人を尊重して話を聞かせていただく「アクティブリスニング」エバンジェリスト『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』著者赤羽雄二氏公認|『アクションリーディング』読書会開催|仲間と一緒に成長できる「親子のクオリティタイム」「最速ロールプレイング」「A4メモ書き」などのグループ運営|株式会社miiboのmiibo Designer|一般社団法人 遠隔健康医療相談適正推進機構 正会員
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データ提出加算の外来拡大と医療の質評価|入力負担軽減への課題と展望
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、データ提出加算と退院患者調査に関する検討結果が示されました。この検討は、令和4年度診療報酬改定で外来・在宅・リハビリテーション医療に拡大されたデータ提出加算について、医療機関における運用実態と課題を明らかにすることを目的としています。現状では、外来データ提出加算を算定していない理由として、病院・診療所ともに「入力のための人員が確保できない」が最も多く挙げられています。特に外来様式1で求められる検査値等の入力については、負担が大きいという指摘があります。この文章では、データ提出加算の制度拡充の経緯から外来データ提出の課題、そしてデータ活用による医療の質評価の可能性まで、分科会での検討内容を詳しく解説します。分科会の検討により、データ提出加算制度の拡充経緯と現状の課題が明らかになりました。外来データ提出では人員確保が最大の障壁となっており、病院・診療所の双方で深刻な問題として認識されています。一方、収集されたデータを活用した外来医療の質評価では、糖尿病や脂質異常症の検査実施割合に医療機関ごとのばらつきが確認されました。分科会では、調査項目の見直しによる医療機関負担の軽減とともに、収集されたデータの活用範囲拡大について、施設基準届出における負担軽減や医療機関のベンチマーク、医療の質評価への活用を含めて検討すべきとの意見が示されました。データ提出加算制度の拡充経緯と評価の仕組みデータ提出加算は、診療データに基づく適切な評価を推進するために設けられた制度です。この加算は、入院医療について診療等のデータを継続的に厚生労働省に提出している医療機関を評価するものとして始まりました。制度開始当初は入院医療のみが対象でしたが、収集するデータの内容は段階的に拡充されてきました。この拡充は、MDC(主要診断群)ごとの診断群分類見直し技術班での検討や、データ提出加算を要件とする入院料の範囲拡大に伴って進められました。診療報酬上の評価は、一部について医療機関で集計された診療実績データを基に行われていますが、DPCデータ等による評価が可能なものも存在することが指摘されています。令和4年度診療報酬改定では、データに基づく適切な評価をさらに推進する観点から、対象範囲が大きく拡大されました。この改定により、外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療についても、診療等のデータを継続的に厚生労働省に提出している場合の評価が新設されました。外来様式1では、検査値等を含む多様な項目の入力が求められるようになり、医療機関における業務負担の増加が懸念されています。この制度拡充により、入院から外来まで切れ目のないデータ収集が可能となった一方で、医療機関の運用体制整備が新たな課題として浮上しました。外来データ提出の現状と医療機関が直面する課題外来データ提出加算の運用実態を調査したところ、医療機関が直面する課題が明確になりました。外来データ提出加算を算定していない理由を尋ねた調査では、病院・診療所ともに「入力のための人員が確保できない」が最も多い回答でした。すでに算定している医療機関においても、同様に人員確保の困難さを感じているケースが多く見られました。この人員確保の問題は、外来様式1で求められる入力項目の多様性と関連しています。外来様式1では、診療行為や処方内容に加えて、検査値等の詳細なデータ入力が必要とされています。検査値等の入力については、特に負担が大きいとの指摘が分科会でありました。医療機関では日常診療業務に加えて、これらのデータ入力業務を担当する専任スタッフの配置が求められますが、人材確保や人件費の面で制約があります。この状況に対して、分科会では調査項目の見直しを求める意見が出されました。データ入力が医療機関の負担となっている現状を踏まえ、真に必要な項目に絞り込むことで、医療機関の参加を促進できる可能性があります。ただし、データの質と量のバランスをどのように取るかは、今後の検討課題として残されています。データ活用による外来医療の質評価の可能性収集された外来データを活用した医療の質評価について、具体的な分析結果が示されました。厚労科研「DPC制度の適切な運用及びDPCデータの活用に資する研究」研究班から提出された資料を基に、外来データによる集計が行われました。この分析では、外来医療の質を評価する指標として、「外来で糖尿病の治療管理をしている症例に対し、HbA1C検査を実施している割合」と「外来で脂質異常症の投薬治療管理をしている症例に対し、脂質異常症に関する検査を実施している割合」が用いられました。この分析の結果、これらの指標について医療機関ごとに大きなばらつきがあることが明らかになりました。糖尿病や脂質異常症は、定期的な検査による適切な管理が重要な疾患です。検査実施割合のばらつきは、医療機関によって診療の質に差がある可能性を示唆しています。このようなデータを可視化することで、各医療機関が自施設の診療状況を客観的に把握し、改善につなげることができます。この分析結果を受けて、分科会では外来データ提出加算の重要性を再確認する意見が出されました。医療の標準化において外来データは重要な役割を果たすため、積極的にデータを収集すべきとの指摘がありました。収集されたデータについては、医療機関のベンチマークや、データを用いた医療の質評価への活用も含めて検討すべきとの意見も示されました。分科会で示された今後の方向性と期待される展開分科会での議論を通じて、データ提出加算制度の今後の方向性が示されました。医療機関の負担軽減と、データ活用の推進という二つの課題について、バランスの取れた対応が求められています。調査項目の見直しについては、特に外来データ提出加算における検査値等の入力負担を軽減する方向での検討が必要との認識が共有されました。データ活用の観点からは、提出されたデータを施設基準の届出等における医療機関の負担軽減に活用する可能性が指摘されました。現在、施設基準の届出では、医療機関が独自にデータを集計して提出する必要がありますが、データ提出加算で収集されたデータを活用できれば、この作業負担を大幅に削減できます。このような活用方法は、医療機関にとってデータ提出のメリットを実感しやすくする効果も期待できます。医療の標準化とベンチマーク評価についても、積極的な意見が出されました。外来データ提出加算は、医療の標準化において重要な役割を果たすため、より多くの医療機関からデータを収集することが望ましいとの指摘がありました。収集されたデータを用いて、医療機関が自施設の診療状況を他施設と比較できるベンチマーク機能や、医療の質を客観的に評価する仕組みの構築についても、今後検討を進めるべきとの方向性が示されました。まとめデータ提出加算制度は、入院医療から外来・在宅・リハビリテーション医療へと対象範囲を拡大し、診療データに基づく適切な評価を推進してきました。外来データ提出では、人員確保の困難さと検査値入力の負担が課題として明確になりましたが、収集されたデータを活用した医療の質評価では、医療機関ごとのばらつきが可視化され、標準化への貢献が期待されています。今後は、調査項目の見直しによる医療機関負担の軽減と、施設基準届出への活用やベンチマーク評価など、データ活用範囲の拡大を両立させる方向での検討が進められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
外科医不足が深刻化、消化器外科は10年で15%減少―中医協分科会が示す集約化とインセンティブの方向性
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、診療科偏在対策が議論されました。外科医、特に若手の消化器外科医の減少が深刻化しており、過去10年間で若手消化器外科医は15%減少しています。この問題に対し、分科会では手術の集約化による安全性向上と勤務環境改善、外科医への実効性あるインセンティブ措置の強化が必要との方向性が示されました。分科会では、外科医の約半数が1-2名の小規模施設に分散している現状が明らかになりました。高度な手術の集約化により手術成績が向上し、勤務環境が改善された山口大学医学部附属病院の事例が示されました。分科会の委員からは、小規模施設から大規模施設への紹介・連携を評価する仕組みの構築、若手外科医の処遇改善、女性医師のキャリア形成支援の必要性が指摘されました。今後の診療報酬改定では、自発的な偏在是正を促すインセンティブの強化が検討される見込みです。外科医の減少と偏在が医療提供体制を脅かしている外科医、特に消化器外科医の減少が深刻化しています。外科の医師数の推移を見ると、一般外科・消化器外科以外の診療科では増加傾向にある一方で、一般外科・消化器外科は一貫して減少しています。若手医師の状況はさらに深刻です。40歳未満の若手医師全体では2012年と比較し8%増加している一方で、若手外科医は7%減少、若手消化器外科医に至っては15%減少しています。日本消化器外科学会は、現在約1.9万人いる消化器外科医が2040年には40%減少すると予測しており、医療提供体制の維持が困難になる可能性があります。この減少の背景には、長時間労働の問題があります。時間外・休日労働時間が年1,860時間換算を超える医師の割合が高い診療科は、脳神経外科が9.9%、外科が7.1%、形成外科が6.8%、産婦人科が5.9%、救急科が5.1%でした。外科系診療科は専門性の維持や修得に時間がかかり、負担感も大きいことから、若手医師が処遇に見合わないと感じる要因になっています。外科医の偏在も深刻な課題です。外科医が1名以上いる病院と医育機関3,246施設において、所属外科医師数が1-2名となる医療機関は全体の48.7%(1,581施設)を占めています。消化器外科医師数が6名以上の医療機関は21.6%(700施設)、10名以上と集約化されている医療機関は9.1%(294施設)にとどまっています。所属外科医師数が1-2名の医療機関の多くは、年間の手術件数が100件未満であり、3-5名の医療機関でも半数以上は年間手術件数が500件に満たない状況です。手術の集約化により安全性と勤務環境が改善した山口大学の事例高度な手術の集約化により、手術成績の向上と勤務環境の改善が実現できることが示されています。山口大学医学部附属病院消化器外科では、各連携病院と協議・連携することで、消化器外科症例の集約化と均てん化に向けた体制を徐々に構築しました。この取組では、病院の機能に応じてType1からType3に分類しました。Type1病院は常勤消化器外科医師数が1-2名の病院で、がん治療のサポートとしての手術や虫垂炎、痔、ヘルニア、胆石などの手術は実施しますが、がん手術は実施せずに附属病院に紹介し、術後化学療法とフォローアップを大学病院から引き受けます。Type2病院は常勤消化器外科医師数が3-5名の病院で、胃がん、大腸がんの手術は実施しますが、難度の高い食道、肝胆膵の手術は附属病院に紹介します。Type3病院は常勤消化器外科医師数が6名以上の病院で、従前どおり独自にがん治療を実施します。この集約化により、複数の成果が得られました。がんの症例数が少なかった病院が全てのがん症例を拠点的な病院に紹介することで、これまで手術で対応できなかった症例も拠点的な病院での高度な手術で対応することができるようになりました。化学療法も大学病院に通うことなく近隣の病院で実施できるようになり、がん手術を全て拠点的な病院に集約し、より多くの化学療法やフォローアップを実施することで、病院経営も改善しました。消化器外科領域の高度な手術について、全国の多くの病院は年間50件未満である一方、大学病院本院の多くが200件/年以上実施しています。入院における臓器別手術件数の推移を見ると、食道・腹部の手術件数が最多であり、2020年に減少したものの、2015年以降増加傾向にあります。分科会が示した偏在是正の方向性は集約化とインセンティブ強化分科会では、診療科偏在対策について多角的な議論が行われ、今後の方向性が示されました。委員からは、高難度手術における集約化の必要性について、一定程度の手術の集約化により安全性が担保されることが指摘された一方で、小規模な手術とのバランスのとれた集約化の在り方が必要との意見がありました。外科医が少人数で勤務する施設から大規模施設への紹介・連携についてはインセンティブがなく、そのような取組を評価する仕組みが必要との意見がありました。外科領域の集約化や偏在是正については、急性期医療機関機能の整理の中で位置付けて議論すべきとの意見もありました。医師偏在の是正については、ペナルティとインセンティブの両方の考え方がありますが、自発的な偏在是正にはインセンティブの強化が有効との意見がありました。休日加算等の評価はあるものの、施設要件により届出医療機関や診療科が限られており、より実効性のあるインセンティブ措置が必要との意見がありました。実際に、大学病院を含む一部の病院では、全国的に減少している消化器外科医など外科医の診療体制を維持するため、外科医等への処遇改善を実施しています。広島大学病院では、若手外科医を対象に「未来の外科医療支援手当」として月額10万円、年額120万円を増額する待遇改善を実施しました。津山中央病院では、時間外緊急手術や呼び出し等に対してインセンティブを付与する取組を実施しています。消化器外科でも若手医師では女性比率があがっており、出産・育児に関する問題があるため、女性医師のキャリア形成や柔軟な働き方の保証も偏在是正の視点で必要との意見がありました。また、高度な手術をほとんど実施していない病院があり、こういった手術は集約化する必要があるため、山口大学病院の例も参考にしながら、役割分担と集約化を進めてはどうかとの意見がありました。手術の休日・時間外・深夜加算1における「緊急呼び出し当番の翌日が休日」要件については、慎重な検討が必要との意見がありました。手術の休日・時間外・深夜加算1においてチーム制を採用している場合、診療があった緊急呼び出し当番の翌日は休日対応となりますが、緊急呼び出し当番における診療の有無は予見することができないため、通常、緊急呼び出し当番の翌日は休日として扱われることになると考えられます。この要件を満たさなくて良いということにすると連日勤務になり、加算の趣旨である働き方改革にならないことが懸念されるため、算定要件の取扱いと加算の評価については慎重に判断する必要があるとの意見がありました。まとめ外科医、特に消化器外科医の減少は深刻化しており、若手消化器外科医は過去10年間で15%減少しています。外科医の約半数が1-2名の小規模施設に分散している一方で、高度な手術の集約化により手術成績が向上し、勤務環境が改善された山口大学医学部附属病院の事例が示されました。分科会では、小規模施設から大規模施設への紹介・連携を評価する仕組みの構築、若手外科医の処遇改善、女性医師のキャリア形成支援の必要性が指摘され、自発的な偏在是正を促すインセンティブの強化が有効との方向性が示されました。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
病院と診療所の違いとは?医療機関の機能分化を理解する【動画解説】
全日本病院協会の神野会長が解説する動画「医療のトリセツ第4回」では、医療機関の仕組みと機能分化について説明しています。高齢化が進む日本では、複数の慢性疾患や医療介護の複合ニーズを抱える患者が増加する一方で、医療従事者のマンパワーには制約があります。こうした状況で質の高い医療を効率的に提供するには、医療機関の役割分担を理解し、適切な医療機関を選択することが重要です。本メールマガジンでは、この動画の内容をもとに、医療機関選択に役立つ情報をお届けします。病院と診療所は医療法上で明確に区別されており、それぞれ異なる役割を担っています。医療の機能分化により、「治す病院」と「治し支える病院」という2つのタイプが存在し、相互に連携しながら地域医療を支えています。かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護をつなぐ重要な役割を果たし、地域包括ケアの中心となっています。これらの仕組みを理解することで、患者は自身の症状や状態に応じた最適な医療機関を選択できるようになります。病院と診療所の違いを知る病院と診療所の違いは、単なるベッド数の差だけではありません。病院はベッド数が20床以上あり、入院治療を主な役割としています。診療所はベッド数が19床以下または無床で、かかりつけ医機能、初期診療、慢性疾患の管理を担っています。病院には夜間も医師が常駐する当直体制があります。診療所にはこの体制がない点が、両者の大きな違いです。夜間や休日に急変した患者に対応できる体制が、病院には整備されています。病院では医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション専門職、管理栄養士、MSW、事務職員など多職種によるチーム医療が実践されています。診療所では医師、看護師、事務スタッフという少人数体制で運営されています。このチーム医療の有無が、病院と診療所の提供できる医療の幅を決定しています。病院の開設主体は医療法人、公立、大学などが多くなっています。診療所は個人や医療法人が開設している場合が多い傾向があります。この違いが、医療機関の規模や提供できる医療サービスの範囲に影響を与えています。医療の機能分化と連携体制を理解する医療機関は「治す病院」と「治し支える病院」に機能分化されています。治す病院には特定機能病院、大学病院、地域の基幹病院が該当します。治し支える病院には、かかりつけ機能を有する病院や診療所が該当します。治す病院とかかりつけ機能を有する医療機関の間では、紹介と逆紹介という連携が行われています。紹介とは、かかりつけ医が専門的治療が必要と判断した患者を大きな病院に送ることです。逆紹介とは、大きな病院での専門的治療が終了した患者を、かかりつけ医に戻すことです。この双方向の流れにより、医療資源の効率的な活用が実現されています。国は医療の機能分化を政策として推進しています。この背景には、限られた医療資源を最大限に活用し、必要な患者に必要な医療を提供するという考えがあります。機能分化により、専門的治療が必要な患者は大病院で、慢性疾患の管理は地域の診療所で行うという役割分担が明確になります。診療報酬制度でも、この機能分化を支援する仕組みが整備されています。診療情報提供料や連携強化診療情報提供料などの点数設定により、医療機関間の連携が経済的にも評価されています。医療機関が適切に連携することで、診療報酬上のメリットも得られる仕組みが構築されているのです。かかりつけ医機能の役割を把握するかかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護のつなぎ役として重要な位置を占めています。この機能は、単に医師個人の役割ではなく、医療機関全体で担うべき機能として位置づけられています。病院の場合、医師だけでなく看護師、薬剤師、MSWなど多職種が協力してかかりつけ機能を発揮します。かかりつけ医機能報告制度では、継続的な医療を要する者に対する日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能が重視されています。この制度により、医療機関は自らが提供するかかりつけ医機能の内容を報告し、地域住民に情報提供することが求められています。報告内容には、一次診療の対応可能な診療領域、服薬の一元管理、通常の診療時間外の対応、在宅医療の提供、介護サービスとの連携などが含まれます。地域包括ケアの実現において、かかりつけ医機能を有する医療機関は中心的な役割を果たします。介護サービス、生活支援、行政とをつなぎ、患者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支援します。かかりつけ機能を有する医療機関を中心として、医療と介護が連携し、包括的なケアが提供される仕組みが構築されています。機能強化加算や地域包括診療料などの診療報酬上の評価も、かかりつけ医機能を担う医療機関を支援する仕組みです。これらの点数を算定するには、研修の受講、24時間対応体制の整備、他職種との連携など、一定の要件を満たす必要があります。質の高いかかりつけ医機能を提供する医療機関が、適切に評価される仕組みとなっています。まとめ病院と診療所はそれぞれ異なる役割を持ち、医療法上も明確に区別されています。医療の機能分化により、「治す病院」と「治し支える病院」が連携しながら地域医療を支えています。かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護をつなぐ重要な役割を担い、地域包括ケアの中心となっています。これらの仕組みを理解し、症状や状態に応じて適切な医療機関を選択することが、効率的で質の高い医療を受けるための第一歩となります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
