病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。
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番組の魅力・推薦
【令和8年度改定】生成AI活用で医師事務作業補助者1人が1.3人分に?配置基準の柔軟化を解説
令和8年度診療報酬改定では、医師の働き方改革とICT活用の推進を背景に、医師事務作業補助体制加算の施設基準が見直されます。生成AIやRPAなどのICT機器を組織的に導入した医療機関では、医師事務作業補助者の人員配置基準が柔軟化されます。あわせて、医師事務作業補助者が実施できる業務範囲も明確化されます。今回の見直しのポイントは3つです。第1に、生成AIを含むICT機器の活用により、医師事務作業補助者1人を最大1.3人として配置人数に算入できるようになります。第2に、文書作成補助や代行入力など、医師事務作業補助者の業務範囲が具体的に明示されます。第3に、ICT活用による配置基準の柔軟化を届け出る場合は、導入前後の効果を年1回評価する義務が課されます。ICT活用による配置人数の算入方法今回の改定の最大の変更点は、ICT機器を活用する医療機関において、医師事務作業補助者の配置人数を割り増しで算入できる仕組みが新設されることです。この仕組みでは、活用するICT機器の種類と範囲に応じて、1人あたり1.2人または1.3人として算入できます。1.2人換算が認められるには、以下のアからエまでの4つの要件をすべて満たす必要があります。アの要件は、生成AIを活用した文書作成補助システム(①)を含むICT機器を組織的に導入し、大半の医師と医師事務作業補助者が日常的に活用することで、業務の効率化が顕著に図られていることです。この生成AIシステムは、退院時要約・診断書・紹介状等の原案作成を自動的に行い、業務を大幅に効率化するものでなければなりません。イの要件は、電子カルテ等と連動するICT機器について、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に準拠していることです。ウの要件は、生成AI等を用いる製品・サービスについて、「AI事業者ガイドライン」が遵守されていることです。エの要件は、すべての医師事務作業補助者にICT機器の操作方法と生成AIの適切な利用に関する研修を実施し、常時ICT機器を用いて業務を遂行できる体制を整備していることです。1.3人換算は、上記の生成AIシステムに加えて、さらに別のICT機器を広く活用している場合に認められます。追加で活用するICT機器には、医療文書用の音声入力システム(汎用音声入力機能を除く)、RPAによる定型入力作業の自動化、10種類以上の患者向け説明動画の3種類があります。これら3種類のうち、少なくとも1種類以上を広く活用していれば、1.3人換算が可能です。届出と運用に関する要件ICT活用による配置基準の柔軟化を届け出るには、前述のアからエの要件に加え、実績要件と効果評価の義務を満たす必要があります。実績要件として、新たに届け出る場合は、直近3か月以上にわたり、ICT活用なしの配置基準で当該配置区分またはそれを上回る配置区分を算定し続けていることが求められます。つまり、まず従来の基準で実績を積んだうえで、ICT活用による柔軟化を届け出る流れになります。効果評価の義務として、年1回程度の定量的または定性的な評価の実施が求められます。具体的には、ICT機器の導入前後における医師事務作業補助者の業務内容・業務量・業務時間、および医師の事務作業時間・負担感等を評価します。この評価結果は、衛生委員会等で確認し、必要に応じて対策を講じなければなりません。業務範囲の明確化今回の改定では、医師事務作業補助者が実施できる業務の範囲がより具体的に明示されました。この明確化は、現場での業務運用を円滑にすることを目的としています。文書作成補助の範囲は、従来の「診断書等の文書作成補助」から具体的な文書名が列挙されました。改定後は、診断書・診療情報提供書・返信・診療サマリー・診療計画書等の文書作成補助と明記されています。代行入力の範囲も、従来の「診療記録への代行入力」から詳細に記載されました。改定後は、診療記録・検査オーダー・食事オーダー・クリニカルパス・地域連携パスへの代行入力と具体的に示されています。そのほかの業務でも記載が充実しています。患者・家族への説明文書の準備・作成が新たに明記されたほか、診療録・画像検査結果等の整理、院内がん登録等の統計・調査・入力作業といった業務も具体的に示されました。常勤要件の変更配置基準の柔軟化とあわせて、医師事務作業補助者の常勤要件にも小幅な変更があります。従来は常勤職員の定義が「週32時間以上」でしたが、改定後は「週31時間以上」に緩和されました。この変更に関連して、常勤換算の計算方法も改定案で明記されています。常勤換算の際は、「当該保険医療機関における常勤職員の所定労働時間(32時間未満の場合は32時間)」の勤務をもって常勤1名として換算します。週31時間への緩和は常勤職員の定義に関するものであり、常勤換算の基準時間とは区別して理解する必要があります。まとめ令和8年度改定では、医師事務作業補助体制加算に3つの重要な変更が加わります。第1に、生成AIを含むICT機器の組織的活用により、医師事務作業補助者1人を最大1.3人として配置人数に算入できるようになります。第2に、文書作成補助や代行入力の業務範囲が具体的に明確化されます。第3に、ICT活用による柔軟化を届け出る場合は、年1回の効果評価が義務づけられます。生成AIの導入が必須要件となっている点は、今後の医療機関のICT投資計画に大きく影響するため、早めの検討をおすすめします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】ICT活用で看護配置基準を1割以内で柔軟化|3つの必須機器と施設基準を解説
令和8年度診療報酬改定では、看護業務の効率化と負担軽減を推進するため、ICT機器等の活用による看護配置基準の柔軟化が新設されました。この制度は、見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を組織的に導入した病棟を対象としています。本記事では、この新制度の仕組みと施設基準の要件を解説します。この制度の要点は3つあります。第一に、3領域すべてのICT機器を導入した病棟では、看護職員の配置数や看護師比率が基準の9割以上であれば、入院基本料等の所定点数を算定できます。第二に、対象となる入院料は急性期一般入院料1~6をはじめ20種類に及びます。第三に、超過勤務が月平均10時間以下であることや、導入前後の業務量評価を年1回実施することなど、複数の施設基準を満たす必要があります。制度の概要|ICT活用で看護配置基準を1割以内で柔軟化今回新設された制度は、ICT機器等の活用により看護業務を効率化した病棟に対して、看護職員の配置基準を1割以内で柔軟化するものです。この柔軟化の対象となるのは、1日に看護を行う看護職員・看護補助者の数、看護要員の数と入院患者の比率、そして看護師比率の3つの基準です。これらの基準が、本来の基準値の9割以上であれば、入院基本料等の所定点数をそのまま算定できます。従来は配置基準を満たさなければ減額や算定不可となっていましたが、ICT機器を組織的に活用して業務を効率化した病棟については、この柔軟化が認められます。ただし、柔軟化されるのは看護配置の数と比率に関する基準のみです。これら以外の入院基本料等の施設基準については、すべて満たしていることが必要です。この点は告示で明確に定められているため、看護配置以外の要件が免除されるわけではありません。この制度の背景には、看護現場の深刻な人手不足があります。実態調査によると、ICTを活用した業務の見直し・省力化に取り組む医療機関は約7割に上ります。しかし、見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を導入している施設はまだ限られています。今回の改定は、3領域のICT機器を包括的に導入することで、看護業務の質を維持しながら配置基準の柔軟化を可能にする仕組みです。導入が必要な3領域のICT機器施設基準を満たすには、「見守り」「記録」「情報共有」の3領域すべてにICT機器を導入し、病棟の看護職員等が広く使用している必要があります。いずれか1つでも欠けている場合は、この制度を利用できません。見守りにおける業務効率化に資するICT機器1つ目の「見守り」の領域では、病室のカメラやベッドのセンサー等を活用し、看護職員が遠隔で複数の患者の状態を把握できる機器が求められます。この機器により、患者の行動・体動・日常生活の状況を総合的かつ効率的に確認できることが条件です。具体的な効果としては、訪室回数の減少による業務効率化のほか、転倒転落の予防、異常の早期発見、身体的拘束の最小化、医療安全その他患者の生命・身体の保護が期待されます。なお、この機器を病室に設置する際には、患者のプライバシーに配慮し、患者またはその家族等に説明のうえ同意を得る必要があります。患者の状態や家族の意向に応じて、一部の患者に機器を使用しないことや、一時的に使用を停止することは差し支えありません。記録の作成等の効率化に資するICT機器2つ目の「記録」の領域では、音声入力による看護記録の作成や、電子カルテ情報からの自動サマリー生成など、看護記録の作成等の効率化に大きく資する機器が求められます。この機器を使用することで、業務時間外の記録作成にかかる時間が減少する等の効果があることが条件です。ただし、データの入力から記録・保存・活用までを一体的に支援するものに限られます。複数の機器を連携させて一体的に運用する場合も認められます。情報共有の効率化に資するICT機器3つ目の「情報共有」の領域では、業務中に手に持たずに複数人と同時に通話できる機器や、病棟の看護職員と病院の医師が携帯しリアルタイムに情報を共有できる端末など、直接対面せずに多人数で効率的に情報を共有できる機器が求められます。この機器により、報告・連絡に要する時間や、報告・連絡に伴う移動・待機の時間が減少する等の効果があることが条件です。その他の施設基準|超過勤務・業務評価・調査参加など3領域のICT機器の導入に加えて、以下の施設基準も満たす必要があります。セキュリティ基準への準拠ICT機器が電子カルテ等の医療情報システムと連動する場合は、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」と、総務省・経済産業省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」に準拠する必要があります。超過勤務の管理ICT機器を導入した病棟の看護要員(常勤職員に限る)の超過勤務時間は、1人1月あたり平均10時間以下であることが求められます。この超過勤務時間は、原則としてタイムカードやパソコンのログイン・ログアウト時間によって把握します。さらに、非常勤職員を含めて、導入前と比較して超過勤務が増加する傾向にないことも条件です。導入前後の業務量評価ICT機器の導入前後における看護要員の業務内容・業務量・業務時間、事務作業時間および業務負担等について、年1回程度の定量的または定性的な評価を実施する必要があります。その評価結果は院内の職員に周知するとともに、衛生委員会等で確認し、必要に応じて対策を講じます。中医協の調査への参加中央社会保険医療協議会の要請に基づく、ICT機器の活用状況や看護業務の改善に係る随時調査に適切に参加することも求められます。答申書の附帯意見においても、ICT等の活用による配置基準の柔軟化については、業務負担、医療の質、医療安全への影響、生産性向上等の観点から、病棟の種別ごとに影響を幅広く調査・検証するとされています。届出毎年8月に、ICT機器の導入状況と超過勤務の状況について届出を行う必要があります。初回の届出は所定の様式により行います。対象となる入院料|20種類の入院料が対象この柔軟化の対象となる入院料は、以下の20種類です。急性期一般入院料1~6、急性期病院A一般入院料、急性期病院B一般入院料、7対1入院基本料、10対1入院基本料、地域包括医療病棟入院料1・2、小児入院医療管理料1~4、特殊疾患病棟入院料1・2、緩和ケア病棟入院料1・2が該当します。急性期から専門病棟まで幅広い入院料が対象となっている点が特徴です。まとめ令和8年度診療報酬改定では、ICT機器を活用した看護業務の効率化を推進するため、看護配置基準の柔軟化が新設されました。この制度を利用するには、見守り・記録・情報共有の3領域すべてにICT機器を導入し、超過勤務月平均10時間以下や年1回の業務量評価などの施設基準を満たす必要があります。なお、柔軟化されるのは看護配置の数と比率のみであり、それ以外の施設基準はすべて満たすことが求められます。対象は急性期一般入院料をはじめ20種類の入院料です。今後は中医協の調査・検証を通じて、この制度の影響が評価されることになります。ICT機器の導入を検討している医療機関は、3領域すべての機器を計画的に整備し、施設基準の要件を確認したうえで届出の準備を進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】医療従事者の処遇改善|賃上げ評価の拡充と夜勤負担軽減の2本柱
令和8年度診療報酬改定では、医療従事者の処遇改善に向けた取り組みが大幅に強化されます。令和8年度および令和9年度にそれぞれ3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)のベースアップ実現を目指し、賃上げの実効性を高める仕組みと、夜勤負担の組織的な軽減策が導入されます。医療従事者の処遇改善は、大きく2つの施策で構成されます。第1に、ベースアップ評価料が大幅に拡充され、対象職員の全職種への拡大、点数の引き上げ、継続賃上げの優遇と未実施への減算が導入されます。第2に、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等の施設基準において、夜勤を含む負担軽減・処遇改善計画の策定が要件として明確化されます。① 賃上げに向けた評価の見直し:ベースアップ評価料の大幅拡充令和8年度改定では、医療従事者の賃上げを更に推進するため、ベースアップ評価料が3つの柱で見直されます。対象職員の拡大として、令和6年度改定で「主として医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く)」に限定されていた対象が、「当該保険医療機関に勤務する職員」全体に拡大されます。40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師、薬局の勤務薬剤師、事務職員、ベースアップ評価料の対象外であったその他の職員が新たに対象に加わります。これにより、賃金改善計画書や賃金改善実績報告書の提出が求められるようになるため、賃上げの実効性がより確実に確保されます。点数の大幅引き上げとして、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)は初診時6点→17点、再診時等2点→4点に引き上げられます。継続的に賃上げを実施している医療機関には、さらに高い点数(初診時23点、再診時等6点など)が新設されます。令和9年6月以降は段階的にさらに引き上げられます。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)は区分1~8から区分1~24へ、入院ベースアップ評価料は区分1~165から区分1~500へ拡充されます。継続賃上げ未実施への減算として、継続的な賃上げを実施していない医療機関に対し、入院基本料等の減算規定が新設されます。減算を回避するには、令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料の届出を行っていること、令和6年3月と比較して継続的に賃上げを行っていること、令和8年6月1日以降に新規開設した医療機関であること、のいずれかを満たす必要があります。このほか、調剤ベースアップ評価料(処方箋受付1回につき4点)や歯科技工所ベースアップ支援料(1装置につき15点)が新設され、薬局や歯科技工所にも賃上げの仕組みが広がります。夜勤手当をベースアップ等に含める取扱い変更や、繰り越し規定の削除にも注意が必要です。詳しくは「【令和8年度改定】ベースアップ評価料が大幅拡充|対象職員・点数・減算の3つの変更点」をご覧ください。② 夜勤を含む負担の軽減及び処遇改善に資する計画の明確化看護職員の夜勤負担を組織的に軽減する取り組みとして、施設基準における計画策定要件が明確化されます。改定の背景として、病棟看護管理者の実態調査で「夜勤シフトが組みにくくなった」と回答した病棟が34.3%、「夜勤回数が増えた」が28.1%にのぼります。入院料の施設基準を満たす看護職員の配置に困難を感じている医療機関は約8割に達しています。一方、「夜勤手当の見直し」を実施している医療機関はわずか15.0%にとどまっており、処遇面の対応も十分とは言えない状況です。改定の内容として、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等において、「負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」に夜勤に関する事項を含めることが要件として明確化されます。従来の「現状の勤務状況等を把握し」という文言が、「医療従事者の夜勤を含む現状の勤務状況等を把握し」に変更されます。対象となる加算は、大きく2つのグループです。第一に急性期総合体制加算(総合入院体制加算と急性期充実体制加算を統合して新設)、第二に看護職員夜間配置に関連する加算(療養病棟入院基本料の夜間看護加算、看護職員夜間12対1・16対1配置加算、精神科救急急性期医療入院料・精神科救急合併症入院料の看護職員夜間配置加算)です。実務上の対応として、対象加算を届け出ている医療機関は、夜勤に関する現状把握(シフトの組みやすさ、1人あたり夜勤回数の推移など)、問題点の抽出、具体的な改善策(夜勤専従者の導入、多様な夜勤形態の整備、夜勤手当の見直しなど)を盛り込んだ計画への見直しが必要です。詳しくは「令和8年度診療報酬改定|看護職員の夜勤負担軽減へ「計画要件」が明確化」をご覧ください。まとめ令和8年度改定における医療従事者の処遇改善は、賃上げに向けた評価の見直しと、夜勤を含む負担軽減計画の明確化の2本柱で構成されています。ベースアップ評価料は対象職員の全職種拡大、点数の大幅引き上げ、継続賃上げの優遇と未実施への減算が導入され、賃上げの実効性が強化されます。夜勤負担の軽減については、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等の施設基準で、夜勤に関する事項を計画に含めることが要件化されます。各医療機関においては、ベースアップ評価料の届出準備と夜勤に関する計画の見直しを並行して進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度診療報酬改定|看護職員の夜勤負担軽減へ「計画要件」が明確化
