# 33-1 藤井風“野菜食べよ”の精神ーベジタリアン事情から「動物かわいいから」の功罪まで
今回のテーマは藤井風とゾウ。ベジタリアンである藤井風さんについて、自称カゼリアン(藤井風ファン)のASメンバー4人で語り合いました!前半の今回では、藤井風の「野菜食べよ」スピリットはどのように発信されてきたのか?藤井風は動物についてどのように伝え、ファンはそれをどのように受け止めてきたのか?、後半の次回では、9月にリリースされた最新アルバム「Prema」の中でのお気に入りソングを共有しつつ、MVに登場するゾウをきっかけに、タイの観光産業でゾウが置かれている厳しい状況について考えます。〈前半トピック〉お気に入り楽曲/藤井風と徹子の部屋/藤井風ライブグッズ&ライブご飯/「YASAI TABEYO」スピリット/動物が「かわいそう」と「かわいい」の違いとは?/「かわいい」の功罪/動物愛護と動物福祉
# 32-3 カントで動物倫理を語る意味とは?――“飽きないゲーム” “星空” “ロゼッタストーン”としてのカント(早稲田大学 中村 涼さん、北海道大学 清水 颯さん)
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第四弾のゲストは、早稲田大学の中村涼さんと北海道大学の清水颯さん。お二人はカント研究を下敷きに、中村さんは環境倫理、清水さんは人と人以外との関係に取り組んでこられました。今回は前回に引き続き、ご研究の関心、動物倫理におけるカント義務論のアプローチに加えて、カントを下敷きにした研究や倫理学における理論研究の意義などについてもお話しいただきました。300年前を生きたカントをもとに現代を語ることや、アプローチしやすい他の理論ではなくカント義務論を取り上げることに意味はあるのか? どう向き合うべきなのか?さらにはお二人にとってのカント研究の現れ方、動機の違いも興味深く、人柄にも迫れるようなお話でした。聴いていただくと、倫理学の魅力をあらためて感じてもらえるかもしれません。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください!投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします。こちらのフォームからもお便りお待ちしております。中村さんのカント的アプローチ / 動物実験を減らすための議論 / カントの議論を21世紀視点で問い直す / あの時代に生きていたからカントはカントである / 2つの意味で「難しい」直接義務のアプローチ / 権利論と義務論とカント義務論 / 工場畜産批判をするためにカントをアレンジしすぎる / 理論が倫理を豊かにする / 倫理学はかぎ針だ / 倫理学が好きになった! / 二人が名言連発 / 研究の展望 / カントはなかなか飽きないゲーム / カントは星空 / 実践と学問をつなげる / 骨太の問題意識が必要 / コットンさんと背後の綿引さんから動物倫理かいぎへの思い---各種リンク動物倫理かいぎ:https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e中村涼さんResearchmaphttps://researchmap.jp/rotfuchs清水颯さんResearchmaphttps://researchmap.jp/hayate-s
# 32-2 理性だけじゃない!情感豊かなカントを探る――動物倫理への4つのアプローチ(早稲田大学 中村 涼さん、北海道大学 清水 颯さん)
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第四弾のゲストは、早稲田大学の中村涼さんと北海道大学の清水颯さん。お二人はカント研究を下敷きに、中村さんは環境倫理、清水さんは人と人以外との関係に取り組んでこられました。今回は共同発表の内容から発展して、これまでのご研究や関心、動物倫理におけるカント義務論のアプローチなどについてお話しいただきました。お二人は異なるきっかけからカント研究を始めたそうですが、「めちゃくちゃ理性!」だけじゃない「情感豊かなカント」への関心は重なっているとのこと。清水さん注目の、これまでの見方を覆すカント義務論へのアプローチも聴きどころです。次回は、カントの生きた時代を踏まえて現代の動物実験や畜産を問い直していくこと、お二人の研究の展望から見えてくる理論研究の意義についてお話ししていきます。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください!投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします。---中村さんのきっかけ / 「永遠平和」への憧れ / 自然に囲まれて育った / 自己自身に対する義務と動物を大切にすること / 清水さんのご研究 / カントは「理性、理性!」だけだったのか? / 人と人以外(動物やAI)との関係 / 何か満足を感じながら義務やるぞ / 感情に注目すれば何か言えるのではないか / 違う理論から同じ結論に辿り着く / カント義務論から動物倫理への4つのアプローチ / ニコ・ミュラーがラディカルで面白い / 自己自身に対する義務からのアプローチに繋がる?