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【令和8年度改定】同一建物の訪問看護、人数・日数で評価が細分化へ
2026-05-20 06:27

【令和8年度改定】同一建物の訪問看護、人数・日数で評価が細分化へ

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高齢者住まい等に居住する利用者への訪問看護は、近年、多人数への頻回な訪問が短時間で効率的に行われる傾向が強まっています。しかし、現行の訪問看護基本療養費(Ⅱ)等は、同一日に3人以上か否かといった粗い人数区分に留まり、効率性の実態を十分に反映できていません。この課題を踏まえ、令和8年度診療報酬改定では、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等とその関連加算を、1月当たりの訪問日数や建物内の訪問人数に応じたきめ細かな評価へと再編します。

本改定の柱は4点です。第1に、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等の人数区分を、現行の2区分から「2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」の5区分へ細分化します。第2に、訪問時間の標準を30分以上とし、20分未満の訪問は算定不可とする要件を新設します。第3に、同一建物の定義に同一敷地内の建物を含めるよう拡張します。第4に、難病等複数回訪問加算や夜間・早朝・深夜訪問看護加算、複数名訪問看護加算についても、人数や日数に応じた段階評価へ見直します。

なお、頻回訪問を24時間体制で行う高齢者住まい等併設・隣接ステーションについては、加算による評価ではなく、新設される「包括型訪問看護療養費」(Ⅱ-5-2⑧)で別途評価されます。本メルマガで扱う加算の段階評価は、その他のケースに適用される枠組みです。

訪問看護基本療養費(Ⅱ)が人数区分2区分から5区分に再編

訪問看護基本療養費(Ⅱ)の人数区分は、現行の2区分から、同一建物に居住する利用者の人数に応じた5区分へと細分化されます。現行は「同一日に2人」と「同一日に3人以上」の2区分でしたが、改定後は「2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」の5区分となります。これにより、大規模な高齢者住まい等への効率的な訪問の実態が、点数体系に直接反映される構造になります。

新たに設定される10人以上の3区分では、1月当たりの訪問日数による段階評価も導入されます。保健師・助産師・看護師による訪問の場合、例えば「同一日に50人以上」では、1月当たり20日目までが2,610円、21日目以降は2,510円と、頻回訪問に対して逓減的な点数が設定されます。准看護師による訪問にも、同じ5区分と日数階層が適用されます。建物規模と訪問頻度の両軸で評価が分かれる点が、今回の改定の特徴です。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問にも、同じ5区分の人数区分が適用されますが、週・月の段階の入り方は職種により異なります。保健師等と准看護師では、「2人」と「3人以上9人以下」の区分内に「週3日目まで/週4日目以降」の段階がありますが、PT・OT・STの場合は、これらの区分はフラット料金(週・月による段階なし)です。一方、10人以上の3区分では、職種を問わず1月当たりの日数階層が共通で適用されます。

訪問時間の標準を「30分以上」とする要件を新設

訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定する場合に、適切な訪問時間に関する要件が新たに設けられます。具体的には、適切な指定訪問看護の時間は30分以上を標準とし、20分を下回る訪問では基本療養費(Ⅱ)およびその加算等を算定できません。実施した時間は訪問看護記録書に記載することが義務付けられ、短時間訪問の濫用を抑制する仕組みとなります。

短時間訪問の合算ルールも新設されます。前回提供した訪問看護の終了から2時間未満の間隔で、提供時間が20分以上30分未満の指定訪問看護を行う場合、それぞれの所要時間を合算して1回として扱います。ただし、緊急の指定訪問看護はこの合算対象から除かれます。短い訪問を分割して複数回算定する運用が、これにより制限されます。

同一建物の定義に同一敷地内の建物を追加

同一建物の定義は、同一敷地内の建物まで含むよう拡張されます。現行では「当該者と同一の建物に居住する他の者」が同一建物居住者の対象でしたが、改定後は「同一の建物又は同一の敷地内の建物に居住する他の者」も対象となります。この見直しにより、敷地内に複数棟を構える高齢者住まい等への訪問も、同一建物居住者として扱われます。

この定義の見直しは、介護保険における取り扱いとも整合性を高めるものです。介護保険では従来から、同一敷地内や隣接する敷地内の建物に居住する利用者への訪問看護費に減算が適用されてきました。医療保険でも同一敷地内の建物を同一建物と扱うことで、訪問看護ステーションが敷地内の複数棟を効率的に巡回する場合に、その実態が評価に反映される仕組みとなります。

