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2025-11-11 17:16

ドストエフスキー『地下室の手記』#3

「地下室」にとどまる生の魅力と危うさをもう一度見直します。

みきは“働かず読書に没入する理想”に惹かれつつ、それが行動不能のこもりへと傾く怖さを自省。比喩として、日光と外気のある「離島の図書館」を挟み、閉鎖と開放のバランスを考えます。

のぞみは、リーザの出自(リガ)からバルトの光の弱さ/陰影を想起し、作中の階段描写を手掛かりに“地下室”の物理的条件や時系列(役人時代の住まい)を検討。さらに、執筆当時の連載状況と家族の不幸に触れ、作品の陰影を背景から補助線で引きます。

後半は、オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』と並走させ、

「自己完結の独白がSNS空間に溢れると何が起こるか」「欲望の押し付けと合理主義の限界」を検討。

同時に、『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』へ視野を広げ、こもる独白から他者との応答へと開くドスト作品のダイナミクスにも触れました。


サマリー

ドストエフスキーの『地下室の手記』の議論では、地下室の設定やキャラクターの性格形成が検討されています。特に、地下室が象徴する孤独や精神的な暗さについての詳細が掘り下げられ、ドストエフスキーの人生との関連性にも触れています。第3巻では、主人公の地下室男の内面的葛藤や社会への批評が描かれており、彼の考えは他者とのコミュニケーションと対比されています。登場人物たちの思考や感情は読者に新たな視点を提供し、ドストエフスキーの作品の独特な魅力が伝わります。

