訪問看護の利用者のニーズや療養環境は多様化している。この多様化に対応するため、適切な指定訪問看護に係る管理の推進が求められている。本稿では、令和8年度診療報酬改定における訪問看護管理療養費の見直し内容を解説する。
訪問看護管理療養費の見直しは、月の初日の評価充実、月の2日目以降の統合と細分化、施設基準の届出不要化の3点に集約される。月の初日の訪問看護管理療養費では、機能強化型1から3までの点数を引き上げ、新たに機能強化型4を新設する。月の2日目以降の訪問看護管理療養費では、現行の1と2を統合し、1月当たりの訪問日数と単一建物居住者数で評価を細分化する。施設基準の届出は、月の2日目以降の評価について不要となる。
月の初日の訪問看護管理療養費は評価を充実
月の初日の訪問看護管理療養費は、機能強化型1から3の点数引き上げと機能強化型4の新設により評価を充実する。
機能強化型訪問看護管理療養費1から3は、それぞれ点数を引き上げる。機能強化型1は13,230円から13,730円へ500円引き上げる。機能強化型2は10,030円から10,430円へ400円引き上げる。機能強化型3は8,700円から9,000円へ300円引き上げる。これらの引き上げは、適切な指定訪問看護の管理推進を目的としている。
機能強化型訪問看護管理療養費4は、9,000円で新設される。この新設区分の詳細は、別途の改定項目「Ⅱ−5−2④」で示されている。新設区分の追加により、機能強化型の評価体系は4段階となる。
機能強化型以外の場合は、7,670円から7,680円へ10円の引き上げにとどまる。引き上げ幅が小さいことから、今回の改定の中心は機能強化型の評価充実にあるとわかる。
月の2日目以降は統合と細分化を実施
月の2日目以降の訪問看護管理療養費は、現行の1と2を統合し、訪問日数と単一建物居住者数で評価を細分化する。
現行の訪問看護管理療養費1と2は、今回の改定で統合される。現行は1が3,000円、2が2,500円の2段階評価であった。今回の改定で両者を統合し、新たな評価軸で細分化する。
新たな評価軸は、単一建物居住者の人数と1月当たりの訪問日数の2軸である。単一建物居住者が20人未満の場合は、訪問日数にかかわらず3,000円となる。単一建物居住者が20人以上49人以下の場合は、訪問日数に応じて2,200円から2,500円に細分化される。単一建物居住者が50人以上の場合は、訪問日数に応じて2,000円から2,400円に細分化される。
訪問日数による細分化は、3区分で設定される。1区分目は1月当たり15日以下、2区分目は16日以上24日以下、3区分目は25日以上である。訪問日数が多くなるほど点数が低くなる仕組みである。
施設基準の届出が不要に
施設基準の届出は、月の2日目以降の訪問看護管理療養費について不要となる。
施設基準の届出は、現行では月の2日目以降の評価でも必要であった。具体的には、現行の訪問看護管理療養費1と2のそれぞれに施設基準が設けられていた。訪問看護管理療養費1の基準は、同一建物居住者の割合が7割未満であることに加え、別表第七・第八に掲げる疾病等の者への訪問看護実績、またはGAF尺度40以下の精神科訪問看護利用者数が月5人以上であることを求めていた。訪問看護管理療養費2の基準は、同一建物居住者の割合が7割以上であること、または当該割合が7割未満で1の基準に該当しないことを求めていた。
これらの基準は、今回の改定ですべて削除される。月の2日目以降の評価については、施設基準の届出なしで算定可能となる。月の初日の機能強化型の評価のみ、施設基準の届出が継続して求められる。
まとめ
令和8年度診療報酬改定では、訪問看護管理療養費が3つの方向で見直される。3つの方向とは、月の初日の評価充実、月の2日目以降の統合と細分化、施設基準の届出不要化である。これらの見直しは、適切な指定訪問看護に係る管理の推進と、利用者のニーズや療養環境の多様化への対応を目的としている。訪問看護ステーションは、改定内容を正確に把握し、自施設の運営方針への反映を進める必要がある。
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サマリー
令和8年度診療報酬改定では、訪問看護管理療養費が大きく見直されます。特に、月の初日の訪問看護管理療養費は、24時間対応可能な機能強化型ステーションへの評価が大幅に引き上げられ、新たな区分も新設されます。一方、月の2日目以降の評価は、単一建物居住者数や訪問日数に応じた細分化と効率化が進められ、同時に煩雑だった施設基準の届出が不要となることで、現場の事務負担軽減が図られます。これらの変更は、多様化する利用者のニーズに対応し、限られた医療資源を効果的に配分することで、持続可能な訪問看護体制を構築することを目的としています。
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