人口減少時代の医療経営:2060年までの日本の課題と解決策を徹底解説
全日本病院協会の神野正博会長が解説するYouTube動画「医療のトリセツ 第3回」では、日本の人口が2060年まで継続的に減少していく現実が示されています。この人口減少は国内産業の需要減少を引き起こし、医療分野においても患者数の減少という大きな変化をもたらします。従来のデフレ経済下で成功した「薄利多売」のビジネスモデルは、縮小する社会構造の中では通用しなくなります。本動画の目的は、社会保障・人口問題研究所のデータをもとに日本の将来推計を明らかにし、医療機関が直面する経営課題とその解決策を提示することです。神野会長は2060年までの人口推移グラフから3つの重要なメッセージを導き出しています。日本の人口は今後継続的に減少し、国内向け産業の需要が縮小していきます。この縮小社会では統合・集約化、撤退、業態変更、新市場開拓といった新たな経営戦略が全ての業界で必要になります。課題解決策として、生産性向上、シニアや女性の活躍促進、外国人労働者やロボットの活用が提案され、最終的には「全員参加型社会」の実現が重要だと結論づけています。日本の人口推移が示す医療需要の構造変化日本の人口は2060年まで減少トレンドが続き、この変化は医療機関の経営に直接的な影響を与えます。社会保障・人口問題研究所が公表したデータによれば、日本の総人口は2060年まで継続的に減少し、国内向け産業の需要が縮小していきます。人口減少は医療分野において患者数の減少という形で現れます。これまで人口増加を前提に構築されてきた医療提供体制は、根本的な見直しを迫られています。神野会長は「国内向けの産業の需要が減ってくる。我々医療にとりましても患者さんが減ってくる」と指摘し、医療機関の経営戦略を大きく転換する必要性を強調しています。神野会長が示すグラフでは、生産年齢人口の減少が明らかになっています。この生産年齢人口の減少は医療従事者の確保を困難にします。この構造変化に対応するため、医療機関は従来とは異なる視点での経営判断が求められます。縮小社会における医療経営戦略の転換点縮小する社会構造の中では、過去の成功モデルにとらわれない新たな経営戦略が必要です。神野会長は「これから薄利多売という以前はデフレの中でそういった経済がありました。人口増加の中で薄利多売というものがあったわけですけれども、これからはどうもそれも難しくなるのではないのかな」と述べ、従来のビジネスモデルの限界を指摘しています。神野会長は医療機関が検討すべき経営戦略として、統合・集約化、撤退、業態変更、新市場開拓の4つを挙げています。統合・集約化により、限られた医療資源をより効率的に活用することが考えられます。撤退という選択肢は、経営資源を重点分野に集中させる戦略として位置づけられます。業態変更と新市場開拓も重要な選択肢として提示されています。神野会長は「社会の構造は縮みつつあるということを私たちは認識する必要があります。イコール過去の成功モデルにとらわれない経営というものが必要なのではないでしょうか」と述べ、柔軟な経営判断の重要性を強調しています。人口減少社会を乗り越える5つの実践的解決策生産性向上は人口減少社会における最優先課題です。神野会長は「生産年齢人口と呼ばれている若者の方々が減る。だけど少ない人数で多い時と同じことができる。これを生産性の向上というわけであります」と説明し、少ない人数で従来と同等以上の成果を出す必要性を強調しています。シニア層の活用は労働力確保の重要な解決策として位置づけられています。神野会長は「例えばこのグラフの中で65歳から75歳といった方々が下の生産年齢に入るならば、まだまだ労働力はいるわけであります」と指摘し、シニア層が労働力として重要な役割を果たすことを示しています。女性活躍の推進は医療介護分野で特に重要な課題です。神野会長は「今たくさんの女性が活躍しております。特に医療介護の現場ではたくさんの女性が活躍しているわけであります」と現状を説明した上で、出産・子育て期間中の就業継続の課題を提起しています。パートタイム労働者の生産性向上について、神野会長は「例えば出産、子育てで少し仕事を制限しなきゃいけないといった時期でも、例えばパートタイムだけどフルタイムと同じ仕事ができるように生産性を上げたらいいかがでしょうか」と提案しています。パートタイムでもフルタイムと同等の成果を出せる仕組みを構築することで、女性が働き続けやすい環境が実現します。パートタイム労働者を効果的に組み合わせる「モザイク型」の働き方も解決策として提示されています。神野会長は「あるいはパートタイムの方をモザイクのように組み合わせることで、フルタイムの方と同じ仕事をしていただくということもあるのかなというふうに思います」と述べ、複数のパートタイム労働者を組み合わせてフルタイム労働者と同じ業務をカバーする働き方を提案しています。外国人労働者とロボットの活用は、労働力不足を補完する解決策として挙げられています。神野会長は「そして外国人、ロボットにお願いするということがあるのかなと思います」と述べ、これらを労働力確保の選択肢として示しています。全員参加型社会の実現に向けて神野会長は人口減少社会を乗り越える鍵として「必要なのは全員参加全員社会参加であります」と強調しています。シニア、女性、外国人、そしてロボットも含めた全ての労働力を最大限に活用することで、縮小する社会でも持続可能な医療提供体制を維持できます。医療機関は今こそ、従来の経営モデルから脱却し、新たな戦略に基づく改革を実行する時期に来ています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
総合病院精神科の役割拡大と精神科リエゾンチーム活用の最新動向【令和8年度診療報酬改定に向けて】
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、令和8年度診療報酬改定に向けた総合病院精神科の現状と課題が報告されました。総合病院精神科には、身体管理が必要な精神科専門治療、自殺企図関連の合併症治療、精神疾患に身体疾患が合併した患者の治療という重要な役割が期待されています。しかし、精神病床数の減少や地域偏在といった課題も明らかになりました。本稿では、総合病院精神科が直面する3つの課題、診療報酬上の評価の動向、精神科リエゾンチームの活躍という観点から、今後の精神科医療提供体制を展望します。総合病院精神科の現状は、精神病床の減少が一般病院で顕著に進んでいます。診療報酬上の評価では、総合入院体制加算の届出が減少する一方、精神科急性期医師配置加算の届出は増加傾向にあります。精神科リエゾンチームは、せん妄、抑うつ、自殺企図、認知症など多様な精神疾患への介入で成果を上げており、届出医療機関数と算定回数がともに増加しています。総合病院精神科が直面する3つの課題総合病院精神科の医療提供体制には、精神病床の減少、救急搬送の遅延、地域偏在という3つの課題が存在します。精神病床数は減少傾向にあり、特に一般病院での減少が顕著です。この減少は精神科病院よりも一般病院で大きく、総合的な入院医療を提供する体制に影響を及ぼしています。全病床数が400床以上かつ精神病床の割合が15%未満という、入院医療における総合性を兼ね備えた医療機関が存在しない二次医療圏が多く存在します。この地域偏在は、精神疾患と身体疾患の両方に対応できる医療機関へのアクセスを困難にしています。救急搬送に係る時間を傷病別に見ると、精神系は他疾患と比較して長い傾向にあります。この遅延は、精神科医の対応が必要な救急患者の受け入れ先確保の困難さを示しています。精神病床を有している医療機関は精神科医の対応が必要な救急搬送患者を受け入れていましたが、こうした医療機関の減少が救急医療体制全体に影響を与えています。地域における精神科医療の偏在も深刻な課題です。前述の総合性を兼ね備えた医療機関の不在は、患者が適切な医療を受けるために長距離移動を強いられる可能性を意味します。精神症状の重症度と身体症状の重症度・病期に応じた適切な医療機関への振り分けが困難になっており、医療提供体制の整備が求められています。診療報酬上の評価と精神病床を有する病院の優位性診療報酬上の評価では、総合入院体制加算の減少と精神科急性期医師配置加算の増加という対照的な動きが見られます。総合入院体制加算の届出病院数は、急性期充実体制加算が新設された令和4年以降減少傾向にあります。この減少は、医療機関が新しい加算体系への移行を選択していることを示しています。精神科充実体制加算または小児・周産期・精神科充実体制加算の届出医療機関数は、令和5年以降横ばいで推移しています。この横ばい状態は、新規の届出が限定的であることを意味します。精神科急性期医師配置加算の届出医療機関数は増加傾向にあります。この加算は、精神症状とともに身体疾患または外傷を有する患者の入院医療体制を確保している医療機関を評価するものです。精神科急性期医師配置加算2イの算定回数は横ばいで推移していますが、届出医療機関の増加は、総合病院における精神科医療体制の整備が進んでいることを示唆しています。精神病床を有する病院は、それ以外の病院よりも急性期の一般病床において精神疾患への対応が可能である割合が多いという優位性を持っています。この優位性は、総合病院精神科を評価する加算の算定医療機関において、手術等を伴う統合失調症患者の入院件数が多いという結果にも表れています。精神病床を有することで、身体合併症を持つ精神疾患患者への対応力が向上し、一般病床での精神科医療提供も円滑になるのです。精神科リエゾンチームの活躍と認知症ケアとの連携精神科リエゾンチーム加算の届出医療機関数及び算定回数は増加傾向にあり、一般病床における精神科医療の充実を示しています。精神科リエゾンチームは、急性期の一般病床において多様な精神疾患に介入しています。このチームは、せん妄や抑うつを有する患者、自殺企図で入院した患者、認知症患者等に対して専門的な支援を提供しています。せん妄は急性期病棟で頻繁に見られる症状であり、早期発見と適切な介入が重要です。自殺企図で入院した患者への対応では、身体的治療と並行して精神科的評価と継続的支援が必要になります。認知症患者への介入では、認知機能の評価や行動・心理症状への対応が求められます。精神科リエゾンチーム加算を届け出ている医療機関は、それ以外の医療機関と比べて多様な精神疾患に対応可能でした。この対応力の高さは、専門的なチーム体制の構築と多職種連携の成果を示しています。精神科医、看護師、薬剤師、精神保健福祉士など多職種が協働することで、複雑な精神医学的問題に対応できる体制が整っています。精神科リエゾンチーム加算の届出医療機関の60.2%が認知症ケア加算1を届け出ていました。この高い併存率は、精神科リエゾンチームと認知症ケアの親和性を示しています。認知症ケア加算やせん妄ハイリスクケア加算を届け出ている医療機関においても、認知症やせん妄に対応できるとした医療機関が多く、加算を通じた体制整備が精神科医療の質向上に寄与しています。まとめ総合病院精神科の現状は、精神病床の減少と地域偏在、救急搬送の遅延という課題に直面しています。診療報酬上の評価では、総合入院体制加算の減少と精神科急性期医師配置加算の増加という変化が見られます。精神科リエゾンチームは、多様な精神疾患への介入で成果を上げており、認知症ケアとの連携も進んでいます。今後、精神症状と身体症状を一元的に対応できる医療機関の整備が重要であり、令和8年度診療報酬改定における評価の在り方が注目されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
ポリファーマシー対策の診療報酬評価、算定率16.7%の課題と改善方向を解説
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、ポリファーマシー対策と薬剤情報連携に関する検討結果が報告されました。この報告では、退院時の薬剤情報連携における評価の不均衡、ポリファーマシー対策の診療報酬評価の低活用、今後の制度改善の方向性という3つの重要な課題が明らかになりました。退院時の薬剤情報連携では、保険薬局への情報提供は診療報酬で評価されているものの、医療機関への情報提供は評価対象外となっています。ポリファーマシー対策の評価では、薬剤総合評価調整加算の算定医療機関が全体の16.7%にとどまり、薬剤調整加算の算定回数は令和5年時点で全国で月当たり約2,680件、薬剤適正使用連携加算の算定回数は令和6年8月でわずか13件という極めて低い水準です。分科会では、回復期での対応強化、外来患者への評価拡大、質重視の評価への転換が提言されました。退院時の薬剤情報連携における評価の課題退院時の薬剤情報連携において、薬剤師の関与は質の高い指導につながるものの、連携先による評価の格差が課題となっています。薬剤師が退院時の薬剤指導に関与する施設では、退院処方薬のみならず入院時持参薬なども含めた質の高い説明・指導を実施した割合が高くなります。この関与により、患者は退院後の薬剤管理について適切な情報を得ることができます。しかし、この情報連携の評価には大きな格差があります。保険薬局への薬剤情報連携は、退院時薬剤情報連携加算として診療報酬上の評価対象となっています。一方、医療機関等に対して薬剤情報連携を実施しても、情報連携元である医療機関における退院時薬剤情報管理指導料等の評価の対象となっていません。この評価格差は、実際の算定状況にも表れています。退院時薬剤情報管理指導料の算定回数は令和5年時点で月当たり約27万件であるのに対し、退院時薬剤情報連携加算の算定回数は令和4年時点で約1万件(10,386件)にとどまっており、大きな格差があります。退院時薬剤情報連携加算を実施していない施設は63.8%にのぼります。実施していない理由としては、他の業務負担が大きいこと、情報提供文書の作成にかかる労力が大きいことが上位を占めました。また、情報提供先の薬局がわからなかったこと、情報提供文書は医療機関宛に出すことが多いため対象外であることなども理由として挙げられました。退院時薬剤関連情報連携における実施項目では、急性期・高度急性期病院から最も提供されていた項目は「退院処方一覧」でした。次いで「入院時持参薬や退院処方以外に継続服用が必要な薬剤に関する情報」、「入院中に変更となった処方に関する変更理由」が多く提供されています。連携先については、薬局の割合が最も高く62.1%であり、続いて医療機関が26.6%となっています。ポリファーマシー対策の診療報酬評価の実態ポリファーマシー対策の診療報酬評価は、算定医療機関・算定回数ともに極めて低い水準にとどまり、制度の実効性が課題となっています。薬剤総合評価調整加算の算定医療機関は、病院全体の16.7%にすぎません。この加算は、患者の入院時に持参薬を確認し、関連ガイドライン等を踏まえて慎重な投与を要する薬剤等を確認するものです。その上で、医師、薬剤師、看護師等の多職種による連携の下で薬剤の総合的な評価を行い、処方内容の変更を実施します。薬剤調整加算の算定回数は、令和5年時点で全国で月当たり約2,680件という低い水準です。この加算は、薬剤総合評価調整加算の算定要件を満たした上で、退院時に処方する内服薬が2種類以上減少した場合、または退院日までの間に抗精神病薬の種類数が2種類以上減少した場合などに算定できるものです。薬剤総合評価調整加算の算定回数が令和5年時点で月当たり約7,790件であることを考えると、実際に減薬まで至るケースは約3分の1にとどまっています。薬剤適正使用連携加算の算定状況は、さらに深刻です。地域包括診療料・加算等の算定患者が入院・入所した場合に、入院・入所先の医療機関等と医薬品の適正使用に係る連携を行った場合の評価ですが、令和6年8月における算定回数はわずか13件でした。算定が進まない理由は複数あります。薬剤適正使用連携加算を算定していない理由としては、「当該加算の存在を知らなかったため」が最も多く、次いで「内服薬の種類数を減らすことが困難である患者が多いため」が多い結果となりました。薬剤総合評価調整加算を算定していない理由としては、「入院期間中に2種類以上の減薬を実施することが難しいため」が最も多くなっています。入院中に2種類以上の減薬を実施することが難しい理由として、「入院期間が短いこと」が43%、「処方の変更に対する反応を確認しながら1剤ずつ減量する必要があるため」が41%を占めました。病院におけるポリファーマシー対策については、他職種から病院薬剤師に対する期待が大きい反面、実施が困難な状況があります。急性期では在院日数が短く十分な介入ができないこと、また人手不足で対象患者の抽出や検討する時間を確保できないことなどから、病院薬剤師が十分に取り組めない場合が多くなっています。今後の改善に向けた方向性分科会では、回復期での対応強化、算定要件の見直し、質重視の評価への転換という3つの改善方向が提言されました。回復期での対応強化については、急性期病棟での限界を踏まえた意見が出されました。急性期病棟では、在院中に減薬してその後の経過を確認することは困難であり、回復期以降の病棟で対応すべきであるとの意見がありました。また、回復期病棟等での薬剤情報連携の状況についても示してほしいとの意見があり、その評価を検討すべきではないかとの意見が出されました。算定要件の見直しについては、現状の要件が厳しすぎるとの指摘がありました。薬剤適正使用連携加算の算定回数は極めて少なく、算定要件が厳しすぎるのではないかとの意見が出されました。現状では入院・入所患者を対象とした評価となっていますが、他院にも併せて通院する外来患者について、処方内容、薬歴等に基づく相談・提案を他院へ行った場合には、評価の対象としてはどうかとの意見がありました。質重視の評価への転換については、薬剤数だけでなく対策の質を評価すべきとの意見が出されました。ポリファーマシー対策について、薬剤数ではなく、ポリファーマシー対策が適正に実施されているか、質を評価すべきとの意見がありました。「抗コリン薬リスクスケール」や「高齢者施設の服薬簡素化提言」等を踏まえ、検討すべきとの意見が出されました。まとめポリファーマシー対策と薬剤情報連携については、退院時の情報提供先による評価格差の解消、ポリファーマシー対策の評価制度の実効性向上、回復期での対応強化と質重視の評価への転換が求められています。薬剤総合評価調整加算の算定医療機関が16.7%、薬剤調整加算が月当たり約2,680件、薬剤適正使用連携加算が月13件という低い算定実績は、制度の抜本的な見直しの必要性を示しています。分科会での議論を踏まえ、今後の診療報酬改定において、これらの課題に対する具体的な改善策が検討されることが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
病院薬剤師の深刻な人手不足と診療報酬上の課題【2025年度入院・外来医療等分科会】
