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2025-12-08 05:13

【令和8年度改定】調剤報酬の対人業務見直し3つの論点|調剤管理料・吸入指導・かかりつけ薬剤師

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中央社会保険医療協議会(中医協)総会(第631回)において、調剤報酬における対人業務の見直しが議論されました。令和8年度診療報酬改定に向け、薬局薬剤師の対人業務を適正に評価する観点から、調剤管理料関係、服薬管理指導関係、かかりつけ薬剤師関係の3分野で論点が提示されています。

今回の議論では、調剤管理料の日数による点数区分の見直し、インフルエンザ等急性疾患に対する吸入薬指導の評価、かかりつけ薬剤師指導料のノルマ問題への対応が主要な検討事項となりました。本記事では、これら3つの論点について、現状の課題と今後の方向性を解説します。

調剤管理料関係:日数区分と加算の見直し

調剤管理料関係では、処方日数に応じた点数区分の妥当性、調剤管理加算のポリファーマシー対策との整合性、重複投薬・相互作用等防止加算の再評価という3つの論点が示されました。

調剤管理料の日数区分については、令和4年度改定で調剤料が廃止された際、対人業務を評価する薬学管理料として新設されました。現行の点数は、7日分以下が4点、8日分以上14日分以下が28点、15日分以上28日分以下が50点、29日分以上が60点と設定されています。この日数区分は、旧調剤料の激変緩和措置として引き継がれたものですが、支払側からは「基本は一律点数が望ましい」との意見が出されています。

調剤管理加算については、ポリファーマシー対策に逆行する可能性が指摘されています。この加算は、複数の医療機関から6種類以上の内服薬が処方された患者に対する薬学的分析を評価するものです。令和4年度改定時にも同様の懸念が示され、初めて薬局に来た患者や処方変更の患者に限定する措置が取られました。今後、さらなる見直しが検討される見込みです。

重複投薬・相互作用等防止加算については、医療DXの進展に伴う再評価が求められています。オンライン資格確認の普及により、重複投薬や禁忌薬剤の使用が機械的にチェックできる環境が整いつつあります。その一方で、検出された問題について薬学的に判断し、医師に疑義照会を行う業務は依然として薬剤師の専門的判断を要します。単なる情報収集ではなく、疑義照会の要否判断や処方変更に至った専門的業務をどう評価するかが論点となっています。

服薬管理指導関係:吸入指導とフォローアップの評価

服薬管理指導関係では、吸入薬指導加算の対象拡大と、調剤後フォローアップ業務の評価が論点となりました。

吸入管理指導加算の対象拡大については、インフルエンザ等の急性疾患への適用が検討されています。現行の吸入管理指導加算は、喘息やCOPDなどの慢性疾患に対する吸入薬指導を評価するものです。しかし、インフルエンザ吸入薬の指導にも同程度の時間を要することが調査で明らかになりました。さらに、感染症対策として個室を整備すること、患者の目の前で実際に吸入させて服用を確認すること、薬剤師自身の曝露リスクへの対応など、急性疾患特有の負担があります。これらの労力に対する評価が現状では存在しないため、見直しが求められています。

調剤後フォローアップ業務については、副作用検出率の向上効果を踏まえた評価が検討されています。調査によると、患者フォローアップ未実施の場合の副作用検出率は3.36%であるのに対し、フォローアップ実施群では5.37〜6.95%と有意に上昇しています。患者側の評価も、フォローアップを受けた患者の97.8%が「よかった」と回答しています。その理由として「服薬後の症状や体調の経過に問題ないことを確認してもらい安心できた」が最も多く挙げられました。こうしたエビデンスを踏まえ、フォローアップ業務に対する調剤報酬上の評価のあり方が議論されています。

かかりつけ薬剤師関係:患者選択の確保とノルマ問題

かかりつけ薬剤師関係では、かかりつけ薬剤師指導料の算定に関するノルマ問題と、患者が主体的に選択できる仕組みへの転換が論点となりました。

かかりつけ薬剤師指導料のノルマ問題については、深刻な実態が明らかになっています。調査によると、業務ノルマを課している薬局の約半数で、かかりつけ薬剤師指導料の算定回数や同意件数にノルマが設けられていました。患者からは「初めて会ったような薬剤師から同意を求められた」「薬局に行くたびに同意を求められるので苦痛」といった声が寄せられています。かかりつけ薬剤師は本来、患者の意思により選択されるべきものであり、現行の仕組みが患者本位の制度設計になっていない点が問題視されています。

かかりつけ薬剤師機能の推進については、「患者のための薬局ビジョン」の目標達成状況も議論されました。2025年を目標年次として全ての薬局がかかりつけ薬局となることが掲げられていましたが、「かかりつけ機能が実際に発揮されているか、対物業務から対人業務へのシフトが進んだかについては、十分に達成されたとは感じられない」との厳しい評価が示されています。

かかりつけ薬剤師指導料を算定していない理由についても調査が行われました。かかりつけ薬剤師業務を実施しているにもかかわらず算定していない薬剤師のうち、「従来よりかかりつけ薬剤師指導を実施しており、患者に上乗せの料金を請求できないため」との回答が一定数ありました。制度創設前から同様の業務を行っていた薬剤師にとって、追加料金を患者に請求することへの抵抗感があることがうかがえます。

