病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。
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【令和8年度改定】入院医療の評価を総まとめ|全21項目の改定ポイントを一覧解説
令和8年度診療報酬改定の個別改定項目「Ⅱ-1 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価」では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携を推進するため、入院医療に関する合計21の項目が見直されます。この記事では、「Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備」の18項目と「Ⅱ-1-2 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価」の3項目について、全体像をまとめます。21項目に共通するのは、病院の機能・実績と地域の実情に応じた評価の強化です。Ⅱ-1-1の18項目では、急性期入院医療の入院基本料新設、高度急性期の区分簡素化と実績要件の導入、地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設における患者状態の適切な反映、DPC/PDPSの精緻化などが実施されます。Ⅱ-1-2の3項目では、医療資源の少ない地域の対象拡大、外来・在宅診療を支援する病院への新加算、歯科巡回診療の新評価が導入されます。Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備(18項目)Ⅱ-1-1では、入院医療の評価体系が大幅に見直されます。18項目は、急性期入院医療(①〜④)、高度急性期入院医療(⑤〜⑧)、地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設(⑨〜⑫)、看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPS(⑬〜⑮)、短期滞在手術・地域加算・名称変更(⑯〜⑱)の5グループに分かれます。①〜④ 急性期入院医療の見直し急性期入院医療では、救急搬送件数や手術件数の実績を施設基準に組み込んだ評価の強化が行われます。①急性期病院一般入院基本料等がA・Bの2区分で新設され、②重症度、医療・看護必要度にはA/C項目の追加と救急患者応需係数が導入されます。③急性期総合体制加算は総合入院体制加算と急性期充実体制加算の統合により5区分に再編され、④特定機能病院入院基本料はA・B・Cの3区分に分かれます。⑤〜⑧ 高度急性期入院医療の見直し高度急性期入院医療では、ICU・HCU・SCUの3つの管理料に実績要件が新設され、ICUと救命救急入院料では区分が簡素化されます。⑤特定集中治療室管理料は6区分から3区分に簡素化され、実績要件が新設されます。⑥ハイケアユニット入院医療管理料は実績要件の新設と点数の引き上げが実施されます。⑦救命救急入院料は4区分から2区分に統合されます。⑧脳卒中ケアユニット入院医療管理料には超急性期治療に関する実績要件が追加されます。⑨〜⑫ 地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設の見直し地域包括医療病棟から障害者施設等入院基本料まで、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させる見直しが行われます。⑨地域包括医療病棟は手術・緊急入院の有無で3区分に再編され、⑩回復期リハビリテーション病棟には強化体制加算の新設や実績指数の基準新設など9つの変更が実施されます。⑪療養病棟は医療区分2・3の内容が見直され、⑫障害者施設等では廃用症候群の評価が療養病棟に準じた体系に変更されます。⑬〜⑮ 看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSの見直し看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払い制度の精緻化が実施されます。⑬障害者施設等入院基本料の看護補助加算は算定可能期間が入院31日目以降に拡大されます。⑭除外薬剤には生物学的製剤とJAK阻害薬が全入院料共通で追加されます。⑮DPC/PDPSでは標準病院群の細分化や機能評価係数Ⅱの算出方法の変更などが行われます。⑯〜⑱ 短期滞在手術・地域加算・名称変更手術の外来移行促進、地域手当の再編、加算名称の明確化が実施されます。⑯短期滞在手術等基本料は外来実施率が高い手術の点数差縮小と入院手術対応加算の新設が行われます。⑰地域加算は級地区分が7段階から5段階に再編されます。⑱看護補助体制充実加算は「看護補助・患者ケア体制充実加算」に改称されます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】入院医療の全18項目を総整理|Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備を完全網羅Ⅱ-1-2 人口の少ない地域の実情を踏まえた評価(3項目)Ⅱ-1-2では、人口規模が小さい二次医療圏における診療所数の減少や医師の高齢化を踏まえ、3つの評価が見直し・新設されます。医療資源の少ない地域の対象拡大、外来・在宅診療を支援する病院への新加算の新設、歯科巡回診療の新評価が主な内容です。① 医療資源の少ない地域の対象地域の見直し対象地域は、令和5年医療施設静態調査等の最新データに基づき37医療圏から39医療圏へ拡大されます。32医療圏が引き続き該当し、7医療圏が新たに追加され、5医療圏が除外されます。除外された医療圏で既に届出を行っている医療機関に対しては、経過措置が従来の2年間から約6年間へ延長されます。② 医療提供機能連携確保加算の新設地域の外来・在宅診療を支援しながら緊急入院の受入体制を確保する医療機関を評価する「医療提供機能連携確保加算」が新設されました。入院初日に算定する600点の加算と、情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に月1回算定できる50点の上乗せ加算で構成されます。対象地域は、人口20万人未満かつ人口密度200人/km²未満の二次医療圏および離島等の地域です。③ 歯科巡回診療の新評価歯科医療が十分に提供されていない地域での巡回診療に対して、2つの評価が新設されました。第一に、初診料・再診料に加算できる「地域歯科医療加算」100点が新設されます。第二に、巡回診療時の処置・手術・歯冠修復及び欠損補綴に対する所定点数の30%加算が新設されます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】人口の少ない地域の実情を踏まえた評価|3つの改定項目を総まとめまとめ令和8年度改定の「Ⅱ-1 患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価」では、合計21項目が見直されます。Ⅱ-1-1の18項目では、急性期入院医療の入院基本料新設と加算統合、高度急性期の区分簡素化と実績要件導入、地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設における患者状態の適切な反映、DPC/PDPSの精緻化、短期滞在手術の見直しと地域加算の再編が実施されます。Ⅱ-1-2の3項目では、医療資源の少ない地域の対象が39医療圏へ拡大され、医療提供機能連携確保加算(入院初日600点・月50点)が新設され、歯科巡回診療に地域歯科医療加算100点と処置等の30%加算が導入されます。各医療機関は、自院が該当する項目を特定し、届出や体制整備の準備を早期に進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】人口の少ない地域の実情を踏まえた評価|3つの改定項目を総まとめ
人口規模が小さい二次医療圏では、2012年から2022年にかけて診療所数が減少傾向にあり、従事する医師の高齢化も進んでいます。こうした状況を踏まえ、令和8年度診療報酬改定では、人口の少ない地域の実情に配慮した3つの評価の見直し・新設が行われました。3つの改定項目の概要は、以下のとおりです。第一に、医療資源の少ない地域の対象地域が37医療圏から39医療圏へ拡大され、経過措置も約6年間に延長されます。第二に、地域の外来・在宅診療を支援しながら緊急入院の受入体制を確保する医療機関を評価する「医療提供機能連携確保加算」(入院初日600点・月50点)が新設されます。第三に、歯科巡回診療に対する「地域歯科医療加算」100点と処置等の30%加算が新設されます。① 医療資源の少ない地域の対象地域の見直し医療資源の少ない地域の対象地域は、令和5年医療施設静態調査等の最新データに基づき見直されます。対象地域は令和6年度改定時の37医療圏から39医療圏へ拡大されます。今回の見直しでは、32医療圏が引き続き該当し、7医療圏が新たに追加され、5医療圏が除外されます。新たに追加されるのは、北海道富良野・紋別、岩手県二戸、埼玉県秩父、三重県東紀州、島根県大田、岡山県真庭の7医療圏です。除外されるのは、北海道南檜山、岩手県宮古、長野県木曽・大北、滋賀県湖北の5医療圏です。対象地域から除外された医療圏で、すでに届出を行っている医療機関に対しては、経過措置が従来の2年間から約6年間へ延長されます。この延長は、医療資源の少ない地域に配慮した施設基準等による届出を行っている医療機関の運営の安定性を担保する目的で実施されます。▶ 詳細はこちら:【令和8年度改定】医療資源の少ない地域が37→39医療圏へ拡大|新規7圏・除外5圏の全容② 人口の少ない地域で医療を提供する機能を連携して確保する評価の新設人口の少ない地域における外来・在宅医療の提供体制の維持が困難になっている課題に対応するため、「医療提供機能連携確保加算」が新設されました。この加算は、地域の外来・在宅診療を支援しながら緊急入院の受入体制を確保する医療機関を評価するものです。医療提供機能連携確保加算は、入院初日に算定する600点の加算と、情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に月1回算定できる50点の上乗せ加算で構成されます。対象地域は、人口20万人未満かつ人口密度200人/km²未満の二次医療圏および離島等の地域です。施設基準では、病棟要件に加えて、外来・在宅診療支援の実績要件と緊急入院の受入実績要件の3つを満たす必要があります。外来・在宅診療支援の実績要件では、常勤医師の派遣、代替医師の臨時派遣、巡回診療、情報通信機器を用いた診療の4項目のうち2つ以上を同一の二次医療圏内で満たすことが求められます。▶ 詳細はこちら:【令和8年度改定】医療提供機能連携確保加算(600点・50点)の新設を徹底解説③ 歯科巡回診療に係る適切な推進歯科医療が十分に提供されていない地域では、歯科巡回診療車を用いた巡回診療が行われています。これまで巡回診療に対する診療報酬上の評価はありませんでしたが、令和8年度改定で2つの評価が新設されました。第一の評価は、初診料・再診料に加算できる「地域歯科医療加算」100点です。この加算は、歯科巡回診療車の中で歯科診療を実施した場合に算定できます。算定にあたっては、保険医療機関が自治体等と連携し、巡回診療実施計画を提出する必要があります。第二の評価は、巡回診療時の処置・手術・歯冠修復及び欠損補綴に対する所定点数の30%加算です。地域歯科医療加算を算定した患者に対して巡回診療時に処置等を行った場合に算定できます。ただし、処置の通則第5号に掲げる加算との併算定はできません。▶ 詳細はこちら:【令和8年度改定】歯科巡回診療の新評価「地域歯科医療加算」100点を新設まとめ令和8年度診療報酬改定では、人口の少ない地域の実情を踏まえた3つの評価が見直し・新設されました。医療資源の少ない地域の対象地域は37医療圏から39医療圏へ拡大され、経過措置も約6年間に延長されます。医療提供機能連携確保加算(入院初日600点・月50点)は、地域の外来・在宅診療を支援しながら緊急入院を受け入れる医療機関を新たに評価します。地域歯科医療加算100点と処置等の30%加算は、自治体と連携した歯科巡回診療を推進します。該当する地域の医療機関は、対象地域の確認と届出の検討を進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】歯科巡回診療の新評価「地域歯科医療加算」100点を新設
歯科医療が十分に提供されていない地域では、歯科巡回診療車を用いた巡回診療が行われています。しかし、これまで巡回診療に対する診療報酬上の評価はありませんでした。令和8年度診療報酬改定では、自治体と連携した歯科巡回診療を適切に推進するため、新たな評価が設けられました。今回の改定では、歯科巡回診療に関して2つの評価が新設されました。第一に、初診料・再診料に「地域歯科医療加算」100点が新設されました。第二に、巡回診療時の処置・手術・歯冠修復及び欠損補綴に対して、所定点数の30%に相当する加算が新設されました。本記事では、これら2つの新設評価について、算定要件と留意事項を解説します。地域歯科医療加算100点の新設地域歯科医療加算は、歯科巡回診療車を用いた巡回診療を行った場合に、初診料・再診料に100点を加算できる新たな評価です。この加算の対象となるのは、巡回診療によらなければ歯科医療の確保が困難な地域、または専門歯科医療機関が身近にない地域に居住する患者です。対象となる患者に対して、歯科ユニット等を搭載した歯科巡回診療車の中で歯科診療を実施した場合に算定できます。算定にあたっては、保険医療機関が自治体等と連携し、巡回診療実施計画を提出する必要があります。この「自治体等との連携」が、本加算の重要な要件です。自治体連携の3つの要件自治体等との連携は、次の3つのいずれかに該当する必要があります。第一の要件は、自治体等が設置している保険医療機関が歯科巡回診療車を所有していることです(イに該当)。自治体立の医療機関が巡回診療車を保有しているケースが、この要件にあたります。第二の要件は、都道府県の定める医療計画等の自治体の計画に基づく巡回診療であることです(ロに該当)。都道府県が医療計画の中で位置づけた巡回診療が、この要件にあたります。第三の要件は、上記イまたはロに準ずるものです(ハに該当)。イ・ロには直接該当しないものの、実質的に自治体と連携した巡回診療と認められるケースが、この要件にあたります。これら3つの要件のうち、いずれに該当するかを診療録と診療報酬明細書(レセプト)の摘要欄に記載する必要があります。巡回診療時の処置等に対する30%加算の新設地域歯科医療加算を算定した患者に対して巡回診療時に処置等を行った場合、所定点数の30%に相当する点数が加算されます。この30%加算の対象となるのは、処置、手術、歯冠修復及び欠損補綴の各通則です。いずれも、地域歯科医療加算を算定した患者に対して巡回診療時に実施した場合に算定できます。ただし、処置の通則第5号に掲げる加算を算定する場合は、この30%加算は算定できません。両者は併算定ができない点に注意が必要です。まとめ令和8年度診療報酬改定では、歯科巡回診療に対する2つの評価が新設されました。初診料・再診料への「地域歯科医療加算」100点と、処置・手術・補綴に対する所定点数の30%加算です。いずれも自治体等との連携が前提であり、巡回診療実施計画の提出やレセプト摘要欄への連携区分の記載が求められます。歯科医療が十分に提供されていない地域での歯科診療を推進するうえで、今回の改定は重要な一歩といえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】医療提供機能連携確保加算(600点・50点)の新設を徹底解説
