病院事務長が実務と経営の視点で語る、医療制度の最新動向。急性期〜回復期で幅広い部門を統括してきた経験をもとに、最新の令和8年度診療報酬改定(算定要件・疑義解釈)や施設基準、医療DXの解説を音声で配信。経営層から現場の事務担当者まで、忙しい合間に「現場で使える知識」をアップデートできます。
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番組の魅力・推薦
【令和8年度改定】リハビリテーション総合計画評価料の見直しを徹底解説
リハビリテーションの現場では、患者ごとに複数の計画書を作成しなければなりません。この複数の計画書が、医療従事者の事務負担を重くしています。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「リハビリテーション総合計画評価料の見直し」の内容を解説します。今回の見直しは、書類の簡素化を軸に3つの変更を行います。第1に、複数の計画書の様式を統一し、評価料に初回と2回目以降の区分を新設します。第2に、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者への目標設定等支援・管理料を廃止します。第3に、この管理料を算定していない患者への減算規定を廃止します。1. 計画書様式の統一と評価料の区分新設計画書様式の統一と評価料の区分新設は、書類の簡素化に関わる変更です。複数の計画書の様式を統一し、作成の手間を減らします。あわせて評価料には、これまでなかった初回と2回目以降の区分を新たに設けます。リハビリテーション総合計画評価料1は、現行の一律300点から、初回300点・2回目以降240点に変わります。初回の点数は据え置かれ、2回目以降の点数だけが240点に下がります。つまり、2回目以降を算定する場合は、これまでより点数が低くなります。リハビリテーション総合計画評価料2も、同じ形で見直されます。現行の一律240点から、初回240点・2回目以降196点に変わります。評価料1と同様に、初回の点数は据え置かれ、2回目以降の点数だけが196点に下がります。評価料1と評価料2に共通するのは、初回が現行どおりで、2回目以降のみ点数が引き下げられる点です。この区分新設の理由は、資料には明示されていません。資料が示す見直しの趣旨は、あくまで「書類の簡素化」です。2. 目標設定等支援・管理料の廃止目標設定等支援・管理料は廃止されます。この管理料は、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者に対し、リハビリの目標設定を支援するものでした。廃止の対象は、脳血管疾患等・廃用症候群・運動器の3つのリハビリテーション料です。廃止される管理料は、現行で初回250点・2回目以降100点が設定されていました。この管理料は、要介護被保険者等の患者に対し、3月に1回に限り算定できるものでした。今回の改定では、この区分そのものが削除され、これらの点数は算定できなくなります。3. 減算規定の廃止目標設定等支援・管理料を算定していない患者への減算規定も廃止されます。この減算規定は、管理料を算定しない場合に所定点数を100分の90に減らすものでした。管理料そのものが廃止されるため、減算規定も同時になくなります。現行の減算規定は、要介護被保険者等の患者を対象としていました。具体的には、発症・手術・急性増悪・最初の診断から60日を経過した後も引き続きリハビリを行う場合に適用されました。このとき過去3月以内に管理料を算定していなければ、所定点数が100分の90に減算される仕組みでした。なお、この減算規定の廃止は、脳血管疾患等・廃用症候群・運動器の3つのリハビリテーション料に共通して適用されます。まとめ今回の見直しは、書類の簡素化を軸に3つの変更を行いました。第1に、複数の計画書の様式を統一し、評価料に初回と2回目以降の区分を新設しました。第2に、介護保険によるサービスの利用が必要と思われる患者への目標設定等支援・管理料を廃止しました。第3に、この管理料を算定していない患者への減算規定を廃止しました。なお、2回目以降の評価料引き下げや管理料の廃止は、算定できる点数が減る変更でもあるため、現場では算定方法の確認が必要になります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|疾患別リハビリ料「離床なし訓練」は90%算定へ
令和8年度診療報酬改定で、疾患別リハビリテーション料が訓練内容に応じた評価へ見直されます。従来の点数体系は、離床を伴う訓練と離床を伴わない訓練を同じ点数で評価していました。本記事は、この見直しで新設される区分とその算定要件を解説します。今回の見直しでは、離床を伴わない個別療法を所定点数の90%で算定する区分が新設されます。対象は、ベッド上でポジショニングや拘縮の予防などの他動的な訓練のみを行う入院患者です。ただし、集中治療管理料などを算定する患者、15歳未満の小児、医師が特に認めた患者は対象から除かれます。この見直しは、心大血管・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器の5つの疾患別リハビリテーション料すべてに適用されます。見直しの基本的な考え方今回の見直しは、より質の高いリハビリテーションを推進する観点から行われます。疾患別リハビリテーション料は、これまで訓練内容の違いを点数に反映してきませんでした。そこで本改定では、訓練内容に応じた評価へと見直されます。新設される区分の内容(90%算定)新設される区分では、離床を伴わない個別療法を所定点数の90%で算定します。この区分の算定には、20分以上の個別療法であることが求められます。算定の上限は、患者1人につき1日2単位までです。なお、この1日2単位の上限は、通則第4号の規定にかかわらず適用されます。対象となる患者この90%算定の対象は、ベッド上で他動的な訓練のみを行う入院患者です。この患者とは、個別療法を実施する日に、ベッド上から移動せずに訓練を行う患者を指します。訓練の内容は、ポジショニングまたは拘縮の予防などを主たる目的とした他動的な訓練に限られます。対象から除外される患者ただし、一定の患者は、この90%算定の対象から除外されます。除外される患者は、次の3つに分類されます。第1は、集中治療管理料または早期リハビリテーション加算などを算定する患者です。具体的には、救命救急入院料や特定集中治療室管理料などの管理料を算定する患者が該当します。また、各疾患別リハビリテーション料の早期リハビリテーション加算、初期加算、急性期リハビリテーション加算のいずれかを算定する患者も該当します。第2は、疾患および状態により、ベッド上からの移動が困難な15歳未満の小児患者です。この患者は、年齢と移動の困難さの両方を満たす場合に除外されます。第3は、医師が3単位以上の個別療法を特に必要と認めた患者です。この患者は、疾患および状態により、ベッド上からの移動が困難であることが前提となります。あわせて、移動が困難な医学的理由、長時間のリハビリテーションが必要な理由、訓練内容を、診療録および診療報酬明細書の摘要欄に記載することが求められます。適用される疾患別リハの範囲この見直しは、5つの疾患別リハビリテーション料すべてに適用されます。具体的には、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料が対象です。資料では心大血管疾患リハビリテーション料を例に示されますが、他の4区分についても同様に取り扱われます。まとめ令和8年度改定では、疾患別リハビリテーション料が訓練内容に応じた評価へ見直されます。新設される区分では、離床を伴わない他動的な訓練のみの個別療法を、所定点数の90%で算定します。一方、集中治療管理料などを算定する患者、移動が困難な15歳未満の小児、医師が特に認めた患者は、この区分の対象から除外されます。この見直しは、5つの疾患別リハビリテーション料すべてに適用されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|リハビリ算定単位の上限緩和、対象患者を見直し
疾患別リハビリテーション料には、1日に算定できる単位数の上限がある。この上限は、原則として患者1人につき1日6単位である。ただし、別表第九の三に定める患者に限り、1日9単位まで上限が緩和される。この緩和の対象には、これまで運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者も含まれていた。しかし、適切な算定を推進する観点から、対象範囲の見直しが求められていた。そこで令和8年度診療報酬改定は、上限緩和の対象患者を見直す。今回の見直しは、対象患者を2つの方向で変更する。第1に、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第2に、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる60日間の起算日を明確化する。一方、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者は、これまでどおり緩和の対象である。以下、上限緩和の仕組みと2つの見直し点を順に説明する。上限緩和とは|1日9単位までのリハビリを認める仕組み上限緩和とは、1日に算定できるリハビリテーションの単位数を、通常より多く認める仕組みである。疾患別リハビリテーション料は、原則として患者1人につき1日6単位までしか算定できない。しかし別表第九の三に該当する患者は、この上限が緩和される。緩和された患者は、1日9単位まで算定できる。つまり別表第九の三は、手厚いリハビリを認める対象患者の一覧表である。この一覧表には、3つの区分の患者が並ぶ。第1の区分は、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者である。第2の区分は、脳血管疾患等の患者のうち、一定期間内のものである。第3の区分は、早期歩行やADL自立を目的としてリハビリ料(Ⅰ)を算定する入院患者である。今回の改定は、このうち第2と第3の区分を見直す。見直し①|運動器リハビリの入院患者を緩和対象から除外第1の見直しは、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第3の区分は、早期歩行やADL自立を目的とする入院患者を緩和の対象としている。この区分には、現行では5種類のリハビリ料(Ⅰ)が並んでいた。改定後は、このうち運動器リハビリテーション料(Ⅰ)が削除される。削除の結果、第3の区分で緩和の対象となるリハビリ料は4種類になる。現行で対象だったのは、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、運動器、呼吸器の5つのリハビリ料(Ⅰ)である。改定後に対象として残るのは、運動器を除いた4つである。具体的には、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、呼吸器のリハビリ料(Ⅰ)が残る。運動器リハビリの入院患者は、この区分を通じた1日9単位までの算定ができなくなる。この除外は、運動器リハビリの算定を、より適切な範囲に絞る見直しである。見直し②|脳血管疾患等の患者の起算日を明確化第2の見直しは、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる期間の起算日を明確化する。第2の区分は、脳血管疾患等の患者のうち一定期間内のものを緩和の対象としている。この期間は、現行では「発症後六十日以内」と定められていた。しかし、何を起点に60日を数えるかが、必ずしも明確ではなかった。そこで改定後は、起算日を3つに具体化する。新たな規定は「発症日、手術日又は急性増悪の日から六十日以内」である。つまり起算日は、発症日に加え、手術日と急性増悪の日も含まれる。この明確化により、手術後や急性増悪後の患者でも、起算日を判断しやすくなる。変わらない点と実務への影響3区分のうち、第1の区分は今回の改定で変わらない。第1の区分は、回復期リハビリテーション病棟入院料又は特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者である。ただし、この区分では運動器リハビリテーション料を算定する患者が、もともと除かれている。この除外規定は、現行のまま維持される。実務では、運動器リハビリの入院患者を扱う医療機関が、影響を受けやすい。これらの医療機関は、第3の区分を通じた1日9単位の算定ができなくなる。一方、脳血管疾患等の患者を扱う医療機関は、起算日の判断基準を確認する必要がある。施行までに、自院の対象患者を区分ごとに整理しておくとよい。まとめ|2つの見直しで緩和対象を適正化令和8年度診療報酬改定は、リハビリ算定単位数の上限緩和について、対象患者を2点で見直す。第1に、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第2に、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる期間の起算日を明確化する。これらの見直しは、適切な疾患別リハビリテーション料の算定を推進するものである。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|医療機関外リハビリの上限単位数見直しを徹底解説
