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令和8年度改定|全身麻酔の評価が3つの軸で抜本再編
2026-05-27 05:47

令和8年度改定|全身麻酔の評価が3つの軸で抜本再編

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令和8年度診療報酬改定では、全身麻酔の評価体系が抜本的に見直されます。現行の評価体系は、麻酔の深度や気道確保デバイスの違い、麻酔管理体制を十分に反映していません。この課題を解消し、安全で質の高い麻酔管理を適切に評価するため、本記事では改定内容を整理して解説します。

全身麻酔の評価は、「麻酔の深度」「気道確保デバイスの有無」「麻酔管理体制」の3つの軸で再構築されます。第1に、短時間の鎮静を評価する区分として「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」(L001)が新設されます。第2に、深鎮静の評価は麻酔管理体制に応じた4区分に整理されます。第3に、L008の名称が「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」に変更され、点数も調整されます。

短時間鎮静を評価するL001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設

短時間の鎮静については、現行の複数区分を統合して新区分が設けられます。統合対象は、現行の区分番号L000「迷もう麻酔」、L001「筋肉注射による全身麻酔、注腸による麻酔」、L001-2「静脈麻酔」の1、およびL007「開放点滴式全身麻酔」です。なお、L001-2「静脈麻酔」の1とは、現行のL001-2が短時間(1)・長時間で十分な体制下(2)・その他(3)の3区分で構成されているうちの「短時間」を指します。これらの区分を統合する形で、L001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設されます。

新設されるL001は、実施時間に応じた2区分で評価されます。1つ目は「10分未満のもの」で120点が算定されます。2つ目は「10分以上20分未満のもの」で310点が算定されます。これら2区分は、短時間鎮静の実態に即した時間軸で整理された評価体系です。

深鎮静の評価は麻酔管理体制に応じた4区分に再編

深鎮静についても、麻酔管理体制を反映した評価体系へと見直されます。現行のL001-2「静脈麻酔」の2および3を整理する観点から、深鎮静の評価が新L007「吸入麻酔又は静脈麻酔による深鎮静(声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴わないもの)」として整備されます。なお、旧L007「開放点滴式全身麻酔」の内容は前述のとおり新L001に統合されるため、L007という区分番号は深鎮静の評価へと役割を変えます。新L007は、麻酔に従事する医師の関与度に応じた4段階の評価で構成されます。

L007の4区分は、麻酔専従医師の関与度に応じて段階的に点数が設定されます。第1区分は「麻酔に従事する医師が専従で実施する場合」で2,600点となります。第2区分は「麻酔に従事する医師の指導下で麻酔を専従で実施する場合」で1,700点となります。第3区分は「麻酔を専従で実施する場合」で900点となります。第4区分は「1から3まで以外の場合」で600点となります。

L007には、複数の加算と算定要件が設定されます。実施時間が2時間を超えた場合は、麻酔管理時間加算として30分又はその端数を増すごとに、第1区分で780点、第2区分で510点が加算されます。3歳以上6歳未満の幼児に対しては、幼児加算として所定点数の10%が加算されます。なお、第1区分および第2区分の算定には、施設基準への適合と地方厚生局長等への届出が要件となります。

L008は名称変更と点数調整で気道確保デバイスの評価を明確化

L008については、気道確保デバイスを用いた全身麻酔の評価であることを名称で明確化します。現行の「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔」は、「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」へと変更されます。この名称変更により、評価対象となる気道確保デバイスの範囲が明確になります。

L008の点数は、名称変更とあわせて一部が調整されます。腹腔鏡を用いた手術等が行われる場合の点数は、麻酔困難患者で9,130点から9,015点へ、それ以外で6,610点から6,500点へと改定されます。麻酔管理時間加算も同様に、該当区分で660点から650点へと調整されます。これらの点数調整は、改定全体の整合性を踏まえた見直しです。

改定全体を貫く3つの軸を踏まえた対応が必要

令和8年度改定における全身麻酔の評価は、3つの軸での再編が共通の柱となります。第1の軸である麻酔の深度に応じて、短時間鎮静のL001と深鎮静のL007が整理されます。第2の軸である気道確保デバイスの有無に応じて、L007とL008が区分されます。第3の軸である麻酔管理体制に応じて、L007が4段階に区分されます。医療機関は、これら3つの軸を踏まえて自院の麻酔管理体制を点検し、施設基準の届出など必要な対応を進めることが求められます。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定では、全身麻酔の評価体系が「麻酔の深度」「気道確保デバイスの有無」「麻酔管理体制」の3つの軸で抜本的に再編されます。短時間鎮静にはL001「吸入麻酔又は静脈麻酔による鎮静」が新設され、深鎮静のL007は麻酔管理体制に応じた4区分に整理されます。また、L008は気道確保デバイスを明確化する名称変更と点数調整が行われ、医療の質と安全性を高めるための適正な評価システムへの移行が図られています。