令和8年度診療報酬改定では、看護職員の夜勤負担を組織的に軽減する取り組みが強化されます。具体的には、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等の施設基準において、「負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」に夜勤に関する事項を含めることが要件として明確化されます。今回の改定のポイントは3つです。第一に、従来の負担軽減計画において暗黙的に含まれていた夜勤の事項を、計画に明示的に盛り込むことが要件として明確化されます。第二に、対象となる加算は急性期総合体制加算と看護職員夜間配置加算をはじめとする複数の加算です。第三に、実務上は現行の計画を見直し、夜勤に係る現状把握と具体的な改善策を盛り込む必要があります。改定の背景|深刻化する看護職員の夜勤負担今回の改定は、看護職員の夜勤をめぐる負担が年々深刻化していることを背景としています。病棟看護管理者を対象とした実態調査によると、直近1年間で「夜勤シフトが組みにくくなった」と回答した病棟は34.3%にのぼります。「夜勤の回数が増えた」と回答した病棟も28.1%に達しています。入院料の施設基準を満たす看護職員の配置に困難を感じている医療機関は、約8割にのぼります。夜勤に対する処遇面の対応も十分とは言えません。病院勤務看護職員の夜勤手当(1回あたり)は、2010年代に入ってからおおむね横ばいで推移しています。看護職員の負担軽減に関する具体的な取り組みとして「夜勤手当の見直し」を実施している医療機関は、わずか15.0%にとどまっています。こうした状況を受け、中医協の議論では「夜勤に係る負担に配慮するよう促すこと」が論点として示されました。既存の負担軽減計画の中に、夜勤の負担軽減を組織的に位置づけることで、医療機関の取り組みを後押しする狙いがあります。改定の内容|計画に「夜勤を含む」ことが要件化今回の改定では、負担軽減・処遇改善に関する計画の策定要件に、夜勤に関する事項を含めることが明確化されます。従来の施設基準では、計画の策定にあたり「現状の勤務状況等を把握し、問題点を抽出した上で」具体的な取り組み内容を定めることとされていました。今回の改定では、この要件に「夜勤を含む」という文言が追加されます。改定後は「医療従事者の夜勤を含む現状の勤務状況等を把握し」た上で計画を作成し、その計画も「夜勤を含む負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」とすることが求められます。対象となる加算|急性期総合体制加算と看護職員夜間配置加算等今回の要件明確化の対象となる加算は、大きく2つのグループに分かれます。第一のグループは、急性期総合体制加算です。この加算は、令和8年度改定で総合入院体制加算と急性期充実体制加算を統合して新設されるものです。急性期総合体制加算では、病院の医療従事者全体の負担軽減・処遇改善計画の中に、夜勤に関する事項を含めることが求められます。第二のグループは、看護職員夜間配置に関連する加算です。対象となるのは、療養病棟入院基本料の夜間看護加算、看護職員夜間12対1配置加算、看護職員夜間16対1配置加算、精神科救急急性期医療入院料の看護職員夜間配置加算、精神科救急・合併症入院料の看護職員夜間配置加算です。これらの加算では、看護職員の負担軽減・処遇改善計画に夜勤の事項を含めることが同様に求められます。実務上の対応ポイント|計画の見直しと体制整備医療機関が対応すべき事項は、既存の計画の見直しと体制の再確認です。計画の見直しにあたっては、まず夜勤を含む現状の勤務状況を改めて把握する必要があります。具体的には、夜勤シフトの組みやすさ、1人あたりの夜勤回数の推移、夜勤に伴う残業時間の実態といった項目を確認します。現状把握の次に、夜勤に関する問題点を抽出します。夜勤者の確保が困難な要因や、夜勤手当の水準が適切かどうかなど、自院の課題を明確にします。問題点の抽出を踏まえ、具体的な取り組み内容と目標達成年次を計画に盛り込みます。たとえば、夜勤専従者の導入、多様な夜勤形態(回数・時間・曜日)の整備、夜勤手当の見直しなどが具体策として考えられます。計画を改定した後は、職員への周知徹底と院内掲示等による公開も忘れずに行います。これらの手続きは、従来から施設基準で求められている事項と同様です。まとめ令和8年度診療報酬改定では、急性期総合体制加算や看護職員夜間配置加算等の施設基準において、負担軽減・処遇改善計画に「夜勤を含む」ことが要件として明確化されます。この改定は、夜勤シフトの困難化や夜勤手当の停滞といった現場の課題を踏まえたものです。対象となる加算を届け出ている医療機関は、夜勤に関する現状把握・問題点の抽出・具体的な改善策を盛り込んだ計画への見直しを進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】ベースアップ評価料が大幅拡充|対象職員・点数・減算の3つの変更点
令和8年度診療報酬改定では、医療従事者の賃上げを更に推進するため、ベースアップ評価料が大幅に見直されます。令和6年度改定では「主として医療に従事する職員(医師・歯科医師を除く)」に限定されていた対象職員が、今回の改定では医師や事務職員を含む「保険医療機関に勤務する職員」全体に拡大されます。この見直しは、令和8年度と令和9年度にそれぞれ3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)のベースアップ実現を目指すものです。今回の改定の主な変更点は3つあります。第1に、対象職員が拡大され、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師や事務職員もベースアップ評価料の対象に含まれます。第2に、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の点数が大幅に引き上げられ、継続的に賃上げを実施している医療機関にはさらに高い点数が設定されます。第3に、継続的な賃上げを実施していない医療機関には入院基本料等の減算が新設されます。このほか、調剤ベースアップ評価料や歯科技工所ベースアップ支援料の新設など、賃上げの対象範囲が薬局や歯科技工所にも広がります。対象職員の拡大:医師・事務職員もベースアップ評価料の対象に今回の改定における最大の変更点は、ベースアップ評価料の対象職員が大幅に拡大されることです。令和6年度改定では、対象は「主として医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く)」に限定されていました。令和8年度改定では、この限定が外れ、「当該保険医療機関に勤務する職員」が対象となります。この対象拡大により、新たにベースアップ評価料の対象に加わる職種は、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師、薬局の勤務薬剤師、事務職員、そしてベースアップ評価料の対象外であったその他の職員です。これらの職種は、令和6年度改定では入院基本料や初・再診料の引き上げにより賃上げ原資が配分されていましたが、実際の賃上げ実績を確認する仕組みがありませんでした。令和8年度改定では、これらの職種についてもベースアップ評価料の仕組みに統合されます。統合により、賃金改善計画書や賃金改善実績報告書の提出が求められるようになるため、賃上げの実効性がより確実に確保されます。点数の引き上げと継続賃上げの優遇:2段階の評価体系外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の点数は、大幅に引き上げられます。初診時は現行の6点から17点へ、再診時等は2点から4点へ、訪問診療時(同一建物居住者等以外)は28点から79点へ引き上げられます。歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)についても同様に、初診時が10点から21点へ、再診時等が2点から4点へ引き上げられます。これらの点数に加えて、継続的に賃上げを実施している医療機関には、さらに高い点数が新設されます(注5)。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の場合、初診時23点、再診時等6点、訪問診療時(同一建物居住者等以外)107点が算定可能です。この継続賃上げの優遇は、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)、入院ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料のいずれにも設けられています。さらに、令和9年6月以降は点数が段階的に引き上げられます。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)では所定点数の200/100(2倍)に、継続賃上げの医療機関ではそれぞれ40点(初診時)、10点(再診時等)、186点(訪問診療時)などの点数が適用されます。入院基本料等の減算:継続的な賃上げ未実施への対応継続的な賃上げを実施していない医療機関に対しては、入院基本料等の減算規定が新設されます。この減算は、令和6年度および令和7年度において賃上げを実施した医療機関と、そうでない医療機関を区別する仕組みです。減算の対象は、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料(短期滞在手術等基本料1を除く)です。減算額は入院料の種類によって異なり、たとえば急性期病院A一般入院料・急性期一般入院料1では1日につき121点、療養病棟入院基本料では42点、特定機能病院入院基本料では141点が減算されます。減算を回避するための施設基準は、以下の3つのいずれかに該当することです。第1に、令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料の届出を行っていること。第2に、令和6年3月と比較して継続的に賃上げを行っていること。第3に、令和8年6月1日以降に新規開設した医療機関であること。この3つのうちいずれかを満たせば、減算は適用されません。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)と入院ベースアップ評価料の拡充外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)は、区分数が大幅に拡大されます。現行の区分1~8(最大で初診・訪問診療時64点、再診時等8点)から、区分1~24(最大で初診・訪問診療時192点、再診時等24点)へと拡充されます。区分13~24は令和9年6月以降に算定開始となります。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)では、施設基準にも重要な変更があります。施設基準(1)は、現行の「入院基本料等を算定していない保険医療機関」から「算定していない又は算定回数が著しく少ない保険医療機関」に変更されます。この変更により、入院患者がごく少数の医療機関も評価料(Ⅱ)の届出が可能となります。また、施設基準(3)の算定要件は、現行の「対象職員の給与総額の一分二厘未満」から「対象職員の適切な賃金改善に必要な額の百分の五十未満」に変更されます。算定の可否に直結するため、届出の際には新基準での再計算が必要です。入院ベースアップ評価料も同様に拡大されます。現行の区分1~165(最大165点)から、区分1~500(最大500点)へと大幅に拡充されます。区分251~500は令和9年6月以降に算定される段階的な評価です。入院ベースアップ評価料の施設基準には、新たに「当該保険医療機関における常勤の対象職員の数が、二以上であること」という要件が追加されます。ただし、基本診療料の施設基準等別表第六の二に掲げる地域(離島やへき地等)に所在する保険医療機関は、この要件の適用が除外されます。小規模医療機関では、常勤対象職員が2名未満の場合に届出ができなくなるため、注意が必要です。これらの評価料についても、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)と同様に、継続的に賃上げを実施している医療機関にはさらに高い点数が設定されます。施設基準における対象職員の要件も、「主として医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く)」から「対象職員」(勤務する職員全体)に変更されます。新設:調剤ベースアップ評価料と歯科技工所ベースアップ支援料調剤報酬においては、調剤ベースアップ評価料が新設されます。処方箋の受付1回につき4点が算定可能です。対象は「当該保険薬局に勤務する職員」であり、薬剤師だけでなく事務職員等も含まれます。令和9年6月以降は所定点数の200/100(2倍)に引き上げられます。歯科診療報酬においては、歯科技工所ベースアップ支援料が新設されます。1装置につき15点が算定可能です。この評価料は、歯科技工所に補綴物等の製作等を委託した場合に算定できます。施設基準として、歯科技工所に勤務する歯科技工士の賃金改善を十分に支援していることが求められます。こちらも令和9年6月以降は所定点数の200/100に引き上げられます。訪問看護ベースアップ評価料の見直し訪問看護ベースアップ評価料も、対象職員の拡大と点数の引き上げが行われます。訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)は、現行の780円から1,050円に引き上げられます。対象は「主として医療に従事する職員」から「当該訪問看護ステーションに勤務する職員」に拡大されます。訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)では、算定対象となる利用者の範囲も拡大されます。現行は「区分番号02の1を算定している利用者」のみが対象でしたが、改定案では「区分番号02の1又は区分番号04を算定している利用者」に変更されます。この変更により、算定可能な利用者が増加するため、訪問看護ステーションにとっては収入増につながる見直しです。訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)は、区分数が現行の18区分から36区分に拡大されます。最大額は500円から1,080円へと引き上げられます。訪問看護についても、継続的に賃上げを実施しているステーションには優遇措置が設けられます。訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)は所定額に代えて1,830円、令和9年6月以降は2,880円が算定可能です。夜勤手当の取扱い変更夜勤職員の確保を促進するため、看護職員処遇改善評価料およびベースアップ評価料の収入を夜勤手当の増額に充てることが可能となります。具体的には、賃金改善の合計額の3分の2以上をベースアップ等により改善する要件について、恒常的に夜間を含む交替勤務制をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当は「基本給等」に含めて差し支えないこととされます。この変更に伴い、現行で認められていた繰り越し規定は削除されます。現行では「令和6年度及び令和7年度に、翌年度以降のベア等の改善のために繰り越しを行った場合」に、繰り越し額を控除した残額の3分の2以上をベア等で改善すれば足りるとされていました。令和8年度以降は、この繰り越しによる対応はできなくなります。賃金改善の合計額の3分の2以上を、ベア等(夜勤手当を含む)で確実に改善する必要があるため、賃金改善計画の策定にあたっては留意が必要です。この夜勤手当の取扱い変更は、看護職員処遇改善評価料、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)・(Ⅱ)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)・(Ⅱ)、入院ベースアップ評価料のすべてに適用されます。夜勤手当の増額により、夜勤職員の確保が困難な医療機関にとっては有効な処遇改善策となります。まとめ令和8年度改定におけるベースアップ評価料の見直しは、対象職員の拡大、点数の大幅引き上げ、継続賃上げの優遇と未実施への減算という3つの柱で構成されています。対象職員は医師・事務職員を含む全職員に拡大され、令和8年度・令和9年度にそれぞれ3.2%(看護補助者・事務職員は5.7%)のベースアップが目指されます。さらに、調剤ベースアップ評価料と歯科技工所ベースアップ支援料の新設により、薬局や歯科技工所にも賃上げの仕組みが広がります。各医療機関においては、施設基準の変更点(外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定要件変更、入院ベースアップ評価料の常勤職員要件の追加、繰り越し規定の削除など)を確認し、届出や点数の算定に遺漏がないよう、早めの準備が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】物件費高騰への3つの対応|初再診料・入院料の引上げから食事療養の見直しまで