生活機能の回復には、実際の生活場面に近い環境でのリハビリテーションが効果的です。しかし従来、医療機関外で行う疾患別リハビリテーションは、1日3単位までしか疾患別リハビリとみなすことができませんでした。この上限が、より集中的な取組を行ううえでの制約となる場合がありました。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「医療機関外における疾患別リハビリテーション料の上限単位数の見直し」の内容を、初心者の方にも分かりやすく解説します。今回の改定では、医療機関外での疾患別リハビリテーションの上限を、一連の入院において合計3単位まで上乗せできるよう見直しました。従来からの「1日3単位まで」という枠は、引き続き維持されます。この枠を超える必要がある場合に、入院期間全体で合計3単位(厚生労働大臣が定める患者は6単位)を追加で算定できます。算定にあたっては、常時の付き添いや搬送体制の確保など、安全への配慮が引き続き求められます。改定の背景:質の高い生活機能の回復を後押し今回の見直しは、より質の高い生活機能の回復を後押しすることを狙いとしています。リハビリテーションは、患者が日常生活へ円滑に戻ることを目的とする取組です。この目的を達成するには、医療機関の中だけでなく、実際の生活場面に近い環境での訓練が効果を発揮します。たとえば、自宅周辺の道路を歩く、店舗で買い物をするといった訓練は、退院後の生活を見据えた実践的なリハビリにつながります。この医療機関外でのリハビリは、従来、1日3単位までという上限が設けられていました。1日3単位までであれば、医療機関の外で行った訓練も疾患別リハビリテーションとみなすことができました。しかし、患者の状態によっては、1日3単位を超えて医療機関外での訓練が必要となる場面もあります。この上限が、集中的な生活機能回復の妨げとなる場合がありました。こうした課題を踏まえ、今回の改定で上限単位数が見直されることになりました。改定の具体的内容:一連の入院で合計3単位を上乗せ改定では、1日3単位を超える分を、一連の入院において合計3単位まで上乗せできるようになりました。従来からの「1日3単位まで」という枠は、そのまま維持されます。この枠を超えて医療機関外でリハビリを実施する必要がある場合に、入院期間全体を通じて合計3単位を追加で算定できる仕組みです。さらに、厚生労働大臣が定める患者(特掲診療料の施設基準等別表第九の三に掲げる患者)については、上乗せの上限が合計6単位となります。現行と改定後の違いは、次のとおりです。1日あたりの上限は、現行・改定後ともに3単位までで変わりません。この1日3単位を超える必要がある場合、現行では超えた分を算定できませんでした。改定後は、超えた分を一連の入院において合計3単位まで上乗せして算定できます。さらに、厚生労働大臣が定める患者については、改定後は一連の入院において合計6単位まで上乗せできます。ここでいう「厚生労働大臣が定める患者」とは、別表第九の三に掲げられた患者を指します。これらの患者は、より手厚いリハビリテーションを必要とする状態にあると位置づけられています。そのため、医療機関外での上乗せ単位数も、合計6単位とより多く認められています。算定の要件と留意点:安全への配慮は引き続き必須上乗せ算定にあたっても、従来同様の安全への配慮が引き続き必要です。医療機関外でのリハビリを疾患別リハビリとみなすには、所定の要件((1)から(4)まで)をすべて満たさなければなりません。この要件は、今回の上乗せ算定においても変わりなく適用されます。安全への配慮として、まず常時の付き添いが求められます。医療機関外でリハビリを実施する際には、訓練場所との往復を含め、常時従事者が付き添う必要があります。この付き添いにあわせて、緊急時に速やかに医療機関へ連絡・搬送できる体制を確保しなければなりません。こうした体制づくりにより、患者の安全に十分配慮することが求められます。なお、往復に要した時間は、リハビリテーションの実施時間には含まれません。訓練の前後において、訓練場所との往復に要した時間は、実施時間の対象外となります。算定の対象となるのは、あくまで実際にリハビリを行った時間に限られます。この点は、単位数を数えるうえで注意が必要です。まとめ:医療機関外リハビリの上限が柔軟に今回の改定は、より質の高い生活機能の回復を後押しするための見直しです。従来の「1日3単位まで」という枠は維持しつつ、これを超える分を一連の入院で合計3単位(厚生労働大臣が定める患者は6単位)まで上乗せできるようになりました。上乗せ算定にあたっては、常時の付き添いや連絡・搬送体制の確保など、安全への配慮が引き続き必須となります。医療機関外でのリハビリをより柔軟に活用し、患者の生活機能の回復につなげていくことが期待されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】退院時リハビリテーション指導料の対象患者が限定に|算定要件のポイント解説
令和8年度診療報酬改定では、退院時リハビリテーション指導料の算定要件が見直されました。現行の要件では、対象患者が限定されていません。今回の改定は、退院後の在宅生活に向けた訓練を指導するという本来の目的を踏まえ、適切な患者への指導を推進する観点から行われました。本記事は、この算定要件の見直しについて、その背景から対象となる算定項目までを整理して解説します。今回の見直しの要点は、対象患者を入院中にリハビリ関連の点数を算定した患者に限定したことです。見直しの狙いは、退院時リハビリテーション指導料を本来の目的に沿って適切な患者へ提供することにあります。対象患者は、入院中に疾患別リハビリテーション料等を算定した患者に限られます。対象となる算定項目には、リハビリ・栄養・口腔連携の加算、早期離床・リハビリテーション加算、疾患別リハビリテーションが含まれます。見直しの狙いは制度の目的に沿った算定の徹底今回の見直しは、退院時リハビリテーション指導料を本来の目的に沿って算定するために行われました。退院時リハビリテーション指導料とは、退院後の在宅生活に向けた訓練の指導を評価する点数です。この指導の対象は、基本的動作能力、応用的動作能力、社会的適応能力の回復を図る訓練です。この指導は、入院中にリハビリテーションを受けた患者にこそ意味を持ちます。退院後の訓練の指導は、入院中のリハビリテーションの内容を踏まえてはじめて効果を発揮するためです。しかし現行の要件では、対象患者が限定されていません。今回の見直しは、本来の目的に沿った適切な患者への指導を推進するために行われました。改定の要点は対象患者を「リハビリを算定した患者」に限定したこと今回の改定では、対象患者を入院中にリハビリ関連の点数を算定した患者に限定しました。限定の対象となるのは、当該保険医療機関での入院中に、疾患別リハビリテーション料等を算定した患者です。この限定により、入院中にリハビリテーションを受けていない患者は、退院時リハビリテーション指導料の対象から外れます。一方で、指導の内容そのものは現行から変わりません。算定の対象となる指導は、これまでどおり在宅での動作能力や社会的適応能力の回復を図る訓練の指導です。同一日に退院時共同指導料2を別に算定できない取扱いも、現行のまま維持されます。今回変わったのは、指導の内容ではなく、対象となる患者の条件だけです。対象患者の条件となる算定項目は3つのグループに整理できる対象患者の条件となる算定項目は、大きく3つのグループに整理できます。いずれかの項目を入院中に算定した患者が、退院時リハビリテーション指導料の対象となります。以下では、3つのグループを順に確認します。第1のグループは、リハビリテーション・栄養・口腔連携の加算です。具体的には、A233のリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算と、A304注10のリハビリテーション・栄養・口腔連携加算が該当します。第2のグループは、早期離床・リハビリテーション加算です。具体的には、A301注4、A301-2注3、A301-3注3、A301-4注3の各加算が該当します。第3のグループは、疾患別リハビリテーションです。具体的には、第7部リハビリテーションの第1節の各区分のいずれかが該当します。まとめ令和8年度改定では、退院時リハビリテーション指導料の対象患者が見直されました。見直しの狙いは、制度の目的に沿った適切な患者への指導の推進です。対象患者は、入院中に疾患別リハビリテーション料等を算定した患者に限定されました。実務では、対象となる3つのグループの算定項目を確認し、退院時の算定漏れや過誤を防ぐことが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定 在宅療養指導料の見直し|情報通信機器による指導を新設
令和8年度診療報酬改定は、様々な場面におけるオンライン診療の推進を重点課題としている。しかし在宅療養指導料は、これまで情報通信機器を用いた指導を評価してこなかった。本稿は、在宅療養指導料に情報通信機器による指導を新設する見直しを解説する。今回の見直しは、在宅療養指導料に情報通信機器を用いた指導の評価を新設するものである。在宅療養指導料は、初回と2回目以降に区分される。2回目以降の情報通信機器による指導は、148点で新たに評価される。情報通信機器による指導の対象は、在宅自己注射指導管理料を算定する患者と、退院後1月以内の慢性心不全の患者に限られる。1. 見直しの背景と目的今回の見直しは、患者のセルフケア支援の充実と負担軽減を目的とする。在宅療養指導料は、医師の指示に基づき保健師・助産師・看護師が在宅療養上必要な指導を行った場合に算定する。この指導は、これまで対面のみを評価対象としてきた。一方、令和8年度改定は、外来や在宅医療など様々な場面でオンライン診療の推進を進めている。そこで在宅療養指導料についても、対面と情報通信機器を組み合わせた指導を適切に推進する見直しが行われる。組み合わせた指導は、患者のセルフケアを継続的に支援する。さらに、通院に伴う患者の負担も軽減する。2. 新設される点数体系在宅療養指導料は、初回と2回目以降の3区分に再編される。現行の在宅療養指導料は、170点の一本立てである。改定後は、初回(イ)と2回目以降(ロ)に区分される。初回(イ)は、対面で行った場合の170点である。2回目以降(ロ)は、対面と情報通信機器の2つに分かれる。2回目以降の対面(ロ(1))は、170点である。2回目以降の情報通信機器(ロ(2))は、148点である。この148点が、今回新設される評価である。3. 情報通信機器による指導の対象患者情報通信機器による指導は、2種類の患者に対象が限られる。在宅療養指導料そのものは、在宅療養指導管理料を受ける患者など、幅広い在宅療養患者を対象とする。これに対し、情報通信機器による指導(ロ(2))の対象は、次の2種類に限定される。1つは、在宅自己注射指導管理料(C101)を算定している患者である。もう1つは、退院後1月以内の慢性心不全の患者である。この2種類以外の患者は、2回目以降も対面での指導が必要となる。4. 算定上の留意点情報通信機器による指導には、算定回数の制限がある。在宅療養指導料は、患者1人につき月1回を原則として算定する。ただし初回(イ)を算定する月は、初回(イ)と2回目以降(ロ)を合算して月2回まで算定できる。情報通信機器による指導(ロ(2))も、この月1回の枠内で算定する。5. まとめ今回の見直しは、在宅療養指導料に情報通信機器による指導を新設するものである。在宅療養指導料は、初回(170点)と2回目以降(対面170点・情報通信機器148点)に再編される。情報通信機器による指導の対象は、在宅自己注射指導管理料の算定患者と、退院後1月以内の慢性心不全の患者に限られる。この見直しにより、対面とオンラインを組み合わせた在宅療養指導が推進される。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度診療報酬改定】情報通信機器を用いた医学管理等の新評価を解説
