1. 岡大徳のポッドキャスト
  2. 【令和8年度改定】外来医師過..
【令和8年度改定】外来医師過多区域の新規開業に診療報酬ペナルティ
2026-05-22 05:21

【令和8年度改定】外来医師過多区域の新規開業に診療報酬ペナルティ

spotify apple_podcasts youtube

令和8年度診療報酬改定では、医師の地域偏在対策の一環として、外来医師過多区域における新規開業者への診療報酬上のディスインセンティブ措置が導入されます。背景には、改正医療法による外来医師過多区域の無床診療所への対応強化があり、地域で不足する医療機能の提供に応じない医療機関の保険医療機関指定期間が3年以内に短縮される仕組みが新たに設けられました。指定期間が3年以内に短縮された医療機関については、地域医療への寄与が不十分との位置付けを踏まえ、診療報酬上の評価から除外する措置が講じられます。

具体的には、保険医療機関の指定が3年以内とされた診療所について、5つの主要な評価項目が対象から外れます。算定不可となるのは機能強化加算、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料の4項目、届出不可となるのは在宅療養支援診療所の1項目です。改正医療法と診療報酬を連動させたこの仕組みは、医師偏在対策の実効性を高める初の試みとして位置付けられます。

外来医師過多区域対応の背景と目的

医師の地域偏在は、2040年頃を見据えた医療提供体制の確保において、最も重要な課題のひとつです。都市部に医師が集中する一方、医師少数区域では医療機関の維持が困難になりつつあり、「保険あってサービスなし」との事態に陥る懸念が指摘されています。こうした状況を打開するため、令和7年12月に医療法等の一部を改正する法律が公布され、医師偏在是正に向けた総合的な対策が法制化されました。

改正医療法では、外来医師過多区域の無床診療所への対応が強化されました。具体的には、新規開業の事前届出制、要請・勧告・公表の手続き、そして保険医療機関の指定期間の短縮といった措置が導入されています。都道府県知事は、外来医師過多区域での新規開業者に対し、開業6か月前の届出を求め、地域で不足する医療機能や医師不足地域での医療提供を要請することができます。要請に従わない場合には、保険医療機関の指定期間が通常の6年から3年以内に短縮される仕組みです。

診療報酬改定では、この改正医療法と連動したディスインセンティブ措置を講じます。指定期間が3年以内に短縮された医療機関は、地域医療への寄与が不十分との位置付けであることを踏まえ、かかりつけ医機能等を評価する主要な診療報酬項目の対象から除外されます。診療報酬と医療法を連動させることで、医師偏在対策の実効性を高めることが今回の改定の目的です。

対象から外れる5つの評価項目

指定期間が3年以内に短縮された診療所では、5つの評価項目が対象から外れます。算定不可となるのは機能強化加算、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料の4項目です。これに加えて、在宅療養支援診療所の届出ができなくなります。いずれも、かかりつけ医機能や地域医療を担う医療機関を評価する重要な項目であり、診療所経営への影響は決して小さくありません。

機能強化加算は、専門医療機関への受診の要否の判断や一元的な服薬管理等を含めた、診療機能を評価する初診料の加算です。地域包括診療料・加算は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、認知症、慢性心不全、慢性腎臓病のうち2つ以上の慢性疾患を有する患者に対する、継続的かつ全人的な医療を評価する項目です。小児かかりつけ診療料は、小児に対する継続的かつ全人的な医療を評価する項目として位置付けられています。

在宅療養支援診療所は、地域において在宅医療を支える24時間の窓口として、他の医療機関と連携を図りつつ24時間往診や訪問看護等を提供する診療所を評価する仕組みです。これら5項目はいずれも、地域医療への積極的な貢献を前提とした評価であり、地域で不足する医療機能の提供要請に応じない医療機関を対象外とすることには明確な政策的合理性があります。

