頭痛に悩む方は日本に数多く存在しますが、その多くが市販薬での対処を当たり前と考え、専門的な治療にたどり着いていません。この現状を変えるべく、自身も片頭痛経験者である脳神経外科専門医・山本俊先生は、頭痛外来での診療と並行して情報発信活動に取り組んでいます。今回のインタビューでは、山本先生が頭痛外来を始めた背景と、専門医だからこそ伝えられる頭痛治療の本質について、岡大徳がお話を伺いました。
山本先生は脳神経外科専門医として、頭痛外来を運営しています。頭痛外来では、初めて激しい頭痛を経験した患者さんと長年頭痛に悩み続けてきた患者さんの2種類に対し、それぞれに合わせた診療を実践しています。さらに、自身の片頭痛経験を活かした患者さんへの共感と、Substackを通じた情報発信により、頭痛外来に来られない方にも届く取り組みを進めています。
山本先生の経歴と頭痛外来への取り組み
山本俊先生は、脳神経外科専門医として臨床経験を積み、現在は博士課程に在学しながら頭痛外来を運営しています。命に関わる頭痛を数多く診てきた経験が、患者さんに与える安心感の違いとなって表れています。山本先生のより詳しい経歴については、ご自身の自己紹介記事【自己紹介】【ver0】医療現場のガチな修羅場をくぐった脳外科医が、あなたの「つらい頭痛」になぜ本気で向き合うのかをご覧ください。
脳神経外科の専門性は、頭痛外来において大きな強みとなります。山本先生は臨床の最前線で命に関わる頭痛を数多く診療してきました。この経験により、患者さんに対して根拠ある安心感を提供できる立場にあります。
頭痛で困っている人の多さと治療の進歩が、山本先生の活動の原動力です。現在の医療では頭痛治療が大きく進歩し、多くの患者さんを助けられるようになっています。この事実に山本先生自身が感動し、頭痛外来の開設をはじめとする幅広い活動を積極的に展開しています。
頭痛外来における2種類の患者さんと診療アプローチ
頭痛外来には大きく分けて2種類の患者さんが来院し、山本先生はそれぞれに応じた診療を行っています。初めて激しい頭痛を経験した患者さんと、長年頭痛に悩み続けてきた患者さんです。どちらの患者さんに対しても、しっかりと受け止める姿勢で外来を運営しています。
初めて激しい頭痛を経験した患者さんには、危険な頭痛の発見が最優先となります。この種の患者さんに対しては、丁寧な問診、神経診察と画像診断が診療の命となります。画像検査で問題がなければ患者さんを安心させると同時に、なぜそのような頭痛が起きるのかについても踏み込んで説明することを心がけています。
長年の頭痛持ちの患者さんには、信頼関係の構築から診療を始めます。この種の患者さんは、周囲の理解が得られなかったり、医療機関で適切な対応を受けられなかった経験を抱えていることが多いものです。山本先生は、患者さんの話をしっかり受け止める姿勢から始め、治療が大きく進歩している事実を時間をかけて伝えることで、信頼関係を築いています。
信頼関係の構築には、診察の入り口に工夫を凝らしています。山本先生は、頭痛の場所を尋ねる代わりに、日常生活への影響を最初に聞くようにしています。仕事や家庭でどのような困りごとを抱えているかから対話を始めることで、患者さんの緊張を和らげ、スムーズなコミュニケーションを実現しています。
自身の片頭痛経験が生んだ患者さんへの共感
山本先生が頭痛外来に注力する最大の理由は、自身の片頭痛経験にあります。子供の頃にひどい片頭痛を抱え、人に分かってもらえない辛さを経験しました。この経験が、患者さんの痛みを理解できる強みにつながっています。
患者さんとの信頼関係は、生のコミュニケーションから生まれます。山本先生は「本当に辛いですよね」という共感の言葉を起点に、患者さんとの関係を構築しています。1人当たり30分かけることもありますが、痛みを理解する姿勢こそが最も大事だと考えています。
山本先生自身の片頭痛は、年齢とともに頻度が減少しました。男性の場合、加齢に伴い頻度が少なくなるパターンがあり、山本先生もこのパターンに該当します。一方で女性の場合は一生付き合っていくケースが多いため、「付き合っていくもの」として治療でどれだけ改善できるかを伝える診療を実践しています。
情報発信活動を始めた理由と今後のビジョン
山本先生が情報発信活動を始めた理由は、頭痛患者さんが自らにかける「スティグマ」を変えるためです。スティグマとは烙印を意味する言葉で、「頭痛は市販薬で対処するもの」「寝込むのは諦めるしかない」と頭痛患者さん自身が思い込んでいる現状を指します。この思い込みは、医師自身が発信しなければ変えられません。
頭痛外来で待つだけでは届かない患者さんが、世の中には数多く存在します。治療を求めて来院する患者さんは助けられても、来院に至らない患者さんは助けられません。山本先生は、自ら発信することでスティグマにとらわれた患者さんにも届けたいと考えています。
山本先生の発信プラットフォームには、Substackを選択しています。Xはアルゴリズムに依存し投稿が流れてしまう一方、Substackは記事を資産として積み重ねられる点が優れています。頭痛患者さんが興味を持って訪れた際に、様々な治療法を知ることができる情報の蓄積を目指しています。
山本先生のビジョンは、全ての頭痛患者さんに届く大きな声を発信できる医師になることです。頭痛外来で待つだけでなく、自ら発信することで、スティグマに閉じ込められた患者さんにも届けたいと考えています。リスナーに対しては、フォローだけでも構わないので、専門医がフィルターをかけた情報を周囲にも伝えてほしいと呼びかけています。
まとめ
山本俊先生のインタビューを通じて、頭痛外来における専門医の役割と情報発信の意義が明らかになりました。山本先生は脳神経外科専門医として頭痛外来を運営し、2種類の患者さんそれぞれに応じた診療を実践しています。自身の片頭痛経験が患者さんへの深い共感と発信活動の原動力となり、Substackを通じて全ての頭痛患者さんに届く声を発信することを目指しています。頭痛に悩む方とその周囲の方は、専門医のフィルターを通した価値ある情報に触れることで、新たな治療の選択肢を知ることができるはずです。
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サマリー
脳神経外科専門医の山本俊先生は、自身の片頭痛経験を活かし、頭痛外来で患者に寄り添う診療を行っています。初めての激しい頭痛や長年の頭痛に悩む患者それぞれに合わせたアプローチで、命に関わる頭痛の鑑別から信頼関係の構築までを重視。また、頭痛患者が抱える「スティグマ」を解消するため、Substackを通じて専門医の視点から質の高い情報発信に力を入れ、全ての頭痛患者に希望を届けたいと語ります。
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