令和8年度診療報酬改定は、外来や在宅医療など様々な場面でオンライン診療の推進を進めています。しかし、在宅振戦等刺激装置治療指導管理料とプログラム医療機器等指導管理料には、これまで情報通信機器を用いた場合の評価がありませんでした。本稿は、この2つの管理料に新設された情報通信機器を用いた場合の評価を、背景と算定要件に分けて解説します。今回の改定では、2つの管理料に情報通信機器を用いた場合の評価が新たに設けられました。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料は、情報通信機器を用いた場合に所定点数に代えて705点を算定できます。プログラム医療機器等指導管理料は、情報通信機器を用いた場合に所定点数に代えて78点を算定できます。いずれの管理料も、情報通信機器を用いた診療の体制を整え、施設基準を地方厚生局長等に届け出る必要があります。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料の新設(705点)在宅振戦等刺激装置治療指導管理料には、情報通信機器を用いた場合の評価として705点が新設されました。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料は、振戦などの不随意運動症に対して脳深部刺激療法(DBS)を受ける患者を対象とします。DBSは、患者の体内に刺激装置を植え込み、その刺激の設定を医師が定期的に調整する治療です。この調整は、これまで患者が医療機関へ来院し、対面で行う必要がありました。来院による調整を変えたのが、DBSの遠隔プログラミングです。遠隔プログラミングは、インターネット回線を介して刺激の設定を遠隔から変更する技術を指します。この技術に対応するプログラム医療機器は、令和4年11月に薬事承認されました。海外の臨床試験では、遠隔プログラミングの有用性と安全性が示されています。さらに、日本定位・機能神経外科学会が「脳深部刺激療法(DBS)における遠隔プログラミングの手引き」を作成し、対面診療と遠隔プログラミングを適切に組み合わせる方法を示しました。こうした有用性と手引きを踏まえ、情報通信機器を用いた場合の評価が新設されました。具体的には、施設基準を届け出た保険医療機関が、当該指導管理を情報通信機器を用いて行った場合に、所定点数に代えて705点を算定できます。プログラム医療機器等指導管理料の新設(78点)プログラム医療機器等指導管理料には、情報通信機器を用いた場合の評価として78点が新設されました。プログラム医療機器等指導管理料は、患者自らが使用する治療用アプリ等の指導管理を月1回評価する管理料です。対象となるアプリには、ニコチン依存症治療補助アプリや高血圧症治療補助アプリがあります。所定点数は90点です。今回の新設は、併算定する管理料との整合性を踏まえています。プログラム医療機器等指導管理料は、ニコチン依存症管理料や生活習慣病管理料(Ⅱ)と併せて算定できます。これらの併算定する管理料には、すでに情報通信機器を用いた場合の規定がありました。一方、プログラム医療機器等指導管理料には、この規定がありませんでした。この規定の不整合を踏まえ、情報通信機器を用いた場合の評価が新設されました。具体的には、施設基準を届け出た保険医療機関が、当該医学管理を情報通信機器を用いて行った場合に、所定点数に代えて78点を算定できます。算定に必要な施設基準と届出いずれの管理料も、情報通信機器を用いた場合の評価を算定するには、施設基準を満たして届け出る必要があります。両管理料に共通する施設基準は、情報通信機器を用いた診療を行うにつき十分な体制が整備されていることです。この体制を整えた上で、地方厚生局長等に届け出ます。プログラム医療機器等指導管理料は、この共通基準に加えて、もう一つの施設基準を満たす必要があります。それは、プログラム医療機器等の指導管理を行うにつき十分な体制が整備されていることです。つまり、従来からの指導管理の体制と、新たな情報通信機器の体制という2つの体制を備える必要があります。まとめ令和8年度改定は、オンライン診療の推進の一環として、2つの管理料に情報通信機器を用いた場合の評価を新設しました。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料は所定点数に代えて705点、プログラム医療機器等指導管理料は所定点数に代えて78点を算定できます。いずれの管理料も、情報通信機器を用いた診療の体制を整え、施設基準を届け出ることが算定の前提となります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|外来栄養食事指導料の見直しを徹底解説
令和8年度診療報酬改定では、情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料が見直されます。外来栄養食事指導料とは、管理栄養士が患者へ食事指導を行ったときに医療機関へ支払われる診療報酬です。この診療報酬では、従来、情報通信機器や電話による指導の評価と算定要件に課題が残されていました。本稿は、その見直しの内容を初心者にもわかりやすく整理します。今回の見直しは、2つの柱で構成されます。第1の柱は、情報通信機器又は電話による指導の評価の見直しです。第2の柱は、情報通信機器による指導のみでも算定できる要件の明確化です。以下では、2つの柱を順に解説します。第1の柱:情報通信機器又は電話による指導の評価を見直し第1の柱は、情報通信機器又は電話による指導の評価の見直しです。見直しの中心は、2回目以降の追加的指導に対する新区分の新設です。この新設にあわせて、電話による指導の位置づけも変わります。新区分は、2回目以降に情報通信機器又は電話で追加的な指導を行った場合を評価します。点数は、外来栄養食事指導料1で50点、外来栄養食事指導料2で45点です。改定案の点数を区分ごとに整理すると、次のとおりです。【外来栄養食事指導料1】(保険医療機関の管理栄養士が指導する場合) ・初回:対面 260点/情報通信機器 235点 ・2回目以降:対面 200点/情報通信機器 180点 ・2回目以降の追加的指導(新設):50点【外来栄養食事指導料2】(診療所が当該保険医療機関以外の管理栄養士に依頼して指導する場合) ・初回:対面 250点/情報通信機器 225点 ・2回目以降:対面 190点/情報通信機器 170点 ・2回目以降の追加的指導(新設):45点新区分の追加的指導は、初回の指導を前提として実施します。まず、管理栄養士が対面又は情報通信機器で初回の指導を行います。そのうえで、2回目以降に情報通信機器又は電話で追加的な指導を行ったときに、新区分を算定できます。この追加的指導には指導時間の要件がなく、必要な指導が行われれば時間の長短は問いません。新区分の追加的指導には、算定回数と併算定に制限があります。算定回数は、月1回までです。併算定については、同一月に2回目以降の通常の指導(対面又は情報通信機器による指導)を算定した場合、追加的指導を算定できません。電話による指導の位置づけは、今回の見直しで変わります。従来は、電話による指導も「情報通信機器等を用いた場合」の区分として算定できました。改定後は、この区分が「情報通信機器を用いた場合」へ改められ、情報通信機器による指導に限定されます。電話による指導は、新設された追加的指導の区分でのみ評価されます。第2の柱:情報通信機器による指導のみで算定可能とする要件の明確化第2の柱は、情報通信機器による指導のみでも算定できる要件の明確化です。明確化の対象は、事前に作成する指導計画と、対面指導が必須となる場面の2点です。指導計画の作成要件は、いずれか一方の計画でも算定可能であると明確化されます。従来は、対面指導と情報通信機器による指導を組み合わせた計画の作成が求められていました。改定後は、組み合わせ型に加えて、対面のみ又は情報通信機器のみの計画でも要件を満たします。この明確化により、情報通信機器による指導のみで完結する外来栄養食事指導が算定可能となります。退院した患者については、初回から情報通信機器による指導を実施できます。この場合、当該指導までの間に指導計画を作成します。対面指導が必須となる場面は、同日に栄養食事指導を行う場合へ限定されます。従来は、外来受診した場合に必ず対面指導が求められていました。改定後は、外来受診と同日に外来栄養食事指導を実施する場合に限り、対面指導が必須となります。この限定により、外来受診日以外の情報通信機器による指導が行いやすくなります。まとめ:2つの柱でオンライン栄養指導を推進令和8年度改定の外来栄養食事指導料は、2つの柱で見直されます。第1の柱は、情報通信機器又は電話による指導の評価の見直しです。2回目以降の追加的指導に新区分(50点・45点)が新設され、電話による指導はこの新区分で評価されます。第2の柱は、情報通信機器による指導のみで算定できる要件の明確化です。指導計画はいずれか一方の作成でもよく、対面が必須となるのは同日に指導する場合に限られます。これらの見直しは、情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導の推進を目的としています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
遠隔連携診療料の評価拡大とは|令和8年度改定で対象疾患・場面が大幅拡大