各種リンク動物倫理かいぎ:https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e中村涼さんResearchmaphttps://researchmap.jp/rotfuchs清水颯さんResearchmaphttps://researchmap.jp/hayate-s中村涼(2024)「『自然物に関する義務』再考 ― カント義務論に見る環境倫理の可能性 ―」『フィロソフィア』第111号、pp.93–105.https://waseda.repo.nii.ac.jp/records/2002334清水颯(2025)「動物倫理への新たなカント的アプローチ――Kantianism for Animals の論点とその評価」『応用倫理―理論と実践の架橋―』https://researchmap.jp/hayate-s/published_papers/50187505
# 32-1「動物に対する義務はある?ーカントに学ぶ動物と私たちの関係」中村 涼さん 清水 颯さん —— 理性と品格、人間のあるべき姿が照らし出すもの
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第四弾のゲストは、早稲田大学の中村涼さんと北海道大学の清水颯さん。哲学・倫理学の大家カントの義務論では、現代の動物の扱いについて何と言えるのか、共同発表の内容をお話しいただきました!カントは、義務の直接の対象は人間だけとしながら、動物を残虐に扱ってはいけないとも論じています。果たしてその心は?そして当日のご発表にはなかった、カント義務論から着想を得た動物と人間の現代の関係の新しい見方(希望…!)についてもお話しいただきました。ぜひ最後までお聴きください。次回後半ではご発表内容をもとに、お二人のご研究内容や、カント義務論と動物倫理の関係などを深掘りしていきます。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください!投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします。最近の動物倫理かいぎの活動 / カントってどんな人? / 「義務を負う」とは? / カントは熱い理想主義者 / 「動物に対する義務はない」!? / 理性を持った存在だけが義務を課せる / 動物をモノとみなす / 動物を残虐に扱うことは人間の品格を貶める / 理性ってそんなに信頼できるのか / カントは現代の動物実験の歯止めにはならなさそう / 動物倫理にとって物足りないけど意味はある / カント的なロジックをひっくり返してみたら…→希望?---各種リンク動物倫理かいぎ:https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e中村涼さんResearchmaphttps://researchmap.jp/rotfuchs清水颯さんResearchmaphttps://researchmap.jp/hayate-sASのポッドキャスト「#24-2 ヴィーガンになるべきか?:三大理論を学んで工場畜産を評価してみよう」https://creators.spotify.com/pod/profile/as364/episodes/24-2-e2tnkaa/a-abo3apt応用倫理https://caep-hu.sakura.ne.jp/files/oyorinri_no16.pdfCHAIN(北海道大学人間知×脳×AI研究教育センター)https://www.chain.hokudai.ac.jp/
#31 すれ違いをどう乗り越える?ー動物倫理、生態系保全、環境教育...「人それぞれ」で終わらせない──「動物好きと動物倫理の微妙な(?)関係」仲間 礼さん
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第三弾のゲストは、東京農工大学 環境哲学・倫理学研究室の仲間 礼さん。もともと自然が好きで、野生動物管理や生態系保全の勉強をしていたところから動物倫理へ研究分野を移されたという経緯を持つ仲間さんの発表テーマは、「動物好きと動物倫理の微妙な(?)関係」です。動物倫理の考え方は、一見すると仲良くできそうに思える動物好きや自然好きの人たちと、時に衝突してしまうことがあります。今回はこの衝突が生じる背景を整理したうえで、動物に心を寄せる人々が、今後どのような対話を目指していけるのか、研究会や学会で異なる視点と実際に向き合ってきた仲間さんの見解を伺いました。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください。投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします。 動物倫理かいぎの詳細、参加はこちらから↓https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e#20c1079b79d2806d94b8ca6cd6814673
#30-2 動物ことわざ大改造! 種差別フリーな言葉を目指してー猫の手じゃなくて何借りる?