令和8年度診療報酬改定では、持続的な物価高騰により増加した医療機関等の物件費負担に対応するため、基本診療料の見直しと入院時の食費・食事療養に関する制度改正が行われました。この対応は、個別改定項目「Ⅰ-1 医療機関等が直面する人件費や、医療材料費、食材料費、光熱水費及び委託費等といった物件費の高騰を踏まえた対応」に位置づけられています。物件費高騰への対応は、大きく3つの施策で構成されています。第1に、初再診料等・入院基本料等の引上げと「物価対応料」の新設により、物件費全般の高騰に対応しました。第2に、入院時の食費基準額を1食40円、光熱水費基準額を1日60円引き上げ、食材料費・光熱費の高騰に対応しました。第3に、嚥下調整食の特別食加算への追加や特別メニュー料金の見直しにより、入院時の食事療養の質の向上を図りました。以下、それぞれの概要を解説します。① 物件費の高騰を踏まえた対応——初再診料等・入院基本料等の引上げと物価対応料の新設物件費全般の高騰への対応として、緊急対応分(改定率+0.44%)による初再診料等・入院基本料等の引上げと、物価対応分(改定率+0.76%)による「物価対応料」の新設が行われました。対応は医科・歯科・調剤・訪問看護の全領域に及びます。この対応は3つの柱で構成されています。第1の柱は、令和6年度改定以降の経営環境の悪化に対する緊急対応です。医科では再診料が75点から76点に1点引き上げられ、歯科では歯科初診料が267点から272点に5点引き上げられました。入院基本料等も医療機能に応じて増点され、急性期一般入院料1は1,688点から1,874点へ186点の増点となっています。第2の柱は、令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応する「物価対応料」の新設です。物価対応料は、外来・在宅では初診時2点・再診時等2点、入院では算定する入院料に応じて一般病棟で17~66点が設定されています。この物価対応料は、令和9年6月以降に全区分で点数が2倍になる段階的な仕組みが最大の特徴です。第3の柱は、高度機能医療を担う特定機能病院や急性期病院への特例的な評価です。急性期病院一般入院基本料が新設され、特定機能病院入院基本料はA・B・Cの3区分に再編されました。詳しくは「【令和8年度改定】物価対応料の新設と初再診料・入院料の引上げを徹底解説」をご覧ください。② 入院時の食費及び光熱水費の基準の見直し——食費1食40円・光熱水費1日60円の引上げ食材料費や光熱・水道費の上昇を踏まえ、入院時の食費及び光熱水費の基準額が引き上げられました。食費は令和6年6月(30円)、令和7年4月(20円)に続く3回連続の引上げであり、光熱水費は平成18年の制度創設以来初の基準額(総額)の増額です。食費の基準額は、入院時食事療養(Ⅰ)・(Ⅱ)及び入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)の全区分で1食当たり40円引き上げられます。入院時食事療養(Ⅰ)の通常の食事療養は690円から730円に、流動食のみの提供は625円から665円にそれぞれ変更されます。光熱水費の基準額は、入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)ともに1日当たり60円引き上げられ、398円から458円になります。引き上げ幅の60円は、令和6年度介護報酬改定における多床室の居住費基準費用額の引上げ幅と同額であり、介護保険との均衡を図る趣旨もあります。引上げの背景には、食材料費の高騰が続く中で、全面委託の約7割・一部委託の約5割の医療機関が委託事業者からの値上げの申し出に対応していたという実態があります。詳しくは「令和8年度改定|入院時の食費が1食40円・光熱水費が1日60円引き上げへ」をご覧ください。③ 入院時の食事療養に係る見直し——嚥下調整食の新評価と特別料金の柔軟化入院時の食事療養の質の向上を図るため、嚥下調整食を必要とする患者への対応と、入院患者の多様な食事ニーズへの対応を目的とした制度の見直しが行われました。この見直しは3つの変更で構成されています。第一に、嚥下調整食が特別食加算の対象として新たに追加されます。これまで特別食加算の対象は腎臓食や糖尿食などの治療食に限られ、嚥下調整食は対象外でした。嚥下調整食は普通食より食材費が高く、最もコストのかかる場合で1日あたり76円の差があるとの報告があります。見た目を改善し適切な栄養量を確保した嚥下調整食は、エネルギー摂取量の増加やADLの改善にも寄与することが示されています。第二に、特別メニューの追加料金について、1食あたり17円の標準額が削除され、医療機関が柔軟に金額を設定できるようになります。食材費・人件費の高騰が続く中、17円では追加コストを賄えない状況が解消されます。第三に、行事食やハラール食などの宗教に配慮した食事も、特別料金の対象として明確化されます。約8割の医療機関が行事食を追加料金なしで提供していた実態を踏まえ、コストを適正に収受できる道が開かれます。詳しくは「【令和8年度改定】入院時の食事療養が変わる|嚥下調整食の新評価と特別料金の2つの見直し」をご覧ください。まとめ令和8年度診療報酬改定の物件費高騰への対応は、3つの施策で構成されています。第1に、初再診料等・入院基本料等の引上げと物価対応料の新設により、物件費全般の高騰に対応しました。第2に、食費1食40円・光熱水費1日60円の基準額引上げにより、食材料費・光熱費の高騰に対応しました。第3に、嚥下調整食の特別食加算への追加と特別料金の見直しにより、食事療養の質の向上を図りました。各医療機関は、自施設に関連する改定内容を確認し、令和9年6月以降の物価対応料の倍増も見据えた対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】入院時の食事療養が変わる|嚥下調整食の新評価と特別料金の2つの見直し
令和8年度診療報酬改定では、入院時の食事療養の質の向上を図るため、食事療養に関する制度が見直されます。今回の見直しは、嚥下調整食を必要とする患者への対応と、入院患者の多様な食事ニーズへの対応を目的としています。この記事では、個別改定項目「Ⅰ-1 ③入院時の食事療養に係る見直し」の内容を解説します。今回の改定では、主に3つの変更が行われます。第一に、嚥下調整食が特別食加算の対象として新たに追加されます。第二に、特別メニューの追加料金について、1食あたり17円の標準額が削除され、医療機関が柔軟に金額を設定できるようになります。第三に、行事食やハラール食などの宗教に配慮した食事も、特別料金の対象として明確化されます。嚥下調整食が特別食加算の新たな対象に追加今回の改定の最大のポイントは、嚥下調整食が特別食加算の対象に新たに追加されることです。これまで特別食加算の対象は、腎臓食や糖尿食などの「治療食」に限られていました。嚥下調整食は対象外であったため、摂食機能や嚥下機能が低下した患者に提供しても加算を算定できませんでした。嚥下調整食が加算の対象外であったことには、実態との乖離がありました。嚥下調整食を必要とする患者は各入院料において一定数存在しています。しかも、嚥下調整食は普通食よりも食材費が高く、最もコストのかかる嚥下調整食と普通食の1日あたりの食材費の差は76円に上るとの報告があります。こうしたコスト負担が、医療機関の持ち出しとなっていました。嚥下調整食の質の向上は、患者の栄養状態やADLの改善に直結します。見た目を改善し適切な栄養量を確保した嚥下調整食を提供した研究では、1日あたりエネルギー273.8kcal、たんぱく質12.4gの摂取量増加が認められました。さらに、この栄養強化群ではADLの改善も確認されています。今回新設された算定要件では、嚥下調整食は「治療食」とは別の区分として整理されています。具体的には、摂食機能または嚥下機能が低下した患者に対して、医師の発行する食事箋に基づき提供された、適切な栄養量および内容を有する嚥下調整食が対象となります。従来の治療食が「疾病治療の直接手段」と位置づけられているのに対し、嚥下調整食は「摂食・嚥下機能の低下への対応」として独立した位置づけを持つ点が特徴です。特別メニューの追加料金に関する2つの見直し入院患者の多様な食事ニーズに対応するため、特別料金の支払いを受けることができる食事についても2つの見直しが行われます。ひとつは追加料金の標準額の削除、もうひとつは対象となる食事の明確化です。標準額の削除と柔軟な料金設定1つ目の見直しは、特別メニューの追加料金における標準額の削除です。これまで、基本メニュー以外のメニューを患者が選択した場合の追加料金は、1食あたり17円を標準として設定されていました。この標準額が削除され、保険医療機関が柔軟に妥当な額を設定できるようになります。標準額が見直された背景には、現行の17円という金額が現状に合っていないとの指摘がありました。食材費や人件費の高騰が続くなか、17円では基本メニュー以外の選択肢を準備するための追加コストを賄えない状況が生じていたためです。今後は各医療機関が、実際のコストに見合った「社会的に妥当な額」を自ら設定できるようになります。行事食・宗教配慮食の対象明確化2つ目の見直しは、特別料金の対象となる食事の拡大です。患者の自由な選択と同意に基づき、行事食やハラール食などの宗教に配慮した食事を提供した場合も、特別の料金の支払いを受けることができることが明確化されます。この明確化の背景には、すでに多くの医療機関が追加料金なしでこれらの食事に対応している実態がありました。約8割の医療機関が行事食を追加料金なしで提供し、約2〜3割の医療機関がハラール食などの宗教配慮食を追加料金なしで対応していました。今回の見直しにより、こうした食事提供にかかるコストを、患者の同意のもとで適正に収受できる道が開かれます。まとめ令和8年度改定における入院時の食事療養の見直しは、3つの柱で構成されています。第一に、嚥下調整食が特別食加算の対象に追加され、摂食・嚥下機能が低下した患者への質の高い食事提供が評価されるようになります。第二に、特別メニューの追加料金について標準額が削除され、医療機関による柔軟な料金設定が可能になります。第三に、行事食やハラール食などの宗教配慮食が特別料金の対象として明確化されます。いずれも、入院時の食事療養の質の向上と、入院患者の多様なニーズへの対応を目指した改定です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|入院時の食費が1食40円・光熱水費が1日60円引き上げへ
令和8年度診療報酬改定では、食材料費や光熱・水道費の上昇を踏まえ、入院時の食費及び光熱水費の基準額が引き上げられます。食費は令和6年6月(30円)、令和7年4月(20円)に続き、直近で3回連続の引き上げとなります。光熱水費は平成18年の制度創設以来、基準額(総額)としては初めての引き上げとなります。今回の改定では、食費と光熱水費の2つが見直されます。食費は入院時食事療養(Ⅰ)・(Ⅱ)及び入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)のすべてで1食当たり40円引き上げられます。光熱水費は入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)で1日当たり60円引き上げられます。この光熱水費の引き上げ額は、令和6年度介護報酬改定における多床室の居住費の引き上げ幅と同額です。食費の基準額:全区分で1食当たり40円の引き上げ食費の基準額は、入院時食事療養と入院時生活療養のいずれにおいても、1食当たり40円引き上げられます。対象は通常の食事療養と流動食のみの提供の両方です。入院時食事療養(Ⅰ)の基準額は、通常の食事療養が690円から730円に、流動食のみの提供が625円から665円にそれぞれ引き上げられます。入院時食事療養(Ⅰ)は、管理栄養士等による管理のもとで適切な栄養管理が行われている場合に算定される区分です。入院時食事療養(Ⅱ)の基準額は、通常の食事療養が556円から596円に、流動食のみの提供が510円から550円にそれぞれ引き上げられます。入院時食事療養(Ⅱ)は、(Ⅰ)の基準を満たさない場合に算定される区分です。入院時生活療養(Ⅰ)の食費も同様に引き上げられます。通常の食事提供が604円から644円に、流動食のみの提供が550円から590円にそれぞれ変更されます。入院時生活療養は、療養病床に入院する65歳以上の患者が対象です。入院時生活療養(Ⅱ)の食費は、470円から510円に引き上げられます。光熱水費の基準額:1日当たり60円の引き上げ光熱水費の基準額は、入院時生活療養(Ⅰ)・(Ⅱ)ともに、1日当たり60円引き上げられます。具体的には、398円から458円に変更されます。この光熱水費の基準額は、平成18年の入院時生活療養費制度の創設以来、総額としては据え置かれてきました。平成29年には自己負担額の引き上げが行われましたが、そのときも基準額(総額)は398円のまま維持されていました。今回の改定は、基準額そのものが引き上げられるという点で、制度創設以来初めてのことです。引き上げ幅の60円は、令和6年度介護報酬改定における多床室の居住費基準費用額の引き上げ幅と同額に設定されています。介護保険では、家計における光熱・水道支出を勘案し、すでに60円の引き上げが実施されていました。今回の医療保険側の対応は、介護保険との均衡を図る趣旨もあります。引き上げの背景:食材費・光熱費の高騰と医療現場の厳しい経営環境今回の引き上げの背景には、食材料費と光熱・水道費の継続的な高騰があります。食費については、令和6年6月に30円、令和7年4月に20円と2回にわたり引き上げが実施されましたが、その後も高騰が続いています。医療現場からは、米の価格高騰などにより1食当たり690円では限界を超えているとの声が出ていました。中医協総会でも、病院給食の委託事業者から値上げの交渉が相次いでおり、対応せざるを得ない状況にあるとの意見が示されました。実際に、全面委託の約7割、一部委託の約5割の医療機関が、委託事業者からの値上げの申し出に対応していたことが調査で明らかになっています。光熱水費についても、近年の光熱・水道費の高騰は著しく、基準額が平成18年の創設時から据え置かれていたことが病院経営に影響を及ぼしていました。介護保険の居住費(430円)と医療保険の光熱水費(370円)の間に60円の自己負担の差が存在していたことも、見直しの根拠のひとつとなっています。まとめ令和8年度診療報酬改定では、入院時の食費が全区分で1食当たり40円、光熱水費が1日当たり60円引き上げられます。食費の引き上げは、食材料費の高騰が続く中で医療の一環としての食事の質を確保する目的で実施されます。光熱水費の引き上げは、制度創設以来初の基準額の増額であり、光熱・水道費の高騰と介護保険との均衡を踏まえた対応です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】物価対応料の新設と初再診料・入院料の引上げを徹底解説
