1. 岡大徳のポッドキャスト
  2. 【令和8年度改定】訪問看護医..
【令和8年度改定】訪問看護医療情報連携加算1,000円が新設|ICT連携の評価
2026-05-16 05:42

【令和8年度改定】訪問看護医療情報連携加算1,000円が新設|ICT連携の評価

spotify apple_podcasts youtube

令和8年度診療報酬改定では、訪問看護ステーションが他職種のICT記録情報を活用して計画的管理を行った場合の評価が新設されます。これまで医師による在宅医療情報連携加算は令和6年度改定で評価されてきましたが、訪問看護ステーションが他機関とICTで情報連携を行ったことへの評価は存在していませんでした。本メルマガでは、新設される「訪問看護医療情報連携加算」の算定要件と施設基準を整理し、訪問看護ステーションの実務担当者が押さえるべきポイントを解説します。

新設される訪問看護医療情報連携加算は、月1回に限り1,000円を所定額に加算する評価です。算定対象は訪問看護管理療養費を算定する利用者であり、看護師等が通院困難な在宅療養者の同意を得たうえで関係職種のICT記録情報を活用する必要があります。連携対象には保険医、歯科医師等、保険薬剤師、管理栄養士、介護支援専門員、相談支援専門員等が含まれ、施設基準としてはICTによる常時確認体制と平時からの連携体制の構築が求められます。また在宅患者連携指導加算等との併算定不可など、実務上の留意点も設けられています。

加算新設の背景

訪問看護ステーションにおけるICT連携の実態と評価のギャップを埋めるため、本加算が新設されます。在宅医療の現場では多職種連携が不可欠であり、ICTを活用した情報共有のニーズは年々高まっています。

訪問看護ステーションのICT連携体制は着実に構築が進んでいます。令和6年度に実施された調査によれば、ICTを他事業所との連携に利用している訪問看護ステーションは令和5年(2023年)時点で87.8%に達し、平成30年(2018年)の41.5%から大幅に増加しました。また、ICTを用いた関係機関との平時からの連携体制を構築している訪問看護ステーションは58.1%となっています。

一方、ICT連携を訪問看護に活用したことへの評価は存在していませんでした。令和6年度改定では、医師が他職種のICT記録情報を活用して計画的な医学管理を行った場合の評価として在宅医療情報連携加算100点が新設されました。しかし、訪問看護ステーションが同様の連携を行っても、評価する加算は設けられていなかったのです。

このような実態と評価のギャップを踏まえ、令和8年度改定では訪問看護ステーションの看護師等が他職種のICT記録情報を活用した場合の評価として、新たな加算が新設されることとなりました。

新設加算の概要

訪問看護医療情報連携加算は、月1回に限り1,000円を所定額に加算する評価です。算定対象は訪問看護管理療養費を算定する利用者であり、在宅で療養を行っている通院困難な者が要件となります。

加算の点数は1,000円で、月1回が算定上限です。対象患者は訪問看護管理療養費を算定する者に限られ、在宅患者訪問看護・指導料および同一建物居住者訪問看護・指導料についても同様の取扱いとなります。なお、算定にあたっては看護師等が業務にあたる必要があり、准看護師は対象外とされている点に注意が必要です。

加算を算定するためには、地方厚生局長等への届出が必要です。届出にあたっては、別途定められる厚生労働大臣の基準に適合していることが求められます。施設基準を満たさない訪問看護ステーションは算定できないため、事前準備が重要となります。

算定要件と連携対象職種

算定要件は、看護師等が通院困難な在宅療養者の同意を得たうえで関係職種のICT記録情報を活用し、計画的な管理を行うことです。連携対象となる職種は幅広く設定されており、在宅療養者を支える多職種が含まれます。

連携対象となる関係職種は次のとおりです。具体的には、訪問看護ステーションと連携する保険医療機関の保険医、歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師、管理栄養士、介護支援専門員、相談支援専門員等であって当該利用者に関わる者が対象となります。

情報の活用方法はICTによる電子的な手段に限定されています。具体的には、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて記録された診療情報等を活用することが求められます。電話やFAX、紙の情報提供書による情報のやり取りは、本加算の対象とはなりません。

活用した情報をもとに、看護師等は指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行う必要があります。単に情報を閲覧するだけでは算定要件を満たさず、訪問看護の計画的管理に反映させることが算定の前提条件となります。