人口の少ない地域では、診療所の減少と医師の高齢化が進み、外来・在宅医療の提供体制の維持が困難になっています。こうした課題に対応するため、令和8年度診療報酬改定では、地域の外来・在宅診療を支援しながら緊急入院の受入体制を確保する医療機関を評価する「医療提供機能連携確保加算」が新設されました。医療提供機能連携確保加算は、入院初日に算定する600点の加算と、同加算の施設基準を満たす医療機関が入院患者に情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に月1回算定できる50点の上乗せ加算で構成されます。この加算の対象地域は、人口20万人未満かつ人口密度200人/km²未満の二次医療圏および離島等の地域です。施設基準では、医師派遣や巡回診療などの外来・在宅診療支援の実績と、緊急入院患者の受入実績の両方が求められます。本稿では、対象地域、施設基準、算定要件の3つのポイントから、この新加算の全体像を解説します。新設の背景:人口の少ない地域で深刻化する医療提供体制の課題医療提供機能連携確保加算が新設された背景には、人口の少ない地域における医療提供体制の危機があります。ここでは、外来医療の現状と、それを支える連携の仕組みについて説明します。人口規模が小さい二次医療圏では、2012年から2022年にかけて診療所数が減少傾向にあります。従事する医師の高齢化も進んでおり、地域の外来診療を維持することが難しくなっています。実際に、ヒアリング調査では「隣接自治体の診療所で診療できる医師がいなくなり、近隣病院が新たに医師派遣を担うことになった」「派遣元の病院にとって派遣先が増え、派遣回数を減らしたいとの要望があった」といった切実な声が寄せられています。こうした地域では、へき地医療拠点病院や近隣の病院が中心となり、医師派遣、代診医派遣、巡回診療の「主要3事業」と情報通信技術を活用した遠隔医療を組み合わせて外来医療を支えています。この支援体制を診療報酬上で評価し、持続可能なものとするために、医療提供機能連携確保加算が創設されました。加算の概要:入院初日600点と情報通信機器活用の月50点医療提供機能連携確保加算は、入院医療に関する2つの点数で構成されます。1つ目が入院初日の加算、2つ目が1つ目の施設基準を満たす医療機関がさらに情報通信機器を活用した場合の上乗せ加算です。1つ目は、入院初日に算定する600点の加算です。この加算は、施設基準を満たす医療機関に入院している患者について、入院初日に限り所定点数に加算します。対象となる患者は、入院基本料(特別入院基本料等を除く)または特定入院料のうち、医療提供機能連携確保加算を算定できるものを現に算定している患者です。2つ目は、上記600点の施設基準を満たす医療機関が、入院患者に対して情報通信機器を用いた医学管理を行った場合に、月1回に限り50点をさらに加算するものです。具体的には、医学管理等(特掲診療料第1部第1節)に掲げる医学管理を情報通信機器を用いて実施した場合に算定できます。対象地域:人口20万人未満・人口密度200人/km²未満の二次医療圏と離島等医療提供機能連携確保加算の対象地域は、人口と人口密度の2つの基準で定められています。具体的には、人口20万人未満かつ人口密度200人/km²未満の二次医療圏および離島等の地域が対象です。対象となる二次医療圏は、北海道から沖縄県まで全国に広がっています。北海道では南檜山、北渡島檜山、後志、南空知など多数の医療圏が該当します。東北では青森県の西北五地域・上十三地域・下北地域、岩手県の胆江・両磐・気仙・釜石・宮古・久慈・二戸などが含まれます。関東では埼玉県秩父、東京都島しょが該当し、中部では新潟県の魚沼・佐渡、長野県の上伊那・飯伊・木曽・大北・北信などが対象です。九州・沖縄では、長崎県の五島・上五島・壱岐・対馬、鹿児島県の熊毛・奄美、沖縄県の北部・八重山など、離島を多く含む地域が含まれています。これらの二次医療圏に加えて、離島振興法に基づく離島振興対策実施地域、奄美群島振興開発特別措置法に規定する奄美群島の地域、小笠原諸島振興開発特別措置法に規定する小笠原諸島の地域、沖縄振興特別措置法に規定する離島の地域も対象に含まれます。施設基準:届出に必要な3つの要件医療提供機能連携確保加算の届出には、病棟要件、外来・在宅診療支援の実績要件、緊急入院の受入実績要件の3つを満たす必要があります。病棟要件施設基準の第1の要件は、対象となる病棟の届出です。一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料、専門病院入院基本料、地域包括医療病棟入院料、または地域包括ケア病棟入院料に係る届出を行っている病棟を有することが求められます。外来・在宅診療支援の実績要件第2の要件は、対象地域における外来・在宅診療体制の確保に係る実績です。以下の4つの項目のうち、2つ以上を同一の二次医療圏内で満たす必要があります。ア 常勤医師の派遣による診療の実績として、対象地域に所在する他の医療機関に常勤医師を派遣して診療を実施した日数の合計が、直近1年間に40日以上であること。イ 代替医師の臨時派遣の実績として、対象地域に所在する他の医療機関に対し、医師の休暇時等における代替医師を臨時に派遣して診療を実施した日数の合計が、直近1年間に4日以上であること。ウ 巡回診療の実績として、対象地域において巡回診療を実施した日数の合計が、直近1年間に20日以上であること。エ 情報通信機器を用いた診療の実績として、対象地域に居住する患者に対して情報通信機器を用いた診療を実施した日数の合計が、直近1年間に40日以上であること。緊急入院の受入実績要件第3の要件は、緊急入院患者の受入実績です。上記のア・イに定める他の医療機関から紹介を受けた患者、またはウ・エによる診療を受けた日から3か月以内の患者であって、病状の急変等により緊急で入院が必要となった者の受入れを、当該年度において3件以上実施していることが求められます。さらに、「救急医療対策事業実施要綱」に規定する第二次救急医療機関または第三次救急医療機関であることも必要です。離島加算の引き上げ:18点から25点へ医療提供機能連携確保加算の新設に加えて、離島における入院医療の応需体制をさらに推進する観点から、離島加算の評価も引き上げられました。離島加算は、従来の18点から25点に引き上げられます。この引き上げにより、離島で入院医療を提供する医療機関の経営基盤の安定化が図られ、離島における入院医療の継続的な提供が支援されます。まとめ令和8年度診療報酬改定で新設された医療提供機能連携確保加算は、人口の少ない地域の外来・在宅医療を支援する病院の入院医療を評価する加算です。入院初日600点の加算と、同加算の施設基準を満たす医療機関が入院患者に情報通信機器を用いた医学管理を行った場合の月50点の上乗せ加算で構成されます。対象地域は、人口20万人未満かつ人口密度200人/km²未満の二次医療圏および離島等です。施設基準では、病棟要件に加えて、医師派遣・巡回診療等の外来・在宅診療支援実績と、緊急入院の受入実績が求められます。あわせて、離島加算も18点から25点に引き上げられました。該当する医療機関は、自院の支援実績を確認のうえ、届出の検討を進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】医療資源の少ない地域が37→39医療圏へ拡大|新規7圏・除外5圏の全容
令和8年度診療報酬改定では、「医療資源の少ない地域」の対象地域が見直されます。この見直しは、令和5年医療施設静態調査等の最新データに基づき、医療資源の少ない地域に配慮した評価を適切に行う目的で実施されるものです。対象地域の変更は、施設基準の緩和措置を受けられるかどうかに直結するため、該当地域の医療機関は確認が必要です。今回の見直しにより、対象地域は令和6年度改定時の37医療圏から39医療圏へ拡大されます。具体的には、北海道富良野や埼玉県秩父など7医療圏が新たに追加される一方、北海道南檜山や長野県木曽など5医療圏が除外されます。対象地域から除外された医療圏で、すでに届出を行っている医療機関に対しては、経過措置が従来の2年間から約6年間へ延長されます。見直しの背景と選定基準今回の見直しの背景には、人口減少地域における医療提供体制の変化があります。人口規模が小さい二次医療圏では、2012年から2022年にかけて診療所数が減少傾向にあり、従事する医師の高齢化も進んでいます。こうした状況を最新の統計で正確に把握し、対象地域を適切に設定し直す必要が生じました。「医療資源の少ない地域」の選定には、2つの基準が用いられます。1つ目は、医療従事者の確保が困難な地域であることです。具体的には、「人口当たり医師数が下位1/2」かつ「人口当たり看護師数が下位1/2」の要件を満たす必要があります。2つ目は、医療機関が少ない地域であることです。こちらは、「病院密度が下位15%」または「病床密度が下位15%」のいずれかを満たす必要があります。この2つの基準を両方満たす二次医療圏が、対象地域として指定されます。これらの基準に加え、離島振興法等の特別法で指定された離島地域も対象に含まれます。具体的には、離島振興対策実施地域、奄美群島、小笠原諸島、沖縄の離島が該当します。対象地域の変更内容:新規追加7医療圏と除外5医療圏令和8年度改定では、令和6年度の37医療圏のうち32医療圏が引き続き該当し、7医療圏が新たに追加され、5医療圏が除外されます。その結果、対象地域は合計39医療圏となります。新たに追加される7医療圏は、以下のとおりです。北海道からは、富良野(富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村)と紋別(紋別市、佐呂間町、遠軽町、湧別町、滝上町、興部町、西興部村、雄武町)の2圏が追加されます。東北からは、岩手県二戸(二戸市、軽米町、九戸村、一戸町)が追加されます。関東からは、埼玉県秩父(秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町)が追加されます。中部・近畿からは、三重県の東紀州(尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町)が追加されます。中国からは、島根県大田(大田市、川本町、美郷町、邑南町)と岡山県真庭(真庭市、新庄村)の2圏が追加されます。一方、除外される5医療圏は、以下のとおりです。北海道南檜山(江差町、上ノ国町、厚沢部町、乙部町、奥尻町)、岩手県宮古(宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村)、長野県木曽(木曽郡)、長野県大北(大町市、北安曇野郡)、滋賀県湖北(長浜市、米原市)の5圏です。これらの地域は、直近の統計で選定基準を満たさなくなったため除外されます。対象地域に指定されることで受けられる施設基準の緩和医療資源の少ない地域に指定された医療機関は、通常とは異なる緩和された施設基準で届出を行うことができます。この仕組みは、医療従事者の確保が困難な地域でも必要な医療を提供できるように設けられたものです。緩和の内容は、大きく2つに分かれます。1つ目は、施設基準における人員配置要件の緩和です。たとえば、入退院支援加算では、常勤の看護師・社会福祉士に代えて、非常勤の複数人配置でも要件を満たすことができます。2つ目は、病棟機能の混合を認める措置です。医療機関が少なく機能分化が困難な地域では、1つの病棟で複数の機能を担うことが認められています。経過措置の延長:除外地域の医療機関への配慮対象地域から除外された医療機関に対しては、経過措置が設けられます。従来、この経過措置の期間は2年間でしたが、今回の改定では大幅に延長されます。延長の目的は、医療資源の少ない地域に配慮した施設基準等による届出を行っている医療機関の運営の安定性を担保することです。経過措置の具体的な内容は、改定の時期に応じて2つに分かれます。1つ目は、令和6年3月31日時点で、令和6年度改定前の対象地域に存在し、医療資源の少ない地域の評価に係る届出を行っていた医療機関です。この医療機関は、令和12年5月31日まで従前の届出が有効となります。2つ目は、令和8年3月31日時点で、令和8年度改定前の対象地域に存在し、同様の届出を行っていた医療機関です。この医療機関は、令和14年5月31日まで従前の届出が有効となります。いずれも、従来の2年間から約6年間へと大幅に延長されたことになります。まとめ令和8年度診療報酬改定では、医療資源の少ない地域の対象地域が37医療圏から39医療圏へ拡大されます。北海道富良野・紋別、埼玉県秩父など7医療圏が新たに追加される一方、北海道南檜山、長野県木曽・大北など5医療圏が除外されます。除外地域で既に届出を行っている医療機関に対しては、運営の安定性を担保するため、経過措置が従来の2年間から約6年間に延長されます。該当する地域の医療機関は、自院が対象地域に含まれるかを確認し、届出の見直しを検討してください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】入院医療の全18項目を総整理|Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備を完全網羅
令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携を推進するため、入院医療の評価体系が大幅に見直されます。個別改定項目「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」には18の項目が含まれます。この記事では、18項目の全体像を5つのグループに分けて解説します。18項目に共通するのは、病院の機能と実績に応じた評価の強化です。急性期入院医療では、救急搬送件数や手術件数の実績が入院基本料や管理料の施設基準に組み込まれます。高度急性期の管理料は区分が簡素化され、実績要件が新設されます。地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設の各病棟では、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映する評価に改められます。看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSでは、看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払いの精緻化が行われます。短期滞在手術・地域加算・看護補助者の名称変更では、手術の外来移行促進や地域手当の再編が実施されます。①〜④ 急性期入院医療の4つの見直し急性期入院医療では、入院基本料の新設、看護必要度の見直し、加算の統合、特定機能病院の区分再編の4つが実施されます。いずれも、病院の機能に着目した評価を強化する内容です。① 急性期病院一般入院基本料等の新設では、救急搬送件数や全身麻酔手術件数の実績を施設基準に組み込んだ新たな入院基本料がA・Bの2区分で新設されます。急性期病院Aは1日につき1,930点(7対1、救急搬送年間2,000件以上かつ全身麻酔手術年間1,200件以上)、急性期病院Bは1日につき1,643点(10対1、4つの選択肢から1つを充足)です。② 重症度、医療・看護必要度の見直しでは、A/C項目の対象治療等の追加、救急患者応需係数の新設、B項目測定の柔軟化の3点が改定されます。救急患者応需係数は、病床あたり年間救急搬送受入件数に0.005を乗じた数(上限10%)を基準該当割合に加算する仕組みです。③ 急性期総合体制加算の新設では、総合入院体制加算と急性期充実体制加算が統合され、5区分に再編されます。加算1は14日間合計5,500点で、最も高い総合性と集積性が求められます。加算5は人口20万人未満の地域への配慮を目的とした新設区分です。④ 特定機能病院入院基本料の見直しでは、全88病院に適用されていた一律の評価がA・B・Cの3区分に再編されます。7対1の点数はAが2,146点、Bが2,136点、Cが2,016点です。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】急性期入院医療の4つの見直し|入院基本料・必要度・加算・特定機能病院を総整理⑤〜⑧ 高度急性期入院医療(ICU・HCU・救命救急・SCU)の見直し高度急性期入院医療では、4つの管理料に共通して「実績に応じた評価」が導入されます。区分の簡素化と実績要件の新設が主な改定内容です。⑤ 特定集中治療室管理料の見直しでは、広範囲熱傷の区分統合により6区分から3区分に簡素化されます。管理料1には救急搬送件数年間1,000件以上、全身麻酔手術件数年間1,000件以上、小児関連病床5割以上の病院では全身麻酔手術年間500件以上、のいずれかを満たす実績要件が新設されます。広範囲熱傷への対応は「広範囲熱傷管理加算」(200点)として独立します。重症度、医療・看護必要度には「蘇生術の施行」等3項目が追加され、SOFAスコアの患者割合要件は1割から2割に引き上げられます。⑥ ハイケアユニット入院医療管理料の見直しでは、実績要件の新設、重症度・医療看護必要度の見直し、点数引き上げの3つが実施されます。HCU管理料1は6,889点から7,202点に、管理料2は4,250点から4,501点にそれぞれ引き上げられます。実績要件を満たせない既存届出治療室には、注5による救済措置(4,401点)が新設されました。⑦ 救命救急入院料の見直しでは、4区分から2区分に統合されます。広範囲熱傷の区分(入院料3・4)は廃止され、「広範囲熱傷管理加算」に移行します。番号体系も再編され、現行の入院料2(2対1看護)が新しい「入院料1」に、現行の入院料1(4対1看護)が新しい「入院料2」になります。⑧ 脳卒中ケアユニット入院医療管理料の見直しでは、超急性期治療に関する実績要件が新設されます。「超急性期脳卒中加算」と「経皮的脳血栓回収術」の合計が年間20回以上であることが施設基準に追加されます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】ICU・HCU・救命救急・SCUはこう変わる|区分統合・実績要件・点数を一覧解説⑨〜⑫ 地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設の見直し地域包括医療病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、障害者施設等入院基本料の4項目では、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させる見直しが行われます。