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、病院薬剤師の配置状況と診療報酬上の課題が明らかになりました。病院に勤務する薬剤師は5.66万人ですが、薬剤師偏在指標が全都道府県で1.0を下回り、全国的な不足状態にあります。この不足の背景には、病床機能による配置の偏在と、医師の処方に基づく調剤業務に対する院内処方と院外処方の診療報酬評価の格差という2つの構造的問題が存在します。分科会の分析により、3つの重要な課題が浮き彫りになりました。第1に、病院薬剤師の77.1%が特定機能病院や高度急性期・急性期病棟に集中し、回復期・慢性期病棟には22.9%しか配置されていません。第2に、回復期・慢性期病棟の薬剤師は調剤室等における対物業務の割合が高く、病棟での対人業務が十分に実施できていません。第3に、調剤業務に対する診療報酬について、院内処方と院外処方を比較すると評価に差があり、この点数差が薬局薬剤師数の大幅な増加と病院薬剤師数の人手不足の一因となっている可能性があります。全国的な病院薬剤師不足の実態病院薬剤師の不足は、薬剤師偏在指標という客観的指標で明確に示されています。薬剤師偏在指標は、地域で必要な薬剤師サービスを提供するための業務量に対する、現在提供されている薬剤師の労働量の割合を示す指標です。この指標が1.0を超える都道府県が病院薬剤師ではゼロであるという事実は、全国どの地域でも病院薬剤師が不足していることを意味します。病院薬剤師の偏在指標の全国値は0.80にとどまっています。一方、薬局薬剤師の偏在指標は全国値が1.08であり、18都道府県で1.0を超えています。この対照的な数値は、薬剤師という職種全体では一定数確保されているにもかかわらず、病院と薬局の間で人材の偏在が生じていることを示しています。病院薬剤師の不足は、単なる人数の問題だけでなく、医療提供体制全体に影響を及ぼします。病院薬剤師は入院患者への薬学的管理、医師への処方提案、他職種との連携など、病院医療の質を支える重要な役割を担っています。この人材不足により、こうした機能が十分に発揮できない状況が全国的に広がっています。病床機能による薬剤師配置の著しい偏在病院薬剤師の配置状況を病床機能別に分析すると、著しい偏在が明らかになります。特定機能病院や高度急性期・急性期病棟には77.1%の薬剤師が配置されている一方、回復期・慢性期病棟には22.9%しか配置されていません。この配置の偏りは、病床機能ごとに求められる薬剤師業務の違いと、診療報酬上の評価の差によって生じています。回復期・慢性期病棟に従事する薬剤師の業務内容には、特徴的な傾向があります。この病床機能の薬剤師は、中央業務と呼ばれる調剤室等における対物業務に従事する割合が、特定機能病院や高度急性期・急性期病棟に比較して高い状況です。対物業務とは、医師の処方に基づく医薬品の調剤業務を指します。高度急性期・急性期病棟の薬剤師は、病棟での対人業務により多くの時間を割いています。対人業務には、患者への服薬指導、医師への処方提案、薬物療法のモニタリング、多職種カンファレンスへの参加などが含まれます。回復期・慢性期病棟でもこうした対人業務の重要性は高いにもかかわらず、人員配置の制約から対物業務中心にならざるを得ない実態があります。病床機能による配置の偏在は、診療報酬上の評価の違いも影響しています。病棟業務実施加算は病棟での対人業務を評価する仕組みですが、対物業務である調剤業務については、後述するように院内処方と院外処方で評価に差があり、この構造が薬剤師の就業先選択に影響を与えている可能性があります。病棟業務実施加算の届出増加と対人業務の推進病院薬剤師が行う病棟業務、いわゆる対人業務に対する診療報酬上の評価として、病棟業務実施加算が設けられています。この加算の算定届出医療機関数は年々増加しており、病院薬剤師の対人業務を推進する効果を上げています。病棟業務実施加算の届出医療機関の増加は、薬剤師が病棟で患者に直接関わる業務の重要性が広く認識されてきたことを示しています。病棟業務実施加算を算定している病棟では、薬剤師による医師の負担軽減効果が確認されています。医師の負担軽減策として最も効果が高いのは「薬剤師による投薬に係る患者への説明」であり、病棟薬剤業務実施加算1算定病棟で51.7%、同加算2算定病棟で48.1%、加算届出なし病棟でも43.3%の医師が負担軽減に寄与していると回答しています。医師から薬剤師へのタスクシフト・シェアの実施状況としては、「医師への処方提案等の処方支援」が81.8%、「病棟等における薬学的管理等」が74.9%、「薬物療法に関する説明等」が70.9%と高い実施率を示しています。これらの取組は、医師の働き方改革と医療の質向上の両面で重要な役割を果たしています。病棟薬剤業務実施加算による対人業務の評価は、病院薬剤師の役割を変化させつつあります。調剤室での対物業務中心から、病棟での患者への直接的な薬学的管理へと業務の比重が移行しています。この変化は医療の質の向上に寄与する一方で、対物業務である調剤業務の評価のあり方も改めて問われることになっています。院内処方と院外処方の調剤業務に対する診療報酬評価の格差病院薬剤師不足の構造的要因として、医師の処方に基づく医薬品の調剤業務、いわゆる対物業務について、院内処方と院外処方を比較すると診療報酬上の評価に差があることが指摘されています。調剤業務は院内処方でも院外処方でも同じ内容であるにもかかわらず、診療報酬上の評価には大きな差があります。この評価差が、薬剤師の就業先選択に影響を与え、病院薬剤師不足の一因となっている可能性があります。具体的な点数差を外来処方の例で見ると、その格差は顕著です。服用時点が異なる内服薬が2種類、28日分処方されている患者の場合、外来院内処方では技術料の合計が32点(320円)です。一方、院外処方では一般的な薬局で調剤した場合、技術料の合計が238点(2,380円)となります。同じ調剤業務に対して、約7.4倍の評価差が存在することになります。院外処方では、調剤基本料45点、調剤管理料100点、薬剤調製料48点、服薬管理指導料45点など、複数の項目で評価が設定されています。さらに、夜間・休日等加算として40点が追加される仕組みもあります。院内処方では、調剤料と調剤技術基本料のみで、剤数によらず1処方当たりの点数がほぼ固定されています。分科会では、この評価差について2つの異なる意見が出されました。1つは、院内処方と院外処方との同一業務に対する報酬上の点数差が大きすぎるため、薬局薬剤師数が大幅に増加し、病院薬剤師数が人手不足に陥っていると考えられるので、再度検討すべきではないかという意見です。もう1つは、院内処方の評価を上げることで院内処方の増加につながる恐れがあるので、入院患者の調剤に対する評価を検討してはどうかという意見です。今後の検討課題と方向性分科会では、病院薬剤師不足への対応策として、入院患者の調剤に対する評価の検討が提案されました。現在の診療報酬体系では、外来における院内処方と院外処方の評価差が顕著ですが、入院患者に対する調剤業務についても適切な評価を行うことで、病院薬剤師の確保につながる可能性があります。病院薬剤師の人件費確保の観点からも、診療報酬上の評価は重要です。分科会では、薬剤師の人件費を賄う場合、病棟薬剤業務実施加算により150床程度の算定で得られる診療報酬でようやく1人分となり、小規模病院では当該診療報酬によって薬剤師の人件費が確保できない現状があるとの意見が出されました。病院薬剤師の配置偏在を解消するためには、回復期・慢性期病棟での薬剤師業務の評価も重要です。現在、これらの病棟では対物業務中心の配置となっていますが、高齢化の進展に伴い、ポリファーマシー対策や退院時の薬剤情報連携など、回復期・慢性期での薬剤師の役割はますます重要になっています。分科会でも、回復期以降の病棟での薬剤情報連携の状況について示してほしいとの意見や、その評価を検討すべきではないかとの意見が出されました。今後の診療報酬改定においては、病院薬剤師の確保と適正配置を促進するため、対物業務である調剤業務の評価、対人業務である病棟業務の評価、そして病床機能に応じた薬剤師配置の推進という3つの視点から、総合的な検討が求められています。まとめ病院薬剤師は全国的に不足しており、薬剤師偏在指標が全都道府県で1.0を下回る深刻な状況にあります。病院薬剤師の77.1%が特定機能病院や高度急性期・急性期病棟に集中し、回復期・慢性期病棟では対物業務中心の配置となっています。病棟業務実施加算の届出医療機関数は増加し、対人業務の推進が図られていますが、医師の処方に基づく調剤業務については、院内処方と院外処方で診療報酬上の評価に差があり、この構造的問題が病院薬剤師不足の一因となっている可能性があります。今後の診療報酬改定において、入院患者の調剤に対する適切な評価を含め、病院薬剤師の確保と適正配置を促進する方策の検討が求められています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
入院時食事療養の実態:30年ぶりの値上げでも解決しない質と経営の両立
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、入院時の食事療養に関する現状分析と今後の課題が報告されました。食費基準額は約30年ぶりに引き上げられたものの、医療機関の給食経営は依然として厳しい状況が続いています。この報告書では、食費基準額の引き上げ効果の検証結果、嚥下調整食の評価の必要性、食堂加算の実態と課題が明らかにされました。入院時食事療養の基準額は令和6年6月に1食当たり30円、令和7年4月に更に20円引き上げられました。しかし調査結果では、給食の質が向上したとの回答はわずかで、全面委託施設の約半数は給食委託費を増額し、直営施設の約半数は食材を安価なものに変更するなどの経費削減を行っていました。また嚥下調整食は特別食加算の対象外ですが、必要とする患者は一定数存在し、普通食より食材費が高いという課題があります。分科会では、患者負担増を含めた食費基準の更なる見直し、嚥下調整食の特別食加算への追加、食堂加算の要件見直しなどが提言されました。食費基準額引き上げの効果と医療機関の対応食費基準額は約30年ぶりに段階的な引き上げが実施されましたが、医療機関の給食運営に十分な改善をもたらしていません。令和6年6月の30円引き上げと令和7年4月の20円引き上げにより、1食当たりの総額は640円から690円となりました。この引き上げは食材費高騰への対応として実施されましたが、一般所得者の自己負担は460円から510円に増加し、低所得者には配慮した負担額が設定されています。基準額引き上げ後の医療機関の対応を調査した結果、令和6年6月から令和7年3月の期間と令和7年4月以降で大きな変化は見られませんでした。全面委託施設では約46%が給食委託費を増額したと回答し、一部委託や完全直営施設では約47%が食材料を安価なものに変更するなどの経費削減を実施していました。給食の質が上がったと回答した施設は全面委託で4.2%、一部委託で1.6%、完全直営で3.1%に過ぎず、基準額の引き上げが直接的に給食の質向上につながっていない実態が明らかになりました。委託事業者からの値上げ要請も相次いでおり、令和6年6月以降、全面委託の約7割、一部委託の約5割の医療機関が委託事業者から値上げの申し出を受け、契約変更に対応していました。完全直営の医療機関の3.6%(22施設)は、給食運営を委託から完全直営に切り替えるという選択をしていました。この対応は、委託費の上昇により直営化の方が経営的に有利と判断した結果と考えられます。分科会では、米などの食材費や人件費が更に高騰している現状を踏まえ、財源確保が困難であれば患者負担増も含めた見直しの検討が必要との意見が出されました。また経営努力により食材の組合せを変えて対応する場合、食事の質への影響が懸念されるため、給食のコスト構造を踏まえた実態把握と対応の検討が必要との指摘もありました。病院給食が赤字で提供されている実態を患者や国民に理解してもらった上で、一部自己負担での引き上げを検討することも選択肢の一つとの意見も出されています。嚥下調整食の課題と特別食加算への追加検討嚥下調整食は現在特別食加算の対象ではありませんが、必要とする患者は一定数存在し、その評価の必要性が指摘されています。栄養摂取が経口摂取のみの患者のうち、急性期病棟では約1割、包括期病棟では約2割、慢性期病棟では約4割が嚥下調整食の必要性があることが調査で明らかになりました。特に急性期一般入院料1では経口摂取のみの患者の約8%、回復期リハビリテーション病棟入院料1では約18%、療養病棟入院料1では約38%が嚥下調整食を必要としています。嚥下調整食は普通食より食材費が高いという課題があります。嚥下機能に配慮した食形態の調整や、見た目を改善した調理には特別な技術と手間が必要となり、それがコスト増につながっています。しかし見た目を改善し、適切な栄養量を確保した嚥下調整食の提供により、エネルギー摂取量の増加やADL(日常生活動作)の改善が認められたとの報告もあり、その医療的効果は明らかになっています。分科会では、嚥下調整食が必要な患者は一定数いるにもかかわらず特別食加算の対象となっていない点について、検討すべきではないかとの意見が出されました。また見た目や栄養量に配慮した嚥下調整食の取組は進めるべきだがコストがかかるため、どう整理するか検討の余地があるとの意見もありました。現在の特別食加算は腎臓食、肝臓食、糖尿食など15種類の疾病治療食が対象となっていますが、嚥下調整食は含まれていません。嚥下調整食を特別食加算の対象とすることで、医療機関は質の高い嚥下調整食を提供するインセンティブが働き、結果として患者の栄養状態改善とADL向上につながる可能性があります。ただし加算の追加には財源確保の課題もあるため、診療報酬改定での慎重な検討が求められます。食堂加算の算定実態と要件見直しの必要性食堂加算は一定基準を満たす食堂を備えた病棟の入院患者に食事を提供した場合、1日につき50円を算定できる制度です。算定率は約7割と高い水準にありますが、実際の食堂利用状況には課題があることが明らかになりました。食堂の有無を調査した結果、施設全体では65.0%が食堂を有していますが、急性期一般や特定機能病院では58.0%、地域包括ケアや回復期リハビリテーション病棟では77.0%、療養病棟では92.0%と、病棟機能により食堂の設置状況に差がありました。食堂での食事の状況を詳しく見ると、「希望する患者のみ食堂で食事をしている」が最も多く、全体で32.5%を占めています。「自分で移動が可能な患者は食堂で食事をしている」は18.3%、「病室で食事を希望する患者以外は食堂で食事をしている」は15.1%でした。一方で「新型コロナウイルス感染症の流行以前は食堂を使用していたが、現在はしていない」が13.2%、「新型コロナウイルス感染症の流行以前から食堂はあるが、使用していない」が9.3%と、食堂を設置しているにもかかわらず使用していない医療機関も一定数存在しています。病棟機能別に見ると、急性期一般や特定機能病院では「希望する患者のみ食堂で食事をしている」が34.0%と最も多く、次いで「新型コロナウイルス感染症の流行以前は食堂を使用していたが、現在はしていない」が14.2%でした。地域包括ケアや回復期リハビリテーション病棟では「希望する患者のみ食堂で食事をしている」が26.4%、療養病棟では「自分で移動が可能な患者は食堂で食事をしている」が33.0%と最も多くなっています。分科会では、食堂加算を算定していても食堂を使用していない実態があるのであれば、加算の在り方について検討が必要ではないかとの意見が出されました。食堂での食事は患者の社会性維持やリハビリテーション効果が期待できる一方で、感染対策や人員配置の問題から実際の運用が困難な場合もあります。加算要件の見直しにあたっては、食堂の実質的な利用状況を評価する仕組みの導入や、病棟機能に応じた柔軟な要件設定が検討課題となります。多様なニーズへの対応と特別料金の現状入院患者の多様なニーズに対応して、医療機関は患者から特別の料金の支払いを受けて特別メニューの食事を提供することができます。現行の制度では1食当たり17円を標準とする追加料金の目安が示されていますが、この金額設定の妥当性について疑問が呈されています。調査結果によると、約8割の医療機関は行事食の対応を追加料金なしで実施し、約2割から3割の医療機関は選択メニューやハラール食等の宗教に配慮した食事の対応を追加料金なしで行っていました。行事食は季節の節目や記念日に提供される特別な食事で、患者の生活の質向上に寄与する取組です。多くの医療機関がこれを通常の食事療養の範囲内で提供していることは、患者サービスの観点から評価できます。しかし選択メニューやハラール食などの個別対応は、食材の調達や調理工程の管理に追加的なコストが発生するにもかかわらず、多くの施設が追加料金を徴収せずに対応している実態が明らかになりました。分科会では、多様なニーズに対応した食事提供ができるよう配慮すべきだが、1食当たり17円という追加料金の目安は現状に合っていないので、見直しが必要ではないかとの意見が出されました。この17円という金額は、食材費や調理の手間を考慮すると不十分であり、医療機関が特別メニューを提供するインセンティブとして機能していない可能性があります。追加料金の目安を実態に即した水準に引き上げることで、医療機関がより積極的に患者の多様なニーズに応えられる環境整備が期待されます。ただし追加料金の引き上げは患者負担の増加につながるため、低所得者への配慮や、どこまでを保険診療の範囲内とするかの線引きについても慎重な検討が必要です。医療の一環として提供されるべき食事の基本的な質は確保しつつ、患者の選択の幅を広げる仕組みとして、特別料金制度の適切な運用が求められています。まとめ入院時食事療養をめぐる課題は、食費基準額の引き上げだけでは解決できない構造的な問題を抱えています。基準額は30年ぶりに1食当たり50円引き上げられましたが、給食の質向上にはつながらず、多くの医療機関は委託費の増額か食材の質を下げるかの選択を迫られています。嚥下調整食は医療的効果が認められながらも特別食加算の対象外であり、食堂加算は算定されていても実際には使用されていない実態があります。また多様なニーズへの対応に対する追加料金の目安も現状に合っていません。分科会では、患者負担増も含めた食費基準の更なる見直し、嚥下調整食の特別食加算への追加、食堂加算の要件見直し、特別料金の目安の改定などが今後の検討課題として提言されました。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
入院リハビリテーションの課題と今後の検討方向―調査・評価分科会が示した5つの重要論点