令和8年度診療報酬改定では、持続的な物価高騰により増加した医療機関等の物件費負担に対応するため、基本診療料の引上げと新たな加算の新設が行われました。この対応は、医科・歯科・調剤・訪問看護の全領域に及びます。今回の物件費高騰への対応は、大きく3つの柱で構成されています。第1に、令和6年度改定以降の経営環境の悪化に対する緊急対応として、初再診料等と入院基本料等の点数が引き上げられました。第2に、令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応するため、「物価対応料」という新たな加算が新設されました。第3に、高度機能医療を担う特定機能病院や急性期病院には、物価高の影響を受けやすいことを踏まえた特例的な評価が設けられました。以下、それぞれの内容を詳しく解説します。改定の背景——改定率+0.76%の物価対応分と+0.44%の緊急対応分今回の物件費高騰への対応を理解するには、まず改定率の構造を押さえる必要があります。令和8年度診療報酬改定の改定率+3.09%(令和8年度・9年度の2年度平均)には、賃上げ分(+1.70%)、食費・光熱水費分(+0.09%)など複数の対応が含まれますが、このうち物価対応に関する財源は2つに分かれています。1つ目の財源は、物価対応分+0.76%です。この+0.76%のうち+0.62%が令和8年度以降の物価上昇への対応に充てられ、残りの+0.14%が高度機能医療を担う病院への特例的な対応に使われます。この+0.62%の配分は、施設類型ごとの費用関係データに基づき、病院+0.49%、医科診療所+0.10%、歯科診療所+0.02%、保険薬局+0.01%と定められました。2つ目の財源は、令和6年度改定以降の経営環境の悪化を踏まえた緊急対応分+0.44%です。この緊急対応分の配分は、令和7年度補正予算の効果を減じないよう施設類型ごとのメリハリが維持され、病院+0.40%、医科診療所+0.02%、歯科診療所+0.01%、保険薬局+0.01%となっています。これら2つの財源の使い分けが、改定内容の理解を難しくしているポイントです。外来では、緊急対応分は初再診料等の引上げで対応し、物価上昇分は新設の「物価対応料」で対応します。入院では、緊急対応分は入院基本料等の引上げに含め、物価上昇分は同じく「物価対応料」の入院区分で対応するという構造になっています。初再診料等の引上げ——経営環境の悪化への緊急対応経営環境の悪化への緊急対応として、医科・歯科ともに初再診料等の点数が引き上げられました。医科の初再診料については、再診料が75点から76点に1点引き上げられました。初診料は291点で据え置きです。初診料が包括されるその他の点数、訪問診療料、各種入院料等についても同様の引上げが行われています。なお、再診料の2科目の場合は38点から39点に、妥結率が低い場合の再診料は55点から56点に、それぞれ1点引き上げられています。歯科の初再診料については、歯科初診料が267点から272点に5点、歯科再診料が58点から59点に1点、それぞれ引き上げられました。地域歯科診療支援病院歯科初診料は291点から296点に5点、同再診料は75点から76点に1点引き上げられています。届出未実施の場合の点数も同様に引き上げられています。なお、歯科再診料の情報通信機器を用いた場合は51点で変更ありません。入院基本料等の引上げ——医療機能に応じた増点入院基本料等についても、経営環境の悪化への緊急対応と物価上昇を踏まえた増点が行われました。入院料の引上げ幅は、医療機能に応じて異なります。一般病棟入院基本料の急性期一般入院料では、入院料1が1,688点から1,874点へ186点の増点となりました。入院料2は1,644点から1,779点へ135点、入院料3は1,569点から1,704点へ135点、入院料4は1,462点から1,597点へ135点、入院料5は1,451点から1,575点へ124点、入院料6は1,404点から1,523点へ119点の増点です。急性期一般入院料1の増点幅が最も大きい点が特徴です。地域一般入院基本料では、入院料1が1,176点から1,290点へ114点、入院料2が1,170点から1,282点へ112点、入院料3が1,003点から1,097点へ94点の増点となりました。特別入院基本料は612点から704点へ92点の増点です。高度機能病院への特例的対応——急性期病院入院基本料の新設と特定機能病院の再編高度機能医療を担う病院への特例的な対応として、2つの大きな見直しが行われました。1つ目は、急性期病院一般入院基本料の新設です。これは、急性期病院として高度な機能を担う病院を対象とした新たな入院基本料です。急性期病院A一般入院料は1,930点、急性期病院B一般入院料は1,643点と設定されました。急性期病院精神病棟入院基本料も併せて新設され、A・Bそれぞれに10対1、13対1、15対1の区分が設けられています。2つ目は、特定機能病院入院基本料の再編です。従来の一本の区分から、特定機能病院A・B・Cの3区分に細分化されました。一般病棟7対1の場合、特定機能病院A入院基本料は2,146点、Bは2,136点、Cは2,016点です。従来の7対1入院基本料(1,822点)と比較すると、A区分では324点の大幅な増点となっています。この再編は、医師派遣等の地域医療への貢献度や、高度な教育・研究機能など、特定機能病院の担う役割に応じた評価を行うものです。結核病棟・精神病棟についても同様にA・B・Cの3区分で点数が設定されています。物価対応料の新設——令和8年度・9年度の物価上昇に段階的に対応令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料・調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算として、「物価対応料」が新設されました。この物価対応料は、医科、歯科、調剤、訪問看護のそれぞれに区分が設けられています。医科の物価対応料は、外来・在宅と入院に分かれています。外来・在宅物価対応料は、初診時2点、再診時等2点、訪問診療時3点です。入院物価対応料は、算定する入院料の種類に応じて点数が異なります。急性期病院A一般入院料の場合は66点、急性期病院B一般入院料の場合は58点、急性期一般入院料1の場合は58点、急性期一般入院料2~4の場合は45点(入院料4で看護・多職種協働加算算定時は58点)、急性期一般入院料5は36点、入院料6は34点、地域一般入院料1・2は32点、地域一般入院料3は23点、特別入院基本料(一般病棟)は17点です。歯科外来物価対応料は、初診時3点、再診時1点です。調剤物価対応料は1点で、3月に1回に限り算定できます。訪問看護物価対応料は、訪問看護物価対応料1(訪問看護管理療養費算定時)が月の初日60円・2日目以降20円、訪問看護物価対応料2(包括型訪問看護療養費算定時)が20円です。この物価対応料の最大の特徴は、段階的に引き上げられる点です。令和9年6月以降は、所定点数の100分の200に相当する点数が算定されます。つまり、上記の全ての点数が2倍になります。たとえば外来・在宅物価対応料の初診時は2点から4点に、入院物価対応料の急性期病院A一般入院料は66点から132点になります。調剤報酬・訪問看護療養費の引上げ調剤報酬と訪問看護療養費についても、物件費の高騰を踏まえた引上げが行われました。調剤基本料については、調剤基本料1が45点から47点に2点、調剤基本料2が29点から30点に1点、調剤基本料3のイが24点から25点に1点、ロが19点から20点に1点、ハが35点から37点に2点、それぞれ引き上げられました。訪問看護管理療養費については、月の初日の訪問の場合、機能強化型1が13,230円から13,760円に530円、機能強化型2が10,030円から10,460円に430円、機能強化型3が8,700円から9,030円に330円引き上げられました。また、機能強化型4が9,030円で新設されました。それ以外の場合は7,670円から7,710円に40円の引上げです。月の2日目以降の訪問の場合についても、単一建物居住者の人数に応じた新たな区分が設けられ、きめ細かな評価が行われています。また、新設の包括型訪問看護療養費にも物価上昇を踏まえた点数が設定されています。まとめ令和8年度診療報酬改定の物件費高騰への対応は、3つの柱で構成されています。第1に、経営環境の悪化への緊急対応として初再診料等と入院基本料等が引き上げられました。第2に、令和8年度以降の物価上昇に段階的に対応するため、物価対応料が新設されました。第3に、高度機能医療を担う病院には特例的な評価が設けられました。特に注意すべきは、物価対応料が令和9年6月以降に全区分で点数が2倍になる点です。経済・物価動向が令和8年度改定時の見通しから大きく変動した場合には、令和9年度予算編成において加減算を含めた更なる調整が行われる可能性もあります。各医療機関は、自施設が算定する入院料の区分に応じた物価対応料の点数を確認し、令和9年6月以降の収入変化も見据えた対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
85歳以上の6割が要介護――2040年「病院に通えない高齢者」急増の衝撃
全日本病院協会の神野正博会長による動画シリーズ「医療のトリセツ」第9回では、2040年に向けた医療の課題として「病院に通えない高齢者」を取り上げています。今後急増する85歳以上人口への対応が、医療・介護の最重要課題であることを、人口データに基づいて解説しています。動画が示す要点は3つです。第一に、2030年以降、85歳以上人口は毎年5%以上のペースで急増します。第二に、85歳以上の約6割は要介護状態にあり、自力で病院に通えないため、救急搬送と在宅医療の需要がこの年齢層に集中します。第三に、人口動態の変化は全国一律ではなく、大都市・地方都市・過疎地の3類型ごとに異なる最適解が求められます。注目すべきは「85歳以上人口」の急増2040年に向けた人口構造の変化で最も注目すべきは、85歳以上人口の急激な増加です。神野会長は、従来の棒グラフではなく「毎年の増加率」を折れ線グラフで示すことで、この変化の大きさを浮き彫りにしています。若年層の人口は毎年一貫して減少を続けます。一方、65歳以上人口の増加率はすでに緩やかであり、神野会長は「年金問題はこれから大きな話題にはなってこない」と指摘しています。65歳以上全体に対して、85歳以上人口の増加率は際立っています。特に2030年頃には毎年5%以上の増加が見込まれます。この増加率は、医療・介護の需要構造を根本から変える規模です。この85歳以上人口の急増が、今後の医療・介護の需要構造を根本から変えることになります。85歳以上の6割が「自力で病院に通えない」85歳以上人口の急増が深刻な問題となる最大の理由は、要介護認定率の高さにあります。75歳以上の約3割、85歳以上の約6割が要介護状態です。要介護状態とは、自力で病院に通うことができない状態を意味します。この「病院に通えない高齢者」の増加は、救急搬送の需要に直結します。自分で車を運転できない要介護高齢者が急変した場合、頼れるのは救急車です。神野会長が示すデータによれば、2040年に向けて増加する救急搬送の大部分は85歳以上が占めます。救急搬送と同様に、在宅医療の需要も85歳以上に集中します。在宅医療需要の増加分は、ほとんどが85歳以上の人口増によるものです。神野会長はこの点を踏まえ、「患者を待たせる広い外来」という従来型の病院のあり方を問い直す必要があると訴えています。大都市・地方都市・過疎地で異なる課題85歳以上人口の急増という課題は、全国一律ではありません。神野会長は、地域を大都市・地方都市・過疎地の3類型に分けて、それぞれ異なる人口動態を示しています。大都市型では、若年層は減少するものの、高齢者は相当数増加します。医療・介護の需要が大幅に拡大するため、提供体制の量的な確保が急務となります。地方都市(県庁所在地級)では、若年層の減少がより顕著になる一方、高齢者数はほぼ横ばいとなります。過疎地型では、若年層が大幅に減少し、高齢者も減少に転じます。医療提供体制の維持そのものが課題となる地域です。このように、地域の類型によって課題の性質が根本的に異なります。神野会長が強調するように、画一的な解決策ではなく、地域ごとの最適解を見つけることが求められています。まとめ:「病院に通えない高齢者」への対応が問われている2040年に向けた医療の最重要課題は、急増する85歳以上の「病院に通えない高齢者」への対応です。85歳以上の約6割が要介護状態にあり、救急搬送と在宅医療の需要はこの年齢層に集中します。さらに、大都市・地方都市・過疎地で人口動態が大きく異なるため、地域ごとの最適解を模索する必要があります。外来中心の病院のあり方を根本から見直す時期に来ていると言えるでしょう。動画では、こうした課題をデータに基づいて解説しています。2040年に向けた医療・介護のあり方を考えるきっかけとして、ぜひご覧ください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
QOLの「Life」は命か生活か?病院から「健院」への転換が求められる理由
QOL(Quality of Life)は、医療や介護の現場で広く使われる言葉です。しかし、この「Life」の解釈が、医療現場と介護現場で大きく異なっていることをご存じでしょうか。全日本病院協会の神野正博会長は、YouTube「医療のトリセツ」第8回で、この認識の違いが医療と介護の間に深い溝を生んでいると指摘しています。神野会長は、この溝を埋める鍵として「人生」という視点を提案しました。そのうえで、病気だけを扱う「病院」から、健康や生活支援にも関わる「健院」への転換が必要だと提唱しています。本稿では、神野会長の講演をもとに、QOLの「Life」が持つ3つの意味、医療と介護の溝を埋める「人生」の視点、そして超高齢社会における病院の未来像を紹介します。QOLの「Life」が持つ3つの意味──命・生活・人生QOLの「Life」には、立場によって異なる3つの解釈があります。医療現場では「命」、介護現場では「生活」、そして両者をつなぐ概念として「人生」があります。この3つの違いを理解することが、医療と介護の連携を考える出発点になります。医療現場で働く人々は、「Life」を「命」として捉えています。BLS(Basic Life Support)、ライフサイエンス、ライフセーバーといった用語はいずれも、命を救うことを意味します。救急期の病院に勤務する医師や看護師にとって、「Life」はまさに「命」そのものです。一方、介護現場の人々は「Life」を「生活」として解釈します。リビングルームが「生活する部屋」を指すように、日常の文脈で「Life」は生活を意味します。介護の定義も「生活を支援すること」であり、介護職にとっての「Life」は「生活」にほかなりません。神野会長は、この2つの解釈をつなぐ概念として「人生」を提案しています。人は生まれてから死ぬまでの大部分を生活の場で過ごし、病気や怪我で一時的に命に関わる局面を迎えても、急場が過ぎればまた生活に戻ります。QOLの本質は、この「人生の質」にあるのではないかと神野会長は考えを示しています。医療と介護の間にある「大きな谷」「Life」の解釈の違いは、医療と介護の間に大きな谷を生んでいます。神野会長は、この谷を認識し、埋めていくことが、これからの医療提供体制の構築に不可欠だと強調しています。医療の立場からは、「命を助ければよい」という考え方が生まれがちです。神野会長は、医療の現場にいる人々がそのように考える傾向があることを指摘しています。介護の立場からは、「命があるのは当然で、いかに生活を守り支援するかが重要だ」という発想になります。介護職は日々の生活の質に焦点を当てており、医療が担う「命を救う」という行為とは異なる次元で支援を行っています。この2つの立場の間に存在する谷が、医療と介護の連携を困難にしている要因のひとつです。神野会長は、「人生」という視点を共有することで、この谷を埋めることができると提案しています。命を救う医療も、生活を支える介護も、どちらも「人生の質」を高めるための営みであるという共通認識が、連携の土台になるのです。「病院」から「健院」へ──超高齢社会における病院の未来像神野会長は、「病院をぶっ壊せ」という刺激的な言葉で、病院の役割の転換を訴えています。「病院」という名称が示すとおり、現在の病院は病気や怪我、つまり「命」のみを扱う施設です。しかし、超高齢社会においては、それだけでは十分ではありません。これからの病院には、医療だけでなく、健康と生活支援にも関わることが求められます。神野会長はこの考え方を「健院」という言葉で表現しています。病気を治すだけでなく、健康の維持・増進や、退院後の生活支援まで視野に入れた医療機関のあり方です。もちろん、医療に特化して運営する病院は今後も存在します。しかし、多くの病院にとっては、健康と生活支援の視点を持つことが、これからの生き残りの条件になると神野会長は予測しています。地域での支え合いを見据え、「病」の場から「健」の場へと進化できる病院こそが、超高齢社会で求められる医療機関の姿なのです。まとめQOLの「Life」には、医療現場が重視する「命」、介護現場が重視する「生活」、そして両者をつなぐ「人生」という3つの解釈があります。この解釈の違いが医療と介護の間に大きな谷を生んでいますが、「人生の質」という共通認識がその谷を埋める鍵になります。超高齢社会を迎える日本において、病院は病気だけを扱う「病院」から、健康や生活支援にも関わる「健院」へと転換していくことが求められています。神野会長の提言は、医療機関の経営者や現場の医療従事者だけでなく、地域医療の未来を考えるすべての人にとって示唆に富む内容です。「医療のトリセツ」第8回の動画はYouTubeで公開されています。QOLと病院の未来について、より詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和6年度の保険医療機関への指導・監査実績|個別指導が7割増、返還額は約48億5千万円に
