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2025-08-19 17:51

ジェフリー・アーチャー『百万ドルをとり返せ!』#2

Part2「復讐したいと思ったこと、ありますか?」 ジェフリー・アーチャー『100万ドルを取り返せ』をきっかけに、今回は“復讐のエネルギー”をめぐる考察が繰り広げられます。

上品な復讐をやってのけるスティーブンに対して、「自分なら酒に溺れて終わる」「SNSで愚痴っておしまい」と語るふたり。とはいえ、「相手に恩を売って気まずくさせる」「役に立つことで上下関係を築く」…それって実は上品な復讐では?と、思わぬ内省が始まります。

さらに、著者自身が政治家として巨額損失を経験し、その悔しさを物語に昇華していたという事実にも驚き。 復讐、恩返し、SNS、名誉欲、そして“舐められアンテナ”まで―― 人の行動の裏にある感情の不思議に迫る、深くてチャーミングな対話です。

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大物詐欺師で富豪のハーヴェイ・メトカーフの策略により、北海油田の幽霊会社の株を買わされ、合計百万ドルを巻きあげられて無一文になった四人の男たち。天才的数学教授を中心に医者、画商、貴族が専門を生かしたプランを持ちより、頭脳のかぎりを尽して展開する絶妙華麗、痛快無比の奪回作戦。新機軸のエンターテインメントとして話題を呼ぶ“コン・ゲーム小説"の傑作。

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サマリー

ジェフリー・アーチャーの小説『百万ドルをとり返せ!』では、復讐とそのエネルギーに関する議論が展開され、損失を抱えたキャラクターたちがアイデアを出し合っています。ストーリーにはユーモアや意外な展開が盛り込まれ、全体を通して楽しませてくれます。また、作品では復讐の巧妙な手法や人間の心の動きが鋭く描かれ、キャラクターたちの専門性を活かした金の取り方が重要なテーマとなっています。

