病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。
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令和8年度改定で訪問看護の運営基準が刷新|4つの新規制と安全管理体制の義務化
令和8年度診療報酬改定では、適切な訪問看護提供体制の構築と指定訪問看護事業者の適正な手続きの確保を推進するため、運営基準の見直しが行われます。今回の見直しでは、指定訪問看護に係る安全管理に関する内容や適正な請求等について、運営基準に新たな規定を設けます。本改正は、指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年厚生省令第80号)の改正として実施されます。今回の見直しは、運営基準への4つの新規定追加と2つの既存規定の改正で構成されます。新規定では、適正な手続きの確保、健康保険事業の健全な運営確保、経済上の利益による誘引禁止、特定の主治医・事業者等への誘導禁止を、第五条の二から第五条の五として義務付けます。既存規定では、第二十八条を改正し、安全管理体制の確保を新たに義務化します。さらに、第三十条を改正し、訪問看護記録書など6種類の記録整備を明示的に義務付けます。適正な手続きと健全な運営の確保第五条の二と第五条の三では、指定訪問看護事業者に対して、適正な手続きの実施と健康保険事業の健全な運営確保を義務付けます。これらの規定は、指定申請や訪問看護療養費の請求に関する基本的なルールを明確化するものです。第五条の二では、申請・届出等の手続きと費用請求手続きの適正化を求めます。具体的には、厚生労働大臣または地方厚生局長等への申請・届出に係る手続きを適正に行わなければなりません。さらに、訪問看護療養費に関する費用の請求も適正に行うことが求められます。この規定により、行政手続きと診療報酬請求の双方で適正性が担保されます。第五条の三では、健康保険事業の健全な運営を損なわないよう努めることを求めます。この努力義務は、指定訪問看護の提供全般に及びます。健全な運営の確保は、後述する誘引禁止規定の基礎となる原則でもあります。経済上の利益による誘引と特定事業者等への誘導の禁止第五条の四と第五条の五では、訪問看護事業者による不適切な誘引行為と誘導行為を明確に禁止します。これらの規定は、利用者の自由な選択と公正な事業運営を守るために設けられました。第五条の四では、経済上の利益の提供による誘引を2つの観点から禁止します。1つ目は、利用者本人への誘引であり、収益業務に係る物品の対価の値引きなどが該当します。2つ目は、紹介者への対価提供による誘引であり、他の事業者やその従業員への金品提供などが該当します。いずれも、健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益が対象です。第五条の五では、特定の主治医や特定の事業者等への誘導の対償として金品その他の財産上の利益を収受することを禁止します。対象となる事業者等は、指定居宅サービス事業者(特定施設入居者生活介護に限る)から指定介護予防支援事業者まで第一号から第七号として列挙された7類型です。さらに第八号では、これらの事業者等と併せて利用する事業者であって、当該事業者等と特別の関係にある事業者も対象に含まれます。これらの事業者等から、誘導の対償として財産上の利益を収受してはなりません。安全管理体制の確保と記録整備の義務化第二十八条と第三十条の改正では、安全管理体制の確保と記録整備の義務化を行います。これらの改正は、訪問看護の質と透明性を高めるための重要な見直しです。第二十八条では、事故発生時の対応に加えて、新たに第3項として安全管理体制の確保を義務付けます。具体的には、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護に係る安全管理のための体制を確保しなければなりません。この義務化により、事故発生後の対応だけでなく、事故を未然に防ぐ体制づくりが求められます。第三十条では、整備すべき記録の種類を明示的に列挙します。具体的には、訪問看護記録書、訪問看護指示書、訪問看護計画書、訪問看護報告書、市町村等に対する情報提供書、市町村等との連絡調整に関する記録の6種類です。これらの記録は、完結の日から2年間保存しなければなりません。さらに、記録は正確かつ最新の内容を保つよう整備することも求められます。まとめ:訪問看護事業者に求められる体制整備令和8年度診療報酬改定における指定訪問看護の運営基準見直しは、適切な訪問看護提供体制の構築と適正な事業運営の確保を目的としています。具体的には、適正手続き・健全運営・誘引禁止・誘導禁止の4つの新規定により事業者のコンプライアンスを強化し、安全管理体制の確保と6種類の記録整備義務化により提供体制の透明性を高めます。指定訪問看護事業者は、これらの改正内容を正確に理解し、施行に向けた体制整備を計画的に進めることが求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|訪問看護の適正化と記録書記載の明確化を解説
訪問看護は、在宅医療の中核を担うサービスとして利用者数が増加している。一方で、利用者の状態に応じない画一的な訪問や、短時間訪問の濫用、記録書の記載内容のばらつきが課題となってきた。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「適正な訪問看護の推進」の改定内容を、訪問看護ステーションの実務担当者向けに解説する。本改定は、訪問看護の実施基準の明確化と記録書記載要件の厳格化を進める。第一に、標準時間(30分から1時間30分程度)を下回る訪問が頻繁に行われている場合は、指定訪問看護を実施したと認めない旨を明文化する。第二に、看護目標及び訪問看護計画に沿った実施を明記し、漫然かつ画一的な訪問を禁じる。第三に、利用者の状態を踏まえない一律の日数、回数、実施時間及び人数の決定を認めないことを明確化する。第四に、目標達成の評価と訪問看護記録書への記録、及び実際の訪問開始時刻と終了時刻の記載を求める。改定の背景と基本的な考え方本改定は、利用者の状態を適切に把握し、適正な訪問看護を提供するため、記録書の記載内容を明確化することを目的としている。背景には、訪問看護の利用拡大に伴う実施内容のばらつきと、画一的な訪問や短時間訪問の濫用への懸念がある。改定の方向性は、既存の人員・運営基準に立ち返り、その遵守を通知レベルで明文化する点にある。訪問看護の利用拡大は、改定の出発点である。在宅医療の推進により、訪問看護ステーションの利用者は年々増加してきた。この拡大の中で、利用者の心身の状況に十分配慮しない訪問や、評価を伴わない訪問が一部で見られるようになった。こうした状況が、本改定の必要性を後押ししている。画一的な訪問と短時間訪問の濫用は、本改定が踏み込む論点である。一律の日数や回数による訪問は、利用者ごとの状態に即した看護とは言えない。また、標準時間を下回る訪問の頻繁な実施は、診療報酬の趣旨に反する運用である。本改定は、通知において具体的な禁止事項を示すことで、こうした懸念に対応する。標準時間を下回る訪問の規制本改定により、標準時間を下回る訪問の頻繁な実施に対する規制が通知に明文化される。訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び(Ⅱ)の標準時間は、1回の訪問につき30分から1時間30分程度である。標準時間を下回る訪問が頻繁に行われている場合は、指定訪問看護を実施したとは認められない。本規制は、短時間訪問の濫用を防ぐ趣旨である。標準時間の位置づけは、改定の前提である。訪問看護基本療養費(Ⅰ)及び(Ⅱ)では、1回の訪問につき30分から1時間30分程度が標準時間とされている。この標準時間自体は、現行通知から変更されていない。改定で追加されるのは、標準時間を下回る訪問への取扱いに関する留意事項である。頻繁な短時間訪問の規制は、新設される運用ルールである。具体的には、同一日に同一の利用者に複数回、又は複数の利用者に対し、標準時間を下回る訪問が頻繁に行われている場合が対象となる。これらのケースでは、指定訪問看護を実施したとは認められない。ただし、標準時間の訪問計画を作成し、訪問時の利用者側のやむを得ない事情により標準時間を下回った場合は、規制の対象から除外される。訪問看護実施における基本原則の明確化本改定により、訪問看護の実施に関する2つの基本原則が通知に明記される。1つ目は、看護目標及び訪問看護計画に沿った実施の徹底である。2つ目は、利用者の状態を踏まえない一律の決定の禁止である。両原則ともに、既存の運営基準を実務レベルで具体化したものである。看護目標及び訪問看護計画に沿った実施は、第1の原則である。実施にあたっては、利用者の心身の状況等に応じて妥当適切に行うことが求められる。妥当適切な実施とは、漫然かつ画一的なものにならない訪問を意味する。この原則の根拠は、指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年厚生省令第80号)第14条第1項にある。利用者の状態を踏まえない一律の決定の禁止は、第2の原則である。一律の決定とは、利用者の心身の状況等を考慮せずに、訪問看護の日数、回数、実施時間及び人数(指定訪問看護の日数等)を定めることを指す。さらに、定期的な指定訪問看護を実施していない者が指定訪問看護の日数等を定めることも認められない。この禁止事項により、計画と実施の連動性が担保される。記録・評価に関する具体的要件本改定により、訪問看護の記録と評価に関する2つの要件が新設・明確化される。1つ目は、目標達成の評価と訪問看護記録書への記録である。2つ目は、実際の訪問開始時刻と終了時刻の記載である。両要件ともに、提供されたサービスの妥当性を客観的に検証する仕組みを目指す。目標達成の評価と記録は、新設される要件である。指定訪問看護の提供にあたっては、目標達成の程度及びその効果等について評価を行わなければならない。評価に関する内容は、訪問看護記録書に記録することが求められる。評価結果に応じて、訪問看護計画書の見直しと改善も努力義務として位置づけられる。実際の訪問開始時刻と終了時刻の記載は、明確化される要件である。従来の通知では「開始時刻及び終了時刻」とのみ記載されていた。改定後は「実際の指定訪問看護の開始時刻及び終了時刻」と明記される。この明確化により、計画上の予定時刻ではなく、実績時刻の記録が必須であることが示される。訪問看護ステーションが取り組むべき実務対応本改定への実務対応は、訪問計画・実施運用・記録の3点を整えることに集約される。第一に、標準時間に基づく訪問計画を作成し、計画に沿った実施を徹底する。第二に、利用者ごとの状態に応じて訪問条件を決定する運用ルールを徹底する。第三に、訪問看護記録書において評価内容と実際の訪問時刻を記載する。訪問計画の整備は、第1の対応事項である。計画には、標準時間(30分から1時間30分程度)に基づく訪問時間を設定する必要がある。計画には、利用者の心身の状況に基づく看護目標も具体的に記載する。これにより、短時間訪問の濫用を防ぎ、後続の評価と計画見直しが実効性を持つ。実施運用の整備は、第2の対応事項である。訪問の日数、回数、実施時間及び人数は、利用者の状態を踏まえて個別に決定しなければならない。定期的な指定訪問看護を実施していない者が訪問条件を定めることは認められない。この運用ルールを組織全体で共有することが、改定対応の鍵となる。訪問看護記録書の整備は、第3の対応事項である。記録書には、毎回の訪問内容に加え、目標達成の程度や効果に関する評価を記載する。訪問時刻については、計画上の時刻ではなく、実際の開始時刻と終了時刻を記録する。これらの記載は、算定要件を満たすための必須事項である。まとめ令和8年度改定は、適正な訪問看護の推進に向け、実施基準の明確化と記録要件の厳格化を進める。訪問看護ステーションは、標準時間に基づく訪問計画の作成、看護目標及び訪問看護計画に沿った実施、利用者の状態に応じた個別対応、目標達成の評価と記録、実際の訪問時刻の記載という5点を確実に整える必要がある。これらの対応は、診療報酬の算定要件であると同時に、訪問看護の質を高める実務改善の機会でもある。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】大病院の逆紹介推進を3本柱で解説|減算見直し・新加算・情報提供料
令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携の一環として、大病院の外来機能分化が改めて大きな論点となった。特定機能病院等の再診患者には、地域のかかりつけ医師が診療可能な傷病の患者が一定含まれている実態がある一方で、減算規定の対象患者は極めて限られており、逆紹介の取組も医療機関によってばらつきがある。本記事は、令和8年度改定における「Ⅱ-4-1 大病院と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携による大病院の外来患者の逆紹介の推進」の3つの改定項目を、1ページで俯瞰できるよう整理することを目的とする。Ⅱ-4-1は、「①初診料及び外来診療料における紹介・逆紹介割合に基づく減算規定の見直し」「②特定機能病院等からの紹介を受けて行う初診に対する評価の新設」「③連携強化診療情報提供料の見直し」の3項目で構成される。第1項目では、逆紹介割合の基準が引き上げられ、減算対象患者に頻回再診患者が追加される。第2項目では、特定機能病院等から紹介を受けた診療所または許可病床数200床未満の病院の初診を新たに評価する加算が新設される。第3項目では、算定対象医療機関の拡大、共同治療管理の合意に基づく算定要件の追加、算定回数の3月に1回への統一という3点の見直しが行われる。これら3項目は、大病院側への規律付けと地域側への評価付与、医療機関間の情報共有の評価拡充を組み合わせ、紹介・逆紹介の双方向の流れを報酬面から後押しするものである。① 初診料及び外来診療料における紹介・逆紹介割合に基づく減算規定の見直し第1項目の見直しは、紹介状なし受診患者等に係る初診料・外来診療料の減算規定について、逆紹介割合の基準引き上げと減算対象患者の拡大を行うものである。対象となる大病院の責任を重くし、地域医療機関への患者紹介(逆紹介)を一層推進する狙いがある。逆紹介割合の基準は、対象医療機関の種別ごとに引き上げられる。特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関では30‰未満から50‰未満へ、許可病床400床以上の病院では20‰未満から40‰未満へと、いずれも厳格化される。いずれの医療機関種別でも、紹介割合の基準自体(50%未満・40%未満)は変更されない。減算対象患者には、「当該病院において過去1年間に12回以上外来診療料を算定した患者」が新たに加えられる。従来は、他院への文書による紹介の申出にもかかわらず受診を続けた患者のみが対象であった。今回の見直しでは、頻回に再診を受ける患者も機能分担の観点から減算対象に含められる。ただし、遠隔連携診療料または連携強化診療情報提供料を算定している患者、緊急その他やむを得ない事情がある患者、他院への紹介が困難と医師が認めた患者は、減算対象から除外される。経過措置として、1年間の猶予期間が設けられる。令和8年3月31日時点で現行の逆紹介割合基準を満たしていた病院は、令和9年3月31日までの間、新基準を満たすものとみなされる。詳細はこちらの記事をご覧ください。👉 【令和8年度改定】初診料・外来診療料の減算規定を見直し|逆紹介割合基準の引き上げと対象患者の拡大② 特定機能病院等からの紹介を受けて行う初診に対する評価の新設第2項目の見直しは、「特定機能病院等紹介患者受入加算」を新設し、大病院からの紹介を受け入れる地域側の医療機関を報酬面で直接評価するものである。