主要加算も人数・日数に応じた段階評価へ

難病等複数回訪問加算は、同一建物内の算定人数に応じた5区分の評価へと細分化されます。現行は「1人または2人」「3人以上」の2区分でしたが、改定後は「1人または2人」「3人以上9人以下」「10人以上19人以下」「20人以上49人以下」「50人以上」の5区分になります。1日に3回以上の場合は、「1人または2人」の区分はフラット料金(8,000円)ですが、「3人以上9人以下」以降の区分には1月当たりの算定日数による段階も加わります。例えば「3人以上9人以下」で1日3回以上の場合、20日目までが7,200円、21日目以降は6,900円となります。

複数名訪問看護加算と複数名精神科訪問看護加算についても、同一建物内の算定人数に応じた5区分の評価が導入されます。看護職員と他の看護師等が同時に訪問する場合、現行の「1人または2人」「3人以上」の2区分から、難病等複数回訪問加算と同じ5区分構造へと再編されます。准看護師との同時訪問や、その他職員との同時訪問にも、同様のパラレルな構造が適用されます。

夜間・早朝訪問看護加算と深夜訪問看護加算は、人数による5区分を基本とし、3人以上の区分には1月当たりの算定日数による段階が加わります。「同一建物内2人」の区分は日数階層がないフラット料金(夜間・早朝2,100円、深夜4,200円)です。一方、3人以上の4区分では、1月当たり15日目までと16日目以降で段階評価が設定されます。例えば夜間・早朝訪問看護加算の「同一建物内50人以上」では、1月当たり15日目までが1,000円、16日目以降は800円となり、深夜訪問看護加算では同じ階層構造で1,800円・1,300円が設定されます。

まとめ:効率性の実態を反映した、きめ細かな評価体系へ

令和8年度改定における同一建物への訪問看護の見直しは、訪問の効率性を点数体系に反映させる方向で、4つの軸から進められます。すなわち、訪問看護基本療養費(Ⅱ)等の人数5区分化と日数階層の導入、訪問時間の標準化と短時間訪問の合算ルール、同一敷地内まで含めた同一建物の定義拡張、そして主要加算の段階評価への再編です。なお、24時間体制で頻回訪問を行う高齢者住まい等併設・隣接ステーションは、加算による評価ではなく新設の「包括型訪問看護療養費」で別途評価される点にも留意が必要です。高齢者住まい等に併設・隣接する訪問看護ステーションを運営する事業者にとっては、収益構造に直接影響する改定であり、令和8年度の施行に向けて算定要件の確認と運用体制の見直しが急務となります。



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サマリー

令和8年度の診療報酬改定では、同一建物への訪問看護における効率性の実態を反映するため、評価体系が大幅に見直されます。これまでの大雑把な人数区分を5段階に細分化し、訪問時間の標準化や20分未満の訪問の算定不可、同一敷地内の建物も同一建物とみなす定義の拡張が行われます。これにより、訪問看護ステーションの収益構造に大きな影響を与え、事業者は今後の戦略を再考する必要に迫られます。