かかりつけ医と専門医をオンラインでつなぐ「D to P with D」が、専門医療へのアクセスを支える手段として期待されている。しかし、その評価である遠隔連携診療料は、これまで難病とてんかんの外来診療に対象が限られていた。本記事では、令和8年度診療報酬改定で行われた遠隔連携診療料の3つの拡大を、初めて学ぶ方にもわかるように解説する。令和8年度改定では、遠隔連携診療料が対象疾患と算定場面の両面で大幅に拡大された。第一に、外来診療で対象疾患に希少がんや医療的ケア児(者)などが追加された。第二に、訪問診療における算定が新たに設けられた。第三に、入院診療における算定が新たに設けられた。あわせて点数も3つの場面それぞれで900点に見直された。遠隔連携診療料とは|かかりつけ医と専門医をつなぐ「D to P with D」遠隔連携診療料は、患者のそばにいるかかりつけ医を、専門医とオンラインでつなぐ評価である。この仕組みは「D to P with D」と呼ばれる。ここでは、D to P with Dの意味と、改定前の算定の枠組みを順に説明する。D to P with Dとは、患者(Patient)が医師(Doctor)に付き添われながら、別の医師(Doctor)の診療を受ける形のオンライン診療である。この形では、患者の近くにいるかかりつけ医が、専門的な診療を行う他の医療機関の医師とビデオ通話でつながる。これにより、患者は遠方の専門医療機関まで足を運ばなくても、専門医の診療を受けられる。改定前の遠隔連携診療料は、対象も場面も限られていた。対象疾患は、指定難病とてんかんの2つに限られていた。算定場面は外来診療のみで、点数は診断を目的とする場合が750点、その他の場合が500点であった。いずれの場合も、算定は3月に1回までに限られていた。拡大1:外来診療の対象疾患が広がった1つ目の拡大は、外来診療における対象疾患の追加である。改定前は指定難病とてんかんのみが対象であったが、改定後は対象疾患が大きく広がった。あわせて、点数も従来の枠組みから900点へと見直された。外来診療の対象疾患には、希少がんと医療的ケア児(者)が新たに加わった。希少がんの患者は、診断を目的とする場合には疑いの段階の患者も含まれる。医療的ケア児(者)は、日常的に医療的なケアを必要とする子どもや成人を指す。これらに加え、小児慢性特定疾病の患者も対象に追加された。人口の少ない地域では、さらに3つの疾患が対象に加わった。具体的には、治療中の悪性腫瘍、治療中の膠原病、慢性維持透析の3つである。これらは、対象地域に所在する医療機関を受診した患者に限って算定できる。専門医が不足しがちな地域でも、オンラインで専門的な診療を受けられるようにする狙いがある。点数は、3つの算定場面に共通して900点に見直された。改定前は「診断目的750点・その他500点」と目的別に分かれていたが、改定後は「外来・訪問・入院」と場面別の区分に整理された。外来診療の場合は、このうち900点を3月に1回まで算定する。拡大2:訪問診療での算定が新設された2つ目の拡大は、訪問診療における算定の新設である。改定前は外来診療しか算定できなかったが、改定後は在宅で療養する患者にも対象が広がった。これにより、通院が困難な患者も自宅で専門医の診療を受けられるようになる。訪問診療の対象は、在宅で療養し通院が困難な患者のうち、次の3つに該当する者である。1つ目は、主治医の医療機関が掲げていない診療科で、その診療科の医師でなければ難しい診療を要する者である。2つ目は、医療的ケア児(者)である。3つ目は、外来緩和ケア管理料の対象患者である。訪問診療での算定は、主治医の求めを受けて行う点が特徴である。主治医が計画的な医学管理のもとで訪問して診療を行う際に、専門医とビデオ通話でつなぐ。この訪問診療の場合も、900点を3月に1回まで算定する。拡大3:入院診療での算定が新設された3つ目の拡大は、入院診療における算定の新設である。訪問診療と同じく、改定前にはなかった算定場面が新たに設けられた。これにより、入院中の患者も他の医療機関の専門医による診療(対診)をオンラインで受けられるようになる。入院診療の対象は、入院中の患者のうち、次の5つに該当する者である。1つ目は指定難病の患者、2つ目は希少がんの患者、3つ目は小児慢性特定疾病医療支援の対象患者である。4つ目は臓器移植の希望者として登録された患者、5つ目は当該医療機関が掲げていない診療科で、その診療科の医師でなければ難しい診療を要する者である。入院診療での算定は、入院中にビデオ通話で専門医と連携して行う。入院先の医療機関が事前に専門医へ診療情報を提供したうえで、入院中の患者の治療管理を目的として連携する。この入院診療の場合も、900点を3月に1回まで算定する。算定にあたって共通する要件3つの算定場面には、共通する要件がある。場面ごとに対象疾患や点数は異なるが、算定の進め方の基本は変わらない。ここでは、3つの場面に共通する主な要件を整理する。算定には、患者の同意と、専門医への事前の診療情報提供が必要である。まず、患者の同意を得る。次に、専門的な診療を行う他の医療機関の医師へ、事前に診療情報を提供する。そのうえで、ビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて、その専門医と連携して診療を行う。連携先となる専門医療機関には、疾患ごとに満たすべき基準がある。たとえば、難病の患者では難病診療連携拠点病院などが、てんかんの患者ではてんかん診療拠点機関が連携先となる。希少がんでは特定機能病院や都道府県がん診療連携拠点病院が該当する。連携先の要件は対象疾患ごとに定められているため、算定前の確認が欠かせない。まとめ:遠隔連携診療料は3つの拡大で活用場面が広がった令和8年度改定では、遠隔連携診療料が対象疾患と算定場面の両面で大幅に拡大された。第一に、外来診療では対象疾患に希少がんや医療的ケア児(者)などが加わり、人口の少ない地域では悪性腫瘍・膠原病・透析も対象となった。第二に、訪問診療における算定が新設され、通院が困難な患者も自宅で専門医の診療を受けられるようになった。第三に、入院診療における算定が新設され、入院中の患者も専門医による対診を受けられるようになった。いずれの場面も900点を3月に1回まで算定でき、D to P with Dの活用がいっそう進むことが期待される。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|D to P with N オンライン診療の評価明確化を徹底解説
D to P with N とは、看護師が患者のそばに付き添い、医師が離れた場所からオンラインで診療する形態です。このD to P with N には、看護職員の訪問や検査・処置の算定方法に不明確な部分があり、令和7年6月の規制改革実行計画で改善が求められていました。令和8年度診療報酬改定は、このD to P with N の評価を明確化し、その適正な推進を後押しします。今回の明確化は、3つの観点から算定ルールを整理します。第一に、訪問看護・指導と一体的にオンライン診療を行う場合、在宅患者訪問看護・指導料を併算定できることを明確化します。第二に、訪問看護を伴わずに看護職員が訪問する場合の評価として、訪問看護遠隔診療補助料を新設します。第三に、D to P with N で行う検査・注射・処置の評価として、看護師等遠隔診療実施料を新設します。訪問看護と一体のオンライン診療は併算定できる訪問看護・指導と一体的にオンライン診療を行う場合は、在宅患者訪問看護・指導料を算定できます。この取扱いは、これまで明記されていませんでしたが、今回の改定で通知に明文化されました。この明確化は、在宅患者訪問看護・指導料(C005)と同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)に適用されます。具体的には、訪問看護・指導の実施時に当該保険医療機関の保険医が情報通信機器を用いた診療を実施した場合、C005およびC005-1-2を算定できます。つまり、看護師の訪問看護と医師のオンライン診療を同じ時間帯に予定している形態が、算定の対象として整理されたわけです。この場合に注意すべき点は、訪問看護・指導の実施時間を十分に確保することです。オンライン診療を併せて行う場合でも、訪問看護・指導そのものの質を落としてはなりません。あくまで訪問看護・指導が主であり、オンライン診療はそこに重なる形で実施されます。訪問看護を伴わない訪問には訪問看護遠隔診療補助料を新設訪問看護を同時に実施しない場合の看護職員の訪問には、訪問看護遠隔診療補助料を新設します。この補助料は、看護職員が医療機関に所属するか訪問看護ステーションに所属するかに応じて、2種類で構成されます。医療機関に所属する看護職員が訪問する場合は、医科点数表のC005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料を算定します。点数は1日につき265点で、算定できるのは月に1回までです。算定の対象は、在宅で療養する患者、または緊急に診療を要する通院困難な患者です。医師がオンライン診療の際に看護師等の同席が必要と判断し、患者の同意を得て看護師等が患家を訪問し、診療の補助を行った場合に算定します。このC005-1-3には、2つの訪問パターンが含まれます。1つは、オンライン診療を行う医療機関自身が、診療時に自院の看護師等を患家に訪問させるパターンです。もう1つは、連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問を併用するパターンです。ただし後者でも、訪問看護指示書を交付した医療保険の訪問看護対象患者については、その訪問費用は訪問看護療養費として直接支払われるため、C005-1-3の対象にはなりません。なお、医師または看護師の配置が義務付けられている施設に入所している患者は、C005-1-3の算定対象になりません。ただし給付調整告示等で別に規定する場合は、この限りではありません。C005-1-3には、併算定の制限があります。算定できないのは、在宅患者訪問看護・指導料(C005)、同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)、訪問看護指示料(C007)、精神科訪問看護・指導料(I012)、および訪問看護療養費です。一方で、在宅患者訪問点滴注射管理指導料(C005-2)は併せて算定できます。C005-1-3を算定するうえで共通して必要なのは、オンライン指針を遵守する点と、訪問の必要性を記録する点です。診療を行う保険医が看護師等による患家への訪問の必要性を認めた場合に限り算定し、その必要性を診療録と診療報酬明細書の摘要欄に記載します。また初診からオンライン診療を行う場合は、これに加えて診療前相談を実施します。一方で、緊急に診療を要する患者に対して行う場合は、追加の条件が課されます。この場合は、患者や家族等から当該医療機関に緊急の診療を直接求められ、医師が看護師等の同席が必要と判断し、可及的速やかに看護師等を患家に訪問させて診療の補助を行ったときに算定できます。逆に、定期的ないし計画的にオンライン診療を行った場合は、緊急ケースとしては算定できません。これは「緊急に診療を要する患者」に固有の取扱いであり、「在宅で療養を行っている患者」を対象とする場合とは区別されます。同一の患家、または形態上ホーム全体を同一の患家とみなせる有料老人ホーム等で、看護師等が2人以上の患者の診療の補助を行った場合は、取扱いが異なります。2人目以降の患者については訪問看護遠隔診療補助料を算定せず、初診料・再診料・外来診療料および特掲診療料のみを算定します。ただし2人目以降で診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を摘要欄に記載したうえで訪問看護遠隔診療補助料を算定できます。訪問看護ステーションに所属する看護職員が訪問する場合は、訪問看護療養費の07 訪問看護遠隔診療補助料を算定します。所定額は1日につき2,650円で、算定できるのは月に1回までです。算定の対象は、主治医から交付された訪問看護指示書の有効期間内にある利用者です。定期的に行う指定訪問看護以外の場面で、緊急に診療を要すると判断した主治医の指示を受けて訪問し、オンライン診療の補助を行った場合に算定します。この07にも、併算定の制限があります。同一日には、訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、訪問看護管理療養費、訪問看護情報提供療養費、訪問看護ターミナルケア療養費、訪問看護ベースアップ評価料を算定できません。また算定できるのは1人の利用者につき1つの訪問看護ステーションのみであり、同一利用者について医療機関がC005-1-3を算定した場合は算定できません。2つの補助料の対応関係は、次のとおりです。* C005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料:保険医療機関が算定し、265点(1日につき・月1回)* 07 訪問看護遠隔診療補助料:訪問看護ステーションが算定し、2,650円(1日につき・月1回)検査・注射・処置には看護師等遠隔診療実施料を新設D to P with N で行う検査・注射・処置には、看護師等遠隔診療実施料を新設します。これらは、通常の所定点数に代えて算定する点が特徴です。検査を実施した場合は、看護師等遠隔診療検査実施料を算定します。看護師等といる患者にオンライン診療を行い、第3節または第4節の検査を実施したときに、各区分の所定点数に代えて算定します。