従来は大病院側に減算規定を設けて逆紹介を促す仕組みが中心であったが、今回は受入側にもインセンティブを付与することで、双方向から外来機能分化を後押しする。新設される加算は、初診料の所定点数に60点を加算する評価である。算定対象施設は、診療所または許可病床数200床未満の病院に限られる。許可病床数が200床以上の病院は、たとえ特定機能病院等から紹介を受けても本加算を算定できない。紹介元として認められるのは、4種類の大病院である。具体的には、特定機能病院、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関、許可病床400床以上の病院の4種類が該当する。特定機能病院以外の3種類については、いずれも一般病床200床未満の施設が紹介元から除外される点に留意が必要である。算定の場面は、上記の紹介元から紹介を受けて初診を行ったときに限られる。大病院の外来機能分化と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携を推進する改定項目の一つとして位置付けられる。詳細はこちらの記事をご覧ください。👉 大病院からの逆紹介を後押し!新設「特定機能病院等紹介患者受入加算」のポイント③ 連携強化診療情報提供料の見直し第3項目の見直しは、連携強化診療情報提供料について、算定対象医療機関の拡大、共同治療管理の合意に基づく算定要件の追加、算定回数の3月に1回への統一という3点の改定を行うものである。従来は算定対象となる医療機関の組み合わせが限定的であり、現場の連携実態を十分に反映できていなかった。今回の見直しでは、「2人主治医制」に代表される双方向の情報共有を報酬面から支援する仕組みへと再整備される。算定対象医療機関は、特定機能病院等から、許可病床数200床未満の病院および診療所等まで拡大される。紹介の方向性についても、現行の「紹介された患者」のみから、「紹介され、又は他の保険医療機関へ紹介した患者」へと拡大される。これにより、紹介元と紹介先のいずれの医療機関でも診療情報提供料を算定でき、大病院から地域のかかりつけ医機能を担う医療機関への逆紹介の場面でも算定が可能となる。算定要件には、共同治療管理の合意に基づく情報提供が追加される。従来の「他の保険医療機関からの求めに応じた情報提供」に加えて、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が共同で継続的に治療管理を行うことに合意し、当該合意に基づく紹介であることを確認したうえで情報提供を行った場合にも、算定が認められる。個別の求めがなくても、事前の合意に基づく継続的な情報提供を評価できる枠組みへと拡張される。算定回数は、患者1人につき3月に1回に統一される。現行制度では、注1から注4(基本ルール、外来機能報告対象病院等、その他の施設基準を満たす医療機関、指定難病・てんかん患者)が月1回、注5(妊娠中の患者)が3月に1回と区分されていたが、改定後はすべての算定区分で3月に1回となる。継続的な治療管理の実態に即した、合理的な算定機会の設定といえる。詳細はこちらの記事をご覧ください。👉 連携強化診療情報提供料の見直し|令和8年度改定の3つのポイントまとめ令和8年度診療報酬改定のⅡ-4-1は、大病院の外来機能分化を「減算規定」「新設加算」「情報提供料」という3つの報酬ツールから推進する構造をとる。減算規定の見直しでは、逆紹介割合の基準引き上げと頻回再診患者の対象化により、大病院側の逆紹介責任が強化される。特定機能病院等紹介患者受入加算の新設では、紹介を受ける診療所・許可病床数200床未満の病院が初診60点で直接評価される。連携強化診療情報提供料の見直しでは、算定対象の双方向化と共同治療管理の合意に基づく算定要件の追加により、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が共同で継続的に治療管理を行う取組が支援される。対象となる医療機関は、経過措置期間や届出要件の確認を行いつつ、自院の立ち位置に応じた連携戦略を計画的に組み立てることが求められる。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
連携強化診療情報提供料の見直し|令和8年度改定の3つのポイント
令和8年度診療報酬改定では、大病院の外来機能分化と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携強化が、引き続き重要な政策課題となっています。現行の連携強化診療情報提供料は、算定対象となる医療機関の組み合わせが限定的であるうえ、算定機会も患者1人につき月1回までと、現場の連携実態を十分に反映できていませんでした。本メルマガでは、令和8年度診療報酬改定における連携強化診療情報提供料の見直し内容を、中医協の資料に基づいて整理します。連携強化診療情報提供料は、「算定対象医療機関の拡大」「共同治療管理の合意に基づく算定要件の追加」「算定回数の3月に1回への統一」という3点で見直されます。第1の見直しでは、算定対象が特定機能病院等から許可病床数200床未満の病院および診療所等まで拡大され、紹介元と紹介先のいずれの医療機関でも算定可能となります。第2の見直しでは、他の医療機関からの求めに応じた情報提供だけでなく、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が共同で継続的に治療管理を行う旨の合意に基づく紹介でも算定可能となります。第3の見直しでは、算定回数が患者1人につき3月に1回に統一され、算定機会の整理が行われます。算定対象医療機関の拡大第1の見直しは、算定対象医療機関の拡大であり、紹介元・紹介先のいずれの医療機関でも診療情報提供料を算定できるようにする内容です。改定の背景には、大病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が双方向で情報を共有しながら治療管理を行う実態を、報酬上で適切に評価する必要性があります。算定対象医療機関は、特定機能病院等に加えて、許可病床数200床未満の病院および診療所等まで拡大されます。具体的な施設基準では、「診療所または許可病床数200床未満の病院」と、「特定機能病院、地域医療支援病院、外来機能報告対象病院等または許可病床数400床以上の病院」という2つの類型が設けられます。これら2類型に該当する医療機関の間で患者の紹介が行われた場合に、双方の医療機関で算定可能となる仕組みです。なお、地域医療支援病院および400床以上の病院については「一般病床の数が200床未満であるものを除く」、外来機能報告対象病院等については都道府県が公表した基幹的な病院に限るといった留保条件が付されています。紹介の方向性についても、現行の「紹介された患者」のみから、「紹介され、又は他の保険医療機関へ紹介した患者」へと拡大されます。この見直しにより、大病院から地域のかかりつけ医機能を担う医療機関への逆紹介の場面でも、算定が可能となります。逆紹介の推進は外来機能分化の中核的な政策テーマであり、今回の算定要件の見直しは、その推進を報酬面から後押しする位置づけといえます。共同治療管理の合意に基づく算定要件の追加第2の見直しは、共同治療管理に係る合意を、算定要件として追加する内容です。算定対象医療機関の拡大とあわせて、医療機関間の連携の質を高めるための要件整備が行われます。算定要件としては、現行の「他の保険医療機関からの求めに応じた情報提供」に加えて、「共同治療管理の合意に基づく情報提供」が新設されます。具体的には、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が、患者の治療管理を共同で継続的に行うことについて合意し、当該合意に基づく紹介であることを確認したうえで情報提供を行った場合に、算定が認められます。この要件追加により、紹介元医療機関からの個別の求めがなくても、事前の合意に基づく継続的な情報提供を評価できる枠組みとなります。合意に基づく算定の対象には、一般の患者に加えて、指定難病の患者、てんかんの患者、妊娠中の患者も含まれます。指定難病の患者およびてんかんの患者については、難病診療連携拠点病院、難病診療分野別拠点病院、てんかん支援拠点病院の指定を受けている保険医療機関が、施設基準上の算定主体となります。妊娠中の患者については、当該保険医療機関内に妊娠中の患者の診療を行うにつき十分な体制が整備されていることが、施設基準として求められます。算定回数の3月に1回への見直し第3の見直しは、算定回数を患者1人につき3月に1回に整理する内容です。算定対象および算定要件の拡大とあわせて、算定機会の頻度を見直すことで、点数体系全体のバランスが図られます。算定回数は、患者1人につき3月に1回に統一されます。現行制度では、注1から注4まで(基本ルール、外来機能報告対象病院等、その他の施設基準を満たす医療機関、指定難病・てんかん患者)が月1回、注5(妊娠中の患者)が3月に1回とされていましたが、改定後はすべての算定区分で3月に1回となります。継続的な治療管理の実態に即した、合理的な算定機会の設定といえます。なお、現行の注5には、産科または産婦人科を標榜する保険医療機関が関わる妊娠中の患者について、頻回の情報提供の必要を認めた場合の月1回算定の例外規定が設けられていました。改定案の注4および注5の本文には、この例外規定に相当する記述が見られません。例外規定の取扱いについては、最終的な告示および関連通知での確認が必要です。まとめ令和8年度診療報酬改定における連携強化診療情報提供料の見直しは、「算定対象医療機関の拡大」「共同治療管理の合意に基づく算定要件の追加」「算定回数の3月に1回への統一」という3つの柱で構成されます。算定対象の拡大により、紹介元と紹介先の双方の医療機関で算定が可能となり、逆紹介の推進が報酬面から支援されます。算定要件への合意要件の追加により、共同治療管理の枠組みに基づく継続的な情報提供が評価されます。算定回数の見直しにより、継続的な治療管理の実態に即した算定機会の設定が実現します。これら3つの見直しは、病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携しながら共同で継続的に治療管理を行う取組を推進するという、今回改定の基本的な考え方を具体化するものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
大病院からの逆紹介を後押し!新設「特定機能病院等紹介患者受入加算」のポイント
令和8年度診療報酬改定では、「特定機能病院等紹介患者受入加算」が新設されます。本加算は、特定機能病院等から紹介を受けた患者に対して、診療所又は許可病床数200床未満の病院が初診を行った場合に評価する仕組みです。本記事では、新設加算の基本的な考え方と具体的な算定要件を、厚生労働省の改定資料に沿って解説します。新設される「特定機能病院等紹介患者受入加算」は、初診料の所定点数に60点を加算する評価です。算定対象施設は、診療所又は許可病床数200床未満の病院に限られます。紹介元として認められるのは、特定機能病院、一定規模以上の地域医療支援病院、一定規模以上の紹介受診重点医療機関、許可病床400床以上の病院の4種類です(特定機能病院以外の3種類は、いずれも一般病床200床未満の病院を除きます)。算定の場面は、これらの紹介元から紹介を受けて初診を行った場合に限られます。基本的な考え方:診療所・小規模病院での初診を新たに評価新加算の基本的な考え方は、特定機能病院等からの紹介を受けた患者に対する初診を、診療所又は許可病床数200床未満の病院が行った場合について、新たな評価を行うというものです。これは、令和8年度改定における「Ⅱ-4-1 大病院と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携による大病院の外来患者の逆紹介の推進」の一環として位置付けられています。本加算が新設される改定の柱は、大病院の外来患者を地域のかかりつけ医機能を担う医療機関へ円滑に移行させる連携の推進です。これまで大病院側には、紹介状なし受診患者に対する初診料・外来診療料の減算規定が設けられてきました。今回の改定では、これに加え、大病院からの紹介患者を受け入れる側を直接評価する加算が新設されます。算定要件:算定する側と紹介元の双方に厳格な範囲算定要件は、算定する側の保険医療機関と紹介元の医療機関の双方で範囲が定められます。算定する側は、診療所又は許可病床数200床未満の病院に限定されます。紹介元は、4種類の大病院に限定されます。算定する保険医療機関は、診療所又は許可病床数200床未満の病院に限られます。許可病床数が200床以上の病院は、たとえ特定機能病院等から紹介を受けても本加算を算定することはできません。紹介元として認められるのは、4種類の医療機関です。具体的には、①特定機能病院、②地域医療支援病院(一般病床の数が200床未満の病院を除く)、③紹介受診重点医療機関(一般病床の数が200床未満であるものを除く)、④許可病床の数が400床以上の病院(一般病床の数が200床未満の病院を除く)が該当します。特定機能病院以外の3種類については、いずれも一般病床200床未満の施設は紹介元として認められない点に注意が必要です。算定の場面は、上記の紹介元から紹介を受けて初診を行ったときに限られます。算定方法は、初診料の所定点数に60点を加算する形をとります。改定全体における位置付け本加算は、令和8年度改定で行われる外来医療の機能分化と連携に関する一連の見直しの一部を構成します。同じⅡ-4-1の項目では、大病院側に対する見直しも併せて実施されます。具体的には、紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等を紹介状なしで受診した患者等に係る初診料及び外来診療料について、逆紹介割合の基準を引き上げることや、減算対象患者に頻繁に再診を受けている患者を含むよう見直すことが、これまでの議論の整理に示されています。まとめ:新設加算の要点新設される「特定機能病院等紹介患者受入加算」は、特定機能病院等から紹介を受けた患者に対する初診を、診療所又は許可病床数200床未満の病院が行った場合に、初診料の所定点数に60点を加算する評価です。算定対象施設は、診療所又は許可病床数200床未満の病院に限られます。紹介元として認められるのは、特定機能病院、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関、許可病床400床以上の病院の4種類で、特定機能病院以外の3種類はいずれも一般病床200床未満の施設が除外されます。本加算は、大病院と地域のかかりつけ医機能を担う医療機関との連携による大病院の外来患者の逆紹介の推進を目的とした改定項目の一つです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】初診料・外来診療料の減算規定を見直し|逆紹介割合基準の引き上げと対象患者の拡大