地下室の象徴性
本当はさ、僅かな遺産で働き寄せて本だけ読んで暮らしてますっていうのは、割と私の目指している生活の姿ではあるわけよ。
地下室のMiki?
その結果、こんな人間になってしまうのってちょっと危ういよなって思った。
まあな。
前聞いたMikiさんは地下室っていうか、島的な何かだったよね?
そう、離島に小説図書館を建てて。
太陽の光があればこうならないかもしれない。
本当はロシアってさ、いつも曇ってる暗い国だからね。
どこが私かわからないけど。
そうか。
あとさ、リーザはリガから来たって言ってたからアラトビアだよね。
そうだね。
だからまだアラトビアがロシアだった頃かとか思って。
最近アラトビア行ってたからさ、確か同じ暗さある確かに。
リアルにイメージできた。
確かに。
リガさ、ちょっと港町でもあるしちょっと明るくない?
ロシアのイメージというよりちょっとなんか。
ロシアの、モスクワとかよりは明るい。
そうだよね。
イメージも。
ただスウェーデンとかと比べたらめっちゃ暗い。
まあね。
どっちかって言ったらロシアより。
リガのラトビア国立博物館みたいなやつ。
一回見に行ったんだけど、絵見てるだけでちょっと暗い気持ちになるもん。
ソ連の時の作品ですみたいな。
灰色で塗りつぶしましたみたいな。
現代絵画見てるだけでちょっとなんか。
テンション下がるっていうか、暗いもん。
ドストエフスキーこれすごいよな。
繰り返しだったんすか?
でも地下室って本当に地下だったのかな?
なんかどれくらい半地下くらいなのかな?
日差しはどれくらい入ってきたのか気になるわ。
いや太陽光に浴びてこの性格になるやついないでしょ。
作品の背景と影響
いるのかな?
なんかさ、でも最後リーラが帰っていくところの描写で
階段の下の方に向かって声をかけたみたいに言ってたからさ
なんか上にいるのかなとか思って。
地下室っていうのはどれくらい地下だったのかよく分からなかった。
確かに。ちょっと待ってもう一回そこ。
本当だ。階段の下の方で彼女の足音が聞こえたような気がした。
確かに。
この時には地下室にはいなかったのかな?
この時は普通の部屋に住んでたってこと?
でも家に来てるから。
そうだね。
あ、そこそこ。ごめんそうだ。まだ役人時代だったから。
そういうことだ。
普通の家に住んでるのか。
あ、そうだそうだ。
でもこれであれじゃない?嫌になっちゃって。
地下に立てこもるんじゃない?もうフル地下に。
フル地下に行っちゃったのか。そうかそっか。
いや寒いロシアだったら地下も深いでしょ。
ね。
あのさ、この本で読んで全然関係ないけど面白かったのが
最後役者とか来て、役者の人が全然この作品のこと好きじゃないの伝わってくると。
えーと、なんだっけこの、えーと。
えーとなんだっけ、何さんだっけ。安岡さんじゃなくて。
あ、わかんない。えーと。
あ、でも安岡さんだ。安岡さん。
なんか、このようなアンチヒーローと付き合いの役者としては本当にしんどかったとか
どんな展開も全然楽しくなくて、全然つらかったです。
めっちゃ短いしさ。結構さ、本役者の解説って結構面白いことが多いじゃない。
こういう背景でこういうことがある作家の作品ですとか、
本役の時はこういうところが苦労しましたとかあるけど
めっちゃ大変でした以上みたいなことしか書いてなくて。
全然好きじゃない。こんなに役者が好意的じゃないの初めて見たかもって思った。
フルパワーで、そうだね、役者跡書きの出だしも
まさか自分がこの厄介な作品を訳すことになろうとは夢にも思わなかったって書いてるもんな。
うん。めっちゃ大変だったんだろうなって。すごいそれが。
これ読んでめっちゃ笑っちゃったよね。
いやー、いくつの時に書いたんだ。これ。
年表載ってるよね。
年表の…あ、43歳の時から連載を開始と。
書き始めて、第1部を1、2月号に掲載したらしいんだけど
4月に奥さんが亡くなって6月に後半を発表して7月にお兄ちゃんが亡くなってるけど
すごいなんか大変な時に書いてらっしゃるのね。
大衆の反逆と文学
あとあれだよ、ホストエスキーってシベリア浴流とか行ってるんだよ。
結構苦労人だね。
大苦労人だね。
あ、ほんとだ。シベリアルケーに処せられるって書いてるわ。
うん。28歳から。
ほんとだ。33で景気満了。
5年行ってるね。
暗くなるわな。20代の後半から30代の前半までシベリア行ってたやつ喜劇は書かないでしょ。
そうですか。
この本、読んでる時に一緒に読んでたのが
大衆の反逆っていうスペインのさ、スペインのお兄ちゃん大衆の反逆。
オルテガイ・ガセット。ちょっと後なんだけどこのオルテガイ・ガセットさんの方が。
50年くらい後だね。
70年後だ。
本来、社会っていうのは、大衆ってのは政治的な立場とか資産状況とかじゃなくて、
簡単に言って安気に流れる普通の人ってことなんだけど、
そういう人が何か社会の大事な意思決定をしちゃダメなんだみたいなことが書いてあるわけ。
へーすごい。先民思想ってこと?
簡単に言うとそう。
そういう人たちがよくわかんないことをボロボロ言ってるから物事がうまく決まらないんだって。
だから好奇と魂を持った人がバチッと決める方が世の中ってうまくいくんだっていう。
大衆みたいな人たちが、当然タイミング的にもいろいろあるんだけどさ、
いろいろ言い出すから戦争になったりとか意味わかんない政党が出てきたりとかするんだって。
それがイケるんだっていうことを言ってて。
読むと民衆主義社会に慣れ親しんだ私たちは、
そう言いましてもガセットさんって気持ちになるんだけど、
言いたいことわかるよって気持ちになるわけ。
