脳外科医が実践するAI活用術|知的生産を加速する3つの極意

岡大徳のポッドキャストに、脳神経外科専門医の山本俊先生をお招きしました。山本先生は、頭痛外来で患者を診察しながら、大学院博士課程でAIを活用した研究に取り組む医師です。本記事では、現役の脳神経外科医がなぜAIエージェントを使い倒し、その知見をメルマガで発信するのか、その実践と思想を伺ったインタビュー内容をお届けします。山本先生がAIをどのように活用しているのか、その全体像を3つの切り口でお伝えします。1つ目は、Claude Codeによるデータ前処理の劇的な効率化です。2つ目は、自分の脳とAIを有機的に結合させる能動的な質問の姿勢です。3つ目は、自分自身の能力を信じて伸ばすという根本姿勢です。以下、山本先生の経歴に触れた上で、それぞれを順に解説します。山本先生の経歴とAIに本気で取り組む背景山本先生は、臨床現場での豊富な経験を持つ脳神経外科専門医であり、現在は大学院博士課程で研究に取り組んでいます。医師として臨床現場でバリバリ働いた経験を土台に、頭痛外来で患者を診察しながら研究にも従事する実践者です。詳しい経歴やAIに本気で向き合う理由は、ご本人による自己紹介記事に綴られています。▼山本先生の自己紹介記事はこちら 【自己紹介】【ver0】医療現場のガチな修羅場をくぐった脳外科医が、あなたの「つらい頭痛」になぜ本気で向き合うのかAIへの取り組みの起点は、2024年以降のAIの急速な進化にあります。山本先生は進化の著しさに注目し、人間の労働や知的生産が根本的に変わると確信しました。この確信から、まず自分の研究にAIを組み込む実践者になることから始め、得られた知見を発信する活動へとつなげています。AIによる生産性向上とのファーストタッチ:データ前処理の劇的な効率化山本先生は、昨年登場したClaude Codeを初めて研究で触った時のことを次のように語られています。従来は丸一日近くかかっていたデータ前処理が、わずか30分で完了するようになりました。この時間短縮こそが、知的生産を加速させる最初の体験となったそうです。Claude Code導入前の課題は、データ前処理に膨大な時間を要することでした。PythonやRなどのプログラミング言語を学んでも、データクリーニングやCSVファイルのバージョン管理といった泥臭い作業に時間を取られていました。1つの工程を済ませるのに丸一日かかる日もあったといいます。Claude Code導入後の変化は、作業時間の桁違いの短縮です。数時間かかっていた処理が数十分単位に短縮され、機械学習のコード作成も容易になりました。コードはPythonとして残るため、自分で内容を確認できる安心感もあります。時間短縮の効果は、新たなワークフローの構築にもつながっています。山本先生は空いた時間を活用し、Codexを活用し文献調査を行い、知識管理ツールObsidianに蓄積する仕組みを構築しました。文献管理ソフトにMCPサーバーを接続し、スキルを一度実行すれば一連の作業が完了する環境を整えています。自分の脳とAIを有機的に結合させる能動的な質問山本先生が最も重視するのは、AIに能動的に質問することで自分の脳と接続させる姿勢です。AIに調べさせるだけでは、自分自身の知的積み重ねがないまま成果物だけが完成してしまいます。この問題を避けるため、質問という行為を通じてAIの知識を自分の脳に有機的に結合させることを意識しています。質問の工夫として、山本先生は3つのテクニックを実践しています。1つ目は、AIが使った分からない用語を1つも逃さず聞き返すことです。2つ目は、AIが人間に迎合する傾向をプロンプトで抑制し、聞きたくないことまで積極的に言わせることです。3つ目は、メタ認知を引き出すために、背景にある根本的なアイデアも交えて話すよう指示することです。質問の質を高める基盤は、日常的に考える習慣にあります。山本先生は通勤中や散歩中など、パソコンから離れた時間に思考を巡らせています。考えた内容はスマホのChatGPTやClaudeに投げかけて壁打ちし、自分の脳とAIが共に加速する毎日を意識しています。