⑨ 地域包括医療病棟の見直しでは、入院料が手術・緊急入院の有無で3区分(イ・ロ・ハ)に再編されます。入院料1(急性期病棟を併設しない医療機関向け)と入院料2に分かれ、最高点は入院料1・イの3,367点です。85歳以上の患者割合に応じた平均在院日数の緩和も導入されます。⑩ 回復期リハビリテーション病棟入院料等の見直しでは、9つの変更が行われます。入院料1を対象とした「回復期リハビリテーション強化体制加算」(80点/日)の新設、入院料2・4への実績指数32以上の基準新設、全日のリハビリテーション提供体制の基本要件化が主な内容です。全入院料で点数が引き上げられ、入院料1は2,229点から2,346点になります。⑪ 療養病棟入院基本料の見直しでは、医療区分2・3の内容が見直されます。感染症処置と他の処置の併施時に医療区分3として評価されるほか、末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全の3疾患が非がん緩和ケアとして医療区分2に追加されます。入院料2の医療区分2・3患者割合は5割から6割に引き上げられます。⑫ 障害者施設等入院基本料等の見直しでは、廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた体系に変更されます。ただし、廃用症候群の発症前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者は対象外です。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】入院医療の見直し4項目を総まとめ|地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設⑬〜⑮ 看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSの見直し看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払い制度の精緻化を目的とした3つの見直しが行われます。⑬ 障害者施設等入院基本料における看護補助者に係る加算の見直しでは、看護補助加算と看護補助体制充実加算の算定可能期間が入院31日目以降に拡大されます。看護補助加算には「ハ イ及びロ以外」(50点)が追加され、看護補助体制充実加算にも入院31日目以降の新区分(加算1:60点、加算2:55点、加算3:51点)が設けられます。⑭ 入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲の見直しでは、生物学的製剤とJAK阻害薬が全入院料共通の除外薬剤に追加されます。回復期リハビリテーション病棟入院料等には抗悪性腫瘍剤・医療用麻薬・腎性貧血治療薬が追加されるほか、複数の別表が一つに統合されます。⑮ DPC/PDPSの見直しでは、5つのポイントが改定されます。DPC標準病院群が「標準病院群1」と「標準病院群2」に細分化されること、機能評価係数Ⅱの複雑性係数の算出方法が変更されること、地域医療係数に4疾患領域の評価が導入されること、入院期間Ⅱが変動係数の低い分類で中央値に移行すること、再転棟時の期間制限が撤廃されることが主な内容です。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】入院医療の評価見直し3項目|看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSを解説⑯〜⑱ 短期滞在手術・地域加算・看護補助者の名称変更入院医療の提供体制に関する3つの見直しが行われます。手術の外来移行促進、地域手当の再編、加算名称の明確化が目的です。⑯ 短期滞在手術等基本料の見直しでは、4つのポイントで包括的に改定されます。基本料1の「ロ イ以外の場合」がほぼ半額に引き下げられること、基本料3の対象手術が追加されること、DPC対象病院での基本料3算定に統一されること、外来実施率が高い手術の点数差縮小と「入院手術対応加算」の新設が行われます。⑰ 地域加算の見直しでは、令和6年の人事院勧告に伴い、級地区分が7段階から5段階に再編されます。点数体系は18点・14点・11点・7点・4点の5段階に整理されます。点数が著しく変動する地域には令和9年5月31日までの経過措置が設けられます。⑱ 看護補助者に係る加算の名称の見直しでは、療養病棟入院基本料等4つの入院料の「看護補助体制充実加算」が「看護補助・患者ケア体制充実加算」に改称されます。直接患者ケアの評価内容を名称に反映させるための変更です。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】入院医療の提供体制整備|短期滞在手術・地域加算・看護補助者の3項目を解説まとめ令和8年度改定の「Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備」では、入院医療に関する18項目が見直されます。急性期入院医療(①〜④)では、救急搬送件数・手術件数の実績を施設基準に組み込んだ入院基本料の新設と、加算の統合・区分再編が行われます。高度急性期入院医療(⑤〜⑧)では、ICU・HCU・SCUの3つの管理料に実績要件が新設され、ICUと救命救急入院料では区分が簡素化されます。地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設(⑨〜⑫)では、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映する評価に改められます。看護補助加算・除外薬剤・DPC(⑬〜⑮)では、看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払いの精緻化が実施されます。短期滞在手術・地域加算・看護補助者の名称(⑯〜⑱)では、手術の外来移行促進と地域手当の再編が行われます。各医療機関は、自院が該当する項目を特定し、届出や体制整備の準備を早期に進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】入院医療の提供体制整備|短期滞在手術・地域加算・看護補助者の3項目を解説
令和8年度診療報酬改定の個別改定項目「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」では、入院医療の評価体系に関する複数の見直しが行われます。本稿では、このうち⑯短期滞在手術等基本料の見直し、⑰地域加算の見直し、⑱看護補助者に係る加算の名称の見直しの3項目を取り上げます。3項目の見直しの概要は次のとおりです。第1に、短期滞在手術等基本料は、基本料1の点数引下げ、基本料3の対象手術追加、DPC対象病院での基本料3算定への統一、外来実施率が高い手術の点数差縮小と入院手術対応加算の新設という4つのポイントで包括的に改定されます。第2に、地域加算は、人事院勧告に伴い級地区分が7段階から5段階に再編され、点数と対象地域が変更されます。第3に、看護補助者に係る加算は、直接患者ケアの評価内容にあわせて「看護補助体制充実加算」から「看護補助・患者ケア体制充実加算」に名称が変更されます。⑯ 短期滞在手術等基本料の見直し短期滞在手術等基本料は、手術の外来移行を促す観点から大幅に見直されます。改定のポイントは4つあります。第1に基本料1の点数引下げ、第2に基本料3の対象手術追加、第3にDPC対象病院での基本料3算定への統一、第4に外来実施率が高い手術の点数差縮小と入院手術対応加算の新設です。基本料1については、包括評価の実態に合わせた点数の適正化が行われます。「ロ イ以外の場合」の区分は、麻酔を伴う手術が1,588点から795点へ、それ以外が1,359点から680点へ、いずれもほぼ半額に引き下げられます。基本料3については、在院日数や医療資源投入量が安定している手術が新たに対象に追加されます。既存の対象手術も、実態を踏まえた点数に見直されます。DPC対象病院については、従来DPC算定としていた短期滞在手術を、基本料3で算定する仕組みに改められます。この変更により、病院の類型にかかわらず統一された評価が適用されます。外来実施率が高い手術については、2つの施策が講じられます。第1に、これらの手術の基本料3の点数が見直され、入院で実施した場合と外来で実施した場合の点数差が縮小されます。第2に、外来での手術実績を一定程度有する病院が、医学的に入院が必要な患者に対して入院で実施した場合に算定できる「入院手術対応加算」が新設されます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】短期滞在手術等基本料の4つの見直しポイントを解説⑰ 地域加算の見直し地域加算は、令和6年の人事院勧告に伴い、級地区分と点数が見直されます。改定のポイントは3つあります。第1に級地区分が7段階から5段階に再編されること、第2に各級地の点数が変更されること、第3に点数が大きく変動する地域に経過措置が設けられることです。級地区分の再編は、人事院規則の見直しに基づいています。令和6年の給与法改正により、級地区分の設定が市区町村単位から都道府県単位を基本とする取扱いに変更されました。この再編後も、対象医療機関数はほぼ同水準(4,722施設→4,855施設)が維持されます。点数体系は、現行の7段階(18点・15点・14点・11点・9点・5点・3点)から5段階(18点・14点・11点・7点・4点)に整理されます。1級地の18点は据え置きですが、2級地以降は新たな点数となります。経過措置は、点数が著しく変動する地域を対象に、令和9年5月31日まで設けられます。対象地域の医療機関は、自院の所在地がどの級地に該当するかを告示等の公表後に確認することが重要です。▶ 詳しくはこちら:地域加算が7区分から5区分へ|点数・対象地域の変更点を解説⑱ 看護補助者に係る加算の名称の見直し看護補助者に係る加算は、直接患者ケアの評価内容にあわせて名称が変更されます。対象となるのは、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料の4つの入院料における「看護補助体制充実加算」です。名称変更の背景には、累次の改定で看護補助者に係る加算の名称や評価内容にばらつきが生じていたことがあります。同じ「看護補助体制充実加算」という名称でも、入院基本料等によって評価する内容が異なっていました。改定後は、上記4つの入院料の「看護補助体制充実加算」が「看護補助・患者ケア体制充実加算」に改称されます。提供された資料の範囲では、今回の見直しは名称の変更であり、点数の変更は確認されていません。該当する入院料を届け出ている医療機関は、届出書類や算定管理資料の名称確認が必要です。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】看護補助体制充実加算が「看護補助・患者ケア体制充実加算」に名称変更まとめ令和8年度改定の「Ⅱ-1-1 医療提供体制の整備」における⑯~⑱の3項目は、いずれも入院医療の評価体系に関する見直しです。短期滞在手術等基本料は、基本料1の適正化、基本料3の拡大とDPC統一、外来実施率が高い手術の点数差縮小と入院手術対応加算の新設により、手術の外来移行と入院の適切な評価の両立が図られます。地域加算は、級地区分が5段階に再編され、点数と対象地域が変更されます。看護補助者に係る加算は、「看護補助・患者ケア体制充実加算」に改称され、評価内容が名称で明確化されます。各項目の詳細は、上記のリンク先の記事をご確認ください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】看護補助体制充実加算が「看護補助・患者ケア体制充実加算」に名称変更
令和8年度診療報酬改定では、看護補助者に係る加算の名称が見直されます。看護補助者に係る加算等は、累次の改定で整理、追加や修正が行われてきました。その結果、名称や評価内容にばらつきが生じています。今回の改定では、主として直接患者に対し療養生活上の世話を行う看護補助者の評価について、その内容にあわせて名称を変更します。今回の名称見直しのポイントは2つです。第一に、対象となるのは療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料の4つの入院料における「看護補助体制充実加算」です。第二に、これらの加算の名称が「看護補助・患者ケア体制充実加算」に変わります。名称変更の背景:累次の改定による名称と評価内容のばらつき名称変更の背景には、看護補助者に係る加算の名称や評価内容にばらつきが生じていたことがあります。看護補助者に係る加算等は、累次の改定で整理、追加や修正が行われてきました。その結果、名称や評価内容にばらつきが生じています。たとえば中医協の議論資料によると、「看護補助体制充実加算」という同じ名称が複数の入院基本料等で用いられているにもかかわらず、当該加算で評価する内容は入院基本料等によって異なっていました。こうした状況を踏まえ、今回の改定では、加算の内容にあわせて名称を見直すこととされました。改定の内容:「看護補助・患者ケア体制充実加算」への名称変更今回の改定では、主として直接患者に対し療養生活上の世話を行う看護補助者の評価について、名称を「看護補助・患者ケア体制充実加算」に変更します。名称変更の対象は、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料の4つの入院料における「看護補助体制充実加算」です。具体的な変更内容を、療養病棟入院基本料を例に示します。現行の「看護補助体制充実加算1(80点)」「看護補助体制充実加算2(65点)」「看護補助体制充実加算3(55点)」が、それぞれ「看護補助・患者ケア体制充実加算1(80点)」「看護補助・患者ケア体制充実加算2(65点)」「看護補助・患者ケア体制充実加算3(55点)」に変わります。身体的拘束を実施した日に「看護補助・患者ケア体制充実加算3の例により算定する」という規定についても、名称が変わります。なお、提供された資料の範囲では、今回の見直しは名称の変更であり、点数の変更は確認されていません。医療機関での対応:届出書類の名称確認を該当する入院料を届け出ている医療機関では、加算名の変更に伴う届出書類や院内の算定管理資料の記載を確認してください。名称変更の詳細な取扱いについては、今後発出される通知や事務連絡を注視する必要があります。まとめ令和8年度改定では、看護補助者に係る加算の名称が見直されます。対象は、療養病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料の4つの入院料です。これらの「看護補助体制充実加算」は、直接患者ケアの評価内容にあわせて「看護補助・患者ケア体制充実加算」に改称されます。該当する入院料を届け出ている医療機関では、届出書類や算定管理資料の名称確認とあわせて、今後の通知等を確認してください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
地域加算が7区分から5区分へ|点数・対象地域の変更点を解説