導入と課題認識
今日も厚生労働省の令和8年度診療報酬改定の資料とか、専門誌なんかをまとめて、あなたにお届けするディープダイブです。
今回のテーマは、全身麻酔の評価体系の抜本的再編ですね。 はい、そうですね。今回のミッションは、これまで現場のその麻酔深度とか管理体制が全く反映されていなかった
この曖昧な領域がどう変わったのか。新しく導入された3つの評価軸を通して、聞いているあなたにクリアに理解していただくことです。
よし、じゃあ紐解いていきましょうか。あの骨折の診断ってすごくわかりやすいじゃないですか。
ええ、まあレントゲンを取ってってやつですよね。 そうですそうです。白い線があれば折れてますねーで終わる。
でも、麻酔の診療報酬の世界って急にそのレントゲンが壊れちゃったみたいに、なんかすごく曖昧だったんですよね。
まさに診断の泥沼というか、急精度は複雑すぎた上に、誰がどのくらいの深さの麻酔をかけているかっていう、その現場のリアルを正当に評価できていなかったんです。
第1の軸:麻酔の深度(L001の新設)
そこに今回の改定が入ったわけですね。まずは第一の軸、麻酔の深度です。
これまでは複数あった区分が、今回L001、吸入麻酔または蒸脈麻酔による沈静として新設されました。
はい、ここはかなりすっきり整理されましたね。 ただ資料を見ると、10分未満なら120点、10分以上20分未満なら310点と時間で区切られてるんですよね。
ええ、そうですね。
なんか定食屋の滞在時間別の迷路会計みたいですけど、そもそも深さの話をしているのに、なんで時間でくぐるんですか。逆に計算とか事務手続きが面倒くさくなりそうですが。
ああ、それは良い視点ですね。一見すると、かえって現場の事務負担が増えそうに感じるかもしれません。
ですよね、ストップウォッチで測るわけにもいかないですし。
ええ、でも短時間の沈静って処置の長さに比例して患者さんの状態監視とかリスク管理の負担が直線的に増えていくんですよ。
なるほど、じゃあ負担と時間が比例するからなんですね。
その通りです。時間っていう客観的な指標を入れることで現場の曖昧さを排除して、結果的に誰もが納得できる評価軸を作り上げたんですよ。
なるほど、じゃあもっと深く長くかかる沈静はどうなるんですか。
第2の軸:麻酔管理体制(L007の再編)
そこで出てくるのが第2の軸、麻酔管理体制です。
SIN L007が適用されるんですが、ここでは誰が管理しているかで点数がシビアに変わります。
誰がですか。
はい、例えば麻酔千住医が自ら実施するとトップの2600点なんですが、千住医外の医師だと600点まで下がってしまうんです。
ちょっと待って、2600点と600点ですか。それ4倍以上の差じゃないですか。
それって千住医がいないと病院側は往存するってことですよね。
かなり厳しい評価基準になったと言えますね。
それと、資料に3歳以上6歳未満の幼児には10%の加算がつくってあるんですが、なんでピンポイントでこの年齢なんですか。
それはですね、この時期の幼児って生理的な予測不可能性が極めて高いからなんです。軌道も狭いですし。
なるほど、すぐ状態が変わっちゃうってことですか。
マスイに対する反応が急変しやすいんです。だから高度な監視体制を維持するコストとして明確に10%が上乗せされるというメカニズムなんですよ。
第3の軸:気道確保デバイス(L008の明確化と点数調整)
なるほど、リスクの高さに直結しているわけだ。誰が管理するかがL007ならもう一つの変更点、L008は何を使って管理するかの話ですよね。
はい、その通りです。L008は正門状器具または機関相関による軌道確保を伴うという具体的なデバイス名を明記する名称に変わりました。
デバイス名が具体的に語れるようになったんですね。
ただ、例えば副空腔手術でのマスイ困難患者の場合、実は9130点から9015点にわずかに減点されているんです。
えっ、デバイスを明確化したのに点数が下がるんですか?
厳格化されたなら上がりそうなのに、どういう理屈なんでしょうか?
ここで非常に興味深いのは、特定のデバイス仕様が現場で一般化して標準化してきたため、コストが適正化されたという背景があるんです。
ああ、普及したからコストが下がったってことですね。
単に点数を上げるんじゃなくて、誰が何を使うかの専門性と実態を精緻に反映して、システム全体で医療の質を担保しようとする国からのメッセージなんです。
どんぶり勘定をやめて、適正な評価システムに移行したわけですね。
改定の全体像と今後の課題
となると、医療機関はこれら3つの軸に基づいて、人員の体制を点検しなきゃいけない、つまりこれらが意味することって何なんでしょう?
まあ、医療の質を点数化して専門医の関与を高く評価することで、患者さんの安全性は間違いなく高まるということですね。
精度の意図はすごくクリアになりましたね。ただ、聞いているあなたに一つ想像してみてほしいんです。
と言いますと。
はい、安全性は確かに高まるんですけど、一方で、ただでさえ麻酔腺重位を確保しづらい地方の病院には、これってどんな影響を与えるんでしょうか?
ああ、地方の意思不足の問題ですね。
ええ、白黒はっきりさせることで見えてくるクリアな世界もある一方で、その光のせいで地方での手術が難しくなるっていう新たな影が落ちる場所もあるのかもしれません。
そうですね。評価が厳格化される分、基準を満たせない地方病院は苦しくなるでしょうね。
はい、この精度変更がもたらすその先の景色について、ぜひ聞いているあなたも考えてみてください。
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