令和8年度診療報酬改定では、大病院の外来機能分化と地域医療機関との連携をさらに推進する。その一環として、紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等における初診料及び外来診療料の減算規定が見直される。本記事では、この減算規定の改定内容と実務対応のポイントを整理する。今回の見直しは、大きく2点の変更で構成される。第一に、逆紹介割合の基準が対象医療機関の種別ごとに引き上げられる。第二に、減算対象となる患者に「過去1年間に12回以上外来診療料を算定した患者」が追加される。さらに、現行基準を満たしている病院には、令和9年3月31日までの経過措置が設けられる。逆紹介割合の基準引き上げ逆紹介割合の基準は、対象医療機関の種別ごとに約1.7〜2倍に厳格化される。特定機能病院等では30‰未満から50‰未満へ、許可病床400床以上の病院では20‰未満から40‰未満へと引き上げられる。この改定は、大病院から地域医療機関への患者紹介(逆紹介)を一層推進することを目的とする。特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関では、逆紹介割合の基準が30‰未満から50‰未満に引き上げられる。この基準は、初診料の「注2」に該当する減算規定の対象医療機関を定めるものである。なお、紹介割合の基準(50%未満)は変更されない。許可病床400床以上の病院では、逆紹介割合の基準が20‰未満から40‰未満に引き上げられる。この基準は、初診料の「注3」に該当する減算規定の対象医療機関を定めるものである。こちらも、紹介割合の基準(40%未満)は変更されない。減算対象患者への「頻回再診患者」の追加減算対象患者には、「当該病院において過去1年間に12回以上外来診療料を算定した患者」が新たに加えられる。従来は、他院への文書による紹介の申出にもかかわらず受診を続けた患者のみが対象であった。今回の見直しにより、頻回に再診を受ける患者も、医療機関の機能分担の観点から減算対象に含められる。この追加には、患者の状況に応じた除外規定も設定される。以下の3つのいずれかに該当する患者は、減算対象から除外される。第一に、過去1年間に紹介を行った医療機関との連携により、遠隔連携診療料または連携強化診療情報提供料を算定している患者である。第二に、緊急その他やむを得ない事情がある患者である。第三に、専門性の高い医学管理を要するなどの理由で他院への紹介が困難であり、自院での継続通院が必要と医師が認めた患者である。報告義務と経過措置報告義務の基準も、逆紹介割合の基準引き上げに連動して変更される。特定機能病院等では、紹介割合50%未満または逆紹介割合50‰未満(現行30‰未満)の場合に、地方厚生(支)局長への報告義務が生じる。400床以上の病院では、紹介割合40%未満または逆紹介割合40‰未満(現行30‰未満)の場合に、同様の報告義務が生じる。経過措置として、1年間の猶予期間が設けられる。令和8年3月31日時点で現行の逆紹介割合基準を満たしていた病院は、令和9年3月31日までの間、新基準を満たすものとみなされる。この措置により、対象病院は新基準への段階的な対応期間を確保できる。まとめ令和8年度診療報酬改定では、大病院の外来機能分化を進めるため、初診料・外来診療料の減算規定が見直される。逆紹介割合の基準は対象医療機関の種別ごとに引き上げられ、減算対象患者には頻回再診患者が新たに加えられる。対象となる病院は、経過措置期間を活用しながら、新基準への対応と地域医療機関との連携強化を計画的に進めることが求められる。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】かかりつけ歯科医・薬剤師機能の評価見直し総まとめ|⑥⑦⑧を一挙整理
令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた地域医療の確保に向けて、かかりつけ機能の評価体系が抜本的に見直されます。これまでのかかりつけ歯科医機能とかかりつけ薬剤師機能は、複雑な算定要件や業務実態との乖離が課題として指摘されてきました。本稿では、個別改定項目「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」のうち、歯科・薬局に関わる⑥⑦⑧の3項目を体系的に整理します。今回の見直しは3つの柱で構成されます。第1に、歯科疾患管理料・小児口腔機能管理料・口腔機能管理料が一本化または2区分化され、対象患者が拡大されます。第2に、歯周病安定期治療(SPT)と歯周病重症化予防治療(P重防)が「歯周病継続支援治療」へ統合され、医科歯科連携を評価する加算が再編されます。第3に、かかりつけ薬剤師指導料と包括管理料が廃止され、服薬管理指導料への統合と新加算の創設、施設基準の再構成が行われます。⑥ 歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料及び口腔機能管理料の要件並びに評価の見直し⑥では、かかりつけ歯科医による口腔機能管理を推進するため、3つの管理料が見直されます。口腔機能発達不全症や口腔機能低下症と診断されながらも、算定要件を満たさず管理料を算定できない患者が多数存在することが背景にあります。歯科疾患管理料は、初診月の80/100減額規定が廃止され、90点に一本化されます。現行では初診月80点・再診月100点の2段階評価でしたが、改定後は初診月・再診月を問わず一律90点で算定できます。小児口腔機能管理料は、現行の1区分(60点)から2区分に細分化されます。口腔機能の評価項目において3項目以上該当する患者は管理料1(90点)、2項目該当の患者は管理料2(50点)で算定します。NDBデータで約13万件が歯科疾患管理料のみの算定にとどまっていた口腔機能発達不全症の患者に対して、より幅広い管理が提供可能となります。口腔機能管理料も、現行の1区分(60点)から2区分に細分化されます。口腔細菌定量検査や咀嚼能力検査等を実施した患者は管理料1(90点)、検査未実施の患者は管理料2(50点)で算定します。約7.7万件が歯科疾患管理料のみの算定にとどまっていた口腔機能低下症の患者にも、管理料の算定範囲が広がります。詳細はこちらの記事で解説しています: 👉 【令和8年度改定】歯科疾患管理料・口腔機能管理料の3つの変更点を解説⑦ 継続的・効果的な歯周病治療の推進⑦では、歯周病の継続管理を評価する2つの点数が統合・再編されます。従来のSPTとP重防は、対象とする歯周組織の状態こそ異なるものの、提供される治療内容が類似していたため、評価体系のシンプル化が長年の論点でした。歯周病継続支援治療は、SPTとP重防を整理・統合した新設項目です。歯数に応じた3段階の点数構造が採用され、1歯以上10歯未満が170点、10歯以上20歯未満が200点、20歯以上が350点で算定します。算定対象は「一連の歯周病治療終了後、継続支援が必要な患者」に拡張され、歯周組織の状態による区分は撤廃されます。重症化予防連携強化加算は、歯周病ハイリスク患者加算を再編した新名称の加算です。点数は80点から100点に引き上げられ、医科医療機関への診療情報提供が新たな要件として追加されます。糖尿病患者に対する非外科的歯周治療がHbA1c値を平均0.30%改善するというメタアナリシスの結果を踏まえ、双方向の医科歯科連携を促す仕組みです。詳細はこちらの記事で解説しています: 👉 【令和8年度改定】歯周病SPTとP重防が統合|新設「歯周病継続支援治療」の全要点⑧ かかりつけ薬剤師の推進⑧では、かかりつけ薬剤師の評価体系が3つの観点から組み替えられます。業務ノルマ化の指摘や、患者によるかかりつけ薬剤師の選択という本来の趣旨が浸透していないという課題への対応です。かかりつけ薬剤師指導料(76点)及びかかりつけ薬剤師包括管理料(291点)は廃止されます。廃止される指導料の機能は、服薬管理指導料の中にかかりつけ薬剤師区分(イ)として統合されます。現行で認められている服薬管理指導料の特例(59点算定)も、今回の改定で削除されます。かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(3月に1回50点)及びかかりつけ薬剤師訪問加算(6月に1回230点)は、新設項目です。フォローアップ加算は前回調剤後からの継続的な服薬状況確認に対する評価、訪問加算は患者または家族の求めに応じた患家訪問と情報提供に対する評価として、それぞれ位置づけられます。施設基準は、薬剤師個人の要件と薬局全体の要件に再構成されます。薬剤師個人の勤務時間要件は週32時間以上から週31時間以上に、在籍期間要件は1年以上から6か月以上に緩和されます。一方、薬局全体としては常勤保険薬剤師の平均在籍期間1年以上または管理薬剤師の継続在籍3年以上という要件が新設され、勤務継続性が担保されます。詳細はこちらの記事で解説しています: 👉 【令和8年度改定】かかりつけ薬剤師の評価体系を抜本見直し|指導料廃止・新加算創設・施設基準再編まとめ令和8年度改定のⅡ-3⑥⑦⑧では、かかりつけ歯科医機能とかかりつけ薬剤師機能の評価体系が抜本的に見直されます。⑥では歯科疾患管理料が90点に一本化され、小児口腔機能管理料と口腔機能管理料が2区分化されます。⑦ではSPTとP重防が歯周病継続支援治療に統合され、重症化予防連携強化加算が医科歯科連携要件とともに再編されます。⑧ではかかりつけ薬剤師指導料と包括管理料が廃止され、服薬管理指導料への統合と新加算の創設、施設基準の再構成が行われます。歯科診療所と保険薬局においては、新たな算定要件と施設基準を踏まえた診療体制・業務フローの整備が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】かかりつけ医機能の5大見直しを総まとめ|機能強化加算から時間外対応まで
令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価(個別改定項目Ⅱ-3)が大きく見直されます。この見直しは、かかりつけ医機能の体制整備を推進するとともに、対象患者の適正化と評価範囲の明確化を図るものです。本記事では、Ⅱ-3に位置づけられる5つの改定項目について、それぞれの要点を整理します。今回のメルマガでは、5つの項目を順に解説します。第1に、機能強化加算ではBCP策定など3つの新要件が追加されます。第2に、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)では包括範囲の縮小など5つの見直しが行われます。第3に、特定疾患療養管理料では胃潰瘍・十二指腸潰瘍にNSAIDs除外条件が新設されます。第4に、地域包括診療加算等では対象患者の拡大や認知症加算の統合など6項目が見直されます。第5に、時間外対応加算は「時間外対応体制加算」へと名称変更され、全区分で点数が引き上げられます。各項目の詳細は、本文中のリンクから個別記事をご参照ください。① 機能強化加算の見直し|3つの新要件を追加機能強化加算では、かかりつけ医機能の体制整備を推進するため、施設基準に3つの新要件が追加されます。点数(80点)に変更はありません。1つ目の新要件は、業務継続計画(BCP)の策定です。災害等の発生時においても医療の提供を継続するための計画を策定し、計画に従った措置の実施と定期的な見直しが求められます。既届出医療機関には、令和9年5月31日までの経過措置が設けられています。2つ目の新要件は、健康保険法第68条の2第1項に基づく期限付き指定を受けた診療所の対象除外です。外来医師多数区域において都道府県知事の要請等に応じなかった診療所は、機能強化加算を算定できなくなります。3つ目の新要件は、外来データ提出加算の届出が「望ましい」要件として位置づけられたことです。現時点では努力義務であり、届出がなくても機能強化加算の算定は可能ですが、外来データ提出体制の早期整備が望まれます。▼ ポイント: BCP策定は既届出医療機関にとって最優先の実務課題です。経過措置期限である令和9年5月31日までに策定を完了する必要があります。📖 詳細記事はこちら:【令和8年度改定】機能強化加算に3つの新要件|BCP策定・期限付き指定・データ提出② 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の見直し|5つの改定ポイント生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)では、生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、5つのポイントで見直しが行われます。第1のポイントは、生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の大幅な縮小です。がん患者指導管理料、認知症専門診断管理料、救急外来医学管理料など、生活習慣病とは異なる領域の医学管理が別途算定可能になります。第2のポイントは、在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和です。糖尿病以外の疾患(骨粗鬆症など)に対する在宅自己注射であれば、生活習慣病管理料との併算定が可能になります。第3のポイントは、眼科医療機関連携強化加算(60点)と歯科医療機関連携強化加算(60点)の新設です。糖尿病の重症化予防を目的とした他科連携が、年1回算定可能な加算として明確に評価されます。第4のポイントは、生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加です。原則として6月に1回以上の検査実施が要件化され、疾病管理の質が担保されます。第5のポイントは、療養計画書における患者署名の不要化です。患者の同意自体は引き続き必要ですが、署名という形式的な手続きが省略され、事務負担が軽減されます。▼ ポイント: 包括範囲の縮小により、生活習慣病を主病とする患者の併存疾患管理や時間外対応を別途算定できるようになる点が、実務上最も大きな変化です。📖 詳細記事はこちら:令和8年度改定|生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)5つの見直しポイントを解説③ 特定疾患療養管理料の見直し|NSAIDs除外ルールを新設特定疾患療養管理料では、胃潰瘍および十二指腸潰瘍について、NSAIDs投与中の患者を除外する条件が新たに設けられます。この見直しの背景には、NDBデータで明らかになった矛盾した処方実態があります。主傷病名が「胃潰瘍」に関連する算定患者(約18.5万人)のうち約6.5%が、消化性潰瘍患者への投与が禁忌とされる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服薬を調剤されていました。この実態は、計画的な療養管理という管理料の趣旨にそぐわないと判断されました。改定後の対象疾患リスト(別表第一)では、「胃潰瘍及び十二指腸潰瘍(消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬の投与を受けている場合を除く。)」と記載されます。NSAIDs投与中の患者については、胃潰瘍または十二指腸潰瘍を主病とした算定が認められなくなります。医療機関では、該当患者のNSAIDs処方状況の確認、他の対象疾患を主病とした算定可否の再点検、レセプト算定ロジックや電子カルテマスタの更新が求められます。▼ ポイント: 胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病として算定中の患者については、他科処方を含むNSAIDs投与の有無を必ず確認してください。📖 詳細記事はこちら:令和8年度改定|特定疾患療養管理料の対象疾患にNSAIDs除外ルールが追加④ 地域包括診療加算等の見直し|6つの改定ポイント地域包括診療加算・地域包括診療料では、対象疾患を有する要介護高齢者等への継続的かつ全人的な医療の推進と、適切な服薬管理の実施を推進する観点から、6つのポイントで大幅な見直しが行われます。第1のポイントは、対象患者の拡大です。従来の「6疾病のうち2つ以上」に加え、「慢性疾患1つ+要介護被保険者等」も新たに対象に追加されます。第2のポイントは、認知症地域包括診療加算・料の地域包括診療加算・料への統合です。患者類型に応じた2段階の点数(「認知症を有する患者等」と「その他の慢性疾患等を有する患者」)に再編されます。第3のポイントは、連携薬局の24時間対応要件の緩和です。院内で解熱鎮痛剤等の緊急処方が可能な体制があれば、連携薬局の24時間対応体制は不要となります。第4のポイントは、認知症患者の診断後支援に係る案内の明記です。地域包括支援センター等と連携した支援取組の案内が「望ましい」要件として位置づけられます。第5のポイントは、薬剤適正使用連携加算の対象拡大です。従来の入院・入所患者に加え、外来で他院に通院している患者も対象に追加されます。