改定内容の具体的な規定

施設基準の改定内容は、機能強化加算を例にとると明確に把握できます。改定後の施設基準では、「健康保険法第六十八条の二第一項の規定により三年以内の期限が付された同法第六十三条第三項第一号の指定を受けた診療所以外の保険医療機関であること」が新たに加わります。つまり、指定期間が3年以内に短縮された診療所は、機能強化加算の算定要件を満たさないことが明文化されます。

同様の規定は、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料、在宅療養支援診療所の施設基準にも追加されます。条文上の表現は項目ごとに揃えられており、改正医療法における健康保険法第六十八条の二第一項の規定を共通の参照点として、5項目に一貫した形で適用される構成です。施設基準の通知においても、同趣旨の規定が新設されます。

新規開業を検討する医師にとっては、開業地の選定段階から外来医師過多区域に該当するかどうかの確認が不可欠となります。外来医師過多区域に該当する場合は、都道府県知事からの要請内容を十分に検討し、地域で不足する医療機能の提供に応じるか否かを判断する必要があります。要請に応じない選択をする場合には、診療報酬上の主要な加算・料が算定できないことを前提とした事業計画の策定が求められます。

まとめ:改正医療法と診療報酬の連動による医師偏在対策

令和8年度診療報酬改定では、外来医師過多区域における医師偏在対策として、診療報酬上のディスインセンティブ措置が導入されます。都道府県知事の要請に応じず保険医療機関の指定が3年以内とされた診療所は、機能強化加算、地域包括診療加算、地域包括診療料、小児かかりつけ診療料の4項目が算定不可となり、在宅療養支援診療所の届出ができなくなります。改正医療法と診療報酬を連動させたこの新たな仕組みは、医師偏在対策の実効性を高める制度設計の出発点として位置付けられます。



Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

令和8年度診療報酬改定により、外来医師過多区域での新規開業に対し、医師の地域偏在是正を目的としたペナルティが導入されます。知事の要請に応じない医療機関は、保険医療機関の指定期間が短縮され、機能強化加算など主要な診療報酬項目が算定できなくなります。これは医療法と診療報酬を連動させ、地域医療への貢献を促すことで、都市部と地方の医療格差解消を目指す初の試みです。