令和8年1月30日に開催された中央社会保険医療協議会 総会(第646回)で、令和6年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況が報告されました。この報告は、保険診療の適正化に向けた取り組みの年次実績をまとめたものです。本稿では、この報告の要点を解説します。令和6年度の実施状況には、3つの注目すべき動きがありました。第一に、個別指導の件数が前年度比1,030件増の2,494件と大幅に増加しました。第二に、指定取消処分(取消相当を含む)が23件となり、歯科領域が14件と6割を占めています。第三に、返還金額の総額は約48億5千万円で、前年度から約2億3千万円増加しました。指導の実施状況:個別指導が前年度比7割増令和6年度の指導実施状況で最も目立つ変化は、個別指導件数の大幅な増加です。以下では、指導の3類型(個別指導、新規個別指導、集団的個別指導)ごとに、実施状況を説明します。個別指導は2,494件で、前年度の1,464件から1,030件増加しました。科別の内訳は、医科894件、歯科791件、薬局809件です。この増加率は約70%にのぼり、5年間の推移を見ても令和6年度の件数は突出しています。令和2年度が1,797件、令和3年度が1,050件、令和4年度が1,505件、令和5年度が1,464件であったことからも、令和6年度の増加幅の大きさがわかります。新規個別指導は5,989件で、前年度から587件減少しました。科別の内訳は、医科2,599件、歯科1,292件、薬局2,098件です。新規個別指導は新たに保険医療機関等の指定を受けた施設を対象とするため、件数の増減は新規開設数に連動する傾向があります。集団的個別指導は15,506件でした。科別の内訳は、医科5,838件、歯科5,029件、薬局4,639件です。令和5年度の10,568件から約4,900件増加しており、個別指導と同様に増加傾向が見られます。適時調査と監査の実施状況適時調査と監査は、指導とは異なる目的で実施されます。適時調査は施設基準の充足状況を確認するもので、監査は不正または著しい不当が疑われる場合に事実関係を把握するものです。適時調査は2,729件で、前年度から19件減少しました。そのうち医科が2,722件と大半を占めています。歯科は1件、薬局は6件でした。適時調査は施設基準を届け出ている保険医療機関等を対象とするため、医科に集中する傾向があります。監査は34件で、前年度の46件から12件減少しました。科別の内訳は、医科20件、歯科14件、薬局0件です。監査対象となった保険医等の人数は83人(医師67人、歯科医師16人)でした。取消処分の状況:歯科が全体の6割令和6年度の指定取消処分(取消相当を含む)は23件で、前年度の21件から2件増加しました。このうち歯科が14件と全体の約61%を占めている点が特徴的です。医科は9件、薬局は0件でした。取消処分の内訳は、指定取消が9件(医科3件、歯科6件)、指定取消相当が14件(医科6件、歯科8件)です。指定取消相当とは、本来取消処分を行うべき事案でありながら、既に廃止等の理由で行政処分を行えない場合の取り扱いです。取消処分と同様に、原則5年間は再指定を受けることができません。保険医等の登録取消等は18人でした。このうち歯科医師が13人と最多で、医師は5人、薬剤師は0人です。保険医療機関等の取消と同様に、歯科領域の割合が高い状況となっています。取消に至った端緒は、保険者・医療機関従事者・被保険者等からの情報提供が20件と大半を占めました。残りの3件は警察の摘発や個別指導等によるものです。不正の内容は、架空請求、付増請求、振替請求、二重請求、その他の請求など多岐にわたっています。返還金額の状況:総額約48億5千万円令和6年度に返還金額が確定した総額は、48億5,333万円でした。前年度の46億2,338万円から約2億3千万円増加しています。返還金額の内訳は、指導による返還分が17億2,536万円(前年度比約3億7千万円増)、適時調査による返還分が22億9,921万円(前年度比約9億円減)、監査による返還分が8億2,876万円(前年度比約7億5千万円増)です。この返還金額には留意点があります。返還金額は、指導・監査等の実施年度に関わらず、令和6年度に返還金額が確定したものを計上しています。そのため、指導・監査等の実施年度と返還金額の確定年度は必ずしも一致しません。5年間の推移を見ると、令和2年度の約59億6千万円をピークに令和4年度には約19億7千万円まで減少しましたが、令和5年度に約46億2千万円、令和6年度に約48億5千万円と回復傾向にあります。取消処分の主な事例令和6年度に処分された事例のうち、特に注目すべき2件を紹介します。医科の事例は、千葉県の医療法人社団 圭春会 小張総合病院です。同病院は、一般病棟入院基本料7対1の施設基準の届出において、病棟に勤務していない看護職員が病棟に勤務しているとする虚偽の届出を行っていました。情報提供を受けた関東信越厚生局が個別指導・適時調査を実施した結果、不正が確認されたため、計21日間の監査を経て、令和7年2月8日に指定取消相当となりました。返還金額は6億8,003万円にのぼります。歯科の事例は、広島県のすみれ歯科クリニックです。同クリニックでは、通院していない月にもかかわらず診療報酬が請求されていた旨の情報提供が複数寄せられました。個別指導で、診療録に記載がないにもかかわらず診療報酬が請求されている事実が確認され、計9回の監査を経て、令和6年8月26日に指定取消相当および保険医の登録取消となりました。不正の内容は架空請求、付増請求、振替請求で、返還金額は1,411万3千円です。まとめ令和6年度の保険医療機関等の指導・監査等の実施状況には、3つの特徴がありました。個別指導の件数が前年度比約70%増の2,494件に達したこと、指定取消処分23件のうち歯科が14件と6割を占めたこと、返還金額の総額が約48億5千万円と前年度から増加したことです。保険診療の適正化に向けた指導・監査の動向は、医療機関の経営管理やコンプライアンス体制にも直結する重要なテーマです。今後も中央社会保険医療協議会での報告内容を注視していく必要があります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
中医協が示した26の宿題|令和8年度診療報酬改定・附帯意見(案)のポイント整理
令和8年1月30日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第646回)において、令和8年度診療報酬改定の答申書附帯意見(案)が提示されました。附帯意見とは、改定の答申に際して中医協が付す「今後の検討課題」であり、次回改定に向けた調査・検証の方向性を示すものです。今回の附帯意見(案)は全26項目にわたり、物価対応や賃上げといった喫緊の経営課題から、入院医療の体制再編、医療DXの推進、医薬品政策まで幅広い分野を網羅しています。今回の附帯意見(案)の特徴は、大きく3つあります。第一に、物価・賃上げへの対応について令和9年度における追加措置の検討を明記した点です。第二に、急性期病院一般入院基本料の新設や病棟業務のタスクシフト/シェアなど、今回改定で導入された新たな仕組みの影響検証を求めている点です。第三に、医療DXやオンライン診療、後発医薬品の使用促進、薬局の偏在対策など、医療提供体制の効率化・適正化に関する検討課題が多数盛り込まれた点です。全般的事項:診療報酬体系の簡素化と請求手続きの負担軽減附帯意見(案)の冒頭では、診療報酬体系の複雑化への対応が求められています。この項目は、改定を重ねるごとに増す制度の複雑さが、患者や医療機関にとって大きな負担となっている現状を反映したものです。具体的には、患者をはじめとする関係者にとって分かりやすい診療報酬体系への見直しが求められました。あわせて、施設基準届出のオンライン化や共通算定モジュールの活用といった、請求手続きの負担軽減策を進めることも明記されています。物価対応と賃上げ:令和9年度の追加対応を視野に全般的事項に続き、物価対応と賃上げに関する2つの項目が示されました。いずれも令和9年度における追加措置の可能性に言及しており、今回の改定で終わりではないことを明確にしています。物価対応については、医療機関等の経営状況を把握した上で、実際の経済・物価動向を踏まえた令和9年度の追加対応を検討するとされました。加えて、基本料・技術料を含めた物価対応の評価のあり方についても、今後の検討課題とされています。なお、改定率等に関する資料(総-1)によると、令和8年度の改定率は+3.09%(2年度平均)で、このうち物価対応分は+0.76%です。特に病院の物価対応分+0.49%に対し医科診療所は+0.10%と差があり、今後の配分のあり方が注目されます。賃上げについては、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工士等を含む幅広い職種で、賃上げが適切に実施されているかを迅速かつ詳細に把握することが求められました。その実態把握の上で、経営状況や経済動向を踏まえ、令和9年度の追加対応を検討するとしています。病棟業務の効率化とタスクシフト/シェア物価・賃上げと並ぶ重要テーマとして、病棟業務の効率化とタスクシフト/シェアに関する検証が求められています。今回の改定では、看護職員の配置基準の柔軟化やICT・AI・IoT等の活用による業務効率化が導入されました。この新たな仕組みについて、附帯意見(案)では5つの観点からの調査・検証を求めています。5つの観点とは、職員の業務負担、医療の質、医療安全への影響、生産性向上、医療従事者の確保です。これらの検証は病棟の種別ごとに行うこととされており、今回改定の影響を幅広く把握する方針が示されました。入院医療:急性期から慢性期まで5項目の検討課題病棟業務の効率化に加え、入院医療に関しては5つの項目(附帯意見(案)第5~9号)が設けられました。急性期、高度急性期、救急、包括期、DPC/PDPSのそれぞれについて、今回改定の影響検証と今後の評価のあり方が検討課題とされています。急性期入院医療については、新設された急性期病院一般入院基本料や急性期総合体制加算の影響検証が求められました。10対1急性期病棟のあり方を含め、病院・病床の機能に応じた評価の検討が引き続き行われます。高度急性期入院医療については、特定集中治療室管理料等に係る改定の影響検証が求められました。重症度、医療・看護必要度の項目やSOFAスコア等、入院患者のより適切な評価指標や測定方法の検討が課題とされています。救急医療については、救急外来応需体制の評価や下り搬送の評価に加え、高齢者救急の受入れ体制の検証が求められました。在宅療養を行う高齢者や介護保険施設入所者の救急搬送・緊急入院の実態把握を含め、介護保険施設等の協力医療機関の役割も検討の対象とされています。包括期入院医療については、地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟の3つの病棟類型が検討の対象です。リハビリテーション・栄養管理・口腔管理や円滑な入退院の実現に向けた評価のあり方が求められています。療養病棟等の慢性期入院医療についても、在宅医療や介護保険施設等との役割分担の観点から検討が続けられます。DPC/PDPSについては、医療の質の向上と標準化に向け、診療実態を踏まえた更なる包括払いのあり方が検討課題とされました。人口少数地域の医療・医師偏在対策入院医療に続き、人口の少ない地域における医療提供体制の確保も重要な検討課題です(附帯意見(案)第10号)。今回の改定では、人口の少ない地域の外来・在宅医療提供体制を支援する評価や、外科医療確保特別加算が新設されました。これらの施策の影響検証に加え、人口構成の地域差や病院薬剤師を含む医療従事者の偏在を踏まえた評価のあり方が引き続き検討されます。外来医療・かかりつけ医:機能分化と質の高い医学管理の推進人口少数地域の対策に続き、外来医療に関しては3つの項目(附帯意見(案)第11~13号)が設けられました。外来機能分化の推進、質の高い医学管理の評価、かかりつけ医機能の評価が主要テーマです。外来機能分化については、初診料・外来診療料における逆紹介割合に基づく減算規定の見直しや連携強化診療情報提供料の見直し等の影響検証が求められています。医学管理については、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)や特定疾患療養管理料等の改定影響を検証した上で、診療ガイドラインに沿った質の高い計画的な医学管理が推進されるよう、提供される医療の実態に基づく評価のあり方が検討されます。かかりつけ医機能については、今回改定の影響検証に加え、かかりつけ医機能報告制度の施行状況を踏まえた評価のあり方が検討課題とされました。在宅医療・訪問看護:包括評価の新設と精神科訪問看護への対応外来医療に続き、在宅医療・訪問看護に関する2つの項目(附帯意見(案)第14~15号)が示されました。在宅医療全般の質の向上と、訪問看護の評価見直しが主な検討課題です。在宅医療については、往診、訪問診療、歯科訪問診療、訪問薬剤管理指導、訪問看護等の各サービスについて、地域の医療提供体制の実態を踏まえた適切な評価のあり方が検討されます。訪問看護については、同一建物居住者への評価の見直しや、一連の訪問看護を1日あたりで包括的に評価する新たな仕組みの影響検証が求められました。精神科訪問看護の利用者増加を踏まえた適切な評価のあり方も、検討課題に含まれています。精神医療・医療DX・医療技術の評価在宅医療に加え、精神医療、医療DX、医療技術の3分野についてもそれぞれ検討課題が示されました(附帯意見(案)第16~18号)。精神医療については、新設された精神科地域密着多機能体制加算の効果検証が求められています。地域移行・地域生活支援の充実や、総合病院精神科の評価のあり方が検討課題です。医療DXについては、電子処方箋や電子カルテ共有サービスに加え、D to P with DやD to P with Nなどのオンライン診療の活用状況の検証が求められました。改正医療法に基づくオンライン診療受診施設の活用状況も検討の対象です。医療技術の評価については、リアルワールドデータの解析結果等を踏まえた医療技術の継続的な再評価が求められています。特定保険医療材料の不採算品再算定の対応を踏まえた課題把握や、革新的な医療機器・検査等のイノベーションの評価も検討課題に含まれています。歯科・調剤・医薬品:薬局偏在の解消と後発医薬品の使用促進医療技術の評価に続き、歯科診療報酬、調剤報酬、医薬品に関する6つの項目(附帯意見(案)第19~24号)が示されました。歯科のデジタル化推進、薬局の偏在対策、後発医薬品の使用促進が主な検討テーマです。歯科診療報酬については、かかりつけ歯科医による管理評価の見直しや歯科治療のデジタル化の実施状況の検証が求められています。調剤報酬については、2つの項目が設けられました。1つは敷地内薬局や門前薬局、医療モール薬局に関する改定影響の検証です。もう1つは薬局の都市部偏在に関する検証であり、都市部における小規模乱立の解消と医療資源の少ない地域への配慮が検討課題とされました。長期処方・リフィル処方については、積極的な活用策の検討とともに、ポリファーマシー対策の観点を踏まえた処方の評価が引き続き検討されます。後発医薬品の使用促進については、バイオ後続品を含めた供給状況や使用状況を踏まえた評価の検討が求められました。医薬品の保険給付については、長期収載品や食品類似薬の改定影響を検証し、供給状況や患者負担に配慮した検討が続けられます。薬価制度等と施策の検証附帯意見(案)の最後に、薬価制度・保険医療材料制度・費用対効果評価制度と施策の検証に関する2つの項目(附帯意見(案)第25~26号)が示されました。制度のあり方については、イノベーションの推進、安定供給の確保、国民負担の軽減という3つの観点から、諸外国の動向も踏まえた検討が求められています。施策の検証については、施策の効果や医療の質を含む患者への影響等を、データやエビデンスに基づいて迅速・正確に把握・検証するための方策が検討課題とされました。まとめ令和8年度診療報酬改定の答申書附帯意見(案)は、全26項目にわたる広範な検討課題を示しました。特に注目すべきは、物価対応と賃上げについて令和9年度の追加措置を明確に視野に入れた点、急性期病院一般入院基本料の新設やタスクシフト/シェアなど新制度の影響検証を幅広く求めた点、そして医療DX・薬局偏在対策・後発医薬品使用促進など医療提供体制の効率化に関する課題を多数盛り込んだ点です。これらの附帯意見(案)に基づく調査・検証の結果は、今後の中医協での議論や次回改定に大きな影響を与えることになります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度診療報酬改定|パブコメ5,808件と公聴会が示す5つの論点