第6のポイントは、外来データ提出加算(10点)の新設と、医療資源の少ない地域における医師配置要件の緩和(常勤換算2名以上→1.4人以上)です。▼ ポイント: 対象患者の拡大により、高血圧症のみを有する要介護認定患者でも算定可能になります。算定対象の患者数が増える医療機関も多いと見込まれます。📖 詳細記事はこちら:【令和8年度改定】地域包括診療加算等の6つの見直しポイント|対象患者拡大と認知症加算統合を解説⑤ 時間外対応体制加算の充実|名称変更と点数引き上げ時間外対応加算では、診療所における休日・夜間等の対応体制の整備を推進する観点から、名称変更と全区分での点数引き上げが行われます。名称は「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」に変更されます。この変更は加算1~4の全区分に適用され、対応できる体制の整備そのものを評価する趣旨が明確化されます。点数は加算1~4の全区分で引き上げられます。加算1は5点から7点(+2点)、加算2は4点から5点(+1点)、加算3は3点から4点(+1点)、加算4は1点から2点(+1点)に、それぞれ増点されます。最も手厚い体制を評価する加算1の引き上げ幅が最大となっています。算定要件は従来と基本的に同じ構造で、診療所における再診時に届出区分に応じた点数を加算する仕組みです。この見直しにより、休日・夜間に病院を受診する軽症患者の減少と、病院勤務医の負担軽減につながることが期待されます。▼ ポイント: 届出を行っている診療所は、名称変更に伴う院内掲示や患者向け案内の更新を確認しておくとよいでしょう。📖 詳細記事はこちら:【令和8年度改定】時間外対応体制加算とは?名称変更と点数引き上げの全容を解説まとめ|5項目に共通する「体制整備」と「対象適正化」の方向性令和8年度改定のかかりつけ医機能評価(Ⅱ-3)は、5項目の見直しを通じて2つの方向性を打ち出しています。1つ目の方向性は「体制整備の強化」です。機能強化加算へのBCP策定要件追加、地域包括診療加算等への外来データ提出加算新設、時間外対応体制加算の点数引き上げが、この方向性を象徴しています。2つ目の方向性は「対象患者・疾患の適正化」です。機能強化加算からの期限付き指定診療所の除外、特定疾患療養管理料におけるNSAIDs除外条件の新設、地域包括診療加算等の対象患者拡大が、この方向性に沿った見直しです。各医療機関では、自院の届出状況と算定対象患者を改定内容と照らし合わせ、施行日に向けた対応を早めに進めることをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】かかりつけ薬剤師の評価体系を抜本見直し|指導料廃止・新加算創設・施設基準再編
かかりつけ薬剤師制度は、特定の薬剤師が患者の服薬管理を一元的・継続的に担う仕組みである。この制度は、業務ノルマ化の指摘や本来の趣旨(患者によるかかりつけ薬剤師の選択)の浸透不足という課題を抱えてきた。本稿では、令和8年度診療報酬改定で行われるかかりつけ薬剤師の評価体系の抜本的見直しを解説する。今回の改定では、かかりつけ薬剤師の評価体系を3つの観点から組み替える。第1に、かかりつけ薬剤師指導料(76点)及びかかりつけ薬剤師包括管理料(291点)を廃止する。第2に、服薬管理指導料の中にかかりつけ薬剤師区分を新設し、継続的フォローと患家訪問に対する2つの加算を創設する。第3に、かかりつけ薬剤師の施設基準について、薬剤師個人の要件を緩和する一方、薬局全体としての安定性を担保する要件を新設する。1. かかりつけ薬剤師指導料及び包括管理料の廃止令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の2つの点数を廃止する。両点数は、特定の保険薬剤師が継続的・一元的に患者の服薬管理を行った場合の評価として設けられてきた。今回の廃止により、かかりつけ薬剤師の評価は服薬管理指導料の体系に一本化される。かかりつけ薬剤師指導料は、現行で76点を算定する評価である。この点数は、患者またはその家族の同意を得て、特定の保険薬剤師(かかりつけ薬剤師)が必要な指導等を行った場合に、処方箋受付1回につき算定する仕組みであった。かかりつけ薬剤師包括管理料は、現行で291点を算定する評価である。この点数は、地域包括診療加算等を算定する保険医療機関と連携した、包括的な薬学管理に対する評価として設定されていた。なお、現行で認められている服薬管理指導料の特例(やむを得ない事情により他の保険薬剤師が連携対応した場合の59点算定)も、今回の改定で削除される。2. 服薬管理指導料への統合と新加算の創設廃止される指導料の機能は、服薬管理指導料の中に統合される。具体的には、服薬管理指導料の各区分にかかりつけ薬剤師区分(イ)を新設し、加えてかかりつけ薬剤師による継続的フォローと患家訪問に対する2つの加算を創設する。これにより、かかりつけ薬剤師の業務実態に即した評価が可能となる。服薬管理指導料は、改定後にかかりつけ薬剤師か否かで区分される。再来患者(原則3月以内に再度処方箋を持参した患者)に対する区分1では、かかりつけ薬剤師が行った場合(イ)が45点、それ以外(ロ)も45点となる。新規患者等に対する区分2では、かかりつけ薬剤師が行った場合(イ)が59点、それ以外(ロ)も59点となる。点数自体は同額だが、かかりつけ薬剤師区分(イ)での算定は、後述する2つの加算を算定する前提となる。かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は、3月に1回50点を加算する新設項目である。この加算は、服薬管理指導料1のイまたは2のイ(かかりつけ薬剤師が行った場合)を算定している患者のうち、外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2、調剤管理料の調剤時残薬調整加算または薬学的有害事象等防止加算を算定した患者が対象となる。算定要件は、前回の調剤後から再度処方箋を持参するまでの間に、かかりつけ薬剤師が電話等で服薬状況や残薬状況を継続的に確認し、必要な指導を実施することである。なお、調剤後薬剤管理指導料や在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費のハ等を算定する患者は、本加算の対象外となる。かかりつけ薬剤師訪問加算は、6月に1回230点を加算する新設項目である。この加算の対象も、服薬管理指導料1のイまたは2のイを算定している患者に限られる。算定要件は、患者またはその家族の求めに応じて、かかりつけ薬剤師が患家を訪問し、残薬の整理や服用薬の管理方法の指導等を行い、その結果を保険医療機関に情報提供することである。なお、外来服薬支援料1や施設連携加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、服薬情報等提供料、居宅療養管理指導費のハ等を算定する患者は、本加算の対象外となる。3. 施設基準の見直しかかりつけ薬剤師に係る施設基準は、薬剤師個人の要件と薬局全体の要件に再構成される。具体的には、薬剤師個人の勤務時間及び在籍期間の要件を緩和する一方で、薬局としての勤務継続性を担保する要件を新たに設ける。この再構成により、短時間勤務や育児・介護休業との両立を図る薬剤師もかかりつけ業務に参画しやすくする狙いがある。薬剤師個人の勤務時間要件は、週32時間以上から週31時間以上に緩和される。育児・介護休業法による所定労働時間短縮の場合は、週24時間以上かつ週4日以上の勤務で要件を満たす取り扱いが継続される。薬剤師個人の在籍期間要件は、1年以上から6か月以上に短縮される。加えて、産前産後休業・育児休業・介護休業からの復職者については、休業前の在籍期間を合算できる規定が新設される。薬局全体の要件は、今回新設される。具体的には、薬局の常勤保険薬剤師の平均在籍期間が1年以上であること、または薬局の管理薬剤師が継続して3年以上在籍していることのいずれかを満たす必要がある。患者との会話が他者に聞こえないパーテーション等による独立カウンターの設置(プライバシー配慮)も、引き続き求められる。保険薬剤師として3年以上の保険薬局勤務経験、研修認定制度による研修認定の取得、医療に係る地域活動の取組への参画といった要件は、現行から維持される。まとめ令和8年度改定では、かかりつけ薬剤師の評価体系を本来の趣旨に立ち返る形で再構築する。再構築の柱は、指導料・包括管理料の廃止、服薬管理指導料への統合と新加算の創設、施設基準の個人要件緩和と薬局要件新設の3つである。保険薬局においては、新しい点数体系への算定準備とともに、薬局全体の在籍要件を見据えた人員体制の見直しが急務となる。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】歯周病SPTとP重防が統合|新設「歯周病継続支援治療」の全要点
歯周病は成人の約半数が罹患し、糖尿病をはじめとする全身疾患との関連も明らかになっている国民的な疾患です。これまで継続管理の評価は「歯周病安定期治療(SPT)」と「歯周病重症化予防治療(P重防)」の2系統で運用されてきましたが、両者は対象とする歯周組織の状態こそ異なるものの、提供される治療内容が類似しているという課題がありました。本メルマガでは、令和8年度診療報酬改定で実施される歯周病継続管理の評価体系の抜本的な見直しについて、歯科診療所が押さえるべき変更点を体系的に解説します。令和8年度改定の見直しは、大きく2つの柱で構成されます。第1の柱は、SPTとP重防を「歯周病継続支援治療」へ整理・統合し、点数体系をシンプルに再編することです。第2の柱は、糖尿病患者に対する医科歯科連携を強化するため、従来の「歯周病ハイリスク患者加算」を「重症化予防連携強化加算」へと名称変更し、主治医への情報提供を要件として追加することです。これらの見直しによって、ライフコースを通じた継続的・効果的な歯周病治療と、医科との情報連携が同時に推進されることになります。SPTとP重防を統合した「歯周病継続支援治療」の創設令和8年度改定では、これまでのSPTとP重防が「歯周病継続支援治療」という新たな名称のもとに整理・統合されます。両治療は対象患者の歯周組織の状態に違いがあったものの、プラークコントロール、スケーリング、SRP、咬合調整、機械的歯面清掃といった治療内容が共通していました。算定回数も年々増加し、令和6年の月次審査データでは両治療を合わせて月あたり300万回を超える規模に達するなか、評価体系のシンプル化が長年の論点となっていたのです。新設される歯周病継続支援治療は、歯数に応じた3段階の点数構造を維持しつつ、点数水準を再設定します。具体的には、1歯以上10歯未満が170点、10歯以上20歯未満が200点、20歯以上が350点となります。算定対象は「一連の歯周病治療終了後、継続支援が必要な患者」に拡張され、SPTとP重防それぞれで設定されていた歯周組織の状態に応じた区分は撤廃されます。算定頻度の基本ルールは3月に1回(前回実施月の翌月初日から2月経過後)が維持されます。ただし、口腔管理体制強化加算の届出を行っている診療所では月1回の算定が可能となり、歯周外科手術後など治療間隔の短縮が必要な場合の取り扱いも従前どおり継続されます。これにより、患者の状態に応じた柔軟な継続管理が引き続き実施できる仕組みとなっています。ハイリスク患者加算から「重症化予防連携強化加算」への再編歯周病ハイリスク患者加算は、令和8年度改定で「重症化予防連携強化加算」へ名称が変更され、要件と点数が大きく見直されます。従来の加算は、主治医からの文書をもって歯周病が重症化するおそれのある患者にSPTを実施した場合の評価でしたが、その後に医科医療機関へ歯科治療や口腔内状況をフィードバックする要件は設定されていませんでした。実態調査でも、糖尿病患者に関する医科からの情報提供依頼は約9%にとどまっており、連携の不足が指摘されていたのです。新たな重症化予防連携強化加算は、80点から100点へと評価が引き上げられるとともに、医科医療機関への診療情報提供が新たな要件として追加されます。具体的には、歯科診療のみを行う保険医療機関を除く他の保険医療機関からの情報に基づき歯周病継続支援治療を実施し、かつ、診療情報を当該医療機関に提供した場合に算定できる仕組みです。算定には医科側からの情報提供が前提となるため、医科起点で受け取った情報に対して歯科から治療結果や口腔内状況をフィードバックする、双方向の連携プロセスが要件化されます。エビデンスの蓄積も、この見直しを後押ししています。糖尿病患者に対する非外科的歯周治療の介入は、HbA1c値の有意な改善(平均0.30%減少)をもたらすことがメタアナリシスで確認されており、歯周治療が血糖コントロールに資する全身管理の一環として位置づけられているためです。重症化予防連携強化加算は、こうしたエビデンスを診療現場での連携実装へとつなげる仕組みといえます。口腔管理体制強化加算と外科移行時の取り扱い口腔管理体制強化加算120点は、令和8年度改定後も引き続き算定可能です。小児口腔機能管理料注3に規定する施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た診療所が、歯周病継続支援治療を開始した場合に所定点数へ加算する仕組みは維持されます。かかりつけ歯科医機能の中核をなす評価として、継続管理の質を担保する役割を担い続けることになります。歯周外科手術へ移行した場合の取り扱いも、現行ルールが踏襲されます。歯周病継続支援治療の開始後に病状の変化により歯周外科手術を実施した場合は、歯周精密検査によって再び病状が安定し継続的な治療が必要と判断されるまでの間、歯周病継続支援治療は算定できません。また、歯周病継続支援治療を開始した日以降に歯周外科手術を実施した場合は、所定点数の100分の50で算定するルールも継続されます。これらの取り扱いにより、急性憎悪期の外科介入と安定期の継続管理が明確に切り分けられた評価体系となっています。なお、現行の「歯周病重症化予防治療」は削除され、SPTとP重防の併算定不可規定(現行注7)も整理されます。これに伴い、令和8年度改定以降は歯周病の継続管理に係る包括評価は「歯周病継続支援治療」に一本化されることになります。まとめ令和8年度改定における歯周病継続管理の見直しは、評価体系のシンプル化と医科歯科連携の実質化という2つの柱で構成されます。SPTとP重防は「歯周病継続支援治療」へ整理・統合され、歯数に応じた3段階の点数構造のもとで継続管理が一本化されます。歯周病ハイリスク患者加算は「重症化予防連携強化加算」へと再編され、主治医への診療情報提供が新たな要件として追加されることで、糖尿病をはじめとする全身疾患を有する患者への医科歯科連携が推進されます。歯科診療所においては、新たな算定要件を踏まえた診療体制の整備と、医科医療機関との連携プロトコルの再構築が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】歯科疾患管理料・口腔機能管理料の3つの変更点を解説
