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2025-10-26 08:01

病院と診療所の違いとは?医療機関の機能分化を理解する【動画解説】

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全日本病院協会の神野会長が解説する動画「医療のトリセツ第4回」では、医療機関の仕組みと機能分化について説明しています。高齢化が進む日本では、複数の慢性疾患や医療介護の複合ニーズを抱える患者が増加する一方で、医療従事者のマンパワーには制約があります。こうした状況で質の高い医療を効率的に提供するには、医療機関の役割分担を理解し、適切な医療機関を選択することが重要です。本メールマガジンでは、この動画の内容をもとに、医療機関選択に役立つ情報をお届けします。

病院と診療所は医療法上で明確に区別されており、それぞれ異なる役割を担っています。医療の機能分化により、「治す病院」と「治し支える病院」という2つのタイプが存在し、相互に連携しながら地域医療を支えています。かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護をつなぐ重要な役割を果たし、地域包括ケアの中心となっています。これらの仕組みを理解することで、患者は自身の症状や状態に応じた最適な医療機関を選択できるようになります。

病院と診療所の違いを知る

病院と診療所の違いは、単なるベッド数の差だけではありません。病院はベッド数が20床以上あり、入院治療を主な役割としています。診療所はベッド数が19床以下または無床で、かかりつけ医機能、初期診療、慢性疾患の管理を担っています。

病院には夜間も医師が常駐する当直体制があります。診療所にはこの体制がない点が、両者の大きな違いです。夜間や休日に急変した患者に対応できる体制が、病院には整備されています。

病院では医師、看護師、薬剤師、リハビリテーション専門職、管理栄養士、MSW、事務職員など多職種によるチーム医療が実践されています。診療所では医師、看護師、事務スタッフという少人数体制で運営されています。このチーム医療の有無が、病院と診療所の提供できる医療の幅を決定しています。

病院の開設主体は医療法人、公立、大学などが多くなっています。診療所は個人や医療法人が開設している場合が多い傾向があります。この違いが、医療機関の規模や提供できる医療サービスの範囲に影響を与えています。

医療の機能分化と連携体制を理解する

医療機関は「治す病院」と「治し支える病院」に機能分化されています。治す病院には特定機能病院、大学病院、地域の基幹病院が該当します。治し支える病院には、かかりつけ機能を有する病院や診療所が該当します。

治す病院とかかりつけ機能を有する医療機関の間では、紹介と逆紹介という連携が行われています。紹介とは、かかりつけ医が専門的治療が必要と判断した患者を大きな病院に送ることです。逆紹介とは、大きな病院での専門的治療が終了した患者を、かかりつけ医に戻すことです。この双方向の流れにより、医療資源の効率的な活用が実現されています。

国は医療の機能分化を政策として推進しています。この背景には、限られた医療資源を最大限に活用し、必要な患者に必要な医療を提供するという考えがあります。機能分化により、専門的治療が必要な患者は大病院で、慢性疾患の管理は地域の診療所で行うという役割分担が明確になります。

診療報酬制度でも、この機能分化を支援する仕組みが整備されています。診療情報提供料や連携強化診療情報提供料などの点数設定により、医療機関間の連携が経済的にも評価されています。医療機関が適切に連携することで、診療報酬上のメリットも得られる仕組みが構築されているのです。

かかりつけ医機能の役割を把握する

かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護のつなぎ役として重要な位置を占めています。この機能は、単に医師個人の役割ではなく、医療機関全体で担うべき機能として位置づけられています。病院の場合、医師だけでなく看護師、薬剤師、MSWなど多職種が協力してかかりつけ機能を発揮します。

かかりつけ医機能報告制度では、継続的な医療を要する者に対する日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能が重視されています。この制度により、医療機関は自らが提供するかかりつけ医機能の内容を報告し、地域住民に情報提供することが求められています。報告内容には、一次診療の対応可能な診療領域、服薬の一元管理、通常の診療時間外の対応、在宅医療の提供、介護サービスとの連携などが含まれます。

地域包括ケアの実現において、かかりつけ医機能を有する医療機関は中心的な役割を果たします。介護サービス、生活支援、行政とをつなぎ、患者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支援します。かかりつけ機能を有する医療機関を中心として、医療と介護が連携し、包括的なケアが提供される仕組みが構築されています。