令和6年の人事院勧告により、国家公務員の地域手当の仕組みが見直されました。この見直しに連動して、診療報酬の地域加算も改定されます。地域加算は、医業経費の地域差に配慮して入院基本料等に上乗せされる加算です。今回の改定では、地域加算の級地区分と点数が変更されるため、対象地域の医療機関は自院への影響を確認する必要があります。今回の改定のポイントは3つあります。第1に、級地区分が現行の7段階から5段階に再編されます。第2に、各級地の点数が変更され、1級地(18点)は据え置きですが、2級地以降は新たな点数体系となります。第3に、点数が大きく変動する地域には令和9年5月31日までの経過措置が設けられます。級地区分の再編:7段階から5段階へ今回の改定で最も大きな変更点は、級地区分が7段階から5段階に再編されることです。この再編は、人事院規則で定める地域の見直しに基づいています。現行の地域加算は、1級地から7級地までの7段階で構成されています。1級地は東京都特別区、2級地は横浜市や大阪市など、7級地は札幌市や新潟市などが該当し、市区町村単位で級地が設定されています。改定後の地域加算は、1級地から5級地までの5段階に再編されます。この再編の背景には、人事院規則の見直しがあります。令和6年の給与法改正により、級地区分の設定が市区町村単位から都道府県単位を基本とする取扱いに変更されました。具体的には、都府県単位で級地を指定したうえで、中核的な市を個別に指定する方式に改められています。なお、この再編後も地域加算を算定できる医療機関数に大きな変化はありません。現行の対象医療機関数は病院・有床診療所あわせて4,722施設であるのに対し、見直し後は4,855施設と、ほぼ同水準が維持されます。点数の変更:各級地の新たな評価級地区分の再編に伴い、各級地の点数も変更されます。以下に、現行と改定後の点数を示します。現行の点数体系は、1級地18点、2級地15点、3級地14点、4級地11点、5級地9点、6級地5点、7級地3点の7段階です。改定後の点数体系は、1級地18点、2級地14点、3級地11点、4級地7点、5級地4点の5段階となります。1級地の18点は据え置かれますが、2級地以降は点数が整理されます。この点数変更により、級地が変わる地域では加算額が増減します。改定後の具体的な対象地域と級地区分は、告示や事務連絡で示されます。自院の所在地がどの級地に該当するかを、告示等の公表後に確認することが重要です。経過措置:点数が大きく変動する地域への配慮今回の改定では、点数が著しく変動する地域に対して経過措置が設けられます。この経過措置は、急激な収入変動を緩和するためのものです。経過措置の対象は、別に定める地域に所在する保険医療機関です。対象となる医療機関は、令和9年5月31日までの間、算定する区分の調整が行われます。経過措置の具体的な対象地域は、今後の告示や事務連絡で明らかになります。対象地域の医療機関は、改定後の級地区分と現行の級地区分を比較し、自院の点数がどの程度変動するかを事前に把握しておくことが重要です。対象地域の設定基準地域加算の対象地域は、2つの基準に基づいて設定されます。1つ目は、人事院規則で定める地域です。2つ目は、当該地域に準じる地域です。人事院規則で定める地域とは、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第11条の3第1項に規定される地域を指します。この地域は、国家公務員に地域手当が支給される地域として定められています。当該地域に準じる地域は、今回の改定では「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて」(令和7年11月11日総務副大臣通知)別紙2に定める地域手当の支給地域を参考に設定されます。まとめ今回の地域加算の見直しでは、級地区分が7段階から5段階に再編され、各級地の点数が変更されます。点数が大きく変動する地域には、令和9年5月31日までの経過措置が設けられます。対象地域の医療機関は、自院の所在地が改定後にどの級地に該当するかを確認し、収入への影響を試算しておくことが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】短期滞在手術等基本料の4つの見直しポイントを解説
令和8年度診療報酬改定では、手術の外来移行を促す観点から、短期滞在手術等基本料が大幅に見直されます。今回の改定は、基本料1の評価適正化にとどまらず、基本料3の対象手術追加やDPC対象病院への算定拡大、さらには外来実施率の高い手術に対する新たな加算の創設を含む、包括的な改定です。今回の見直しは、大きく4つのポイントに整理できます。第1に、基本料1の点数が引き下げられ、包括評価の実態に合った水準に適正化されます。第2に、基本料3の対象手術が追加され、既存の手術も実態を踏まえた点数に見直されます。第3に、DPC対象病院でも基本料3を算定する仕組みに変更されます。第4に、外来実施率が特に高い手術について、入院と外来の点数差を縮小する評価の見直しが行われるとともに、医学的に入院が必要な患者に限定した「入院手術対応加算」が新設されます。改定の背景|手術の外来移行と算定方式の統一今回の見直しの背景には、短期滞在手術の外来移行が十分に進んでいない現状と、算定方式が医療機関の類型によって分かれている問題があります。短期滞在手術等基本料は、医療の質の向上と効率化を図るために設けられた仕組みです。日帰り手術を対象とする基本料1と、4泊5日までの入院手術を対象とする基本料3の2種類があります。基本料1は術前・術後の管理や一部の検査を包括的に評価し、基本料3は入院基本料や検査、手術、麻酔などを含む幅広い診療行為を包括しています。これらの対象手術のうち、水晶体再建術と内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、特に算定回数が多い手術です。水晶体再建術(眼内レンズ挿入・その他)は総数165,699件のうち外来実施率が65.1%、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)は総数164,217件のうち外来実施率が79.1%に達しています。しかし、入院外実施率が0%の病院も一定数存在し、医療機関ごとのばらつきが大きい状況です。この入院実施の理由として、「原則、外来で実施している」と回答した医療機関では、「臨床上、入院での周術期管理を行う必要性が高いため」が最多でした。具体的には、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術では出血リスクの高い症例(抗血栓薬内服中、病変数が多い等)が、水晶体再建術では全身麻酔を要する症例(認知症により安静保持が困難等)が挙げられています。さらに、白内障の水晶体再建術については、OECD諸国の多くが90%以上を外来で実施しているのに対し、日本の外来実施割合は54%にとどまっています。都道府県別でも32%から90%まで大きな格差があり、外来移行の余地が指摘されています。算定方式の面では、入院で短期滞在手術を実施した場合、DPC対象病院のDPC算定病床ではDPC算定、DPC対象病院以外の病院では基本料3、有床診療所では出来高算定と、医療機関の類型によって算定方法が複数に分かれていました。同じ手術に対して異なる算定方式が適用される状況は、公平性の観点から課題となっていました。ポイント1|基本料1の評価適正化短期滞在手術等基本料1は、包括評価の実態に合わせて点数が引き下げられます。基本料1は、日帰り手術の術前・術後管理と一部の検査を包括的に評価する仕組みです。令和4年度の改定で全身麻酔を伴わない手術における麻酔科医の配置要件が緩和されて以降、特に診療所での算定回数が顕著に増加しました。病院の算定回数は令和3年の約4,000件から令和6年の約15,000件へ、診療所は約6,000件から約124,000件へと急増しています。しかし、基本料1を算定する場合と算定しない場合の手術実施月の総請求点数の差は、基本料1の点数とほぼ同程度でした。たとえば、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の場合、基本料1を算定した場合の総請求点数は8,592点、算定しない場合は7,350点で、その差は1,242点です。基本料1の点数1,359点と同程度であり、包括評価による効率化の効果は限定的であったことが明らかになりました。こうした実態を踏まえ、「イ 主として入院で実施されている手術を行った場合」の区分は1点増(2,947点→2,948点、および2,718点→2,719点)にとどまる一方、「ロ イ以外の場合」の区分は大幅に引き下げられます。麻酔を伴う手術の場合は1,588点から795点へ、それ以外は1,359点から680点へ、いずれもほぼ半額に引き下げられます。ポイント2|基本料3の対象手術追加と点数見直し短期滞在手術等基本料3は、在院日数や医療資源投入量が一定範囲に収斂している手術が新たに対象に追加されます。新規追加された手術の例として、K048骨内異物除去術の「11 中手骨」(15,207点)、K872-3子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術等の「2 組織切除回収システム利用によるもの」(16,876点)などがあります。これらはいずれも、在院日数が短く、医療資源の投入量が安定している手術です。既存の対象手術についても、実態を踏まえた点数の見直しが行われます。手術ごとに個別に評価が見直され、引き上げと引き下げの両方があります。引き上げの例として、K007-2経皮的放射線治療用金属マーカー留置術は30,882点から32,768点に、K282水晶体再建術(眼内レンズ挿入・その他・片側)は17,457点から18,001点に引き上げられます。一方、引き下げの例として、K890-3腹腔鏡下卵管形成術は100,243点から95,723点に、K046骨折観血的手術(手舟状骨)は36,240点から35,216点に引き下げられます。ポイント3|DPC対象病院でも基本料3を算定短期滞在手術等基本料3は、DPC対象病院においても算定する仕組みに改められます。従来、基本料3の算定は「DPC対象病院又は診療所ではないこと」が施設基準とされていました。そのため、DPC対象病院のDPC算定病床では、同じ手術であってもDPCの包括評価で算定し、DPC対象病院以外の病院では基本料3で算定するという、異なる算定方式が併存していました。今回の改定では、この施設基準が「病院であること」に変更されます。DPC対象病院であっても、入院した日から起算して5日以内に対象手術等を行う場合は、基本料3を算定することになります。この変更により、同じ短期滞在手術に対して、病院の類型にかかわらず統一された評価が適用されます。なお、診療所については引き続き基本料3の算定対象外です。有床診療所で短期滞在手術を入院で実施する場合は、従来どおり出来高で算定します。ポイント4|外来実施率が高い手術の評価見直しと入院手術対応加算の新設基本料3の対象手術のうち、外来での実施率が特に高い手術について、2つの施策が講じられます。第1に、これらの手術の基本料3の点数が見直され、入院で実施した場合と外来で実施した場合の点数差が縮小されます。第2に、これらの手術を外来で一定程度実施している医療機関が、医学的に入院が必要な患者に対して入院で実施した場合の「入院手術対応加算」が新設されます。この加算は、外来での手術に係る実績を一定程度有している病院を対象とする施設基準が設けられます。対象となる手術は、基本料3の対象手術のうち外来実施率が高い手術です。たとえば、K282水晶体再建術(眼内レンズ挿入・その他・片側)には548点、K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)には366点が加算されます。対象手術は幅広く、眼科手術(涙管チューブ挿入術273点、眼瞼内反症手術206点、眼瞼下垂症手術347点、翼状片手術265点、治療的角膜切除術477点、緑内障手術1,043点など)、血管系手術(経皮的シャント拡張術・血栓除去術767~802点、下肢静脈瘤血管内焼灼術552点、下肢静脈瘤血管内塞栓術645点など)、消化器系手術(痔核手術298点、肛門ポリープ切除術316点など)、整形外科手術(手軟部腫瘍摘出術462点、ガングリオン摘出術411点、手根管開放手術568点など)と多岐にわたります。この加算の趣旨は、外来で実施可能な手術の外来移行を促しつつ、臨床上入院での周術期管理が必要な患者には適切な評価を確保することにあります。前述のとおり、出血リスクの高い症例や全身麻酔を要する症例など、医学的に入院が必要なケースは一定数存在します。加算の算定には外来手術の実績要件が設けられるため、外来移行に取り組む医療機関が、真に入院を要する患者に対して適切な医療を提供した場合に評価される仕組みです。まとめ令和8年度改定における短期滞在手術等基本料の見直しは、4つのポイントで構成されます。第1に、基本料1の「ロ イ以外の場合」の点数がほぼ半額に引き下げられ、包括評価の実態に合わせた適正化が図られます。第2に、基本料3の対象手術が拡大され、既存手術の点数も実態を反映した水準に見直されます。第3に、DPC対象病院でも基本料3を算定する仕組みに統一され、算定方式の公平性が確保されます。第4に、外来実施率の高い手術の基本料3点数が見直されて入院と外来の点数差が縮小されるとともに、入院手術対応加算が新設され、外来移行を促しながら、医学的に入院が必要な患者への適切な評価が確保されます。今回の改定は、手術の外来移行を加速させるとともに、入院での実施が必要な患者への対応を両立させる内容となっています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】入院医療の評価見直し3項目|看護補助加算・除外薬剤・DPC/PDPSを解説
令和8年度診療報酬改定の個別改定項目のうち、「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」に該当する⑬~⑮の3項目を取り上げます。これらはいずれも、入院医療における看護体制の強化、高額薬剤への対応、包括払い制度の精緻化を目的とした見直しです。本稿では、各項目の改定内容を概説し、詳細記事へのリンクを掲載します。今回取り上げる3項目の概要は次のとおりです。⑬「障害者施設等入院基本料における看護補助者に係る加算の見直し」では、看護補助加算と看護補助体制充実加算の算定可能期間が入院31日目以降に拡大されます。⑭「入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲の見直し」では、生物学的製剤・JAK阻害薬の追加と別表の一本化が行われます。⑮「DPC/PDPSの見直し」では、DPC標準病院群の細分化や機能評価係数Ⅱの変更など5つのポイントが見直されます。⑬ 障害者施設等入院基本料における看護補助者に係る加算の見直し障害者施設等入院基本料(7対1・10対1)の看護補助加算と看護補助体制充実加算に、入院31日目以降の新たな点数区分が新設されます。この見直しは、看護職員と看護補助者の業務分担・協働の推進、および夜間の看護業務の負担軽減を目的としています。看護補助加算には、入院31日目以降に算定できる「ハ イ及びロ以外」(50点)が追加されます。従来は入院14日以内(146点)と入院15日以上30日以内(121点)の2区分のみでしたが、3区分に拡充されます。看護補助体制充実加算にも同様に、入院31日目以降の新区分が追加されます。新区分の点数は、加算1が60点、加算2が55点、加算3が51点です。身体的拘束を実施した日は加算3の点数で算定するルールは従来どおり維持されます。これらの変更により、長期入院患者への看護補助体制が診療報酬上で評価される仕組みが整います。届出を行っている医療機関は、算定可能期間の延長による収益への影響を確認しておくことが重要です。詳細記事:【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料の看護補助加算が拡充|算定期間の延長と点数を解説⑭ 入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲の見直し入院料に薬剤料が包括される病棟における除外薬剤・注射薬の範囲が大幅に見直されます。この見直しの背景には、生物学的製剤やJAK阻害薬など高額薬剤を使用する患者の増加に伴い、包括払い病棟での受入れが困難になっている現状があります。今回の改定では、主に7つのポイントが変更されます。第一に、回復期リハビリテーション病棟入院料等の除外薬剤に抗悪性腫瘍剤・医療用麻薬・腎性貧血治療薬が追加されます。第二に、精神病棟の特定入院料にも同じ3種類の薬剤が追加されます。第三に、各入院料に共通する除外薬剤として生物学的製剤とJAK阻害薬が新たに加わります。このほか、血友病の医薬品の対象が類縁疾患まで拡大されること、複数の別表が一つに統合されること、介護老人保健施設の算定範囲が整理されること、コロナ抗ウイルス剤の経過措置が令和8年5月31日で終了することが定められています。これらの見直しにより、高額薬剤を使用する患者の円滑な入棟が促進され、病棟間の不合理な格差が解消されることが期待されます。詳細記事:【令和8年度改定】除外薬剤の範囲拡大と別表統一|生物学的製剤・JAK阻害薬が新たに追加⑮ DPC/PDPSの見直しDPC/PDPSについて、医療の標準化・効率化を更に推進する観点から、医療機関別係数、診断群分類、算定ルールの3つの領域にわたる見直しが行われます。主な見直しポイントは5つです。第一のポイントは、DPC標準病院群の細分化です。救急搬送の受入実績等に基づき、「標準病院群1」と「標準病院群2」に区分されます。標準病院群1に該当するには、救急車搬送入院患者数が年間700人以上であることなど、4つの要件のいずれかを満たす必要があります。第二のポイントは、機能評価係数Ⅱのうち複雑性係数の変更です。従来は「1入院当たりの包括範囲出来高点数」で評価していましたが、各診断群分類の在院日数25%tile値までの平均包括範囲出来高点数により評価する方式に変更されます。この変更により、入院初期の医療資源投入の密度がより適切に反映されます。第三のポイントは、地域医療係数の見直しです。定量評価指数では、DPC標準病院群に限り、がん・脳卒中・心筋梗塞等の心血管疾患・周産期の4領域に着目した評価が導入されます。体制評価指数では、認定ドナーコーディネーターの院内配置と地域の需要変動への応答性の2項目が新設されます。第四のポイントは、入院期間Ⅱの基準変更です。在院日数の変動係数が0.6を下回る診断群分類では、平均在院日数から中央値に移行します。ただし、移行に伴う急激な変化を防ぐため、変動率の上限は10%に設定されています。第五のポイントは、再転棟時の算定ルールの厳格化です。DPC算定病棟から非DPC算定病棟へ転棟した後に再びDPC算定病棟に戻る場合、従来は転棟後7日以内に限り一連の入院とされていましたが、この期間制限が撤廃されます。このほか、激変緩和係数は従前の考え方が維持され、退院患者調査の調査項目の見直しも行われます。各医療機関は、自院がどの病院群に分類されるかの確認とともに、新たな係数設定への対応を早期に進めることが重要です。詳細記事:【令和8年度改定】DPC/PDPSの5つの見直しポイントを徹底解説まとめ令和8年度診療報酬改定の個別改定項目⑬~⑮では、入院医療の評価に関する3つの見直しが行われます。⑬では障害者施設等入院基本料の看護補助加算・看護補助体制充実加算に入院31日目以降の新区分が新設され、長期入院患者への評価が拡充されます。⑭では除外薬剤の範囲が拡大され、生物学的製剤・JAK阻害薬が全入院料共通で追加されるとともに別表が一本化されます。⑮ではDPC標準病院群の細分化、機能評価係数Ⅱの変更、入院期間Ⅱの中央値移行など5つのポイントが見直されます。これらの改定は、看護体制の強化、高額薬剤を使用する患者の円滑な入棟、包括払い制度の精緻化を通じて、入院医療の質と効率の向上を目指すものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】DPC/PDPSの5つの見直しポイントを徹底解説