復讐のエネルギー
Nozomiさん、復讐したいと思ったことありますか?
たぶん、大金屋敷で生きてたらさ、詐欺とまでは行かなくてもさ、
ああ、なんか騙されたな、みたいな、なんていうの。
ああ、思ってたほどじゃなかったな、みたいなことはあるじゃん。
うーん、はいはい。はいはいはい。
しかも、それがさ、なんか見込み違いだったってこともあれば、
相手からちょっと舐められに、意図的にそれやられたなって思ったこととかもなくはないでしょ、人生で生きてたら。
うんうん、まあそうだね。それはあるかもね。
みたいな時に、それは詐欺とかで言わなくても、ちょっとしたことあるじゃん、みんな誰しも。
っていう時に復讐って思うタイプ?
いやー、ないかな。だから、スティーブンはすごいと思うね。
そうだね。
なんか、4人いて、その、ジャン・ピエールとこのお医者さんと、あとジェームズの3人はさ、
なんか、ああ損しちゃった、みたいな、ああタフだ、みたいな感じじゃないけど、
その、スティーブンは損した瞬間に、その、なんて言うんだろう。
その、このスティーブンのところに刑事が訪ねてきてさ、
なんか、詐欺なのでは?みたいな。
確かに確かに。
なんか来て、取り調べ受けて、で、そっから何とかして他の詐欺受けた人とかを調べて、みたいなことをスティーブンやり始めたんだけど、
その、ハーヴェーに対する詳細なレポートを作り、全員に共有して、
こういう計画にしましょう、みたいなこともやり、みたいな。
なんかその熱量は持てないなあ、みたいな。
辛くなりそうじゃない?復讐のエネルギー。
本当にそうだね。
モンテ・クリストフックもそうやけどさ、復讐エネルギーをそんなに長く持ち、持てへんよ、みたいな。
うん、本当にね。
もう、私とかやったら酒に溺れて終わりよ。
そう、私もツイッター芸人やって終わりよ。
ダメな2人かも。もしかしてダメな2人かも、私たちは。
ねえ。
いや、こんな1億円損した後に、損した人4人で集まって、みんなで取り返すアイディアを思いついてへん、貴族のジェームズをみんなでいじるみたいなシーンがあるやん。
そろそろ思いつきました?みたいな。
えー、何その余裕っていう。
どんだけで貸していいですか、みたいな。
ちょっと貴族さん、しっかりやってくださいよ、みたいな、あの小いじり。
何より立派、やっぱりこう、そういう人が社会で残っていかれるんですかね、みたいな気持ちになるなあ。復讐ねえ、ないなあ。
アイデアを出し合う
なんか本当にないし。
私のすごい勝手な偏見だけど、復讐のエネルギー強い人と恩返しマインドが強い人って同じようなイメージがあるのよ。
だから、お中元めっちゃ送る人とか、年賀状必ず送る人とかの方が、なんか復讐頑張れそうだなっていう。
私年賀状も送らへんし、お中元お世話も送らんから、やっぱり復讐もそこそこになっちゃうよね。
私あれだね、今はそれで思ったけど、スティーブはバランス?なんかジェロサムみたいな世界観が、持ってる総量が決まっててバランスが取れるみたいな感じの世界観なのかなって思った。
バランスが取れる。
あれバランスでできてるって世界観。
だから失ったものは取り返そうと思えば取り戻せるみたいな。
なるほど。
なんかもうちょっとさ、流れゆく水のようなものだとさ、考えるじゃない。
なんか私たちは、あのなっちゃったらしょうがないですね。
こぼれた水はもうそのまま蒸発させますみたいな。
復讐凡に還らず型人生ね。
復讐凡に還らずだけど、もうバランスなんじゃない。
確かにな。
いやー、そうやな。復讐な。恩も返せてへんし、復讐も返せてへんな。
なるようにしかならないからなって思っちゃうね。
そうだね、そうかもね。
まず復讐したいと思うことそのものがあんまりないのかもな。
でも後から思い返した時に、あの時舐められてたなって思った時に、
あいつよりは偉くなりたいなみたいな風に思う時があるから。復讐っていうか。
それで言うとめちゃくちゃあるかもね。
偉くっていうのは社会的に偉くなるとかじゃなくて、
あいつよりは良い魂でいようみたいな、
私が思う良い方の人間になるぞみたいな風に思う時があるかな。
そうやな、確かにね。それはそうかもね。
すっごい私、心が汚いけど、
いろんな仕事の現場で、なんやねんこいつみたいな人に会った時に、
復讐っていうよりかはこんな奴でも給料もろって働いてるんやから、
私別に何かあっても大丈夫やなって思うようにしてるもんな。
