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2025-10-11 07:22

オンライン診療の現状と課題2025:4つの診療形態と評価の明確化に向けた検討

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令和7年度第13回入院・外来医療等の調査・評価分科会は、情報通信機器を用いた診療について検討結果をとりまとめました。令和4年度診療報酬改定における見直し以降、オンライン診療の届出医療機関数と算定回数は増加しています。精神科領域や皮膚科領域での増加が目立ち、向精神薬の不適切な処方のリスクが懸念されています。D to P with Nの診療報酬算定方法には不明確な部分があり、明確化が求められています。

オンライン診療は増加傾向にあるものの、診療内容の検証と評価の明確化が必要です。D to Pは精神疾患での利用が多く、対面診療との診療内容比較による実態検証が求められています。D to P with Dは算定が限定的ですが、医療的ケア児や訪問診療における専門医連携で評価の余地があります。D to P with Nは新設されましたが、看護師等による診療補助行為の評価について算定方法の明確化が必要です。へき地におけるオンライン診療は、医療アクセス確保という都市部とは異なる特性を持ちます。

D to Pの実態:精神疾患での利用増加と実態検証の必要性

情報通信機器を用いた診療のうち、医師と患者が直接やりとりするD to Pの利用実態が明らかになりました。初診料では呼吸器感染症、再診料等では精神疾患に類する傷病名が占める割合が大きくなっています。対面診療の割合が5割未満の医療機関においても同様の傾向でした。

この傾向について、令和6年のデータでは令和4年と比較して精神科領域や皮膚科領域の増加が目立っています。分科会では、オンライン診療と対面診療を比較した場合の診療内容の比較等により実態を検証してはどうかとの意見がありました。

精神科領域での利用増加に関連して、オンライン診療による向精神薬の不適切な処方のリスクが懸念されています。診療内容についてより詳細に実態を検証してはどうかという意見が出されました。

受診者の地域分布については、受診医療機関の所在都道府県が居住地と異なる割合が19.1%でした。この結果は、オンライン診療が地域を超えた医療アクセスを可能にしている実態を示しています。

D to P with Dの可能性:医療的ケア児と専門医連携での活用

患者が医師といる場合に他の医師がオンラインで参加するD to P with Dの実施状況が調査されました。遠隔連携診療料は令和2年度に新設されて以降、算定回数は限られています。過去1年間にD to P with Dによるオンライン診療を実施した医療機関は1.0%でした。

この形態の診療は、遠隔連携診療料を算定できる状況以外でも実施されています。医療的ケア児に対する診療や、訪問診療における眼科・皮膚科・耳鼻科等の専門医との連携等の事例が見られました。

分科会での評価では、D to P with Dについて新たな評価の可能性が議論されました。医療的ケア児に対する診療や訪問診療における耳鼻科等の疾患に対する評価が考えられるのではないかという意見があったためです。

現行の遠隔連携診療料の算定要件では評価されない診療形態であっても、医療の質向上や患者の利便性向上に寄与している事例があります。今後は、こうした実態を踏まえた評価のあり方について検討が必要です。

D to P with Nの課題:評価の明確化と患者ニーズへの対応

看護師等が患者のそばにいる状態で医師がオンライン診療を行うD to P with Nについて、新たな動きがありました。令和6年度診療報酬改定において再診料・外来診療料に係る看護師等遠隔診療補助加算が新設されました。届出医療機関数は令和7年4月1日時点で78施設となっています。研修受講者も合計約4,000名程度となりました。

患者の受診体験について、課題が明らかになっています。オンライン診療を受けた感想として、「対面診療であればすぐに受けられる検査や処置が受けられないと感じた」と回答した患者が45.3%でした。オンライン診療より対面診療を希望する理由として、「検査や処置がすぐに受けられるから」が83.2%で最多でした。

規制改革実行計画において、D to P with Nの課題が指摘されました。令和7年6月13日に閣議決定された規制改革実行計画では、D to P with Nにおける診療報酬の算定方法に不明確な部分があるとの指摘がありました。

分科会での議論では、評価の明確化が求められています。D to P with Nにおいては、看護師等による診療の補助等も行われていることから、その評価については明確化も含めて検討してはどうかという意見がありました。