令和8年度診療報酬改定では、DPC/PDPSについて、医療の標準化・効率化を更に推進する観点から複数の見直しが行われます。見直しの対象は、医療機関別係数の設定、診断群分類点数表の改定、算定ルールの変更など多岐にわたります。今回の改定における主な見直しポイントは5つです。第一に、DPC標準病院群が救急実績等に基づき「標準病院群1」と「標準病院群2」に細分化されます。第二に、機能評価係数Ⅱのうち複雑性係数の評価手法が入院初期重視に変更されます。第三に、地域医療係数について定量評価指数と体制評価指数の双方が見直されます。第四に、入院期間Ⅱが平均在院日数から中央値へ移行する診断群分類が生じます。第五に、再転棟時の算定ルールが厳格化されます。DPC標準病院群の細分化|「標準病院群1」と「標準病院群2」DPC標準病院群が、救急搬送の受入実績等に基づき、基礎係数の評価を区別する2つの区分に分けられます。この見直しは、DPC標準病院群において救急搬送受入件数の多い病院ほど、包括点数に対する包括範囲出来高点数が高い傾向にあるという実態を踏まえたものです。「DPC標準病院群1」に該当するには、以下の4つの要件のいずれかを満たす必要があります。第一の要件は、救急車等による搬送入院患者数が年間700人以上であることです。第二の要件は、救急車等による搬送入院患者数が年間200人以上であり、かつ全身麻酔による手術件数が年間500件以上であることです。第三の要件は、人口20万人以下の二次医療圏に所在し、当該医療圏内で救急搬送入院患者数が最大かつ年間400人以上であることです。第四の要件は、離島のみで構成される二次医療圏に所在し、当該医療圏内で救急搬送入院患者数が最大であることです。これらの要件のいずれにも該当しない医療機関は「DPC標準病院群2」に区分されます。なお、令和10年度改定以降は、急性期病院A一般入院料または急性期病院B一般入院料の届出を行う医療機関とすることが念頭に置かれており、今回はデータの収集が行われます。機能評価係数Ⅱの見直し|複雑性係数と地域医療係数の変更機能評価係数Ⅱでは、複雑性係数の評価手法と地域医療係数の2つが主に見直されます。複雑性係数は、入院初期の医療資源投入をより重視する評価手法に変更されます。従来の複雑性係数は「1入院当たりの包括範囲出来高点数」で評価していたため、1日当たりの出来高点数は低くても平均在院日数が長い診断群分類が高く評価される課題がありました。今回の見直しでは、各診断群分類の在院日数25%tile値までの平均包括範囲出来高点数により評価する方式が導入されます。この変更により、急性期入院医療における入院初期の医療資源投入の密度がより適切に反映されます。地域医療係数のうち定量評価指数については、DPC標準病院群において評価方法が拡充されます。従来は小児(15歳未満)とそれ以外(15歳以上)の2区分で地域シェアを評価していました。今回の改定では、DPC標準病院群に限り、がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患及び周産期の4領域に着目した評価に見直されます。具体的には、従来の小児区分に周産期が統合され「小児(15歳未満)及び周産期」となり、15歳以上の区分は更にがん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患の3領域に細分化されます。この見直しにより、全診断群分類の地域シェアは低くても、特定の疾患領域で地域に重要な役割を果たしている医療機関が適切に評価されます。地域医療係数のうち体制評価指数については、2つの項目が新設されます。ひとつは「認定ドナーコーディネーターの院内配置」です。過去3カ年において法的脳死判定後の臓器提供実績が0件の医療機関が、認定ドナーコーディネーターを配置している場合に0.5Pが付与されます。ただし、この項目の評価は令和9年度以降に開始されます。もうひとつは「地域の需要変動への応答性」です。DPC算定病床数に占める各日の入院患者数の割合のばらつきを評価し、97.5%tile値に満たない場合は-1Pとなります。診断群分類の見直し|入院期間Ⅱの中央値への移行診断群分類については、入院期間Ⅱの基準が一部の診断群分類で平均在院日数から中央値に変更されます。この見直しの背景には、多くの診断群分類において平均在院日数が中央値を上回っている実態があります。中央値への移行対象となるのは、在院日数の変動係数が0.6を下回る診断群分類です。これらの診断群分類は在院日数の標準化が比較的進んでいるため、中央値への移行による影響が限定的と判断されました。ただし、移行に伴う急激な変化を防ぐため、変動率の上限は10%に設定されています。この上限により、入院期間Ⅱが大幅に短縮される事態は回避されます。このほか、新型コロナウイルス感染症に係る取扱いも見直されます。従来は、医療資源を最も投入した傷病名として新型コロナウイルス感染症が選択された患者を出来高算定としていましたが、この特例的な取扱いが見直されるとともに、診断群分類の設定等の必要な見直しが行われます。算定ルールと激変緩和措置の見直し算定ルールでは、再転棟時の取扱いが変更されます。DPC算定病棟から非DPC算定病棟へ転棟した後に、同一傷病等により再びDPC算定病棟に戻る場合、転棟後の期間を問わず、原則として一連の入院として扱うことになります。従来は転棟後7日以内に限り一連の入院とされていましたが、DPC算定病床以外の病床を有する医療機関の割合が増加したことを踏まえ、この期間制限が撤廃されます。激変緩和係数は、従前の考え方が維持されます。推計診療報酬変動率(出来高部分も含む)が2%を超えて変動しないよう激変緩和係数が設定されます。新たにDPC/PDPSに参加する医療機関については、改定前実績との比較で2%を超えて低く変動した場合に、所属する医療機関群の平均的な係数値を用いた補正計算が行われます。退院患者調査についても、データに基づく適切な入院医療の評価を行う観点から、調査項目の見直しが行われます。診断群分類の設定に必要な項目の追加や、不要な項目の削除等が実施されます。まとめ令和8年度のDPC/PDPS改定は、医療機関別係数、診断群分類、算定ルールの3つの領域にわたる見直しです。DPC標準病院群は救急実績等に基づき「標準病院群1」と「標準病院群2」に細分化され、基礎係数の評価が区別されます。機能評価係数Ⅱでは、複雑性係数が入院初期重視の評価手法に変わり、地域医療係数では定量評価に疾患領域別の評価が導入されるとともに体制評価に2つの新規項目が加わります。入院期間Ⅱは変動係数0.6未満の診断群分類で中央値に移行し、再転棟の算定ルールは期間制限が撤廃されます。各医療機関は、自院がどの病院群に分類されるかの確認とともに、新たな係数設定への対応を早期に進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】除外薬剤の範囲拡大と別表統一|生物学的製剤・JAK阻害薬が新たに追加
令和8年度診療報酬改定では、入院料に薬剤料が包括される病棟において、出来高算定が認められる「除外薬剤・注射薬」の範囲が大幅に見直されます。この見直しの背景には、生物学的製剤やJAK阻害薬など高額薬剤を使用する患者の増加に伴い、包括払い病棟での受入れが困難になっている現状があります。本稿では、今回の改定における除外薬剤・注射薬の範囲見直しについて、7つの改定ポイントを解説します。今回の改定では、主に3つの重要な変更が行われます。第一に、回復期リハビリテーション病棟入院料などの除外薬剤に抗悪性腫瘍剤、医療用麻薬、腎性貧血治療薬が追加され、地域包括ケア病棟入院料等と包括範囲が統一されます。第二に、各入院料共通の除外薬剤として、生物学的製剤とJAK阻害薬が新たに加わります。第三に、複数に分かれていた除外薬剤の別表が一つに整理・統合されます。改定の背景:高額薬剤が患者の円滑な入棟を阻んでいた今回の見直しは、入院料ごとの医療機能を適切に評価し、患者の入棟を円滑にする目的で行われます。この背景には、維持期の治療として高額薬剤を使用する患者が増加し、包括払い病棟での受入れに支障が生じていた実態があります。生物学的製剤やJAK阻害薬は、2010年代半ば頃から新薬の登場や適応拡大が進み、免疫・アレルギー疾患の維持期の治療として使用される機会が増えています。これらの薬剤を使用する患者は高齢化も進んでおり、脳卒中や骨折等の急性疾患を発症した後、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟に転棟・転院する場面が増えてきました。こうした患者を受け入れる包括払い病棟では、高額薬剤の費用が入院料に含まれてしまうため、薬剤費が持ち出しとなります。令和7年度の実態調査では、回復期リハビリテーション病棟の約25%が抗がん剤を、約10%がリウマチ治療薬(生物学的製剤含む)を受入困難の理由として挙げていました。さらに、病棟間で除外薬剤の範囲にばらつきがあることも問題でした。たとえば、抗悪性腫瘍剤や医療用麻薬は、地域包括ケア病棟では除外薬剤として出来高算定できる一方、回復期リハビリテーション病棟では包括対象のままでした。改定ポイント1:回復期リハ病棟等の除外薬剤に3種類の薬剤を追加改定の第一のポイントは、回復期リハビリテーション病棟入院料をはじめとする複数の入院料の除外薬剤に、3種類の薬剤カテゴリが追加される点です。追加対象の入院料は、特定入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料、特殊疾患病棟入院料、認知症治療病棟入院料、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の6つです。これらの入院料には従来、インターフェロン製剤、抗ウイルス剤、血友病の患者に使用する医薬品のみが除外薬剤として認められていました。今回追加される薬剤は、抗悪性腫瘍剤(悪性新生物に罹患している患者に対して投与された場合に限る)、疼痛コントロールのための医療用麻薬、エリスロポエチン等の腎性貧血に対して使用する薬剤の3つです。この追加により、これらの入院料の除外薬剤は、地域包括ケア病棟入院料等と同水準になります。改定ポイント2:精神病棟の特定入院料にも同様の薬剤を追加改定の第二のポイントは、精神病棟で算定される特定入院料にも、同じ3種類の薬剤カテゴリが追加される点です。対象となるのは、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、精神療養病棟入院料、地域移行機能強化病棟入院料です。これらの入院料でも、抗悪性腫瘍剤、医療用麻薬、腎性貧血治療薬が新たに除外薬剤として出来高算定できるようになります。精神科病棟でも高齢化に伴い悪性新生物を合併する患者が増えていることから、身体合併症への対応を円滑にする意図があります。改定ポイント3:生物学的製剤とJAK阻害薬を全入院料共通で追加改定の第三のポイントは、各入院料に共通する除外薬剤として、生物学的製剤とJAK阻害薬が新たに追加される点です。この変更は、今回の改定の中でも特に影響の大きい項目といえます。追加の対象は、免疫・アレルギー疾患の治療のために入院前から投与が継続されている生物学的製剤とJAK阻害薬です。ただし、他の治療薬で代替不能な場合に限定されます。関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患では、生物学的製剤やJAK阻害薬が標準的な維持療法として定着しています。これらの薬剤は高額であるため、包括払い病棟にとって大きな経済的負担となっていました。今回の改定により、すべての包括払い病棟でこれらの薬剤を出来高算定できるようになります。改定ポイント4:血友病の医薬品の対象を類縁疾患まで拡大改定の第四のポイントは、除外薬剤のうち、血友病の患者に使用する医薬品の対象範囲が拡大される点です。従来は「血友病患者における出血傾向の抑制の効能又は効果を有するもの」と規定されていましたが、改定後は「血友病等の患者における出血傾向の抑制」へと対象が広がります。この「等」には血友病類縁疾患が含まれます。実態調査でも、血友病以外の出血傾向の抑制に係る医薬品を受入困難の理由とする病棟は、地域包括ケア病棟で46.5%、回復期リハビリテーション病棟で54.4%に上っていたことから、こうした実態を踏まえた見直しです。改定ポイント5:除外薬剤の別表を一つに整理・統合改定の第五のポイントは、複数に分かれていた除外薬剤の別表が一つに統合される点です。従来、除外薬剤を定める別表は、別表第5の1の2から別表第5の1の5まで、複数のテーブルに分かれていました。入院料の種類ごとに異なる別表が適用されていたため、どの薬剤が除外対象かの確認が煩雑でした。今回の改定では、これらの別表を別表第5の1の2に一本化します。新たな別表第5の1の2は、緩和ケア病棟入院料の除外薬剤(一号)、一般的な包括払い病棟の除外薬剤(二号)、精神科病棟の除外薬剤(三号)の3区分で構成されます。改定ポイント6・7:介護老健の算定範囲とコロナ抗ウイルス剤の経過措置改定の第六のポイントは、介護老人保健施設入所者について医療保険で算定できる薬剤の範囲が、新たに整理された別表第5の1の2と揃えられる点です。具体的には、介護老人保健施設入所者について算定できる内服薬・外用薬にJAK阻害薬が、注射薬に生物学的製剤と血友病等の医薬品が追加されます。改定の第七のポイントは、新型コロナウイルス感染症の抗ウイルス剤に係る経過措置が令和8年5月31日をもって終了する点です。令和6年3月の事務連絡で示された、コロナ抗ウイルス剤を除外薬剤として取り扱う特例が終了します。この経過措置終了後は、コロナ抗ウイルス剤は通常の包括範囲に含まれることになります。まとめ令和8年度診療報酬改定では、入院料に包括されない除外薬剤・注射薬の範囲が7つの項目にわたって見直されます。中でも重要なのは、回復期リハビリテーション病棟入院料等への抗悪性腫瘍剤・医療用麻薬・腎性貧血治療薬の追加による病棟間の包括範囲の統一、生物学的製剤・JAK阻害薬の全入院料共通での追加、そして別表の一本化の3点です。これらの見直しにより、高額薬剤を使用する患者の円滑な入棟が促進され、病棟間の不合理な格差が解消されることが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料の看護補助加算が拡充|算定期間の延長と点数を解説