訪問看護の効率化と新ルールの背景
あの、もしですね、マンションに50個の荷物を一気に届ける宅配業者がいたとして、その業者がわざわざ街中を一個ずつ走り回ったのと同じ、個別配送の料金を請求してきたら、なんかちょっとおかしいなって思いますよね。
まあ普通に考えたら、効率よくなってるんだから安くしてよってなりますよね。 そうなんですよ。でも実は、長年一部の巨大な高齢者施設に入っている訪問看護ステーションでは、なんかこれに近いことが起きていたんです。 なので今回の深掘りでは、お聞きのあなたと一緒に、この令和8年度、2026年の診療報酬改定の資料をベースにしてですね、この訪問看護の効率化にメスを入れた新ルールを徹底解剖していきたいと思います。
よろしくお願いします。施設での、いわゆる短時間で他人数を回るっていうビジネスモデルが急増する中でですね、国がどうやって適正な評価という手綱を引いたのか、そこを探っていくのが今回のミッションですね。事業所の収益構造を根本から揺るがすような変化が起きていますから。
人数区分と日数による評価の細分化
ですよね。なんか今までのルールだと、同じ日に2人見るか、それとも3人以上見るかっていうものすごく大雑把な区分しかなかったじゃないですか。はい、おっしゃる通りです。3人でも50人でも割引率が同じって、先ほどの宅配便の話じゃないですけど、業者の効率からすると全く実態に合っていない気がするんですよね。
まさにそこが現場の効率性が評価に反映されていない典型例だったわけです。そこで新しいルールでは、この人数区分をですね、一気に5段階に細分化しました。5段階ですか。はい。2、3から9人、10から19人、20から49人、そして50人以上という非常にリアルで細かい刻み方になったんですよ。
なるほど。いや、この50人以上っていう枠をわざわざ作ったところに、なんか巨大施設への強烈な牽制みたいなものを感じますね。まあ、そうですよね。で、実はさらにですね、10人以上の区分には月の日数による低減性、つまり、事業者側にとっての逆ボリュームディスカウントが導入されたんです。逆ボリュームディスカウントですか。
ええ。同じ巨大施設に月に何度も訪問していると、21日目以降は1回あたりの訪問がガクッと下がる仕組みなんですよ。
えー。
毎日のその訪問が本当に医学的に必要なのか、それとも単に習慣化してしまっているだけなのか、そこを国が解いているわけです。
訪問時間の標準化と短時間訪問の規制
あー、それは結構厳しいですね。でもその、もし私が経営者だったらですよ。
はい。
50人訪問した時の単価を下げられちゃうなら、じゃあ利益を確保するために、1回あたりの訪問時間を、例えば5分とか10分に短くして、とにかく回数だけをこなそうって方針に切り替えるかもしれないです。国はこういう抜け道には気づいてるんですか?
あー、そこは完全にふさぎに来ていますね。
あ、そうなんですか。
ええ。新ルールでは、訪問時間の標準を30分以上としっかり要件化してですね、なんと20分未満の訪問は算定負荷と厳格に定めたんですよ。
えっと、算定負荷ってことは、じゃあ19分の訪問になっちゃったら、実質ただ働きになるってことですか?
そういうことになりますね。
うわ、それは現場の看護師さんたちのストップウォッチを使った時間管理が劇的に変わりそうですね。
はい。しかもですね、それだけじゃないんです。前回の訪問から2時間未満の間隔で20分から30分の訪問を繰り返した場合ですね、これ緊急時を除いてまとめて1回として計算されることになったんです。
なるほど、じゃあ短い訪問を細切れにして何度も点数を稼ぐようなビジネスモデルは、これで事実上不可能になったわけですね。
その通りです。短時間訪問の乱用を防ぐためのまさに鉄壁のルールですね。
「同一建物」定義の拡張と抜け道対策
人数カウンターをリセットしようとか考えそうじゃないですか?
実はそこも先回りされてるんですよ。
え、マジですか?
同一建物の定義が拡張されまして、同一敷地内の建物も含まれるようになりました。
なるほど。
だから敷地内に複数の塔があって、そこを巡回しても結局一つの同じ建物としてカウントされちゃうんです。
完全に逃げ道がないですね。
主要加算の段階評価と包括型訪問看護療養費
ちなみに夜間対応とか難病ケアみたいな特別な加算も、この厳しい5段階とか日数制限のルールの同連れになるんですか?
はい、基本的にはすべて同じ構造に再編されます。ただ一つだけ例外がありまして。
例外ですか?
24時間体制で頻回に訪問する、いわゆる施設併設型のステーションですね。
これは包括型訪問看護療養費という新しい枠組みに移されるんです。
包括型っていうと、訪問のたびに点数を積み上げる出来高払いじゃなくて、月額定額制みたいなイメージですかね?
はい、まさにその定額制のパッケージ料金に切り替わるということです。
定額になれば、とにかく訪問回数をこなして稼ぐというインセンティブが根本から証明しますよね。
確かに、回数いっても定額なら意味ないですもんね。
はい。施設側の財政的な動機をガラッと変えるのが狙いなんですよ。
改定のまとめと今後の展望
なるほど。いや、規模と頻度がこれほどダイレクトに、しかも厳格に管理されるシステムに移行するわけですね。
これは令和8年に向けて、現在の効率重視のモデルはもう根本的な見直しを図られそうですね。
そうですね。効率化時代が悪いわけではないんですが、それが本当に医療的な必要性に基づいているのか、これまで以上にシビアに問われる時代になったということです。
本当にそうですね。非常に興味深いです。これを踏まえて、最後にお聞きなあなたに少し考えてみてほしいことがあります。
はい。
でも、さらに圧倒的な超大規模化で効率を極めるのか、それとも、完全な重症者の個別対応に特化していくのか。
大きな分岐点ですよね。
ええ。この二極化が進むのでしょうか。そして、あなたはどう考えますか?
ルールが変われば、私たちの未来の景色も大きく変わっていくはずです。ぜひご自身でも少し掘り下げてみてください。
06:27

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