令和7年9月25日に開催された第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、入院中のリハビリテーションに関する検討結果のとりまとめ案が示されました。この分科会は、中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織の一つで、診療報酬制度の見直しに係る技術的課題の調査・検討を行う組織です。今回のとりまとめでは、療法士の病棟業務への関与、早期リハビリテーションの推進、書類の簡素化という重要な論点が示されました。とりまとめでは、入院中のリハビリテーションは身体機能の回復だけでなく、退院後の生活を見据えた生活機能の回復が求められるとの基本方針が示されました。現状の課題として、療法士の専従要件が病棟業務に従事することを妨げている可能性、早期介入の遅れ(14日以内に実施した症例の38%が3日以内に介入できていない)、土日祝日のリハビリテーション実施率の低さ、計画書の重複による事務負担の増加が指摘されています。これらの課題に対し、分科会委員からは、専従要件の明確化、早期介入の要件化、算定要件への土日実施の組み込み、書類の統合による簡素化などの意見が出されました。療法士の専従要件と病棟業務の明確化疾患別リハビリテーション料では、当該リハビリテーションを実施するために必要な療法士の数や専従要件が規定されています。この専従要件により、療法士は原則としてリハビリテーション室での訓練に専念することが求められてきました。しかし、現行の規定では、当該療法士が病棟業務に従事することに関する明確な規定がありません。入院中のリハビリテーションには、身体機能の回復や廃用症候群の予防だけでなく、退院後の生活を見据えた生活機能の回復のための介入が求められます。実際、急性期病棟においてリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算を算定している病棟では、算定していない病棟と比べて、療法士が生活機能の回復や栄養・口腔状態に係る項目へ関与している割合が高いことが調査で明らかになりました。具体的には、食事介助、更衣、排泄介助、体位交換などの生活機能の回復に向けた支援に、療法士が積極的に関与しています。この状況を踏まえ、分科会では「リハビリテーション室で実施されるリハビリテーションそのものの質が落ちないように留意しつつ、病棟でのリハビリテーションができることを明確化する必要がある」との意見が出されました。専従要件の見直しにより、療法士が病棟業務に従事できることを明確にすることで、入院患者の生活機能の回復をより効果的に支援できる体制が整備されると期待されます。早期リハビリテーション介入の推進早期のリハビリテーション介入は、患者の機能回復と早期退院において極めて重要な要素です。現在、早期のリハビリテーションを評価する加算として、急性期リハビリテーション加算、初期加算、早期リハビリテーション加算が設けられています。しかし、いずれの加算も発症日からリハビリテーション開始までの日数についての要件はなく、どのタイミングからでも算定可能という状況です。調査結果によると、14日以内に疾患別リハビリテーションを実施した症例のうち、3日以内に介入できていない割合は38%にのぼります。この遅れの背景には、土日祝日のリハビリテーション実施体制の問題があります。急性期一般入院料1〜6における土日祝日のリハビリテーション実施割合は、平日と比べて低い状況です。また、金曜日に入院した患者は、入院後3日以内にリハビリテーションを開始した患者割合が低いという結果も出ています。これらのデータを受けて、分科会では複数の重要な意見が出されました。「急性期のリハビリテーションでは、入院直後からなるべく早くリハビリテーションを開始することが重要であるため、急性期リハビリテーション加算等の評価の在り方について検討していく必要がある」との指摘がありました。さらに踏み込んで、「より早期の在宅復帰につなげるためにも、入院直後からリハビリテーションを開始して、土日も含めて中断しないようにすることを急性期リハビリテーション加算等の算定要件として検討しても良いのではないか。その際には必要なマンパワーについても合わせて検討すべき」との意見も出されました。施設外リハビリテーションの単位数上限の見直し社会復帰を目指す患者にとって、屋外などの実際の生活環境でのリハビリテーションは極めて重要です。調査結果では、急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟において、屋外等での疾患別リハビリテーションを実施した患者のうち、3単位を超えて実施した症例が45%にのぼることが明らかになりました。現行制度では、施設外でのリハビリテーションは1日3単位までという上限が設けられています。この上限により、社会復帰に向けた十分な訓練機会が制限されている可能性があります。実際、分科会では「社会復帰のための施設外でのリハビリテーションは重要であり、1日3単位までという単位数の上限は見直すべきではないか」との意見が出されました。施設外リハビリテーションでは、公共交通機関の利用、買い物、階段昇降など、実際の生活場面での動作訓練が可能になります。このような実践的な訓練は、病院内での訓練だけでは得られない効果があり、患者の退院後の生活の質の向上に直結します。単位数上限の見直しにより、より充実した社会復帰支援が可能になると考えられます。退院時リハビリテーション指導料の要件見直し退院時リハビリテーション指導料は、患者の退院時に、退院後の生活におけるリハビリテーションの継続や注意点を指導することを評価する診療報酬です。しかし、調査結果では、退院時リハビリテーション指導料を算定した患者のうち、疾患別リハビリテーション料を算定していない患者が33%いることが明らかになりました。特に在院日数が短い患者ほど、リハビリテーションを実施せずに退院時指導料のみを算定している傾向が見られました。この状況に対し、分科会では2つの異なる意見が出されました。一つは「退院時リハビリテーション指導料については、入院中にリハビリテーションを実施した患者の退院時に指導を行うという趣旨を徹底することと、早期のリハビリテーション開始に繋げるためにも入院中のリハビリテーションを要件化すべきではないか」という意見です。この意見は、退院時指導料の本来の趣旨である「入院中のリハビリテーションの継続」という観点を重視しています。一方で、「退院時リハビリテーション指導料は、高齢者の入院において、退院後に向けたリハビリテーションを周知する良い機会であると考えるため、入院中にリハビリテーションを実施していない場合に算定出来ないようにするかは慎重な議論が必要」との意見もありました。この意見は、短期入院の患者であっても、退院後のリハビリテーションの重要性を伝える機会として退院時指導を活用する価値を認めるものです。リハビリテーション関係書類の簡素化リハビリテーションに関する書類は、制度の発展とともに種類が増加し、現場の事務負担が大きくなっています。疾患別リハビリテーション料の算定にあたっては、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書の作成が必要です。これらの計画書は、医師が患者又はその家族等に対して内容を説明の上、交付する必要があります。現状では、複数の計画書や評価料が存在し、それぞれに作成頻度や算定頻度が異なっています。多職種でのリハビリテーション総合実施計画書の作成、評価による機能回復の促進を趣旨とするリハビリテーション総合計画評価料は、患者1人につき1月に1回算定できます。一方、定期的な機能検査等や効果判定による、リハビリテーションの質の担保を趣旨とするリハビリテーション実施計画書は、3か月に1回以上の頻度で交付することとなっており、計画書の作成と評価料の算定頻度の設定にずれが生じています。さらに、目標設定等支援・管理料とリハビリテーション総合実施計画書では重複する項目が多いことも指摘されています。目標設定等支援・管理料は、介護保険によるリハビリテーションへの移行が目的でしたが、平成31年3月31日をもって入院中以外の要介護被保険者への算定上限日数を超えた疾患別リハビリテーション料は廃止となりました。それにもかかわらず、書類の重複は解消されていません。これらの状況を踏まえ、分科会では「リハビリテーション関係書類は数が多く非常に煩雑であり、重複した書類が多いため、必要な記載を残しつつ簡素化する方法について、一部の書類の統合を含め技術的に検討すべき」との意見が出されました。書類の簡素化により、医療従事者の事務負担が軽減され、その時間を患者への直接的なケアに充てることができるようになると期待されます。まとめ入院・外来医療等の調査・評価分科会におけるリハビリテーションの検討結果は、今後の診療報酬制度の見直しに向けた重要な論点を示しています。療法士の専従要件の明確化による病棟業務への関与促進、早期リハビリテーション介入の要件化、施設外リハビリテーションの単位数上限の見直し、退院時リハビリテーション指導料の要件整理、リハビリテーション関係書類の簡素化という5つの主要な論点が浮き彫りになりました。これらの論点は、今後の診療報酬制度の見直しにおいて、入院患者の生活機能の回復を効果的に支援し、早期の在宅復帰を実現するための重要な検討事項となります。分科会での検討結果は、中央社会保険医療協議会総会に報告され、診療報酬改定の議論に活用されることになります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
国民医療費は増加するのに病院の7割が赤字―医療経営の構造的課題を解説
全日本病院協会の神野正博会長が「医療のトリセツ」シリーズ第2回で、国民医療費の増加と病院経営の深刻な課題について解説しています。近年、病院の倒産や廃業、小規模病院のクリニック化が相次いでいますが、その背景には医療経済特有の構造的問題があります。本記事では、神野会長の解説をもとに、なぜ医療費が毎年1兆円ずつ増加しているにもかかわらず、多くの病院が赤字経営に陥っているのか、その理由を明らかにします。国民医療費は高齢化と医療技術の進歩により毎年1兆円ずつ増加しています。医療をたくさん使う高齢者が増加し、お金のかかる先端医療も増えているためです。しかし、診療報酬という公定価格は上げることができない一方で、人件費や材料費などの経費は増加し続けています。この価格と経費の板挟み構造により、診療量が多くても赤字になる病院が増加しており、神野会長は全国の病院の約7割が赤字であると指摘しています。この状況は、医療提供体制の持続可能性を脅かす危機的状況です。国民医療費の増加要因と日本経済の停滞国民医療費は毎年1兆円ずつ増加しており、この増加ペースは他の業界には見られない特徴的な現象です。神野会長は、日本のGDPがほぼ横ばいで推移する中、国民医療費だけが右肩上がりで増加している現状を指摘しています。この増加の主な要因は2つあります。第1に高齢化の進行です。高齢者は若年層と比較して医療サービスを多く利用するため、高齢者人口の増加に伴い医療費全体が膨らんでいます。第2に医学・医療技術の進歩です。先端医療技術の導入により、これまで治療が困難だった疾患への対応が可能になりましたが、高度な医療機器や新薬の使用には多額の費用がかかります。この状況を見ると、「毎年1兆円も増えているのだから、病院は儲かっているのではないか」という疑問が生まれます。しかし実態は正反対です。多くの病院が赤字経営に陥っており、神野会長は全国の病院の約7割が赤字であると指摘しています。市場経済と医療経済の決定的な違い病院経営の困難を理解するには、一般的な市場経済と医療経済の違いを知る必要があります。神野会長は、この違いを利益の計算式を用いて明快に説明しています。一般的な市場経済では、総売上は価格と量で決まり、利益は価格から経費を引いたものに量を掛けて算出されます。市場経済では、経費が増加して利益が減少した場合、企業は価格を引き上げることで対応できます。最近の物価高騰も、多くの企業がこの方法で経営を維持しようとしている結果です。しかし医療の場合は状況が全く異なります。医療における価格とは診療報酬であり、これは国が定める公定価格です。病院は独自の判断で診療報酬を引き上げることができません。一方で、人件費、医療材料費、設備関係費などの経費は年々増加しています。価格を上げられない状況で経費だけが増加すれば、診療量をいくら増やしても赤字が拡大します。この価格統制と経費増加の板挟み構造こそが、国民医療費が増加しているにもかかわらず病院経営が悪化する根本的な理由です。診療報酬改定は2年に1度実施されますが、物価上昇や人件費上昇を十分に反映した改定率となっていないため、病院の経営環境は年々厳しさを増しています。病院経営の現状と持続可能性への警鐘多くの病院が赤字経営に陥っている現状は、医療提供体制の持続可能性を脅かす重大な問題です。神野会長は全国の病院の約7割が赤字であると指摘し、この状況を将来の医療提供体制を考えたときに大きな問題であると警鐘を鳴らしています。赤字経営が続けば、病院は経営を維持できなくなり、倒産や廃業、規模縮小を余儀なくされます。実際に、小規模病院がクリニックに転換するケースや、地域医療を支えてきた病院が閉院するケースが全国各地で報告されています。医療機関が減少すれば、地域住民が必要な医療を受けられなくなる医療過疎が深刻化します。特に救急医療を担う病院では、救急搬送受入件数が多いほど医業費用が増加し、医業利益率が低下する傾向が明らかになっています。地域医療に不可欠な機能を担う病院ほど経営が厳しくなるという矛盾した構造が、医療提供体制全体の弱体化を招いています。診療報酬という公定価格制度のもとでは、病院が経営努力だけで赤字を解消することには限界があります。持続可能な医療提供体制を確保するには、診療報酬制度の抜本的な見直しや、医療機関の経営を支える新たな財政措置が必要です。まとめ国民医療費は高齢化と医療技術の進歩により毎年1兆円ずつ増加していますが、診療報酬という公定価格を引き上げられない一方で経費が増加し続けるため、多くの病院が赤字経営に陥っています。神野会長は全国の病院の約7割が赤字であると指摘し、医療提供体制の持続可能性への危機感を表明しています。市場経済とは異なり、医療経済では価格を自由に設定できないという構造的問題が、病院経営を圧迫しています。この状況は医療提供体制の持続可能性を脅かす重大な課題であり、診療報酬制度の見直しを含めた対策が急務です。神野会長の解説は、私たちが普段意識することの少ない医療経済の特殊性と、病院経営が直面する深刻な現実を明らかにしています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
日本の医療が抱える「トリレンマ」とは?全日病会長が解説する医療の未来
全日本病院協会会長の神野正博氏がYouTube動画シリーズ「医療のトリセツ」第1回を公開しました。この動画では、日本の医療システムが直面する「トリレンマ」について解説しています。日本の医療は現在、医療従事者や病院の犠牲の上に「アクセス」「コスト」「質」という3つの要素を何とか満たしています。しかし、働き方改革や物価上昇により、この仕組みは限界を迎えつつあります。日本の医療は、世界の常識である「オレゴンルール」を無視した形で3つの要素を満たしていますが、今後は2つを選択する必要に迫られています。オレゴンルールによれば、医療における3つの要素(アクセス、コスト、質)を同時に満たすことは不可能です。日本の医療システムは現在、医療従事者と病院の犠牲によって3つを何とか維持しています。しかし、働き方改革と物価上昇により、国民はどの2つを優先するかの選択を迫られています。オレゴンルールが示す医療の本質医療システムを構成する3つの要素は、同時に満たすことができないという原則があります。この原則は、アメリカのオレゴン州で確立された考え方で、「オレゴンルール」と呼ばれています。このルールは、医療における3つの要素、すなわち「アクセス(医療にかかりやすさ)」「コスト(費用)」「質」を同時に全て満たすことは不可能であるため、国民は2つを選ぶしかないという考え方です。この原則は、世界の医療システムにおける常識とされています。医療資源は有限であるため、3つの要素すべてを高い水準で維持することは現実的ではありません。そのため、各国は自国の事情や国民の価値観に応じて、3つのうち2つを優先する選択をしています。この選択が、各国の医療システムの特徴を決定づけています。世界各国の医療システムにおける選択世界の主要国は、オレゴンルールに従って異なる選択をしています。それぞれの選択には、明確な利点と引き換えに犠牲にする要素があります。「すぐに診てもらえて安い」という選択は、患者にとって魅力的に見えます。この組み合わせでは、医療へのアクセスが良好で、費用負担も軽くなります。しかし、資源が有限である以上、医療の質を犠牲にせざるを得ません。多くの患者を短時間で診察することになるため、一人ひとりへの丁寧な対応や高度な医療の提供が難しくなります。「安くて質が高い」という選択は、費用を抑えながら良質な医療を提供します。イギリスの医療システムがこの典型例です。イギリスでは、国民は比較的安い費用で質の高い医療を受けられます。しかし、その代償として、手術や専門医の診察まで長期間待たされることがあります。医療へのアクセスが制限されることで、コストと質のバランスを保っているのです。「すぐに診てもらえて質が高い」という選択は、最高水準の医療を提供します。アメリカの医療システムがこの例に該当します。アメリカでは、患者は迅速に専門医の診察や高度な治療を受けられます。ただし、この利便性と質の高さには高額な費用が伴います。高い保険料や自己負担を覚悟する必要があります。日本の医療システムの現状と持続可能性の課題日本の医療システムは、世界的に見て特異な状況にあります。日本では現在、「すぐに診てもらえて、費用もそこそこで、質も高い」という3つの要素が何とか成り立っています。これは、オレゴンルールを無視している状態です。この一見理想的な状況は、医療従事者と病院の犠牲の上に成り立っています。医療従事者は長時間労働を強いられ、病院は厳しい経営環境の中で診療報酬の範囲内で質の高い医療を提供し続けています。この仕組みによって、国民は世界的に見ても恵まれた医療環境を享受してきました。しかし、この仕組みは持続可能性の限界に達しつつあります。働き方改革により、これまでの長時間労働を前提とした医療提供体制を維持することが困難になっています。同時に、物価上昇や賃金上昇により、病院経営はさらに厳しさを増しています。これらの変化により、日本国民は重要な選択を迫られています。医療の3つの要素のうち、どの2つを優先するのか。この選択は、今後の日本の医療システムの方向性を決定づける重大な決断となります。まとめ日本の医療システムは、医療従事者と病院の犠牲によって、世界的に稀な「3つの要素を満たす医療」を実現してきました。しかし、働き方改革と経済環境の変化により、この仕組みの維持は困難になっています。神野会長が提起した「トリレンマ」は、今後の日本の医療を考える上で避けて通れない課題です。国民一人ひとりが、医療の未来について真剣に考え、議論する時期に来ています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
GLIM基準の活用状況が明らかに:病棟種別で最大約60ポイントの差、地域包括医療病棟100%達成の背景