令和8年度診療報酬改定では、障害者施設等入院基本料(7対1・10対1)における看護補助加算と看護補助体制充実加算が見直されます。この見直しは、看護職員と看護補助者の業務分担・協働の推進、および夜間の看護業務の負担軽減を目的としたものです。今回の改定では、看護補助加算と看護補助体制充実加算の2つの加算が変更されます。看護補助加算には、入院31日目以降にも算定できる新区分(50点)が新設されます。看護補助体制充実加算にも同様に、入院31日目以降の新区分(加算1:60点、加算2:55点、加算3:51点)が追加されます。これらの変更により、従来は入院30日以内に限られていた算定可能期間が延長され、長期入院患者への看護補助体制をより手厚く評価する仕組みとなります。看護補助加算の変更内容看護補助加算では、入院31日目以降に算定できる新たな点数区分が新設されます。従来の看護補助加算は、入院14日以内(146点)と入院15日以上30日以内(121点)の2区分のみでした。今回の改定では、これらの既存区分に加えて、入院31日目以降を対象とする「ハ イ及びロ以外」(50点)が新設されます。この新区分の対象は、7対1入院基本料または10対1入院基本料を算定している患者です。なお、看護補助加算を算定する場合は、看護補助体制充実加算を同時に算定することはできません。この点は従来と同様です。看護補助体制充実加算の変更内容看護補助体制充実加算でも、看護補助加算と同様に、入院31日目以降の新区分が追加されます。従来の看護補助体制充実加算は、入院14日以内と入院15日以上30日以内の2期間について、加算1から加算3の3段階で評価していました。今回の改定では、入院31日目以降を対象とする「ハ イ及びロ以外」が新設されます。この新区分の点数は、加算1が60点、加算2が55点、加算3が51点です。看護補助体制充実加算における身体的拘束に関するルールも維持されます。身体的拘束を実施した日は、加算1または加算2を届け出ている場合でも、加算3の点数で算定することになります。この取扱いは、令和6年度改定で導入された仕組みを引き継いだものです。点数の全体像今回の改定による看護補助加算と看護補助体制充実加算の点数体系を、入院期間ごとに整理します。看護補助加算の点数は、入院14日以内が146点、入院15日以上30日以内が121点、入院31日目以降が50点(新設)です。看護補助体制充実加算の点数は、以下のとおりです。入院14日以内は、加算1が176点、加算2が161点、加算3が151点です。入院15日以上30日以内は、加算1が151点、加算2が136点、加算3が126点です。入院31日目以降(新設)は、加算1が60点、加算2が55点、加算3が51点です。まとめ令和8年度診療報酬改定では、障害者施設等入院基本料の看護補助加算と看護補助体制充実加算に、入院31日目以降の新たな点数区分が追加されます。看護補助加算は50点、看護補助体制充実加算は加算1が60点、加算2が55点、加算3が51点です。この見直しにより、障害者施設等入院基本料を算定する病棟では、入院30日を超える長期入院患者についても看護補助体制が診療報酬上で評価されることになります。届出を行っている医療機関は、算定可能期間の延長による収益への影響と、施設基準の充足状況を改めて確認しておくことが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】入院医療の見直し4項目を総まとめ|地域包括医療・回復期リハ・療養・障害者施設
令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携の推進として、入院医療の評価体系が大幅に見直されます。個別改定項目「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」のうち、⑨地域包括医療病棟、⑩回復期リハビリテーション病棟、⑪療養病棟、⑫障害者施設等入院基本料の4項目について、改定のポイントを解説します。4項目に共通するのは、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させるという方針です。地域包括医療病棟では入院料が手術・緊急入院の有無で3区分に再編され、回復期リハビリテーション病棟では強化体制加算の新設を含む9つの変更が行われます。療養病棟では感染症処置の併施や非がん緩和ケアに対応した医療区分の見直しが実施され、障害者施設等入院基本料では廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた体系に変更されます。⑨ 地域包括医療病棟の見直し地域包括医療病棟入院料は、入院料の再編、加算の2段階化、施設基準の緩和の3つの領域で見直されます。入院料は、現行の一律3,050点から、「入院料1」(急性期病棟を併設しない医療機関向け)と「入院料2」の2つに分かれます。さらに、各入院料の中にイ・ロ・ハの3区分が設けられ、緊急入院の有無と手術の実施状況に応じて点数が異なります。最高点は入院料1・イの3,367点、最低点は入院料2・ハの3,066点です。手術のない緊急入院の患者は包括範囲内の出来高実績点数が高いという実態を踏まえ、イ(緊急入院かつ手術なし)に最も高い点数が設定されました。リハビリテーション・栄養・口腔連携加算は、現行の一律80点から、加算1(110点)と加算2(50点)の2段階に見直されます。多職種による包括的な取組を積極的に行う医療機関は加算1を、段階的に体制を整備する医療機関は加算2を算定できます。施設基準では、85歳以上の患者割合に応じた緩和が行われます。平均在院日数は「20日以内を原則とし、85歳以上の患者割合が2割増すごとに1日を加える」に変更されます。重症度、医療・看護必要度は、評価方法が「割合」から「指数」に変更されます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】地域包括医療病棟が3つの入院料に再編|点数・要件の変更点を解説⑩ 回復期リハビリテーション病棟入院料等の評価体系及び要件の見直し回復期リハビリテーション病棟入院料等では、質の高いリハビリテーション医療の推進を目的に、9つの変更が行われました。第一に、入院料1を対象とした「回復期リハビリテーション強化体制加算」(80点/日)が新設されました。実績指数48以上、退院前訪問指導の十分な実績、排尿自立支援加算の届出が施設基準に含まれます。第二に、重症患者の基準に高次脳機能障害と脊髄損傷の患者が追加され、改善割合の要件は削除されました。第三に、入院料2と4にも実績指数32以上の基準が新設され、全入院料にアウトカム評価が適用されます。第四に、FIMによる測定が望ましいとされました。第五に、退院前訪問指導料が出来高で算定可能になりました。第六に、FIM研修会の開催が入院料1~4に拡大されました。第七に、地域支援事業への参加が入院料1~4に拡大されました。第八に、口腔管理の体制整備が入院料3・4でも望ましいとされました。第九に、土曜日・休日を含む全日のリハビリテーション提供体制が入院料1~4の基本要件となりました。全入院料で点数が引き上げられ、入院料1は2,229点から2,346点に、入院料3は1,917点から2,062点になりました。入院料2・4の実績指数基準と入院料3・4の全日リハ提供体制には、令和8年9月30日までの経過措置が設けられています。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】回復期リハビリテーション病棟入院料の9つの変更点を徹底解説⑪ 療養病棟入院基本料の見直し療養病棟入院基本料では、医療区分2・3に該当する疾患・状態・処置等の内容が見直されます。第一に、感染症の治療に係る処置(肺炎治療、尿路感染症治療など)と創傷の治療等の他の処置を併せて行う場合に、医療区分3として評価されるようになります。従来、これらの処置はいずれも医療区分2として評価されていましたが、併施時の医療資源投入量の増加を反映した見直しです。第二に、非がん疾患に対する緩和ケアとして、末期呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全の3疾患が医療区分2に追加されます。3疾患とも「適切な治療にもかかわらず末期の状態にあること」と「医療用麻薬等による苦痛・症状のコントロールが必要であること」が共通の要件です。第三に、超重症児(者)に該当する15歳未満の小児が医療区分3に、準超重症児(者)に該当する小児が医療区分2に追加されます。さらに、療養病棟入院料2の医療区分2・3患者割合は5割から6割に引き上げられ、令和8年9月30日までの経過措置が設けられます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】療養病棟入院基本料の見直し3つのポイント|医療区分の変更点を解説⑫ 障害者施設等入院基本料等の見直し障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料の3つの入院料において、廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた評価に変更されます。この見直しの背景には、障害者施設等入院基本料を算定する病棟に入院する廃用症候群の患者の状態が、療養病棟の患者と類似しているという実態があります。認知症の有無、寝たきり度、医療的な状態のいずれにおいても類似した分布を示す一方、レセプト請求点数は障害者施設等入院基本料の方が高い状況でした。患者の状態が類似しているにもかかわらず評価体系が異なることは、慢性期入院料の役割分担の観点から課題とされていました。具体的には、障害者施設等入院基本料の注13の対象患者に廃用症候群が追加され、医療区分2または1に相当する患者は療養病棟に準じた点数で算定することになります。ただし、廃用症候群の発症前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者は対象外です。この除外要件は、身体障害者障害程度等級表の1級・2級に該当する患者がより頻回な看護提供を必要とするというデータに基づくものです。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料における廃用症候群の評価が変わる|3つの入院料が対象まとめ令和8年度改定では、入院医療の4項目がそれぞれ見直されます。地域包括医療病棟では手術・緊急入院の有無による3区分化と85歳以上に配慮した施設基準の緩和が行われます。回復期リハビリテーション病棟では強化体制加算の新設と全入院料への実績指数の適用拡大が実施されます。療養病棟では感染症処置の併施による医療区分3の新設と非がん緩和ケアの評価が導入されます。障害者施設等入院基本料では廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた体系に移行します。いずれの見直しも、患者の状態と医療資源投入量をより適切に反映させることを目的としており、対象となる医療機関では早期の対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】障害者施設等入院基本料における廃用症候群の評価が変わる|3つの入院料が対象
令和8年度診療報酬改定では、障害者施設等入院基本料等における廃用症候群の患者の評価が見直されます。この見直しは、障害者施設等入院基本料を算定する病棟に入院する廃用症候群の患者の状態が、療養病棟に入院する患者と類似しているという実態調査の結果を踏まえたものです。本記事では、この見直しの背景、具体的な改定内容、対象となる入院料と除外される患者について解説します。今回の改定では、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料の3つの入院料において、主傷病名が廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた評価に変更されます。ただし、廃用症候群を発症する以前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者は、この見直しの対象外です。この変更により、該当する廃用症候群の患者の診療報酬は、療養病棟に準じた評価に切り替わります。見直しの背景:廃用症候群の患者状態は療養病棟と類似障害者施設等入院基本料を算定する病棟では、廃用症候群の患者が多く入院しています。令和6年度の実態調査によると、障害者施設等入院基本料の10対1入院基本料では廃用症候群の患者が5.0%を占め、13対1・15対1入院基本料では11.8%を占めていました。これらの患者は「肢体不自由」として対象患者に含まれている割合が高い状況です。こうした廃用症候群の患者の状態は、療養病棟に入院する患者と類似していることが明らかになっています。認知症の有無、障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)、医療的な状態のいずれにおいても、障害者施設等入院基本料と療養病棟入院料で類似した分布を示しました。一方で、レセプト請求点数は障害者施設等入院基本料の方が高い状況でした。患者の状態が類似しているにもかかわらず、請求点数に差がある背景には、障害者施設等入院基本料の算定構造の違いがあります。障害者施設等入院基本料は「個別の病態変動が大きく、その変動に対し高額な薬剤や高度な処置が必要となるような患者」を対象としており、投薬・注射・処置等が原則出来高で算定されます。これに対し、療養病棟入院基本料は医療区分とADL区分に応じた包括評価です。同じような状態の患者であっても、入院する病棟によって評価体系が異なることが、慢性期入院料の役割分担の観点から課題とされていました。これまでの経緯:段階的に進められてきた評価の見直し今回の廃用症候群に関する見直しは、障害者施設等入院基本料における累次の改定の流れを引き継ぐものです。療養病棟と障害者施設等入院基本料の双方に多く入院している患者については、過去の改定で段階的に療養病棟に準じた評価体系への見直しが行われてきました。平成28年度改定では、重度の意識障害者(脳卒中の後遺症の患者に限る)のうち、医療区分1または2に相当する患者について、療養病棟入院基本料の評価体系を踏まえた評価が導入されました。続く令和4年度改定では、重度の意識障害を有さない脳卒中の患者についても、同様に療養病棟入院料の評価体系を踏まえた評価が導入されています。さらに令和6年度改定では、透析を実施する慢性腎臓病患者について、療養病棟入院基本料に準じた評価体系とする見直しが行われました。令和8年度改定における廃用症候群の見直しは、こうした段階的な見直しの延長線上に位置づけられます。脳卒中の後遺症、脳卒中、慢性腎臓病に続き、廃用症候群が療養病棟に準じた評価の対象に加わることになります。改定の具体的な内容:廃用症候群の患者を療養病棟に準じた評価に今回の改定では、障害者施設等入院基本料の注13の算定要件が変更されます。現行の注13は、脳卒中または脳卒中の後遺症の患者を対象としていました。改定後は、この対象に廃用症候群の患者が追加されます。具体的には、注13の対象患者が「脳卒中又は脳卒中の後遺症の患者」から「脳卒中、脳卒中の後遺症又は廃用症候群の患者」に拡大されます。この対象患者のうち、医療区分2または医療区分1に相当する患者については、通常の障害者施設等入院基本料ではなく、療養病棟に準じた点数で算定することになります。改定後の除外要件も拡充されています。現行では、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、難病患者等が除外対象でした。改定後は、これらに加えて「脳卒中又は廃用症候群の発症前から重度の肢体不自由児(者)であった患者」が除外対象として明記されます。つまり、もともと重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者が廃用症候群を発症した場合は、引き続き従来どおりの障害者施設等入院基本料(出来高)で算定できます。対象となる3つの入院料この見直しは、障害者施設等入院基本料だけでなく、特殊疾患入院医療管理料と特殊疾患病棟入院料にも適用されます。3つの入院料に共通して、主傷病名が廃用症候群の患者について療養病棟に準じた評価が導入されます。障害者施設等入院基本料は、個別の病態変動が大きく高額な薬剤や高度な処置が必要となる患者を対象とする入院料です。重度の肢体不自由児(者)、脊髄損傷等の重度障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、難病患者等が7割以上を占めることが施設基準となっています。特殊疾患入院医療管理料と特殊疾患病棟入院料は、処置内容や病態の変動はそれほど大きくないものの、医療の必要性が高い患者を対象としています。3つの入院料に共通する除外要件として、廃用症候群を発症する以前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者は対象外となります。この除外要件が設けられた背景には、実態調査のデータがあります。廃用症候群の患者のうち、身体障害者障害程度等級表の1級・2級に該当する患者は、療養病棟の患者と比べてより頻回な看護提供を必要とする割合が高いことが示されていました。このため、もともと重度の障害がある患者については、従来の評価体系を維持することが適切と判断されたのです。まとめ令和8年度診療報酬改定では、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、特殊疾患病棟入院料の3つの入院料において、廃用症候群の患者の評価が療養病棟に準じた評価に見直されます。この見直しは、廃用症候群の患者の状態が療養病棟と類似しているにもかかわらず請求点数に差があるという実態を踏まえたものです。ただし、廃用症候群の発症前から重度の肢体不自由児(者)に該当していた患者は除外されます。対象となる医療機関では、廃用症候群の患者の入院管理体制と算定方法の見直しが必要になります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】療養病棟入院基本料の見直し3つのポイント|医療区分の変更点を解説