今回は、前回の種差別的言語についての学びを受けて、ことわざ言い換えにチャレンジしました!ことわざには動物が登場するものも多いですが、動物をモノのように扱ったり、軽んじてしまう表現もあります。 「猫の手も借りたい」「獲らぬ狸の皮算用」はどうアップデートされるのか…、必聴です!言い換え結果はブログとしても公開しています。こちらも合わせてお楽しみください! https://animotethics.com/blogs/update-animal-proverbs---ことは「一石二鳥」から始まった/「豚に真珠」→「囲碁に...」/「価値がわからない」のではなく「必要がない」/「捕らぬ狸の皮算用」→「書かぬ作家の...」/「釣った魚に餌はやらぬ」→「買った青菜...」/ベジタリアン的ことわざ/「漁夫の利」→「○○の利」/言い換え博士誕生/「猫の手も借りたい」→「...も借りたい」/反健常者中心主義との重なり/意外とできた!/ことわざ言い換え楽しいよ/ことわざでヴィーガン傲慢問題を解消/スタンプ作りたい
#30-1 「ビーフ」「豚に真珠」「犠牲者」…、日常に溶け込む種差別的言語とは?ー 何が問題で、どう向き合うべきか
今回は「種差別的言語」について考えました実は食や衣服などの消費行動だけでなく、私たちの使う言葉にも種差別は表れています。性差別的言語についての研究や、種差別的な言葉/反種差別的な言葉に対する反応についての研究をもとに、種差別的な言語表現と、その言い換えについて話しました。参考文献ブログ ボール置き場「種差別的言語をやめよう」https://mtboru.hatenablog.com/entry/2021/10/18/184329PETA AUSTRALIA. Derogatory Definitions and Speciesist Slurs – Language Matters! https://www.peta.org.au/living/speciesist-language/Kunst, J. R., & Hohle, S. M. (2016). Meat eaters by dissociation: How we present, prepare and talk about meat increases willingness to eat meat by reducing empathy and disgust. Appetite, 105, 758-774.(レストランのメニュー表で豚肉のことを"pork"と表記するか"pig"と表記するか、またその肉の入手経路について"harvested"と表記するか"killed"や"slaughtered"と表記するか、などが肉食意欲に影響を与える実験の研究)Menegatti, M., & Rubini, M. (2017). Gender bias and sexism in language. In Oxford research encyclopedia of communication.(性差別的言語に関する総説的論文)Bem, S. L., & Bem, D. J. (1973). Does sex‐biased job advertising “aid and abet” sex discrimination? 1. Journal of Applied Social Psychology, 3(1), 6-18.(仕事の応募で代名詞を変えたり一方の性にアピールするような文章にすると応募者数が変化する実験の研究)Leach, S., & Dhont, K. (2023). Non-speciesist language conveys moral commitments to animals and evokes do-gooder derogation. Psychology of Human-Animal Intergroup Relations, 2, 1-24.(非種差別言語を使ってると傲慢と思われるという実験の研究)
#29-1 効果的利他主義とは? なぜ動物福祉が核戦争・AIリスクと並ぶ最重要課題になるのかーー「畜産動物の状況は改善されるべきだ。ではどれくらい優先されるべきか? ——効果的利他主義の観点から」綿引周さん①
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第二弾のゲストは、東京大学でご研究されている綿引周さん。 発表テーマは「畜産動物の状況は改善されるべきだ。ではどれくらい優先されるべきか? ——効果的利他主義の観点から」です。効果的利他主義とは、限られた時間や資源でできるだけ多くの善を行うために、証拠と推論に基づいて行動を選ぶ考え方です。前半である今回は、効果的利他主義の具体的な考え方、この価値観を大切にする人はどのような選択をするのかといった話から、このコミュニティで核戦争やAIリスクと並んで工場畜産は優先して取り組むべき課題とされる理由などについて伺いました。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします!動物倫理かいぎの詳細、参加はこちらから↓https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e#20c1079b79d2806d94b8ca6cd6814673---関連リンク一覧「効果的利他主義の観点から考える畜産動物の問題 パート1 」https://animotethics.com/blogs/effective-altruism-perspective-part1#index_MMMJM6Zo 効果的利他主義の観点から考える畜産動物の問題 パート2 https://animotethics.com/blogs/effective-altruism-perspective-part2 「ウェルフェアはどこまで重要か?廃絶主義者と新福祉主義者で議論してみた」(ASのポッドキャスト「なんでも倫理」) https://open.spotify.com/episode/68FzFuHioKIcan6XYAULKz?si=esStrDl-QLGjikwqRapgfg Animal Charity Evaluators, Movement Granthttps://animalcharityevaluators.org/donate/ EA Fund, Animal Welfare Fund:https://funds.effectivealtruism.org/funds/animal-welfare Giving What We Can, Effective Animal Advocacy Fund:https://www.givingwhatwecan.org/charities/effective-animal-advocacy-fund 日本総研による調査https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=110174 80,000 Hoursのキャリアガイド【キャリアガイド】イントロ:ガイドを読むべき理由 — EA Forum https://forum.effectivealtruism.org/posts/Pxatngqw6aenTcbXF/kyariagaido-intoro-gaidowo-mubeki EAハンドブック — Effective Altruism Japan https://www.eajapan.org/handbook 「私たちは毎日、毎秒、トリアージの真っただ中にいる」 (EAハンドブック所収)https://forum.effectivealtruism.org/posts/WvikY6ixzcwKtKveN/tachiha-toriajino-ttada-niiru 「平均的なアメリカ人は人間1人の苦しみを約11500頭分の家畜の苦しみに相当すると考えている」という調査Norwood, F. B., Lusk, J. L., & Others. (2011). Compassion, by the pound: the economics of farm animal welfare. Oxford University Press. p. 171
#28-4 動物と対話できる/動物も政治に参加できる未来?コミュニケーションの可能性とリスク -「AIを使って動物を助ける方法?」竹下昌志さん④
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第一弾のゲストは、名古屋大学大学院情報学研究科の竹下昌志さん。 AIと動物倫理の双方を専門とする竹下さんの発表テーマは「AIを使って動物を助ける方法?」です🤖今回のトピックは、「動物とのコミュニケーション」。近い将来、動物と対話できる世界、ひいては動物が民主主義政治に参加する世界が実現するかも?現在進められている研究をもとに可能性やリスクを幅広く議論しました。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします!動物倫理かいぎの詳細、参加はこちらから↓https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e#20c1079b79d2806d94b8ca6cd6814673
#28-3 ChatGPTは動物の味方か?使い手・AI開発者の倫理 -「AIを使って動物を助ける方法?」竹下昌志さん③
今年2月1日に開催された、動物倫理かいぎ創立記念イベントの発表内容を、登壇者ご本人にシェアしていただくシリーズ!第一弾のゲストは、名古屋大学大学院情報学研究科の竹下昌志さん。 AIと動物倫理の双方を専門とする竹下さんの発表テーマは「AIを使って動物を助ける方法?」です🤖今回のトピックは、「AIの動物倫理の教育啓蒙活動への応用」。Chat GPT等 AIツールが疑問を解消してくれるツールや議論の相手として広く普及する中で、AIツールの強みや使用上の注意を倫理学的な観点からお話ししました。ご意見・ご感想は@animotethicsをメンションの上ご投稿ください投稿のシェアもぜひよろしくお願いいたします!動物倫理かいぎの詳細、参加はこちらから↓https://modern-orchid-165.notion.site/551464aedf5d4879a73d73eace89b25e#20c1079b79d2806d94b8ca6cd6814673