地下室の主義とかやると、地下室の主義で書かれるのがこの主人公みたいな人がさ、
ちょっと人と関わりだしてSNS投稿とかしだしたら、
地獄みたいな空気になるよなみたいな。
そういうことを多分ガセット先生は大衆の反逆と呼んだんだろうなっていう気持ちになって、
遠い目になるっていう時間だったね。
大衆の反逆めちゃくちゃいい本だったよ。
確かにカラマドフの兄弟、
罪と罰はですね、どっちだっけ忘れちゃった。
カラマドフの兄弟か。
間違えた、罪と罰です。
罪と罰の冒頭はですね、地下室の主義みたいな主人公が外に出てた結果、
親のおばあちゃんを殺しちゃって、そこから始まる。
なるほど。
それで自分の罪とどう向き合うかみたいなこととかグチグチやってるんだけど、
自分は恵まれなくてかわいそうな、家賃も払えない世の丸しい人間だから殺して当然なんだみたいな、
わーって考えて、殺してはいけないんだ、わーって考えてるっていう。
同じ人だね。完全に同じ人。
カラマドフの兄弟は丈夫に恋しちゃって、そのことを薄ったもんだするみたいなところとかが長い描写としてある。
全7巻とかの小説。
長っ。
でも長いけどね。
地下室男の内面的葛藤
そんな薄ったもんだできる?
読めちゃうのやっぱすごい。地下室の主義が読めちゃった感じで7巻読める。
へー、1巻から2巻に行く時の手重そうだな。
そう。
面白いよ、面白かった。
コミュニケーションがあるからね、地下室の主義と違って。
なるほどな、なるほどな。
いや、そっか。
いやー、強烈だったなー。
そうだね、大衆の反逆?
大衆の反逆。
ちょっと大衆の反逆に納得しちゃうってことね、これ合わせて読むと。
納得しちゃう。納得しちゃうっていうか、そうだね。
大衆の反逆、こういう人がたくさん出てくることを多分オルテガイガセットの人たちは言ってたんだろうなーって。
言ってたんだなーみたいな。
こういうことを言いたかったのですね、お兄さんみたいな。
面白いわ。
そこで言う大衆の人たちって、うじうじしてる自己意識っていうよりかは、
自分が本当は何をやるべきかとかっていうことを完全に無視して、
みんなと同じならオッケーみたいな風にして思ってるやつばっかりが社会にあふれるようになるとあれだよねっていう感じなんだけどさ。
そこはちょっと、うん、そうだね。
このところは何て言うんだろう。
そうだね。
自分の欲望を社会に押し付ける人たちでいっぱいになってしまったときにうんうんみたいなさ。
へー。
それぞれ見てて、ちょうど選挙のタイミングでもあったからさ、
あーって思いながら読むっていう。
なるほど。
自分の欲望を社会に押し付けるだけの人は良くないとかさ、合理主義は良くないみたいな言ってるとことはさ、地下室男と同じなんだけど、
地下室男はその後に自分の脳で何重にも完結させてしまうっていう悪癖が良くないね。
そうだね。
もう、頭ん中完結型だからな。
そういう意味でやっぱり意思決定とかさせたら本当なんか変な犯罪を起こして終わるよね。
そうだね。
いやー。
大変だったんだね。
私は結構心地良さすらあったけど。
読むのはサーッと読むのよ。
サーッと読むんだけど、読んでるときに起きてくる感情がいろいろあるじゃない?
その起きてくる感情として、他の読書であまりない感情。
ジャンプの漫画を読んでるときには絶対起きない感情が。
でもそこがいいところじゃない?ドストーのいいところ。
知らない感情を教えてくれる。
なるほど。貴重な体験でした。非常に。
でも本当は私、ドストーを読んでて3巻ぐらいまでずっと読み続けてたら、
急に文章から景色が浮かび上がってくるようになって、ずっとそのドストーの世界に入ってた。
それですごく読書って楽しいって思い出した。
登場人物たちの社会への批評
延々と地下室でロウソク立てて、すくいちんちゃい光で描いてるヒゲマックスのおっさんが写ってたから、すごいねそれは。
これは近いしずっといるからね。
カラマドフの兄弟とか馬乗ってどこかに出かけたりとか、美人に会いに行ったりとか。
家族でやんやん言い争ったりとかしてるから。
確かにこの人、本の役者と書きでも、ドストーFスキーを読んだことがあるっていう人でも、
たった一つの作品が地下室の主機である可能性はほぼないだろうみたいなのを書いてたから。
私の触れ方がちょっとクレイジーだったってことなのかもしれないね。
ちょっと動きがあるものを最初に読むべきだったということなのかもしれない。
紡いだバスとか漫画になってるから。カラマドフの兄弟の漫画になってるかも。
ありそう。
でもカラマドフ、このような人たちが出てくるわけでしょ?
このような人たちが出てくる。もう少し開けてるよ。
でもにしても、この登場人物でイケメンに描くのめっちゃムズない?
漫画に耐えれるビジュアルになってるから。
カラマドフの兄弟の弟、イケメンだと思う。
イケメン設定なんだ。
私の中では。
なるほど。話を読んでるとイケメン感があるんだ。
これミヒさんと一緒じゃなかっただろうね。
よかった。
自分が勧めといてなんだけど、これはなかなかよかったね。
読めてよかったわ。私も感想をこんなに深く考えずに、さっきも笑ってておいた気がするから。
なるほど。
よかったです。
ありがとうございました。
次の本また考えないとね。
読書の秋ですから。
考えておきます。
次は私の番だっけ?私の番だよね。
じゃない?
わかりました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。ではでは。
ではでは。お疲れ様です。
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