令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ歯科医による口腔機能管理を推進するため、歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の3つの管理料が見直されます。今回の見直しは、口腔機能発達不全症や口腔機能低下症と診断されているにもかかわらず、算定要件を満たさないために適切な管理を受けられない患者が多数存在するという課題に対応するものです。この記事では、個別改定項目「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」⑥に基づき、3つの管理料の変更内容を解説します。今回の改定のポイントは3つあります。第1に、歯科疾患管理料は初診月の減額規定が廃止され、90点に一本化されます。第2に、小児口腔機能管理料は2区分(90点・50点)に細分化され、評価項目2項目該当の患者にも対象が拡大されます。第3に、口腔機能管理料も同様に2区分(90点・50点)に細分化され、検査実施の有無で区分が分かれます。歯科疾患管理料:初診月の減額廃止と90点への一本化歯科疾患管理料は、初診月の80/100減額規定が廃止され、初診月・再診月を問わず一律90点に変更されます。現行の歯科疾患管理料は100点ですが、初診月に算定する場合は所定点数の80/100(80点)に減額されます。この初診月減額の仕組みは令和2年度改定で導入されたものです。一方、在宅患者を対象とする歯科疾患在宅療養管理料には、このような受診月による評価の差がありません。今回の改定では、この初診月減額規定が廃止されます。改定後の歯科疾患管理料は90点となり、初診月であっても再診月であっても同じ点数で算定できるようになります。点数の増減を整理すると、現行では初診月80点・再診月100点であったため、改定後の一律90点に対して初診月は10点の増加、再診月は10点の減少となります。小児口腔機能管理料:2区分化と対象患者の拡大小児口腔機能管理料は、現行の1区分(60点)から2区分(管理料1:90点、管理料2:50点)に細分化され、対象患者の範囲が拡大されます。現行の小児口腔機能管理料は、「口腔機能の発達不全を有する18歳未満の児童」が対象であり、60点で算定されています。しかし、口腔機能発達不全症と診断されているにもかかわらず、算定要件を満たさないために管理料を算定できない患者が多数存在しています。NDBデータによれば、令和5年5月時点で口腔機能発達不全症の病名で歯科疾患管理料のみを算定している件数は約13万件にのぼる一方、小児口腔機能管理料の算定件数は約7,000件にとどまっています。改定後は、この課題に対応するため、対象患者の表現が「口腔機能発達不全症の18歳未満の患者」に改められるとともに、評価項目の該当数に応じて2区分に分かれます。小児口腔機能管理料1(90点)は、口腔機能の評価項目において3項目以上に該当する者が対象です。小児口腔機能管理料2(50点)は、評価項目において2項目に該当する者が対象です。この2区分化により、従来は管理料を算定できなかった2項目該当の患者にも、口腔機能に特化した管理が提供できるようになります。情報通信機器を用いた場合の点数も見直されます。オンライン診療の点数は、管理料1が78点、管理料2が44点にそれぞれ設定されます。口腔機能管理料:検査実施に基づく2区分化口腔機能管理料も、小児口腔機能管理料と同様に、現行の1区分(60点)から2区分(管理料1:90点、管理料2:50点)に細分化されます。現行の口腔機能管理料は、「口腔機能の低下を来しているもの」に対して一律60点で算定されています。しかし、口腔機能低下症と診断されていても管理料を算定できていない患者が存在しており、令和5年5月時点で口腔機能低下症の病名で歯科疾患管理料のみを算定している件数は約7.7万件に対し、口腔機能管理料の算定件数は約7,400件にとどまっています。改定後は、対象患者の表現が「口腔機能低下症の患者」に改められ、病名に基づく管理がより明確になります。改定後の区分は、検査の実施状況によって分かれます。口腔機能管理料1(90点)は、口腔細菌定量検査(2に限る)、咀嚼能力検査(1に限る)、咬合圧検査(1に限る)、口腔粘膜湿潤度検査、舌圧検査のいずれかを実施した口腔機能低下症の患者が対象です。口腔機能管理料2(50点)は、口腔機能管理料1の対象患者を除く口腔機能低下症の患者が対象です。この区分により、検査に基づく質の高い管理にはより高い評価がなされる一方、検査未実施の患者にも管理料が算定できるよう対象が広がります。情報通信機器を用いた場合の点数は、管理料1が78点、管理料2が44点です。この点数設定は、小児口腔機能管理料と同一の構造となっています。まとめ令和8年度改定では、歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の3つの管理料が見直されます。歯科疾患管理料は初診月の減額規定が廃止され、90点に一本化されます。小児口腔機能管理料と口腔機能管理料は、いずれも管理料1(90点)と管理料2(50点)の2区分に細分化され、対象患者が拡大されます。これらの見直しにより、口腔機能発達不全症や口腔機能低下症の患者がより幅広く口腔機能管理を受けられる体制が整備されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】時間外対応体制加算とは?名称変更と点数引き上げの全容を解説
令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ医機能の評価の一環として、診療所における休日・夜間等の対応体制に関する加算が見直されます。この見直しは、「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」の項目に位置づけられています。今回の改定では、主に3つの変更が行われます。第一に、名称が「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」に変更されます。第二に、加算1~4の全区分で点数が引き上げられます。第三に、これらの変更により、診療所が休日・夜間の対応体制を整備する取組がさらに推進されることが期待されています。改定の背景:なぜ時間外対応体制加算が充実されるのか今回の見直しの背景には、休日・夜間における軽症患者の病院受診と、それに伴う病院勤務医の負担という2つの課題があります。時間外対応加算は、平成24年度改定で新設された加算です。この加算は、地域の身近な診療所が患者からの休日・夜間等の問い合わせや受診に対応する体制を評価するものです。診療所が時間外対応を行うことで、休日・夜間に病院を受診する軽症患者が減少し、病院勤務医の負担軽減につながることを目的としています。こうした目的をさらに推進するために、令和8年度改定では評価の引き上げが行われます。名称に「体制」の文字が加わったことで、対応できる体制の整備そのものを評価する趣旨がより明確になったと考えられます。改定の具体的な内容:名称変更と4区分すべてで点数引き上げ改定の具体的な内容は、名称の変更と点数の引き上げの2点です。名称は「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」に変更されます。この変更は加算1~4の全区分に適用されます。点数は全区分で引き上げられます。加算1は5点から7点(+2点)に、加算2は4点から5点(+1点)に、加算3は3点から4点(+1点)に、加算4は1点から2点(+1点)に、それぞれ増点されます。最も引き上げ幅が大きいのは加算1であり、従来の5点から7点へと2点の増加となります。算定要件の確認:対象は診療所の再診時算定要件は、従来の時間外対応加算と基本的に同じ構造です。この加算の対象医療機関は、診療所に限定されています。厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た診療所が対象となります。算定のタイミングは、再診を行った場合です。届出区分に応じた点数を所定点数に加算します。したがって、初診時には算定できません。新旧点数の比較:全区分で1~2点の増点改定前後の点数を以下に整理します。| 区分 | 改定前(現行) | 改定後(新) | 増減 ||:---|:---|:---|:---|| 加算1 | 5点 | 7点 | +2点 || 加算2 | 4点 | 5点 | +1点 || 加算3 | 3点 | 4点 | +1点 || 加算4 | 1点 | 2点 | +1点 |加算1の引き上げ幅は2点と最大です。この加算1は最も手厚い体制を整備している場合に算定される区分であり、体制整備への取組をより強く評価する意図がうかがえます。加算4は1点から2点へと倍増しており、比率でみると最も大きな引き上げとなっています。かかりつけ医機能における時間外対応の位置づけ時間外対応体制加算は、かかりつけ医機能の評価体系のなかで「体制整備に対する評価」に位置づけられます。医療法に基づくかかりつけ医機能報告では、「通常の診療時間外の診療」が2号機能のひとつとして定められています。この機能に対応する診療報酬上の評価が、時間外対応体制加算です。同加算のほか、地域包括診療料・加算や小児かかりつけ診療料においても、時間外対応に関する要件が設けられています。令和5年時点の届出医療機関数をみると、加算1を届け出ている診療所は11,354か所、加算2は15,943か所、加算3は364か所です。加算2の届出が最も多く、多くの診療所がこの区分の体制を整備していることがわかります。まとめ令和8年度診療報酬改定では、時間外対応加算の名称が「時間外対応体制加算」に変更され、加算1~4の全区分で点数が引き上げられます。この見直しにより、診療所における休日・夜間の対応体制の整備がさらに推進され、軽症患者の病院受診の減少と病院勤務医の負担軽減につながることが期待されます。届出を行っている診療所は、名称変更に伴う対応の確認をしておくとよいでしょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】地域包括診療加算等の6つの見直しポイント|対象患者拡大と認知症加算統合を解説
令和8年度診療報酬改定では、地域包括診療加算・地域包括診療料について大幅な見直しが行われます。今回の改定は、対象疾患を有する要介護高齢者等への継続的かつ全人的な医療の推進と、適切な服薬管理の実施を推進する観点から実施されるものです。この記事では、個別改定項目「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価 ④地域包括診療加算等の見直し」について、実務に直結する改定内容を解説します。今回の見直しは、大きく6つのポイントに整理できます。第1に、対象患者が「6疾病のうち2つ以上」から「慢性疾患1つ+要介護」にも拡大されます。第2に、認知症地域包括診療加算・料が地域包括診療加算・料に統合されます。第3に、連携薬局の24時間対応要件が一定条件のもとで緩和されます。第4に、認知症患者の診断後支援に係る取組の案内が望ましい旨、明記されます。第5に、薬剤適正使用連携加算の対象が外来通院患者にも拡大されます。第6に、外来データ提出加算(10点)が新設されるとともに、医療資源の少ない地域における医師配置要件が緩和されます。1. 対象患者の拡大――慢性疾患1つ+要介護でも算定可能に地域包括診療加算等の対象患者が拡大され、従来の「6疾病のうち2つ以上」に加え、新たな患者類型が追加されます。従来、地域包括診療加算等の対象患者は、脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る)・認知症の6疾病のうち、2つ以上(疑いを除く)を有する患者に限られていました。今回の改定では、この要件に加えて、脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病のいずれか1つの疾患を有し、かつ、介護給付または予防給付を受けている要介護被保険者等である患者も、新たに対象となります。この拡大により、たとえば高血圧症のみを有する要介護認定患者であっても、地域包括診療加算等を算定できるようになります。慢性疾患を抱える要介護高齢者に対して、かかりつけ医による継続的かつ全人的な医療提供を促進する狙いがあります。なお、対象患者の拡大に伴い、算定要件上の記載も整理されています。改定後の算定要件では、「認知症を有する患者等」と「その他の慢性疾患等を有する患者」の2類型に分けて規定されます。「認知症を有する患者等」とは、以下の3要件をすべて満たす患者です。第1に、認知症を有するか、または要介護被保険者等であること。第2に、認知症以外の1以上の疾病(疑いを除く)を有すること。第3に、同月に1処方につき5種類を超える内服薬の投薬、および1処方につき抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬を合わせて3種類を超える投薬のいずれも受けていないこと。つまり、認知症のみで他に疾病がない患者や、多剤投薬に該当する患者は対象外となります。「その他の慢性疾患等を有する患者」とは、6疾病のうち2つ以上(疑いを除く)を有する患者、または脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病のいずれかを有し、かつ要介護被保険者等である患者です。2. 認知症地域包括診療加算・料の統合と点数体系の再編認知症地域包括診療加算および認知症地域包括診療料が廃止され、地域包括診療加算および地域包括診療料に統合されます。従来、認知症患者に対しては、地域包括診療加算等とは別に「認知症地域包括診療加算」(加算1:38点、加算2:31点)および「認知症地域包括診療料」(料1:1,681点、料2:1,613点)が設けられていました。今回の改定では、簡素化の観点から、これらを地域包括診療加算・料に統合した評価体系に見直されます。統合後の地域包括診療加算は、患者の類型に応じた2段階の点数が設定されます。具体的には、地域包括診療加算1では「認知症を有する患者等」が38点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が28点となります。地域包括診療加算2では「認知症を有する患者等」が31点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が21点となります。地域包括診療料についても同様の構成です。地域包括診療料1では「認知症を有する患者等」が1,682点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が1,661点です。地域包括診療料2では「認知症を有する患者等」が1,614点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が1,601点です。この統合により、届出の簡素化が図られるとともに、認知症患者に対する手厚い評価は引き続き維持されます。なお、従来の認知症地域包括診療加算における多剤投薬の制限(1処方5種類超の内服薬や、向精神薬3種類超の投薬を受けていないこと)は、「認知症を有する患者等」の要件として引き継がれます。3. 連携薬局の24時間対応要件の緩和連携薬局の24時間対応要件について、一定の条件を満たす場合に緩和されます。従来、地域包括診療加算等を算定する診療所が院外処方を行う場合、連携薬局は24時間対応できる体制を整えていることが必須でした。今回の改定では、当該保険医療機関において緊急時に処方が必要となる解熱鎮痛剤等の薬剤について、院内処方が可能な体制が整備されている場合に限り、連携薬局が24時間対応の体制を整備していなくてもよいものとされます。この緩和は、地域包括診療料を算定する病院における院外処方の場合も同様です。病院では「24時間開局している薬局」との連携が求められていましたが、院内で解熱鎮痛剤等の緊急処方が可能な体制があれば、この要件が免除されます。連携薬局の24時間対応要件は、地域包括診療加算等の届出における実務上のハードルのひとつでした。今回の緩和により、院内処方体制を持つ医療機関にとっては、届出のしやすさが向上すると考えられます。4. 認知症患者の診断後支援に係る案内の明記地域包括診療加算等において、担当医が認知症患者の診断後支援に係る取組について案内を行うことが望ましい旨が明記されます。具体的には、診療を担当する医師が、地域包括支援センター・認知症地域支援推進員・若年性認知症支援コーディネーターと連携し、ピアサポート活動・本人ミーティング・一体的支援事業等の認知症患者の診断後支援に係る取組について、必要に応じて患者またはその家族に案内を行うことが望ましいとされます。