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【令和8年度改定】歯周病SPTとP重防が統合|新設「歯周病継続支援治療」の全要点

【令和8年度改定】歯周病SPTとP重防が統合|新設「歯周病継続支援治療」の全要点

Apr 19, 2026 05:59 岡大徳

歯周病は成人の約半数が罹患し、糖尿病をはじめとする全身疾患との関連も明らかになっている国民的な疾患です。これまで継続管理の評価は「歯周病安定期治療(SPT)」と「歯周病重症化予防治療(P重防)」の2系統で運用されてきましたが、両者は対象とする歯周組織の状態こそ異なるものの、提供される治療内容が類似しているという課題がありました。本メルマガでは、令和8年度診療報酬改定で実施される歯周病継続管理の評価体系の抜本的な見直しについて、歯科診療所が押さえるべき変更点を体系的に解説します。令和8年度改定の見直しは、大きく2つの柱で構成されます。第1の柱は、SPTとP重防を「歯周病継続支援治療」へ整理・統合し、点数体系をシンプルに再編することです。第2の柱は、糖尿病患者に対する医科歯科連携を強化するため、従来の「歯周病ハイリスク患者加算」を「重症化予防連携強化加算」へと名称変更し、主治医への情報提供を要件として追加することです。これらの見直しによって、ライフコースを通じた継続的・効果的な歯周病治療と、医科との情報連携が同時に推進されることになります。SPTとP重防を統合した「歯周病継続支援治療」の創設令和8年度改定では、これまでのSPTとP重防が「歯周病継続支援治療」という新たな名称のもとに整理・統合されます。両治療は対象患者の歯周組織の状態に違いがあったものの、プラークコントロール、スケーリング、SRP、咬合調整、機械的歯面清掃といった治療内容が共通していました。算定回数も年々増加し、令和6年の月次審査データでは両治療を合わせて月あたり300万回を超える規模に達するなか、評価体系のシンプル化が長年の論点となっていたのです。新設される歯周病継続支援治療は、歯数に応じた3段階の点数構造を維持しつつ、点数水準を再設定します。具体的には、1歯以上10歯未満が170点、10歯以上20歯未満が200点、20歯以上が350点となります。算定対象は「一連の歯周病治療終了後、継続支援が必要な患者」に拡張され、SPTとP重防それぞれで設定されていた歯周組織の状態に応じた区分は撤廃されます。算定頻度の基本ルールは3月に1回(前回実施月の翌月初日から2月経過後)が維持されます。ただし、口腔管理体制強化加算の届出を行っている診療所では月1回の算定が可能となり、歯周外科手術後など治療間隔の短縮が必要な場合の取り扱いも従前どおり継続されます。これにより、患者の状態に応じた柔軟な継続管理が引き続き実施できる仕組みとなっています。ハイリスク患者加算から「重症化予防連携強化加算」への再編歯周病ハイリスク患者加算は、令和8年度改定で「重症化予防連携強化加算」へ名称が変更され、要件と点数が大きく見直されます。従来の加算は、主治医からの文書をもって歯周病が重症化するおそれのある患者にSPTを実施した場合の評価でしたが、その後に医科医療機関へ歯科治療や口腔内状況をフィードバックする要件は設定されていませんでした。実態調査でも、糖尿病患者に関する医科からの情報提供依頼は約9%にとどまっており、連携の不足が指摘されていたのです。新たな重症化予防連携強化加算は、80点から100点へと評価が引き上げられるとともに、医科医療機関への診療情報提供が新たな要件として追加されます。具体的には、歯科診療のみを行う保険医療機関を除く他の保険医療機関からの情報に基づき歯周病継続支援治療を実施し、かつ、診療情報を当該医療機関に提供した場合に算定できる仕組みです。算定には医科側からの情報提供が前提となるため、医科起点で受け取った情報に対して歯科から治療結果や口腔内状況をフィードバックする、双方向の連携プロセスが要件化されます。エビデンスの蓄積も、この見直しを後押ししています。糖尿病患者に対する非外科的歯周治療の介入は、HbA1c値の有意な改善(平均0.30%減少)をもたらすことがメタアナリシスで確認されており、歯周治療が血糖コントロールに資する全身管理の一環として位置づけられているためです。重症化予防連携強化加算は、こうしたエビデンスを診療現場での連携実装へとつなげる仕組みといえます。口腔管理体制強化加算と外科移行時の取り扱い口腔管理体制強化加算120点は、令和8年度改定後も引き続き算定可能です。小児口腔機能管理料注3に規定する施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た診療所が、歯周病継続支援治療を開始した場合に所定点数へ加算する仕組みは維持されます。かかりつけ歯科医機能の中核をなす評価として、継続管理の質を担保する役割を担い続けることになります。歯周外科手術へ移行した場合の取り扱いも、現行ルールが踏襲されます。歯周病継続支援治療の開始後に病状の変化により歯周外科手術を実施した場合は、歯周精密検査によって再び病状が安定し継続的な治療が必要と判断されるまでの間、歯周病継続支援治療は算定できません。また、歯周病継続支援治療を開始した日以降に歯周外科手術を実施した場合は、所定点数の100分の50で算定するルールも継続されます。これらの取り扱いにより、急性憎悪期の外科介入と安定期の継続管理が明確に切り分けられた評価体系となっています。なお、現行の「歯周病重症化予防治療」は削除され、SPTとP重防の併算定不可規定(現行注7)も整理されます。これに伴い、令和8年度改定以降は歯周病の継続管理に係る包括評価は「歯周病継続支援治療」に一本化されることになります。まとめ令和8年度改定における歯周病継続管理の見直しは、評価体系のシンプル化と医科歯科連携の実質化という2つの柱で構成されます。SPTとP重防は「歯周病継続支援治療」へ整理・統合され、歯数に応じた3段階の点数構造のもとで継続管理が一本化されます。歯周病ハイリスク患者加算は「重症化予防連携強化加算」へと再編され、主治医への診療情報提供が新たな要件として追加されることで、糖尿病をはじめとする全身疾患を有する患者への医科歯科連携が推進されます。歯科診療所においては、新たな算定要件を踏まえた診療体制の整備と、医科医療機関との連携プロトコルの再構築が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】歯科疾患管理料・口腔機能管理料の3つの変更点を解説

【令和8年度改定】歯科疾患管理料・口腔機能管理料の3つの変更点を解説

Apr 18, 2026 05:44 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ歯科医による口腔機能管理を推進するため、歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の3つの管理料が見直されます。今回の見直しは、口腔機能発達不全症や口腔機能低下症と診断されているにもかかわらず、算定要件を満たさないために適切な管理を受けられない患者が多数存在するという課題に対応するものです。この記事では、個別改定項目「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」⑥に基づき、3つの管理料の変更内容を解説します。今回の改定のポイントは3つあります。第1に、歯科疾患管理料は初診月の減額規定が廃止され、90点に一本化されます。第2に、小児口腔機能管理料は2区分(90点・50点)に細分化され、評価項目2項目該当の患者にも対象が拡大されます。第3に、口腔機能管理料も同様に2区分(90点・50点)に細分化され、検査実施の有無で区分が分かれます。歯科疾患管理料:初診月の減額廃止と90点への一本化歯科疾患管理料は、初診月の80/100減額規定が廃止され、初診月・再診月を問わず一律90点に変更されます。現行の歯科疾患管理料は100点ですが、初診月に算定する場合は所定点数の80/100(80点)に減額されます。この初診月減額の仕組みは令和2年度改定で導入されたものです。一方、在宅患者を対象とする歯科疾患在宅療養管理料には、このような受診月による評価の差がありません。今回の改定では、この初診月減額規定が廃止されます。改定後の歯科疾患管理料は90点となり、初診月であっても再診月であっても同じ点数で算定できるようになります。点数の増減を整理すると、現行では初診月80点・再診月100点であったため、改定後の一律90点に対して初診月は10点の増加、再診月は10点の減少となります。小児口腔機能管理料:2区分化と対象患者の拡大小児口腔機能管理料は、現行の1区分(60点)から2区分(管理料1:90点、管理料2:50点)に細分化され、対象患者の範囲が拡大されます。現行の小児口腔機能管理料は、「口腔機能の発達不全を有する18歳未満の児童」が対象であり、60点で算定されています。しかし、口腔機能発達不全症と診断されているにもかかわらず、算定要件を満たさないために管理料を算定できない患者が多数存在しています。NDBデータによれば、令和5年5月時点で口腔機能発達不全症の病名で歯科疾患管理料のみを算定している件数は約13万件にのぼる一方、小児口腔機能管理料の算定件数は約7,000件にとどまっています。改定後は、この課題に対応するため、対象患者の表現が「口腔機能発達不全症の18歳未満の患者」に改められるとともに、評価項目の該当数に応じて2区分に分かれます。小児口腔機能管理料1(90点)は、口腔機能の評価項目において3項目以上に該当する者が対象です。小児口腔機能管理料2(50点)は、評価項目において2項目に該当する者が対象です。この2区分化により、従来は管理料を算定できなかった2項目該当の患者にも、口腔機能に特化した管理が提供できるようになります。情報通信機器を用いた場合の点数も見直されます。オンライン診療の点数は、管理料1が78点、管理料2が44点にそれぞれ設定されます。口腔機能管理料:検査実施に基づく2区分化口腔機能管理料も、小児口腔機能管理料と同様に、現行の1区分(60点)から2区分(管理料1:90点、管理料2:50点)に細分化されます。現行の口腔機能管理料は、「口腔機能の低下を来しているもの」に対して一律60点で算定されています。しかし、口腔機能低下症と診断されていても管理料を算定できていない患者が存在しており、令和5年5月時点で口腔機能低下症の病名で歯科疾患管理料のみを算定している件数は約7.7万件に対し、口腔機能管理料の算定件数は約7,400件にとどまっています。改定後は、対象患者の表現が「口腔機能低下症の患者」に改められ、病名に基づく管理がより明確になります。改定後の区分は、検査の実施状況によって分かれます。口腔機能管理料1(90点)は、口腔細菌定量検査(2に限る)、咀嚼能力検査(1に限る)、咬合圧検査(1に限る)、口腔粘膜湿潤度検査、舌圧検査のいずれかを実施した口腔機能低下症の患者が対象です。口腔機能管理料2(50点)は、口腔機能管理料1の対象患者を除く口腔機能低下症の患者が対象です。この区分により、検査に基づく質の高い管理にはより高い評価がなされる一方、検査未実施の患者にも管理料が算定できるよう対象が広がります。情報通信機器を用いた場合の点数は、管理料1が78点、管理料2が44点です。この点数設定は、小児口腔機能管理料と同一の構造となっています。まとめ令和8年度改定では、歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の3つの管理料が見直されます。歯科疾患管理料は初診月の減額規定が廃止され、90点に一本化されます。小児口腔機能管理料と口腔機能管理料は、いずれも管理料1(90点)と管理料2(50点)の2区分に細分化され、対象患者が拡大されます。これらの見直しにより、口腔機能発達不全症や口腔機能低下症の患者がより幅広く口腔機能管理を受けられる体制が整備されます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】時間外対応体制加算とは?名称変更と点数引き上げの全容を解説

【令和8年度改定】時間外対応体制加算とは?名称変更と点数引き上げの全容を解説

Apr 17, 2026 05:02 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ医機能の評価の一環として、診療所における休日・夜間等の対応体制に関する加算が見直されます。この見直しは、「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」の項目に位置づけられています。今回の改定では、主に3つの変更が行われます。第一に、名称が「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」に変更されます。第二に、加算1~4の全区分で点数が引き上げられます。第三に、これらの変更により、診療所が休日・夜間の対応体制を整備する取組がさらに推進されることが期待されています。改定の背景:なぜ時間外対応体制加算が充実されるのか今回の見直しの背景には、休日・夜間における軽症患者の病院受診と、それに伴う病院勤務医の負担という2つの課題があります。時間外対応加算は、平成24年度改定で新設された加算です。この加算は、地域の身近な診療所が患者からの休日・夜間等の問い合わせや受診に対応する体制を評価するものです。診療所が時間外対応を行うことで、休日・夜間に病院を受診する軽症患者が減少し、病院勤務医の負担軽減につながることを目的としています。こうした目的をさらに推進するために、令和8年度改定では評価の引き上げが行われます。名称に「体制」の文字が加わったことで、対応できる体制の整備そのものを評価する趣旨がより明確になったと考えられます。改定の具体的な内容:名称変更と4区分すべてで点数引き上げ改定の具体的な内容は、名称の変更と点数の引き上げの2点です。名称は「時間外対応加算」から「時間外対応体制加算」に変更されます。この変更は加算1~4の全区分に適用されます。点数は全区分で引き上げられます。加算1は5点から7点(+2点)に、加算2は4点から5点(+1点)に、加算3は3点から4点(+1点)に、加算4は1点から2点(+1点)に、それぞれ増点されます。最も引き上げ幅が大きいのは加算1であり、従来の5点から7点へと2点の増加となります。算定要件の確認:対象は診療所の再診時算定要件は、従来の時間外対応加算と基本的に同じ構造です。この加算の対象医療機関は、診療所に限定されています。厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た診療所が対象となります。算定のタイミングは、再診を行った場合です。届出区分に応じた点数を所定点数に加算します。したがって、初診時には算定できません。新旧点数の比較:全区分で1~2点の増点改定前後の点数を以下に整理します。| 区分 | 改定前(現行) | 改定後(新) | 増減 ||:---|:---|:---|:---|| 加算1 | 5点 | 7点 | +2点 || 加算2 | 4点 | 5点 | +1点 || 加算3 | 3点 | 4点 | +1点 || 加算4 | 1点 | 2点 | +1点 |加算1の引き上げ幅は2点と最大です。この加算1は最も手厚い体制を整備している場合に算定される区分であり、体制整備への取組をより強く評価する意図がうかがえます。加算4は1点から2点へと倍増しており、比率でみると最も大きな引き上げとなっています。かかりつけ医機能における時間外対応の位置づけ時間外対応体制加算は、かかりつけ医機能の評価体系のなかで「体制整備に対する評価」に位置づけられます。医療法に基づくかかりつけ医機能報告では、「通常の診療時間外の診療」が2号機能のひとつとして定められています。この機能に対応する診療報酬上の評価が、時間外対応体制加算です。同加算のほか、地域包括診療料・加算や小児かかりつけ診療料においても、時間外対応に関する要件が設けられています。令和5年時点の届出医療機関数をみると、加算1を届け出ている診療所は11,354か所、加算2は15,943か所、加算3は364か所です。加算2の届出が最も多く、多くの診療所がこの区分の体制を整備していることがわかります。まとめ令和8年度診療報酬改定では、時間外対応加算の名称が「時間外対応体制加算」に変更され、加算1~4の全区分で点数が引き上げられます。この見直しにより、診療所における休日・夜間の対応体制の整備がさらに推進され、軽症患者の病院受診の減少と病院勤務医の負担軽減につながることが期待されます。届出を行っている診療所は、名称変更に伴う対応の確認をしておくとよいでしょう。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】地域包括診療加算等の6つの見直しポイント|対象患者拡大と認知症加算統合を解説