令和8年1月30日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第646回)では、令和8年度診療報酬改定に向けたパブリックコメントと公聴会の結果が報告されました。パブリックコメントには5,808件の意見が寄せられ、公聴会では10名の意見発表者が医療現場や患者の立場から改定への要望を述べています。今回の報告から浮かび上がった主な論点は5つあります。第1に、物価高騰・賃上げへの対応が最多の意見を集めました。第2に、医療DX・ICTの活用推進に対する期待と課題が示されました。第3に、地域医療体制の確保と医療機関の機能分化が求められています。第4に、かかりつけ医機能の強化とオンライン診療の普及が要望されました。第5に、後発医薬品の安定供給と使用促進のバランスが論じられています。パブリックコメントの概要:4つのテーマに5,806件の意見パブリックコメントは令和8年1月14日から20日までの7日間、厚生労働省ホームページを通じて募集されました。意見提出件数は5,808件に上り、これらの意見は項目別に分類され、延べ5,806件として集計されています(1件の意見が複数項目に該当する場合や集計上の端数処理があるため、提出件数と項目別の総数にはわずかな差異があります)。以下では、4つの大テーマごとの件数と主な内容を整理します。最も多くの意見が集まったテーマは「Ⅰ 物価や賃金、人手不足等の医療機関等を取りまく環境の変化への対応」であり、2,070件が寄せられました。このうち、物件費の高騰対応に587件、医療従事者の処遇改善に435件、ICT・AI・IoT等の利活用推進に382件が含まれます。意見の多くは、基本診療料の引き上げによる賃上げ対応や、ベースアップ評価料の事務負担軽減を求めるものでした。2番目に多かったテーマは「Ⅲ 安心・安全で質の高い医療の推進」で、1,592件の意見がありました。このテーマでは、歯科医療に関する意見が296件と突出しており、口腔疾患の重症化予防や歯科治療のデジタル化推進が求められています。薬局・薬剤師業務に関する意見も166件寄せられ、地域支援体制加算の見直しや対人業務の充実化が主要な論点となりました。3番目のテーマは「Ⅱ 2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携と地域包括ケアシステムの推進」で、1,475件でした。かかりつけ医機能の評価に280件、在宅看取り等を担う医療機関・薬局の評価に199件が寄せられ、地域における切れ目のない医療提供体制の構築が求められています。4番目のテーマは「Ⅳ 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」で、671件でした。後発医薬品・バイオ後続品の使用促進に156件、医学的妥当性や経済性を踏まえた処方の推進に138件が集まっています。なお、医療DX・ICT関連の意見は、上記Ⅰの382件のほか、Ⅲの「医療DXやICT連携を活用する医療機関・薬局の体制の評価」(24件)やⅣの同再掲項目(43件)にも分散しており、テーマ横断的に関心の高さがうかがえます。意見提出者の属性:回答者768名のうち医療従事者が約7割パブリックコメントの意見提出者の属性も公表されました。なお、この属性データは意見提出件数5,808件のうち768名が回答したものであり、全回答者の属性を示すものではない点に留意が必要です。年齢別では、40~64歳が69.5%と大半を占めました。20歳~39歳が12.1%、65歳~74歳が14.8%と続いています。職業別では、医師が30.3%で最多となりました。看護師が24.9%、その他の医療従事者が10.5%、薬剤師が4.4%、歯科医師が1.0%であり、医療従事者全体で約7割を占めています。会社員(医療関係の企業以外)は6.9%、自営業は4.7%にとどまりました。歯科に関する意見が296件と多い背景として、歯科医師以外の医療従事者や患者からの意見も含まれていることがうかがえます。公聴会の概要:石川県を中心に10名が意見を発表公聴会は令和8年1月21日にハイブリッド形式で開催されました。石川県を中心とした北陸の意見発表者がオンラインで参加し、公募により選定された10名が意見を述べています。発表者の構成は、健康保険組合常務理事、医療法人社団理事長、労働組合事務局長、病院院長、中小企業代表取締役会長、歯科医院院長、行政課長、薬剤師、患者代表、病院看護局長です。保険者・事業主・労働者・医療提供者・患者・行政と、幅広い立場からの意見が寄せられました。以下では、公聴会で示された5つの主要論点を整理します。論点1:物価高騰・賃上げへの対応と被保険者負担のバランス物価高騰と賃上げへの対応は、公聴会でも最も多くの発表者が言及したテーマです。この論点では、医療従事者の処遇改善を求める声と、保険料負担の増加を懸念する声の双方が示されました。健康保険組合の常務理事からは、診療報酬の本体部分が大幅に引き上げられることについて、費用を負担する被保険者や事業主にとって納得のできる対応が必要との意見がありました。中小企業の代表からは、賃金と連動して増加する社会保険料が厳しい経営環境に追い打ちをかけている実態が報告されています。医療提供側からは、賃上げの確実な実施と検証の仕組みが求められました。病院看護局長からは、夜勤手当が2010年以降ほとんど引き上げられていない現状が指摘され、職責に見合った賃上げが強く要望されています。労働組合事務局長からも、医療現場で働く全ての労働者の賃上げが一人一人の手元に確実に届くよう、実績報告を求め検証できる仕組みの必要性が述べられました。論点2:医療DX・ICTの活用推進と現場の課題医療DX・ICTの活用推進は、パブリックコメントでも複数のテーマにわたって意見が寄せられた重要テーマです。公聴会では、推進への期待とともに、導入・運用面での課題が具体的に示されました。地域の診療所を代表する理事長からは、医療DXの効果を最大化するために、導入や運用段階の負担を適切に評価すべきとの意見がありました。特に小規模診療所では、システム導入に伴う説明・入力・連携調整の実務が増加しており、負担が顕在化しているとの報告です。看護局長からは、ICT機器を導入するだけでは業務効率化は難しく、専任の看護職員がシステム設計や使用方法の支援に当たる体制が必要との指摘がありました。導入の効果と影響を検証しながら、システムや運用を改善し続ける体制づくりが求められています。患者代表からは、医療DXを通じた患者への情報共有の推進が要望されました。医療機関同士の情報共有だけでなく、患者自身が自分の医療情報にアクセスできる仕組みの整備が重要であるとの意見です。紹介状の内容を患者に共有することも不可欠であり、患者への診療情報の共有が置き去りにされていると指摘しています。論点3:地域医療体制の確保と機能分化地域医療体制の確保と機能分化は、公聴会において北陸地域の実情を踏まえた切実な意見が寄せられたテーマです。能登半島地震の経験を踏まえた発言も目立ちました。病院院長からは、能登半島地震の際に被災地だけでなく金沢以南の医療機関も逼迫した経験が報告されました。この教訓から、地域全体でのサージキャパシティ(急増する患者への対応力)の確保が必要であり、急性期医療機関が病床にゆとりがあっても経営的に成り立つ制度設計が求められています。行政課長からは、人口減少に伴う医療提供体制の縮減は許されないとの認識が示されました。医師偏在是正に向けた対策として、重点的に医師確保が必要な区域への手当支給や、知事による指定制度への期待が述べられています。薬剤師からは、石川県の中小薬局の実情が報告されました。人口減少地域では薬局の大規模化が必ずしも有効でなく、降雪地域では集約化がアクセスの阻害につながりうるため、立地や規模だけでなく薬局の機能を評価する配慮が必要とされています。論点4:かかりつけ医機能の強化とオンライン診療の普及かかりつけ医機能とオンライン診療は、パブリックコメントでも合計390件(かかりつけ医機能280件、オンライン診療110件)の意見が寄せられた重点テーマです。公聴会では、両者を連携させることで地域医療の質を高める具体的な提案がなされました。患者代表からは、かかりつけ医と専門医がオンライン診療で連携する仕組みの普及が要望されました。地方では近隣に専門医がおらず、遠方の病院に通院する患者や、治療のために転居を余儀なくされる患者がいるとの実情が述べられています。オンライン診療の活用により、居住地にかかわらず適切な診療を受けられる環境の整備が求められました。診療所の理事長からは、かかりつけ医としての役割を果たすには、診療行為そのものだけでなく、地域で医療を続けるための体制づくりへの評価が必要との意見がありました。24時間対応の体制維持や多職種連携の調整など、小規模診療所にとって負担の大きい取り組みへの支援が求められています。論点5:後発医薬品の安定供給と使用促進後発医薬品の安定供給と使用促進も、パブリックコメントで156件の意見が集まった重要テーマです。公聴会では、費用負担者の立場と医療提供者の立場の双方から具体的な要望が示されました。健康保険組合の常務理事からは、後発医薬品の使用が後退しないよう、品質と安定供給の確保に向けた取り組みの継続が要望されました。バイオ後続品については、医療機関や薬局の協力がなければ使用促進が難しいため、保険者も一体となって普及に取り組む必要性が述べられています。薬剤師からは、医薬品の供給不足がいまだ続いており、説明業務や在庫管理にかかるコストが現場を疲弊させている実情が報告されました。安定供給に関する評価の充実と、供給不足の解消に向けた対応が求められています。パブリックコメントでも、安定供給を確保した上での使用促進を求める意見が46件寄せられ、供給不安と使用促進の両立が課題として浮き彫りになりました。まとめ中医協第646回総会で報告されたパブリックコメント5,808件と公聴会の結果からは、5つの論点が浮かび上がりました。物価高騰・賃上げへの対応では、医療従事者の処遇改善と被保険者負担のバランスが求められています。医療DX・ICTの活用では、推進への期待とともに導入・運用面の課題解決が必要です。地域医療では、能登半島地震の教訓も踏まえた体制確保と機能分化が急務です。かかりつけ医機能の強化とオンライン診療の普及は、地域間の医療格差を解消する手段として期待されています。後発医薬品については、安定供給の確保と使用促進の両立が引き続き課題です。これらの論点は、令和8年度診療報酬改定の答申に向けた議論の核心となるものであり、今後の個別改定項目の検討に大きく影響するでしょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
バイオ後続品にも最適使用推進GLを適用へ|中医協が新たな取扱いを提示
令和8年1月30日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第646回)において、バイオ後続品等における最適使用推進ガイドライン(以下「最適使用推進GL」)の取扱い案が提示されました。再審査期間を終えた対象医薬品が増加し、今後バイオ後続品の上市が見込まれることが、この議論の背景にあります。今回の取扱い案のポイントは3つです。第一に、バイオ後続品には先行バイオ医薬品の最適使用推進GLがそのまま適用されます。第二に、保険適用上の留意事項も先行バイオ医薬品に準じて通知されます。第三に、後発医薬品についても同様の取扱いとなります。最適使用推進GLの制度趣旨と今回の議論の背景最適使用推進GLとは、革新的かつ高額な医薬品の適正使用を推進するために作成されるガイドラインです。このGLには、対象医薬品を使用する上で必要な患者の要件、医療機関等の要件、考え方、留意事項が示されています。この制度は2017年に始まりました。新規作用機序を有する革新的な医薬品については、審査と並行してGLが作成されています。GLが作成される理由は、革新的かつ高額な医薬品が国民負担や医療保険財政に与える影響を踏まえ、使用の最適化を図る必要があるためです。2022年以降は、GLの簡略化も進められています。再審査期間を終え、有効性および安全性に関する情報が十分に蓄積された品目や効能・効果については、GLの内容が簡略化されています。こうした簡略化の対象品目が増加する中で、新たな課題が生じました。再審査期間を終えた品目に対するバイオ後続品の上市が今後想定されるため、バイオ後続品における最適使用推進GLの取扱いを整理する必要が出てきたのです。バイオ後続品に対する最適使用推進GLの取扱い案今回示された取扱い案の中核は、バイオ後続品に先行バイオ医薬品のGLを適用するという方針です。具体的には、先行バイオ医薬品の最適使用推進GL(簡略化したGLを含む)がバイオ後続品にもそのまま適用されます。バイオ後続品を使用する医療機関は、先行バイオ医薬品と同じ医療機関の要件を満たす必要があります。同様に、バイオ後続品の投与対象となる患者も、先行バイオ医薬品と同じ患者要件に従うことが求められます。この取扱いは、事務連絡において示される予定です。保険適用上の留意事項と後発医薬品への準用保険適用上の留意事項についても、先行バイオ医薬品に準じた対応がとられます。バイオ後続品に対する保険適用上の留意事項は、最適使用推進GLの取扱いを踏まえた上で、先行バイオ医薬品に準じて通知される方針です。後発医薬品についても、同様の取扱いが適用されます。最適使用推進GLの対象となる先発医薬品に対して後発医薬品が上市された場合にも、先発医薬品のGLが適用されるということです。まとめ中医協総会(第646回)で示されたバイオ後続品等の最適使用推進GLの取扱い案は、先行バイオ医薬品のGLをバイオ後続品にそのまま適用するという方針です。保険適用上の留意事項も先行品に準じて通知され、後発医薬品にも同様の取扱いが適用されます。再審査期間終了品目の増加に伴い、今後バイオ後続品の上市が進む中で、適正使用の枠組みが整備されることになります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度診療報酬改定|答申書附帯意見26項目の全体像と実務への影響
中央社会保険医療協議会(中医協)は、第645回総会(令和8年1月28日)において、令和8年度診療報酬改定の答申書附帯意見(素案)を提示しました。附帯意見とは、改定の実施後に調査・検証すべき事項や、次期改定に向けて引き続き検討すべき課題をまとめたものです。今回の素案は全26項目で構成されており、今後の診療報酬制度の方向性を示す重要な文書です。26項目の内容は、大きく7つの分野に整理できます。第一に、診療報酬体系の簡素化や物価・賃上げへの対応です。第二に、病棟業務の効率化やタスクシフト/シェアに関する検証です。第三に、急性期から慢性期までの入院医療体制の見直しです。第四に、外来医療の機能分化や医師偏在対策です。第五に、在宅医療・訪問看護・精神医療の質の向上です。第六に、医療DX・医療技術の評価です。第七に、歯科・調剤・医薬品にかかる制度の見直しです。本稿では、これら7分野の要点を順に解説します。全般的事項・物価対応・賃上げ:制度の土台に関わる3つの課題(項目1〜3)附帯意見の冒頭3項目は、診療報酬制度の土台に関わる課題を取り上げています。具体的には、診療報酬体系の簡素化、物価高騰への対応、医療従事者の賃上げの3点です。診療報酬体系の簡素化(項目1)は、近年の制度の複雑化を受けた課題です。附帯意見では、患者をはじめとする関係者にとって分かりやすい体系への見直しを求めています。あわせて、施設基準届出のオンライン化や共通算定モジュールの活用など、請求手続きの負担軽減も検討事項に挙げています。物価対応(項目2)は、令和8年度改定で本格的に導入された評価の検証に関する課題です。附帯意見では、医療機関等の経営状況と実際の経済・物価の動向を把握した上で、令和9年度における更なる対応の必要性を検討するよう求めています。この物価対応について、基本料・技術料を含めた今後の評価のあり方の検討も求められています。賃上げ(項目3)は、幅広い医療関係職種における賃上げの実効性に関する課題です。附帯意見では、40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工士等を含む幅広い職種で賃上げが適切に実施されているか、実態を迅速かつ詳細に把握するよう求めています。この実態把握の結果を踏まえ、令和9年度における更なる対応も検討事項とされています。病棟業務の効率化・タスクシフト/シェア:働き方改革の検証(項目4)病棟業務に関する附帯意見(項目4)は、今回の改定で導入された複数の施策の検証を求めています。検証対象は、看護職員と他の医療職種が協働して病棟業務を行う体制、ICT・AI・IoT等の活用による配置基準の柔軟化、専従業務の柔軟化の3点です。これらの施策の検証にあたっては、複数の観点からの評価が求められています。具体的には、職員の業務負担、医療の質、医療安全への影響、生産性向上、医療従事者の確保の各観点です。さらに、病棟の種別ごとに今回改定の影響を幅広く調査・検証することが、附帯意見で明示されています。