施設基準と経過措置

施設基準は4項目で構成されており、ICT連携の体制整備と情報公開が中心となります。経過措置として、ウェブサイト掲載要件には令和8年9月30日までの猶予期間が設けられています。

施設基準の第1は、ICTによる常時確認体制の構築です。具体的には、在宅で療養を行っている通院困難な利用者の診療情報等について、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて常時確認できる体制を有し、関係機関と平時からの連携体制を構築していることが求められます。

施設基準の第2は、計画的管理を行うための十分な体制整備です。診療情報等を活用したうえで、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行うにつき、十分な体制が整備されていることが要件となります。

施設基準の第3および第4は、連携体制の情報公開です。連携体制を構築している訪問看護ステーションであることを当該訪問看護ステーションの見やすい場所に掲示し、さらに原則としてウェブサイトに掲載することが求められます。ただしウェブサイト掲載については、令和8年9月30日までの間に限り、要件を満たしているとみなされる経過措置が設けられています。

実務上の留意点

実務上の最大の留意点は、他の医療情報連携加算との併算定不可の取扱いです。具体的には在宅患者連携指導加算と在宅医療情報連携加算との関係について、算定可否を事前に確認する必要があります。

在宅患者連携指導加算を算定している場合は、訪問看護医療情報連携加算は算定できません。両加算は情報連携を評価するという目的が重なるため、重複算定を避ける取扱いが明示されています。

在宅医療情報連携加算を算定した月も、訪問看護医療情報連携加算は算定できません。具体的には、在宅時医学総合管理料の注15や在宅がん医療総合診療料の注9に規定する在宅医療情報連携加算を算定した月において、訪問看護側で本加算を算定することはできない取扱いとなっています。

したがって実務上は、医療機関側との算定状況の確認が不可欠です。同一利用者に対して医師側で在宅医療情報連携加算を算定する場合、訪問看護ステーション側では本加算を算定できないため、月単位での算定調整を行う必要があります。

まとめ

令和8年度診療報酬改定で新設される訪問看護医療情報連携加算は、訪問看護ステーションがICTを通じて多職種の診療情報を活用した計画的管理を評価する仕組みです。加算額は月1回1,000円で、対象は訪問看護管理療養費を算定する在宅療養者となります。算定にあたっては看護師等による業務遂行、ICTによる情報活用、計画的管理への反映が要件となり、施設基準としてはICT常時確認体制の構築、平時からの連携体制、見やすい場所への掲示、ウェブサイト掲載が求められます。在宅患者連携指導加算や在宅医療情報連携加算との併算定不可の取扱いに留意しつつ、訪問看護ステーションは地域の多職種との連携体制をさらに強化していくことが期待されます。



Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

令和8年度診療報酬改定で新設される「訪問看護医療情報連携加算」は、訪問看護ステーションがICTを活用した多職種連携による計画的管理を行った場合に月額1,000円が加算される制度です。これまで医師のみが評価されていたICT連携の不均衡を是正し、看護師等による情報活用を促進します。この加算は単なるデジタル化の評価に留まらず、多職種間の密な連携と地域医療における役割分担を促し、将来的にデジタル対応できない事業所の淘汰を示唆するものです。