それで言うと1週間に4回ぐらいあるかも。
それいろいろあるよ。別に自分の直接の仕事だけじゃなくて、
ご飯食べに行った時の店員さんとかさ、
道歩いてる時にめっちゃサボってる人とかさ、
見た時に別に復讐とかじゃないけど、
この人たちでもなんとかなってんやからまあなんとかなるかみたいな、
めちゃめちゃ高級車に乗ってる態度悪いおっさんとかさ、
見た時に同じ気持ちになることあるなあ。
自分の関心の向けられ方として、
自分に損失をどれくらいこむってきたかみたいな軸じゃないよね。
社会とどう向き合ってるかみたいな軸だよね。
みきさんが言う、めっちゃ1億損失が出たとして、
復讐するより、それ芸やったほうがおもろいかなと思っちゃうかもしれへんな。
なんでもネタにしたらOKとか、
SNSで広く拡散させることができるじゃん、今は。
みたいなのもちょっと現代病なのかなとも、
読みながら思ったけどね。
だってやってそうじゃん、みんな。
SNSある時代の話だったら、4人とも。
そもそもこのジェフリー・アーチャーさん自身がさ、
みきさんが言う、SNS芸みたいなのでこの作品を書いてるわけじゃん。
後書きまで読んで、いい小説やったなと。
4人、一応平和かつユーモラスにこの作品自体は終わるやんか。
しかもちょっとした鈍点返しもありながらね。
そうそうそう、お金をみんなで取り戻してさ、
ジェームズ最後までアイディアが出えへんでしたら、
お前が何とかしてくれるんかい、みたいな一鈍点返しがあり、
その鈍点返しである程度平和ちゃんちゃんになるんかなと思いきや、
ユーモアと意外な展開
最後もう一鈍点で、ハッピーで終わるやん。
で、よかったよかったと思ってさ、読み終えて後書き読むとさ、
このジェフリー・アーチャーさん自身が、
もともと政治家で、政治家国会議員やっててんけど、
この人もこの作品の中に出てくる核会社への投資で大失敗して、
全財産を失って、その経験をもとにこの本を書いてるっていう。
3年後にね。
3年後に。
諸著作で、作家でもない人が半分自分の体験を作にしてるって、
ミキさんが言うSNSに書くと、ほぼ一緒っていうことを考えると、
現代病中か、もう人間に埋め込まれた何かなんじゃない?
確かにね。
確かに。
ジェフリー・アーチャーの時にツイッターあったら、
ヤバツイート頂いてそうだもんね。
この人、もう一回その後政治家になって、
スキャンダルとか司法妨害とかで有罪になってるんやろ?
だからもう応募だからN党の人みたいなことでしょ?
そうそう、みたいな。
橘さん小説書いてバズりましたみたいな。
みたいな。
なんか女性禁の暗号通貨のトーナメントになった人と、
橘隆が戦ってるみたいな感じだよね。
地獄の、地獄の。
みきさんも今日ディスプレイに突然映らなくなったことを、
小説に書けるかもしれないよ。
作品になるかもしれない。
傷が浅すぎる。
その傷さえ小説にできたら、みきさんもうアーティストですよ。
本当にね。
でもなんかこの人さ、たぶんちゃんとブール症が倍っていうかさ、
キャラも立っててさ、おかしやすい描写たくさんあったよね。
そうだね。
なんかまっすぐに復讐を描いていくっていうことより、
途中途中になんかその、ちょっとユーモラスなというか、
いいシーンがたくさんあって、カジノのシーンとか、
競馬場でジェームズが貴族やから周りの貴族に話しかけられちゃって、
持ち場につけへんとか、
最後の最後の結婚式の時に、
神父のお父さんが云々でとかさ、
いい息の抜き方というか、復讐劇、上品な復讐劇の間に
差し挟むエピソードみたいなやつもすごい楽しく読めたなぁ。
復讐と人間関係の探求
これ3年でさ、前代さんを失った憂鬱みたいなマインドからさ、
なんかこういうことが起きたらいいのになぁって言って、
カタリシス小説を書けるのを。
確かにジェフリアーチャー自身の格闘士作業は別に帰ってきてへんからなぁ。
そうそう、やられっぱなしだからさ。
願いを作品に込めてんねんなぁ。
うん、てことじゃ。それで人が読んでも楽しい物語にして、
すごいタフな人ですね。
こういうエネルギーがある人がやっぱ政治家とかやるんやな。
ダメなことがあってもタダでは立ち上がらへんでっていうのを乗っけてやれる人。
やってほしいよね。
勢いとエネルギーなんやな。
正しい理解とか頭がいいとかそういうこと関係ないねんなっていう。