この規定は「望ましい」という努力義務的な位置づけですが、かかりつけ医が認知症患者の地域生活を支える役割をより明確にする趣旨があります。今後の改定で要件化される可能性もあるため、早めの対応が望まれます。5. 薬剤適正使用連携加算の対象拡大薬剤適正使用連携加算の対象が、入院・入所患者に加えて、外来で他院に通院している患者にも拡大されます。従来の薬剤適正使用連携加算(30点)は、地域包括診療加算等を算定する患者が他の医療機関に入院または介護老人保健施設に入所した際、処方内容等の情報提供を行い、退院・退所後に薬剤の種類数が減少した場合に限って算定できました。今回の改定では、他の保険医療機関の外来において継続的に診療を受けている患者についても対象に追加されます。外来患者が対象となる場合の算定要件は以下のとおりです。患者の同意を得て他の医療機関に処方内容・薬歴等を情報提供し、当該情報提供から3月以内に他の医療機関から処方内容の情報提供を受け、内服薬の種類数が減少していることが確認できれば、3月に1回算定できます。薬剤適正使用連携加算は平成30年度に新設されましたが、これまでの算定実績は極めて少ない状況でした。今回の対象拡大は、外来通院中の患者に対するポリファーマシー対策を促進する意図があります。なお、入院・入所患者に対する算定頻度も「退院日または退所日の属する月から起算して2月目までに1回」から「3月に1回」に変更されています。6. 外来データ提出加算の新設と医療資源少ない地域の要件緩和地域包括診療加算・料について、外来データ提出加算(10点)が新設されるとともに、医療資源の少ない地域における医師配置要件が緩和されます。外来データ提出加算は、保険医療機関が診療報酬の請求状況および診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合に、月1回10点を算定できるものです。施設基準として、外来患者に係る診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出するために必要な体制が整備されていることが求められます。この加算は、エビデンスに基づくかかりつけ医機能の評価を設計するうえでの基盤整備を目的としています。医療資源の少ない地域における要件緩和については、医師配置に関する基準が見直されます。従来、地域包括診療加算1の施設基準において、「常勤換算2名以上の医師配置」が求められていましたが、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域(医療資源の少ない地域)に所在する診療所については、この基準が「常勤換算1.4人以上」に引き下げられます。この緩和は地域包括診療料についても同様です。まとめ令和8年度改定における地域包括診療加算等の見直しは、対象患者の拡大、認知症加算の統合、連携薬局要件の緩和、認知症診断後支援の明記、薬剤適正使用連携加算の拡大、外来データ提出加算の新設と医師配置要件の緩和の6点に整理されます。特に実務上のインパクトが大きいのは、対象患者の拡大と認知症加算の統合です。慢性疾患1つ+要介護で算定可能になることで、算定対象の患者数が増える医療機関も多いと見込まれます。認知症加算の統合による届出の簡素化も、事務負担の軽減につながります。連携薬局の24時間対応要件の緩和や、医療資源の少ない地域における医師配置要件の緩和は、地域包括診療加算等の届出を新たに検討する医療機関にとっての追い風となるでしょう。届出状況や算定要件の確認を行い、改定への対応を早めに進めることをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|特定疾患療養管理料の対象疾患にNSAIDs除外ルールが追加
令和8年度診療報酬改定において、特定疾患療養管理料の対象疾患の要件が見直されます。この見直しは、かかりつけ医機能の評価の一環として、プライマリケアを担う医師による計画的な療養管理が適切に行われることを目的としています。今回の改定では、胃潰瘍および十二指腸潰瘍について、新たな除外条件が設けられます。具体的には、消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与を受けている場合、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を理由とした特定疾患療養管理料の算定が認められなくなります。この背景には、NDBデータで、主傷病名が胃潰瘍に関連する算定患者(約18.5万人)のうち約6.5%がNSAIDsの内服薬を調剤されていた実態があります。以下、改定の背景、具体的な変更内容、医療機関が確認すべきポイントの順に解説します。改定の背景:NSAIDs投与下の胃潰瘍管理に対する問題意識今回の見直しの背景には、特定疾患療養管理料の趣旨と実際の処方状況との乖離があります。特定疾患療養管理料は、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が、治療計画に基づき、服薬・運動・栄養等の療養上の管理を計画的に行うことを評価する管理料です。この管理料の対象疾患には、長期的な療養管理が必要な疾患が列挙されています。胃潰瘍および十二指腸潰瘍もその対象に含まれてきました。一方、NDBデータ(令和6年7月診療分)によると、特定疾患療養管理料の全算定患者は約880万人であり、そのうち主傷病名が「胃潰瘍」に関連する患者は約2.1%(約18.5万人)を占めます。この約18.5万人のうち約6.5%が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服薬を調剤されていました。NSAIDsは消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌とされている薬剤です。この実態は、禁忌薬を投与しながら潰瘍の療養管理を行うという矛盾した状況を示しており、「計画的な療養管理」の趣旨にそぐわないと考えられました。こうした状況を受け、当該管理が適切に実施されるよう、対象疾患の要件を見直すことが今回の改定で決まりました。具体的な変更内容:胃潰瘍・十二指腸潰瘍にNSAIDs除外条件を追加今回の改定では、特定疾患療養管理料の対象疾患リスト(別表第一)における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の記載方法が変更されます。現行の別表第一では、「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」がそれぞれ独立した疾患名として記載されています。改定後は、この2つが「胃潰瘍及び十二指腸潰瘍」として統合されたうえで、括弧書きによる除外条件が付されます。改定後の記載は「胃潰瘍及び十二指腸潰瘍(消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬の投与を受けている場合を除く。)」となります。つまり、NSAIDsの投与を受けている患者については、胃潰瘍または十二指腸潰瘍を主病として特定疾患療養管理料を算定できなくなります。なお、この変更は胃潰瘍・十二指腸潰瘍に限定されたものです。それ以外の対象疾患(悪性新生物、虚血性心疾患、喘息、胃炎及び十二指腸炎など)には変更はありません。医療機関が確認すべきポイントこの改定を受けて、医療機関では以下の点を確認する必要があります。第一に、胃潰瘍または十二指腸潰瘍を主病として特定疾患療養管理料を算定している患者について、NSAIDsの処方状況を確認してください。NSAIDsにはロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェンなど多くの薬剤が含まれます。他科からの処方を含め、患者が内服しているNSAIDsの有無を把握することが重要です。第二に、NSAIDsを投与中の患者で胃潰瘍・十二指腸潰瘍の病名がある場合は、改定後に算定対象外となります。この場合、他の対象疾患が主病として該当するかどうかを確認してください。該当する疾患があれば、そちらを主病として算定を継続できる可能性があります。第三に、レセプトの算定ロジックや電子カルテのマスタ設定について、改定内容に対応した更新が必要となります。システムベンダーからのアップデート情報を確認し、施行日までに対応を完了してください。令和6年度からの連続した対象疾患の見直し今回の改定は、特定疾患療養管理料の対象疾患に関する見直しの流れの中に位置づけられます。令和6年度改定では、生活習慣病である糖尿病、高血圧性疾患が対象疾患から除外されました。脂質異常症については、家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限定されました。一方、アナフィラキシーとギラン・バレー症候群が新たに追加されています。令和8年度改定では、これに加えて胃潰瘍・十二指腸潰瘍にNSAIDs除外条件が設けられます。この一連の見直しは、特定疾患療養管理料が「かかりつけ医による計画的な療養管理」を評価する趣旨に立ち返り、対象疾患の適切性を精査する方向で進んでいます。まとめ令和8年度診療報酬改定では、特定疾患療養管理料の対象疾患のうち、胃潰瘍および十二指腸潰瘍について、NSAIDs投与中の患者を除外する条件が新設されます。この見直しは、禁忌薬を投与しながら潰瘍の療養管理を行う矛盾を解消し、かかりつけ医による計画的な療養管理の適正化を図るものです。医療機関では、該当患者のNSAIDs処方状況の確認や算定可否の再点検といった対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)5つの見直しポイントを解説
令和8年度診療報酬改定では、生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)が見直されます。この見直しは、「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」の個別改定項目に位置づけられています。本記事では、今回の改定内容を5つのポイントに整理して解説します。今回の見直しは、大きく5つのポイントで構成されます。第1に、生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲が大幅に縮小され、多くの医学管理料が別途算定可能になります。第2に、糖尿病患者に対する在宅自己注射指導管理料との併算定制限が一部緩和されます。第3に、糖尿病の重症化予防を目的とした眼科・歯科医療機関連携強化加算(各60点)が新設されます。第4に、生活習慣病管理料(Ⅰ)に血液検査等の実施要件が追加されます。第5に、療養計画書における患者署名が不要になります。1. 生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の縮小生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲から、多くの医学管理料等が除外されます。この変更は、生活習慣病管理料(Ⅱ)が「生活習慣に関する総合的な治療管理」を評価したものであることを踏まえ、その治療管理の範囲を超えて行われる医学管理を適切に推進する観点から実施されるものです。包括範囲から除外される趣旨は、大きく4つの観点で整理されています。第1は、生活習慣病に関連するものの、総合的な治療管理の範囲を超えて必要な患者に別途行われるべき医学管理です。第2は、生活習慣病とは直接的な関係の乏しい疾患に関する医学管理です。第3は、時間外対応・救急対応に関する医学管理です。第4は、情報提供等に関連する評価です。これらの観点に基づき、新たに包括範囲から除外される主な項目は以下の通りです。特定薬剤治療管理料、悪性腫瘍特異物質治療管理料、高度難聴指導管理料、喘息治療管理料、がん患者指導管理料、植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料、乳腺炎重症化予防ケア・指導料、二次性骨折予防継続管理料、下肢創傷処置管理料、地域連携夜間・休日診療料、救急外来医学管理料、外来放射線照射診療料、外来腫瘍化学療法診療料、がん治療連携計画策定料、がん治療連携指導料、認知症専門診断管理料、認知症サポート指導料、肝炎インターフェロン治療計画料、救急救命管理料、傷病手当金意見書交付料、療養費同意書交付料が該当します。これらの変更により、生活習慣病を主病とする患者に対して、併存する他疾患の医学管理や時間外対応に関する評価を、生活習慣病管理料(Ⅱ)とは別に算定できるようになります。特に、がんや認知症、救急対応など、生活習慣病とは異なる領域の管理が包括の制約なく実施できる点は、実務上大きな変化です。2. 在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和在宅自己注射指導管理料との併算定制限が、一部緩和されます。現行制度では、糖尿病を主病とする患者が在宅自己注射指導管理料を算定している場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定できません。この制限は、糖尿病以外の疾患に対して在宅自己注射を行う場合にも適用されるため、臨床上の課題がありました。今回の改定では、糖尿病に対する適応のある薬剤(インスリン製剤、GLP-1受容体アゴニスト、インスリン・GLP-1受容体アゴニスト配合剤)を投与しており、かつ在宅自己注射指導管理料を算定している場合に限り、生活習慣病管理料の算定が制限されます。つまり、糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料を算定している場合には、生活習慣病管理料との併算定が可能になります。この変更により、たとえば糖尿病を主病とする患者が、骨粗鬆症などの併存疾患に対して在宅自己注射を行う場合に、生活習慣病管理料と在宅自己注射指導管理料を併算定できるようになると考えられます。糖尿病患者の併存疾患に対する在宅自己注射指導管理を適切に推進する観点からの見直しです。3. 眼科・歯科医療機関連携強化加算の新設糖尿病の重症化予防を推進する観点から、眼科及び歯科を標榜する他の医療機関との連携に対する加算が新設されます。新設されるのは、眼科医療機関連携強化加算(60点)と歯科医療機関連携強化加算(60点)の2つです。眼科医療機関連携強化加算は、糖尿病を主病とする患者に対して、糖尿病合併症の予防・診断・治療を目的とする眼科診療の必要を認め、患者の同意を得て、眼科を標榜する他の医療機関への受診に必要な連携を行った場合に算定できます。算定回数は、患者1人につき年1回です。歯科医療機関連携強化加算は、糖尿病を主病とする患者に対して、歯周病の予防・診断・治療を目的とする歯科診療の必要を認め、患者の同意を得て、歯科を標榜する他の医療機関への受診に必要な連携を行った場合に算定できます。こちらも算定回数は、患者1人につき年1回です。この2つの加算は、いずれも「患者の同意」と「他の医療機関への受診に必要な連携の実施」が算定要件となります。なお、令和6年度改定においても、糖尿病患者に対する眼科受診の指導や歯科受診の推奨は要件として求められていましたが、今回の改定ではこれを診療報酬上の加算として明確に評価する形に強化されました。4. 生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加生活習慣病管理料(Ⅰ)に、血液検査等の実施に関する要件が追加されます。具体的には、原則として必要な血液検査等を少なくとも6月に1回以上は行うことが要件化されます。生活習慣病管理料(Ⅰ)は検査等が包括されている管理料であるため、検査の実施頻度が低くなる可能性が指摘されていました。今回の要件追加は、生活習慣病に関連するガイドラインで求められる定期的な検査の実施を担保し、疾病管理の質を確保するためのものです。5. 療養計画書の患者署名の不要化生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の療養計画書について、患者の署名を受けることが不要になります。この変更は、患者及び医療機関の負担を軽減する観点から実施されます。現行制度では、初回の療養計画書について患者の署名を受けることが算定要件とされています。今回の改定では、この署名要件が撤廃されます。ただし、患者の同意を得ること自体は引き続き必要です。署名という形式的な手続きが省略されることで、日常の診療業務における事務負担が軽減されます。まとめ令和8年度診療報酬改定における生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の見直しは、5つのポイントで構成されます。生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の大幅な縮小により、併存疾患の管理や救急対応などを別途評価できるようになります。在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和により、糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料と生活習慣病管理料の併算定が可能になります。眼科・歯科医療機関連携強化加算(各60点)の新設により、糖尿病の重症化予防に向けた医科・歯科・眼科の連携が明確に評価されます。生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加により、疾病管理の質が担保されます。療養計画書の患者署名の不要化により、医療機関の事務負担が軽減されます。これらの見直しは、いずれも生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進するという基本的な方向性に沿ったものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】機能強化加算に3つの新要件|BCP策定・期限付き指定・データ提出