機能強化加算や地域包括診療料などの診療報酬上の評価も、かかりつけ医機能を担う医療機関を支援する仕組みです。これらの点数を算定するには、研修の受講、24時間対応体制の整備、他職種との連携など、一定の要件を満たす必要があります。質の高いかかりつけ医機能を提供する医療機関が、適切に評価される仕組みとなっています。

まとめ

病院と診療所はそれぞれ異なる役割を持ち、医療法上も明確に区別されています。医療の機能分化により、「治す病院」と「治し支える病院」が連携しながら地域医療を支えています。かかりつけ医機能を有する医療機関は、医療と介護をつなぐ重要な役割を担い、地域包括ケアの中心となっています。これらの仕組みを理解し、症状や状態に応じて適切な医療機関を選択することが、効率的で質の高い医療を受けるための第一歩となります。



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サマリー

このエピソードでは、病院と診療所の違いや日本の医療機関における機能分化が解説されます。入院治療や専門的な検査を行う病院と、慢性的な病気の管理を担当するかかりつけ医としての診療所の役割の違いを理解することが、より質の高い医療を受けるためのヒントになります。

病院と診療所の基本的な違い
こんにちは。今回はですね、皆さんがお持ちの資料に基に、病院と診療所、これって具体的にどう違うのか、それから日本の医療が目指しているっていう機能分化ですね、役割分担、この辺りについてちょっと深く見ていきたいと思います。
資料としては、全日本病院協会の会長さんの解説動画の書き起こしと、それをまとめた記事があると。普段ね、何気なく使っている医療機関ですけど、実はこうちゃんと役割分担があるみたいなんですよね。
これを知っておくと、いざという時に自分とか家族に合った医療を選ぶ、なんかヒントになりそうだなと。
じゃあ早速見ていきましょうか。まずは本当に基本的なところから、病院と診療所、クリニックなんて呼ぶことも多いですけど、これ法律の上ではどういう違いがあるんでしょうか。
はい、医療法っていう法律で、これはもう明確に定義されてるんですね。一番わかりやすいのは、ベッドの数、病床数です。
ああ、ベッドの数。
病院っていうのは20床以上、診療所は19床以下、あるいはベッドがない。実際にはベッドのないクリニックさんが多いですよね。
それともう一つ大きな違いがあって、病院は夜間とか休日もお医者さんが必ずいる、いわゆる当直っていうのが必須なんです。でも診療所にはその義務はないんですね。
ああ、夜に対応してもらえるかどうかこれは確かに大きいですね。
そうですね。
となるとやっぱり役割もかなり違ってくる感じですか。
そこがすごく重要で、病院っていうのはやっぱり入院して治療するとか、より専門的な検査とか手術、そういうのが中心になります。
一方で診療所は、まあ風邪ひいたとか、そういう最初の対応とか、あとは高血圧とか糖尿病みたいな、こう慢性的な病気の管理ですね。
機能分化の重要性
いわゆる皆さんのかかりつけ医としての役割、これがメインになってきます。
なるほど、かかりつけ医。
あと資料で触れられてたチーム医療っていう点も面白い視点ですよね。
チーム医療?
はい。病院だとお医者さん、看護師さんだけじゃなくて、薬剤師さんとか栄養士さん、リハビリの専門の方、それからソーシャルワーカーさんとか、本当にたくさんの専門職が連携して治療に当たる。やっぱり複雑な状態に対応するためですね。
へえ、多職種連携ってやつですね。
そうです、そうです。診療上はもうちょっとコンパクトなチームで、より身近な相談相手っていう感じの役割を担うことが多いですね。
なるほどな。規模だけじゃなくて、その体制自体が役割の違いを支えてる、そういうことなんですね。
で、資料に出てくるその機能文化っていう言葉、これはどういう考え方なんでしょう?なんか、治す病院と治し支える病院って分け方があるとか。
これは国が今進めている医療政策の大きな方針なんですよ。なんていうか、医療機関を役割分担させようと、専門学校と地域の相談窓口みたいな、そういうイメージですかね。
ははは、なるほど。専門学校と相談窓口。
専門学校っていうのは、大学病院とか地域の大きな基幹病院ですね。