【令和8年度改定】地域包括診療加算等の6つの見直しポイント|対象患者拡大と認知症加算統合を解説

Apr 16, 2026 06:10 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、地域包括診療加算・地域包括診療料について大幅な見直しが行われます。今回の改定は、対象疾患を有する要介護高齢者等への継続的かつ全人的な医療の推進と、適切な服薬管理の実施を推進する観点から実施されるものです。この記事では、個別改定項目「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価 ④地域包括診療加算等の見直し」について、実務に直結する改定内容を解説します。今回の見直しは、大きく6つのポイントに整理できます。第1に、対象患者が「6疾病のうち2つ以上」から「慢性疾患1つ+要介護」にも拡大されます。第2に、認知症地域包括診療加算・料が地域包括診療加算・料に統合されます。第3に、連携薬局の24時間対応要件が一定条件のもとで緩和されます。第4に、認知症患者の診断後支援に係る取組の案内が望ましい旨、明記されます。第5に、薬剤適正使用連携加算の対象が外来通院患者にも拡大されます。第6に、外来データ提出加算(10点)が新設されるとともに、医療資源の少ない地域における医師配置要件が緩和されます。1. 対象患者の拡大――慢性疾患1つ+要介護でも算定可能に地域包括診療加算等の対象患者が拡大され、従来の「6疾病のうち2つ以上」に加え、新たな患者類型が追加されます。従来、地域包括診療加算等の対象患者は、脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病(慢性維持透析を行っていないものに限る)・認知症の6疾病のうち、2つ以上(疑いを除く)を有する患者に限られていました。今回の改定では、この要件に加えて、脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病のいずれか1つの疾患を有し、かつ、介護給付または予防給付を受けている要介護被保険者等である患者も、新たに対象となります。この拡大により、たとえば高血圧症のみを有する要介護認定患者であっても、地域包括診療加算等を算定できるようになります。慢性疾患を抱える要介護高齢者に対して、かかりつけ医による継続的かつ全人的な医療提供を促進する狙いがあります。なお、対象患者の拡大に伴い、算定要件上の記載も整理されています。改定後の算定要件では、「認知症を有する患者等」と「その他の慢性疾患等を有する患者」の2類型に分けて規定されます。「認知症を有する患者等」とは、以下の3要件をすべて満たす患者です。第1に、認知症を有するか、または要介護被保険者等であること。第2に、認知症以外の1以上の疾病(疑いを除く)を有すること。第3に、同月に1処方につき5種類を超える内服薬の投薬、および1処方につき抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬を合わせて3種類を超える投薬のいずれも受けていないこと。つまり、認知症のみで他に疾病がない患者や、多剤投薬に該当する患者は対象外となります。「その他の慢性疾患等を有する患者」とは、6疾病のうち2つ以上(疑いを除く)を有する患者、または脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病のいずれかを有し、かつ要介護被保険者等である患者です。2. 認知症地域包括診療加算・料の統合と点数体系の再編認知症地域包括診療加算および認知症地域包括診療料が廃止され、地域包括診療加算および地域包括診療料に統合されます。従来、認知症患者に対しては、地域包括診療加算等とは別に「認知症地域包括診療加算」(加算1:38点、加算2:31点)および「認知症地域包括診療料」(料1:1,681点、料2:1,613点)が設けられていました。今回の改定では、簡素化の観点から、これらを地域包括診療加算・料に統合した評価体系に見直されます。統合後の地域包括診療加算は、患者の類型に応じた2段階の点数が設定されます。具体的には、地域包括診療加算1では「認知症を有する患者等」が38点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が28点となります。地域包括診療加算2では「認知症を有する患者等」が31点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が21点となります。地域包括診療料についても同様の構成です。地域包括診療料1では「認知症を有する患者等」が1,682点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が1,661点です。地域包括診療料2では「認知症を有する患者等」が1,614点、「その他の慢性疾患等を有する患者」が1,601点です。この統合により、届出の簡素化が図られるとともに、認知症患者に対する手厚い評価は引き続き維持されます。なお、従来の認知症地域包括診療加算における多剤投薬の制限(1処方5種類超の内服薬や、向精神薬3種類超の投薬を受けていないこと)は、「認知症を有する患者等」の要件として引き継がれます。3. 連携薬局の24時間対応要件の緩和連携薬局の24時間対応要件について、一定の条件を満たす場合に緩和されます。従来、地域包括診療加算等を算定する診療所が院外処方を行う場合、連携薬局は24時間対応できる体制を整えていることが必須でした。今回の改定では、当該保険医療機関において緊急時に処方が必要となる解熱鎮痛剤等の薬剤について、院内処方が可能な体制が整備されている場合に限り、連携薬局が24時間対応の体制を整備していなくてもよいものとされます。この緩和は、地域包括診療料を算定する病院における院外処方の場合も同様です。病院では「24時間開局している薬局」との連携が求められていましたが、院内で解熱鎮痛剤等の緊急処方が可能な体制があれば、この要件が免除されます。連携薬局の24時間対応要件は、地域包括診療加算等の届出における実務上のハードルのひとつでした。今回の緩和により、院内処方体制を持つ医療機関にとっては、届出のしやすさが向上すると考えられます。4. 認知症患者の診断後支援に係る案内の明記地域包括診療加算等において、担当医が認知症患者の診断後支援に係る取組について案内を行うことが望ましい旨が明記されます。具体的には、診療を担当する医師が、地域包括支援センター・認知症地域支援推進員・若年性認知症支援コーディネーターと連携し、ピアサポート活動・本人ミーティング・一体的支援事業等の認知症患者の診断後支援に係る取組について、必要に応じて患者またはその家族に案内を行うことが望ましいとされます。この規定は「望ましい」という努力義務的な位置づけですが、かかりつけ医が認知症患者の地域生活を支える役割をより明確にする趣旨があります。今後の改定で要件化される可能性もあるため、早めの対応が望まれます。5. 薬剤適正使用連携加算の対象拡大薬剤適正使用連携加算の対象が、入院・入所患者に加えて、外来で他院に通院している患者にも拡大されます。従来の薬剤適正使用連携加算(30点)は、地域包括診療加算等を算定する患者が他の医療機関に入院または介護老人保健施設に入所した際、処方内容等の情報提供を行い、退院・退所後に薬剤の種類数が減少した場合に限って算定できました。今回の改定では、他の保険医療機関の外来において継続的に診療を受けている患者についても対象に追加されます。外来患者が対象となる場合の算定要件は以下のとおりです。患者の同意を得て他の医療機関に処方内容・薬歴等を情報提供し、当該情報提供から3月以内に他の医療機関から処方内容の情報提供を受け、内服薬の種類数が減少していることが確認できれば、3月に1回算定できます。薬剤適正使用連携加算は平成30年度に新設されましたが、これまでの算定実績は極めて少ない状況でした。今回の対象拡大は、外来通院中の患者に対するポリファーマシー対策を促進する意図があります。なお、入院・入所患者に対する算定頻度も「退院日または退所日の属する月から起算して2月目までに1回」から「3月に1回」に変更されています。6. 外来データ提出加算の新設と医療資源少ない地域の要件緩和地域包括診療加算・料について、外来データ提出加算(10点)が新設されるとともに、医療資源の少ない地域における医師配置要件が緩和されます。外来データ提出加算は、保険医療機関が診療報酬の請求状況および診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合に、月1回10点を算定できるものです。施設基準として、外来患者に係る診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出するために必要な体制が整備されていることが求められます。この加算は、エビデンスに基づくかかりつけ医機能の評価を設計するうえでの基盤整備を目的としています。医療資源の少ない地域における要件緩和については、医師配置に関する基準が見直されます。従来、地域包括診療加算1の施設基準において、「常勤換算2名以上の医師配置」が求められていましたが、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域(医療資源の少ない地域)に所在する診療所については、この基準が「常勤換算1.4人以上」に引き下げられます。この緩和は地域包括診療料についても同様です。まとめ令和8年度改定における地域包括診療加算等の見直しは、対象患者の拡大、認知症加算の統合、連携薬局要件の緩和、認知症診断後支援の明記、薬剤適正使用連携加算の拡大、外来データ提出加算の新設と医師配置要件の緩和の6点に整理されます。特に実務上のインパクトが大きいのは、対象患者の拡大と認知症加算の統合です。慢性疾患1つ+要介護で算定可能になることで、算定対象の患者数が増える医療機関も多いと見込まれます。認知症加算の統合による届出の簡素化も、事務負担の軽減につながります。連携薬局の24時間対応要件の緩和や、医療資源の少ない地域における医師配置要件の緩和は、地域包括診療加算等の届出を新たに検討する医療機関にとっての追い風となるでしょう。届出状況や算定要件の確認を行い、改定への対応を早めに進めることをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

令和8年度改定|特定疾患療養管理料の対象疾患にNSAIDs除外ルールが追加

令和8年度改定|特定疾患療養管理料の対象疾患にNSAIDs除外ルールが追加

Apr 15, 2026 05:47 岡大徳

令和8年度診療報酬改定において、特定疾患療養管理料の対象疾患の要件が見直されます。この見直しは、かかりつけ医機能の評価の一環として、プライマリケアを担う医師による計画的な療養管理が適切に行われることを目的としています。今回の改定では、胃潰瘍および十二指腸潰瘍について、新たな除外条件が設けられます。具体的には、消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与を受けている場合、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を理由とした特定疾患療養管理料の算定が認められなくなります。この背景には、NDBデータで、主傷病名が胃潰瘍に関連する算定患者(約18.5万人)のうち約6.5%がNSAIDsの内服薬を調剤されていた実態があります。以下、改定の背景、具体的な変更内容、医療機関が確認すべきポイントの順に解説します。改定の背景:NSAIDs投与下の胃潰瘍管理に対する問題意識今回の見直しの背景には、特定疾患療養管理料の趣旨と実際の処方状況との乖離があります。特定疾患療養管理料は、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が、治療計画に基づき、服薬・運動・栄養等の療養上の管理を計画的に行うことを評価する管理料です。この管理料の対象疾患には、長期的な療養管理が必要な疾患が列挙されています。胃潰瘍および十二指腸潰瘍もその対象に含まれてきました。一方、NDBデータ(令和6年7月診療分)によると、特定疾患療養管理料の全算定患者は約880万人であり、そのうち主傷病名が「胃潰瘍」に関連する患者は約2.1%(約18.5万人)を占めます。この約18.5万人のうち約6.5%が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服薬を調剤されていました。NSAIDsは消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌とされている薬剤です。この実態は、禁忌薬を投与しながら潰瘍の療養管理を行うという矛盾した状況を示しており、「計画的な療養管理」の趣旨にそぐわないと考えられました。こうした状況を受け、当該管理が適切に実施されるよう、対象疾患の要件を見直すことが今回の改定で決まりました。具体的な変更内容:胃潰瘍・十二指腸潰瘍にNSAIDs除外条件を追加今回の改定では、特定疾患療養管理料の対象疾患リスト(別表第一)における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の記載方法が変更されます。現行の別表第一では、「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」がそれぞれ独立した疾患名として記載されています。改定後は、この2つが「胃潰瘍及び十二指腸潰瘍」として統合されたうえで、括弧書きによる除外条件が付されます。改定後の記載は「胃潰瘍及び十二指腸潰瘍(消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬の投与を受けている場合を除く。)」となります。つまり、NSAIDsの投与を受けている患者については、胃潰瘍または十二指腸潰瘍を主病として特定疾患療養管理料を算定できなくなります。なお、この変更は胃潰瘍・十二指腸潰瘍に限定されたものです。それ以外の対象疾患(悪性新生物、虚血性心疾患、喘息、胃炎及び十二指腸炎など)には変更はありません。医療機関が確認すべきポイントこの改定を受けて、医療機関では以下の点を確認する必要があります。第一に、胃潰瘍または十二指腸潰瘍を主病として特定疾患療養管理料を算定している患者について、NSAIDsの処方状況を確認してください。NSAIDsにはロキソプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェンなど多くの薬剤が含まれます。他科からの処方を含め、患者が内服しているNSAIDsの有無を把握することが重要です。第二に、NSAIDsを投与中の患者で胃潰瘍・十二指腸潰瘍の病名がある場合は、改定後に算定対象外となります。この場合、他の対象疾患が主病として該当するかどうかを確認してください。該当する疾患があれば、そちらを主病として算定を継続できる可能性があります。第三に、レセプトの算定ロジックや電子カルテのマスタ設定について、改定内容に対応した更新が必要となります。システムベンダーからのアップデート情報を確認し、施行日までに対応を完了してください。令和6年度からの連続した対象疾患の見直し今回の改定は、特定疾患療養管理料の対象疾患に関する見直しの流れの中に位置づけられます。令和6年度改定では、生活習慣病である糖尿病、高血圧性疾患が対象疾患から除外されました。脂質異常症については、家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限定されました。一方、アナフィラキシーとギラン・バレー症候群が新たに追加されています。令和8年度改定では、これに加えて胃潰瘍・十二指腸潰瘍にNSAIDs除外条件が設けられます。この一連の見直しは、特定疾患療養管理料が「かかりつけ医による計画的な療養管理」を評価する趣旨に立ち返り、対象疾患の適切性を精査する方向で進んでいます。まとめ令和8年度診療報酬改定では、特定疾患療養管理料の対象疾患のうち、胃潰瘍および十二指腸潰瘍について、NSAIDs投与中の患者を除外する条件が新設されます。この見直しは、禁忌薬を投与しながら潰瘍の療養管理を行う矛盾を解消し、かかりつけ医による計画的な療養管理の適正化を図るものです。医療機関では、該当患者のNSAIDs処方状況の確認や算定可否の再点検といった対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

令和8年度改定|生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)5つの見直しポイントを解説

令和8年度改定|生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)5つの見直しポイントを解説

Apr 14, 2026 06:42 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)が見直されます。この見直しは、「Ⅱ-3 かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」の個別改定項目に位置づけられています。本記事では、今回の改定内容を5つのポイントに整理して解説します。今回の見直しは、大きく5つのポイントで構成されます。第1に、生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲が大幅に縮小され、多くの医学管理料が別途算定可能になります。第2に、糖尿病患者に対する在宅自己注射指導管理料との併算定制限が一部緩和されます。第3に、糖尿病の重症化予防を目的とした眼科・歯科医療機関連携強化加算(各60点)が新設されます。第4に、生活習慣病管理料(Ⅰ)に血液検査等の実施要件が追加されます。第5に、療養計画書における患者署名が不要になります。1. 生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の縮小生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲から、多くの医学管理料等が除外されます。この変更は、生活習慣病管理料(Ⅱ)が「生活習慣に関する総合的な治療管理」を評価したものであることを踏まえ、その治療管理の範囲を超えて行われる医学管理を適切に推進する観点から実施されるものです。包括範囲から除外される趣旨は、大きく4つの観点で整理されています。第1は、生活習慣病に関連するものの、総合的な治療管理の範囲を超えて必要な患者に別途行われるべき医学管理です。第2は、生活習慣病とは直接的な関係の乏しい疾患に関する医学管理です。第3は、時間外対応・救急対応に関する医学管理です。第4は、情報提供等に関連する評価です。これらの観点に基づき、新たに包括範囲から除外される主な項目は以下の通りです。特定薬剤治療管理料、悪性腫瘍特異物質治療管理料、高度難聴指導管理料、喘息治療管理料、がん患者指導管理料、植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料、乳腺炎重症化予防ケア・指導料、二次性骨折予防継続管理料、下肢創傷処置管理料、地域連携夜間・休日診療料、救急外来医学管理料、外来放射線照射診療料、外来腫瘍化学療法診療料、がん治療連携計画策定料、がん治療連携指導料、認知症専門診断管理料、認知症サポート指導料、肝炎インターフェロン治療計画料、救急救命管理料、傷病手当金意見書交付料、療養費同意書交付料が該当します。これらの変更により、生活習慣病を主病とする患者に対して、併存する他疾患の医学管理や時間外対応に関する評価を、生活習慣病管理料(Ⅱ)とは別に算定できるようになります。特に、がんや認知症、救急対応など、生活習慣病とは異なる領域の管理が包括の制約なく実施できる点は、実務上大きな変化です。2. 在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和在宅自己注射指導管理料との併算定制限が、一部緩和されます。現行制度では、糖尿病を主病とする患者が在宅自己注射指導管理料を算定している場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定できません。この制限は、糖尿病以外の疾患に対して在宅自己注射を行う場合にも適用されるため、臨床上の課題がありました。今回の改定では、糖尿病に対する適応のある薬剤(インスリン製剤、GLP-1受容体アゴニスト、インスリン・GLP-1受容体アゴニスト配合剤)を投与しており、かつ在宅自己注射指導管理料を算定している場合に限り、生活習慣病管理料の算定が制限されます。つまり、糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料を算定している場合には、生活習慣病管理料との併算定が可能になります。この変更により、たとえば糖尿病を主病とする患者が、骨粗鬆症などの併存疾患に対して在宅自己注射を行う場合に、生活習慣病管理料と在宅自己注射指導管理料を併算定できるようになると考えられます。糖尿病患者の併存疾患に対する在宅自己注射指導管理を適切に推進する観点からの見直しです。3. 眼科・歯科医療機関連携強化加算の新設糖尿病の重症化予防を推進する観点から、眼科及び歯科を標榜する他の医療機関との連携に対する加算が新設されます。新設されるのは、眼科医療機関連携強化加算(60点)と歯科医療機関連携強化加算(60点)の2つです。眼科医療機関連携強化加算は、糖尿病を主病とする患者に対して、糖尿病合併症の予防・診断・治療を目的とする眼科診療の必要を認め、患者の同意を得て、眼科を標榜する他の医療機関への受診に必要な連携を行った場合に算定できます。算定回数は、患者1人につき年1回です。歯科医療機関連携強化加算は、糖尿病を主病とする患者に対して、歯周病の予防・診断・治療を目的とする歯科診療の必要を認め、患者の同意を得て、歯科を標榜する他の医療機関への受診に必要な連携を行った場合に算定できます。こちらも算定回数は、患者1人につき年1回です。この2つの加算は、いずれも「患者の同意」と「他の医療機関への受診に必要な連携の実施」が算定要件となります。なお、令和6年度改定においても、糖尿病患者に対する眼科受診の指導や歯科受診の推奨は要件として求められていましたが、今回の改定ではこれを診療報酬上の加算として明確に評価する形に強化されました。4. 生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加生活習慣病管理料(Ⅰ)に、血液検査等の実施に関する要件が追加されます。具体的には、原則として必要な血液検査等を少なくとも6月に1回以上は行うことが要件化されます。生活習慣病管理料(Ⅰ)は検査等が包括されている管理料であるため、検査の実施頻度が低くなる可能性が指摘されていました。今回の要件追加は、生活習慣病に関連するガイドラインで求められる定期的な検査の実施を担保し、疾病管理の質を確保するためのものです。5. 療養計画書の患者署名の不要化生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の療養計画書について、患者の署名を受けることが不要になります。この変更は、患者及び医療機関の負担を軽減する観点から実施されます。現行制度では、初回の療養計画書について患者の署名を受けることが算定要件とされています。今回の改定では、この署名要件が撤廃されます。ただし、患者の同意を得ること自体は引き続き必要です。署名という形式的な手続きが省略されることで、日常の診療業務における事務負担が軽減されます。まとめ令和8年度診療報酬改定における生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の見直しは、5つのポイントで構成されます。生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲の大幅な縮小により、併存疾患の管理や救急対応などを別途評価できるようになります。在宅自己注射指導管理料との併算定制限の一部緩和により、糖尿病以外の疾患に対する在宅自己注射指導管理料と生活習慣病管理料の併算定が可能になります。眼科・歯科医療機関連携強化加算(各60点)の新設により、糖尿病の重症化予防に向けた医科・歯科・眼科の連携が明確に評価されます。生活習慣病管理料(Ⅰ)への血液検査等の実施要件の追加により、疾病管理の質が担保されます。療養計画書の患者署名の不要化により、医療機関の事務負担が軽減されます。これらの見直しは、いずれも生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進するという基本的な方向性に沿ったものです。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】機能強化加算に3つの新要件|BCP策定・期限付き指定・データ提出

【令和8年度改定】機能強化加算に3つの新要件|BCP策定・期限付き指定・データ提出

Apr 13, 2026 06:53 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、かかりつけ医機能に係る体制整備を推進する観点から、機能強化加算の施設基準が見直されました。点数(80点)に変更はありませんが、施設基準に3つの新たな要件が追加されています。今回の見直しでは、主に次の3点が変更されました。第1に、災害時等に備えた業務継続計画(BCP)の策定が施設基準に追加されました。第2に、健康保険法に基づく期限付き指定を受けた診療所は、機能強化加算を算定できなくなりました。第3に、外来データ提出加算の届出が努力義務として位置づけられました。なお、BCP策定の要件については、既届出医療機関を対象とした経過措置が設けられています。変更点1:業務継続計画(BCP)の策定が施設基準に追加1つ目の変更点は、業務継続計画(BCP)の策定が新たに施設基準(通知)の要件として追加されたことです。BCPとは、災害等の発生時においても医療の提供を継続するための計画です。具体的には、患者に対する医療の継続的な提供、非常時の体制での早期の業務再開、患者と職員の安全確保を目的とした計画を策定する必要があります。この計画は、厚生労働省が公表する「医療機関(災害拠点病院以外)における災害対応のためのBCP作成の手引き」等を参考に、各医療機関の実情に応じて作成します。BCPの策定に加えて、計画に従った必要な措置の実施も求められます。さらに、定期的にBCPの見直しを行い、必要に応じて変更することも要件に含まれています。この要件には経過措置が設けられています。令和8年3月31日時点で機能強化加算の届出を行っている医療機関は、令和9年5月31日までの間、BCP策定の要件を満たしているものとみなされます。既届出医療機関は、改定施行日(令和8年4月1日)から約1年2か月後にあたる令和9年5月31日までにBCPを策定する必要があります。変更点2:期限付き指定を受けた診療所の除外2つ目の変更点は、健康保険法第68条の2第1項の規定により3年以内の期限が付された保険医療機関の指定を受けた診療所が、施設基準(告示)において機能強化加算の対象外とされたことです。期限付き指定とは、外来医師多数区域において、都道府県知事の要請や勧告に応じなかった診療所に対して付される措置です。この措置を受けた診療所は、通常の保険医療機関とは異なり、指定の自動更新が適用されません。今回の改定では、こうした期限付き指定を受けた診療所を機能強化加算の対象から除外することで、かかりつけ医機能の体制整備が適切に行われている医療機関を評価する仕組みが強化されました。変更点3:外来データ提出加算の届出が努力義務に3つ目の変更点は、外来データ提出加算の届出が施設基準(告示)において「望ましい」要件として新たに位置づけられたことです。対象となる外来データ提出加算は、再診料(A001)の注13、地域包括診療料(B001-2-9)の注4、生活習慣病管理料Ⅰ(B001-3)の注4、生活習慣病管理料Ⅱ(B001-3-3)の注4に掲げるものです。在宅医療の分野では、在宅時医学総合管理料(C002)の注13、施設入居時等医学総合管理料(C002-2)の注7、在宅がん医療総合診療料(C003)の注7に掲げる在宅データ提出加算が対象です。この要件は、現時点では「望ましい」という努力義務の位置づけであり、届出がなくても機能強化加算の算定は可能です。ただし、今回新たに施設基準に明記されたことから、外来データの提出体制を早期に整備しておくことが望まれます。まとめ令和8年度改定における機能強化加算の見直しでは、BCP策定の義務化、期限付き指定診療所の除外、外来データ提出加算の届出の努力義務化という3つの新要件が追加されました。点数は80点のまま据え置かれていますが、かかりつけ医機能の体制整備に対する要求水準は引き上げられています。既届出医療機関にとっては、BCP策定の経過措置期限である令和9年5月31日までの対応が最も重要な実務課題です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定まとめ】「治し、支える医療」の実現|後方支援・入退院・リハ栄養口腔の11項目を総整理

【令和8年度改定まとめ】「治し、支える医療」の実現|後方支援・入退院・リハ栄養口腔の11項目を総整理

Apr 12, 2026 06:23 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、個別改定項目「Ⅱ-2 『治し、支える医療』の実現」として、3分野・計11項目の見直しが行われます。2040年頃を見据え、高齢者の救急増加や医療・介護の複合ニーズに対応するため、入院前から退院後までを一貫して支える医療提供体制の構築が、この見直しの目的です。3分野の見直しの概要は次のとおりです。第1の分野「在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援」(Ⅱ-2-1)では、カンファレンス頻度の大幅緩和、包括期充実体制加算(80点)の新設、地域包括ケア病棟の初期加算見直しの3項目が盛り込まれます。第2の分野「円滑な入退院の実現」(Ⅱ-2-2)では、入退院支援加算等の7つの見直し、介護支援等連携指導料の再編、高次脳機能障害者の退院支援体制の新要件化、専従要件の緩和の4項目が実施されます。第3の分野「リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進」(Ⅱ-2-3)では、リハ栄養口腔連携体制加算の2段階再編、摂食嚥下機能回復体制加算の要件緩和、口腔管理連携加算(600点)の新設、医科連携訪問加算(500点)の新設の4項目が含まれます。Ⅱ-2-1 在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援を担う医療機関の評価在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援(緊急入院等)を担う医療機関の評価は、3項目で構成されます。高齢者救急の増加と地域包括ケアシステムの推進を背景に、協力医療機関や包括期病棟が後方支援を担う体制と実績をより適切に評価することが、この見直しの趣旨です。① カンファレンス頻度の大幅緩和では、協力医療機関と介護保険施設等が行うカンファレンスの頻度要件が緩和されます。ICTによる情報共有を行う場合は年3回以上から年1回以上に、ICTを行わない場合は月1回以上から原則年3回以上に変更されます。さらに、一定の実績(年2件以上の入院受入れまたは往診)がある場合は年1回以上で足ります。入退院支援加算1における連携機関とのカンファレンスと兼ねることも認められます。② 包括期充実体制加算(80点)の新設では、200床未満の中小病院が地域包括医療病棟または地域包括ケア病棟で後方支援を担う体制と実績が新たに評価されます。加算は1日80点で入院日から14日間が限度です。急性期病院一般入院料・急性期一般入院基本料(A100)の病棟を持たない200床未満の病院が対象となります。③ 地域包括ケア病棟の初期加算等の見直しでは、在宅患者支援病床初期加算の対象患者の拡大、点数のメリハリ化、包括範囲の見直しが行われます。対象が「救急搬送された患者」から「緊急入院した患者」に拡大され、緊急入院した患者の点数は引き上げ、それ以外は引き下げとなります。退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料は包括範囲から除外され、別途算定が可能になります。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】後方支援の評価が3つ変わる|カンファ緩和・新加算・初期加算見直しⅡ-2-2 円滑な入退院の実現円滑な入退院の実現に向けた見直しは、4項目で構成されます。①~③は「関係機関との連携強化」「入院前からの支援」「生活に配慮した支援」を軸とした見直しであり、④は「専門人材の柔軟な活用」による入退院支援体制の底上げを図る見直しです。① 入退院支援加算等の見直しでは、7つのポイントで入退院支援が多面的に強化されます。地域包括医療病棟等における入退院支援加算1の新点数(1,000点)の新設が主な変更点です。そのほか、地域連携診療計画加算への検査・画像情報提供加算(200点)の新設、介護保険施設等への誘導による金品収受の禁止、退院困難な要因の拡大、面会を妨げない規定の新設、専従職員の兼務の明記、医療保護入院等診療料への多職種退院支援の評価(400点)の新設が盛り込まれます。② 介護支援等連携指導料の見直しでは、従来の400点が「指導料1」に位置づけられ、平時からの連携を評価する「指導料2」(500点)が新設されます。指導料2は入退院支援加算1の届出病棟に限定され、入退院支援部門の担当者が平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して指導を行った場合に算定できます。③ 回復期リハ病棟における高次脳機能障害者の退院支援の推進では、施設基準に3つの体制要件が追加されます。高次脳機能障害者支援センター等の情報把握、退院時の患者・家族への説明・提供、リハビリテーション継続先への文書提供体制の整備です。④ 感染対策向上加算等における専従要件の見直しでは、3つの柱で専門人材の柔軟な活用が実現されます。介護保険施設等への助言時間の上限が月10時間から月16時間に拡大され、専従者の月16時間までの他業務従事が容認され、入院栄養管理体制加算の専従管理栄養士の業務範囲が拡大されます。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定まとめ】円滑な入退院の実現に向けた4項目の見直しポイントを徹底整理Ⅱ-2-3 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の見直しは、4項目で構成されます。いずれも、急性期から包括期にわたる入院患者のADL維持・向上と口腔管理の充実を目指すものです。① リハ栄養口腔連携体制加算の2段階再編では、現行の加算(120点)が加算1(150点)と加算2(90点)に再編されます。加算2では土日祝日のリハ提供量基準が「平日の8割以上」から「7割以上」に、ADL低下割合基準が「3%未満」から「5%未満」に緩和されます。地域包括ケア病棟にもリハ栄養口腔連携加算(30点)が新設されます。② 摂食嚥下機能回復体制加算と経腸栄養管理加算の見直しでは、3つの変更が行われます。言語聴覚士の配置要件が「専従」から「専任」に緩和されます。加算3の実績要件に経腸栄養から経口摂取へ回復した患者が算入可能になります。経腸栄養管理加算の対象患者が、入院前からの中心静脈栄養管理患者や経口摂取不可で経腸栄養を選択した患者にも拡大されます。③ 口腔管理連携加算(600点)の新設では、歯科診療を行わない病院が歯科医療機関と連携して入院患者の歯科診療を実現するための仕組みが設けられます。歯科医療機関との連携体制の構築、患者の同意を得た文書による紹介、入院中の歯科診療の実施という3つの要件を満たすことで算定できます。④ 医科連携訪問加算(500点)の新設では、歯科側の新たな評価が設けられます。歯科診療を行っていない医療機関からの依頼に基づき、連携する歯科医療機関が入院患者に歯科訪問診療を行った場合に算定できます。口腔管理連携加算が医科側の評価であるのに対し、この加算は歯科側の評価として対をなすものです。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定まとめ】リハ・栄養・口腔管理の4つの見直しを一挙解説まとめ令和8年度診療報酬改定における「治し、支える医療」の実現は、3分野・計11項目で構成されます。後方支援の分野では、カンファレンス頻度の緩和と新加算の創設により、中小病院を含めた後方支援体制の底上げが図られます。円滑な入退院の分野では、入退院支援加算の拡充・介護支援等連携指導料の再編・退院支援体制の新要件化・専従要件の緩和により、入院前から退院後まで切れ目のない支援が推進されます。リハ栄養口腔管理の分野では、加算の再編と要件緩和に加え、口腔管理連携加算(600点)と医科連携訪問加算(500点)の新設により、多職種・多施設の連携による高齢者ケアの充実が図られます。これら3分野に共通するのは、届出・算定のハードルを下げつつ、連携と実績に基づく評価を強化するという方向性です。各医療機関は、自院が該当する項目の施設基準と算定要件を確認し、届出準備を計画的に進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定まとめ】リハ・栄養・口腔管理の4つの見直しを一挙解説

【令和8年度改定まとめ】リハ・栄養・口腔管理の4つの見直しを一挙解説

Apr 11, 2026 05:02 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、高齢者の生活を支えるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理に関して、4項目の見直しが行われます。この見直しは、個別改定項目「Ⅱ-2-3 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進」に位置づけられています。いずれも、急性期から包括期にわたる入院患者のADL維持・向上と口腔管理の充実を目指すものです。4項目の見直しの概要は次のとおりです。第一に、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算が加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編され、地域包括ケア病棟にも連携加算(30点)が新設されます。第二に、摂食嚥下機能回復体制加算の言語聴覚士の配置要件が緩和され、経腸栄養管理加算の対象患者が拡大されます。第三に、歯科のない病院が歯科医療機関と連携して入院患者の歯科診療を実現するための口腔管理連携加算(600点)が新設されます。第四に、歯科医療機関が歯科のない医療機関に出向いて歯科訪問診療を行った場合の医科連携訪問加算(500点)が新設されます。① リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組の更なる推進令和6年度に新設されたリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算(120点)は、届出率が9%にとどまっていました。常勤専従の理学療法士等の配置要件(届出できない理由の56.3%)や土日祝日のリハ提供量の基準(同53.9%)が、届出の主な障壁となっていました。今回の改定では、この状況を改善するために3つの措置が講じられます。現行の体制加算(120点)は、加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編されます。加算2では、土日祝日のリハ提供量の基準が「平日の8割以上」から「7割以上」に、ADL低下割合の基準が「3%未満」から「5%未満」に緩和されます。さらに、地域包括ケア病棟にもリハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点)が新設され、入院栄養食事指導料等の算定も可能となります。👉 詳しくはこちら:令和8年度改定で変わるリハ栄養口腔連携|加算2新設・地ケア病棟拡大の3つのポイント② 質の高い摂食嚥下機能回復に係る取組の推進摂食嚥下機能回復体制加算と経腸栄養管理加算は、いずれも届出・算定の伸び悩みが課題でした。中心静脈栄養の実施を前提とした要件が、経腸栄養や経口摂取への移行に取り組む医療機関の努力を評価しにくくしていました。今回の改定では、3つの見直しが行われます。第1に、摂食嚥下機能回復体制加算1・2の言語聴覚士の配置要件が「専従」から「専任」に緩和され、他の業務との兼務が可能になります。第2に、加算3の実績要件に、経腸栄養(鼻腔栄養・胃瘻)から経口摂取へ回復した患者も算入できるようになります。第3に、経腸栄養管理加算の対象患者が拡大され、入院前から中心静脈栄養で管理されていた患者や、経口摂取不可となり経腸栄養を選択した患者も算定対象となります。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】摂食嚥下機能回復体制加算と経腸栄養管理加算の3つの見直しポイント③ 口腔状態に係る課題を抱えた患者についての歯科医療機関との連携の推進医科の入院患者において、歯科受診が必要にもかかわらず、歯科医療機関との連携が十分に進んでいないという課題がありました。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準では口腔状態の評価や歯科医師等との連携が求められていますが、歯科診療を行わない病院では、入院中の患者が歯科診療を受けられる体制が整備されていませんでした。この課題に対応するため、口腔管理連携加算(600点)が新設されます。この加算は、歯科診療を行わない病院が対象です。算定するには、歯科医療機関との連携体制の構築、患者の同意を得た文書による紹介、入院中の歯科診療の実施という3つの要件を満たす必要があります。対象患者は、口腔状態の課題が医科の治療上の課題を生じている入院患者に限定されます。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】口腔管理連携加算600点が新設|歯科連携で算定する3つの要件④ 入院患者の口腔管理における医科歯科連携の推進口腔管理連携加算が医科側の評価であるのに対し、歯科側にも新たな評価が設けられます。歯科診療を行っていない医療機関からの依頼に基づき、連携する歯科医療機関が入院患者に歯科訪問診療を行った場合に算定できる医科連携訪問加算(500点)が新設されます。この背景には、NDBデータで退院後の歯科受診率がリハ栄養口腔連携体制加算の算定の有無にかかわらず約9%(算定あり8.8%、算定なし8.7%)にとどまっている現状があります。この加算は、歯科訪問診療料の所定点数に上乗せされるものです。対象患者は、口腔状態の課題が医科の治療に支障をきたしている入院患者です。施設基準として、歯科医療機関が歯科のない医療機関との連携体制を構築し、情報共有の仕組みを整備することが求められます。なお、周術期等口腔機能管理料や回復期等口腔機能管理料との併算定はできない点に注意が必要です。👉 詳しくはこちら:【令和8年度改定】医科連携訪問加算500点の新設|入院患者の口腔管理が変わるまとめ令和8年度診療報酬改定における「リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進」は、4つの項目で構成されています。リハ栄養口腔連携体制加算の2段階再編と地域包括ケア病棟への拡大、摂食嚥下機能回復体制加算の要件緩和と経腸栄養管理加算の対象拡大、口腔管理連携加算(600点)の新設、医科連携訪問加算(500点)の新設です。これらの見直しに共通するのは、届出・算定のハードルを下げつつ、急性期から包括期にわたる入院患者のADL維持と口腔管理を多職種・多施設の連携で推進するという方向性です。該当する医療機関は、各加算の施設基準と算定要件を確認し、届出の準備を進めることをお勧めします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】医科連携訪問加算500点の新設|入院患者の口腔管理が変わる

【令和8年度改定】医科連携訪問加算500点の新設|入院患者の口腔管理が変わる

Apr 10, 2026 05:31 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、入院患者の口腔管理を充実させるため、医科歯科連携に関する新たな評価が設けられました。歯科診療を行っていない保険医療機関(病院・有床診療所)に入院中の患者に対して、連携する歯科医療機関が歯科訪問診療を行った場合に算定できる「医科連携訪問加算」(500点)が新設されています。本稿では、この加算の背景、算定要件、施設基準、および注意点を解説します。医科連携訪問加算の要点は、次の3つです。第一に、歯科診療を行っていない医療機関からの依頼に基づき入院患者に歯科訪問診療を行った場合、歯科訪問診療料に500点が加算されます。第二に、対象患者は、口腔状態の課題により医科の治療に支障が生じている入院患者に限定されます。第三に、周術期等口腔機能管理料や回復期等口腔機能管理料との併算定はできません。新設の背景:入院中の医科歯科連携が進んでいない医科連携訪問加算が新設された背景には、入院患者に対する医科歯科連携の停滞があります。令和6年度改定で導入された「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」では、急性期病棟の入院患者に対して口腔状態の評価を含む多職種連携の取組が行われています。しかし、医科の入院患者において、歯科受診が必要であるにもかかわらず、連携はあまり進んでいません。NDBデータによれば、退院後の歯科受診率は加算算定の有無にかかわらず約9%(算定あり8.8%、算定なし8.7%)にとどまっています。連携が進まない要因のひとつは、歯科診療を行っていない医療機関における体制の不足です。歯科のない医療機関では、入院中の患者に口腔の課題が見つかっても、歯科医療機関に診療を依頼する仕組みが十分に整備されていませんでした。こうした課題を解消するために、入院中の口腔管理を歯科訪問診療で担う場合の評価として、医科連携訪問加算が新設されました。算定要件:歯科診療を行っていない医療機関からの依頼が前提医科連携訪問加算を算定するには、歯科診療以外の診療のみを行う保険医療機関からの依頼が必要です。つまり、歯科診療を行っていない医療機関が、連携する歯科医療機関に対して入院患者の口腔管理を依頼することが算定の前提となります。対象患者は、口腔状態に係る課題のために医科における治療上の課題が生じている入院中の患者です。たとえば、口腔衛生状態の不良や咬合不良により、手術や全身管理に影響が出ているケースが該当します。単に口腔に問題があるだけではなく、その問題が医科の治療に支障をきたしていることが条件です。算定にあたっては、連携する歯科医療機関の歯科医師が当該病院に出向き、歯科訪問診療を実施します。この歯科訪問診療料の所定点数に、医科連携訪問加算として500点が上乗せされます。施設基準:連携体制の構築と情報共有が必要医科連携訪問加算を届け出るには、2つの施設基準を満たす必要があります。1つ目の基準は、連携体制の構築です。歯科医療機関は、歯科のない医療機関に入院中の口腔状態に課題を抱える患者について、当該医療機関の依頼に基づき対応する連携体制を構築していなければなりません。2つ目の基準は、情報共有の体制整備です。連携する医療機関の依頼に円滑に対応するために、必要な情報を共有する仕組みが求められます。たとえば、患者の診療情報や口腔状態に関する情報を、依頼元の医療機関と歯科医療機関の間で適切にやり取りできる体制を整える必要があります。注意点:周術期等・回復期等口腔機能管理との併算定はできない医科連携訪問加算には、併算定できない項目があります。具体的には、周術期等口腔機能管理計画策定料、周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)~(Ⅳ)、回復期等口腔機能管理計画策定料、および回復期等口腔機能管理料と同時に算定することはできません。この制限が設けられた理由は、評価の重複を防ぐためです。周術期等口腔機能管理や回復期等口腔機能管理は、手術や回復期における口腔管理を包括的に評価するものです。医科連携訪問加算は、これらの管理の対象にならない入院患者に対して、新たに歯科訪問診療を促進する位置づけとなります。したがって、周術期や回復期の口腔機能管理をすでに行っている患者には、医科連携訪問加算は算定できません。対象となるのは、こうした既存の管理体系に該当しないものの、口腔の課題が医科の治療に影響している入院患者です。まとめ令和8年度改定で新設された医科連携訪問加算(500点)は、歯科診療を行っていない医療機関の入院患者に対する口腔管理を推進するための評価です。算定には、歯科診療以外の診療のみを行う保険医療機関からの依頼と、口腔状態の課題が医科の治療に影響していることが求められます。施設基準として、連携体制の構築と情報共有の整備が必要です。周術期等・回復期等口腔機能管理との併算定はできないため、対象患者の整理が重要となります。歯科医療機関にとっては、地域の医療機関との連携体制を構築することが、この加算を活用するための第一歩です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】口腔管理連携加算600点が新設|歯科連携で算定する3つの要件

【令和8年度改定】口腔管理連携加算600点が新設|歯科連携で算定する3つの要件

Apr 9, 2026 05:23 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、入院患者の口腔状態の課題に質の高い対応を行うため、医科の保険医療機関と歯科医療機関の連携を評価する「口腔管理連携加算」(600点)が新設されました。この加算は、歯科診療を行わない病院が対象です。歯科医療機関とあらかじめ連携体制を構築し、入院中の患者が歯科診療を受けられる体制を整えた場合に算定できます。この記事では、口腔管理連携加算の概要を3つの観点から解説します。第一に、この加算の対象となる患者の範囲を説明します。第二に、算定するために満たすべき要件を整理します。第三に、届出に必要な施設基準の内容を確認します。口腔管理連携加算の対象患者口腔管理連携加算の対象は、入院中の患者で、医師が入院中の歯科治療が必要と判断した口腔状態の課題を抱える方です。ただし、口腔に課題がある患者すべてが対象になるわけではありません。算定要件では、口腔状態の課題が「医科における治療上の課題」を生じていることが求められています。つまり、口腔の問題が入院中の医科の治療に影響を及ぼしている場合に、この加算の対象となります。さらに、対象患者の判断は医師だけでなく「医師等」が行うことも可能です。算定要件では「医師等が入院中の歯科受診が必要と判断した者」と規定されています。口腔管理連携加算の算定要件口腔管理連携加算を算定するには、3つの要件を満たす必要があります。具体的には、「連携体制の構築」「患者の同意と情報提供」「入院中の歯科診療の実施」の3つです。第一の要件は、連携体制の構築です。算定する保険医療機関は、歯科診療を併せて行わない医療機関でなければなりません。この医療機関が、歯科医療機関とあらかじめ連携体制を構築しておく必要があります。第二の要件は、患者の同意と情報提供です。対象患者について、連携先の歯科医療機関に対し、患者の同意を得たうえで、診療状況を示す文書を添えて紹介を行います。第三の要件は、入院中の歯科診療の実施です。紹介を受けた歯科医療機関による歯科診療が、患者の入院中に実際に行われることが求められます。この歯科診療が行われた日に、入院中1回に限り算定できます。なお、この加算には診療情報提供料(Ⅰ)が含まれています。そのため、同一の紹介について診療情報提供料(Ⅰ)を別途算定することはできません。口腔管理連携加算の施設基準口腔管理連携加算を届け出るには、4つの施設基準を満たす必要があります。第一の基準は、連携体制の構築です。歯科診療を行わない保険医療機関が、歯科診療を行う別の保険医療機関と、入院患者に対する歯科訪問診療に係る連携体制を構築していることが求められます。第二の基準は、院内掲示です。上記の連携体制を構築していることについて、医療機関の見やすい場所に掲示する必要があります。第三の基準は、ウェブサイトへの掲載です。院内掲示の内容を、原則としてウェブサイトにも掲載することが求められます。第四の基準は、口腔管理の体制整備です。口腔管理を行うために必要な体制が整備されていることが条件です。まとめ令和8年度診療報酬改定で新設された口腔管理連携加算(600点)は、歯科診療を行わない病院が歯科医療機関と連携し、入院患者の口腔課題に対応するための評価です。算定には、歯科医療機関との連携体制の構築、患者の同意を得た文書による紹介、入院中の歯科診療の実施という3つの要件を満たす必要があります。加えて、対象患者は口腔状態の課題が医科の治療上の課題を生じている場合に限られる点に注意が必要です。施設基準では、連携体制の構築に加え、院内掲示やウェブサイトへの掲載、口腔管理体制の整備が求められます。歯科のない病院においては、入院患者の口腔管理の質を高めるため、この加算の算定体制の整備を検討してみてはいかがでしょうか。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

令和8年度改定で変わるリハ栄養口腔連携|加算2新設・地ケア病棟拡大の3つのポイント

令和8年度改定で変わるリハ栄養口腔連携|加算2新設・地ケア病棟拡大の3つのポイント

Apr 8, 2026 06:29 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の算定要件と施設基準が大幅に見直されます。令和6年度に新設されたこの加算は、届出率がわずか9%にとどまっていました。今回の改定は、届出のハードルを下げつつ、取組の質に応じた段階的な評価を実現することを目的としています。今回の改定のポイントは3つあります。第一に、現行の体制加算(120点)が加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編されます。第二に、加算2では土日祝日のリハ提供量とADL低下割合の基準が緩和され、より多くの医療機関が届出可能になります。第三に、地域包括ケア病棟にもリハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点)が新設されます。改定の背景:届出率9%の壁リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算は、令和6年度改定で急性期病棟向けに新設された加算です。この加算は、入院患者のADL維持・向上を目的に、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理を多職種で一体的に実施する取組を評価するものです。算定期間は、計画作成日から起算して14日間を限度としています。この加算の届出率は、令和6年度の実態調査で9.0%にとどまりました。届出できない理由として最も多かったのは、「常勤専従の理学療法士等を2名以上配置することが困難」(56.3%)でした。次いで、「土日祝日のリハビリテーション提供単位数が平日の8割以上を満たさない」(53.9%)が挙げられています。一方で、加算を届け出ている施設では、ADLが低下する患者の割合が3%未満という基準を満たしていました。加算を算定していない施設では、ADL低下割合が4%以上5%未満にピークがみられます。このデータは、一体的な取組がADL維持に効果をもたらすことを示しています。ポイント1:加算1(150点)と加算2(90点)の2段階再編今回の改定では、現行のリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算(120点)が2段階に再編されます。加算1は1日につき150点、新設される加算2は1日につき90点です。対象病棟には、新たに急性期病院一般入院基本料が追加されます。加算1の施設基準は、現行の体制加算とほぼ同等です。「ADL等の維持、向上、及び栄養管理等に資する十分な体制」の整備が求められます。プロセス・アウトカム評価の要件も現行どおり、早期リハ実施割合8割以上、土日祝日のリハ提供量が平日の8割以上、ADL低下割合3%未満、褥瘡保有割合2.5%未満の4項目すべてを満たす必要があります。加算1ではこのほか、BI研修に関する記載が見直されました。現行では「BIの測定に関する研修会を年1回以上開催すること」とされていましたが、改定後は「併せてFIM(機能的自立度評価法)の測定に関する内容も含むことが望ましい」と追記されています。ポイント2:加算2の新設による一部要件の緩和加算2は、加算1よりも取得しやすい施設基準が設定されています。加算2の施設基準は、「ADL等の維持、向上、及び栄養管理等に資する必要な体制」の整備を求めるものです。加算1の「十分な体制」に対して、加算2は「必要な体制」とされており、体制整備のハードルが引き下げられています。加算2のプロセス・アウトカム評価は、加算1の4項目のうち2項目の基準値が緩和されます。具体的な比較は次のとおりです。早期リハ実施割合は、加算1・加算2ともに8割以上で変わりません。土日祝日のリハ提供量は、加算1の「平日の8割以上」に対し、加算2では「平日の7割以上」に引き下げられます。ADL低下割合は、加算1の「3%未満」に対し、加算2では「5%未満」に緩和されます。褥瘡保有割合は、加算1・加算2ともに2.5%未満で変わりません。つまり、加算2で緩和されるのは、土日祝日のリハ提供量とADL低下割合の2項目です。届出率を下げていた最大の要因である「土日祝日のリハ提供量が平日の8割以上を満たさない」(53.9%の施設が該当)に対して、7割への引き下げは一定の効果が期待できます。加算2の人員配置基準は、加算1と同じです。専従の常勤理学療法士等が2名以上(うち1名は専任でも可)、専任の常勤管理栄養士が1名以上必要です。ただし、加算2の専従理学療法士等は、排尿自立支援加算、精神科リエゾンチーム加算、摂食嚥下機能回復体制加算における理学療法士等の業務との兼務が認められています。この兼務規定も、人員確保のハードルを下げる措置のひとつです。ポイント3:地域包括ケア病棟への連携加算の新設地域包括ケア病棟においても、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点/日)が新設されます。この加算の算定期間は、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る計画を作成した日から起算して14日間です。地域包括ケア病棟では、これまで管理栄養士の配置基準がなく、栄養管理に係る加算は包括されていました。今回の新設は、地域包括ケア病棟における一体的な取組を推進する狙いがあります。地域包括ケア病棟の連携加算には、独自の施設基準が設定されます。専任の常勤管理栄養士1名以上の配置、リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有し所定の研修を修了した常勤医師1名以上の配置が必要です。プロセス・アウトカム評価としては、入棟後3日までの疾患別リハ実施割合6割以上、土日祝日のリハ提供量が平日の7割以上、褥瘡保有割合2.5%未満の3項目を満たすことが求められます。この加算を算定する患者については、入院栄養食事指導料と栄養情報連携料も算定可能となります。地域包括ケア病棟の包括範囲から、これらの管理料が除外されるためです。この見直しにより、管理栄養士による個別の栄養指導と退院時の栄養情報連携が、経済的にも評価されることになります。まとめ令和8年度改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算が加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編されます。加算2では、土日祝日のリハ提供量(8割→7割)とADL低下割合(3%→5%)の基準が緩和され、届出率9%という現状の改善が期待されます。さらに、地域包括ケア病棟にも30点の連携加算が新設され、入院栄養食事指導料等の算定が可能になります。急性期から包括期にわたるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組が、今後より幅広い病棟で進むことが見込まれます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定まとめ】円滑な入退院の実現に向けた4項目の見直しポイントを徹底整理

【令和8年度改定まとめ】円滑な入退院の実現に向けた4項目の見直しポイントを徹底整理

Apr 7, 2026 06:04 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携と地域包括ケアシステムの推進に向けて、「円滑な入退院の実現」に関する4つの項目が見直されます。この4項目は、個別改定項目の「Ⅱ-2-2 円滑な入退院の実現」に位置づけられています。①~③は「関係機関との連携強化」「入院前からの支援」「生活に配慮した支援」を軸とした見直しであり、④は「専門人材の柔軟な活用」による入退院支援体制の底上げを図る見直しです。4項目の概要は以下のとおりです。第1に、入退院支援加算等の見直しでは、地域包括医療病棟等への新点数(1,000点)の新設や退院困難な要因の拡大など7つのポイントが盛り込まれます。第2に、介護支援等連携指導料の見直しでは、従来の400点が「指導料1」に位置づけられ、平時からの連携を評価する「指導料2」(500点)が新設されます。第3に、回復期リハビリテーション病棟における高次脳機能障害者に対する退院支援の推進では、情報把握・退院時説明・文書提供の3つの体制が施設基準に追加されます。第4に、感染対策向上加算等における専従要件の見直しでは、介護施設への助言時間の拡大や他業務従事の容認など3つの柱で専従要件が緩和されます。① 入退院支援加算等の見直し|7つのポイントで入退院支援を多面的に強化入退院支援加算等の見直しは、「関係機関との連携」「生活に配慮した支援」「入院前からの支援」を強化する観点から、7つの項目で構成されます。地域包括医療病棟等における入退院支援加算1の点数が新設されます。 地域包括医療病棟入院料・回復期リハビリテーション病棟入院料・地域包括ケア病棟入院料を対象とした新たな点数区分(1,000点)が設けられます。これらの病棟では「入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要」な患者の割合が多く、入退院支援の負担を適切に評価するための新設です。地域連携診療計画加算に検査・画像情報提供加算(200点)が新設されます。 地域連携診療計画加算を算定する患者について、検査結果・画像情報等を添付して他の医療機関等に情報提供した場合に加算されます。従来は地域連携診療計画加算と検査・画像情報提供加算の併算定ができなかったため、この課題を解消するものです。そのほかの見直しとして、以下の5項目があります。 介護保険施設等への誘導による金品収受の禁止が施設基準に追加されます。退院困難な要因に「要介護認定の区分変更が未申請であること」と「家族との連絡困難」が追加されます。入院患者への面会を妨げないよう求める規定が新設されます。入退院支援加算と精神科入退院支援加算の専従職員の兼務が明記されます。医療保護入院等診療料に多職種退院支援の評価(400点)が新設されます。詳細は以下の記事で解説しています。【令和8年度改定】入退院支援加算等の見直し7つのポイントを徹底解説② 介護支援等連携指導料の見直し|新設の「指導料2」は500点で平時からの連携を評価介護支援等連携指導料の見直しは、介護支援専門員等との連携と入院前からの支援を強化する観点から行われます。従来の介護支援等連携指導料(400点)を「指導料1」として位置づけたうえで、「指導料2」(500点)が新設されます。指導料2は、入退院支援部門の担当者と介護支援専門員等との「平時からの連携」を評価する新区分です。 入退院支援加算1の届出病棟に入院中の患者が対象となります。入退院支援部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して説明・指導を行った場合に算定できます。指導料1と指導料2には、主に3つの違いがあります。 1つ目は対象病棟の限定の有無で、指導料2は入退院支援加算1の届出病棟に限定されます。2つ目は指導を行う担当者の範囲で、指導料2は入退院支援部門の担当者が行います。3つ目は連携相手との関係性で、指導料2は平時から連携体制を構築している相手との共同指導が求められます。なお、同一入院中に指導料1と指導料2を併算定することはできません。詳細は以下の記事で解説しています。【令和8年度改定】介護支援等連携指導料が2区分に再編|新設の「指導料2」は500点③ 回復期リハ病棟における高次脳機能障害者に対する退院支援の推進|3つの体制整備が施設基準に追加回復期リハビリテーション病棟入院料1~5等の施設基準に、高次脳機能障害患者の退院支援体制に関する3つの要件が新たに追加されます。退院後に必要な障害福祉サービス等につながれない患者が多いという現場の課題を解消する目的です。1つ目の「情報把握」では、高次脳機能障害者支援センターや障害福祉サービス事業所等の情報をあらかじめ把握することが求められます。 把握すべき情報は、所在地、連絡先、提供サービス等です。2つ目の「退院時説明」では、高次脳機能障害に該当する患者の退院時に、把握した情報を患者または家族等に説明・提供することが必要です。 対象となる患者は、高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害等に該当する患者です。3つ目の「文書提供」では、退院後にリハビリテーションの継続を予定している患者について、利用予定先への情報提供体制を整備することが求められます。 患者等の同意を得たうえで、3カ月以内に作成したリハビリテーション総合実施計画書等を文書で提供できる体制を整えます。詳細は以下の記事で解説しています。【令和8年度改定】回復期リハ病棟に高次脳機能障害の退院支援体制が新要件化④ 感染対策向上加算等における専従要件の見直し|3つの柱で専門人材の柔軟な活用を実現感染対策向上加算等における専従要件の見直しは、医療現場の人手不足と業務効率化への対応として、3つの柱で構成されます。専門人材が介護保険施設等への支援と院内業務をより柔軟に両立できるようにすることが目的です。第1の柱は、介護保険施設等への助言時間の上限拡大です。 感染対策向上加算、緩和ケア診療加算等の専従者が介護保険施設等に赴いて助言できる時間が、月10時間から月16時間に引き上げられます。第2の柱は、感染制御チーム等の専従者に対する月16時間までの他業務従事の容認です。 専従者の業務時間が所定労働時間に満たない場合、月16時間までに限り他の業務に従事できるようになります。対象は感染制御チームの専従者、抗菌薬適正使用支援チームの専従者、医療安全対策加算1の専従の医療安全管理者です。第3の柱は、入院栄養管理体制加算における専従管理栄養士の業務範囲の拡大です。 専従の管理栄養士が、病棟での業務に影響のない範囲で、当該病棟から退院した患者の外来栄養食事指導等を行えるようになります。入院から外来への栄養管理の切れ目ない提供が可能になります。詳細は以下の記事で解説しています。【令和8年度改定】感染対策向上加算等の専従要件が3つの柱で大幅緩和まとめ令和8年度診療報酬改定における「円滑な入退院の実現」は、4つの改定項目で構成されます。入退院支援加算等の見直しでは、地域包括医療病棟等への点数新設や退院困難な要因の拡大など7つのポイントにより、入退院支援が多面的に強化されます。介護支援等連携指導料の見直しでは、平時からの連携を評価する指導料2(500点)の新設により、入院前からの支援が促進されます。回復期リハビリテーション病棟の施設基準には、高次脳機能障害患者の退院支援体制が追加され、障害福祉サービスとの連携が強化されます。感染対策向上加算等の専従要件の見直しでは、3つの柱により専門人材の柔軟な活用が可能になります。これら4項目のうち、①~③に共通するのは「関係機関との連携強化」「入院前からの支援」「生活に配慮した支援」という方向性です。④はこれらとは異なり、「専門人材の柔軟な活用」により入退院支援を含む医療提供体制の底上げを図るものです。各医療機関は、施設基準や算定要件の変更点を確認し、対応を計画的に進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】回復期リハ病棟に高次脳機能障害の退院支援体制が新要件化

【令和8年度改定】回復期リハ病棟に高次脳機能障害の退院支援体制が新要件化

Apr 6, 2026 04:21 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料1~5および回復期リハビリテーション入院医療管理料の施設基準に、高次脳機能障害患者の退院支援体制に関する要件が新たに追加されました。この改定の背景には、退院後に必要な障害福祉サービス等につながれない高次脳機能障害患者が多いという現場の課題があります。本記事では、この新要件の内容と医療機関が整備すべき体制について解説します。新要件のポイントは3つです。第1に、高次脳機能障害者支援センターや障害福祉サービス事業所等の情報をあらかじめ把握することが求められます。第2に、高次脳機能障害に該当する患者の退院時に、把握した情報を患者または家族等に説明した上で提供することが必要です。第3に、退院後にリハビリテーションの継続を予定している患者については、同意を得た上で、利用予定先にリハビリテーション総合実施計画書等を文書で提供できる体制を整備することが求められます。改定の背景:退院時の情報提供不足と障害福祉との連携の希薄さ今回の改定は、高次脳機能障害患者の退院支援に関する2つの課題を解消する目的で行われました。1つ目は退院時の情報提供が不十分であること、2つ目は回復期リハビリテーション病棟と障害福祉関連機関とのネットワークが希薄であることです。情報提供の不足については、令和6年度の実態調査で明らかになっています。この調査では、11の関係機関へのヒアリングが実施されました。その結果、急性期病院や回復期病院において、障害福祉サービスや障害者手帳等に関する情報提供が十分に行われていないという意見が多数寄せられました。特に「退院後に困った時に相談できる窓口」の情報を退院時に必ず伝えることが重要であるとの要望が示されています。障害福祉関連機関とのネットワークの希薄さについても、同調査で指摘されました。高齢者の患者が多い回復期リハビリテーション病棟では、壮年期の患者に対する障害福祉サービスのノウハウが蓄積されにくい傾向があります。そのため、地域内の障害福祉関連機関との連携が十分に構築されていないケースが少なくありません。こうした課題の一方で、全国には高次脳機能障害支援普及事業の支援拠点機関が126カ所(令和7年4月1日現在)設置されています。これらの拠点機関は、当事者・家族への専門的相談支援や地域の関係機関との調整を担っています。今回の改定は、この既存の支援体制と回復期リハビリテーション病棟とのつながりを強化する狙いがあります。新要件の内容:情報把握・退院時説明・文書提供の3つの体制整備新たに追加された施設基準は、回復期リハビリテーション病棟入院料1~5、回復期リハビリテーション入院医療管理料、および特定機能病院リハビリテーション病棟入院料に共通して適用されます。求められる体制は「情報把握」「退院時説明」「文書提供」の3つです。情報把握1つ目の「情報把握」では、以下の機関のうち高次脳機能障害患者に適したサービスを提供するものの情報を、あらかじめ把握することが求められます。把握すべき情報は、所在地、連絡先、提供サービス等です。把握対象となる機関は、高次脳機能障害者支援法(令和7年法律第96号)に基づく高次脳機能障害者支援センター、他の保険医療機関、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所(生活介護、自立訓練、就労継続支援、自立生活援助、共同生活援助、相談支援、計画相談支援等)、そして児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者等です。退院時説明2つ目の「退院時説明」では、把握した情報を高次脳機能障害に該当する患者の退院時に提供することが求められます。説明の対象者は、患者本人または家族等退院後に患者の看護に当たる者です。対象となる患者は、「基本診療料の施設基準等」の別表第9に掲げる「高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷の場合」に該当する患者です。文書提供3つ目の「文書提供」では、退院後に他の医療機関や障害福祉サービスによるリハビリテーションの継続を予定している患者について、利用予定先への情報提供体制を整備することが求められます。具体的には、患者または家族等の同意を得た上で、3カ月以内に作成したリハビリテーション総合実施計画書等を文書により提供できる体制を整えます。この文書の提供先は、利用を予定している保険医療機関、障害福祉サービス事業所・施設、指定障害児通所支援事業所、または指定障害児入所施設等です。まとめ令和8年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟入院料1~5等の施設基準に、高次脳機能障害患者の退院支援体制が新たに追加されました。医療機関は、高次脳機能障害者支援センターや障害福祉サービス事業所等の情報をあらかじめ把握し、退院時に患者・家族へ説明すること、そしてリハビリテーション継続先への計画書提供体制を整備することが必要です。高次脳機能障害患者が退院後に適切な支援へ円滑につながるよう、障害福祉関連機関との連携体制の構築を早めに進めておくことが重要です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】介護支援等連携指導料が2区分に再編|新設の「指導料2」は500点

【令和8年度改定】介護支援等連携指導料が2区分に再編|新設の「指導料2」は500点

Apr 5, 2026 06:15 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、入退院時における介護支援専門員等との連携を強化するため、介護支援等連携指導料の要件が見直されます。この見直しは、居宅介護支援事業所等の介護支援専門員等との連携や、地域の入退院支援に係る情報共有等の規定に基づいた入院前からの支援を強化する目的で行われます。見直しの内容は、従来の介護支援等連携指導料(400点)を「介護支援等連携指導料1」として位置づけたうえで、新たに「介護支援等連携指導料2」(500点)を新設するものです。介護支援等連携指導料2は、入退院支援加算1の届出病棟に入院中の患者が対象となります。この新区分では、入退院支援部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して説明・指導を行った場合に算定できます。なお、同一入院中に指導料1と指導料2を併算定することはできません。見直しの背景:入院前からの連携強化が求められている介護支援等連携指導料の見直しは、入退院時における医療と介護の連携をより実効性のあるものにするために行われます。現行の介護支援等連携指導料は、入院中の患者に対して、医師等が介護支援専門員等と共同して退院後の介護サービス等について説明・指導を行った場合に算定できます。しかし、入退院支援の現場では、入院してから介護支援専門員と連携を開始するのでは遅いケースが少なくありません。こうした課題に対応するため、今回の改定では、入退院支援部門が平時から介護支援専門員等と連携体制を構築し、その連携に基づいて指導を行う取り組みを新たに評価します。この方向性は、市町村が策定する「入退院支援ルール」の活用推進とも連動しています。改定内容:従来の400点を「指導料1」、新設の500点を「指導料2」に区分今回の見直しでは、介護支援等連携指導料が以下の2区分に再編されます。介護支援等連携指導料1(400点) は、従来の介護支援等連携指導料と同じ内容です。入院中の患者の同意を得て、医師または医師の指示を受けた看護師・社会福祉士等が、介護支援専門員または相談支援専門員と共同して指導を行った場合に算定します。算定回数は入院中2回までです。介護支援等連携指導料2(500点) は、今回新設される上位区分です。入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者が対象となります。患者の同意を得て、入退院支援及び地域連携業務を担う部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員または相談支援専門員と共同して指導を行った場合に算定します。こちらも算定回数は入院中2回までです。指導料1と指導料2の違い:3つの要件が異なる介護支援等連携指導料1と指導料2には、主に3つの違いがあります。1つ目の違いは、対象病棟の限定の有無です。 指導料1には対象病棟の限定がありません。一方、指導料2は入退院支援加算1の届出を行っている病棟に入院中の患者に限定されます。2つ目の違いは、指導を行う担当者の範囲です。 指導料1では、医師または医師の指示を受けた看護師・社会福祉士等が指導を行います。一方、指導料2では、入退院支援及び地域連携業務を担う部門の担当者が指導を行います。3つ目の違いは、連携する介護支援専門員等との関係性です。 指導料1には、連携相手との事前の関係性に関する要件がありません。一方、指導料2では、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して指導を行うことが求められます。算定上の注意点:併算定の制限がある介護支援等連携指導料の算定にあたっては、いくつかの制限があります。同一入院中に指導料1を算定した場合、指導料2は算定できません。つまり、1回の入院で指導料1と指導料2を併算定することはできず、いずれか一方のみの算定となります。また、指導料1・指導料2のいずれも、退院時共同指導料2(B005)の注3に掲げる加算(介護支援専門員等と共同して指導を行った場合の加算)と同一日に算定することはできません。この制限は従来と同様です。まとめ令和8年度診療報酬改定では、介護支援等連携指導料が2区分に再編されます。従来の内容は「指導料1」(400点)として継続し、新たに「指導料2」(500点)が新設されます。指導料2は、入退院支援加算1の届出病棟において、入退院支援部門の担当者が平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して指導を行った場合に算定できます。入退院支援加算1を届出している医療機関では、介護支援専門員等との平時からの連携体制を整備し、上位区分の算定を検討する価値があるといえます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】入退院支援加算等の見直し7つのポイントを徹底解説