令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ医機能に係る体制整備を推進する観点から、機能強化加算の施設基準が見直されました。点数(80点)に変更はありませんが、施設基準に3つの新たな要件が追加されています。今回の見直しでは、主に次の3点が変更されました。第1に、災害時等に備えた業務継続計画(BCP)の策定が施設基準に追加されました。第2に、健康保険法に基づく期限付き指定を受けた診療所は、機能強化加算を算定できなくなりました。第3に、外来データ提出加算の届出が努力義務として位置づけられました。なお、BCP策定の要件については、既届出医療機関を対象とした経過措置が設けられています。変更点1:業務継続計画(BCP)の策定が施設基準に追加1つ目の変更点は、業務継続計画(BCP)の策定が新たに施設基準(通知)の要件として追加されたことです。BCPとは、災害等の発生時においても医療の提供を継続するための計画です。具体的には、患者に対する医療の継続的な提供、非常時の体制での早期の業務再開、患者と職員の安全確保を目的とした計画を策定する必要があります。この計画は、厚生労働省が公表する「医療機関(災害拠点病院以外)における災害対応のためのBCP作成の手引き」等を参考に、各医療機関の実情に応じて作成します。BCPの策定に加えて、計画に従った必要な措置の実施も求められます。さらに、定期的にBCPの見直しを行い、必要に応じて変更することも要件に含まれています。この要件には経過措置が設けられています。令和8年3月31日時点で機能強化加算の届出を行っている医療機関は、令和9年5月31日までの間、BCP策定の要件を満たしているものとみなされます。既届出医療機関は、改定施行日(令和8年4月1日)から約1年2か月後にあたる令和9年5月31日までにBCPを策定する必要があります。変更点2:期限付き指定を受けた診療所の除外2つ目の変更点は、健康保険法第68条の2第1項の規定により3年以内の期限が付された保険医療機関の指定を受けた診療所が、施設基準(告示)において機能強化加算の対象外とされたことです。期限付き指定とは、外来医師多数区域において、都道府県知事の要請や勧告に応じなかった診療所に対して付される措置です。この措置を受けた診療所は、通常の保険医療機関とは異なり、指定の自動更新が適用されません。今回の改定では、こうした期限付き指定を受けた診療所を機能強化加算の対象から除外することで、かかりつけ医機能の体制整備が適切に行われている医療機関を評価する仕組みが強化されました。変更点3:外来データ提出加算の届出が努力義務に3つ目の変更点は、外来データ提出加算の届出が施設基準(告示)において「望ましい」要件として新たに位置づけられたことです。対象となる外来データ提出加算は、再診料(A001)の注13、地域包括診療料(B001-2-9)の注4、生活習慣病管理料Ⅰ(B001-3)の注4、生活習慣病管理料Ⅱ(B001-3-3)の注4に掲げるものです。在宅医療の分野では、在宅時医学総合管理料(C002)の注13、施設入居時等医学総合管理料(C002-2)の注7、在宅がん医療総合診療料(C003)の注7に掲げる在宅データ提出加算が対象です。この要件は、現時点では「望ましい」という努力義務の位置づけであり、届出がなくても機能強化加算の算定は可能です。ただし、今回新たに施設基準に明記されたことから、外来データの提出体制を早期に整備しておくことが望まれます。まとめ令和8年度改定における機能強化加算の見直しでは、BCP策定の義務化、期限付き指定診療所の除外、外来データ提出加算の届出の努力義務化という3つの新要件が追加されました。点数は80点のまま据え置かれていますが、かかりつけ医機能の体制整備に対する要求水準は引き上げられています。既届出医療機関にとっては、BCP策定の経過措置期限である令和9年5月31日までの対応が最も重要な実務課題です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定まとめ】「治し、支える医療」の実現|後方支援・入退院・リハ栄養口腔の11項目を総整理
令和8年度診療報酬改定では、個別改定項目「Ⅱ-2 『治し、支える医療』の実現」として、3分野・計11項目の見直しが行われます。2040年頃を見据え、高齢者の救急増加や医療・介護の複合ニーズに対応するため、入院前から退院後までを一貫して支える医療提供体制の構築が、この見直しの目的です。3分野の見直しの概要は次のとおりです。第1の分野「在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援」(Ⅱ-2-1)では、カンファレンス頻度の大幅緩和、包括期充実体制加算(80点)の新設、地域包括ケア病棟の初期加算見直しの3項目が盛り込まれます。第2の分野「円滑な入退院の実現」(Ⅱ-2-2)では、入退院支援加算等の7つの見直し、介護支援等連携指導料の再編、高次脳機能障害者の退院支援体制の新要件化、専従要件の緩和の4項目が実施されます。第3の分野「リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進」(Ⅱ-2-3)では、リハ栄養口腔連携体制加算の2段階再編、摂食嚥下機能回復体制加算の要件緩和、口腔管理連携加算(600点)の新設、医科連携訪問加算(500点)の新設の4項目が含まれます。Ⅱ-2-1 在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援を担う医療機関の評価在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援(緊急入院等)を担う医療機関の評価は、3項目で構成されます。高齢者救急の増加と地域包括ケアシステムの推進を背景に、協力医療機関や包括期病棟が後方支援を担う体制と実績をより適切に評価することが、この見直しの趣旨です。① カンファレンス頻度の大幅緩和では、協力医療機関と介護保険施設等が行うカンファレンスの頻度要件が緩和されます。ICTによる情報共有を行う場合は年3回以上から年1回以上に、ICTを行わない場合は月1回以上から原則年3回以上に変更されます。さらに、一定の実績(年2件以上の入院受入れまたは往診)がある場合は年1回以上で足ります。入退院支援加算1における連携機関とのカンファレンスと兼ねることも認められます。② 包括期充実体制加算(80点)の新設では、200床未満の中小病院が地域包括医療病棟または地域包括ケア病棟で後方支援を担う体制と実績が新たに評価されます。加算は1日80点で入院日から14日間が限度です。急性期病院一般入院料・急性期一般入院基本料(A100)の病棟を持たない200床未満の病院が対象となります。③ 地域包括ケア病棟の初期加算等の見直しでは、在宅患者支援病床初期加算の対象患者の拡大、点数のメリハリ化、包括範囲の見直しが行われます。対象が「救急搬送された患者」から「緊急入院した患者」に拡大され、緊急入院した患者の点数は引き上げ、それ以外は引き下げとなります。退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料は包括範囲から除外され、別途算定が可能になります。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】後方支援の評価が3つ変わる|カンファ緩和・新加算・初期加算見直しⅡ-2-2 円滑な入退院の実現円滑な入退院の実現に向けた見直しは、4項目で構成されます。①~③は「関係機関との連携強化」「入院前からの支援」「生活に配慮した支援」を軸とした見直しであり、④は「専門人材の柔軟な活用」による入退院支援体制の底上げを図る見直しです。① 入退院支援加算等の見直しでは、7つのポイントで入退院支援が多面的に強化されます。地域包括医療病棟等における入退院支援加算1の新点数(1,000点)の新設が主な変更点です。そのほか、地域連携診療計画加算への検査・画像情報提供加算(200点)の新設、介護保険施設等への誘導による金品収受の禁止、退院困難な要因の拡大、面会を妨げない規定の新設、専従職員の兼務の明記、医療保護入院等診療料への多職種退院支援の評価(400点)の新設が盛り込まれます。② 介護支援等連携指導料の見直しでは、従来の400点が「指導料1」に位置づけられ、平時からの連携を評価する「指導料2」(500点)が新設されます。指導料2は入退院支援加算1の届出病棟に限定され、入退院支援部門の担当者が平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して指導を行った場合に算定できます。③ 回復期リハ病棟における高次脳機能障害者の退院支援の推進では、施設基準に3つの体制要件が追加されます。高次脳機能障害者支援センター等の情報把握、退院時の患者・家族への説明・提供、リハビリテーション継続先への文書提供体制の整備です。④ 感染対策向上加算等における専従要件の見直しでは、3つの柱で専門人材の柔軟な活用が実現されます。介護保険施設等への助言時間の上限が月10時間から月16時間に拡大され、専従者の月16時間までの他業務従事が容認され、入院栄養管理体制加算の専従管理栄養士の業務範囲が拡大されます。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定まとめ】円滑な入退院の実現に向けた4項目の見直しポイントを徹底整理Ⅱ-2-3 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の見直しは、4項目で構成されます。いずれも、急性期から包括期にわたる入院患者のADL維持・向上と口腔管理の充実を目指すものです。① リハ栄養口腔連携体制加算の2段階再編では、現行の加算(120点)が加算1(150点)と加算2(90点)に再編されます。加算2では土日祝日のリハ提供量基準が「平日の8割以上」から「7割以上」に、ADL低下割合基準が「3%未満」から「5%未満」に緩和されます。地域包括ケア病棟にもリハ栄養口腔連携加算(30点)が新設されます。② 摂食嚥下機能回復体制加算と経腸栄養管理加算の見直しでは、3つの変更が行われます。言語聴覚士の配置要件が「専従」から「専任」に緩和されます。加算3の実績要件に経腸栄養から経口摂取へ回復した患者が算入可能になります。経腸栄養管理加算の対象患者が、入院前からの中心静脈栄養管理患者や経口摂取不可で経腸栄養を選択した患者にも拡大されます。③ 口腔管理連携加算(600点)の新設では、歯科診療を行わない病院が歯科医療機関と連携して入院患者の歯科診療を実現するための仕組みが設けられます。歯科医療機関との連携体制の構築、患者の同意を得た文書による紹介、入院中の歯科診療の実施という3つの要件を満たすことで算定できます。④ 医科連携訪問加算(500点)の新設では、歯科側の新たな評価が設けられます。歯科診療を行っていない医療機関からの依頼に基づき、連携する歯科医療機関が入院患者に歯科訪問診療を行った場合に算定できます。口腔管理連携加算が医科側の評価であるのに対し、この加算は歯科側の評価として対をなすものです。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定まとめ】リハ・栄養・口腔管理の4つの見直しを一挙解説まとめ令和8年度診療報酬改定における「治し、支える医療」の実現は、3分野・計11項目で構成されます。後方支援の分野では、カンファレンス頻度の緩和と新加算の創設により、中小病院を含めた後方支援体制の底上げが図られます。円滑な入退院の分野では、入退院支援加算の拡充・介護支援等連携指導料の再編・退院支援体制の新要件化・専従要件の緩和により、入院前から退院後まで切れ目のない支援が推進されます。リハ栄養口腔管理の分野では、加算の再編と要件緩和に加え、口腔管理連携加算(600点)と医科連携訪問加算(500点)の新設により、多職種・多施設の連携による高齢者ケアの充実が図られます。これら3分野に共通するのは、届出・算定のハードルを下げつつ、連携と実績に基づく評価を強化するという方向性です。各医療機関は、自院が該当する項目の施設基準と算定要件を確認し、届出準備を計画的に進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定まとめ】リハ・栄養・口腔管理の4つの見直しを一挙解説