がんの難しい手術とか、救急とか、そういう高度な、あるいは救世機の医療、これを担当します。
それに対して、治し支える病院、あるいは診療所っていうのは、救世機を過ぎた後のリハビリテーションとか、あるいは慢性的な病気の管理、在宅医療のサポートとか、
もっと地域での生活を支える役割ですね。さっき出たかかりつけ医機能っていうのも、主にこっち側が担うことになりますね。
じゃあ、治す病院と、治し支える病院や診療所の間っていうのは、どうやって連携していくんですか。
そこで出てくるのが、障害と逆障害っていう言葉なんです。
障害と逆障害。
まず、かかりつけ医の生成並みって、これはちょっと専門的な治療が必要だなって判断したら、治す病院に患者さんを紹介する。これが障害。
逆に、治す病院での、例えば手術とか治療が一段落したら、今度は地域の治し支える病院とか、元の診療所に戻す。これが逆障害ですね。
こうやって、限られた医療資源、お医者さんとか設備とかを効率よく使っていこうっていう、戦略的な流れなわけです。
その連携の用というか、ハブになるのが、かかりつけ医機能っていうことになってくるんですかね。
まさにその通りです。このかかりつけ医機能っていうのは、特定のカリスマ的なお医者さん一人っていうよりは、もうその診療所とか病院全体が持つべき機能、役割なんだっていうふうに今は捉えられていますね。
医療と患者のコミュニケーション
機能なんですね。
日々の診療とか健康相談に乗るのはもちろん、必要だったらちゃんと専門のお医者さんや病院につないだり、あるいは介護保険サービスとか行政のサービスなんかと連携したり、地域で医療とか介護を一体的に提供する、地域包括ケアシステムって言いますけど、
はい、聞きますね。
そのまさにハブ、中継地点としての役割、これが期待されているわけです。
なるほど。
病院がこの機能を持つ場合は、お医者さんだけじゃなくて、看護師さんとか、さっき言った他職種がチームで関わることが多いですね。
国もその診療報酬、つまり医療機関へのお金の支払いの仕組みの中でも、例えば機能強化加算っていうのがあるんですけど、
機能強化加算?
そういう形でちゃんと地域のハブ機能を評価して後押ししようとしています。
では、こういった役割分担の仕組みを私たち患者というか利用する側が知っておくことにはどんないいことがあるんでしょうか。
それはですね、やっぱりご自身の今の症状とか体の状態だったら、まずどこにかかるのが良さそうかとかですね。
はいはい。
あるいは紹介された場合に、次はこういう流れで治療が進むんだなとか、そういう見通しがすごく立てやすくなると思うんですよ。
なるほど。無駄に大きな病院にいきなり行かなくてもいいかもしれないし。
そうなんです。適切な入り口を選ぶことが、結局はスムーズで質の高い医療を受けることにつながる。これは大きなメリットですよね。
確かに。
あとちょっと関連して、国が進めているマイナンバーカードの保険証利用、マイナ保険証とかありますよね。
はい。
あれなんかも、こういう違う役割を持つ医療機関同士が患者さんの、例えばお薬の情報とか検査結果とかをもっとスムーズに共有して連携しやすくする。
そういう狙いも一つには含まれていると言えると思いますね。
なるほど。そういう背景もあるんですね。つまり、このシステム全体を知っておくことで、より主体的に、そして賢く医療と付き合えるようになると。そういうことですね。
まさしくそうだと思います。最後に一つ、皆さんにちょっと考えてみてほしいなと思うテーマがあって。
何でしょう。
こうやって病院とか診療所の機能が分かれて連携が進んでいく中で、その医療機関と医療機関の間、それから医療機関と私たち患者、皆さんとの間のコミュニケーションで、これからどういうふうに進化していく必要があるのかなと。
本当の意味で切れ目のないケアを実現するためには、もしかしたらこの伝え合い方みたいなところが一番の鍵になってくるのかもしれないなあなんて思うんですよね。
うわあ、コミュニケーションの進化ですか。深い問いですね。なるほど。今回のこの探求が、皆さんがこれから医療とどう向き合っていくかを考える上で、何か良いきっかけになったら嬉しいなと思います。
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