自分自身の能力を信じて伸ばすという根本姿勢山本先生がメルマガを通じて伝えたいのは、自分自身の能力を信じて伸ばすというAI活用の根本姿勢です。AIに依存して自分の能力が下がるのではないかという不安を抱える人は少なくありません。この不安に対し、現場の実践者の言葉で価値ある情報を発信することに意義があると考えています。メルマガ発信のもう一つの動機は、コミュニティを通じた議論の深化です。自分の考えを発信することで多様な人と交流し、意見を交わせる場を構築したいという思いがあります。SNS初心者ながら、コミュニティの力を信じて少しずつ発信を積み重ねています。今後の発信は、一般的なAI活用と医療現場での実装の2軸で展開する予定です。特に自律型AIエージェントは、患者をよくするという臨床応用の可能性を秘めています。山本先生は、自身が医療現場で実装した結果や深く考えた内容といった一次情報にフォーカスして発信していくと語っています。まとめ:AI時代の知的生産は自分の脳を伸ばすことから現役脳神経外科医の山本俊先生は、Claude Codeによる業務効率化、能動的な質問によるAIとの有機的結合、そして自分自身の能力を伸ばす根本姿勢という3つの極意でAIを活用しています。AIに任せきりにするのではなく、自分の脳と接続させながら共に加速していく姿勢こそが、AI時代の知的生産の鍵となります。山本先生のメルマガでは、頭痛治療の専門情報に加え、医療現場でのAI実装やAIエージェント活用の一次情報が発信されます。研究や知的生産にAIをどう組み込むか、その本質に触れたい方にとって、現場の実践者だからこそ語れる貴重な内容となるはずです。▼山本俊先生のメルマガはこちらから 山本俊の「頭痛」と「脳」のメルマガ Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

脳神経外科専門医が語る頭痛外来の真実|山本俊先生インタビュー

頭痛に悩む方は日本に数多く存在しますが、その多くが市販薬での対処を当たり前と考え、専門的な治療にたどり着いていません。この現状を変えるべく、自身も片頭痛経験者である脳神経外科専門医・山本俊先生は、頭痛外来での診療と並行して情報発信活動に取り組んでいます。今回のインタビューでは、山本先生が頭痛外来を始めた背景と、専門医だからこそ伝えられる頭痛治療の本質について、岡大徳がお話を伺いました。山本先生は脳神経外科専門医として、頭痛外来を運営しています。頭痛外来では、初めて激しい頭痛を経験した患者さんと長年頭痛に悩み続けてきた患者さんの2種類に対し、それぞれに合わせた診療を実践しています。さらに、自身の片頭痛経験を活かした患者さんへの共感と、Substackを通じた情報発信により、頭痛外来に来られない方にも届く取り組みを進めています。山本先生の経歴と頭痛外来への取り組み山本俊先生は、脳神経外科専門医として臨床経験を積み、現在は博士課程に在学しながら頭痛外来を運営しています。命に関わる頭痛を数多く診てきた経験が、患者さんに与える安心感の違いとなって表れています。山本先生のより詳しい経歴については、ご自身の自己紹介記事【自己紹介】【ver0】医療現場のガチな修羅場をくぐった脳外科医が、あなたの「つらい頭痛」になぜ本気で向き合うのかをご覧ください。脳神経外科の専門性は、頭痛外来において大きな強みとなります。山本先生は臨床の最前線で命に関わる頭痛を数多く診療してきました。この経験により、患者さんに対して根拠ある安心感を提供できる立場にあります。頭痛で困っている人の多さと治療の進歩が、山本先生の活動の原動力です。現在の医療では頭痛治療が大きく進歩し、多くの患者さんを助けられるようになっています。この事実に山本先生自身が感動し、頭痛外来の開設をはじめとする幅広い活動を積極的に展開しています。頭痛外来における2種類の患者さんと診療アプローチ頭痛外来には大きく分けて2種類の患者さんが来院し、山本先生はそれぞれに応じた診療を行っています。初めて激しい頭痛を経験した患者さんと、長年頭痛に悩み続けてきた患者さんです。どちらの患者さんに対しても、しっかりと受け止める姿勢で外来を運営しています。