点数は、1種類の場合が100点、2種類以上の場合が150点で、いずれも1日につき算定します。注射を実施した場合は、看護師等遠隔診療注射実施料を算定します。看護師等といる患者にオンライン診療を行い、第1節の注射を実施したときに、各区分の所定点数に代えて1日につき100点を算定します。ただし処置実施料のロを算定する場合は算定できず、また在宅患者訪問点滴注射管理指導料(C005-2)は別に算定できません。処置を実施した場合は、看護師等遠隔診療処置実施料を算定します。看護師等といる患者にオンライン診療を行い、第1節の処置を実施したときに、各区分の所定点数に代えて算定します。点数は、1種類の場合が100点、2種類以上の場合が150点で、いずれも1日につき算定します。3つの実施料を整理すると、次のとおりです。* 看護師等遠隔診療検査実施料:第3節・第4節の検査が対象で、1種類100点・2種類以上150点* 看護師等遠隔診療注射実施料:第1節の注射が対象で、100点* 看護師等遠隔診療処置実施料:第1節の処置が対象で、1種類100点・2種類以上150点まとめ:D to P with N の3つの明確化を押さえる令和8年度診療報酬改定は、D to P with N のオンライン診療の評価を、3つの観点から明確化します。第一に、訪問看護・指導と一体的に行うオンライン診療では、在宅患者訪問看護・指導料を併算定できることを明文化しました。第二に、訪問看護を伴わない看護職員の訪問には、訪問看護遠隔診療補助料を新設し、医療機関側を265点、訪問看護ステーション側を2,650円としました。第三に、D to P with N で行う検査・注射・処置には、看護師等遠隔診療実施料を新設しました。これらの整理により、看護師の所属や訪問形態の違いに応じた算定が、より明確になります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】遠隔電子処方箋活用加算とは?算定要件をやさしく解説
令和8年度診療報酬改定で、オンライン診療における電子処方箋の活用を推進する新たな評価が設けられました。オンライン診療では以前から電子処方箋を発行できますが、電子処方箋システムを活用した質の高い処方を後押しする評価はこれまでありませんでした。そこで本稿は、新設される「遠隔電子処方箋活用加算」について、その趣旨と算定の流れを初心者向けに整理します。なお本稿では、読みやすさのため「オンライン診療」と表記します。告示・通知上の正式な表現は「情報通信機器を用いた診療」であり、対象患者は「情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者」です。実務で原文を参照する際は、この正式名称をご確認ください。遠隔電子処方箋活用加算は、オンライン診療で電子処方箋を発行した場合に、月1回10点を加算する評価です。この加算の対象は、情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者です。この加算の算定には、薬剤情報の確認・調剤薬局の聴取と確認・電子処方箋の発行という3つの要件をすべて満たす必要があります。さらにこの加算の届出には、電磁的記録による処方箋を発行する体制という施設基準が求められます。1. 新設の背景|2つの観点から評価する遠隔電子処方箋活用加算は、「利便性の向上」と「質の高い処方の評価」という2つの観点から新設されます。この2つの観点は、いずれもオンライン診療と電子処方箋を組み合わせることで実現します。利便性の向上とは、オンライン診療をより使いやすくすることです。従来のオンライン診療では、紙の処方箋の原本を患者へ郵送したり、患者が希望する薬局へFAXで送ったりする手間がかかっていました。電子処方箋を使えば、こうした郵送やFAXの手間がなくなり、患者と医療機関の双方の負担が軽くなります。なお、この郵送・FAXに関する記述は、本改定項目の資料ではなく、関連する医療DX資料に基づく補足です。質の高い処方の評価とは、安全性の高い処方を診療報酬で後押しすることです。電子処方箋システムでは、患者の最新の薬剤情報を確認できます。この薬剤情報をもとに重複投薬等チェックを行えば、飲み合わせや重複処方のリスクを下げられます。本加算は、このチェックを伴う処方を評価する仕組みです。2. 加算の概要|オンライン診療で月1回10点遠隔電子処方箋活用加算は、オンライン診療の際に電子処方箋を発行した場合に、月1回に限り10点を所定点数に加算する評価です。この加算は、施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関だけが算定できます。算定できるのは、情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者です。つまり、対面ではなくオンラインで医学管理を受ける患者が対象です。この患者に対して電子処方箋を発行したとき、月1回まで本加算を算定できます。3. 算定要件|アからウまでの3要件をすべて満たす遠隔電子処方箋活用加算の算定には、通知に定められたアからウまでの3要件をすべて満たす必要があります。この3要件は、「薬剤情報の確認」「調剤薬局の聴取と確認」「電子処方箋の発行」という処方の流れに沿って並んでいます。要件アは、薬剤情報の確認です。電子処方箋システムにより薬剤情報を確認し、重複投薬等チェックを実施します。このチェックが、安全な処方の土台になります。要件イは、調剤薬局の聴取と確認です。患者に対し事前に調剤する保険薬局を聴取し、当該保険薬局の電子処方箋の対応状況を確認します。この聴取と確認により、患者が希望する薬局と確実に連携できます。要件ウは、電子処方箋の発行です。電子処方箋を発行します。ただし、引換番号が印字された紙の処方箋は、ここでいう電子処方箋には含まれません。4. 施設基準|電磁的記録による処方箋の発行体制遠隔電子処方箋活用加算の届出には、電磁的記録による処方箋を発行する体制という施設基準を満たす必要があります。この体制とは、紙ではなくデータで処方箋を作成・発行できる仕組みを指します。この施設基準を満たした保険医療機関は、地方厚生局長等に届け出ることで本加算を算定できます。届出を行っていない医療機関は、要件を満たしていても算定できません。本加算の算定を検討する医療機関は、まず電子処方箋の発行体制を整えることが出発点になります。5. まとめ|安全と利便性を両立する新加算遠隔電子処方箋活用加算は、オンライン診療で電子処方箋を発行した場合に、月1回10点を加算する新設の評価です。対象は、情報通信機器を用いた医学管理等を算定する患者です。算定には、薬剤情報の確認・調剤薬局の聴取と確認・電子処方箋の発行という3つの要件をすべて満たす必要があります。さらに届出には、電磁的記録による処方箋を発行する体制という施設基準が求められます。この加算は、重複投薬等チェックによる安全性と、郵送の手間を省く利便性を両立させる仕組みといえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
オンライン診療の施設基準はどう変わる?令和8年度改定の3つの追加要件
オンライン診療(情報通信機器を用いた診療)は、医療現場へ広く用いられている。今回の見直しは、オンライン診療の実態と向精神薬の処方実態を踏まえたものである。本稿は、令和8年度診療報酬改定で見直されたオンライン診療の施設基準を、現場が対応すべき視点から解説する。令和8年度改定は、オンライン診療の施設基準に3つの要件を追加した。第一に、改定後はオンライン診療指針の遵守を確認するチェックリストをウェブサイトへ掲示しなければならない。第二に、改定後は医療広告ガイドラインの遵守が求められる。第三に、改定後は向精神薬を処方する際に電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックが必要となる。① チェックリストのウェブサイト掲示オンライン診療の施設基準は、改定後、ウェブサイトへの掲示事項を拡充する。現行の施設基準は、ウェブサイトへの掲示として、初診で向精神薬を処方しない旨のみを求めている。改定後の施設基準は、この掲示に加えて、オンライン診療指針の遵守を確認するチェックリストの掲示を求める。掲示すべきチェックリストには、当該保険医療機関での対応状況を記入する。このチェックリストは、「オンライン診療指針」の遵守を確認するための様式である。② 医療広告ガイドラインの遵守医療広告ガイドラインの遵守は、改定後、新たに施設基準へ加わる。このガイドラインは、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等の指針である。オンライン診療を行う医療機関は、自院のウェブサイトでこのガイドラインを守らなければならない。ウェブサイトを作成する医療機関は、「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を参考にする。この参照は、改定後の施設基準で求められる対応である。③ 向精神薬処方時の重複投薬等チェック向精神薬の処方時には、改定後、電子処方箋管理サービスによる重複投薬等チェックが必要となる。この要件は、向精神薬の処方実態を踏まえて新設された。あわせて施設基準には、向精神薬を適正に使用するために必要な体制の整備が求められる。電子処方箋システムを有していない医療機関には、経過措置が設けられている。この経過措置は、令和10年5月31日までの間に限り認められる。期間中、電子処方箋システムのない医療機関は、代替手段で薬剤情報を確認できる。代替手段は、2つの仕組みのいずれかである。1つ目は、オンライン資格確認等システムである。2つ目は、医療機関間で電子的に医療情報を共有するネットワークである。医療機関は、このいずれかを用いて薬剤情報を確認すればよい。まとめ令和8年度改定は、オンライン診療の適正な推進に向けて、施設基準に3つの要件を追加した。3要件は、チェックリストのウェブサイト掲示、医療広告ガイドラインの遵守、そして向精神薬処方時の重複投薬等チェックである。オンライン診療を行う医療機関は、改定後の運用に向けて、この3要件への対応を早期に進める必要がある。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度改定】医療DX推進体制整備加算の廃止と電子的診療情報連携体制整備加算の新設を解説