令和8年度診療報酬改定では、高齢者の生活を支えるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理に関して、4項目の見直しが行われます。この見直しは、個別改定項目「Ⅱ-2-3 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進」に位置づけられています。いずれも、急性期から包括期にわたる入院患者のADL維持・向上と口腔管理の充実を目指すものです。4項目の見直しの概要は次のとおりです。第一に、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算が加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編され、地域包括ケア病棟にも連携加算(30点)が新設されます。第二に、摂食嚥下機能回復体制加算の言語聴覚士の配置要件が緩和され、経腸栄養管理加算の対象患者が拡大されます。第三に、歯科のない病院が歯科医療機関と連携して入院患者の歯科診療を実現するための口腔管理連携加算(600点)が新設されます。第四に、歯科医療機関が歯科のない医療機関に出向いて歯科訪問診療を行った場合の医科連携訪問加算(500点)が新設されます。① リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組の更なる推進令和6年度に新設されたリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算(120点)は、届出率が9%にとどまっていました。常勤専従の理学療法士等の配置要件(届出できない理由の56.3%)や土日祝日のリハ提供量の基準(同53.9%)が、届出の主な障壁となっていました。今回の改定では、この状況を改善するために3つの措置が講じられます。現行の体制加算(120点)は、加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編されます。加算2では、土日祝日のリハ提供量の基準が「平日の8割以上」から「7割以上」に、ADL低下割合の基準が「3%未満」から「5%未満」に緩和されます。さらに、地域包括ケア病棟にもリハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点)が新設され、入院栄養食事指導料等の算定も可能となります。👉 詳しくはこちら:令和8年度改定で変わるリハ栄養口腔連携|加算2新設・地ケア病棟拡大の3つのポイント② 質の高い摂食嚥下機能回復に係る取組の推進摂食嚥下機能回復体制加算と経腸栄養管理加算は、いずれも届出・算定の伸び悩みが課題でした。中心静脈栄養の実施を前提とした要件が、経腸栄養や経口摂取への移行に取り組む医療機関の努力を評価しにくくしていました。今回の改定では、3つの見直しが行われます。第1に、摂食嚥下機能回復体制加算1・2の言語聴覚士の配置要件が「専従」から「専任」に緩和され、他の業務との兼務が可能になります。第2に、加算3の実績要件に、経腸栄養(鼻腔栄養・胃瘻)から経口摂取へ回復した患者も算入できるようになります。第3に、経腸栄養管理加算の対象患者が拡大され、入院前から中心静脈栄養で管理されていた患者や、経口摂取不可となり経腸栄養を選択した患者も算定対象となります。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】摂食嚥下機能回復体制加算と経腸栄養管理加算の3つの見直しポイント③ 口腔状態に係る課題を抱えた患者についての歯科医療機関との連携の推進医科の入院患者において、歯科受診が必要にもかかわらず、歯科医療機関との連携が十分に進んでいないという課題がありました。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準では口腔状態の評価や歯科医師等との連携が求められていますが、歯科診療を行わない病院では、入院中の患者が歯科診療を受けられる体制が整備されていませんでした。この課題に対応するため、口腔管理連携加算(600点)が新設されます。この加算は、歯科診療を行わない病院が対象です。算定するには、歯科医療機関との連携体制の構築、患者の同意を得た文書による紹介、入院中の歯科診療の実施という3つの要件を満たす必要があります。対象患者は、口腔状態の課題が医科の治療上の課題を生じている入院患者に限定されます。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】口腔管理連携加算600点が新設|歯科連携で算定する3つの要件④ 入院患者の口腔管理における医科歯科連携の推進口腔管理連携加算が医科側の評価であるのに対し、歯科側にも新たな評価が設けられます。歯科診療を行っていない医療機関からの依頼に基づき、連携する歯科医療機関が入院患者に歯科訪問診療を行った場合に算定できる医科連携訪問加算(500点)が新設されます。この背景には、NDBデータで退院後の歯科受診率がリハ栄養口腔連携体制加算の算定の有無にかかわらず約9%(算定あり8.8%、算定なし8.7%)にとどまっている現状があります。この加算は、歯科訪問診療料の所定点数に上乗せされるものです。対象患者は、口腔状態の課題が医科の治療に支障をきたしている入院患者です。施設基準として、歯科医療機関が歯科のない医療機関との連携体制を構築し、情報共有の仕組みを整備することが求められます。なお、周術期等口腔機能管理料や回復期等口腔機能管理料との併算定はできない点に注意が必要です。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】医科連携訪問加算500点の新設|入院患者の口腔管理が変わるまとめ令和8年度診療報酬改定における「リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進」は、4つの項目で構成されています。リハ栄養口腔連携体制加算の2段階再編と地域包括ケア病棟への拡大、摂食嚥下機能回復体制加算の要件緩和と経腸栄養管理加算の対象拡大、口腔管理連携加算(600点)の新設、医科連携訪問加算(500点)の新設です。これらの見直しに共通するのは、届出・算定のハードルを下げつつ、急性期から包括期にわたる入院患者のADL維持と口腔管理を多職種・多施設の連携で推進するという方向性です。該当する医療機関は、各加算の施設基準と算定要件を確認し、届出の準備を進めることをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】医科連携訪問加算500点の新設|入院患者の口腔管理が変わる
令和8年度診療報酬改定では、入院患者の口腔管理を充実させるため、医科歯科連携に関する新たな評価が設けられました。歯科診療を行っていない保険医療機関(病院・有床診療所)に入院中の患者に対して、連携する歯科医療機関が歯科訪問診療を行った場合に算定できる「医科連携訪問加算」(500点)が新設されています。本稿では、この加算の背景、算定要件、施設基準、および注意点を解説します。医科連携訪問加算の要点は、次の3つです。第一に、歯科診療を行っていない医療機関からの依頼に基づき入院患者に歯科訪問診療を行った場合、歯科訪問診療料に500点が加算されます。第二に、対象患者は、口腔状態の課題により医科の治療に支障が生じている入院患者に限定されます。第三に、周術期等口腔機能管理料や回復期等口腔機能管理料との併算定はできません。新設の背景:入院中の医科歯科連携が進んでいない医科連携訪問加算が新設された背景には、入院患者に対する医科歯科連携の停滞があります。令和6年度改定で導入された「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」では、急性期病棟の入院患者に対して口腔状態の評価を含む多職種連携の取組が行われています。しかし、医科の入院患者において、歯科受診が必要であるにもかかわらず、連携はあまり進んでいません。NDBデータによれば、退院後の歯科受診率は加算算定の有無にかかわらず約9%(算定あり8.8%、算定なし8.7%)にとどまっています。連携が進まない要因のひとつは、歯科診療を行っていない医療機関における体制の不足です。歯科のない医療機関では、入院中の患者に口腔の課題が見つかっても、歯科医療機関に診療を依頼する仕組みが十分に整備されていませんでした。こうした課題を解消するために、入院中の口腔管理を歯科訪問診療で担う場合の評価として、医科連携訪問加算が新設されました。算定要件:歯科診療を行っていない医療機関からの依頼が前提医科連携訪問加算を算定するには、歯科診療以外の診療のみを行う保険医療機関からの依頼が必要です。つまり、歯科診療を行っていない医療機関が、連携する歯科医療機関に対して入院患者の口腔管理を依頼することが算定の前提となります。対象患者は、口腔状態に係る課題のために医科における治療上の課題が生じている入院中の患者です。たとえば、口腔衛生状態の不良や咬合不良により、手術や全身管理に影響が出ているケースが該当します。単に口腔に問題があるだけではなく、その問題が医科の治療に支障をきたしていることが条件です。算定にあたっては、連携する歯科医療機関の歯科医師が当該病院に出向き、歯科訪問診療を実施します。この歯科訪問診療料の所定点数に、医科連携訪問加算として500点が上乗せされます。施設基準:連携体制の構築と情報共有が必要医科連携訪問加算を届け出るには、2つの施設基準を満たす必要があります。1つ目の基準は、連携体制の構築です。歯科医療機関は、歯科のない医療機関に入院中の口腔状態に課題を抱える患者について、当該医療機関の依頼に基づき対応する連携体制を構築していなければなりません。2つ目の基準は、情報共有の体制整備です。連携する医療機関の依頼に円滑に対応するために、必要な情報を共有する仕組みが求められます。たとえば、患者の診療情報や口腔状態に関する情報を、依頼元の医療機関と歯科医療機関の間で適切にやり取りできる体制を整える必要があります。注意点:周術期等・回復期等口腔機能管理との併算定はできない医科連携訪問加算には、併算定できない項目があります。具体的には、周術期等口腔機能管理計画策定料、周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)~(Ⅳ)、回復期等口腔機能管理計画策定料、および回復期等口腔機能管理料と同時に算定することはできません。この制限が設けられた理由は、評価の重複を防ぐためです。周術期等口腔機能管理や回復期等口腔機能管理は、手術や回復期における口腔管理を包括的に評価するものです。医科連携訪問加算は、これらの管理の対象にならない入院患者に対して、新たに歯科訪問診療を促進する位置づけとなります。したがって、周術期や回復期の口腔機能管理をすでに行っている患者には、医科連携訪問加算は算定できません。対象となるのは、こうした既存の管理体系に該当しないものの、口腔の課題が医科の治療に影響している入院患者です。まとめ令和8年度改定で新設された医科連携訪問加算(500点)は、歯科診療を行っていない医療機関の入院患者に対する口腔管理を推進するための評価です。算定には、歯科診療以外の診療のみを行う保険医療機関からの依頼と、口腔状態の課題が医科の治療に影響していることが求められます。施設基準として、連携体制の構築と情報共有の整備が必要です。周術期等・回復期等口腔機能管理との併算定はできないため、対象患者の整理が重要となります。歯科医療機関にとっては、地域の医療機関との連携体制を構築することが、この加算を活用するための第一歩です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】口腔管理連携加算600点が新設|歯科連携で算定する3つの要件
令和8年度診療報酬改定では、入院患者の口腔状態の課題に質の高い対応を行うため、医科の保険医療機関と歯科医療機関の連携を評価する「口腔管理連携加算」(600点)が新設されました。この加算は、歯科診療を行わない病院が対象です。歯科医療機関とあらかじめ連携体制を構築し、入院中の患者が歯科診療を受けられる体制を整えた場合に算定できます。この記事では、口腔管理連携加算の概要を3つの観点から解説します。第一に、この加算の対象となる患者の範囲を説明します。第二に、算定するために満たすべき要件を整理します。第三に、届出に必要な施設基準の内容を確認します。口腔管理連携加算の対象患者口腔管理連携加算の対象は、入院中の患者で、医師が入院中の歯科治療が必要と判断した口腔状態の課題を抱える方です。ただし、口腔に課題がある患者すべてが対象になるわけではありません。算定要件では、口腔状態の課題が「医科における治療上の課題」を生じていることが求められています。つまり、口腔の問題が入院中の医科の治療に影響を及ぼしている場合に、この加算の対象となります。さらに、対象患者の判断は医師だけでなく「医師等」が行うことも可能です。算定要件では「医師等が入院中の歯科受診が必要と判断した者」と規定されています。口腔管理連携加算の算定要件口腔管理連携加算を算定するには、3つの要件を満たす必要があります。具体的には、「連携体制の構築」「患者の同意と情報提供」「入院中の歯科診療の実施」の3つです。第一の要件は、連携体制の構築です。算定する保険医療機関は、歯科診療を併せて行わない医療機関でなければなりません。この医療機関が、歯科医療機関とあらかじめ連携体制を構築しておく必要があります。第二の要件は、患者の同意と情報提供です。対象患者について、連携先の歯科医療機関に対し、患者の同意を得たうえで、診療状況を示す文書を添えて紹介を行います。第三の要件は、入院中の歯科診療の実施です。紹介を受けた歯科医療機関による歯科診療が、患者の入院中に実際に行われることが求められます。この歯科診療が行われた日に、入院中1回に限り算定できます。なお、この加算には診療情報提供料(Ⅰ)が含まれています。そのため、同一の紹介について診療情報提供料(Ⅰ)を別途算定することはできません。口腔管理連携加算の施設基準口腔管理連携加算を届け出るには、4つの施設基準を満たす必要があります。第一の基準は、連携体制の構築です。歯科診療を行わない保険医療機関が、歯科診療を行う別の保険医療機関と、入院患者に対する歯科訪問診療に係る連携体制を構築していることが求められます。第二の基準は、院内掲示です。上記の連携体制を構築していることについて、医療機関の見やすい場所に掲示する必要があります。第三の基準は、ウェブサイトへの掲載です。院内掲示の内容を、原則としてウェブサイトにも掲載することが求められます。第四の基準は、口腔管理の体制整備です。口腔管理を行うために必要な体制が整備されていることが条件です。まとめ令和8年度診療報酬改定で新設された口腔管理連携加算(600点)は、歯科診療を行わない病院が歯科医療機関と連携し、入院患者の口腔課題に対応するための評価です。算定には、歯科医療機関との連携体制の構築、患者の同意を得た文書による紹介、入院中の歯科診療の実施という3つの要件を満たす必要があります。加えて、対象患者は口腔状態の課題が医科の治療上の課題を生じている場合に限られる点に注意が必要です。施設基準では、連携体制の構築に加え、院内掲示やウェブサイトへの掲載、口腔管理体制の整備が求められます。歯科のない病院においては、入院患者の口腔管理の質を高めるため、この加算の算定体制の整備を検討してみてはいかがでしょうか。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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元手取り16万経理→AI活用で月30〜50万 デザインツール「MiriCanvas」公式アンバサダー 最新情報ばかり発信するSNSから 一歩離れて、遅く・考えて配信をしていきます 自己紹介 ━━━━━━━━━━━━ 🟧プロフィール ▶︎AI活用した動画編集・SNS運用・メルマガ構築・Lark導入 ▶︎31歳・元手取り16万の経理 ▶渋谷クロスFMラジオ出演 ▶︎MiriCanvas公式アンバサダー ▶︎「誰ひとり孤立させない」をコンセプトにしたコミュニティを共同でつくっています 🟧趣味 読書・漫画・アニメ・映画 音楽・ファッション・美術館・食べ歩き 新しいツールを触ること 本は年間で大体100冊くらい 映画も100本ほど観ています 🟧実績 ━━━━━━━━━━━━ ▶︎アフィリエイト知識ゼロで初月7万→3ヶ月目50万突破 ▶︎アフィリエイト4ヶ月合計で100万突破 ▶︎AI活用したメルマガ100通構築で30万マネタイズ×2案件 ▶︎登録者5万人超えのYouTubeチャンネル運営 ▶︎ショート動画では月10万ほど ▶︎TikTokで企業様の広告動画を納品 配信内容が少しでもお聴きくださる方の お役に立てましたなら幸いです! ポッドキャストの書き起こしサービス 「LISTEN」はこちらから 文章で読みたい方はこちらから https://listen.style/p/akiradio?51zaFzjY
ヨンイチのちょっとお仕事が変わる話
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