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会は、令和6年度診療報酬改定で導入された栄養管理体制の基準明確化に関する調査結果を公表しました。この改定では、世界の主要栄養学会が策定したGLIM基準を活用した低栄養評価が推奨されました。調査の目的は、GLIM基準の活用状況と低栄養患者の実態を把握し、今後の栄養管理体制の充実に向けた課題を明らかにすることです。調査結果は、病棟種別によってGLIM基準の活用状況に大きな差があることを示しました。GLIM基準の活用率は、地域包括医療病棟が100%と最も高く、特定機能病院が40.4%と最も低い状況です。低栄養リスクを有する患者の割合は、急性期一般入院料で約4割、地域包括医療病棟等で約8割に達しました。GLIM基準による低栄養(重度・中等度)に該当する患者は、地域包括医療病棟や回復期リハビリテーション病棟等で約3割を占めました。GLIM基準の導入により、多職種連携が進んだという回答が約5割ありました(回復期リハビリテーション病棟入院料1での調査)。分科会では、管理栄養士の病棟配置が的確な栄養スクリーニングを可能にしているとの評価がなされました。GLIM基準の活用状況に見る病棟種別の特徴GLIM基準の活用率は病棟種別で顕著な差を示しています。地域包括医療病棟入院料を算定している施設では100%がGLIM基準を栄養管理手順に位置づけていました。この高い活用率は、令和6年度改定で栄養管理体制の基準が明確化され、標準的な栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価が求められたことに対応したものです。地域包括医療病棟に続いて、回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定している施設が98.0%、地域包括ケア病棟入院料を算定している施設が80.8%とGLIM基準を活用していました。これらの病棟では、退院後の生活を見据えた栄養管理が特に重視されています。対照的に、特定機能病院入院基本料を算定している施設では40.4%にとどまりました。急性期一般入院料1を算定している施設でも73.6%と、地域包括系の病棟と比較して低い水準です。特定機能病院では高度急性期医療に重点が置かれており、栄養管理手順へのGLIM基準の組み込みが他の病棟種別と比べて進んでいない実態が明らかになりました。低栄養リスク患者の分布から見える病棟機能の違い低栄養リスクを有する患者の割合は、病棟の機能特性によって大きく異なります。急性期一般入院料を算定している病棟では、低栄養リスクを有する患者が約4割でした。急性期病棟では、手術や急性疾患の治療を目的とした入院が中心であり、比較的短期間の入院が想定されています。地域包括医療病棟では、低栄養リスクを有する患者が約8割に達しました。地域包括ケア病棟入院料や回復期リハビリテーション病棟でも同様に高い割合を示しています。これらの病棟では、急性期治療を経た患者や在宅復帰を目指す患者を受け入れており、低栄養リスクの高い患者層が集中する傾向にあります。療養病棟入院料を算定している病棟でも、低栄養リスクを有する患者の割合は高い水準です。療養病棟では長期療養を必要とする患者が多く、栄養状態の維持が重要な課題となっています。病棟種別による低栄養リスク患者の分布の違いは、各病棟が担う医療機能と患者特性を反映したものといえます。GLIM基準による低栄養患者の実態と評価の精度GLIM基準による低栄養(重度・中等度)に該当する患者は、地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟等で約3割を占めました。この結果は、単なる低栄養リスクの評価を超えて、GLIM基準による具体的な低栄養診断が行われている実態を示しています。GLIM基準では、表現型基準(意図しない体重減少、低BMI、筋肉量減少)と病因基準(食事摂取量減少・消化吸収能低下、疾病負荷・炎症)の両方から評価し、重症度判定まで行います。分科会では、地域包括医療病棟で低栄養リスク患者が多く検出されている要因について議論されました。管理栄養士が病棟配置されていることで、的確な栄養スクリーニングが実施できているという評価です。病棟配置された管理栄養士は、患者の日々の食事摂取状況を直接観察し、他職種と密接に連携して栄養状態を評価できます。分科会からは、低栄養リスクだけでなくGLIM基準で低栄養と判定された患者の状況についても詳細に示すべきとの指摘がありました。今後は、低栄養と判定された患者に対する栄養管理計画の内容や、栄養状態の改善度合いなど、より詳細な分析が求められています。GLIM基準導入がもたらした多職種連携の進展と課題回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定している病棟を対象とした調査では、GLIM基準の評価導入による影響が明らかになりました。「栄養評価に時間がかかるようになった」という回答が69.9%と最も多く、標準的な評価基準の導入に伴う業務負担の増加が示されています。GLIM基準では、体重減少率やBMI、筋肉量の測定など、複数の指標を総合的に評価する必要があります。一方で、「多職種連携が進んだ」という回答が52.8%に達しました。この結果は、GLIM基準という共通の評価基準を用いることで、医師、看護師、管理栄養士、リハビリテーション職種などが、患者の栄養状態について同じ認識を持ち、協働して栄養管理に取り組めるようになったことを示唆しています。「低栄養と判定される患者が増えた」という回答も39.2%ありました。これは、GLIM基準という標準的な評価基準の導入により、従来は見逃されていた低栄養患者が適切に抽出されるようになった可能性を示しています。栄養評価の精度向上は、適切な栄養介入の実施につながり、患者の予後改善に寄与することが期待されます。栄養管理体制の充実に向けた今後の展望令和6年度診療報酬改定では、栄養管理体制の基準が明確化され、標準的な栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価が入院基本料等の施設基準に位置づけられました。各医療機関は、機能や患者特性等に応じた栄養管理手順を作成し、GLIM基準を活用することが望ましいとされています。今回の調査結果は、病棟種別によって取り組み状況に差があることを示しました。特定機能病院をはじめとする急性期病棟でのGLIM基準活用率の向上が課題です。高度急性期医療を担う病棟においても、患者の栄養状態を的確に評価し、早期から適切な栄養介入を行うことは、治療効果の向上や合併症の予防につながります。病棟の特性に応じた栄養管理手順の整備と、多職種による協働体制の構築が求められています。地域包括医療病棟や回復期リハビリテーション病棟での成功事例は、管理栄養士の病棟配置の重要性を示しています。病棟に配置された管理栄養士は、患者の栄養状態を継続的にモニタリングし、医師や看護師、リハビリテーション職種と密接に連携して、個別性の高い栄養管理計画を実施できます。分科会での議論を踏まえ、今後はGLIM基準で低栄養と判定された患者に対する栄養介入の内容や効果についても詳細な分析が進められる見込みです。標準的な評価基準の活用により、栄養管理の質の向上と、エビデンスに基づいた栄養介入の推進が期待されます。退院後の生活を見据えた入院患者の栄養管理体制の充実は、医療の質向上に欠かせない要素となっています。まとめ令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会の調査結果は、GLIM基準の活用状況が病棟種別で大きく異なることを明らかにしました。地域包括医療病棟での100%活用という成果は、管理栄養士の病棟配置による的確な栄養スクリーニング体制の重要性を示しています。回復期リハビリテーション病棟入院料1での調査では、多職種連携の進展という効果も確認されました。今後は、急性期病棟を含むすべての病棟種別での標準的な栄養評価体制の構築と、低栄養患者に対する効果的な栄養介入の実践が課題です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
医療機関の身体的拘束を最小化する取組:令和6年度診療報酬改定の効果と課題
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会は、医療機関における身体的拘束の実態を明らかにしました。高齢患者の増加に伴い、身体的拘束の実施率は施設によって大きな差があります。患者の尊厳を守る観点から、身体的拘束を最小化する組織的な取組が求められています。分科会の調査結果によると、身体的拘束の実施率は急性期から慢性期まで幅広く、特に認知症患者において実施率が高いことが判明しました。令和6年度診療報酬改定では認知症ケア加算の見直しが行われ、身体的拘束を実施した日の算定割合は28.1%に減少しています。身体的拘束を最小化するための指針は9割の医療機関で策定されているものの、管理者から職員への方針発信や代替方策の検討といった具体的な取組は5割から7割程度にとどまっています。身体的拘束を減らすには、経営者や管理者のリーダーシップによる組織一丸となった取組が必要です。身体的拘束の実施状況と実施理由身体的拘束の実施状況は病棟の種類によって異なり、実施理由も多様です。急性期から慢性期までの多くの入院料で、身体的拘束の実施率は0%から10%未満の施設が最も多い状況です。一方、回復期リハビリテーション病棟では実施率20%以上の施設が約3割、療養病棟と障害者施設等入院基本料では約4割を占めています。身体的拘束の実施理由として、治療室と療養病棟では「ライン・チューブ類の自己抜去防止」が5割を超えています。地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、障害者施設では「転倒・転落防止」が5割を超えています。身体的拘束が行われている患者のうち、「常時:手指・四肢・体幹抑制」の割合は、治療室、地域包括医療病棟、療養病棟で約4割に達しています。身体的拘束の実施期間について、調査基準日から過去7日間において身体的拘束を実施した日数が「7日間」である割合を見ると、地域包括ケア病棟で70.7%、回復期リハビリテーション病棟で78.8%、療養病棟で89.3%、障害者施設等で86.7%となっています。この数値は、これらの病棟では身体的拘束が継続的に実施されている実態を示しています。認知症患者と身体的拘束の関係認知症患者における身体的拘束の実施率は、認知症のない患者と比較して顕著に高い状況です。患者の状態別の身体的拘束の実施状況では、「認知症あり」「BPSDあり」「せん妄あり」の患者において実施率が高くなっています。要支援よりも要介護の患者で実施率が高く、認知症高齢者の日常生活自立度が低いほど実施率が高い傾向があります。いずれの入院料においても、「認知症あり」の場合は身体的拘束の実施率が高い結果となっています。「認知症なし」の場合における身体的拘束の実施率は、治療室で26.2%、療養病棟で11.7%、障害者施設等で25.1%ですが、それ以外の病棟では10%以下です。認知症の有無が身体的拘束の実施に大きく影響していることが明らかになっています。認知症患者の適切な医療を評価する目的で、平成28年度診療報酬改定において認知症ケア加算が新設されました。令和6年度診療報酬改定では、身体的拘束を実施しなかった日と実施した日の点数についてそれぞれ見直しが行われています。「身体的拘束を実施した日」として算定した割合は、令和6年では28.1%と減少に転じています。特に認知症ケア加算1では、令和5年の29.8%から令和6年の25.8%へと4%減少しており、診療報酬改定の効果が表れています。身体的拘束を最小化する組織的取組身体的拘束を最小化するには、指針の策定と体制整備が重要です。令和6年11月1日時点において、身体的拘束を最小化するための指針を策定している医療機関は90.9%、身体的拘束の実施・解除基準を策定している医療機関は90.1%となっています。令和6年度診療報酬改定では、入院料の施設基準に身体的拘束を最小化する体制整備が規定されています。身体的拘束廃止に向けた方針として、「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き(令和6年3月)」では、特に管理者等の責任者が「身体的拘束を原則しない」という決意を持つことが示されています。責任者は職員をバックアップする方針を徹底し、組織一丸となって考えを共有して取り組む必要があります。身体的拘束を必要としない環境の整備、患者本人や家族との対話や意思確認、やむを得ず身体的拘束を行った場合でも常に代替手段を検討することが求められています。身体的拘束を予防・最小化するための具体的な取組として、「院長・看護師長が、身体的拘束を最小化する方針を自らの言葉で職員に伝え、発信している」医療機関は53.4%です。「身体的拘束が行われるたびに、代替方策がないかどうか複数人数で検討する仕組みがある」医療機関は71.0%となっています。身体的拘束最小化の指針の中に薬物の適正使用についての内容を定めている施設は40.9%です。職員向けのデータの可視化に取り組んでいる施設は47.2%ですが、対外的に公表している施設は10.7%にとどまっています。令和6年度診療報酬改定において、DPC/PDPSの機能評価係数Ⅱにおける新たな評価として、医療の質に係るデータの提出や病院情報等の公開を評価するようになりました。この指標の1つとして身体的拘束の実施率が含まれており、医療機関の取組を促進する仕組みが整備されています。分科会での議論と今後の方向性分科会では、身体的拘束を最小化する取組の推進について活発な議論が行われました。委員からは、入院患者として高齢者が増えている中で、転倒防止のために行動を制限することは本末転倒であるとの意見が出されています。医療機関内で転倒しても大事に至らないような環境整備等を行うとともに、不要な医療処置は行わない、早期に慣れた環境に戻るなどの対応が進むように社会全体での議論を醸成していくべきとの指摘があります。身体的拘束を最小化する取組は、患者の尊厳を守る観点からも重要であり、取組を推進する工夫が必要です。経営者や管理者のリーダーシップをはじめとして組織一丸となっての取組が求められています。指針の策定は進められている一方で、患者に医療処置を説明する掲示物の導入、緩衝マットの活用、管理者から職員への発信等の取組は比較的実施が少ないことが調査結果からも明らかになっています。委員からは、身体的拘束を最小化する取組への努力は必要だが、転倒・転落のリスクは生じるとの指摘もあります。離床センサーマットの活用や段差の解消等は必要ですが、家族の理解も重要となります。病院にいたら転倒しないと思われるのは異なるため、風土を醸成する必要があります。組織が一丸となって取り組むことも重要であり、そのような取組が表に出やすい評価を工夫する必要があるとの意見が出されています。認知症ケア加算について、令和5年から令和6年にかけて身体的拘束の実施割合が減少していますが、令和6年度診療報酬改定による減算の見直しによって身体的拘束が減少しているのだとすれば、もう少し評価を厳格化することもあり得るのではないかとの意見もあります。ICTやAIの活用で拘束を減らすことを評価するようなプラスの評価も重要であり、取組をインセンティブとして活用するのがよいのではないかとの提案もなされています。まとめ入院・外来医療等の調査・評価分科会の調査結果から、医療機関における身体的拘束の実施状況と課題が明らかになりました。身体的拘束の実施率は施設によって大きな差があり、特に認知症患者において実施率が高い状況です。令和6年度診療報酬改定による認知症ケア加算の見直しは一定の効果を示していますが、身体的拘束を最小化する具体的な取組は道半ばです。経営者や管理者のリーダーシップのもと、組織一丸となって患者の尊厳を守る医療を実現することが求められています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
意思決定支援の診療報酬要件化後の実態調査:医療機関の指針策定は8割達成も残る課題
令和6年度診療報酬改定では、人生の最終段階における適切な意思決定支援を推進するため、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえた指針の策定が入院料の通則に規定され、原則としてすべての入院料の算定要件となりました。改定後の令和6年11月時点で、入院・外来医療等の調査・評価分科会は医療機関における実施状況の調査結果をまとめました。本稿では、この調査結果と分科会で示された今後の課題について報告します。調査結果から、意思決定支援の指針策定は着実に進展しているものの、地域全体での情報共有と多職種連携に課題があることが明らかになりました。入院料の算定要件となった指針策定は80.3%の医療機関で完了し、定期的な見直しも70.5%の医療機関で実施されています。一方、地域包括診療料等の届出医療機関における指針策定率には病院と診療所で大きな格差があり、病院84.0%に対して診療所は19.6%にとどまりました。さらに、分科会では地域での情報共有プロセスの評価、患者本人の意思決定を尊重する評価の在り方、多職種間の認識一致という3つの重要な課題が提起されました。入院料における意思決定支援の実施状況:8割の医療機関が指針策定を完了入院料の算定要件となった意思決定支援の指針策定は、令和6年11月時点で8割の医療機関において完了しています。調査では、指針を作成している医療機関は80.3%でした。この指針は、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、患者本人の意思決定を支援するプロセスを定めたものです。指針策定だけでなく、定期的な見直しも重要な要件となっています。調査では、定期的な見直しを行っている医療機関は70.5%でした。指針は一度作成すれば終わりではなく、医療現場の実態や患者ニーズの変化に応じて継続的に改善していく必要があります。定期的な見直しの実施率が策定率よりやや低い点は、今後の改善が求められる領域といえます。令和6年度診療報酬改定では、意思決定支援の指針策定を原則としてすべての入院料の算定要件としました。この要件化の対象から除外されたのは、小児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料、小児入院医療管理料、児童・思春期精神科入院医療管理料を算定する病棟のみを有する医療機関です。これらの病棟では、患者の特性上、人生の最終段階における意思決定支援の在り方が成人とは異なるため、別途の配慮が必要と判断されました。経過措置として、令和6年3月31日時点で入院基本料等の届出を行っていた病棟については、令和7年5月31日まで指針の作成基準を満たすものとみなされます。この経過措置により、医療機関は時間的余裕を持って指針の策定と院内体制の整備を進めることができます。地域包括診療における意思決定支援の実施状況:病院と診療所で大きな格差地域包括診療料・加算、認知症地域包括診療料・加算においても、令和6年度診療報酬改定で意思決定支援の指針策定が要件に追加されました。これらの診療報酬は、複数の慢性疾患を有する患者に対して、継続的かつ全人的な医療を提供することを評価するものです。患者の価値観や生活背景を踏まえた意思決定支援は、このような包括的な医療提供において不可欠な要素となります。令和6年11月時点の調査では、指針を作成している病院は84.0%であった一方、診療所は19.6%にとどまりました。病院と診療所の間には64.4ポイントという大きな格差が存在しています。この格差の背景には、診療所における人的リソースや体制整備の困難さがあると考えられます。診療所では医師数が限られており、指針の策定や院内教育に割ける時間的余裕が少ないという実情があります。定期的な見直しを行っている医療機関については、病院67.5%、診療所51.2%でした。指針策定率と同様に病院と診療所で差がありますが、策定率ほどの大きな格差ではありません。診療所において、一度指針を策定した医療機関では、比較的高い割合で見直しが実施されていることがわかります。地域包括診療料と地域包括診療加算の届出医療機関に限定すると、指針策定率はそれぞれ70.1%、41.5%でした。地域包括診療料の届出医療機関では7割が指針を策定している一方、地域包括診療加算の届出医療機関では4割程度にとどまっています。地域包括診療加算は主に診療所が算定する加算であり、前述の診療所全体の傾向と一致しています。分科会で示された今後の課題:地域連携と多職種連携の強化が鍵入院・外来医療等の調査・評価分科会では、調査結果を踏まえて今後の課題について議論が行われました。分科会での評価・分析に関する意見からは、意思決定支援をさらに推進するための3つの重要な方向性が示されました。第一の課題は、地域全体での切れ目ない情報共有の推進です。分科会では、入院時における自院以外の施設からの医療・ケアの方針についての情報提供の有無について、改定前と大きく変化がないことが指摘されました。この状況を改善するため、意思決定支援とアドバンス・ケア・プランニングの情報提供に係る一連のプロセスについて評価を行うべきとの意見が出されました。患者が医療機関や施設を移動する際に、それまでの意思決定支援の内容が適切に引き継がれることが重要です。第二の課題は、患者本人の意思決定を尊重する評価の在り方です。分科会では、患者本人が意思決定の主体となることから、医療機関が個別にアドバンス・ケア・プランニングに係る指導を行うことを押し付けるような評価は行うべきではないとの指摘がありました。意思決定支援は、医療者が一方的に進めるものではなく、患者本人の意思や価値観を最大限尊重しながら、必要な情報提供と対話を通じて行うべきものです。診療報酬上の評価も、このような本質を踏まえた設計が求められます。第三の課題は、多職種間の認識一致です。分科会では、アドバンス・ケア・プランニングに関して、多職種間での理解の不一致がある場合があるため、多職種間の認識一致を目指していくべきとの意見がありました。意思決定支援は、医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション専門職、医療ソーシャルワーカーなど多様な職種が関わる取組です。各職種がアドバンス・ケア・プランニングの目的や方法について共通の理解を持ち、チームとして一貫した支援を提供することが求められます。まとめ:指針策定の進展と残された課題への対応令和6年度診療報酬改定により意思決定支援の指針策定が入院料の要件となり、令和6年11月時点で8割の医療機関で指針策定が完了しました。一方、地域包括診療における診療所の対応状況には課題が残り、地域全体での情報共有と多職種連携の強化が今後の重要な方向性として示されました。分科会で提起された3つの課題に対応することで、患者本人の意思を尊重した質の高い医療提供体制の構築が期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
