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#36-1 動物実験を取り巻く実情 ー ABEMAに竹下さんが出演!
2026-04-24 44:17

#36-1 動物実験を取り巻く実情 ー ABEMAに竹下さんが出演!

先日、鹿児島大学でのニュースを受けて、ABEMA Prime に竹下さんが出演!!

番組では語りきれなかった「動物実験を取り巻く実情」と「倫理学での議論」を前後半に分けて深掘りします。

今回前半では、動物実験の基本的なところについて、研究者たちの現場の事情にも目を向けつつ、これからを考えるための整理としてお話ししました。


化粧品の動物実験の禁止を求める国会請願署名

https://www.crueltyfreebeauty.jp/petition/


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竹下さんABEMA出演!/ 動物実験にも色々 / 代表的な動物実験 / 3R(代替・削減・洗練)/ 日本は遅れているの? / EUの規制 / そもそも統計が不足 / 研究者の業績プレッシャーと実験のリアル / 実験のインセンティブ / 今も実験用の猿たちがどこかで暮らしている / どうしたら削減が進んでいくだろう?

感想

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サマリー

本エピソードでは、動物実験に関する現状と倫理的議論を深掘りする。まず、動物実験には規制目的のアニマルテスティングと、基礎研究や教育を含む広範なアニマルエクスペリメンツの二種類があることを解説。次に、動物実験の倫理原則である「3R(代替・削減・洗練)」を紹介し、日本がEUと比較して統計の透明性や規制面で遅れている可能性を指摘する。さらに、研究者の業績プレッシャーや実験のインセンティブといった、動物実験削減が進まない背景にある現実的な問題点も明らかにする。