令和8年度診療報酬改定では、療養病棟入院基本料について、患者の病態や医療資源投入量をより適切に反映させるため、医療区分2・3に該当する疾患・状態・処置等の内容が見直されます。あわせて、療養病棟入院料2における医療区分2・3の患者割合の要件も引き上げられます。今回の見直しのポイントは3つです。第一に、感染症の治療に係る処置と他の処置を併せて行う場合に、医療区分3として評価されるようになります。第二に、非がん疾患に対する緩和ケアとして、末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全が医療区分2に追加されます。第三に、超重症児(者)・準超重症児(者)に該当する小児が、それぞれ医療区分3・2に追加されます。さらに、療養病棟入院料2の医療区分2・3の患者割合は、5割から6割に引き上げられます。感染症処置と他の処置の併施による医療区分3の新設第一のポイントは、処置に関する医療区分の引き上げです。従来、感染症の治療に係る処置(肺炎治療、尿路感染症治療など)は、いずれも医療区分2として評価されていました。今回の改定では、これらの感染症処置が創傷の治療等の他の処置と併せて行われている場合に、処置等に係る医療区分3として入院料を算定できるようになります。この見直しの背景には、処置の複合的な実施に対する評価の適正化があります。医療区分2の処置には、肺炎と褥瘡のように合併しうる病態が含まれています。今回の改定では、これらの処置を「感染症の治療に係る処置」「創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置」「その他の処置」「リハビリテーション」の4カテゴリーに分類した上で、感染症の治療と創傷の治療等が合併した場合の医療資源投入量の増加を、医療区分3として適切に評価する仕組みが新たに導入されます。具体的には、新設される「別表第五の三の二」の(1)と(2)の両方に該当する場合が、医療区分3の対象となります。(1)は感染症の治療に係る処置(肺炎治療、尿路感染症治療、脱水治療、頻回の嘔吐治療、経腸栄養)であり、(2)は創傷の治療に係る処置及び器具の管理等を伴う処置(褥瘡治療、末梢循環障害の開放創治療、創傷・感染症治療、中心静脈栄養、人工腎臓等、気管切開等)です。これらの処置をそれぞれ1つ以上同時に実施している場合に、医療区分3の算定が可能となります。非がん疾患に対する緩和ケアの評価(医療区分2への追加)第二のポイントは、非がん疾患に対する緩和ケアの評価です。従来、疾患・状態に係る医療区分2の対象は、悪性腫瘍に対する医療用麻薬等の薬剤投与による疼痛コントロールに限られていました。今回の改定では、悪性腫瘍以外の3つの末期疾患が、疾患・状態に係る医療区分2に新たに追加されます。追加される3つの疾患は、末期呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全です。末期呼吸器疾患は、適切な治療が実施されているにもかかわらずヒュー・ジョーンズの分類がⅤ度の状態に該当し、呼吸困難に対して医療用麻薬の投与によるコントロールが必要な状態をいいます。末期心不全は、器質的な心機能障害により慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回もしくは持続的に医療用麻薬の投与またはその他の点滴薬物療法による苦痛・症状のコントロールが必要な状態をいいます。末期腎不全は、慢性的に日本腎臓学会慢性腎臓病重症度分類Stage G5以上に該当し、腎代替療法を必要とする状態であるが透析療法の開始・継続が困難であり、医療用麻薬等の投与による苦痛のコントロールが必要な状態をいいます。このように、3疾患とも「適切な治療にもかかわらず末期の状態にあること」と「医療用麻薬等による苦痛・症状のコントロールが必要であること」が共通の要件です。この見直しにより、療養病棟においても非がん疾患の終末期患者に対する緩和ケアが適切に評価されることになります。超重症児(者)・準超重症児(者)の受入れに対する評価第三のポイントは、医療的ケア児の受入れに対する評価です。今回の改定では、超重症児(者)入院診療加算の基準に該当する小児について、療養病棟入院基本料の医療区分に新たに位置づけられます。具体的には、15歳未満の小児患者のうち、超重症の状態にある者が疾患・状態に係る医療区分3に追加されます。同様に、15歳未満の小児患者のうち、準超重症の状態にある者が疾患・状態に係る医療区分2に追加されます。ここでいう超重症・準超重症の状態とは、区分番号A212に掲げる超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算の注1・注2にそれぞれ規定する状態を指します。この見直しにより、療養病棟における医療的ケアが必要な小児の受入れが、医療区分の仕組みの中で適切に評価されるようになります。療養病棟入院料2の医療区分2・3患者割合の引き上げ上記3つの見直しに加え、療養病棟入院料2における施設基準も変更されます。医療区分2・3の患者割合の要件が、現行の5割以上から6割以上に引き上げられます。この引き上げは、より医療の必要性が高い患者の受入れを推進する観点から行われます。ただし、現に療養病棟入院料2を届け出ている保険医療機関については、令和8年9月30日までの経過措置が設けられます。令和8年3月31日時点で療養病棟入院料2を届け出ている医療機関は、同年9月30日までの間、新たな6割要件を満たしているものとみなされます。まとめ令和8年度改定における療養病棟入院基本料の見直しは、3つの柱で構成されています。第一に、感染症処置と他の処置の併施を医療区分3として評価する仕組みが新設されます。第二に、末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全の3疾患が非がん緩和ケアとして医療区分2に追加されます。第三に、超重症児(者)・準超重症児(者)に該当する小児がそれぞれ医療区分3・2に追加されます。さらに、療養病棟入院料2の医療区分2・3患者割合は5割から6割に引き上げられ、令和8年9月30日までの経過措置が設けられます。療養病棟を運営する医療機関は、医療区分の変更に伴う算定の見直しと、患者割合要件への対応を早期に進める必要があります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】回復期リハビリテーション病棟入院料の9つの変更点を徹底解説
令和8年度診療報酬改定では、より質の高い回復期リハビリテーション医療を推進する観点から、回復期リハビリテーション病棟入院料等の施設基準と要件が大幅に見直されました。この改定は、回復期リハビリテーション病棟入院料、回復期リハビリテーション入院医療管理料、および特定機能病院リハビリテーション病棟入院料の3つを対象としています。今回の改定では、主に9つの変更が行われました。第一に、入院料1を対象とした「回復期リハビリテーション強化体制加算」が新設されました。第二に、重症患者の基準が見直され、高次脳機能障害と脊髄損傷の患者が追加されました。第三に、入院料2と4にも実績指数の基準が新たに設けられました。第四に、FIMによる測定が望ましいとされました。第五に、退院前訪問指導料が出来高で算定可能になりました。第六に、FIM研修会の開催が入院料1~4の要件に拡大されました。第七に、地域支援事業への参加が入院料1~4を対象に拡大されました。第八に、口腔管理の体制整備が入院料3・4でも望ましいとされました。第九に、土曜日・休日のリハビリテーション提供体制が入院料1~4すべてで要件化されました。以下、各変更点と入院料の点数変更を詳しく解説します。1. 回復期リハビリテーション強化体制加算の新設(80点/日)入院料1を届け出ている病棟を対象に、回復期リハビリテーション強化体制加算(80点/日)が新設されました。この加算は、質の高いリハビリテーション医療を提供する病棟を評価するものです。この加算の施設基準は、4つの要件で構成されています。1つ目は、回復期リハビリテーション病棟入院料1の施設基準を満たしていることです。2つ目は、リハビリテーション実績指数が48以上であることです。3つ目は、退院前訪問指導について十分な実績を有していることです。4つ目は、排尿自立支援加算の届出を行っている保険医療機関であることです。この加算の実績指数48以上という基準は、入院料1の実績指数42以上をさらに上回る水準です。排尿自立支援加算については、入院料1の届出病棟での届出率が30.2%にとどまっていた背景があります。加算の算定を目指す医療機関は、実績指数の向上と排尿自立支援加算の届出の両面で準備が必要です。2. 重症患者の基準の見直し重症患者の基準について、対象患者の範囲と要件の両面で見直しが行われました。対象患者の範囲については、従来の日常生活機能評価10点以上またはFIM得点55点以下に加え、高次脳機能障害と診断された患者および脊髄損傷と診断された患者が新たに重症患者の対象に追加されました。この追加は、回復期リハビリテーション病棟における高次脳機能障害患者が一定数存在し、支援に係る情報提供の不足や障害福祉関連機関とのネットワークの希薄さが指摘されていたことを踏まえたものです。なお、FIM得点については、従来の「55点以下」から「21点以上55点以下」に変更され、FIMの測定により適合していることが望ましいとされました。重症患者の改善割合に係る要件については、削除されました。従来、入院料1・2では重症患者の3割以上が退院時に日常生活機能またはFIMが改善していることが求められていましたが、この要件は廃止されます。入院料3・4および入院医療管理料においても、同様に改善割合の要件は削除されました。3. 重症患者割合と実績指数の基準の見直し入院料1~4、入院医療管理料および特定機能病院リハビリテーション病棟入院料について、重症患者の新規受入割合基準とリハビリテーション実績指数の基準が見直されました。重症患者の新規受入割合基準は、全体的に引き下げられました。入院料1・2では、従来の4割以上から3割5分以上に変更されました。入院料3・4では、従来の3割以上から2割5分以上に変更されました。入院医療管理料も同様に、3割以上から2割5分以上に変更されました。特定機能病院リハビリテーション病棟入院料では、5割以上から4割5分以上に変更されました。この引き下げは、高次脳機能障害と脊髄損傷の患者を重症患者に追加したことに伴う調整と考えられます。リハビリテーション実績指数の基準は、引き上げと適用拡大が行われました。入院料1では、従来の40以上から42以上に引き上げられました。入院料3では、従来の35以上から37以上に引き上げられました。特定機能病院リハビリテーション病棟入院料でも、40以上から42以上に引き上げられました。加えて、入院料2には32以上、入院料4にも32以上の実績指数の基準が新たに設定されました。従来、入院料2と4には実績指数の要件がありませんでしたが、これにより全入院料に実績指数の基準が設けられたことになります。この実績指数の適用拡大は、入院料2・4において実績指数が低い病棟が存在していたことを踏まえた対応です。入院料2と4について、令和8年3月31日時点で届出を行っている病棟には、令和8年9月30日までの経過措置が設けられています。4. FIM測定の推奨日常生活機能評価またはFIMの測定が求められているものについて、FIMによる測定が望ましいこととされました。具体的には、入退院時および定期的(2週間に1回以上)の測定において、FIMを用いることが望ましいとされました。従来の算定要件では、日常生活機能評価またはFIMの測定が求められていましたが、FIMの優先は明記されていませんでした。今回の改定により、入退院時・定期測定のいずれにおいても、FIMの使用が推奨されます。この変更の背景には、日常生活機能評価表が重症患者の判定と改善度合いの測定のみに用いられていたのに対し、FIMは実績指数の算出にも必須であるという運用上の違いがあります。FIMへの統一を進めることで、現場の負担軽減が期待されます。5. 退院前訪問指導料の出来高算定と併算定制限退院前訪問指導料が出来高にて算定できることとされました。従来、回復期リハビリテーション病棟入院料の包括範囲に含まれていた退院前訪問指導料が、出来高で別途算定可能になります。この見直しの背景には、回復期リハビリテーション病棟における退院前訪問指導の実施割合が3~5%にとどまっていた実態があります。退院前訪問指導は多職種が関わって約半日を費やす負担の大きい業務であり、包括評価では労力に見合わないとの指摘がありました。出来高算定が可能になることで、実施のインセンティブが高まります。ただし、退院前訪問指導料とリハビリテーション総合計画評価料(H003-2)の注3に規定する入院時訪問指導加算との併算定はできません。この併算定制限は、退院前訪問指導料の算定要件に明記されています。6. FIM研修会の対象拡大FIMの測定に関する研修会を年1回以上開催することについて、対象が入院料1~4すべてに拡大されました。従来、この要件は入院料1・3のみの施設基準でしたが、入院料2・4にも適用されます。今回の改定で入院料2・4にも実績指数の基準が新たに設定されたことから、FIMの正確な測定はすべての入院料で重要性が増しています。実績指数の算出にはFIMの測定が不可欠であるため、研修会の開催を通じた測定精度の向上が求められます。7. 地域支援事業への参加の対象拡大介護保険法に規定する地域支援事業に協力する体制を確保していることについて、対象が入院料1~4すべてに拡大されました。従来、この要件は入院料1・2で望ましいとされていましたが、入院料3・4にも適用されます。令和6年11月1日時点で地域支援事業に参加している回復期リハビリテーション病棟は約70%でした。入院料3・4を届け出ている病棟においても、地域の介護サービスとの連携体制の構築が求められます。8. 口腔管理の対象拡大口腔管理の体制を整備していることについて、入院料3・4においても望ましいこととされました。従来、この要件は入院料1・2の施設基準でしたが、入院料3・4にも努力義務として拡大されます。入院料3・4では「望ましい」という位置づけですが、入院料1・2では引き続き施設基準として必須です。将来的な要件化を見据え、口腔管理体制の整備を計画的に進めることが望まれます。9. 土曜日・休日のリハビリテーション提供体制の見直し入院料1~4すべてについて、土曜日・休日を含め全ての日においてリハビリテーションを提供できる体制を備えていることが要件とされました。従来、入院料1・2では休日を含む全日のリハビリテーション提供が施設基準に含まれ、入院料3~5および入院医療管理料では「休日リハビリテーション提供体制加算」として別途評価されていました。今回の改定では、入院料1~4において、土曜日が明示的に追加された上で、全日のリハビリテーション提供体制が基本要件となりました。この体制変更に伴い、休日リハビリテーション提供体制加算(60点/日)の対象は、入院料5および入院医療管理料に限定されました。従来は入院料3・4も加算の対象でしたが、入院料3・4では全日提供が基本要件に組み込まれたためです。提供単位数の基準も引き上げられました。従来は「休日の1日当たりリハビリテーション提供単位数が平均2単位以上」とされていましたが、「土曜日、休日の1日当たりリハビリテーション提供単位数が平均3単位以上」に変更されました。現状では全ての入院料において休日の提供単位数が平均2単位を大きく上回っている実態を踏まえた引き上げです。入院料3・4について、令和8年3月31日時点で届出を行っている病棟には、令和8年9月30日までの経過措置が設けられています。入院料の点数引き上げと入院料5の算定期間変更全入院料において、点数が引き上げられました。各入院料の改定前後の点数は以下のとおりです。入院料1は2,229点から2,346点(117点増)に、入院料2は2,166点から2,274点(108点増)に、入院料3は1,917点から2,062点(145点増)に、入院料4は1,859点から2,000点(141点増)に、入院料5は1,696点から1,794点(98点増)に、入院医療管理料は1,859点から1,960点(101点増)に、それぞれ引き上げられました。入院料3・4の増点幅が大きいのは、土曜日・休日のリハビリテーション提供体制が基本要件に組み込まれたことに伴う評価と考えられます。入院料1では、強化体制加算(80点/日)を算定した場合、合計2,426点となります。入院料5の算定期間についても、重要な変更があります。従来、入院料5は届出から2年を限度として算定するものとされていました。今回の改定では、算定開始から2年を超えて算定する場合、100分の80に相当する点数で算定を継続できることとされました。入院料5で2年超となった場合の点数は1,435点(1,794点×80%)です。なお、入院料1~4を算定していた病棟から入院料5に変更した場合の期限は、従来どおり1年です。この変更により、入院料5を届け出ている病棟は、2年経過後も減額された点数で算定を継続できるようになります。まとめ令和8年度改定における回復期リハビリテーション病棟入院料等の見直しは、質の高いリハビリテーション医療の推進を目的とした包括的な改定です。強化体制加算の新設は、入院料1の中でも特に高い実績を持つ病棟への評価を強化するものです。重症患者基準への高次脳機能障害・脊髄損傷の追加は、対象患者の適切な受入れを促進します。実績指数の全入院料への適用拡大は、アウトカム評価を回復期リハビリテーション病棟全体に浸透させるものです。退院前訪問指導料の出来高算定は、退院支援の充実につながります。FIM研修会・地域支援事業・口腔管理の対象拡大は、リハビリテーション医療の質を底上げするものです。土曜日・休日のリハビリテーション提供体制の要件化は、切れ目のないリハビリテーション提供を制度として担保します。入院料5の算定期間変更は、2年超の算定継続を可能にするものです。医療機関においては、特に入院料2・4における実績指数32以上の達成、入院料3・4における全日リハビリテーション提供体制の整備について、経過措置期間(令和8年9月30日まで)内の対応が求められます。各施設の現状を早期に確認し、計画的に準備を進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】地域包括医療病棟が3つの入院料に再編|点数・要件の変更点を解説