制作立案能力とかも関係ない。
そうだね、やっぱりエネルギーなんだなぁ。
物語自体を楽しむっていうより、
どういう人物理解だとこういうことになるんだろうみたいな不思議が詰まってた。
どうしたらこんな上品に復習ができるんだろうとか、
どうしたら本当の体験、本当の全財産喪失が3年でこのような物語に?みたいな。
人間の心の動きの不思議みたいなのに思いを馳せる本だったなって思います。
金の取り方の多様性
みきさん、上品復習力高まったら人生楽なりそうやもんな。
確かにね。
なんか言うてるやん、舐められること多い生活。
そういう時にオシャレに復習できんねんって思えてるとさ、
舐められしに来た来た来たって思えるかもしれん。
本当にそうだよね。舐めぷにの対応法って2方向あると思ってて、
1つが舐められてることに気づかないというか、
え、私舐められたんですか?みたいな感じでカラッと生きる。
か、上品に復習するのにいたくて、今どっちも持ってなくて、
なおに舐められたっていうことのアンテナが立ちすぎて、
たぶん本当は舐められてないことすら、え、今舐められたかも?みたいになっちゃう。
なるほど。
たぶん今そういう状況だから、アプローチとしてはそんなこと気にせず、
あと自分のことだけに集中してろよっていう今方針だからね、私のアプローチの方針が。
うんうん。
確かに上品に復習するっていう方針もあるなって思いました。
その力を磨くっていう方針もあるんだなって。
上品復習力ね。
うん。
いやそれいいよな。みきさんはアンテナ花瓶なんだね今は。舐められアンテナ花瓶。
そんな気がしない?なんかそんな気がしてんだよ。
いや花瓶かどうかはわからんけど、構造上さ、たぶん女性やってるだけで舐めてくる人ってかなりいるからな、普通に見ると。
それはそう。
それは花瓶かどうかはわからん。本当にそうなのかもしれへんし、舐めてるのかもしれんしな。
ただ私のここのカブが、電源が落ちただけだったけど切れ具合を見てよ。
それを見ると花瓶かもなっていう。
あれで切れてるやつたぶん花瓶よ。
確かにな。そうだよな。
なんか、その、4人のさ、金の取り方もちょっと一個一個ちゃうやんか。
みんなでも専門性を活かしてね。
強制的に病気にして手術台として踏んだくるっていう技。
で、その人がずっと欲しがってるゴッホの模造品をめっちゃわかりにくい模造品を作って売るっていう技。
だから本物としてね。
本物として売るっていう技。
めちゃくちゃ成功なゴッホを作ってゴッホで捨てて売るっていう。
そうそう。戦争中に紛失してしまった誰も情報が残ってないやつをこれ本物なんですよって売るっていう技。
と、相手のこのある種の名誉欲にこうクスクスっとこうして、
このスティーブン自体はオックスフォード大学の教授やから大学への寄付としてって。
そうするとオックスフォードのガウンデスみたいな。
このハーヴェイ・メトカフ自身はポーランド系移民とかで別に額があって一緒じゃないから
ハーバードとかにも寄付してらしいっていう相手の名誉欲をちょろちょろっとやって
金をもらうっていうパターンと。
ミヒさんの上品な復習のヒントがその辺にあるんじゃん。
名誉欲、本物欲しい欲、健康でいたい欲とかさ。
確かにいいヒントだね。
今言うてて思ってんけど、私復習してるとは思ってないけど、
この人舐められたなとか、こいつに復習したいな的なものと似たようなシーンになった時に
私めっちゃその人に恩を売るってやってる気がする。
って今話しながら思ったわ。
気まずくさせるってこと?
簡単に言うとそういうことだと思う。
こんなに恩を受けている人にこんな風にしてしまってるのは申し訳ないっていう感情を相手の中にグーってさせたいって思ってるんだと思うけど
めっちゃその人にいろんな恩を売りに行くな。
強制的にでもその人に恩を受け取ってもらうっていう。
私も恩を売るときあったけど、今自分でも思ったけど気まずくさせたいんじゃなくて
上下関係を作って上に立ちたいって気持ちが強いなって思った。
私の方が上におんねんでっていうこと?
そうそう。見せつけるためにやってるなって今思ったわ。
上品なんじゃない?実は。
役に立つっていうアプローチね。
相手を恩でパンパンにするっていう。恩と恩受け罪悪感でパンパンにするっていう技。
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