訪問看護医療情報連携加算の導入と背景
えーと、普段、仕事でチーム内のやり取りをするときって、あの、大量のファックスとか電話が途切かう状況をちょっと想像してみてほしいんですよ。
ああ、誰が最新の情報を持っているのかわからなくて、すごく混乱するやつですね。
そうそう、それです。でも、もし全員がクラウドの共有ドキュメントを使いこなせるようになれば、一気に視界がクリアになりますよね。
ええ、劇的に変わりますよ。
実は、令和8年度の診療報酬改定で、まさにこの情報のクラウド化を達成した訪問看護ステーションに対して、なんと月額1000円の公式なボーナスが出るようになるんです。
はい、それが今回の深掘りのテーマである訪問看護医療情報連携加算ですね。
ええ。今日は学びを求めるあなたに向けて、この加算が現場をどう変えるのか徹底解剖をしていきます。
これ、一見すると単なる細かいルールの追加みたいに思えるんですが。
いやいや、実は在宅医療の情報共有のあり方を根底から変えるすごく強力なメッセージが込められているんですよ。
ただ、ちょっと気になったデータがあって、訪問看護ステーションのICT連携って、2023年の時点でもう87.8%に達してるんですよね。
そうなんですよ。すでにかなり普及しています。
ですよね。現場はもうとっくにデジタル化しているのに、なんで国は今さらお金を出してまで評価するのかなって。ちょっと遅すぎないですか。
まあ、確かに遅きにしした感はありますよね。ただ、これには明確な背景があって。
直前の令和6年度改定で、石川のICT活用は一足先に評価されたんですよ。でも、同じシステムで連携しているはずの訪問看護側には一切の評価がなかったんです。
え、お医者さんだけボーナスをもらえてたってことですか。
え、まさにそういう状態だったんです。
なるほど。
だから今回の改定は、国の制度がようやく現場の実態に追いついて、その長年放置されていた評価のズレを埋める歴史的なステップなんですよ。
厳格な算定要件と情報活用の重要性
やっと不公平が解消されるわけですね。でも、この1000円をもらうためのハードル、なんか意図的にすごく高く設定されている気がして。
はい。かなり厳格な要件が定められています。
ですよね。まず、純看護師は付加で、精看護師等に限定されてますし、しかも紙とかファックスの情報提供書は一切ノーカウントで、完全にICT限定。
そうですね。国が本気でデジタル化を推し進めようとしているのがわかります。
なんだかこれからはこの高いデジタル基準で行けって強制されてるみたいです。
おっしゃる通りです。そして最大のポイントは、得た情報を計画的な管理へ反映させることなんです。
ちょっと待ってください。それってつまり、ほか職種が書いた電子記録を画面で見て、へーそうなんだって読んだだけじゃダメってことですか?
その通りです。単にシステムにアクセスするだけでは算定できません。
えーと、じゃあ具体的にはどうすればいいんでしょうか?
例えばお医者さんが電子カルテに血圧が不安定ですって書き込んだのを見たら、実際の訪問看護の計画を修正して、その日のリハビリを軽くするとか。
あー、具体的なアクションを起こすわけですね?
ええ。情報をただ読むだけじゃなく、実際のケアに活用して初めて価値があるという、この加算の革新部分ですね。
いやー、ただシステムを導入すればいいって話じゃないんですね。多職種との密な連携が必須になる。
はい、まさにそこが狙いです。
併算定不可の理由と地域連携への影響
でもそうなると、資料にあったある罠がすごく気になってきて。
あ、閉鎖定負荷のルールですね。
そうなんですよ。令和8年9末までの経過措置もありますけど、お医者さんが在宅医療情報連携加算を取った月は、訪問看護側はこの加算を取れないんですよね。
なんでこんな意地悪な仕組みなんですか?
まあ、意地悪というか、国の医療費の予算には限りがあるというのが一番の理由です。
あ、なるほど。
全く同じ一つの情報共有に対して、国が複数の事業所に二重でボーナスを支払う、いわゆる二重取りを塞ぐためなんですよ。
なるほどな。同じ部署の同僚二人が1回分のランチの領収書をそれぞれ経費で落とそうとするのをブロックするような感じですね。
まさにその例えがぴったりですね。
でもそれだと、今月は先生のクリニックで加算を取ってくださいね、みたいなめちゃくちゃ泥臭い事前調整が必要になりませんか?
おっしゃる通りです。情報連携を促進するための制度なのに、現場に事前調整の手間を強いるというジレンマがあるんですよね。
うわぁ、それは結構めんどくさいですね。
ただ裏を返せば、これってその月の情報管理の主導権を誰が握り、誰が責任を持つのかという、地域内での明確な役割分担を促す効果もあるんです。
なるほど。予算の都合が結果的にチーム医療の責任の所在をはっきりさせるんですね。
そういう見方もできますね。
ICT連携がもたらす地域医療の未来
単なる1000円の報酬とより、地域の多職種が真のチームとして動くための要請なんだなってよく分かりました。
そうですね。ICTが単なる効率化ツールから、価値を生み出すインフラに変わる瞬間を、今まさに私たちは目撃しているんだと思います。
勉強になります。デジタル連携に対する経済的なインセンティブがここまで明確になった今、あなたに一つ考えてみてほしい問いがあります。
どんな問いでしょうか?
もし、いつまでも紙やファックスに依存し続ける事業所があったとしたら、果たして彼らは数年後の地域医療ネットワークで生き残ることができるんでしょうか?
自然淘汰してしまうんじゃないかなって。
それはすごく鋭い、そしてシビアな視点ですね。
はい。ぜひあなた自身の環境に置き換えて、この変化の意味を考えてみてください。
それでは今回の深掘りはこの辺で。
05:42

コメント

スクロール