導入と問題提起
あの、ちょっと想像してみて欲しいんですけど。はい、はい。何でしょう。あなたが念願の独立を果たして、ついに新しいお店を出そうとしたらですね、最大のスポンサーから、その場所はもうお店が多すぎるから別の町に出してよ。もし言うこと聞かないなら、売り上げを大幅にカットするよって言われる。いや、それはかなり理不尽というか、厳しい状況ですよね。
岡田 ですよね。でもこれ、なんかフィクションみたいな話ですけど、実は今、日本の開業医たちに起きようとしていることなんですよ。
へえ、まさに現在進行形の問題ですね。
岡田 というわけで、今回の徹底解説のテーマは、令和8年度の診療報酬改定で導入される外来医師型区域での新規開業ペナルティについてです。
はい。医療の裏側で起きている国と医師の静かな攻防ですね。
岡田 これをリスナーのあなたと一緒に読み解いていきたいんですが、よし、早速紐解いていきましょう。
医師の地域偏在とその背景
あの、そのさもですね、なんで今になって、新しくクリニックを開業するお医者さんにそんな厳しい罰則を設けることになったんでしょうか。
これの背景にあるのはですね、2040年頃を見据えた日本の医療の最大のアキレス犬、つまり医師の地域偏在なんですよ。
岡田 地域偏在って要するに都市部にばかりお医者さんが集中しちゃうっていうアレですよね。
そうなんです。このまま放置すると、地方では保険証は持っているのに、見てもらう病院がないといういわゆる保険あってサービスなしの深刻な事態に陥る懸念があるんですね。
岡田 ああ、なるほど。医療崩壊を防ぐために国としては何としてもお医者さんを地方へ分散させたいわけですね。
はい、そういうことです。でもちょっと待ってください。お医者さんも個人事業主ですよね。
岡田 基本的にはそうですね。つまりすでにカフェが10軒あるような激戦区にあえて11軒目を出す自由もあるわけじゃないですか。
だとしたら、知事から隣町はお医者さんゼロだからそっちに出してって要請されても、それを無視することだってできるんじゃないですか。
改正医療法と診療報酬の連動
まあ職業選択の自由はありますからね。ただここで興味深いのが今回の新ルールなんですよ。
改正医療法によって知事の要請に従わない場合にあるシステムが発動します。
岡田 要請を断ったらどうなるんですか。あ、でも待てよ。カフェと違ってクリニックの売り上げの大部分って国が保険として支払ってますよね。
あ、鋭いですね。まさにそこなんです。国が財布の紐を握っているからこそできるプレッシャーでして。
岡田 つまり言うこと聞かないなら報酬を下げるぞってことですか。
ええ。具体的にはですね、通常6年間ある保険医療機関の指定期間がなんと3年以内に短縮されてしまうんです。
岡田 3年以内?半分以下じゃないですか。それだけでも経営の前提が狂いそうですね。
いや、それだけじゃないんですよ。指定期間が短縮された場合、さらに5つの大きなペナルティが待っています。
5つの主要なペナルティ項目
岡田 待って待って。5つもあるんですか。えーと、ちょっと手元の資料を見ますね。
岡田 機能強化加算、それから地域包括診療加算、そして地域包括診療料、そして省にかかりつけ診療料の4つが算定負荷になる。
はい、その通りです。そしてもう一つが。
岡田 あ、これですね。在宅療養支援診療所の届けでも負荷になる、と。これ、クリニックにとってどれくらいいたてなんでしょうか。
いやー、かなりの大打撃ですよ。ペナルティとして削られるこの5項目って、どれも地域医療への積極的な貢献を評価して上乗せされる加算なんですね。
岡田 ああ、なるほど。かかりつけ費としてのボーナスみたいなものですね。
そうなんです。つまり、地域のニーズを無視して激戦区にクリニックを出すなら、地域貢献のボーナスは一切払わないぞという国の明確なメッセージなんです。
医師偏在対策の実効性と今後の展望
岡田 なるほどな。これまでは行政からのお願い止まりだったのが、今回初めて医療法と診療報酬っていうお金の仕組みを連動させてきたわけですね。
ええ。実質的な強制力を持たせた偏在対策の実効性を高める初の試みと言えますね。
岡田 いやあ、国がそこまで強行手段に出ないと、地方の医療格差を埋まらないフェーズに来てるんですね。
これ私たちが普段病院に行く時にも直結する話じゃないですか。
そうですね。聞いてる方の生活エリアにも関わってきますからね。
岡田 これからあなたの家の近くに新しくできるクリニックは、すべてここは医師が多すぎるエリアじゃないかという行政の判定や、
ペナルティを受けてでもここでやるかっていうシビアな経営判断を乗り越えてあそこに立っているわけですからね。
はい。お医者さんにとっても、ただ開業すれば患者さんが来る時代は終わって、どこでどんな役割を担うのかが厳しく問われるように乗ります。
岡田 そうなると、今後の都市部の医療がどう進化していくのかすごく気になりますね。
ええ、競争はさらに激化するでしょうね。
岡田 ですよね。主要な診療報酬を失うペナルティを背負ってでも、あえてお医者さんが溢れる激戦区での開業を選ぶ人たちもきっといるはずなんですよ。
間違いなく一定数は出てくると思います。
岡田 彼らはそのハンデをどうやって乗り越えるんでしょうか。
ボーナスなしで戦う11件目のクリニックが、生き残りをかけてどんな画期的なサービスや独自の経営戦略を打ち出してくるのか。
これちょっとリスナーの皆さんもぜひ、近所の新しいクリニックを見かけたら、彼らがどんな戦略で挑んでいるのか想像してみてはいかがでしょうか。
今後の医療競争の変化から目が離せませんね。
05:21

コメント

スクロール