初めて激しい頭痛を経験した患者さんには、危険な頭痛の発見が最優先となります。この種の患者さんに対しては、丁寧な問診、神経診察と画像診断が診療の命となります。画像検査で問題がなければ患者さんを安心させると同時に、なぜそのような頭痛が起きるのかについても踏み込んで説明することを心がけています。長年の頭痛持ちの患者さんには、信頼関係の構築から診療を始めます。この種の患者さんは、周囲の理解が得られなかったり、医療機関で適切な対応を受けられなかった経験を抱えていることが多いものです。山本先生は、患者さんの話をしっかり受け止める姿勢から始め、治療が大きく進歩している事実を時間をかけて伝えることで、信頼関係を築いています。信頼関係の構築には、診察の入り口に工夫を凝らしています。山本先生は、頭痛の場所を尋ねる代わりに、日常生活への影響を最初に聞くようにしています。仕事や家庭でどのような困りごとを抱えているかから対話を始めることで、患者さんの緊張を和らげ、スムーズなコミュニケーションを実現しています。自身の片頭痛経験が生んだ患者さんへの共感山本先生が頭痛外来に注力する最大の理由は、自身の片頭痛経験にあります。子供の頃にひどい片頭痛を抱え、人に分かってもらえない辛さを経験しました。この経験が、患者さんの痛みを理解できる強みにつながっています。患者さんとの信頼関係は、生のコミュニケーションから生まれます。山本先生は「本当に辛いですよね」という共感の言葉を起点に、患者さんとの関係を構築しています。1人当たり30分かけることもありますが、痛みを理解する姿勢こそが最も大事だと考えています。山本先生自身の片頭痛は、年齢とともに頻度が減少しました。男性の場合、加齢に伴い頻度が少なくなるパターンがあり、山本先生もこのパターンに該当します。一方で女性の場合は一生付き合っていくケースが多いため、「付き合っていくもの」として治療でどれだけ改善できるかを伝える診療を実践しています。情報発信活動を始めた理由と今後のビジョン山本先生が情報発信活動を始めた理由は、頭痛患者さんが自らにかける「スティグマ」を変えるためです。スティグマとは烙印を意味する言葉で、「頭痛は市販薬で対処するもの」「寝込むのは諦めるしかない」と頭痛患者さん自身が思い込んでいる現状を指します。この思い込みは、医師自身が発信しなければ変えられません。頭痛外来で待つだけでは届かない患者さんが、世の中には数多く存在します。治療を求めて来院する患者さんは助けられても、来院に至らない患者さんは助けられません。山本先生は、自ら発信することでスティグマにとらわれた患者さんにも届けたいと考えています。山本先生の発信プラットフォームには、Substackを選択しています。Xはアルゴリズムに依存し投稿が流れてしまう一方、Substackは記事を資産として積み重ねられる点が優れています。頭痛患者さんが興味を持って訪れた際に、様々な治療法を知ることができる情報の蓄積を目指しています。山本先生のビジョンは、全ての頭痛患者さんに届く大きな声を発信できる医師になることです。頭痛外来で待つだけでなく、自ら発信することで、スティグマに閉じ込められた患者さんにも届けたいと考えています。リスナーに対しては、フォローだけでも構わないので、専門医がフィルターをかけた情報を周囲にも伝えてほしいと呼びかけています。まとめ山本俊先生のインタビューを通じて、頭痛外来における専門医の役割と情報発信の意義が明らかになりました。山本先生は脳神経外科専門医として頭痛外来を運営し、2種類の患者さんそれぞれに応じた診療を実践しています。自身の片頭痛経験が患者さんへの深い共感と発信活動の原動力となり、Substackを通じて全ての頭痛患者さんに届く声を発信することを目指しています。頭痛に悩む方とその周囲の方は、専門医のフィルターを通した価値ある情報に触れることで、新たな治療の選択肢を知ることができるはずです。📩 山本俊の「頭痛」と「脳」のメルマガ 頭痛治療の最新情報や、AI時代の「脳」に関するテーマを専門医がお届けします。 Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe