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2025-10-25 07:20

人口減少時代の医療経営:2060年までの日本の課題と解決策を徹底解説

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全日本病院協会の神野正博会長が解説するYouTube動画「医療のトリセツ 第3回」では、日本の人口が2060年まで継続的に減少していく現実が示されています。この人口減少は国内産業の需要減少を引き起こし、医療分野においても患者数の減少という大きな変化をもたらします。従来のデフレ経済下で成功した「薄利多売」のビジネスモデルは、縮小する社会構造の中では通用しなくなります。本動画の目的は、社会保障・人口問題研究所のデータをもとに日本の将来推計を明らかにし、医療機関が直面する経営課題とその解決策を提示することです。

神野会長は2060年までの人口推移グラフから3つの重要なメッセージを導き出しています。日本の人口は今後継続的に減少し、国内向け産業の需要が縮小していきます。この縮小社会では統合・集約化、撤退、業態変更、新市場開拓といった新たな経営戦略が全ての業界で必要になります。課題解決策として、生産性向上、シニアや女性の活躍促進、外国人労働者やロボットの活用が提案され、最終的には「全員参加型社会」の実現が重要だと結論づけています。

日本の人口推移が示す医療需要の構造変化

日本の人口は2060年まで減少トレンドが続き、この変化は医療機関の経営に直接的な影響を与えます。社会保障・人口問題研究所が公表したデータによれば、日本の総人口は2060年まで継続的に減少し、国内向け産業の需要が縮小していきます。

人口減少は医療分野において患者数の減少という形で現れます。これまで人口増加を前提に構築されてきた医療提供体制は、根本的な見直しを迫られています。神野会長は「国内向けの産業の需要が減ってくる。我々医療にとりましても患者さんが減ってくる」と指摘し、医療機関の経営戦略を大きく転換する必要性を強調しています。

神野会長が示すグラフでは、生産年齢人口の減少が明らかになっています。この生産年齢人口の減少は医療従事者の確保を困難にします。この構造変化に対応するため、医療機関は従来とは異なる視点での経営判断が求められます。

縮小社会における医療経営戦略の転換点

縮小する社会構造の中では、過去の成功モデルにとらわれない新たな経営戦略が必要です。神野会長は「これから薄利多売という以前はデフレの中でそういった経済がありました。人口増加の中で薄利多売というものがあったわけですけれども、これからはどうもそれも難しくなるのではないのかな」と述べ、従来のビジネスモデルの限界を指摘しています。

神野会長は医療機関が検討すべき経営戦略として、統合・集約化、撤退、業態変更、新市場開拓の4つを挙げています。統合・集約化により、限られた医療資源をより効率的に活用することが考えられます。撤退という選択肢は、経営資源を重点分野に集中させる戦略として位置づけられます。

業態変更と新市場開拓も重要な選択肢として提示されています。神野会長は「社会の構造は縮みつつあるということを私たちは認識する必要があります。イコール過去の成功モデルにとらわれない経営というものが必要なのではないでしょうか」と述べ、柔軟な経営判断の重要性を強調しています。

人口減少社会を乗り越える5つの実践的解決策

生産性向上は人口減少社会における最優先課題です。神野会長は「生産年齢人口と呼ばれている若者の方々が減る。だけど少ない人数で多い時と同じことができる。これを生産性の向上というわけであります」と説明し、少ない人数で従来と同等以上の成果を出す必要性を強調しています。

シニア層の活用は労働力確保の重要な解決策として位置づけられています。神野会長は「例えばこのグラフの中で65歳から75歳といった方々が下の生産年齢に入るならば、まだまだ労働力はいるわけであります」と指摘し、シニア層が労働力として重要な役割を果たすことを示しています。

女性活躍の推進は医療介護分野で特に重要な課題です。神野会長は「今たくさんの女性が活躍しております。特に医療介護の現場ではたくさんの女性が活躍しているわけであります」と現状を説明した上で、出産・子育て期間中の就業継続の課題を提起しています。

パートタイム労働者の生産性向上について、神野会長は「例えば出産、子育てで少し仕事を制限しなきゃいけないといった時期でも、例えばパートタイムだけどフルタイムと同じ仕事ができるように生産性を上げたらいいかがでしょうか」と提案しています。パートタイムでもフルタイムと同等の成果を出せる仕組みを構築することで、女性が働き続けやすい環境が実現します。

パートタイム労働者を効果的に組み合わせる「モザイク型」の働き方も解決策として提示されています。神野会長は「あるいはパートタイムの方をモザイクのように組み合わせることで、フルタイムの方と同じ仕事をしていただくということもあるのかなというふうに思います」と述べ、複数のパートタイム労働者を組み合わせてフルタイム労働者と同じ業務をカバーする働き方を提案しています。

外国人労働者とロボットの活用は、労働力不足を補完する解決策として挙げられています。神野会長は「そして外国人、ロボットにお願いするということがあるのかなと思います」と述べ、これらを労働力確保の選択肢として示しています。

全員参加型社会の実現に向けて

神野会長は人口減少社会を乗り越える鍵として「必要なのは全員参加全員社会参加であります」と強調しています。シニア、女性、外国人、そしてロボットも含めた全ての労働力を最大限に活用することで、縮小する社会でも持続可能な医療提供体制を維持できます。医療機関は今こそ、従来の経営モデルから脱却し、新たな戦略に基づく改革を実行する時期に来ています。



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サマリー

日本の人口が減少する中、2060年に向けた医療システムの再構築が求められています。特に、生産年齢人口の減少への対応とテクノロジーの活用が重要であると強調されています。

人口減少と医療の課題
こんにちは。今日はですね、日本の未来、特に2060年を見据えた時、人口がこう減り続ける中で、医療システムってどうなっていくんだろうと、その結構大きな課題と、じゃあどうすればいいのかっていう解決策、この辺りを深掘りしていきたいと思います。
手元にあるのは、全日本病院協会の上野政宏会長のお話がまとめられた記事と、あとYouTubeの医療の取説っていう、これまた関連する情報源ですね。今回はこれらの資料をもとに、人口の動きが医療の経営にどう影響して、どんな戦略とか解決策が考えられているのか、その確信の部分に迫っていきたいなと思っています。
さて早速ですけど、まずやっぱり避けて通れないのは、日本の人口が2060年まで減り続けるっていうこの予測ですよね。社会保障人口問題研究会のデータが示している通りで、これは単に患者さんが減るっていう話だけじゃなくて、もう国内の産業全体で事業が小さくなっていくっていうことなんですよね。
そうですね。そして、医療分野にとって特に厳しいのは、患者さんの数が減るのと、同時に生産年齢人口、つまり働き手自体も減ってしまうっていうこの二重の課題がある点なんです。これまでの人口が増えることを前提にしてきた、規模をどんどん大きくしていくような医療モデルっていうのは、これはもう成り立たなくなってくる。
これはもうシステム全体の根本的な見直しを迫る、まさにパラダイムシフトと言える状況だと思いますね。
なるほど。パラダイムシフトですか。確かに資料でも上野会長が、かつてのデフレ期とか人口増の時に有効だった薄利高いみたいなそういう成長モデルはもう通用しないんだと指摘されてますね。じゃあ具体的にはどんな方向転換が示唆されてるんでしょうか。
資料が示している戦略としては大きく4つですね。まず1つ目統合集約化、それから2つ目撤退、3つ目業態変更、そして4つ目新市場開拓。
要するに縮小していく国内の需要に合わせて、医療を提供する体制そのものをもっと効率的でコンパクトな形に再編成していく必要があるということですね。
例えば病院同士がもっと連携を深めたり、あるいは特定の機能を集約したり、そういった動きがこれから加速していくかもしれません。
協議体制の再編ですか。なるほど。それに加えてもう一つの大きな課題、働き手が足りなくなるという問題への対策も結構具体的に示されてますよね。
ここが個人的には非常に興味深いなと思ったんですが、全員参加型社会っていうのがどうもキーワードになっているようです。
その通りですね。少ない人数でどうやって医療を守っていくのかと。そのためにあらゆる力を結集していく必要があるという考え方です。
具体的には、まず何よりも生産性の向上が不可欠だと。ここでDX、デジタルトランスフォーメーション、それからAI、人工知能、ICT、情報通信技術、こういったテクノロジーの活用がもう鍵になってくるとされています。
なるほど。テクノロジーで効率を上げていくということですね。
さらに、これまで以上にもっと多様な人材の活用が求められるようになります。
例えば、経験豊富なシニア層、具体的には65歳から75歳くらいの方々にももっと力を発揮してもらうこと。
それから、女性が出産とか育児といったライフイベントを経ても働き続けられるような環境を整えること。
資料ではですね、パートタイムで働く方々がチームとして連携して、まるでフルタイムのような働きを可能にするモザイク型という働き方、これについても触れられているんですね。
これは個々の時間をパズルのピースみたいに組み合わせて組織全体の業務をカバーしていく、そんなイメージでしょうか。
へー、モザイク型ですか。それは面白い発想ですね。パートタイムの方々の力を最大限に生かすと。
戦略と未来の医療
はい、そして外国人労働者の方々の力であったり、あるいはロボット技術の活用、こういったものも視野に入れる必要があるとされています。
これら全てを組み合わせていくことで全員参加を実現して、労働力不足を乗り越えようというわけですね。
これは単なり人手不足対策というだけじゃなくて、働き方改革とか、あるいは健康寿命を伸ばすといった社会全体の目標とも深く連動している話なんです。
うーん、これだけのかなり大きな変化が提案されているわけですが、これらが、じゃあこれを聞いているあなたにとって一体どういう意味を持つんでしょうか。
そうですね、これは将来あなたが患者として医療サービスを受けるときに、あるいはもしかしたら医療に関わる仕事をする際にですね、これまでとは多分全く異なるシステムに接することになる可能性が高いということです。
病院の在り方とか、医師や看護師さんとの関わり方、利用できるテクノロジーなんかもどんどん変わっていくでしょうね。
この変化の方向性をあらかじめ知っておくことというのは、今後の医療との付き合い方を考える上で非常に重要になってくると思います。
そして、これは実は医療だけの話ではなくて、日本の社会全体のこう縮小とそれに伴う変革の動きを映し出しているとも言えるんですね。
なるほど、今回は人口減少という日本の厳しい現実に対して、医療がどう立ち向かおうとしているのか、その戦略について見てきました。
過去のいわゆる成功体験から脱却して統合とか効率化を進めつつ、テクノロジーとそして全員参加という形で未来を切り開くその必要性が強く浮かび上がってきた感じですね。
まさにそうですね。資料が示しているのは、やはり変化を受け入れてそれに適応していくことの重要性。
特にDXのような技術を積極的に取り入れて多様な働き方を支える全員参加のアプローチ、これが今後の鍵となってくるんだろうなと思います。
最後にですね、あなたに一つ問いかけをして終わりたいと思います。
今回の資料は主に供給サイド、つまり労働力をどう確保するかとか、どう効率化するかといったどうやって医療を提供し続けるかという点にかなり焦点が当たっていました。
でも一方で需要サイド、つまり患者さんの数が減っていく中で、2060年の医療に対するニーズの質そのものは一体どう変わっているんでしょうか。
単に数が減るだけじゃなくて、求められる医療の内容自体も変化するはずですよね。
例えば、テクノロジーをもっと活用した在宅でのケアとか、あるいは予防医療への関心が今よりもっともっと高まっているかもしれません。
私たちはその質の変化にも果たして十分備えることができているんでしょうか。
そのあたりも少し考えてみる必要があるかもしれませんね。
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