医療DXの関連施策は、オンライン資格確認や電子処方箋の普及により着実に前進してきました。普及が進んだ段階では、サービスの導入を促す評価から、サービスの活用による質の高い医療を促す評価へと、軸足を移す必要があります。本メルマガは、令和8年度診療報酬改定の「医療DX推進体制整備加算等の見直し」を、外来・入院・調剤の区分ごとに整理します。今回の見直しの柱は、既存加算の廃止と新加算の新設による評価体系の再編です。第一に、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算を廃止し、電子的診療情報連携体制整備加算を新設します。第二に、診療録管理体制加算について、サイバーセキュリティ対策の要件を見直し、評価区分を3つから2つに整理します。第三に、調剤報酬の加算を電子的調剤情報連携体制整備加算へ改称し、電子処方箋システムによる重複投薬等のチェック体制を要件に加えます。あわせて、電子カルテ情報共有サービスに係る経過措置を延長します。外来・入院での加算の再編:廃止と新設外来と入院の加算は、2つの加算の廃止と新加算の新設により再編されます。廃止されるのは、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算の2つです。両加算に代わり、初診料・再診料・外来診療料・入院料加算として、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されます。新設される電子的診療情報連携体制整備加算は、外来では月1回を限度に算定します。初診料では、施設基準の区分に従い、加算1が15点、加算2が9点、加算3が4点です。再診料と外来診療料では、いずれも一律2点です。入院料加算としても、電子的診療情報連携体制整備加算が新設されます。入院料加算では、入院初日に限り、加算1が160点、加算2が80点を算定します。歯科でも、同様の考え方で電子的歯科診療情報連携体制整備加算が新設されます。歯科の初診料では、加算1が9点、加算2が4点です。歯科の再診料では、2点を算定します。なお、初診料・再診料の電子的診療情報連携体制整備加算は、明細書発行体制等加算との併算定ができません。診療所がこの加算を算定する場合、明細書発行体制等加算は別に算定できない点に注意が必要です。診療録管理体制加算の見直し:サイバーセキュリティと区分整理診療録管理体制加算は、サイバーセキュリティ対策の要件見直しと評価区分の整理という2点で見直されます。サイバーセキュリティ対策については、現行の加算1の施設基準にある「非常時における対応体制」の要件が、加算1の施設基準から削除されます。この非常時の対応体制は、後述する新設の電子的診療情報連携体制整備加算(入院)の施設基準に位置づけられます。評価区分は、現行の3区分から2区分へ整理されます。点数も見直され、加算1は140点から100点へ、加算2は100点から30点へ引き下げられます。現行の加算3(30点)は廃止されます。調剤報酬の見直し:廃止・改称と重複投薬チェック調剤報酬では、医療情報取得加算の廃止と、医療DX推進体制整備加算の改称という2つの見直しが行われます。医療情報取得加算は、廃止されます。医療DX推進体制整備加算は、電子的調剤情報連携体制整備加算へ改称されます。改称にあわせて、現行の3区分(10点・8点・6点)は1区分に統合され、点数は月1回8点となります。さらに、電子処方箋システムによる重複投薬等のチェックを行う体制を有することが、施設基準に追加されます。経過措置の延長:電子カルテ情報共有サービス電子カルテ情報共有サービスに係る経過措置は、在宅と調剤の両方で延長されます。在宅医療DX情報活用加算では、当該サービスに係る要件を「当面の間」満たしているものとみなします。電子的調剤情報連携体制整備加算でも、同様に「当面の間」満たしているものとみなします。いずれも、国等が全国で運用を開始した場合は、速やかな導入に努めることとされています。まとめ今回の「医療DX推進体制整備加算等の見直し」は、評価体系の再編が柱です。外来・入院では、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算を廃止し、電子的診療情報連携体制整備加算を新設します。診療録管理体制加算では、サイバーセキュリティ要件を見直し、区分を3つから2つに整理します。調剤報酬では、加算を電子的調剤情報連携体制整備加算へ改称し、重複投薬等のチェック体制を要件に加えます。あわせて、電子カルテ情報共有サービスに係る経過措置を延長します。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|在宅CPAP指導管理料の見直しと加算15点を解説
在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)は、睡眠時無呼吸症候群に対する標準的な治療です。この治療の効果は、患者が機器を毎晩どれだけ使ったか(アドヒアランス)に大きく左右されます。ところが従来の診療報酬では、使用状況をデータで把握する体制が十分に評価されてきませんでした。そこで令和8年度診療報酬改定は、質の高い在宅CPAP療法を推進する観点から、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料と終夜睡眠ポリグラフィーの要件と評価を見直します。本稿は、この見直しの内容を初学者にもわかるように解説します。今回の改定は、2つの見直しで在宅CPAP療法の質を高めます。第一に、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2へ「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」15点を新設します。第二に、その指導管理料2の点数本体を250点から240点へ引き下げます。第三に、終夜睡眠ポリグラフィーの評価を、院内または訪問で実施する場合とその他の場合とに分けます。在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の見直し在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の見直しは、加算の新設と点数本体の引下げの2つで構成されます。加算の新設では、指導管理料2に「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」15点を設けます。この加算を算定できるのは、機器の使用時間等をモニタリング可能な体制を有し、適切な指導管理を行っている医療機関です(施設基準)。つまり改定は、患者の使用状況をデータで把握し、その結果に基づいて指導する医療機関を上乗せ評価します。点数本体の引下げでは、指導管理料2を250点から240点へ10点引き下げます。この引下げと先の加算を合わせると、モニタリング体制を満たす医療機関は240点に15点を加えた255点となり、実質で5点増えます。一方、体制を満たさない医療機関は240点にとどまり、10点減ります。改定は、こうしてモニタリング体制の有無で評価に差をつけます。なお、指導管理料1は2,250点のまま変わりません。今回の見直しの対象は、指導管理料2に限られます。終夜睡眠ポリグラフィーの見直し終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)の見直しは、検査の実施方法に応じて評価区分を細分化するものです。評価区分の細分化では、現行で「その他のもの」として3,570点とされてきた区分を2つに分けます。改定後は、保険医療機関内で実施する場合や医療従事者が患者宅を訪問して検査装置を装着する場合を「保険医療機関内で又は訪問して実施するもの」とし、3,570点を維持します。これに対し、それ以外の場合は「その他のもの」として2,000点に設定します。専門職が関与して装着する検査を手厚く評価する考え方です。あわせて、検査に要した交通費の取扱いも明確化します。改定後の終夜睡眠ポリグラフィーでは、検査に要した交通費を患家の負担とする注記を新たに設けます。なお、携帯用装置を使用した場合の720点、多点感圧センサーを有する睡眠評価装置を使用した場合の250点、安全精度管理下で行う4,760点は、いずれも変わりません。改定に共通する狙い2つの見直しに共通するのは、データと実施実態に基づいて医療の質を評価する考え方です。在宅CPAP療法では、使用時間のモニタリング体制を評価します。使用時間は治療の効果(アウトカム)に直結するため、その把握体制を評価することが質の向上につながります。終夜睡眠ポリグラフィーでは、訪問や院内での適切な実施を評価します。専門職が関与する実施方法を評価することで、検査データの質を担保します。これらは、アウトカムにも着目した評価の推進という今回の改定方針に沿った見直しです。まとめ令和8年度診療報酬改定は、質の高い在宅CPAP療法を推進するため、2つの見直しを行います。在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2では、モニタリング体制を評価する充実管理体制加算15点を新設し、点数本体を250点から240点へ引き下げます。終夜睡眠ポリグラフィーでは、訪問や院内での実施を3,570点で評価し、その他の場合を2,000点に分けます。いずれの見直しも、データと実施実態に基づいて医療の質を評価する方針を反映しています。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
外来データ提出加算が「充実管理加算」へ|令和8年度診療報酬改定の新設項目
令和8年度診療報酬改定は、外来医療でデータに基づく評価を推進します。従来の外来データ提出加算は、データ提出の有無だけを評価していました。本稿は、この加算を再編して新設される「充実管理加算」を解説します。充実管理加算は、データ提出を前提としつつ、上位区分ほど生活習慣病管理の実績を高く評価します。具体的には、従来の外来データ提出加算(50点)が、充実管理加算へ再編されます。この充実管理加算は、患者の主病ごとに、実績水準に応じた3段階の点数を設定します。さらに、経過措置により、既存の届出医療機関は1年間、最上位の実績要件を満たすものとみなされます。見直しの背景と目的今回の見直しは、提出データを診療の質の評価につなげることを目的とします。背景には、外来医療でデータに基づく適切な評価を推進する方針があります。この方針のもと、診療報酬の請求状況や治療管理の状況といった診療内容のデータが、医療機関から継続的に提出されてきました。しかし、従来の外来データ提出加算は、これらのデータの提出体制だけを評価していました。つまり、提出されたデータが示す診療の質は、評価の対象外でした。そこで今回の改定は、ガイドライン等に沿った質の高い生活習慣病管理を行う医療機関を、より高く評価する仕組みへと見直します。あわせて、医療機関に提出を求めるデータは簡素化されます。今回の改定は、この簡素化を踏まえて評価体系を見直します。見直しにより、評価の対象は提出体制から診療の質へと広がります。充実管理加算の点数体系充実管理加算は、3つの主病ごとに、実績水準に応じた3段階の点数を設定します。対象となる主病は、脂質異常症、高血圧症、糖尿病の3つです。これらの主病それぞれに、充実管理加算1から3までの3段階が用意されます。脂質異常症を主病とする場合、点数は3段階に分かれます。充実管理加算1は30点、充実管理加算2は20点、充実管理加算3は10点です。高血圧症を主病とする場合も、同じ3段階の点数が設定されます。充実管理加算1は30点、充実管理加算2は20点、充実管理加算3は10点です。糖尿病を主病とする場合も、同様に3段階の点数が設定されます。充実管理加算1は30点、充実管理加算2は20点、充実管理加算3は10点です。なお、これらの加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)と生活習慣病管理料(Ⅱ)のいずれにも共通して適用されます。段階を区分する施設基準充実管理加算の3段階は、生活習慣病管理の実績水準によって区分されます。いずれの段階も、外来患者の診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出する体制を、共通の前提とします。この共通の前提に、管理実績の要件が段階ごとに上乗せされます。充実管理加算1は、管理につき十分な実績を有する医療機関が対象です。データ提出体制に加えて、主病の管理で十分な実績が求められます。この最上位の段階に、30点が設定されます。充実管理加算2は、管理につき相当の実績を有する医療機関が対象です。データ提出体制に加えて、主病の管理で相当の実績が求められます。この中位の段階に、20点が設定されます。充実管理加算3は、データ提出体制を満たす医療機関が対象です。管理実績の要件はなく、データ提出体制だけが求められます。この基本の段階に、10点が設定されます。既存届出医療機関への経過措置経過措置は、既存の届出医療機関に準備期間を設けます。対象は、令和8年3月31日時点で外来データ提出加算(注4)の届出を行っている医療機関です。これらの医療機関には、新基準への移行を円滑にするための猶予が認められます。具体的には、対象の医療機関は、令和9年3月31日までの間、充実管理加算1の実績要件を満たすものとみなされます。この間、医療機関は十分な実績の要件を改めて満たさなくても、最上位の段階で算定できます。経過措置の終了後は、実際の実績水準に応じた段階で算定します。まとめ令和8年度診療報酬改定は、外来データ提出加算を充実管理加算へ再編します。この充実管理加算は、データ提出体制に加えて、生活習慣病管理の質を評価します。点数は、脂質異常症・高血圧症・糖尿病の主病ごとに、実績水準に応じた3段階で設定されます。既存の届出医療機関には、令和9年3月31日までの経過措置が設けられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