まとめ:対人業務の適正評価に向けて

今回の中医協総会では、薬局薬剤師の対人業務を適正に評価するための論点が整理されました。調剤管理料の日数区分の見直し、急性疾患に対する吸入薬指導の評価、フォローアップ業務の評価充実、かかりつけ薬剤師制度の患者本位への転換という4つの方向性が示されています。

令和8年度診療報酬改定に向け、これらの論点について引き続き議論が進められる見込みです。薬局経営者および薬剤師の皆様におかれては、今後の議論の動向を注視しつつ、対人業務の質的向上に取り組まれることをお勧めいたします。



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サマリー

2026年度に行われる調剤報酬の改定に関する討論が行われており、薬剤師の仕事の価値が根本から問われています。特に、調剤管理料や吸入指導、かかりつけ薬剤師制度に関連する問題が取り上げられ、今後の方向性が議論されています。

調剤報酬の改定
さて、今回あなたが共有してくれた資料ですけど、テーマは2026年度に行われる調剤報酬改定。
いやー、これ一見すると、すごく専門的な話に聞こえるんですが、読んでみると、なんていうか薬剤師という仕事の価値が根本から問われている、すごく大きな話なんだなって感じました。
まさに、これはもう単なる点数計算の話じゃないんですよね。 薬を渡すっていうもの中心の作業から、患者さんと向き合うっていう人中心の専門性と、その転換を国がどう評価しようとしているのかが、すごく透けて見える資料だと思います。
では早速、その転換の中心から見ていきましょうか。まずは、調剤管理料。資料によると、今は薬の日数で点数が変わるっていう、ちょっと不思議な仕組みなんですよね。
長期間の処方法度点数が高くなると。これ実は、個々の制度からの激変緩和措置っていう、いわば暫定的な名残なんです。
だから支払い側からは、本来は一律にすべきだっていう声が根強いわけですね。 ただ、もっと本質的な問題が、この管理料に含まれている2つの加算にあるんですよ。
1つは、調剤管理加算。 6種類以上の薬を飲む患者さんが対象になるあれですね。
でも、今の医療が目指しているのって、多剤副用、いわゆるポリファーマシーを減らすことじゃないですか。
あ、待ってください。それってつまり、薬を減らすべき患者さんであるほど、薬局の収入が増える可能性があるっていうことですか?
それはかなり歪んだインセンティブに聞こえますけど。 そういう矛盾をはらんでしまってるんですね。
で、もう1つの重複投薬等防止加算も、今や医療DXが進んで、単純な重複チェックはもうシステムがやってくれる時代で。
なので、これからの焦点は、その先にある医師への疑義紹介とか、そういう薬剤師の専門的な判断そのものをどう評価していくかという点に移ってきています。
その専門的な判断っていう点で、ふと思い出したんですけど、資料にあった吸入薬の例、あれは結構衝撃的でした。
インフルエンザの患者さんへの吸入薬の指導って、全息の患者さんへの指導と手間は変わらない。
むしろ感染対策で個室を用意したり、薬剤師自身のリスクだってあるのに、評価はゼロと、なんでなんでしょうね、これは。
まさにそこに現行制度の隙間がはっきりと見えてるんです。
隙間ですか?
ええ。薬の使い方を教えるっていう行為は同じでも、その背景にある、急性疾患で感染リスクがあるっていう状況が全く考慮されてない。
そして、この種の対人業務にはもう明確なエビデンスがあるんですよ。調材後のフォローアップ調査では。
あ、そのデータすごかったですね。
ええ。フォローアップをした場合、副作用の検出率が3.36%から最大で6.95%へと、もう倍近くに上がってるんです。
しかも、受けた患者さんの97.8%が良かったと回答している。97.8%ですよ。
ほぼ全員ですね。
ええ。ここまで結果が出ているのに、まだ評価されていない。これはもう制度が現場に追いついていない何よりの証拠ですよね。
うーん、薬の指導という直接的な業務ですら、評価に隙間があるのに、もっと継続的な関係性となると、さらに難しくなりそうですね。
対人業務の価値
それが最後の論点、かかりつけ薬剤師制度の問題につながりそうです。
資料になった患者さんの声、特に薬局に行くたびに同意を求められて苦痛だっていうのは、ちょっと胸が痛みますね。
うわあ、それは辛いですね。薬をもらいに行くだけなのに、毎回何かセールスされているような気分になっちゃいますよね、それだと。
まさに、本来患者本位であるべき制度が、一部ではノルマ達成のための薬局本位になっている実態が浮かび上がってきちゃう。
しかも、もう一つの側面があって、制度ができるずっと前から、患者さんのために同じようなことをずっとしてきたベテランの薬剤師さんたちが、
今さら患者さんから追加でお金をもらうなんてできないよ、と、そういう思いであえて算定していないケースも少なくないんです。
制度の理想と現場の倫理観との間に深い溝があるんですよね。
なるほど。さて、今日の話を全部まとめてみると、見えてくる確信はやっぱり一つですね。
薬剤師の仕事の対価を、薬というものから患者という人への貢献へと、つまり対人業務の価値へといかにシフトさせて正しく評価するか。
私たちはその大きな転換点を見ているということですね。
その通りです。そして最後に、あなたに一つちょっと考えてみてほしいことがあるんです。
資料は2026年の改定の話でした。
では、もっと未来。AIやロボットが町財の物理的な作業をほぼすべて自動化したとき、薬剤師は地域栄えの健康のために、今まだ評価されていないどんな新しい対人業務を担うべきなんでしょうか。
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