入院医療:急性期から慢性期まで5つの検討課題(項目5〜9)入院医療に関する附帯意見は5項目にわたり、急性期・高度急性期・救急・包括期・DPC/PDPSの各領域を対象としています。いずれも今回改定の影響検証と、次期改定に向けた評価のあり方の検討を求める内容です。急性期入院医療(項目5)については、今回新設された急性期病院一般入院基本料A・Bや急性期総合体制加算の影響検証が求められています。この検証にあたっては、10対1急性期病棟のあり方も含めた検討が必要とされています。高度急性期入院医療(項目6)については、特定集中治療室管理料等に関する検証が求められています。検証の具体的な対象は、重症度、医療・看護必要度の項目やSOFAスコア等の評価指標、測定方法です。救急搬送(項目7)については、救急外来応需体制の評価、下り搬送の評価、在宅療養高齢者等の後方支援機能の評価が検証対象です。この検証では、高齢者救急の受入れや三次救急医療機関の評価のあり方を、介護保険施設等の協力医療機関が果たす役割の観点も含めて検討するよう求められています。包括期入院医療(項目8)については、地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟の3つの病棟類型が検証対象です。これらの病棟について、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理、円滑な入退院や早期の在宅復帰の観点から評価のあり方を検討するよう求められています。あわせて、療養病棟等の慢性期入院医療についても、在宅医療や介護保険施設等との役割分担の観点から検証が求められています。DPC/PDPS及び短期滞在手術等基本料(項目9)については、今回改定の影響検証とともに、医療の質の向上と標準化に向けた診療実態を踏まえた更なる包括払いのあり方の検討が求められています。外来医療・医師偏在対策:機能分化とかかりつけ医の推進(項目10〜13)外来医療に関する附帯意見は4項目で構成され、医師偏在対策、外来機能分化、医学管理、かかりつけ医機能の各課題を扱っています。医師偏在対策(項目10)については、人口の少ない地域の外来・在宅医療提供体制の確保に対する支援の評価や、外科医療確保特別加算の新設の影響検証が求められています。この検証では、人口構成の地域差や病院薬剤師を含む医療従事者の偏在への対応も検討事項に含まれています。外来機能分化(項目11)については、初診料・外来診療料における逆紹介割合に基づく減算規定の見直しや、連携強化診療情報提供料の見直しの影響検証が求められています。医学管理(項目12)については、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)や特定疾患療養管理料等の影響検証が求められています。この検証では、診療ガイドラインに沿った質の高い計画的な医学管理の推進を評価の方向性として示しています。かかりつけ医機能(項目13)については、今回改定の影響検証とともに、かかりつけ医機能報告制度の施行状況を踏まえた評価のあり方の検討が求められています。在宅医療・訪問看護・精神医療:地域を支える医療の質の向上(項目14〜16)在宅医療・訪問看護・精神医療に関する附帯意見は3項目で、地域で暮らす患者を支える医療の質の向上を目指す内容です。在宅医療(項目14)については、往診、訪問診療、歯科訪問診療、訪問薬剤管理指導、訪問看護の各サービスについて、今回改定の影響検証と評価のあり方の検討が求められています。この検討では、地域における医療提供体制の実態を踏まえることが条件とされています。訪問看護(項目15)については、2つの観点から検証が求められています。ひとつは、同一建物居住者への評価の見直しや、一連の訪問看護を1日あたりで包括的に評価する新たな仕組みの検証です。もうひとつは、利用者が増加傾向にある精神科訪問看護について、利用者の状態や提供内容の実態を踏まえた評価のあり方の検討です。精神医療(項目16)については、今回新設された精神科地域密着多機能体制加算の効果・影響の検証が求められています。あわせて、総合病院精神科が地域で担う重度な精神身体合併症患者への診療に関する評価のあり方も検討事項です。医療DX・医療技術:デジタル化とイノベーションの推進(項目17〜18)医療DXと医療技術の評価に関する附帯意見は2項目で、デジタル化の進展と先進的な医療技術の適正な評価を求める内容です。医療DX(項目17)については、電子処方箋、電子カルテ共有サービス等の活用状況の検証が求められています。あわせて、D to P with DやD to P with Nなどのオンライン診療、改正医療法に基づくオンライン診療受診施設の活用状況についても調査・検証の対象とされています。医療技術(項目18)については、リアルワールドデータの解析結果やエビデンス等を踏まえた医療技術の再評価の継続が求められています。特定保険医療材料の不採算品再算定の検証とともに、革新的な医療機器や検査等のイノベーションを含む先進的な医療技術の評価のあり方も検討事項です。歯科・調剤・医薬品関連:薬局のあり方から薬価制度まで(項目19〜25)歯科・調剤・医薬品に関する附帯意見は7項目にわたり、各分野の制度的課題を幅広く取り上げています。歯科診療報酬(項目19)については、かかりつけ歯科医による歯科疾患・口腔機能の管理等の評価の見直しや歯科治療のデジタル化の実施状況、医科歯科連携の評価の影響検証が求められています。これらの検証を踏まえ、口腔管理や治療のあり方に加え、多職種連携の評価のあり方についても引き続き検討するよう求められています。調剤報酬(項目20・21)については、2つの課題が示されています。ひとつは、敷地内薬局や門前薬局、医療モール薬局等に関する改定影響の検証です。もうひとつは、薬局の都市部偏在を解消するための評価のあり方と、医療資源の少ない地域への配慮です。この検討では、地域支援体制加算・在宅薬学総合体制加算における実績要件や人員要件のあり方も含めて検討するよう求められています。処方関連(項目22)については、長期処方やリフィル処方の積極的な活用策と、医薬分業の現状やポリファーマシー対策の観点を踏まえた処方の評価が検討事項です。後発医薬品(項目23)については、バイオ後続品を含む後発医薬品の使用促進に関する改定影響の検証と、供給状況を踏まえた評価のあり方の検討が求められています。医薬品の保険給付(項目24)については、長期収載品や食品類似薬に関する改定影響の検証が求められています。この検討では、供給状況や患者の負担増への配慮が条件とされています。薬価制度等(項目25)については、イノベーションの推進、安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減の3つの観点から、諸外国の動向も踏まえた制度のあり方の検討が求められています。最後に、施策の検証(項目26)として、施策の効果や患者への影響等について、データやエビデンスに基づいて迅速・正確に把握・検証できるようにするための方策を引き続き検討するよう求められています。まとめ:改定後の検証と次期改定への布石令和8年度診療報酬改定の答申書附帯意見(素案)は、全26項目にわたり、今回改定の影響検証と次期改定に向けた検討課題を示しています。特に注目すべき点は、物価対応・賃上げに関する令和9年度の更なる対応の検討、急性期入院基本料の新体系の検証、医師偏在対策に関する影響の調査・検証、医療DXの活用状況の把握の4点です。医療機関の経営においては、これらの附帯意見が示す方向性を踏まえ、今後の制度変更に備えた準備を進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年3月収載】がん遺伝子パネルや腎デナベーションなど6品目が保険適用へ|中医協総会報告
令和8年1月23日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第644回)において、医療機器及び臨床検査の保険適用が審議されました。新機能・新技術を有する医療機器5品目、再製造医療機器1品目、臨床検査3項目の保険収載が決定しています。今回の収載では、血液検体から包括的なゲノムプロファイルを取得できるがん遺伝子パネル、治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーション用カテーテル2製品、三尖弁閉鎖不全症に対する経皮的クリップシステム、非小細胞肺癌に対する腫瘍治療電場療法用電極が新たに保険適用となります。臨床検査では、重症肺炎患者向けの多項目同時検出パネル、妊婦のトキソプラズマ感染診断補助検査、デュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子治療の適応判定検査が収載されます。医療機器の保険適用(区分C2:新機能・新技術)令和8年3月1日に保険収載される区分C2(新機能・新技術)の医療機器は5品目です。これらは既存の医療機器では対応できない新たな機能や技術を持つ製品として評価されました。Guardant360 CDx がん遺伝子パネルGuardant360 CDx がん遺伝子パネルは、固形がん患者の血液検体から包括的なゲノムプロファイルを取得する検査システムです。本品はガーダントヘルスジャパン株式会社が製造販売しており、特定保険医療材料としてではなく新規技術料として評価されます。本製品の特徴は、組織生検が困難な患者でも血液検査(リキッドバイオプシー)によって遺伝子異常を検出できる点にあります。対応するコンパニオン診断として、非小細胞肺がんにおけるKRAS G12C変異(ソトラシブ)、ERBB2遺伝子変異(トラスツズマブ デルクステカン)、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異(アミバンタマブ)、乳がんにおけるESR1遺伝子変異(イムルネストラントトシル酸塩)、結腸・直腸がんにおけるBRAF V600E変異、KRAS/NRAS遺伝子野生型、ERBB2コピー数異常、MSI-Highなど多数の遺伝子異常と治療薬の適応判定が可能となります。準用技術料として、HER2遺伝子検査(固形癌に係るもの)およびESR1遺伝子検査(乳癌に係るもの)にはD006-27悪性腫瘍遺伝子検査(血液・血漿)の「7」HER2遺伝子検査(大腸癌に係るもの)2,500点が適用されます。ピーク時の推定適用患者数は29,176人、市場規模予測は0.4億円と見込まれています。Paradise システム(腎デナベーション用カテーテル)Paradise システムは、大塚メディカルデバイス株式会社が製造販売する超音波エネルギー式の腎神経焼灼術用カテーテルです。治療抵抗性高血圧症患者の追加的治療として、腎動脈周辺の交感神経を焼灼することで血圧低下を図ります。本システムの構成はParadise カテーテル(償還価格694,000円)とParadise カートリッジ・冷却水(償還価格124,000円)の2つです。Paradise カテーテルは原価計算方式により算定され、有用性加算10%(加算係数0.2)が認められました。有用性加算の根拠として、既存の治療方法では効果が不十分な患者群において効果が認められる点、既存の治療方法との併用により臨床上有用な効果の増強が示される点が評価されています。RADIANCE-HTN TRIO試験において、手技後2ヶ月時点での昼間収縮期24時間ABPMの中央値は、腎デナベーション群で-8.0 mmHg、シャム群で-3.0 mmHgと有意な差が認められました(群間差-4.5 mmHg、p=0.022)。準用技術料はK613腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術)31,840点です。Symplicity Spyral 腎デナベーションシステムSymplicity Spyral 腎デナベーションシステムは、日本メドトロニック株式会社が製造販売する高周波エネルギー式の腎神経焼灼術用カテーテルです。Paradise システムと同様に治療抵抗性高血圧症患者を対象としますが、焼灼方式が異なります。本製品のSymplicity Spyral多電極腎デナベーションカテーテルの償還価格は1,410,000円で、原価計算方式により算定されています。有用性加算10%(加算係数0.2)が認められました。カテーテル遠位端の4つの電極で高周波エネルギーにより円周状にアブレーションを行う構造となっています。SPYRAL HTN-ON MED Expansion試験では、主要評価項目の術後6ヶ月時点での24時間ABPM収縮期血圧の平均変化は統計学的有意差に達しませんでしたが、副次評価項目の診察室血圧、夜間ABPM収縮期血圧ではRDN群で有意な低下が認められました。準用技術料はK613腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術)31,840点です。オプチューンルア(非小細胞肺癌用腫瘍治療電場電極)オプチューンルアは、ノボキュア株式会社が製造販売する非小細胞肺癌治療用の体表面用電場電極です。切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者で、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で増悪後にPD-1/PD-L1阻害剤との併用治療に使用されます。償還価格は小型48,800円、大型65,000円で、類似機能区分比較方式により既存の体表面用電場電極(膠芽腫用)35,900円を基準に算定されています。有用性加算10%が認められました。腫瘍治療電場(TTフィールド)と呼ばれる交流電場を体内に発生させ、癌細胞の増殖を阻害する作用機序を持ちます。ランダム化比較試験において、標準治療+TTフィールド治療群は標準治療単独群に比べ全生存期間が有意に延長し、死亡のハザード比は0.76(95%信頼区間0.58-0.99)でした。ICI+TTフィールド治療群では全生存期間の中央値が19.0カ月(ICI単独群10.8カ月)と改善が認められています。準用技術料はC118在宅腫瘍治療電場療法指導管理料2,800点です。TriClip システム(経皮的三尖弁クリップ)TriClip システムは、アボットメディカルジャパン合同会社が製造販売する経皮的三尖弁クリップシステムです。症候性高度三尖弁閉鎖不全症患者のうち、至適薬物療法で改善しない患者に対して使用されます。償還価格は3,060,000円で、原価計算方式により算定されています。クリップデリバリーシステム、スティーラブルガイドカテーテル及び専用付属品から構成され、経皮的に右心房まで挿入したカテーテルを介してクリップを三尖弁に留置し、弁間を接合することで三尖弁逆流を低減します。TRILUMINATE試験では、主要評価項目として術後12か月の階層的複合評価でWin比1.8(95%信頼区間1.4-2.5、p
令和8年度診療報酬改定|特定保険医療材料の機能区分見直しと価格改定の全容