【令和8年度診療報酬改定】データ提出加算の入院料要件はどう変わる?精神病棟3類型を解説
国は、データに基づくアウトカム評価を医療の質向上の柱に据えています。このアウトカム評価は、医療機関が国へ提出する診療実績データに支えられています。ところが精神病棟入院基本料の一部では、データを提出する医療機関が1~3割にとどまっていました。そこで本稿は、令和8年度診療報酬改定がこのデータ提出を新たに入院料の要件とする見直しを解説します。今回の見直しは、データ提出加算の届出を要件とする入院料を、精神病棟入院基本料の3類型へ拡大するものです。拡大の対象は、精神病棟入院基本料の15対1、18対1、20対1です。拡大の背景には、これら3類型での届出割合の低さと、令和6年度改定で先行した10対1・13対1の要件化があります。そして経過措置として、すでに届け出ている医療機関には令和10年5月31日までの猶予が、一定の要件を満たす医療機関には当分の間の例外が設けられます。データ提出加算とは ― データに基づく評価を支える仕組みデータ提出加算とは、診療実績のデータを継続して厚生労働省へ提出する医療機関を評価する加算です。このデータには、入院・外来・在宅・リハビリテーションの診療実績が含まれます。国はこのデータを用いて、医療の実態把握や診療報酬改定の検討を進めています。この加算の点数は、データ提出加算1から4までに分かれます。たとえばデータ提出加算1は、許可病床数200床以上で145点、200床未満で215点です。点数自体は大きくありませんが、重要なのは点数よりも「届出」のほうです。データ提出加算の「届出」は、近年、入院料を算定するための施設基準として位置づけられてきました。届出を施設基準とすれば、その入院料を算定する医療機関は、実質的にデータ提出を求められます。この仕組みを通じて、国はデータ提出の対象を着実に広げてきました。拡大の対象 ― 精神病棟入院基本料の3類型今回の拡大で新たに要件化されるのは、精神病棟入院基本料の15対1、18対1、20対1です。これら3類型は、患者に対する看護職員の配置を15人対1人などで表す入院料です。今回の改定では、これら3類型の施設基準に「データ提出加算に係る届出を行っていること」が加わります。ただし、この要件には例外があります。新規に保険医療機関を開設する場合など、やむを得ない事情があるときは、要件の対象から除かれます。この例外は、開設直後でデータ提出体制が整わない医療機関に配慮したものです。拡大の背景 ― 届出割合の低さと先行した要件化この3類型を対象に選んだ背景には、届出割合の低さがあります。15対1、18対1、20対1では、データ提出加算の届出を行う医療機関が1~3割にとどまっていました。データに基づくアウトカム評価を進めるうえで、この低さが課題とされました。一方、同じ精神病棟入院基本料でも、10対1と13対1は令和6年度改定ですでに要件化されています。データ提出加算の対象は、これまでの改定で漸次拡大されてきました。今回の見直しは、この流れを精神病棟入院基本料の残る3類型へ広げるものといえます。経過措置 ― 猶予期間と一部医療機関への配慮急な要件化による現場の混乱を避けるため、二段構えの経過措置が設けられます。第一に、令和8年3月31日時点ですでに3類型を届け出ている医療機関は、令和10年5月31日まで要件を満たしているとみなされます。この猶予期間は、データ提出体制の整備に充てられます。第二に、一定の要件を満たす医療機関は、当分の間みなし対象となります。この例外の対象は、データ提出がすでに必須とされている急性期向けなどの病棟を持たず、かつデータ提出加算の届出が困難な正当の理由がある医療機関です。具体的には、療養病棟などを持つ場合はその病床数の合計が200床未満であること、精神病棟入院基本料などを持つ場合は病床数を問わないことが、それぞれ条件となります。これらの措置により、電子カルテが未導入といった事情のある医療機関も、段階的に対応できます。まとめ令和8年度診療報酬改定は、データ提出加算の届出要件を精神病棟入院基本料の15対1、18対1、20対1へ拡大します。拡大の背景には、これら3類型での届出割合の低さと、データに基づくアウトカム評価を推進する国の方針があります。経過措置として、すでに届け出ている医療機関には令和10年5月31日までの猶予が、一定の要件を満たす医療機関には当分の間の例外が設けられます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定|入院基本料の患者割合計算が明確化|3つのポイント解説
入院基本料や特定入院料の施設基準は、平均在院日数や在宅復帰率などの基準の達成を求めます。このうち在宅復帰率などの患者割合は、病棟から退院した患者を分母と分子に振り分けて算出します。しかし、ひとつの病棟で複数の入院料を算定する場合、どの患者を計算対象に含めるかが曖昧でした。そこで令和8年度診療報酬改定は、患者割合の計算方法を明確化しました。本稿では、その明確化の内容を3つのポイントで解説します。今回の明確化は、患者割合の計算ルールを統一し、現場の解釈のばらつきを解消します。第一に、在宅復帰率の計算で、他の入院料を算定する患者を計算対象から除外します。第二に、特定入院料の患者割合の計算でも、同様の除外を通則として明文化します。第三に、1病棟で届け出られる特定入院料を2種類までに制限します。1. 在宅復帰率の計算対象を明確化する在宅復帰率の計算では、他の入院料を算定する患者を計算対象から除外します。除外の対象は、病床単位で算定する特定入院料や、短期滞在手術等基本料を算定する患者です。この除外は、急性期一般入院料1などの自宅等退院割合と、療養病棟の在宅復帰機能強化加算の両方に適用されます。在宅復帰率は、病棟から退院した患者のうち、自宅などに退院した患者の割合です。急性期一般入院料1などの施設基準は、この割合が一定以上であることを求めます。計算では、直近6か月間に退院した患者数を分母とし、自宅等に退院した患者数を分子とします。この計算から除外する患者が、今回の改定で追加されました。従来から、再入院患者や転棟患者、救急患者連携搬送料を算定して転院した患者、死亡退院した患者などが計算対象外とされてきました。ここに、退院時に他の入院料を届け出ている病床・病室の患者と、短期滞在手術等基本料を算定する患者が加わります。療養病棟入院基本料の在宅復帰機能強化加算でも、同じ除外が適用されます。この加算は、在宅に退院した患者の割合が5割以上であることを求めます。改定後は、他の入院料を届け出ている病床・病室の患者と、短期滞在手術等基本料を算定する患者を、分子と分母の双方から除きます。2. 特定入院料の計算方法を通則で統一する特定入院料の患者割合の計算でも、他の特定入院料や短期滞在手術等基本料を算定する患者を除外します。この除外は、個々の入院料ごとではなく、特定入院料に共通する「通則」として規定されます。通則化により、すべての特定入院料で計算ルールが統一されます。特定入院料とは、回復期リハビリテーション病棟入院料などの、特定の機能を持つ病棟・病室の入院料です。これらの施設基準は、それぞれ患者割合などの要件を定めます。同じ病棟内に別の特定入院料や短期滞在手術等基本料を算定する病床があると、計算対象が複雑になっていました。改定後は、これらの患者を計算対象から除く扱いが通則に明記されます。通則とは、個々の入院料に共通して適用される基本ルールです。通則に規定することで、入院料ごとに同じ除外規定を繰り返す必要がなくなります。3. 1病棟あたりの特定入院料を2種類までに制限する1病棟で届け出られる特定入院料は、2種類までに制限されます。この制限は、患者割合などの要件が過度に複雑になることを防ぎます。背景には、病棟が1つの看護単位として機能すべきという考え方があります。従来は、1病棟で届け出られる特定入院料の種類数に明確な上限がありませんでした。種類が増えるほど、病床ごとに異なる患者割合を管理する必要が生じます。この管理は、病棟を1看護単位として運営するうえで過度な負担となっていました。改定後は、この種類数を2つまでとする規定が新設されます。規定は、特定入院料の施設基準の通則に置かれます。上限を設けることで、病棟ごとの管理が簡素になります。4. 経過措置を確認する今回の明確化には、2つの経過措置が設けられます。在宅復帰率と在宅復帰機能強化加算については、令和9年5月31日まで従前の例によることができます。特定入院料の種類数の制限については、当分の間、新基準に該当するものとみなされます。在宅復帰率の計算は、一定期間、従来のルールを使い続けられます。対象は、令和8年3月31日時点で急性期一般入院料1などの届出を行っている病棟です。これらの病棟は、令和9年5月31日まで従前の例によることができます。特定入院料の種類数の制限には、別の経過措置が適用されます。対象は、令和8年3月31日時点で特定入院料の届出を行っている病棟・病室です。これらは、当分の間、2種類までの基準に該当するものとみなされます。まとめ令和8年度改定は、患者割合の計算方法を3つの点で明確化しました。第一に、在宅復帰率の計算から、他の入院料や短期滞在手術等基本料を算定する患者を除外します。第二に、特定入院料の計算でも、同じ除外を通則として明文化します。第三に、1病棟の特定入院料を2種類までに制限します。これらの明確化は、現場の解釈のばらつきを解消し、病棟管理の事務負担を軽減します。経過措置を活用しながら、自院の届出状況を早めに確認しておきましょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定 リハビリ実績指数の見直しを徹底解説【回復期リハ病棟】
回復期リハビリテーション病棟では、リハビリの成果を「リハビリテーション実績指数」という数値で評価しています。この実績指数は、機能改善が乏しいまま漫然とリハビリが続くことを防ぐ仕組みとして働いてきました。しかし、より質の高いアウトカム評価を進めるには、算出方法と除外対象患者の基準を見直す必要があります。本記事は、令和8年度診療報酬改定で実施されるこの見直しの内容を、回復期リハ病棟の実務担当者向けに解説します。今回の見直しは、「評価のきめ細かさ」「合格ラインの引き上げ」「除外対象の厳格化」「情報公開の強化」という4つの柱に整理できます。第1の柱では、歩行やトイレ動作が自立した患者に加点する仕組みを新設します。第2の柱では、実績指数の合格ラインを27から30に引き上げます。第3の柱では、算出から除外できる患者の要件と上限割合を厳しくし、除外割合を30%から20%に縮小します。第4の柱では、実績の公開方法に院内掲示とウェブサイト掲載を明確に位置づけます。第1の柱:評価のきめ細かさ ― 歩行・トイレ動作の自立を加点第1の柱は、算出方法を見直して評価のきめ細かさを高めるものです。実績指数は、FIM運動項目の得点の伸び(利得)を、入棟から退棟までの日数で調整して算出します。今回、この利得の計算に、歩行・車椅子とトイレ動作の自立を反映する加点ルールを加えます。ここでいうFIMとは、患者の日常生活動作の自立度を点数化する機能的自立度評価表のことです。このFIMの運動項目は、点数が高いほど自立に近いことを示します。なかでも6点以上は、介助なしで動作できる「自立」の領域を意味します。新ルールは、この自立への到達を実績指数に反映します。具体的には、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の得点が入棟時に5点以下、退棟時に6点以上へ上がった場合、その項目ごとに利得へ1点を加えます。この加点により、介助が必要な状態から自立した患者の改善を、これまで以上にていねいに評価できます。加点の効果は計算例で確認できます。退棟患者50人の運動項目利得の総和が1,400だった場合を考えます。