令和8年度診療報酬改定では、地域包括医療病棟入院料が大幅に見直されます。令和6年度改定で新設されたこの病棟は、高齢者の中等症救急疾患の受け皿として期待されていますが、厳しい施設基準が届出の障壁となっていました。今回の改定では、高齢者の生理学的特徴と診療実態を踏まえ、入院料の体系、施設基準、加算の3つの領域で見直しが行われます。今回の見直しのポイントは3つです。第一に、入院料が手術・緊急入院の有無と急性期病棟の併設状況に応じて再編されます。第二に、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算が2段階(110点・50点)に見直されます。第三に、平均在院日数や重症度、医療・看護必要度の基準が、85歳以上の患者割合を考慮して緩和されます。入院料の再編:手術・緊急入院の有無と急性期病棟併設状況で区分化地域包括医療病棟入院料は、現行の一律3,050点から、「入院料1」と「入院料2」の2つに分かれます。さらに、各入院料の中に「入院料1」「入院料2」「入院料3」の3区分が設けられます(以下、混同を避けるため、上位区分をカッコ付きの「入院料1」「入院料2」、下位区分を「イ・ロ・ハ」と表記します)。「入院料1」は、院内に一般病棟入院基本料を算定する病棟を有していないことが施設基準に含まれます。点数は、イ(入院料1)が3,367点、ロ(入院料2)が3,267点、ハ(入院料3)が3,117点です。急性期病棟を併設しない医療機関は、包括期の病棟のみで救急患者の受入から治療までを一貫して担う必要があります。その負担を考慮し、「入院料2」よりも高い点数が設定されました。「入院料2」は、「入院料1」のイからネまでの施設基準を満たすものが対象です。「入院料1」と異なり、一般病棟入院基本料を算定する病棟の有無は問われません。点数は、イ(入院料1)が3,316点、ロ(入院料2)が3,216点、ハ(入院料3)が3,066点です。結果として、院内に急性期病棟を持つ医療機関は「入院料1」の要件を満たさないため「入院料2」を算定することになります。イ・ロ・ハの3区分は、緊急入院の有無と手術の実施状況によって決まります。イ(入院料1)は、緊急入院の患者であって、入院時の主傷病に対して入院中に手術を実施しないものが対象です。ロ(入院料2)は、緊急入院かつ手術を実施するもの、または予定入院かつ手術を実施しないものが対象です。ハ(入院料3)は、予定入院かつ手術を実施するものが対象です。この区分の背景には、医療資源投入量の実態があります。中医協の審議資料(入院医療等の調査・評価分科会)によると、手術のない緊急入院の患者は手術を行う予定入院の患者と比べて、包括範囲内の出来高実績点数が平均で約440点高いことが示されています。地域包括医療病棟で頻度の高い誤嚥性肺炎や尿路感染症などの内科系疾患は、手術を伴わない緊急入院が大半を占めます。こうした疾患では、包括される点数の割合が高い一方で、出来高で算定できる医療が少ないという構造的な課題がありました。今回の区分化により、この不均衡が是正されます。リハ・栄養・口腔連携加算の2段階化:加算1は110点、加算2は50点リハビリテーション・栄養・口腔連携加算は、現行の一律80点から、加算1(110点)と加算2(50点)の2段階に見直されます。加算1(110点)は、より充実した体制のもとでリハビリテーション・栄養管理・口腔管理を一体的に実施する場合に算定できます。現行の80点から30点の引き上げとなり、多職種による包括的な取組を積極的に行う医療機関の評価が強化されます。加算2(50点)は、加算1の要件を満たさない場合でも、一定の体制を整備して取り組む医療機関が算定できる区分です。この新設により、段階的に体制を整備しようとする医療機関にも算定の道が開かれました。算定期間は、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る計画を作成した日から起算して14日を限度とする点は、現行と変わりません。栄養サポートチーム加算との併算定ができない点も同様です。施設基準の緩和:85歳以上の患者割合に配慮した新たな基準施設基準は、平均在院日数、ADL低下割合、重症度・医療・看護必要度の3項目で見直されます。平均在院日数は、現行の「21日以内」から「20日以内を原則とし、85歳以上の患者の割合が2割を増すごとに1日を加えた日数以内」に変更されます。中医協の審議資料によると、85歳以上の高齢者は85歳未満の患者と比較して在院日数の中央値が5~6日長く、高齢であること自体が在院日数延長の独立した危険因子とされています。この変更により、85歳以上の患者を多く受け入れる医療機関ほど基準が段階的に緩和されます。たとえば、85歳以上の患者割合が2割の場合は21日以内、4割の場合は22日以内が基準となります。ADL低下割合についても、85歳以上の患者割合に応じた基準の緩和が行われます。改定資料には「退院時のADLが低下したものの割合について、85歳以上の患者の割合に応じて基準を緩和する」との方針が示されています。ただし、具体的な数値は個別改定項目の資料には記載されておらず、告示・通知で詳細が示される見込みです。中医協の審議資料では、85歳以上の高齢者や要介護認定者はADLが低下する割合が高い傾向にあること、約40%の地域包括医療病棟でADL低下患者が5%を超えていることが報告されており、こうした実態を踏まえた見直しとなります。重症度、医療・看護必要度は、評価方法が「割合」から「指数」に変更されます。必要度Ⅰは現行の「基準を満たす患者を16%以上入院させる」から「基準を満たす患者の割合に係る指数が19%以上」に変わります。必要度Ⅱは現行の「15%以上」から「指数18%以上」に変わります。地域包括医療病棟で頻度の高い誤嚥性肺炎や尿路感染症などの内科系疾患は、A項目やC項目の点数が低い傾向にあります。指数への変更により、こうした疾患を多く診療する病棟の特性がより適切に反映されるようになります。まとめ令和8年度改定では、地域包括医療病棟が3つの観点から見直されます。入院料は手術・緊急入院の有無と急性期病棟の併設状況に応じて区分化され、最高3,367点(入院料1・イ)から最低3,066点(入院料2・ハ)まで、診療内容に応じた評価が行われます。リハ・栄養・口腔連携加算は110点と50点の2段階となり、体制の充実度に応じた評価が可能になります。施設基準では、85歳以上の患者割合に配慮した平均在院日数やADL低下割合の基準緩和、重症度・医療・看護必要度の指数化が実施されます。これらの見直しにより、高齢者の中等症救急疾患の受け皿としての機能がより発揮されることが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】ICU・HCU・救命救急・SCUはこう変わる|区分統合・実績要件・点数を一覧解説
令和8年度診療報酬改定では、高度急性期入院医療を担う4つの管理料が一斉に見直されます。この見直しは、個別改定項目「Ⅱ-1-1 患者のニーズ、病院の機能・特性、地域医療構想を踏まえた、医療提供体制の整備」の⑤~⑧に該当するものです。いずれの管理料にも共通するのは、病院が担う医療機能の「実績」に応じた評価を行うという方向性です。今回の見直しは、4つの管理料にまたがる大きな改定です。特定集中治療室管理料(ICU)は6区分から3区分に簡素化され、救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件が新設されます。ハイケアユニット入院医療管理料(HCU)にも同様の実績要件が加わり、点数が引き上げられます。救命救急入院料は4区分から2区分に統合され、番号体系が再編されます。脳卒中ケアユニット入院医療管理料(SCU)には、超急性期治療の実績要件が新設されます。以下、各管理料の見直し内容をサマリーとして整理します。⑤ 特定集中治療室管理料の見直し|6区分から3区分へ、7つの変更点特定集中治療室管理料の見直しは、7つの変更項目で構成される大幅な改定です。最大の変更は、広範囲熱傷の区分統合による6区分から3区分への簡素化と、救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件の新設です。救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件は、管理料1の施設基準に追加されます(管理料2・3には適用されません)。救急搬送件数年間1,000件以上、全身麻酔手術件数年間1,000件以上、小児関連病床が5割以上の病院では全身麻酔手術件数年間500件以上、のいずれかを満たすことが求められます。医療資源の少ない地域では、救急搬送・全身麻酔手術はそれぞれ年間800件以上、小児関連病院は年間400件以上に緩和されます。区分の統合では、広範囲熱傷の有無で分かれていた6区分が3区分に整理されます。広範囲熱傷への対応は「広範囲熱傷管理加算」(200点)として独立します。管理料1の点数は、7日以内が14,406点から14,980点に、8日以上が12,828点から13,371点にそれぞれ引き上げられます。宿日直医師を含む治療室の範囲・施設基準も見直されます。改定後の管理料2では、宿日直医師を含む専任医師が原則として治療室内に常時勤務することが要件となります。管理料1では「治療室勤務の医師」から「治療室専任の医師」に変更され、宿日直を行わないことがより明確になります。重症度、医療・看護必要度には「蘇生術の施行」「抗不整脈剤の使用」「一時的ペーシング」の3項目が追加されます。SOFAスコアの患者割合要件は1割から2割に引き上げられます。特定機能病院での重症患者対応体制強化加算の算定拡大、遠隔集中治療の地域要件緩和も行われます。実績要件とSOFAスコア要件には令和8年12月31日までの経過措置が設けられています。詳しくは「【令和8年度改定】特定集中治療室管理料が6区分→3区分へ|7つの変更点を解説」をご覧ください。⑥ ハイケアユニット入院医療管理料の見直し|実績要件・必要度・点数の3本柱ハイケアユニット入院医療管理料の見直しは、実績要件の新設、重症度・医療看護必要度の見直し、点数引き上げの3つで構成されています。実績要件は、HCU管理料1・2の両方に適用されます。救急搬送件数年間1,000件以上、全身麻酔手術件数年間500件以上、小児系特定入院料の病床が5割以上の病院では全身麻酔手術件数年間250件以上、のいずれかを満たすことが求められます。医療資源の少ない地域では、救急搬送件数は年間800件以上、全身麻酔手術件数は年間400件以上、小児病院は年間200件以上にそれぞれ緩和されます。重症度、医療・看護必要度では、「抗不整脈剤の使用(注射剤)」と「一時的ペーシング」の2項目が追加されます。基準①の該当患者割合はHCU管理料1・2ともに1割5分から2割に引き上げられます。点数は、HCU管理料1が6,889点から7,202点に、HCU管理料2が4,250点から4,501点にそれぞれ引き上げられます。実績要件を満たせない既存届出治療室に対しては、注5による救済措置(4,401点を21日限度で算定可能)が新設されました。実績要件と重症度基準の両方に、令和8年12月31日までの経過措置が設けられています。詳しくは「【令和8年度改定】HCU入院医療管理料の3つの見直しポイント|実績要件・必要度・点数を解説」をご覧ください。⑦ 救命救急入院料の見直し|4区分から2区分へ、番号体系を再編救命救急入院料の見直しは、4区分から2区分への統合と番号体系の再編が最大の変更点です。広範囲熱傷の区分(入院料3・4)が廃止され、「広範囲熱傷管理加算」(200点)に移行します。番号体系の再編では、現行の入院料2(2対1看護)が新しい「入院料1」に、現行の入院料1(4対1看護)が新しい「入院料2」に再編されます。番号と看護体制の対応関係が変わる点に注意が必要です。点数は、同じ看護体制で比較するといずれも引き上げられます。2対1看護の体制(現行:入院料2→改定後:入院料1)では、3日以内が11,847点から12,379点に、4日以上7日以内が10,731点から11,240点に、8日以上が9,413点から9,894点に引き上げられます。4対1看護の体制(現行:入院料1→改定後:入院料2)でも、3日以内が10,268点から10,623点に、4日以上7日以内が9,292点から9,629点に、8日以上が7,934点から8,469点に引き上げられます。現行の入院料1を届け出ている医療機関は改定後「入院料2」に、現行の入院料2を届け出ている医療機関は改定後「入院料1」に移行します。広範囲熱傷の区分(入院料3・4)を届け出ている医療機関は、移行先の入院料に加えて「広範囲熱傷管理加算」の届出に切り替えます。詳しくは「【令和8年度改定】救命救急入院料が4区分から2区分へ|点数・施設基準の変更点を解説」をご覧ください。⑧ 脳卒中ケアユニット入院医療管理料の見直し|超急性期治療の実績要件を新設脳卒中ケアユニット入院医療管理料(SCU管理料)の見直しでは、超急性期治療に関する実績要件が新たに追加されます。新設される施設基準は、「超急性期脳卒中加算」と「経皮的脳血栓回収術」を合計して年間20回以上算定していることです。この見直しの背景には、SCU管理料を算定する病院間で超急性期治療の実績に大きな差がある現状があります。DPCデータによれば、SCU算定患者に対する超急性期脳卒中加算の算定がゼロの病院が2施設、経皮的脳血栓回収術の算定がゼロの病院が7施設存在していました。超急性期脳卒中加算と経皮的脳血栓回収術の合計算定回数が多い病院ほど、SCU算定患者の救急搬送入院割合や医療資源投入量が高い傾向にありました。この結果を踏まえ、SCUに求められる機能を明確にする実績要件が導入されました。既存の届出病院には、令和8年12月31日までの経過措置が設けられています。詳しくは「【令和8年度改定】脳卒中ケアユニット入院医療管理料に実績要件が新設|年間20回以上が必須に」をご覧ください。まとめ令和8年度改定における高度急性期入院医療の見直しは、4つの管理料に共通する「実績に応じた評価」という方向性のもとで実施されます。特定集中治療室管理料は6区分から3区分に、救命救急入院料は4区分から2区分に簡素化されます。特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料には救急搬送件数・全身麻酔手術件数の実績要件が、脳卒中ケアユニット入院医療管理料には超急性期治療の実績要件が新設されます。いずれの見直しにも令和8年12月31日までの経過措置が設けられています。届出医療機関は、自院の実績を早期に確認し、届出の切り替えや体制整備の準備を進めることが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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日本酒侍ぐりこ先生のココだけの話
日本酒を世界酒に! 日本酒×Web3のパイオニアが業界に革新を与えます!! CHIMNEY TOWN DAO運営 Japan Sake Community代表 中学校教員が世界で活躍するプロデューサーに 川原卓巳プロデュースの学校0期生として活動 日本酒を世界酒にしていくまでの過程がみれます。 ビジネスでのマインドセット。思考法など音声を通じて伝えます。 https://listen.style/p/guricoproduce?2wfSmibn
Recalog
Recalogは一週間にあったニュースや記事からkokorokagamiとtoudenがピックアップして話す番組です https://listen.style/p/recalog?bqOBxHVT