポケットに。重たさは置いて、手触りだけを残すPart3。

ショーペンハウアー『孤独と人生』#2

ショーペンハウアー『孤独と人生』#2

Sep 30, 2025 27:01 Nozomi Tanaka

もしショーペンハウアーが友だちだったら、きっと最初から「二軒目」の深さで語り合える人かもしれない。 みきは『孤独と人生』に出てくる「楽しみの三分類(再生力/刺激/感受性)」の切れ味に驚き、のぞみは「誤りは結果から原因を推すところに生ずる」という一節を、直前の会議の出来事と重ねて実感します。さらに話題は、ショーペンハウアーが語る“愚行を招く三つの種(野心・虚栄心・自負)”から、“安売りされた自負=愛国心”という挑発的なフレーズへ。時代を超えて響く辛口の指摘に、二人は笑い混じりに“スナック・ショーペンハウアー”を妄想します。終盤では、ひとりで働く心地よさと人を雇う迷いをきっかけに、孤独を「寂しいもの」ではなく「向き合い方しだいの状態」として捉え直す視点へ。

ショーペンハウアー『孤独と人生』#1

ショーペンハウアー『孤独と人生』#1

Sep 23, 2025 26:10 Nozomi Tanaka

みきが北欧〜バルトを3週間旅したエピソードからスタート。豪華フェリーやオスロのサウナ、街並みに重ねた『ドラクエ』の世界観——移動の合間に読んでいたのがショーペンハウアー『孤独と人生』でした。本を手がかりに、孤独を「幸福への道」と捉える視点にうなずくみきと、HBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)の“職場の孤独”特集を思い出すのぞみ。 「絶対に孤独で、同時に孤独な人は一人もいない」という僧侶の言葉や、ノーベルの独身生活から続く孤独の美学まで、旅と哲学が呼応します。さらに、ショーペンハウアーと愛犬プードルの逸話から“忠誠と孤独”の関係へ。 北欧の夏休み気分と哲学の硬派なテーマが交差する、肩の力が抜けた対話のPart1。

オリバー・サックス『妻を帽子と間違えた男』 #3

オリバー・サックス『妻を帽子と間違えた男』 #3

Sep 16, 2025 21:27 Nozomi Tanaka

Part3は、「相互関係ってどんな人のこと?」という話からスタート。 みきは、自然体で相手の話を聞き、新しいものを引き出せる人をイメージ。のぞみは、自分にはあまりその感覚がなかったとしつつ、本に出てきた“相互関係が創造性を引き出す”エピソードに共感します。そこから話題は音楽の力へ。作中でも音楽が人に良い影響を与える場面が多いことに気づき、みきは最近観た“観客も参加する音楽パフォーマンス”の体験を紹介。どんな気分のときでも入り込める作品の魅力や、声や音の使い方が人を動かす可能性について盛り上がります。最後は「人の魂はその人のIQがいくつであろうと調和的なものである」という言葉に共鳴しつつ、この本がくれた豊かな読書体験を笑顔で振り返りました。

resize.fm

resize.fm

デザイナー・エンジニアとして働くふたりが、最近気になるサービスやデザイントピックスについて話すポッドキャストです。デザイン書籍の紹介や日常生活に潜むデザイン、気になるガジェットなど、デザインを軸に幅広く話します。💁‍♂️ https://resize.fm おたよりはGoogleフォームまたはX #resizefm から💁‍♀️ https://forms.gle/Ca9HTWXVLeXQ14Mn6

言語化.fm

言語化.fm

いいと思っていること、考えていることをきりん(@sota1235)とだて(@d_date)が言語化したいPodcastです テーマは技術や仕事、なんでも ポッドキャスト文字起こしサービスLISTENはこちら https://listen.style/p/1n0cyluy?KhZfJEkl

The Potluck

The Potluck

The Potluckは、ニューヨーク在住のCXリサーチャー Rieと東京在住のクリエイティブ・ディレクター/写真家のNagisaが、アメリカや日本の気になるプロダクトや企業・ブランドを、ビジネストレンド、クリエイティブ、コンシューマーといったさまざまな視点から、あれこれ話すポッドキャストです。 リクエスト、感想などはハッシュタグ #ThePotluck をつけてポストしてください💕また、リクエスト、感想は匿名メッセージサービス「マシュマロ」からも受け付けています!下記URLからどうぞ。 https://marshmallow-qa.com/thepotluckus また、PayPal.meでご支援も募集中です。頂いたご支援金は機材投資やコンテンツ拡充などに活用させていただきます。 https://paypal.me/thepotluckus The Potluckの最新情報は、 ✓Twitter:https://twitter.com/thepotluckus ✓Instagram:https://instagram.com/thepotluckus をチェック!

FREE AGENDA by hikaru & yamotty

FREE AGENDA by hikaru & yamotty

▼このチャンネルについて メルカリでグロースを務めてきたヒカルと株式会社10Xの創業者&代表であるYamottyがビジネスやテクノロジー、スタートアップなどをトピックに話すYouTube/Podcast「FREE AGENDA」の公式アカウントです。 ▼お便りや感想はこちらからお待ちしています https://forms.gle/73RW6Fq7TWMJpfNx9 ▼X(旧Twitter) FREE AGENDA: https://twitter.com/free.agenda Hikaru: https://twitter.com/hik0107 ▼RSS https://listen.style/p/freeagenda?JzRJLmZH

TimeTreeラヂオ

TimeTreeラヂオ

TimeTreeラヂオはカレンダーシェアアプリTimeTreeを運営する私たちメンバーが、ふだんの仕事に関係することも、そうでないことも話すインターネットラジオ番組です。 LISTENで書き起こしも配信中です! → https://listen.style/p/timetree-radio?lFFqlOi4

研エンの仲

研エンの仲

「研エンの仲」は、神経科学の研究者 Ayaka (@kayautoka) とソフトウェアエンジニア Ryohei (@fushimir) の2人によるPodcastです。科学やエンジニアリング、日常の話題についても話しています。 公式Twitter: @KenNaka Hashtag: #研エンの仲 みなさまからの感想・質問・フィードバックがこのPodcastを続ける糧になっています。Twitterでハッシュタグ #研エンの仲 をつけて投稿していただくか、おたよりフォーム、マシュマロか下記のメールアドレスまでお送りください。 おたよりフォーム: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfm3NGeT-LdVC-CLYmIUirE9GClBSGnE48RLfXBAVd1FQ54rA/viewform マシュマロ: https://marshmallow-qa.com/ken_en_no_naka メールアドレス: ken.en.no.naka.podcast@gmail.com Listen: https://listen.style/p/kennaka?DFsXuedx パーソナリティ: Ryohei (fushimir@) ... エン担当 Ayaka (kayautoka@) ... 研担当