【令和8年度改定】入退院支援加算等の見直し7つのポイントを徹底解説

Apr 4, 2026 05:40 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、入退院支援において「関係機関との連携」「生活に配慮した支援」「入院前からの支援」を強化する観点から、入退院支援加算等の評価や要件が見直されます。この見直しは、2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携と、地域包括ケアシステムの推進を目的とする「円滑な入退院の実現」の一環です。今回の見直しは、大きく7つの項目で構成されます。第1に、地域包括医療病棟等における入退院支援加算1の点数が新設・引上げされます。第2に、地域連携診療計画加算に検査・画像情報提供の加算(200点)が新設されます。第3に、介護保険施設等への誘導による金品収受の禁止が施設基準に追加されます。第4に、退院困難な要因が拡大されます。第5に、入院患者への面会に関する規定が新設されます。第6に、入退院支援加算と精神科入退院支援加算の専従職員の兼務が明記されます。第7に、医療保護入院等診療料に多職種退院支援の評価が新設されます。地域包括医療病棟等における入退院支援加算1の点数新設入退院支援加算1に、地域包括医療病棟入院料・回復期リハビリテーション病棟入院料・地域包括ケア病棟入院料を対象とした新たな点数区分が設けられます。従来、入退院支援加算1の点数は「一般病棟入院基本料等の場合(700点)」と「療養病棟入院基本料等の場合(1,300点)」の2区分でした。今回の改定では、この2区分の間に「地域包括医療病棟入院料、回復期リハビリテーション病棟入院料及び地域包括ケア病棟入院料の場合(1,000点)」が新設されます。この新設の背景には、これらの病棟に入院する高齢患者の特性があります。地域包括医療病棟や地域包括ケア病棟では、「入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要」といった、特に人手や時間を要する患者の割合が多い傾向にあります。こうした入退院支援の負担を適切に評価するため、一般病棟よりも高い1,000点の点数が設定されました。地域連携診療計画加算における検査・画像情報提供加算の新設地域連携診療計画加算を算定する患者について、検査・画像情報を添付して情報提供を行った場合に200点が加算されます。具体的には、入退院支援加算の注5として新たな規定が設けられます。地域連携診療計画加算(注4)を算定する患者について、患者の同意を得た上で、退院後の治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報等を添付して、別の保険医療機関、精神障害者施設、介護老人保健施設または介護医療院に情報提供した場合に、200点が加算されます。この加算が新設された理由は、従来の制度上の課題にあります。地域連携診療計画加算を算定する場合、退院時診療状況添付加算や検査・画像情報提供加算との併算定ができませんでした。そのため、検査結果や画像情報に係る加算が算定できず、情報提供のインセンティブが十分でなかったのです。今回の新設により、地域で必要な情報が適切に連携され、質の高い診療が継続されることが期待されます。介護保険施設等への誘導による金品収受禁止の施設基準への追加入退院支援加算の施設基準に、退院患者を特定の介護保険施設等へ誘導して金品等を収受していないことが追加されます。この規定は、入退院支援加算1・2・3のすべてに適用されます。具体的には、「退院患者を特定の介護保険施設等へ誘導することによって、当該介護施設等から金品その他の財産上の利益を収受していないこと」が施設基準として明記されます。この規定の趣旨は、患者本位の入退院支援の実現にあります。退院先となる介護施設等から金品を受け取ることは、患者にとって最適な退院先の選定を妨げるおそれがあります。そのため、金品収受の禁止を施設基準として明確に位置づけることで、公正な退院支援の確保が図られます。退院困難な要因の拡大入退院支援加算の算定対象となる患者の「退院困難な要因」に、2つの項目が追加されます。1つ目は、要介護認定の区分変更に関する要因の拡大です。従来は「要介護認定が未申請」または「要支援認定が未申請」のみが対象でした。改定後は、これに加えて「現に認定を受けているが、認定を受けている要介護状態区分もしくは要支援状態区分以外の区分に該当する疑いがあるが変更の申請がされていないこと」も対象となります。この拡大により、入院によって状態が変化し、現在の要介護度が実態と合わなくなった患者も退院困難な要因として抽出できるようになります。2つ目は、家族との連絡困難に関する新たな要因です。「患者の意思決定支援及び退院後の生活に向けた調整を行うにあたって、家族及び親族との連絡が困難であること」が、退院困難な要因として新たに追加されます(タ号)。身寄りがない、または家族との関係が途絶えている患者の退院支援には、通常以上の調整が必要です。この追加により、こうした患者を早期に抽出し、適切な支援につなげることが可能になります。入院患者への面会に関する規定の新設入院基本料等の通則および入退院支援加算の施設基準に、入院中の患者への家族等による面会を妨げないよう求める規定が新設されます。入院基本料等の通則では、「感染対策等の正当な理由なく面会を妨げないよう、面会に係る規定を策定する等の配慮をすることが望ましい」とする努力規定が設けられます。入退院支援加算の施設基準では、より具体的な規定が設けられます。面会は患者の療養生活の質の向上や尊厳の保持に資するだけでなく、円滑な退院支援を行う上でも重要であるとされています。そのため、感染対策等の正当な理由なく面会を妨げてはならないこと、やむを得ず面会を制限する場合でも必要以上に厳格にならないよう配慮すること、面会に関する規定を策定して定期的に見直すこと、患者や家族に規定内容を十分に周知すること、が求められます。この規定は、入退院支援加算1・2・3のすべてに適用されます。入退院支援加算と精神科入退院支援加算の専従職員の兼務明記入退院支援加算と精神科入退院支援加算の双方を届け出る場合、同一の入退院支援部門であれば、専従職員が双方の業務を兼務できることが明記されます。具体的には、精神科入退院支援加算の施設基準において、以下の2点が追加されます。第1に、入退院支援加算および精神科入退院支援加算の入退院支援部門の専従または専任の看護師は、双方を兼務できます。第2に、入退院支援部門に専従または専任の精神保健福祉士が社会福祉士の資格も持つ場合、入退院支援加算に係る専従または専任の社会福祉士を兼務できます。この明記により、限られた人員で両方の加算を効率的に運営できるようになります。従来は兼務の可否が明確でなかったため、人員確保が課題となっていた医療機関にとって、実務上の大きな改善となります。医療保護入院等診療料における多職種退院支援の評価の新設医療保護入院等診療料に、多職種による退院支援を評価する「医療保護入院等診療料2(400点)」が新設されます。従来の医療保護入院等診療料は、精神保健指定医が治療計画を策定し治療管理を行った場合に、患者1人につき1回のみ300点を算定する仕組みでした。改定後は、従来の評価が「医療保護入院等診療料1(300点)」として位置づけられます。新設される医療保護入院等診療料2(400点)は、医療保護入院等診療料1を算定した患者に対して、多職種で退院支援を行った場合に算定できます。算定の頻度は、入院日から6月までの間は3月に1回、6月以降は6月に1回です。この新設により、医療保護入院患者に対する継続的かつ多職種による退院支援が、診療報酬上で適切に評価されるようになります。まとめ令和8年度診療報酬改定における入退院支援加算等の見直しは、7つの項目から構成されます。地域包括医療病棟等の点数新設(1,000点)により、包括期病棟における入退院支援の負担が適切に評価されます。地域連携診療計画加算への検査・画像情報提供加算(200点)の新設により、退院時の情報連携が促進されます。金品収受禁止の施設基準への追加により、公正な退院支援が確保されます。退院困難な要因の拡大により、支援が必要な患者をより幅広く抽出できます。面会に関する規定の新設により、患者の療養生活の質と退院支援の円滑化が図られます。専従職員の兼務の明記により、人員配置の効率化が可能になります。医療保護入院等診療料2の新設により、精神科における多職種退院支援が適切に評価されます。各医療機関は、これらの改定内容を踏まえ、施設基準や算定要件への対応を計画的に進める必要があります。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】後方支援の評価が3つ変わる|カンファ緩和・新加算・初期加算見直し

【令和8年度改定】後方支援の評価が3つ変わる|カンファ緩和・新加算・初期加算見直し

Apr 3, 2026 05:31 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援(緊急入院等)を担う医療機関の評価が見直されます。高齢者救急の増加と地域包括ケアシステムの推進を背景に、協力医療機関や包括期病棟が後方支援を担う体制と実績をより適切に評価することが、今回の改定の目的です。見直しの内容は3つあります。第1に、協力医療機関と協力対象施設が行うカンファレンスの頻度要件が大幅に緩和されます。第2に、200床未満の中小病院が後方支援を担う体制と実績を評価する「包括期充実体制加算」(1日80点)が新設されます。第3に、地域包括ケア病棟の在宅患者支援病床初期加算について、対象患者の拡大と点数のメリハリ化、包括範囲の見直しが行われます。① カンファレンス頻度の大幅緩和——月1回から年3回へ協力医療機関と介護保険施設等が行うカンファレンスの頻度要件が大幅に緩和されます。現行の頻回なカンファレンス要件が届出の障壁となっていたことを受け、実効性のある連携関係を保ちながら業務効率化を図る見直しです。この見直しは、協力対象施設入所者入院加算と介護保険施設等連携往診加算の2つの加算に共通する施設基準の変更です。ICTによる情報共有を行う場合、カンファレンス頻度は現行の年3回以上から年1回以上に緩和されます。ICTを通じて日常的に情報を共有できている場合、対面等でのカンファレンスは年1回で足りることになります。ICTによる情報共有を行わない場合、カンファレンス頻度は現行の月1回以上から原則年3回以上に緩和されます。さらに、一定の実績(年2件以上の入院受入れまたは往診)がある場合は、カンファレンスは年1回以上で足りることとされます。カンファレンスの実施方法についても柔軟化が図られます。入退院支援加算1における連携機関とのカンファレンスと兼ねることが新たに認められ、既存のカンファレンスと統合することで業務負担をさらに軽減できます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】協力医療機関のカンファレンス頻度が大幅緩和|月1回→年3回へ② 包括期充実体制加算(80点)の新設——200床未満病院の後方支援を評価在宅医療や介護保険施設の後方支援を充実させるため、包括期入院医療に「包括期充実体制加算」が新設されます。急性期病院一般入院料・急性期一般入院基本料(A100)の病棟を持たない200床未満の中小病院が、地域包括医療病棟または地域包括ケア病棟で後方支援を担う体制と実績を評価する加算です。加算の点数は1日につき80点で、入院日から14日間を限度に算定できます。14日間すべて算定した場合、1入院あたり最大1,120点の増収となります。対象医療機関の要件は3つあります。1つ目は、許可病床数が200床未満(医療資源の少ない地域では280床未満)であることです。2つ目は、救急医療もしくは下り搬送を受け入れる体制を有していることです。3つ目は、A100の病棟を有しない病院であることです。施設基準は、「病院の規模・病棟構成」「後方支援の体制と実績」「入退院支援加算1の届出」の3つの柱で構成されています。地域に密着した中小病院が後方支援を担う実態を、体制と実績の両面から評価する趣旨で設けられた加算です。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】包括期充実体制加算(80点)を新設|200床未満病院の後方支援評価③ 地域包括ケア病棟の初期加算等の見直し——3つの変更ポイント地域包括ケア病棟における在宅医療や協力対象施設の後方支援機能をより高く評価する観点から、初期加算等の見直しが行われます。見直しは、在宅患者支援病床初期加算の対象患者の範囲、点数の評価体系、退院支援に係る包括範囲の3点に及びます。在宅患者支援病床初期加算①の対象が「救急搬送された患者」から「緊急入院した患者」に拡大されます。この変更により、救急車による搬送以外の緊急入院(在宅療養中の患者の直接来院や介護保険施設からの救急搬送によらない緊急入院など)も、高い点数の対象に含まれます。点数体系はメリハリのある評価に変わります。介護老人保健施設からの入院では、緊急入院した患者は580点→590点に引き上げられる一方、それ以外の患者は480点→410点に引き下げられます。介護医療院・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム等または自宅からの入院でも同様に、緊急入院した患者は480点→490点に引き上げられ、それ以外の患者は380点→310点に引き下げられます。退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料が包括範囲から除外されます。これにより、地域包括ケア病棟においてもこれらの指導料(各400点)を別途算定できるようになり、退院支援の取り組みへのインセンティブが強化されます。▶ 詳しくはこちら:【令和8年度改定】地域包括ケア病棟の初期加算が変わる|3つの見直しポイントを解説まとめ令和8年度診療報酬改定では、在宅療養患者や介護保険施設等入所者の後方支援を担う医療機関の評価が3つの観点から見直されます。協力医療機関のカンファレンス頻度は月1回から原則年3回に大幅緩和され、届出のハードルが下がります。200床未満の中小病院には包括期充実体制加算(1日80点・14日間)が新設され、後方支援の体制と実績が新たに評価されます。地域包括ケア病棟の初期加算は、対象の拡大・点数のメリハリ化・包括除外の3点で見直され、後方支援機能と退院支援の充実が図られます。これらの改定は、在支病・在支診・後方支援病院や地域包括ケア病棟を有する医療機関にとって、体制整備と届出準備を進めるべき重要な変更です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】地域包括ケア病棟の初期加算が変わる|3つの見直しポイントを解説