人口・医療資源の少ない地域の医療提供体制|派遣元医療機関の評価と基準緩和の必要性
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、人口・医療資源の少ない地域における医療提供体制の在り方が検討されました。人口規模が小さい二次医療圏では、2012年から2022年にかけて診療所数が減少傾向にあり、従事する医師の高齢化も進んでいます。この現状は、地域医療提供体制の維持が困難になりつつあることを示しており、持続可能な体制構築に向けた評価の見直しが急務となっています。分科会では、へき地医療拠点病院等による医師派遣が地域医療の継続に寄与していること、オンライン診療の活用が進んでいる一方で地域特有の課題も存在すること、そして地域の実情を踏まえた評価の在り方の見直しが必要であることが明らかになりました。特に、巡回診療、医師派遣、代診医派遣を実施する派遣元医療機関の機能に着目した評価、人口の少ない二次医療圏における総合入院体制加算等の件数要件達成の困難さへの対応、都市部とは性質が異なる人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療の特性を考慮した評価が重要な論点として議論されました。人口・医療資源の少ない地域の現状と課題人口・医療資源の少ない地域では、診療所数の減少と医師の高齢化が同時進行しており、地域医療提供体制の維持が深刻な課題となっています。人口規模が小さい二次医療圏においては、2012年から2022年にかけて診療所数が減少傾向にあります。この減少傾向に加えて、従事する医師の高齢化も進んでいます。二次医療圏の人口規模と医療資源には大きなばらつきがあります。全二次医療圏の人口平均値は約28.2万人であり、中央値は約22.3万人でした。全二次医療圏の平均値以下である二次医療圏は268医療圏に上り、全国の人口密度以下である二次医療圏は194医療圏でした。このような人口密度のばらつきは、地域ごとに異なる医療提供体制の課題を浮き彫りにしています。ヒアリング調査では、地域医療の維持に関する具体的な課題が明らかになりました。地域の外来診療を近隣病院からの医師派遣に頼っている現状があります。へき地で高齢者を対象にオンライン診療を実施する場合には、機器の操作などを手助けするためのコストや時間がかかる現状も指摘されました。さらに、地域の外来診療を、へき地医療拠点病院ではない近隣病院からの医師派遣に頼っている実態も報告されました。へき地医療拠点病院等による医師派遣の実態と役割へき地医療拠点病院は、主要3事業を通じて地域医療提供体制の確保において重要な役割を担っています。主要3事業とは、巡回診療、医師派遣、代診医派遣を指します。これらの事業の実施状況について、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の届出の有無と実施状況に大きな違いは見られませんでした。ただし、代診医派遣については、届出のない医療機関と比較して、届出のある医療機関の方が多く実施していました。へき地医療拠点病院の約半数は、20万人未満二次医療圏に所在しています。人口20万人未満の小さな二次医療圏におけるへき地医療拠点病院では、20万人以上二次医療圏のへき地医療拠点病院と比較して、総合入院体制加算や急性期充実体制加算を届け出ている病院の割合が低い状況でした。このような拠点的な病院では、自院における救急搬送受入や手術等の診療に加えて、当該事業等を通じて地域医療提供体制の確保において重要な役割を担っている病院もあると考えられます。急性期拠点機能を担う医療機関は、地域の医療資源の状況を踏まえた取り組みを行っています。地域医療構想調整会議での協議のうえ、地域の医療機関へ代診医などの医師を派遣することが想定されています。この医師派遣の仕組みは、へき地医療拠点病院に限らず、へき地医療拠点病院以外の医療機関においても実施されているとのヒアリング調査結果が得られました。オンライン診療の活用状況と地域特有の課題人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療の活用は着実に進展しています。情報通信機器を用いた診療の届出を行っているへき地医療拠点病院は83施設、へき地診療所は134施設でした。へき地拠点病院において、オンライン診療による巡回診療を実施した医療機関は7施設であり、実施した巡回診療のうちほとんどをオンライン診療で実施している医療機関もみられました。情報通信機器を用いた診療により算定可能な医学管理料の算定回数は増加傾向にあります。令和6年度改定前から算定可能な医学管理料の多くで増加が確認されました。都道府県別の情報通信機器を用いた診療による医学管理料の算定回数については、管理料ごとにそれぞれ地域差が見られます。この地域差は、各地域の医療提供体制や患者ニーズの違いを反映していると考えられます。人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療は、都市部とは異なる特性を有しています。外来医療について代替手段が乏しく、医療アクセスが困難である地域への補完という特性があります。都市部における利便性向上を目的としたオンライン診療とは性質が異なるとの意見が分科会で示されました。D to P with Nについては、看護師の同席により、オンライン診療では対応困難な検査・処置の実施や、患者の状況把握、生活に即した療養支援が可能となるなどの利点があります。これらの実態を踏まえて今後の評価の在り方を議論すべきではないかとの意見がありました。診療報酬上の評価と今後の検討の方向性医療資源の少ない地域については、平成24年度改定以降、継続的に配慮した評価が行われています。医療従事者が少ないことや、医療機関が少ないため機能分化が困難であることに着目し、施設基準の緩和等、その特性に配慮した評価が実施されてきました。急性期から回復期における機能分化が困難である観点から、一般病棟入院基本料や地域包括ケア病棟入院料について要件緩和や混合病棟を認める等の対応が行われています。令和6年度改定では、新たな配慮措置が講じられました。回復期リハビリテーション病棟に相当する機能を有する病室について、届出を病室単位で可能な区分が新設されました。地域包括ケア病棟入院料2及び4の施設基準における、自院の一般病棟からの転棟患者の割合に関する要件が緩和されました。在宅療養支援病院・診療所に係る24時間の往診体制の要件について、D to P with Nの実施体制を整備することで要件を満たすこととする緩和が行われました。分科会では、今後の評価の在り方について重要な意見が示されました。巡回診療、医師派遣、代診医派遣は、へき地医療拠点病院やへき地医療拠点病院以外の医療機関においても実施されているとのヒアリング調査を踏まえ、このような派遣元の医療機関が果たしている機能に着目した評価の在り方について検討することは、地域医療の継続的な確保に資するのではないかとの意見がありました。人口の少ない二次医療圏では、総合入院体制加算や急性期充実体制加算の件数要件の達成が困難な場合があるため、地域の実情を踏まえた基準緩和や代替的な評価の検討が必要ではないかとの意見もありました。地域医療支援病院の役割についても見直しが行われています。地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行うこととされていましたが、令和5年医療法改正において、地域におけるかかりつけ医機能の確保のための研修も含めて研修を行うこととされました。この見直しは、地域医療提供体制の充実に向けた取り組みの一環として位置づけられます。まとめ人口・医療資源の少ない地域における医療提供体制の維持には、派遣元医療機関の機能評価、地域実情に応じた基準設定、オンライン診療の適切な活用が不可欠です。へき地医療拠点病院等による医師派遣が地域医療の継続に寄与している実態を踏まえ、派遣元の医療機関が果たしている機能に着目した評価の在り方を検討することが重要です。人口の少ない二次医療圏における総合入院体制加算等の件数要件達成の困難さに対しては、地域の実情を踏まえた基準緩和や代替的な評価の検討が求められます。オンライン診療については、都市部とは性質が異なる人口・医療資源の少ない地域における特性を考慮した評価、D to P with Nの利点を踏まえた評価の在り方を議論していく必要があります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
医療従事者の賃上げ実態と課題:ベースアップ評価料の届出率9割でも残る3つの問題点
令和7年6月13日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2025において、医療現場で働く幅広い職種の賃上げに確実につながる対応が求められています。この方針を受けて、医療機関では診療報酬のベースアップ評価料による賃上げが進められていますが、届出手続きの煩雑さが課題となっています。本稿では、入院・外来医療等の調査・評価分科会が取りまとめた賃上げ・処遇改善の実態を明らかにします。ベースアップ評価料の届出状況は病院で約9割、診療所で約4割となっています。届出していない医療機関の最も多い理由は「届出内容が煩雑なため」でした。令和7年度の賃上げ計画は平均3.40%の引上げとなっていますが、政府目標の4.5%には届いていません。分科会では、届出書類の簡素化や看護職員処遇改善評価料との統合を求める意見が出されています。ベースアップ評価料の届出状況:病院と診療所で大きな差ベースアップ評価料の届出率は、医療機関の種別によって大きく異なります。病院では約9割が届出を行っている一方、診療所では約4割にとどまっています。届出をしていない病院の特徴を見ると、公立病院、医療法人(社会医療法人を除く)、許可病床数100床未満の病院が多くなっています。特に小規模病院では、事務職員の不足により届出書類の作成に係る事務負担が大きいことが指摘されています。外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)を届け出ている医療機関は、評価料(Ⅰ)届出医療機関のうち約4%でした。診療科別に見ると、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科において外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)の算定割合が低い傾向にあります。評価料(Ⅱ)について特徴的に併算定されている診療行為は、血液透析に関連したものが多くなっていました。届出手続きの複雑さ:書類作成が医療機関の負担に届出をしていない理由として最も多かったのは「届出内容が煩雑なため」でした。この煩雑さは、届出に必要な書類の多さと計算の複雑さに起因しています。各医療機関は、ベースアップ評価料の算定にあたって複数の書類を作成する必要があります。具体的には、職員給与や診療報酬の算定回数等に基づく届出区分の計算、賃金改善計画書の作成、賃金改善実績報告書の作成などです。賃金改善計画書は新規届出時及び毎年6月に提出が必要であり、賃金改善実績報告書は毎年8月に提出することになっています。看護職員処遇改善評価料と入院ベースアップ評価料は、それぞれ異なる要件と書類様式を持っています。看護職員処遇改善評価料は令和4年10月に新設され、看護職員の賃金を3%程度(月額平均12,000円相当)引き上げることを目的としています。入院ベースアップ評価料は令和6年6月に新設され、対象職員の令和5年度賃金を2.3%引き上げることを目的としています。この2つの評価料について、分科会では書類作成が非常に煩雑であり、統合することについて検討の余地があるとの意見が出されました。賃上げの実施状況:目標との乖離と業態による差ベースアップ評価料による賃上げは一定程度進んでいますが、政府目標との間には乖離があります。賃金改善計画書において、令和5年度と比較した対象職員の賃上げ計画の平均値は、令和6年度で2.69%、令和7年度で3.40%の引上げとなっています。これは、2年間の累積で見ると一定の賃上げが計画されていることを示していますが、政府が掲げる4.5%という目標には届いていません。ただし、分科会では、この目標は賃上げ促進税制も含めた数値であるため、税制の活用状況も含めて分析する必要があるとの意見が出されました。40歳未満医師及び事務職員の賃上げについては、初再診料、入院基本料等の引き上げ等により対応することとされています。令和5年度と比較した令和7年度の賃上げ計画の平均値は、40歳未満医師で2.89%、事務職員で3.18%の引上げとなっていました。歯科技工所における従業員の基本給等総額は、令和6年4月と令和7年4月を比較すると6.1%上昇しており、比較的高い賃上げ率を実現しています。薬局においては、令和6年度に約5割が賃上げを実施しており、薬剤師では20~49店舗の薬局、事務職員では300店舗以上の薬局において賃上げ率が大きい傾向が見られました。今後の制度改善の方向性:簡素化と統合の議論分科会では、今後の制度改善に向けた様々な意見が出されました。第一に、医療人材確保に繋がる賃上げが可能な報酬制度とすべきとの意見がありました。医療従事者の賃上げ率は他産業と比較して少ないため、職責に見合った賃上げが必須であるとの指摘です。第二に、届出書類の簡素化を求める意見が複数出されました。病床規模の小さい医療機関におけるベースアップ評価料の届出が進んでいない背景として、事務職員が不足している中、届出書類の作成に係る事務負担が大きいことが挙げられています。第三に、看護職員処遇改善評価料とベースアップ評価料の統合に関する意見がありました。両者の書類作成が非常に煩雑であることから、統合することについて検討の余地があるとの意見です。ただし、様々な影響を勘案して慎重に対応していくことが重要であるとの意見も出されました。さらに、賃上げの原資は入院基本料等の増分から賄われるべきであり、ベースアップ評価料を入院基本料等に統合すべきであるが、難しければ、届出書類の簡素化や対象職種の見直し等を講じるべきとの意見もありました。まとめベースアップ評価料により医療従事者の賃上げは一定程度進んでいますが、届出手続きの煩雑さが課題となっています。病院では約9割が届出している一方、診療所では約4割にとどまり、小規模医療機関では事務負担が特に大きくなっています。賃上げ計画は令和7年度で平均3.40%ですが、政府目標の4.5%には届いていません。今後は、届出書類の簡素化や看護職員処遇改善評価料との統合など、医療機関の負担を軽減しながら確実な賃上げを実現する制度設計が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
短期滞在手術の外来移行が進まない理由と2026年診療報酬改定の方向性
入院・外来医療等の調査・評価分科会は、短期滞在手術等の外来移行が十分に進んでいない現状を指摘しました。令和4年度診療報酬改定で診療所での算定は著しく増加したものの、病院での外来実施率は依然として低調です。入院実施の方が外来実施より診療報酬が高く設定されており、医療費増加の要因となっています。分科会は、外来移行を進めるべきという意見で一致した一方、施設要因への配慮も必要だとしています。短期滞在手術等の算定方法は医療機関の類型ごとに複雑に分かれており、制度の簡素化が課題です。白内障手術の外来実施率は全国平均54%ですが、OECD諸国では90%以上が外来で実施されており、国際的に見て日本の外来移行は大きく遅れています。水晶体再建術を入院で実施すると外来実施の約1.3倍から2倍の診療報酬となるため、医療費適正化の観点からも外来移行の推進が求められます。令和8年度診療報酬改定では、算定方法の統一化と施設基準の見直しが検討課題となっています。短期滞在手術等の複雑な算定方法と制度の現状短期滞在手術等の算定方法は、入院・外来の別と医療機関の類型により複数に分かれています。短期滞在手術等基本料1は日帰り手術を対象とし、届出が必要です。短期滞在手術等基本料3は4泊5日までの入院を対象とし、届出は不要ですが、DPC対象病院と診療所では算定できません。外来実施の場合、短期滞在手術等基本料1の届出の有無により、包括される検査等の範囲が異なります。令和4年度診療報酬改定では、短期滞在手術等基本料1の評価引き上げと麻酔科医の配置要件の見直しを行いました。この改定により、診療所での算定回数が著しく増加しました。病院での算定は令和6年に1万5,447回だったのに対し、診療所では12万3,814回と約8倍の差がありました。対象手術のうち水晶体再建術が算定の大部分を占め、次いで内視鏡的大腸ポリープ切除術、経皮的シャント拡張術の順となっています。算定方法が複雑であるため、医療機関にとって制度理解と適切な算定が困難な状況です。DPC対象病院では短期滞在手術等基本料3を算定できないため、4泊5日までの入院でもDPC算定または出来高算定となります。DPC対象病院以外の病院では原則として短期滞在手術等基本料3を算定する必要があるなど、医療機関の類型により算定ルールが大きく異なります。分科会では、算定方法を統一すべきという意見が出されました。外来移行の進捗状況と医療機関間の大きな格差短期滞在手術等基本料1の対象手術の外来実施率は、手術により大きく異なります。内視鏡的大腸ポリープ切除術は76.7%、水晶体再建術は62.5%、経皮的シャント拡張術は76.4%でした。水晶体再建術の外来実施率は平成28年以降上昇傾向にあり、約6割の手術が外来で実施されています。令和4年度改定での要件見直し後も、外来実施率の伸びに明らかな影響はみられませんでした。病院における水晶体再建術の外来実施率は約2割にとどまり、低調に推移しています。医療機関別の分析では、水晶体再建術の外来実施率が0%の病院が一定数存在しました。内視鏡的大腸ポリープ切除術でも同様の傾向がみられ、医療機関間で外来実施率に大きなばらつきがありました。外来実施率100%の医療機関がある一方で、全く外来実施していない医療機関も存在するという二極化した状況です。白内障手術の外来実施率は都道府県別でも大きな差があります。全国平均は54%ですが、最も高い県では約100%、最も低い県では約40%と、約2.5倍の開きがありました。OECD諸国では白内障手術の90%以上が外来で実施されており、日本の54%という水準は国際的に見て著しく低い状況です。第165回社会保障審議会医療保険部会でも、この国際比較における格差が指摘されました。入院実施による診療報酬増加と医療経済への影響短期滞在手術等を入院で実施する場合、外来で実施する場合と比較して診療報酬が総じて高くなります。水晶体再建術を病院で実施する場合、外来での短期滞在手術等基本料1なしでは1万4,186点、ありでは1万7,285点です。入院でDPC算定すると1万8,804点、短期滞在手術等基本料3では1万7,457点、地域包括ケア病棟での出来高算定では2万8,640点となります。外来実施と比較すると、入院実施では約1.3倍から2倍の診療報酬となっています。内視鏡的大腸ポリープ切除術でも同様の傾向がみられます。外来での短期滞在手術等基本料1なしでは7,340点、ありでは9,970点です。入院でDPC算定すると1万4,210点、短期滞在手術等基本料3では1万2,580点、地域包括ケア病棟での出来高算定では1万6,755点となります。入院実施は外来実施の約1.3倍から2.3倍の診療報酬であり、医療費適正化の観点から外来移行の推進が求められています。令和5年度特別調査では、入院実施の理由として病院の構造的理由と症例ごとの臨床的理由が挙げられました。構造的理由には、回復室の不足や24時間緊急対応体制の確保が困難といった施設要因があります。臨床的理由には、患者の併存疾患や術後管理の必要性が含まれます。DPC作業グループでは、DPC対象病院の中に短期滞在手術等の症例割合が高い医療機関が存在することが指摘され、また当分科会でも地域包括ケア病棟で短期滞在手術等基本料3の対象となる入院例が多いことが指摘されました。短期滞在手術等基本料3は平成30年度以降も一定程度算定されています。対象となっている手術等は入院外での実施割合が増加しており、制度が継続的に活用されている状況です。対象手術等については平均在院日数が減少していました。多くの手術で令和4年度と比較して令和6年度に平均在院日数が短縮しており、例えば内視鏡的大腸ポリープ切除術2cm未満では2.397日から2.327日へ減少しました。在院日数の短縮は医療資源の効率的活用と医療費適正化に寄与しています。令和8年度診療報酬改定に向けた今後の方向性分科会では、水晶体再建術などの一部手術について外来移行を進めるべきという意見で一致しました。外来で実施可能な手術を入院で行うことは、医療資源の効率的活用の観点から見直しが必要です。OECD諸国と比較して外来実施率が著しく低い白内障手術については、特に外来移行の推進が求められます。患者の安全性を確保しつつ、在院期間の短縮によるCOVID-19などの院内感染リスクの低減も期待されます。短期滞在手術等の算定方法については、統一化すべきという意見が出されました。算定する入院料等によって患者像が異なるとは考えがたいため、医療機関の類型にかかわらず同一の算定ルールを適用することが望ましいとされています。算定方法の簡素化により、医療機関の事務負担軽減と適切な算定の促進が期待されます。現在の複雑な算定ルールは、外来移行の阻害要因の一つとなっている可能性があります。外来移行の阻害要因のうち、施設要因については一定の配慮が必要という意見も出されました。回復室の整備や24時間緊急対応体制の確保には、一定の投資と人員配置が必要です。中小規模の病院や診療所では、これらの施設基準を満たすことが困難な場合があります。令和8年度診療報酬改定では、外来移行の推進と施設要因への配慮のバランスを取った制度設計が求められています。まとめ短期滞在手術等の外来移行を推進するため、令和8年度診療報酬改定では算定方法の統一化と施設基準の見直しが検討課題となります。白内障手術の外来実施率54%をOECD諸国水準の90%以上に引き上げることで、医療費の適正化と医療資源の効率的活用が期待されます。外来移行の推進にあたっては、医療機関の施設要因への配慮も必要であり、段階的な制度改正が求められています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