へき地におけるオンライン診療:医療アクセス確保の補完的役割

へき地医療におけるオンライン診療の活用状況について、重要な実態が明らかになりました。第8次医療計画におけるへき地の医療提供体制において、主要3事業の評価のうち、オンライン診療を活用して行った巡回診療・代診医派遣についても、主要3事業の実績に含めることが明確化されたところです。

令和5年度実績によると、活用は限定的です。巡回診療を実施したへき地拠点病院のうち、オンライン診療による巡回診療を実施した医療機関数が7施設(7.1%)でした。へき地診療所において、へき地の住民に対するオンライン診療で活用したと回答した医療機関は75施設(6.7%)でした。受診者が患家にいるケースよりも受診者が診療所にいるケースの件数が多かったです。

地域差の実態について、二次医療圏別の分析結果が示されました。医療機関住所地ベースでは、東京都(23区内)での算定回数が多く、66の二次医療圏で算定回数が0回でした。患者住所地ベースでは、全ての二次医療圏で算定されていました。

分科会での議論では、へき地におけるオンライン診療の特性が強調されました。人口・医療資源の少ない地域におけるオンライン診療は、外来医療について代替手段が乏しく、医療アクセスが困難である地域への補完という特性を有しています。都市部における利便性向上を目的としたオンライン診療とは性質が異なるとの意見がありました。

まとめ

情報通信機器を用いた診療は増加傾向にありますが、健全な普及に向けた課題があります。D to Pでは精神科領域での利用増加に対する実態検証が必要です。D to P with Dでは医療的ケア児や専門医連携での新たな評価の可能性があります。D to P with Nでは看護師等による診療補助行為の評価の明確化が求められています。へき地におけるオンライン診療は、医療アクセス確保という都市部とは異なる特性を持つため、地域の実情を踏まえた評価のあり方について検討が必要です。中央社会保険医療協議会における今後の議論では、これらの実態を踏まえた診療報酬上の評価の見直しが期待されます。



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サマリー

オンライン診療は令和4年の診療報酬改定以降、特に精神科や皮膚科での利用が増加しています。それと同時に、画面越しでの診療に伴うリスクや地域差によるアクセスの問題が明らかになっています。今後はオンライン診療の評価とルール作りが急務です。