中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第645回)において、令和8年度診療報酬改定に向けた特定保険医療材料の機能区分見直し等が議論されました。本稿では、薬事承認事項や臨床使用実態を踏まえた既存機能区分の見直し案、不採算品再算定による45機能区分の価格改定案、外国平均価格に基づく再算定の対象5区分について解説します。今回の見直しでは、24項目の機能区分で細分化・定義変更・名称変更等が行われます。不採算品再算定では、安定供給確保のため45機能区分で償還価格が引き上げられます。外国平均価格に基づく再算定では5区分が対象となり、段階的な価格引き下げが実施されます。市場拡大再算定については、対象となる機能区分が存在しないため実施されません。既存機能区分の見直し:24項目の詳細既存機能区分の見直しは、診療報酬改定に併せて必要に応じて実施されます。今回は薬事承認事項や臨床上の使用実態等を踏まえ、24項目について見直しが行われます。見直しの内容は6種類に分類されます。細分化が8件(複合項目含む)、定義変更が9件(複合項目含む)、名称変更が3件、留意事項変更が4件(複合項目含む)、合理化が2件、その他が1件です。一部の項目は細分化と定義変更など複数の見直しが同時に行われています。以下では、臨床現場への影響が大きい主要な見直し項目を説明します。血管造影用シースイントロデューサーセットの細分化血管造影用シースイントロデューサーセット(001)では、蛇行血管用の機能区分が細分化されます。従来の8区分から10区分に増加し、新たに「心腔内リード等送達用」として標準型と特殊型の2区分が新設されます。この見直しの背景には、植込式心臓ペースメーカ用リードや植込型除細動器用カテーテル電極の送達に特化した製品の存在があります。従来は「蛇行血管用」に含まれていた製品が、薬事上の使用目的に基づき独立した機能区分として位置づけられます。人工股関節用材料の細分化人工股関節用材料(057)では、骨盤側材料の臼蓋形成用カップ(間接固定型)が細分化されます。従来の単一区分から「標準型」と「デュアルモビリティ用」の2区分に分けられます。デュアルモビリティ用は、大腿骨側材料の脱臼を防ぐために使用される製品です。臼蓋形成用カップとライナー、ライナーと大腿骨ステムヘッドの間で二つの関節摺動面を確保する構造を持ちます。この製品で間接固定を使用するものが新たに細分化されます。人工膝関節用材料の定義変更人工膝関節用材料(058)では、大腿骨側材料の特殊型について定義が変更されます。従来「摩耗粉を軽減するための加工」と記載されていた部分が、「金属イオン溶出又は摩耗粉の低減を目的として」という表現に変更されます。この変更は、該当製品群の使用実態や薬事承認事項を踏まえたものです。全置換用材料(間接固定型)の特殊型と片側置換用材料(間接固定型)の特殊型の両方で同様の定義変更が行われます。固定用内副子(プレート)の細分化固定用内副子(プレート)(061)では、その他のプレートの標準型が細分化されます。従来の「下顎骨・骨盤再建用」が「下顎骨等再建用」「骨盤再建用」「肋骨再建用」の3区分に分けられます。また、「下顎骨用」は「下顎骨用(患者適合型)」に名称変更されます。この変更は、薬事承認上、骨盤専用および肋骨専用のプレートが存在することを踏まえたものです。歯科診療報酬点数表に規定する特定保険医療材料についても同様の見直しが行われます。補助循環用ポンプカテーテルの細分化補助循環用ポンプカテーテル(193)は、「通常型」と「高流量型」の2区分に細分化されます。高流量型は最大補助流量が5.5L/min以上のもので、低心機能患者等に使用されます。高流量型を算定する場合は、診療報酬明細書に使用する医療上の必要性および使用した日数等を含めた症状詳記の記載が必要となります。消化管内視鏡用止血材の名称統合ペプチド由来吸収性局所止血材(212)、鉱物由来吸収性局所止血材(232)、アミノ酸由来非吸収性局所止血材(233)の3区分は、「消化管内視鏡用止血材」という上位カテゴリーに統合されます。臨床での使用目的を踏まえた名称変更です。不採算品再算定:45機能区分の価格改定不採算品再算定は、供給が著しく困難で十分償還されていない特定保険医療材料を対象とする制度です。令和8年度改定では45機能区分で償還価格の引き上げが行われます。対象区分の選定基準は3点あります。第一に代替するものがないこと、第二に保険医療上の必要性が特に高いこと、第三に継続的な安定供給に際して材料価格が著しく低いことです。算定方法は原価計算方式により行われます。大幅な価格改定が行われる主要項目血管造影用シースイントロデューサーセット・心腔内リード等送達用・特殊型は、現行の2,700円から22,600円に改定されます。これは機能区分の細分化と同時に実施される不採算品再算定です。人工股関節用材料・骨盤側材料・臼蓋形成用カップ(間接固定型)・デュアルモビリティ用は、現行の77,000円から176,000円に改定されます。こちらも機能区分の細分化と併せて実施されます。骨セメント・大腿骨頸部用は、1g当たり535円から1,860円に改定されます。これは機能区分の細分化により脊椎用から分離された新区分への価格設定です。脳・脊髄刺激装置用リード・仙骨神経刺激装置用は、現行の155,000円から297,000円に改定されます。機能区分の細分化により脳・脊髄刺激装置用から分離されました。補助循環用ポンプカテーテル・高流量型は、現行の2,570,000円から3,450,000円に改定されます。IMPELLA 5.5補助循環用ポンプカテーテルが該当製品です。人工透析関連材料の価格改定人工腎臓用特定保険医療材料のダイアライザーは、複数の型で価格改定が行われます。Ⅰa型は1,440円から1,610円に、Ⅰb型は1,500円から2,090円に、Ⅱb型は1,520円から1,820円に、特定積層型は5,590円から5,800円にそれぞれ改定されます。在宅血液透析用も同様の改定が行われます。横隔神経電気刺激装置の価格改定横隔神経電気刺激装置は、3つの構成品すべてで価格改定が行われます。電極植込キットは1,870,000円から2,810,000円に、体外式パルス発生器は953,000円から1,090,000円に、接続ケーブルは11,800円から19,100円に改定されます。外国平均価格に基づく再算定:5区分が対象外国平均価格に基づく再算定は、保険償還価格が外国平均価格の1.3倍以上である機能区分を対象とします。令和8年度改定では152区分を調査対象とし、5区分が再算定対象となります。再算定後の額は価格改定前の材料価格の50%を下限とします。安定供給の観点から、15%以上基準材料価格が下落する機能区分については、段階的な引き下げが実施されます。再算定対象の5区分尿管ステントセット・一般型・長期留置型(035)は、引き下げ率が25%以上50%未満となります。段階的引き下げにより、令和9年6月に全体の引き下げが完了します。人工肩関節用材料・肩甲骨側材料・ベースプレート・標準型(065)と人工心肺回路・心筋保護回路(127)は、引き下げ率が15%以上20%未満です。令和9年6月に引き下げが完了します。人工心肺回路・個別機能品・熱交換器(127)は、引き下げ率が5%以上10%未満です。血管内手術用カテーテル・血栓除去用カテーテル・脳血栓除去用・直接吸引型(133)は、引き下げ率が5%未満となります。段階的引き下げの仕組み引き下げ率が15%以上25%以下の場合は、令和8年6月に全体の2割、令和9年3月にさらに4割、令和9年6月に残り4割が引き下げられます。引き下げ率が25%を超える場合は、令和8年6月に5%、令和9年3月に15%、令和9年6月に25%、令和10年3月に最大35%、令和10年6月に最大50%と段階的に引き下げられます。市場拡大再算定は実施なし市場拡大再算定については、対象となる機能区分および技術料が存在しないため、令和8年度診療報酬改定では実施されません。まとめ令和8年度診療報酬改定における特定保険医療材料の見直しは、3つの柱で構成されます。既存機能区分の見直しでは24項目で細分化・定義変更等が行われ、臨床使用実態に即した区分設定が進みます。不採算品再算定では45機能区分の償還価格が引き上げられ、医療材料の安定供給確保が図られます。外国平均価格に基づく再算定では5区分が対象となり、段階的な価格引き下げにより安定供給への影響を最小化しながら内外価格差の是正が行われます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度診療報酬改定|医療技術評価分科会が158件の優先対応技術を報告
令和8年1月16日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第642回)において、医療技術評価分科会からの報告が行われました。この報告は、令和8年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価結果と、今後の評価の進め方を示すものです。報告の主な内容は3点あります。第1に、学会等から提出された807件の提案のうち、158件が優先対応技術として評価されました。第2に、LDTs(Laboratory Developed Tests)の評価について、次期改定での評価対象とする方針が示されました。第3に、「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療」について、学会等からの提案募集を開始する方針が決定しました。評価結果の概要:693件が評価対象、158件が優先対応へ医療技術評価分科会における評価対象技術は693件でした。この693件は、新規技術302件と既存技術391件で構成されています。評価対象技術の内訳は、学会等からの提案が665件、先進医療として実施されている技術が27件、保険医療材料等専門組織で審議された技術が3件となっています。693件のうち、診療報酬改定において対応する優先度が高い技術は158件と評価されました。この158件は、新規技術62件と既存技術96件で構成されています。一方、今回改定では対応を行わない技術は535件でした。また、評価の対象とならない提案または中医協総会で議論された提案は144件ありました。なお、評価対象技術の内訳には一部重複があります。これまでの検討経緯:令和7年2月から段階的に評価を実施医療技術の評価は、令和7年2月19日の中医協診療報酬基本問題小委員会および総会での了承を経て開始されました。学会等から提出された807件(重複分を除く)の提案書について、事務局がヒアリングを実施し、提案内容の確認を行いました。令和7年11月20日の分科会では、評価対象とする技術の検討が行われました。その後、学会等からの提案については分科会委員による評価が実施され、先進医療として実施されている技術については先進医療会議において評価が行われました。令和7年12月3日の中医協総会では、評価の対象および進め方について了承されています。今後の進め方:5つの方針を決定令和8年度診療報酬改定以降に向けて、5つの方針が示されました。第1に、分科会における医療技術の評価について、中医協総会へ報告し、最終的な対応を検討します。第2に、医療技術に係る報告書について、次の改定に向けて提出を求めます。対象は2種類あります。令和8年度改定で優先度が高いとされた技術のうち「ガイドライン等で記載あり」とされたものが1つ目です。2つ目は、平成28年度から令和6年度までの改定でレジストリ登録を要件として保険適用された技術のうち引き続きレジストリ登録を要件とすべきとされたもの、および令和8年度改定でレジストリ登録を要件として保険適用される技術です。第3に、医療技術の体系的な分類については、令和8年度改定での見直しおよび実績を踏まえ、必要な検討を行います。整形外科領域におけるKコードの見直しが、今回改定で実施される予定です。第4に、LDTsの評価について、次期改定での評価対象とする方針が示されました。LDTsとは、検査室内で設計・開発・製造(又は変更)された検査で、臨床診断の補助や臨床的管理の意思決定に用いられる検査です。評価対象となる条件は2つあります。性能評価(妥当性確認等)や精度管理等の要件を満たすことが客観的に担保されている施設で実施されていること、および国内診療において一定の使用実績があることです。第5に、「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療」について、学会等からの提案募集を開始します。次期改定における学会等からの提案書の上限は、原則として新規収載5提案まで、既収載を含めて合計7提案までとなります。追加提案を希望する学会等は、新規収載の6提案目または合計8提案目以降の追加1提案につき、「効果が乏しい医療」に係る提案を1つ以上提出する必要があります。まとめ令和8年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価において、学会等から提出された807件の提案のうち158件が優先対応技術として評価されました。今後は、LDTsの評価対象化や「効果が乏しい医療」の提案募集など、新たな評価の枠組みが導入されます。医療機関においては、これらの動向を踏まえた対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年4月施行】療養担当規則等の改正ポイント|オンライン診療受診施設と管理者要件を解説
令和8年1月16日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会において、医療法等の一部を改正する法律の施行に伴う療養担当規則等の改正が答申されました。この改正は、医療法に新設される「オンライン診療受診施設」への対応と、保険医療機関の管理者に関する要件・責務の明確化を目的としています。施行日は令和8年4月1日です。今回の改正では、主に3つの重要な変更が行われます。第一に、保険薬局とオンライン診療受診施設の一体的な構造・経営を原則禁止する規定が新設されます。第二に、保険医療機関の管理者となるための要件として、臨床研修修了後の保険医経験等が定められます。第三に、保険医療機関の管理者に対して、従業者の監督や地域連携など4つの責務が課されます。オンライン診療受診施設に関する薬担規則等の改正医療法改正により「オンライン診療受診施設」が新たに創設されることを受け、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(薬担規則)が改正されます。この改正は、医薬分業の適切な運用を確保する観点から、保険薬局とオンライン診療受診施設の関係を明確化するものです。保険薬局に対する禁止事項として、2つの規定が新設されます。1つ目は、保険薬局がオンライン診療受診施設と一体的な構造とすること、または一体的な経営を行うことの禁止です。2つ目は、オンライン診療受診施設に対し、患者を特定の保険薬局へ誘導する指示等の対償として、金品その他の財産上の利益を供与することの禁止です。これらの禁止規定は、保険薬局内でオンライン診療受診施設を開設した場合に生じる課題への対応です。保険薬局内で患者がオンライン診療を受けると、発行された処方箋は概ね当該薬局で調剤されることになります。この状況は、保険薬局と保険医療機関の独立性を損ない、特定の保険薬局への患者誘導につながるおそれがあるためです。ただし、医療資源が少ない地域への配慮として、へき地に所在する保険薬局には例外が設けられます。医療計画におけるへき地に所在する保険薬局については、オンライン診療受診施設との一体的な構造・経営の禁止規定は適用されません。この措置により、へき地における医療提供体制の確保と医薬分業の原則との両立が図られます。保険医療機関の管理者の要件保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)に、保険医療機関の管理者となるための要件が新たに規定されます。この改正は、適正な保険医療を効率的に提供するため、適切な管理能力を有する医師・歯科医師を各保険医療機関に確保することを目的としています。管理者となるための基本要件は、臨床研修を修了した者であって、保険医療機関において保険医として3年以上診療に従事した経験を有することです。医師の場合は病院での経験に限られますが、歯科医師の場合は診療所での経験も認められます。上記の基本要件を満たさない場合でも、以下の6つの代替要件のいずれかに該当すれば管理者となることができます。第一の代替要件は、健康保険法第63条第3項第2号又は第3号に掲げる病院又は診療所(保険者立の病院等)において3年以上診療に従事した経験です。第二の代替要件は、医療法第30条の23第2項第1号に規定する計画(キャリア形成プログラム等)の適用を受け、現に当該計画に基づき診療に従事している者又は適用後3年以内の者であることです。第三の代替要件は、日本専門医機構が認定する基本領域の専門医資格を持つ者その他これに準ずる者であることです。第四の代替要件は、矯正医官、医師又は歯科医師である自衛官その他の公務員として5年以上勤務した経験です。第五の代替要件は、基本要件(保険医療機関での保険医経験)、第一の代替要件(保険者立病院等での経験)、第四の代替要件(公務員としての勤務経験)に係る期間を合算して5年を超える者であることです。第六の代替要件は、緊急に保険医療機関の管理者の地位を承継する等のやむを得ない事由がある場合です。保険医療機関の管理者の責務療担規則に、保険医療機関の管理者が果たすべき責務が新たに規定されます。健康保険法第70条の2第2項に規定する責務に加え、療担規則において4つの具体的な責務が明記されます。第一の責務は、保険医の診療方針等に関する監督です。管理者は、保険医療機関に勤務する保険医が療担規則第2章「保険医の診療方針等」を遵守するよう監督しなければなりません。第二の責務は、手続の適正に関する監督です。管理者は、療養の給付に関する厚生労働大臣等に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続が適正に行われるよう監督しなければなりません。第三の責務は、診療録等の管理に関する監督です。管理者は、診療録の記載及び整備並びに療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録の保存が適正に行われるよう監督しなければなりません。第四の責務は、連携の確保です。管理者は、保険医療機関に勤務する医師、歯科医師、薬剤師その他の従業者の連携を図るとともに、地域の病院若しくは診療所その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携を図らなければなりません。まとめ今回の療養担当規則等の改正は、令和8年4月1日に施行されます。保険薬局においては、オンライン診療受診施設との一体的な構造・経営の禁止規定への対応が求められます。保険医療機関においては、管理者の要件を満たす者の確保と、4つの責務を果たすための体制整備が必要となります。医療機関及び薬局の関係者は、施行日までに必要な対応を進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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