オンライン診療の現状と課題2025:4つの診療形態と評価の明確化に向けた検討
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会は、情報通信機器を用いた診療について検討結果をとりまとめました。令和4年度診療報酬改定における見直し以降、オンライン診療の届出医療機関数と算定回数は増加しています。精神科領域や皮膚科領域での増加が目立ち、向精神薬の不適切な処方のリスクが懸念されています。D to P with Nの診療報酬算定方法には不明確な部分があり、明確化が求められています。オンライン診療は増加傾向にあるものの、診療内容の検証と評価の明確化が必要です。D to Pは精神疾患での利用が多く、対面診療との診療内容比較による実態検証が求められています。D to P with Dは算定が限定的ですが、医療的ケア児や訪問診療における専門医連携で評価の余地があります。D to P with Nは新設されましたが、看護師等による診療補助行為の評価について算定方法の明確化が必要です。へき地におけるオンライン診療は、医療アクセス確保という都市部とは異なる特性を持ちます。D to Pの実態:精神疾患での利用増加と実態検証の必要性情報通信機器を用いた診療のうち、医師と患者が直接やりとりするD to Pの利用実態が明らかになりました。初診料では呼吸器感染症、再診料等では精神疾患に類する傷病名が占める割合が大きくなっています。対面診療の割合が5割未満の医療機関においても同様の傾向でした。この傾向について、令和6年のデータでは令和4年と比較して精神科領域や皮膚科領域の増加が目立っています。分科会では、オンライン診療と対面診療を比較した場合の診療内容の比較等により実態を検証してはどうかとの意見がありました。精神科領域での利用増加に関連して、オンライン診療による向精神薬の不適切な処方のリスクが懸念されています。診療内容についてより詳細に実態を検証してはどうかという意見が出されました。受診者の地域分布については、受診医療機関の所在都道府県が居住地と異なる割合が19.1%でした。この結果は、オンライン診療が地域を超えた医療アクセスを可能にしている実態を示しています。D to P with Dの可能性:医療的ケア児と専門医連携での活用患者が医師といる場合に他の医師がオンラインで参加するD to P with Dの実施状況が調査されました。遠隔連携診療料は令和2年度に新設されて以降、算定回数は限られています。過去1年間にD to P with Dによるオンライン診療を実施した医療機関は1.0%でした。この形態の診療は、遠隔連携診療料を算定できる状況以外でも実施されています。医療的ケア児に対する診療や、訪問診療における眼科・皮膚科・耳鼻科等の専門医との連携等の事例が見られました。分科会での評価では、D to P with Dについて新たな評価の可能性が議論されました。医療的ケア児に対する診療や訪問診療における耳鼻科等の疾患に対する評価が考えられるのではないかという意見があったためです。現行の遠隔連携診療料の算定要件では評価されない診療形態であっても、医療の質向上や患者の利便性向上に寄与している事例があります。今後は、こうした実態を踏まえた評価のあり方について検討が必要です。D to P with Nの課題:評価の明確化と患者ニーズへの対応看護師等が患者のそばにいる状態で医師がオンライン診療を行うD to P with Nについて、新たな動きがありました。令和6年度診療報酬改定において再診料・外来診療料に係る看護師等遠隔診療補助加算が新設されました。届出医療機関数は令和7年4月1日時点で78施設となっています。研修受講者も合計約4,000名程度となりました。患者の受診体験について、課題が明らかになっています。オンライン診療を受けた感想として、「対面診療であればすぐに受けられる検査や処置が受けられないと感じた」と回答した患者が45.3%でした。オンライン診療より対面診療を希望する理由として、「検査や処置がすぐに受けられるから」が83.2%で最多でした。規制改革実行計画において、D to P with Nの課題が指摘されました。令和7年6月13日に閣議決定された規制改革実行計画では、D to P with Nにおける診療報酬の算定方法に不明確な部分があるとの指摘がありました。分科会での議論では、評価の明確化が求められています。D to P with Nにおいては、看護師等による診療の補助等も行われていることから、その評価については明確化も含めて検討してはどうかという意見がありました。へき地におけるオンライン診療:医療アクセス確保の補完的役割へき地医療におけるオンライン診療の活用状況について、重要な実態が明らかになりました。第8次医療計画におけるへき地の医療提供体制において、主要3事業の評価のうち、オンライン診療を活用して行った巡回診療・代診医派遣についても、主要3事業の実績に含めることが明確化されたところです。令和5年度実績によると、活用は限定的です。巡回診療を実施したへき地拠点病院のうち、オンライン診療による巡回診療を実施した医療機関数が7施設(7.1%)でした。へき地診療所において、へき地の住民に対するオンライン診療で活用したと回答した医療機関は75施設(6.7%)でした。受診者が患家にいるケースよりも受診者が診療所にいるケースの件数が多かったです。地域差の実態について、二次医療圏別の分析結果が示されました。医療機関住所地ベースでは、東京都(23区内)での算定回数が多く、66の二次医療圏で算定回数が0回でした。患者住所地ベースでは、全ての二次医療圏で算定されていました。分科会での議論では、へき地におけるオンライン診療の特性が強調されました。人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療は、外来医療について代替手段が乏しく、医療アクセスが困難である地域への補完という特性を有しています。都市部における利便性向上を目的としたオンライン診療とは性質が異なるとの意見がありました。まとめ情報通信機器を用いた診療は増加傾向にありますが、健全な普及に向けた課題があります。D to Pでは精神科領域での利用増加に対する実態検証が必要です。D to P with Dでは医療的ケア児や専門医連携での新たな評価の可能性があります。D to P with Nでは看護師等による診療補助行為の評価の明確化が求められています。へき地におけるオンライン診療は、医療アクセス確保という都市部とは異なる特性を持つため、地域の実情を踏まえた評価のあり方について検討が必要です。中央社会保険医療協議会における今後の議論では、これらの実態を踏まえた診療報酬上の評価の見直しが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度外来医療改定の3つの焦点:生活習慣病管理料・かかりつけ医機能・外来機能分化を徹底解説
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、外来医療に関する検討結果のとりまとめが公表されました。この報告書は、生活習慣病管理料と地域包括診療料の運用実態、かかりつけ医機能の評価体制、特定機能病院等における外来機能分化の進捗状況という3つの重要テーマを扱っています。次期診療報酬改定に向けて、療養計画書の作成負担軽減、患者の継続受診を促す体制整備、医療機関間の連携強化が主要な検討課題として浮かび上がっています。本報告書では、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定実態と継続受診率の医療機関間格差が明らかになりました。かかりつけ医機能については、機能強化加算の届出状況とかかりつけ医機能報告制度との関係性が議論されています。外来機能分化では、特定機能病院等における再診患者の長期通院実態と逆紹介推進の課題が示されました。生活習慣病管理料の運用実態と課題生活習慣病管理料の算定状況には、令和6年度改定を境に大きな変化が見られます。令和4年では外来管理加算が最も多く算定されていましたが、令和6年では生活習慣病管理料(Ⅱ)が最多となりました。この変化は、改定によって生活習慣病管理の評価体系が再編されたことを反映しています。地域包括診療料の届出医療機関数は近年横ばいでしたが、算定回数は減少傾向にあります。一方、地域包括診療加算の届出医療機関数と算定回数は増加傾向を示しています。算定患者の主傷病名は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症が多い傾向ですが、多岐にわたっています。特定疾患療養管理料については、令和6年度改定以前は生活習慣病が多くを占めていました。改定後は気管支喘息や慢性胃炎の占める割合が増加し、算定回数は大幅に減少、算定医療機関数もやや減少しています。この変化は、生活習慣病管理が特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料(Ⅱ)へシフトしたことを示唆しています。生活習慣病管理料を算定していない理由として、対象患者が少ないこと以外に、療養計画書に記載する項目が多く業務負担が大きいことが14.4%の医療機関から挙げられています。過去に簡素化がなされたものの、依然として負担感が残っており、分科会では療養計画書のあり方について見直しの検討が必要との意見が出されました。生活習慣病管理料を算定された患者の6か月ごとの継続算定率は、医療機関ごとにばらつきがあります。患者が治療から脱落せず継続的に受診を続けることが重要な観点であり、外来患者を対象とした調査では、定期的な受診を続ける上で必要な体制として「予約診療を行っていること」が最も多く、次いで「28日以上の長期処方に対応していること」が多く選択されています。生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)の使い分けについては、受診頻度が2か月に1回より少ない患者や検査頻度が2か月に1回より少ない患者については生活習慣病管理料(Ⅰ)の算定が多く、その他の患者については生活習慣病管理料(Ⅱ)の算定が多い傾向があります。生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定した外来患者の6か月当たりの血液検査算定回数を調べたところ、平均して6か月に2回以下の頻度で算定している患者が全体の約7~9割以上でした。6か月に1回も算定がない患者も一定数を占めており、分科会では適切な医学管理が行われているか疑問があるとの意見が出されています。高齢者の生活習慣病管理については、学会のガイドライン等において特有な状態への配慮が必要とされています。糖尿病の管理では、高齢者の患者とそれ以外の患者では治療目標の推奨が異なっています。分科会では、複数疾患への罹患やポリファーマシー、フレイルの進行などを包括的に診る役割を担うことが、かかりつけ医の重要な機能であるとの意見が出されました。糖尿病患者に対する合併症予防の観点では、診療所又は200床未満の病院において、眼科受診を指導した患者数は平均で21.5人、中央値は0人であり、歯科受診を促した患者数は平均で14.1人、中央値は0人でした。分科会では、糖尿病患者に対する歯科受診は、オーラルフレイルの予防や口腔機能の低下への早期対応の観点から重要であり、歯科診療所への定期的な受診を促す体制がさらに必要ではないかとの意見がありました。かかりつけ医機能の評価と今後の方向性機能強化加算の届出医療機関数は、令和3年までは増加傾向でしたが、近年は横ばいです。算定回数は令和2年に大きく減少していましたが、令和5年には令和元年以前よりも増加しました。令和5年時点で、病院1,289施設、診療所13,518施設が届出を行っています。外来受診した医療機関において「かかりつけ医機能に関する説明を受けたことがある」と回答した患者は38.9%、「かかりつけ医機能に関する院内掲示を見たことがある」と回答した患者は46.2%でした。機能強化加算の届出医療機関は、算定要件の一部となっている「処方薬の把握」「健診に関する相談」「予防接種」「学校医」等に関する機能を有している割合が大きくなっています。かかりつけ医に関連した研修等については、「日本医師会のかかりつけ医機能研修」を修了又は一部受講した医師の在籍割合が最も高く43.5%でした。医学生の実習、臨床研修医の受入れを行っている診療所は約10%前後であり、専攻医の受入れを行っている診療所は約4.2%でした。分科会では、現在の機能強化加算は地域包括診療料・加算、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料等の届出をもってかかりつけ医機能が高いと評価する考え方となっていますが、かかりつけ医機能報告制度が開始されることを踏まえると、この制度に沿った形で再検討することが求められるのではないかとの意見がありました。一方で、かかりつけ医機能報告制度は医療機関の機能を認定する制度ではなく現状を把握するための報告制度であり、地域における専門性を有する医療機関が連携して面としてかかりつけ医機能を発揮することを目指すものであるため、かかりつけ医機能報告制度と診療報酬は関連させるものではないとの慎重な意見も出されました。地域包括診療料・加算の算定診療所では、それ以外の診療所と比較して、介護との連携に関する取組を実施している割合が高くなっています。認知症地域包括診療料・加算を算定された患者に占める65歳以上の患者の割合は、認知症地域包括診療料では約93%、認知症地域包括診療加算では約77%でした。診療所における検査体制については、いずれの検査項目も、機能強化加算の算定医療機関において、より早期に結果を出せる体制が確保されている傾向がありました。このことは、機能強化加算が一定の体制整備を促す効果を持っていることを示しています。外来機能分化の進捗状況と医療機関連携の課題病院の1日平均外来患者数は長期的には減少傾向です。紹介なしで外来受診した患者の割合を病院機能別に見たところ、その割合は長期的に減少傾向にあり、令和5年は特定機能病院では34.1%、地域医療支援病院では58.5%でした。これは、外来機能分化が徐々に進展していることを示しています。紹介割合・逆紹介割合による初診料・外来診療料の減算規定の対象病院における令和6年度の紹介割合・逆紹介割合は、令和5年度と比較して不変からやや増加していました。減算規定の対象病院における令和6年10月の再診の患者数の平均値・中央値は、令和5年10月と比較して増加しました。全受診患者に占める初診患者割合の平均値・中央値は、特定機能病院では約5%、その他の区分では約10%でした。減算規定の対象病院の再診患者のうち約6割以上の患者は、2年以内に初診料の算定がない患者でした。平均して8割程度の患者が直近6か月以内に再診を受けています。分科会では、相当数の患者が2年以上通院していることや半年以内に外来再診していることについて、当該患者が本来逆紹介すべき患者であるのか、あるいは地域の医療機関で日常的な管理を受けつつ専門外来でフォローアップされているのか、現状のデータだけでは判断が困難であるため、今後他の医療機関への受診状況や疾患の種類等も含めて分析を行い、継続的な受診の妥当性について検討することが必要ではないかとの意見がありました。外来診療料を算定した患者の主傷病名を見ると、特定機能病院では悪性腫瘍が約18%、指定難病が約4%、小児慢性特定疾病(悪性腫瘍除く)が約16%でした。地域医療支援病院又は紹介重点医療機関では、悪性腫瘍が約14%、指定難病が約2%、小児慢性特定疾病(悪性腫瘍除く)が約15%でした。分科会では、特定機能病院等の再診患者には悪性腫瘍のフォローアップや化学療法を要する患者など継続的な医学的管理が必要な患者が含まれていると考えられ、どのような患者が再診を継続しているのか更なる分析が必要ではないかとの意見がありました。医療機関間の連携に関する評価として診療情報提供料(Ⅰ)、診療情報提供料(Ⅱ)、連携強化情報提供料を設けています。診療情報提供料の算定回数は、令和2年に低下し、令和3年以降は増加しています。特に連携強化情報提供料は、令和6年に算定回数が大きく増加しました。分科会では、かかりつけ医機能の充実に向け診療情報のやりとりは重要であり、診療情報提供料の算定回数増加は好ましい傾向であるとの評価がなされています。一方で、連携強化診療情報提供料は病院での算定が大きく伸びる一方で診療所では伸びておらず、その要因が算定要件が複雑であるためであるならば、要件の見直しが必要ではないかとの意見がありました。再診患者の逆紹介を行う上での課題としては、「逆紹介を行うことについて治療管理上の不安を持つ患者の理解を得ることが困難」が最も多く、次いで「自院の複数科を受診している患者について診療科間での調整が困難」が多くなっています。1人の患者に対して病院の専門医師と地域のかかりつけ医師が連携をしながら共同で継続的に治療管理を行う取組、いわゆる「2人主治医制」等の状況を調査したところ、特定機能病院では「案内をWebサイトに掲載している」が最も多く、それ以外の病院では「案内を直接患者に行っている」が最も多くなっています。診療所では「特に取組を行っていない」が最も多く、次いで「取組に関する案内を直接患者に行っている」「近隣の病院と取組に関する取り決めを行っている」が多くなっています。分科会では、逆紹介が可能な場合には積極的に逆紹介を行うことが望ましく、特定機能病院等と地域の診療所等との連携の取組を進めるとともに、いわゆる「2人主治医制」などの導入も含め、継続的な医学管理のあり方について検討することが重要であるとの意見がありました。まとめ令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会の検討結果は、生活習慣病管理料の運用改善、かかりつけ医機能の評価体制の見直し、外来機能分化の推進という3つの重点課題を明確にしました。療養計画書の作成負担軽減、患者の継続受診を促す予約診療や長期処方への対応強化、医療機関間の情報連携と逆紹介の推進が、次期診療報酬改定に向けた主要な検討テーマとなります。かかりつけ医機能報告制度の開始を見据えた診療報酬上の評価のあり方や、特定機能病院等における継続的な医学管理の妥当性の検証も重要な論点として位置づけられています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