【令和8年度改定】地域包括ケア病棟の初期加算が変わる|3つの見直しポイントを解説

Apr 2, 2026 06:21 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、地域包括ケア病棟における在宅医療や協力対象施設の後方支援機能をより高く評価する観点から、初期加算等の見直しが行われます。今回の見直しは、在宅患者支援病床初期加算の対象患者の範囲、点数の評価体系、そして退院支援に係る包括範囲の3点に及びます。見直しの内容は、大きく3つです。第1に、在宅患者支援病床初期加算の①の対象が「救急搬送された患者」から「緊急入院した患者」に拡大されます。第2に、緊急入院した患者の点数が引き上げられる一方、それ以外の患者の点数は引き下げられ、メリハリのある評価体系に変わります。第3に、退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料が包括範囲から除外され、別途算定が可能になります。在宅患者支援病床初期加算の対象が「緊急入院」に拡大今回の改定で最も大きな変更は、在宅患者支援病床初期加算の①の対象患者の範囲が広がることです。従来は「救急搬送された患者」または「他の保険医療機関で救急患者連携搬送料(C004-2)を算定し搬送された患者であって、入院初日から当該病棟に入院した患者」に限られていました。改定後は、この要件が「緊急入院した患者」に変更されます。この変更により、救急車による搬送以外の緊急入院も、高い点数の対象に含まれるようになります。たとえば、在宅療養中の患者が病状の急変により医療機関に直接来院して緊急入院した場合や、介護保険施設から救急搬送によらずに緊急入院した場合も、①の区分で算定できるようになります。地域包括ケア病棟が担う後方支援の実態に即した見直しといえます。点数はメリハリのある評価体系に変更点数体系も見直されます。緊急入院した患者には手厚い評価が行われる一方、それ以外の患者の点数は引き下げられます。介護老人保健施設から入院した患者の場合、緊急入院した患者は590点(現行580点、+10点)、それ以外の患者は410点(現行480点、▲70点)に変更されます。介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等または自宅から入院した患者の場合も同様に、緊急入院した患者は490点(現行480点、+10点)、それ以外の患者は310点(現行380点、▲70点)に変更されます。この点数設定は、急性期患者支援病床初期加算の評価体系を参考にしたものです。緊急入院を受け入れる際の医療機関の負担をより適切に評価するとともに、後方支援機能の強化を促す狙いがあります。なお、意思決定支援の実施は引き続き算定要件として維持されます。退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料が包括範囲から除外3つ目の見直しは、包括範囲の変更です。地域包括ケア病棟入院料の包括範囲から、B005退院時共同指導料2とB005-1-2介護支援等連携指導料が除外されます。退院時共同指導料2(400点)は、入院中の患者に対して退院後の療養上必要な説明・指導を多職種が共同で行った場合に算定するものです。介護支援等連携指導料(400点)は、入院中の患者に対してケアマネジャー等と連携して退院後の介護サービス等について指導を行った場合に算定するものです。これらが包括範囲から除外されることで、地域包括ケア病棟においても別途算定が可能になります。この見直しの背景には、地域包括ケア病棟における退院支援の充実を図る意図があります。在宅復帰を促進するためには、退院時の多職種連携やケアマネジャーとの連携が欠かせません。これらの指導料を別途算定可能とすることで、退院支援に係る取り組みへのインセンティブが強化されます。まとめ令和8年度診療報酬改定における地域包括ケア病棟の初期加算等の見直しは、後方支援機能の強化と退院支援の充実を目指すものです。在宅患者支援病床初期加算は、対象を「救急搬送」から「緊急入院」に拡大し、緊急入院患者への評価を手厚くする一方で、それ以外の患者の点数を引き下げるメリハリのある体系に変わります。さらに、退院時共同指導料2と介護支援等連携指導料の包括除外により、退院支援の取り組みが促進されます。地域包括ケア病棟を有する医療機関は、これらの変更点を踏まえた体制整備と算定対応が求められます。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】包括期充実体制加算(80点)を新設|200床未満病院の後方支援評価

【令和8年度改定】包括期充実体制加算(80点)を新設|200床未満病院の後方支援評価

Apr 1, 2026 05:52 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、在宅医療や介護保険施設の後方支援を充実させるため、包括期入院医療に新たな加算が設けられました。この加算は、許可病床数200床未満で、救急医療や下り搬送を受け入れる体制を有し、急性期病院一般入院料・急性期一般入院基本料(A100)の病棟を持たない中小病院が対象です。こうした医療機関が地域包括医療病棟または地域包括ケア病棟で後方支援を担う体制と実績を、本加算で評価します。本稿では、この「包括期充実体制加算」の内容を解説します。包括期充実体制加算の要点は3つあります。第一に、加算の点数は1日につき80点で、入院日から14日間を限度に算定できます。第二に、対象となる医療機関は、許可病床数200床未満かつA100の病棟を有しない病院で、救急医療または下り搬送の受入体制を有する病院に限定されます。第三に、在宅医療や介護保険施設の後方支援について、十分な体制と実績の両方が施設基準として求められます。加算の概要:1日80点・14日間が上限包括期充実体制加算は、1日につき80点を算定できる新設の加算です。算定期間は、入院した日から起算して14日間を限度とします。14日間すべて算定した場合、1入院あたり最大1,120点の増収となります。この加算の対象患者は、地域包括医療病棟入院料または地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を算定する病室を含む)を算定している患者です。算定要件上、第3節の特定入院料のうち包括期充実体制加算を算定できるものを現に算定している患者に限られる点に注意が必要です。対象医療機関の要件:200床未満・救急等の受入体制・A100病棟なし対象医療機関の要件は、病床規模、受入体制、病棟構成の3点で定められています。病床規模については、許可病床数が200床未満であることが必要です。ただし、基本診療料の施設基準等別表第六の二に掲げる地域(医療資源の少ない地域)に所在する医療機関は、280床未満に緩和されます。受入体制については、救急医療もしくは下り搬送を受け入れる体制を有していることが求められます。この要件により、本加算は単に病床規模が小さいだけでなく、地域で実際に救急や下り搬送の受け皿として機能している病院を対象としています。病棟構成については、区分番号A100に掲げる急性期病院一般入院料および急性期一般入院基本料を算定する病棟を有しない病院であることが求められます。なお、ここで除外されるのはA100の病棟に限られ、それ以外の入院料を算定する病棟(特定機能病院の入院基本料など)は対象外とはなりません。これらの要件は、大規模な急性期病院ではなく、地域に密着した中小病院が後方支援を担う実態を評価する趣旨で設けられています。施設基準の全体像:体制・実績・入退院支援の3つの柱施設基準は6つの要件で構成されており、大きく「病院の規模・病棟構成」「後方支援の体制と実績」「入退院支援体制」の3つの柱に整理できます。「病院の規模・病棟構成」に関する要件は3つあります。1つ目は、許可病床数が200床未満(医療資源の少ない地域では280床未満)の病院であることです。2つ目は、地域包括医療病棟入院料(A304)または地域包括ケア病棟入院料(A308-3)を算定する病棟を有することです。3つ目は、急性期病院一般入院料および急性期一般入院基本料(A100)を算定する病棟を有しないことです。「後方支援の体制と実績」に関する要件は2つあります。1つ目は、地域において高齢者の救急患者を受け入れ、在宅医療や介護保険施設等の後方支援を担うに十分な体制が整備されていることです。2つ目は、在宅医療や介護保険施設等の後方支援に係る実績を十分に有していることです。「入退院支援体制」に関する要件は、入退院支援加算1の届出を行っている医療機関であることです。入退院支援加算1は、退院困難な要因を有する患者に対し、入院早期から退院支援を行う体制を評価するものであり、後方支援を担う医療機関に欠かせない機能として位置づけられています。改定の背景:包括期病棟による後方支援機能の強化今回の加算新設の背景には、高齢者救急の増加と地域包括ケアシステムの推進があります。個別改定項目の「基本的な考え方」では、高齢者救急、在宅医療および介護保険施設の後方支援を更に充実させる観点から、地域包括医療病棟入院料および地域包括ケア病棟入院料について、これらの体制および一定の実績を持つ医療機関を更に評価するとされています。こうした後方支援機能を包括期病棟で担う中小病院の役割は、従来の診療報酬体系では十分に評価されていませんでした。包括期充実体制加算は、体制と実績の両面からこの後方支援機能を評価し、地域における包括期入院医療の充実を図るために新設されたものです。まとめ包括期充実体制加算は、許可病床数200床未満で救急医療や下り搬送の受入体制を有し、A100の病棟を持たない中小病院を対象に、在宅医療・介護保険施設の後方支援体制と実績を評価する新設の加算です。1日80点を入院から14日間算定でき、施設基準として病院の規模・病棟構成、後方支援の体制と実績、入退院支援加算1の届出が求められます。算定にあたっては、対象となる特定入院料を現に算定している患者であることが条件となります。該当する医療機関は、施設基準の詳細を確認のうえ、届出の準備を進めてください。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

【令和8年度改定】協力医療機関のカンファレンス頻度が大幅緩和|月1回→年3回へ

【令和8年度改定】協力医療機関のカンファレンス頻度が大幅緩和|月1回→年3回へ

Mar 31, 2026 06:20 岡大徳

令和8年度診療報酬改定では、協力医療機関と介護保険施設等が行うカンファレンスの頻度要件が大幅に緩和されます。この見直しは、協力対象施設入所者入院加算と介護保険施設等連携往診加算の2つの加算に共通する施設基準の変更です。背景には、現行の頻回なカンファレンス実施が医療現場の負担となっており、届出が進まないという課題がありました。今回の改定は、実効性のある連携関係を保ちながら業務効率化を図ることを目的としています。見直しのポイントは3つあります。第一に、ICTによる情報共有を行う場合のカンファレンス頻度が、現行の年3回以上から年1回以上に緩和されます。第二に、ICTによる情報共有を行わない場合の頻度が、現行の月1回以上から原則年3回以上に緩和されます。第三に、カンファレンスを入退院支援加算1の連携機関とのカンファレンスと兼ねることが可能になります。改定の背景:頻回なカンファレンスが届出の障壁に今回の見直しの背景には、現行のカンファレンス要件が医療機関の届出を妨げているという実態があります。令和6年度診療報酬改定では、介護保険施設等の入所者の病状急変時に備えた後方支援体制を強化するため、協力対象施設入所者入院加算と介護保険施設等連携往診加算が設けられました。これらの加算では、協力医療機関と介護保険施設等が平時から情報共有を行うことが施設基準として求められています。この施設基準のうち、カンファレンスの頻度要件は、ICTを活用する場合で年3回以上、ICTを活用しない場合で月1回以上と定められていました。しかし、令和6年度改定の結果検証に係る特別調査では、カンファレンスの頻回な実施やICTの整備が困難であるという意見が寄せられ、加算の届出が伸び悩んでいることが明らかになりました。こうした現場の声を受けて、今回の改定では、実効性のある連携関係を維持しつつ業務効率化を図る観点から、カンファレンス頻度の大幅な緩和が行われます。変更点①:ICTによる情報共有ありの場合——年3回から年1回へICTを活用して情報共有を行う場合のカンファレンス頻度は、現行の年3回以上から年1回以上に緩和されます。この要件を満たすには、2つの条件を両方クリアする必要があります。1つ目は、入所者の診療情報と病状急変時の対応方針を、あらかじめ患者の同意を得たうえで介護保険施設等から協力医療機関に提供し、協力医療機関の保険医がICTを活用して常時確認可能な体制を有していることです。2つ目は、介護保険施設等と協力医療機関が、入所者の病状急変時の対応方針等を共有するためのカンファレンスを年1回以上実施することです。現行では、ICTによる常時確認体制を整備したうえで年3回以上のカンファレンスが必要でした。改定後は、ICTを通じて日常的に情報を共有できている場合、対面等でのカンファレンスは年1回で足りることになります。変更点②:ICTによる情報共有なしの場合——月1回から原則年3回へICTを活用しない場合のカンファレンス頻度は、現行の月1回以上から原則年3回以上に大幅に緩和されます。改定後の要件では、介護保険施設等と協力医療機関が、入所者の病状急変時の対応方針等を共有するためのカンファレンスを年3回以上実施することが求められます。さらに、一定の実績がある場合はカンファレンスの頻度がさらに軽減されます。具体的には、協力対象施設入所者入院加算では当該施設から年2件以上の入院を受け入れた場合、介護保険施設等連携往診加算では年2件以上の往診を行った場合に、カンファレンスは年1回以上で足りることとされます。この実績要件による軽減が認められる場合には、加算ごとに求められる情報共有の条件が異なります。協力対象施設入所者入院加算では、入退院に際して施設職員と入所者の急変時の対応方針および入院依頼時の連絡方法等について適切な情報共有を行うことが条件です。介護保険施設等連携往診加算では、往診に際して施設職員と入所者の急変時の対応方針および往診依頼時の連絡方法等について適切な情報共有を行うことが条件です。変更点③:カンファレンスの実施方法の柔軟化カンファレンスの実施方法についても、柔軟な取扱いが新たに規定されます。ビデオ通話による実施は、現行と同様に引き続き認められます。この点は従来から変更はありません。入退院支援加算1の連携機関とのカンファレンスとの兼用は、今回新設される規定です。協力対象施設入所者入院加算と介護保険施設等連携往診加算のいずれについても、カンファレンスが入退院支援加算1における連携機関とのカンファレンスを兼ねることが認められます。すでに入退院支援加算1の届出をしている医療機関にとっては、既存のカンファレンスと統合することで、業務負担をさらに軽減できます。対象となる2つの加算の整理今回の見直しは、以下の2つの加算の施設基準に共通して適用されます。協力対象施設入所者入院加算は、介護保険施設等の入所者が病状急変で入院が必要となった際、協力医療機関が入院を受け入れた場合に入院初日に算定する加算です。往診が行われた場合は600点、それ以外の場合は200点が算定されます。介護保険施設等連携往診加算は、介護保険施設等の入所者が病状急変した際、協力医療機関の医師が往診を行った場合に算定する加算です。200点が算定されます。いずれの加算も、対象となる医療機関は在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院、および地域包括ケア病棟入院料の届出を行っている病棟・病室を有する病院です。まとめ令和8年度診療報酬改定により、協力医療機関と介護保険施設等が行うカンファレンスの頻度要件が大幅に緩和されます。ICTによる情報共有を行う場合は年3回以上から年1回以上に、ICTによる情報共有を行わない場合は月1回以上から原則年3回以上に変更されます。加えて、入退院支援加算1のカンファレンスとの兼用も認められ、業務効率化が図られます。協力対象施設入所者入院加算や介護保険施設等連携往診加算の届出を検討している医療機関にとっては、施設基準のハードルが下がる重要な改定です。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

AkiのAI「と」ゼロから学ぶラジオ

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