このうち「歩行・車椅子」が自立に到達した患者が20人、「トイレ動作」が自立に到達した患者が30人いれば、分子は1,400+1×20+1×30=1,450に増えます。この結果、実績指数は現行の33.3から34.5へと上がります。第2の柱:合格ラインの引き上げ ― 実績指数27から30へ第2の柱は、実績指数の合格ラインの引き上げです。回復期リハ病棟では、実績指数が2回連続で基準値を下回ると、「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」に該当します。今回、この基準値を27から30に引き上げます。基準値を下回り続けると、診療報酬の算定に大きな制約がかかります。該当した月以降、1日6単位(1単位は20分)を超える疾患別リハビリテーション料は、回復期リハビリテーション病棟入院料に包括されます。つまり、6単位を超える分を出来高で算定できなくなります。ただし、発症後60日以内の脳血管疾患等の患者へのリハビリは、この包括の対象から除かれます。復帰の道にも、この実績指数30以上が組み込まれます。包括の対象となった後でも、別の月に「対象患者数が10名未満」「1日あたり平均実施単位数が6単位未満」「実績指数が30以上」のいずれかを満たせば、再び6単位を超える分を出来高で算定できます。このように合格ラインが27から30へ上がることで、病棟にはより高い成果が求められます。第3の柱:除外対象の厳格化 ― 除外要件と割合の見直し第3の柱は、除外対象患者の厳格化です。実績指数は、改善が見込みにくい一部の患者を算出から除外できます。今回、この除外できる患者の要件と上限割合を、ともに厳しくします。第1に、年齢による除外をなくします。これまで除外できた「年齢が80歳以上のもの」という要件を削除します。第2に、運動機能が低い患者の除外に条件を付けます。「FIM運動項目の得点が20点以下のもの」は引き続き除外できますが、1日平均6単位を超えるリハビリを行った患者は算出対象に含めます。第3に、認知機能による除外の基準を引き下げます。「FIM認知項目の得点が24点以下のもの」という要件を、「14点以下のもの」へと厳しくします。第4に、除外できる割合の上限を縮小します。これらの要件見直しに合わせ、入棟患者数に対する除外割合の上限を、100分の30から100分の20へ引き下げます。第4の柱:情報公開の強化 ― ウェブサイト掲載の明確化第4の柱は、実績の情報公開の強化です。回復期リハ病棟は、退棟患者数や直近の実績指数を、少なくとも3か月ごとに公開する義務を負います。今回、この公開方法に院内掲示とウェブサイト掲載を明確に位置づけます。現行では「院内掲示する等の方法で公開」とされてきました。改定後は、院内掲示に加え、掲示事項をウェブサイトに掲載することが求められます。ただし、自らのホームページ等を持たない医療機関は、ウェブサイト掲載を要しません。まとめ:質の高いアウトカム評価への一歩令和8年度の今回の見直しは、回復期リハ病棟のアウトカム評価をより質の高いものへと進めます。算出方法では、歩行・トイレ動作の自立到達を加点します。合格ラインは、実績指数27から30へ引き上げられます。除外対象は、要件と割合の両面で厳格化されます。情報公開は、ウェブサイト掲載まで明確化されます。これらの見直しは、漫然としたリハビリを避け、患者の生活機能の回復という本来の成果を後押しするものといえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定で医療安全対策加算が大幅引き上げ|85点から160点へ
令和8年度診療報酬改定では、医療安全対策加算の要件と評価が見直されました。医療安全対策加算は、患者へ安心・安全な医療を提供する体制を評価する診療報酬です。今回の見直しは、この安心・安全な医療の提供を更に推進する観点から行われます。そこで本記事は、改定で何がどう変わったのかを、初めて改定資料に触れる方にもわかるように解説します。今回の改定には、2つの変更点があります。第1に、医療安全対策加算1・2の点数が、いずれも約2倍に引き上げられました。第2に、医療安全対策地域連携加算1が、これまで対象外だった特定機能病院でも算定できるようになりました。なお、地域連携加算そのものの点数は、従来どおり据え置かれています。改定の背景:患者の安心・安全な医療の更なる推進今回の見直しは、患者への安心・安全な医療提供を更に推進する観点から行われます。これが、改定資料に示された基本的な考え方です。医療安全対策加算は、医療安全対策に取り組む体制を整えた医療機関を評価する仕組みです。この考え方に沿って、改定では加算の要件と評価がまとめて見直されました。見直しの内容は、2つの対応に分かれます。第1の対応は、医療安全対策加算の評価点数を引き上げることです。第2の対応は、医療安全対策地域連携加算1を特定機能病院でも算定できるようにすることです。以下では、この2つの変更点を順に説明します。変更点1:医療安全対策加算1・2の点数が約2倍に引き上げ第1の変更点は、医療安全対策加算1・2の点数の引き上げです。医療安全対策加算1は、改定前の85点から160点へと引き上げられました。医療安全対策加算2は、改定前の30点から70点へと引き上げられました。加算1はおよそ1.9倍、加算2はおよそ2.3倍の増点であり、いずれも従来の2倍前後の水準です。点数の引き上げは、加算1と加算2の双方で行われました。加算1の引き上げ幅は、85点から160点までの75点です。加算2の引き上げ幅は、30点から70点までの40点です。このように、2つの区分がそろって増点されました。変更点2:地域連携加算1が特定機能病院でも算定可能に第2の変更点は、医療安全対策地域連携加算1の算定対象の拡大です。地域連携加算は、医療安全に関する医療機関間の連携体制を評価する加算です。この加算1について、改定前は特定機能病院が算定対象から除かれていました。しかし今回の改定で、特定機能病院においても加算1を算定できるようになりました。算定対象の扱いは、加算1と加算2で異なります。加算1は、特定機能病院も含めて算定できるようになりました。一方、加算2は、引き続き特定機能病院を算定対象から除いています。なお、地域連携加算の点数自体は、加算1が50点、加算2が20点で、いずれも改定前から変わっていません。まとめ:点数引き上げと連携拡大で医療安全を後押し令和8年度改定における医療安全対策加算の見直しは、2つの変更点に集約されます。第1に、加算1・2の点数がそれぞれ約2倍に引き上げられました。第2に、地域連携加算1が特定機能病院でも算定できるようになりました。これらの見直しは、患者への安心・安全な医療提供を更に推進する観点から行われたものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
令和8年度改定で認知症ケア加算が変わる|点数引き上げと身体的拘束減算の強化
認知症を抱えたまま身体疾患で入院する高齢患者が、年々増えている。こうした患者の安全を守るための身体的拘束をいかに減らすかが、近年の診療報酬改定で重要なテーマとなってきた。本稿では、令和8年度診療報酬改定における「認知症ケア加算の見直し」を、その背景とあわせて解説する。今回の見直しは、「ケアの評価を手厚くする」方向と「身体的拘束をより強く抑える」方向を組み合わせている。第一に、認知症ケア加算1〜3のすべての区分で、基本点数を引き上げた。第二に、身体的拘束を実施した日の減算を、所定点数の100分の40から100分の20へと強化した。これら2つの見直しは、組織で統一した取組を通じて身体的拘束の最小化を進める狙いを持つ。1. 前提:認知症ケア加算とは何か認知症ケア加算は、身体疾患で入院した認知症患者へのケアを評価する診療報酬である。対象は、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅢ以上の患者(重度の意識障害がある者を除く)とされる。算定は1日につき行われ、入院後14日以内の期間と15日以上の期間で点数が分かれている。この加算は、ケアの体制に応じて加算1から加算3までの3段階に分かれている。加算1は、専任の医師・看護師・社会福祉士などからなる認知症ケアチームによる取組を評価する。加算2は、専任の医師または専門性の高い看護師による取組を評価する。加算3は、研修を受けた病棟看護師による取組を評価する。いずれの区分でも、身体的拘束を必要としない環境づくりや、やむを得ず実施する場合の早期解除が、算定の要件に組み込まれている。2. 改定その1:基本点数の引き上げ今回の見直しは、まず認知症ケア加算の基本点数を全区分で引き上げた。引き上げは加算1から加算3まで、また14日以内・15日以上のすべての区分に及ぶ。これは、認知症患者へのアセスメントやケアの充実そのものを、これまでより手厚く評価する措置である。具体的な点数の変化は、次のとおりです。認知症ケア加算1は、14日以内の期間が180点から186点へ、15日以上の期間が34点から39点へ上がります。認知症ケア加算2は、14日以内の期間が112点から115点へ、15日以上の期間が28点から31点へ上がります。認知症ケア加算3は、14日以内の期間が44点から47点へ、15日以上の期間が10点から13点へ上がります。この引き上げは、適切なケアを提供する医療機関を後押しする「飴」にあたる。点数が上がることで、認知症患者への丁寧なケアに取り組む経済的な裏付けが強まる。次に述べる減算の強化と組み合わせることで、改定の方向性がより明確になる。3. 改定その2:身体的拘束実施日の減算の強化基本点数の引き上げと対をなすのが、身体的拘束を実施した日の減算の強化である。改定後は、身体的拘束を実施した日の点数が、所定点数の100分の40から100分の20へと引き下げられる。つまり、拘束のない日に算定できる点数に対して、拘束を行った日に算定できる割合が半分(20%)にまで縮むことになる。この減算は、身体的拘束を抑える「鞭」にあたる。たとえば認知症ケア加算1(14日以内)の場合、拘束のない日は186点を算定できる。一方で拘束を行った日は、その20%にあたる約37点にとどまる。拘束する日としない日の差が大きくなるほど、拘束を避ける動機が強まる仕組みである。減算の強化は、今回が初めてではなく、段階的に進められてきた経緯がある。平成28年度に認知症ケア加算が新設された当初、拘束日の点数は100分の60であった。令和6年度改定でこれが100分の40に引き下げられ、今回さらに100分の20へと強化される。60、40、20という数字の推移は、身体的拘束の抑制を年々強める国の姿勢を示している。4. 改定の背景と狙いこの2方向の見直しは、データと議論の積み重ねを背景としている。令和6年度改定で減算が強化された後、認知症ケア加算を算定した日のうち身体的拘束を実施した日の割合は、減少に転じた。この動向を踏まえ、中央社会保険医療協議会の分科会では、評価をさらに厳格化することもあり得るのではないかとの意見が出された。今回の減算強化は、こうした議論を反映したものである。見直しのもう一つの狙いは、組織で統一した取組を促すことにある。身体的拘束を減らすには、現場の努力だけでなく、管理者が主体となった意識づくりが欠かせない。改定資料でも、組織で統一した取組により、適切なケアや支援を推進することが明記されている。点数の引き上げと減算の強化は、こうした組織的な取組を診療報酬の面から後押しする手段といえる。まとめ令和8年度改定における認知症ケア加算の見直しは、「ケアの評価充実」と「身体的拘束の抑制強化」という2つの方向を組み合わせたものである。第一に、加算1〜3の全区分で基本点数を引き上げ、丁寧なケアを後押しした。第二に、身体的拘束を実施した日の減算を100分の40から100分の20へ強化し、拘束を避ける動機を強めた。これらの見直しは、組織で統一した取組を通じて身体的拘束の最小化を進める、国の一貫した方針を映し出している。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe
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