病棟多職種連携の現状と課題|2026年診療報酬改定への示唆
令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会において、病棟における多職種でのケアに関する検討結果がとりまとめられました。高齢化の進展により入院患者のADL維持・向上が重要課題となる中、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の届出率が9.0%にとどまるなど、多職種連携の推進に複数の障壁が存在することが明らかになりました。今回の分科会では、療法士、管理栄養士、薬剤師、看護職員等の病棟配置の実態と効果を詳細に分析し、次期診療報酬改定に向けた重要な示唆を提示しています。分科会の検討結果は、病棟における多職種連携の重要性と具体的な課題を明確にしました。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算は、ADL改善効果が高く休日リハ提供量も平日の86.5%を実現していますが、体制加算算定患者は要介護度が高い患者や高齢の患者が多く、ADL悪化率は算定なしと明らかな差はありませんでした。常勤専従の療法士2名以上配置などの人員要件が届出の障壁となっています。管理栄養士の病棟配置は進んでおらず、就業時間の2割未満しか病棟業務に従事していない病棟が約3割を占めています。病棟薬剤業務実施加算は年々増加しているものの、小規模病院では診療報酬によって薬剤師の人件費が確保できない現状があります。看護業務タイムスタディ調査により、多職種配置による効果的なタスクシェアの可能性が示されました。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の効果と患者背景の検証リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算は、ADL改善において効果を示していますが、算定患者の背景を考慮した評価が重要です。退院時にADL悪化した患者の割合は、算定ありで5.0%、算定なしで4.6%と明らかな違いはみられませんでした。一方、ADLが大きく改善した患者の割合は、算定ありで25.7%と、算定なしの14.1%と比べて顕著に高い結果でした。体制加算算定患者は、算定なしと比べて要介護度が高い患者や高齢の患者が多く、これらはもともと入院中にADLが低下しやすい患者の特徴と一致していました。体制加算の届出施設においては、ADLが低下する患者の割合は3%未満という施設基準を満たしていました。算定していない施設においては、ADL低下割合4%以上5%未満に緩やかなピークが見られ、施設基準を満たせない医療機関が存在することが示されました。入院3日目までにリハビリテーションが開始された割合は、算定ありで約9割に達しています。体制加算算定ありの患者は、算定なしの患者と比べてリハビリテーションの実施割合が高く、早期介入が実現されていました。患者1人当たりの1日平均リハビリテーション単位数は、算定なしの場合が平日2.3単位であるのに対し、算定ありの場合は3.1単位と多く、休日も平日と変わらない水準を維持しています。施設全体におけるリハビリテーション提供体制は、算定ありの場合、土日祝日全体での提供単位数が平日の86.5%に達し、土曜日は94.1%、日曜日は87.8%、祝日は65.1%となっています。一方、算定なし施設では休日全体で平日の34.1%にとどまり、土曜日50.1%、日曜日22.1%、祝日26.8%という結果でした。この差は、体制加算の施設基準が「土日祝日における1日あたりの疾患別リハビリテーション料の提供単位数が平日の提供単位数の8割以上」を求めていることに起因しています。体制加算算定病棟では、多職種が病棟業務に積極的に関与しています。栄養状態のスクリーニング・定期的な評価において、管理栄養士が主として関わる割合は算定ありの病棟で59.70%、算定なしの病棟で44.67%でした。ADLのスクリーニング・定期的な評価において、理学療法士が主として関わる割合は算定ありの病棟で34.72%、算定なしの病棟で19.95%でした。口腔の状態のスクリーニング・定期的な評価において、言語聴覚士が主として関わる割合は算定ありの病棟で38.57%、算定なしの病棟で24.54%でした。体制加算算定ありの患者のほうが、低栄養の入力割合と入院栄養食事指導料の算定患者割合が高い結果でした。算定ありの患者のほうが、入院時の低栄養の割合が高く、栄養管理を必要とする患者が多く含まれていました。体制加算の算定有無による退院後の歯科受診状況に大きな差はなく、歯科受診率は低い状況でした。病棟専従の療法士は、疾患別リハビリテーション以外の業務も担当しており、場面に応じたワンポイントのADL動作の指導や、看護職員の業務としても実施される体重測定や環境調整といった業務を、療法士としての観点から行っている事例があります。体制加算の普及を阻む施設基準の課題体制加算の届出率は9.0%にとどまっています。届出していない理由として最も多かったのは、「常勤専従の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を2名以上配置(うち1名は専任でも可)することが困難なため」で56.3%を占めました。次いで「土日祝日における1日あたりの疾患別リハビリテーション料の提供単位数が平日の提供単位数の8割以上を満たさないため」が53.9%でした。「当該保険医療機関において、リハビリテーション医療における経験を3年以上有し、適切な研修を受けた常勤医師を確保することが困難なため」も19.2%ありました。分科会での評価・分析に関する意見では、土日祝日に提供するリハビリテーション単位数が平日の8割以上であることの要件が厳しすぎるのではないかとの指摘がありました。体制加算に取り組みたい医療機関は多いものの、人員配置等の施設基準が厳しいため、算定が伸び悩んでいるのではないかとの意見もありました。病棟配置によって、ADLの評価、維持や廃用予防といった観点から意義があるのではないかとの意見があった一方、入院中の患者のADLの維持や向上を趣旨とした体制加算や病棟の施設基準における多職種配置が進みつつあるが、生活機能を落とさないためには、より一層こうした病棟での多職種連携の推進が必要ではないかとの意見がありました。生活機能の回復に向けた支援において、療法士が関与している割合は体制加算算定病棟で高く、食事支援で76.1%、排泄支援で41.2%、離床の促しで46.4%となっています。療法士が生活機能回復や栄養・口腔状態に係る項目へ関与している割合が高く、多職種連携による効果的なケアが実践されていました。体制加算における多職種配置により、医師や看護職員が主として関わる割合は低下し、各専門職が専門性を活かした業務に集中できる体制が構築されていました。病棟における各専門職種の配置状況と役割管理栄養士の病棟配置は、多くの病棟で十分に進んでいません。管理栄養士が病棟で従事する時間が就業時間のうち2割未満の病棟が約3割あり、そのような病棟では栄養情報提供書の作成やミールラウンドの実施割合が特に低い状況でした。累次の診療報酬改定において管理栄養士の病棟での業務が推進されているものの、給食管理業務の負担が大きく、調理員不足により調理等の業務が増えている場合もあり、病棟での栄養管理に専念できない状況があります。栄養サポートチーム加算の届出施設数は増加していますが、入院料により算定状況は様々です。未届出の理由としては、研修を受けた専門職確保が困難であることが多く、チーム設置のメリットが少ないことも3割超となっていました。管理栄養士の病棟配置や多職種連携が要件となっている特定入院料や加算は、原則として栄養サポートチーム加算の出来高算定や併算定はできません。高齢者の入院が今後ますます増加する中で、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士が共同で診療を行うことの負担が大きく、栄養管理の観点からどのように推進するか検証すべきとの意見がありました。病棟薬剤業務実施加算の届出医療機関数は、平成24年度の加算新設以来、年々増加しています。病棟薬剤業務実施加算の算定状況によらず、薬剤師による介入が医師の負担軽減に寄与しています。令和6年度に新設された薬剤業務向上加算について、算定医療機関数は今後増加の見込みですが、地域の医療機関に出向できる薬剤師の確保が課題となっています。調剤以外の病棟業務等のニーズが増え、病院薬剤師数は増加していますが、小規模病院では病棟薬剤業務実施加算により150床程度の算定で得られる診療報酬でようやく1人分の人件費となり、当該診療報酬によって薬剤師の人件費が確保できない現状があります。地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟の施設基準においては、専従常勤の療法士数が規定されており、かつ疾患別リハビリテーションを担当する専従者と兼務はできないとされています。専従の療法士が病棟において疾患別リハビリテーションと別に行う業務については、地域包括医療病棟以外では明記されていません。療法士の疾患別リハビリテーションの提供以外の業務として、ADL等の評価、他職種へのポジショニング等に関する助言、可動域等や退院後を考慮した患者へのケア提供、疾患別リハビリテーション料等の対象とならない患者へのADLの維持・向上を目的とした指導等を行っていました。回復期リハビリテーション病棟入院料1~4を算定する病棟のうち、生活の場における短時間のリハビリテーションを実施していた病棟は10~20%でした。地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟のうち、疾患別リハビリテーション等以外のADLの維持、向上等を目的とした指導を実施している割合は地域包括医療病棟にて最も高く、実施した患者数はいずれの病棟でも同程度でした。病棟における生活の場に即した短時間のリハビリテーションは重要ですが、トイレ場面の介助等は短時間で終わり、カルテ記載を含めるとカルテ記載のほうが長くかかることもあるため、こうしたリハビリテーションの位置づけを検討してはどうかとの意見がありました。病棟配置の療法士の役割は明示されていませんが、病棟における生活機能回復のための介入は重要であるとの意見がありました。一方、一部は生活介助の延長ともとらえられるため、リハビリテーションとして実施する効果を科学的に検証する必要もあるのではないかという指摘がありました。回復期リハビリテーション病棟では、「生活機能の回復に向けた支援」等、ADLに係る項目について、療法士が関与している割合が比較的高い状況でした。地域包括医療病棟では、地域包括ケア病棟と比べ、生活機能の回復に向けた排泄や離床の促しの支援、体位交換等の業務について療法士が関与している割合が高い傾向でした。多職種連携によるタスクシェアの実態と今後の展望急性期から慢性期の43病棟の看護師を対象とした病棟の看護業務タイムスタディ調査の結果では、「診察・治療」「患者のケア」に従事している時間が長く、全体の半分程度を占めていました。「看護記録」や「情報共有」の時間がそれに続きました。病棟業務への多職種の関与として、「診察・治療」のうち栄養状態、摂食・嚥下状態、ADL、口腔の状態等に関するスクリーニング・評価や、各種計画の作成は、管理栄養士や療法士がそれぞれ主として実施している病棟が多い状況です。薬剤の準備・投与に関する業務は薬剤師が関与している病棟が多く、検査の準備や実施は、臨床検査技師が関与している病棟が約3割ありました。病棟におけるリハビリテーションや自立援助、嚥下訓練に関する業務は療法士、食事に関する業務は管理栄養士が関与している病棟が多い結果となりました。「患者のケア」に係る業務の多くは、看護師が主として実施していましたが、食事の配膳や排泄介助、見守り・付き添い、食事介助、体位交換は、看護補助者が主として実施していると回答した病棟が1割~2割程度みられました。離床の取組や患者宅への訪問は、理学療法士や作業療法士が関与している又は主として実施している病棟が多い状況でした。調査で分担していることが明らかになった各業務においては、専門職が関わることにより、業務の安全性向上や効率化、対応の迅速化といったメリットがあると考えられました。今後、病棟では多様な職種の関わりが増えてくることで、各専門職種がそれぞれの視点を活かした支援業務を行っていくことが必要となります。効果的なケアを行うためには、多様な職種が関わるタイミングや内容、病棟全体の患者の状況等に応じた様々な業務分担の在り方を検討し、有機的な多職種の連携が不可欠です。日常生活動作に関してオンデマンドでリアルタイムに介入していくことが、退院後の生活に直結しています。看護師は看護の視点で日々こうした支援を実施しています。今後、病棟での多様な職種の関わりが増えることにより、各職種それぞれの視点を活かして日常生活動作への支援が行われるようになると考えられますが、各職種がばらばらに関わることがないよう、有機的に連携させることが不可欠です。マネジメントの知識や経験のある人材がしっかりとまとめていくことが重要であり、看護管理者によるマネジメントも重要との意見がありました。多職種連携が加算等で評価されることとなると、大病院に雇用が集中し需給バランスが崩れる懸念があります。医療機関ごとの需要に応じた柔軟な体制をとれるよう、技術的に検討すべきとの意見がありました。特に療法士が病棟で担う役割には期待しており、どのような業務・ケアを担当しうるか詳細に検討してはどうかとの意見もありました。入院中の患者のADLの維持や向上を趣旨とした体制加算や病棟の施設基準における多職種配置が進みつつありますが、生活機能を落とさないためには、より一層こうした病棟での多職種連携の推進が必要です。まとめ病棟における多職種連携は、患者のADL維持・向上に重要な役割を果たしています。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算は、ADL改善効果が高く休日リハ提供量も充実していますが、算定患者は要介護度が高い・高齢といった背景があり、ADL悪化率は算定なしと差がありませんでした。人員配置要件の厳しさから届出率が9.0%にとどまり、管理栄養士の病棟配置も十分に進んでいない状況です。病棟薬剤業務実施加算は増加傾向にありますが、小規模病院では人件費確保が課題となっています。今後は、各専門職種の役割を明確にしつつ、有機的な多職種連携を推進し、看護管理者によるマネジメントのもと、医療機関ごとの需要に応じた柔軟な体制構築が求められます。 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AIを相棒に「思いついたら最短で形にする」を実験するチャンネルです。 【コンテンツ】 ・AI駆動開発 — Web・スマホアプリ・ゲームの作り方と考え方 ・AI自動化 — 情報収集・タスク整理・日常の省力化 専門用語はできるだけ噛み砕いて、「手順」と「考え方」をセットでお話しします。 ▼ 他の活動・プロダクトまとめ https://lit.link/shogo-omori YouTubeでは、動画解説やAIで生成した架空の特撮動画を上げてます。 ▼ YouTube「AI駆動開発ラボ」 https://www.youtube.com/@aidd-lab https://listen.style/p/aidd-lab?njUEaA3t
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業歴15年の現役エンジニアの加門が、 年間3000万円のコストを8万円代にした実績などをベースに みなさんに分かりやすく ITニュースやIT関連情報、IT・DXノウハウを発信。 ━━━━━━━━━━━━━━ ・人材採用の広告費でキャッシュが圧迫され続けている ・頑張っても頑張っても売上が上がらない ・売上は上がっても利益がなぜか下がってしまう ・残業ばっかりで従業員の退職が続いていしまう ・部下の教育やマネジメントといった重要な仕事ができない ・社長が頑張って頑張って、全然楽にならない ・折角IT導入をしたのに、効果を全く感じられない など、こういった思いをしている方へ ■時間と労力のかかる業務を数クリック完了 100%使いこなせるITツールで、生産性を爆上げします 個別相談受付中‼️ レター✉️またはLINEからご連絡ください https://line.me/R/ti/p/%40799mnvvv ◻️実績👇 ▶︎ 2人で5日かけていた業務を10分に短縮‼️ ⇩他クライアント実績⇩ https://minato-ltd.co.jp/achivement/ ━━━━━━━━━━━━━━ ・AIを使ってみたいけど、どう使っていいか分からない ・ビジネスでAIを活用する方法を知りたい ・AIの最新情報や活用方法を知りたい といった方に向けた実践講座を毎月無料で開催しています✴️ 開催日は公式LINEで配信しています。 https://line.me/R/ti/p/%40799mnvvv ━━━━━━━━━━━━━━ 【AIバンドのプロデュース・プロジェクト】 古代エジプトをテーマにしたAIバンド・Ankhsmith(アンクスミス)をプロデュース中。 ━━━━━━━━━━━━━━ 【自己紹介】 『業務工数90%削減。働く人をハッピーに‼️』 ◻︎加門 和幸 株式会社 皆人(みなと)代表取締役 キャリア15年の現役エンジニア JAL・無印良品・KDDIなど開発プロジェクトにも参画 業務工数9割削減のITツール開発 ━━━━━━━━━━━━━━ ■【コラボライブ】受付中 レター✉️よりお気軽にご連絡ください ポッドキャストの書き起こしサービス「LISTEN」はこちら https://listen.style/p/kamon_standfm?DP5rtePo
思ったら即アウトプットするプログラマー
この番組はエンジニアの「もっさん」が日々思ったことを1トピック1エピソードでコンパクトに話す番組です。 ※ 2024/6/27に「みるみる積もる!積読術」からタイトル変更しました ●【Twitter @mossan_hoshi】 ●【Youtube @mossanhoshi7158】 ●【オライリー本サブスクについて】 https://zenn.dev/mossan_hoshi/articles/20230128_oreilly_learning ●【積読本リスト】 https://1drv.ms/x/s!AqxcPJT01sLlgdsJJ2-wA9mRn1dimA?e=uvyGdD ●【Zenn @mossan_hoshi】 ●【Qiita @mossan_hoshi】
エンジニアトーク「ROLE MODEL」
ROLE MODEL(ロールモデル)は、エンジニアのサクセスストーリーを届けるポッドキャストです。各エピソードで実績のあるエンジニアをお招きし、その仕事を徹底的に掘り下げて、キャリア形成に役立つ情報を配信していきます。 番組の感想・リクエストはこちらから: https://pitpa.jp
シゴタノ!キャストfm
こんにちは✋ ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」を2005年に開設し、自作タスク管理ツール「タスクシュート」を1998年から使い続けている大橋 悦夫(おおはしえつお)です。 2000年から「ひとり事業家」として活動しており、現在は個人事務所と一般社団法人タスクシュート協会の2社を経営しています。 このstand.fmでは「シゴタノ!キャストfm」と題して仕事を楽しくする(楽しく実践する、楽しいものに変える)ことをモットーに日々の活動や考えていることをキャストしていきます🎙️ 🔊RSS:https://stand.fm/rss/5f43c313907968e29d026e7e 🐿️「LISTEN」上でこのポッドキャストの書き起こしが読めます。 https://listen.style/p/shigotanocastfm?fDKKYHls
ヨンイチのちょっとお仕事が変わる話
普段の仕事が少し変わる働き方やAI・アプリなどのお話。