オンライン診療の広がり
こんにちは。今回は、あなたから共有いただいた専門家会議の資料ですね。 オンライン診療の現状と課題2025。これを一緒に見ていきたいと思います。
令和4年の診療報酬改定。オンライン診療が保険適用されやすくなったあの改定以降、利用はだいぶ広がっているみたいですけど、その実態ってどうなっているのか?
あと、やっぱり弁理さんの裏にある課題、このあたりをちょっと深く掘り下げていきましょうか。
資料を見ると、やっぱり情報通信機器を使った診療、いわゆるオンライン診療は確実に件数自体は伸びてますね。
ただ、その使われ方にはいくつかのパターンがあって、それぞれに光と影が見えてきている、そんな状況です。
このレポートでは主に4つの形態に分けて分析してますね。
なるほど。まず、一番基本となる医師と患者さんが直接やり取りするD2Pですね。
はい。
全体的にオンライン診療を届け出ている医療機関の数も、実際に保険で請求された回数、つまり算定回数も増えていると。
増えてます。
特に精神科とか、あと皮膚科での伸びが大きいっていうのは、なんかちょっと意外な感じもしますけど。
そうですね。初診だと、まあ風邪みたいな呼吸器感染が多いんですけど、最新になるとグッと精神疾患関連が増えるんですよ。
へえ。
これは令和4年のデータと比べてもかなりはっきりした傾向ですね。
そうなんですね。
ただ、利便性が高い一方で、特にこの精神科領域では、画面越しの診療で本当に十分なのかとか、
あるいは無精神薬が不適切に処方されちゃうリスクはないのかみたいな、そういう懸念の声も上がってるんですね。
なるほど。直接会わないからこそのリスクっていうことですね。
まさにという意見が出てますね。
ふむふむ。
他の医師との連携
あとちょっと面白いデータとしては、患者さんのおよそ2割ですかね、19.1%が自分の住んでいる都道府県とは違う別の医療機関をオンラインで受診してるっていう結果もあるんです。
へえ。19%が県外受診ですか?
それは確かにオンラインの大きな可能性を感じますね。
そうですね。地域を越えて医療にアクセスできるっていうオンラインならではのメリットを示しているかなと。
では次に、他の医師が関わるDtoP with Dはどうでしょうか。これはなんか専門医が遠隔でサポートするみたいなイメージですかね。
はい、そうです。例えば、かかりつき医が見ている患者さんについて、遠くにいる専門医にオンラインで相談したり、一緒に診察したりする、そういうケースですね。
なるほど。
ただ、資料によるとこの形態の算定回数、つまり実際の利用はまだ少ないみたいです。
そうなんですか。
ええ。でも、医療的ケアが必要なお子さんの診療とか、あと訪問診療の時に、眼科とか皮膚科の専門医と連携する、みたいなそういう活用例は報告されてるんです。
なるほど。今の保険のルール、算定要件ではちょっと評価されにくいかもしれないけど、医療の質とか患者さんの利便性を上げる可能性はありそうですよね。
まさに。ですから、こういった連携を今後どう評価していくのか、というのが検討課題とされてますね。
不明。
で、次に、看護師さんなんかが患者さんの近くにいて、医師が遠隔で診療するDtoP with N、これはどうでしょう。
これは訪問看護の場面とかで使われそうですね。加算も新しくできたとのことですけど、こっちも課題があると。
そうなんです。患者さん側からはですね、オンラインだと対面なら受けられるはずの検査とか処置が受けられないっていう不満が45.3%あったり。
半数近くが。
そもそも対面診療を希望する理由として、検査とか処置がすぐに受けられるからっていう声が83.2%と非常に多いんですね。
それは大きいですね。
あと、制度面でも、看護師さんなんかがどこまで補助的な医療行為をやっていいのか、その評価方法がまだはっきりしてないっていう指摘もありますね。
なるほど。技術的にはできても、実際の現場での運用とかルール作りがまだ追いついてない部分があるってことですね。
そういうことになりますね。
壁地でのオンライン診療
さて、都市部とはまたちょっと違う状況にある、壁地でのオンライン診療、これについても振られてましたね。
はい。壁地の場合はですね、都市部みたいにいつでもどこでも便利にっていう側面よりも、そもそも医療へのアクセス自体が難しい地域を保管する役割が期待されてるんですね。
ただ、実態としては、壁地の診療所とか巡回診療でのオンライン活用っていうのはまだかなり限定的みたいです。それぞれ7.1%、6.7%と。
そうなんですか。意外なのは、壁地では患者さんが自宅からとより、診療所に行って、そこから遠隔の医師につなぐっていうケースの方が多いんですね。
そうなんです。都市部の利用イメージとはちょっと違いますよね。
地域差もこれが非常に大きくてですね、東京都、特に23区での算定が多い一方で、医療機関の素材値ベースで見ると全国に340ぐらいある二次医療圏っていう医療計画の区域があるんですが、そのうち66の区域ではオンライン診療の算定がゼロなんですよ。
ゼロの区域が66も、それは結構な数ですよね。
これはですね、患者さんの住所地、住んでいる場所ベースで見ると、すべての二次医療圏で利用実績はあるんです。
ああ、なるほど。
なので、やはりアクセスを確保したいっていうニーズ自体は全国にあるんだろうなと考えられますね。
壁地の特殊性を踏まえたオンライン診療の評価とか支援策が必要になってくるということです。
というわけで、今回はオンライン診療の現状と課題について共有いただいた資料を基に見てきました。
利用は着立に増えている。それは間違いないけれども。
D2Pでの精神化利用の実態把握、それからD2P with Dの潜在的な可能性とその評価、D2P with Nにおける限界とルールの明確化、
そして壁地での保管的な役割とかなり大きな地域差。
携帯ごとにそれぞれ重要な論点があるんだなということがよくわかりました。
まさにそうですね。技術が普及していく中でそのメリットをどう生かすか、
同時にどうやって医療の質と安全を確保していくか、そのためのルール作りとか評価の見直しっていうのが今まさに求められている段階だと言えますね。
さて、あなたはこの現状どう見ますか?
利便性とかアクセスの向上、これはすごく魅力的ですよね。
でもオンラインでは難しい、例えば触診とか細かな検査、あるいは対面だからこそ気づける信頼関係が重要な場面ってやっぱりありますよね。
ええ、ありますね。
特に精神化のように対話そのものが治療の核になるような分野で、オンラインと対面、これをどう使い分けていくのが最適なのか。
利便性とその医療の本質的な価値、このバランスをどう取るべきか、ぜひあなた自身の考えを深めるきっかけにしてみてください。
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