ABEMA出演と動物実験の概要
むらた
さあ始まりました、なんでも倫理ラジオです。 このポッドキャストは、動物と倫理のメディア、ASがお送りします。
進行は私、むらたです。よろしくお願いします。 はい、では本日はこのお二人とお送りします。まずは竹下さん。
はい、こんにちは。よろしくお願いします。 お願いしまーす。
むらた
では、もう一方、こうせいさん。 はい、よろしくお願い致します。
むらた
はい、よろしくお願いします。3人でお届けします。 ということで、今回はですね、動物実験について取り上げます。
というのも、先日、鹿児島大学で安全基準を満たさない動物実験が行われていたというニュースがあったんですけど、
それを受けて、アベマプライムで日本の動物実験を取り巻く状況、50年遅れてるとか、そういうことが取り上げられまして、
そこでなんと、われらが、竹下さんがご出演されました。
竹下
出演してきましたー。
Kosei
有名人。もう有名人です。 お疲れ様でした、ほんとに
竹下
有名人か。 まだまだです、全然
むらた
あんな視聴者いっぱいで、緊張しませんでした?
竹下
まあでも、オンラインなんでね、オンライン出演だったんですけど、
視聴者がどれぐらいいるか見えてない状態でずっと話していたので、その緊張はあんまなかったですね。
ちゃんとしなきゃみたいな。 そうそうそう、ほんとなんかああいう、なんですかね、
ネットメディアというか、ちゃんとしたその収録に参加してっていうのは、本当に初めてだったというか、
以前もね、YouTubeのメディアとかで、ポリタスTVっていうのはちょっと有名かもしれない、もしかしたらご存知の方もいるかもしれないですけど、
そっちでAIの話をしたりみたいなことはあったんですけど、すごい多くの人が関わっている、
本当なんかテレビ番組みたいな感じのところでの収録っていうのは初めてだったので、それはすごい緊張しましたね。
むらた
いやーそうですよ、有名人が出てたもん、同じ番組の中で。
竹下
本当に(笑)、なんかできれば対面で参加したかったけど、
オンラインだった、そう。
むらた
オンライン出演だから、今Zoomで、オンラインでこれもやってますけど、
映像がいつもと同じ竹下さんで、この背景と椅子と同じで、知ってる知ってるって思って見てました。
いやー、誠にお疲れ様でした。
竹下
ありがとうございます。
むらた
ということで、アベマあれは30分くらいでしたかね。
竹下
そうですね。
むらた
持ち時間も限られて、結構論議を交わすみたいなのが中心だったので、お話ししきれなかった部分も多くあると思いますので、
今回はシリーズ3回にわたって動物実験を取り巻く実情とか、倫理的な議論なんかもお聞きしていきたいなと思っております。
よろしくお願いします。
竹下
よろしくお願いします。
むらた
はい、じゃあじゃあパート1、では早速パート1始めていきましょう。
で、パート1では、アベマでも取り上げられていた部分、国内外の事情だったりとか、
規制が遅れてるだの、ヨーロッパだと進んでるだの、みたいなところをおさらいして詳しく取り上げていければと思います。
むらた
はい、ということで早速、動物実験にはそもそもどんなものがあるかっていうところから竹下さんに聞いていっていいでしょうか。
竹下
はい、まさにね、私としては実はアベマで議論できなかったのはここが大きな原因だったというか、すれ違いの原因だったんじゃないかなって思っているところですけど、
動物実験って一言に言っても、実はいろんなタイプがあるんですね。
ただ今日は大きく二つに分けたいなって思っていて、まず一つ目がアニマルテスティングっていうふうに言うもので、
例えば国とか行政から何か、薬物の安全性であったりとか、あるいは毒性試験であったりとか、そういうのに求められるような規制のための動物実験みたいなものがアニマルテスティングっていうふうに呼ばれるタイプのものですね。
で、私とかあずまさん、そのアベマにもう一人出ていたその動物養護団体の方があずまさんって言うんですけど、私とかあずまさん多分結構そっちの方を念頭において動物実験っていうのを話していたのかなと。
で、もう一つはアニマルエクスペリメント、これはもっと本当に動物実験そのものというか、もうすごい広い意味で、この中にアニマルテスティングも入っちゃうんですけど、
一応アニマルテスティングを除いた意味でアニマルエクスペリメントっていうふうに区別したいなと思っていて、こっちがもう本当にいろいろなものが入っていて、例えば基礎研究、例えばメカニズムを研究するとか、
あるいはそもそもアニマルテスティングであれば、人間に使う薬物の安全性とか毒性試験っていう、だから人間のことを知りたいから動物で実験するっていうのがアニマルテスティングの一つの目的ですけど、動物自身について知りたいときもあるわけですよね。
そういう場合にはアニマルテスティングじゃない動物実験っていうのが基礎研究として行われるし、あるいはアベマではほとんど検討されるものではなかったかなと思いますけど、実際の教育現場で例えば動物を扱って動物の解剖試験をしたりとか、そういう教育の現場で使われるものもこの広い意味での動物実験っていうのに入ってきます。
あとはその薬物を投与するとか、あるいは疾病モデル、動物を病気のモデルとして使うような実験だけではなくて、動物心理学みたいな行動実験、例えば有名、すごい古典的で有名なのだとパブロフの犬の実験とか、鈴鳴らすのと餌あげるのと同時にやってたら、鈴だけ鳴らしたら唾液が出てくるみたいな。
ああいうのって必ずしも侵襲的ではないですよね。その薬を投与したりとか、どっかに閉じ込めたりとかって別にそんなことはせずに、単純に行動実験の一つとしてやっていたわけですけど、これも広い意味で動物実験に入ってくるわけですね。
本当に動物実験って一言に言っても多岐に渡るはずなんですけど、アベマではそこの区別があんまりできずに、そのまま進んでしまったせいで結構議論がすれ違っていたのかなっていう印象はあります。ざっくりこんな感じですね。
むらた
なるほど。アニマルテスティングとアニマルエクスペリメンツっていうのがあって、人間に対する毒性とかをテストする、結構私がイメージしてるのもそっちだったんですけど、それがアニマルテスティングなんですね。
教育とか心理的なところとか行動的なところを見るようなものも含むのがアニマルエクスペリメンツ。
竹下
はい。
むらた
なるほど。でもなんか結構テスティングの方を話してたのかなと思ってましたけどね。どうなんだろう。
竹下
例えば途中、茂木さんが、なんでしたっけ、ちょっと固有名、いつも私覚えられないんですけど、ネズミの、
むらた
ハダカデバネズミ。
竹下
そうそうそう。ハダカデバネズミの、老化を防ぐみたいなところの研究とかって、あれはテスティングじゃない、試験じゃないですよね。
むらた
それに対して薬物を投与するとかでもなくって、なんで老化を防ぐような要因があるんだろうかみたいなメカニズムを調べるみたいなタイプの研究なので、あんまりテスティングの役割ではない、試験の役割ではないですよね。
むらた
そういうことですね。薬物の毒性とか、そのあたりにギュッとフォーカスしてるのがテスティング。
竹下
そうですそうです。例えばこっちとかってあんまり論文とかいう感じではないわけですよね。単に行政から求められて、安全性試験して、そのデータをまとめてっていう形になる、レポートみたいな形になるわけです。
動物実験の倫理原則「3R」
むらた
で、その2人が念頭に置いていたアニマルテスティングの方は、その薬物の毒性調べるっていうことで、結構イメージよくするのはウサギが涙流してるやつとかですけど、具体的にどういうやつがありますかね。
竹下
まさにそのウサギに点滴するみたいなやつはドレイズテストっていうやつで、これも禁止されたんだかされてないんだかよくわかってないようなやつですけど、私もあんまりちゃんと調べられてないところですけど、そういうのは古典的にはやられてたのは間違いないですね。
まさに動物実験のこんなにもひどいみたいな文脈でよく出されるものの一つがドレイズテストになるかなというふうには思います。
ドレイズテストの他にもLD50とかLDフィフティっていうもので、動物個体群に対して例えばその一定の量を投与したときに半分が死ぬ量、半分が致死する量っていうのがそのLD50テストっていうものなんですけど、そういうものによってどこまで投与したら人体とか周りの動物にとって有害になるのかみたいなことを評価したりっていうのがそういったテスティングになってくるかなと思います。
むらた
はい、じゃあアニマルテスティング、アニマルエクスペリメンツの整理をしたところで、動物実験を議論するにあたってよく出てくる3Rっていうやつを一応押さえておいた方がいいかなと思うんですけど、ちょっと紹介いただいてもいいですか?
竹下
はい、3Rっていうのは動物実験倫理の古典中の古典というか、大体どの国でも法の中にも組み込まれるようになってきたような動物実験の理念というか方針なんですね。
3Rっていうのはその頭文字3つのRを取って3Rなんですけど、それはReplacement、Reduction、Refinementの3つです。
むらた
Replacementというのは代替、置き換えですね。だからこれが一番強く求められることで、動物実験じゃなくて動物以外のものを使った実験、例えばよくインビボからインビトロっていうふうな言い方とかインシリコって言い方をするんですけど、つまり本当に動物を使わないような置き換え、これが一番強いタイプの代替、Replacementですね。
ただ、このReplacementの中には実はちょっとその高等動物から下等動物に置き換えるっていうような時も、このReplacementっていう表現が使われるには使われるんですけど、一番スタンダードには動物から動物じゃないものに置き換えるっていうのが代替、Replacementで念頭に置いていいかなと思います。
2つ目がReduction、これが削減。動物実験のその使う動物の数を減らしましょうっていうのがReductionです。これはすごいシンプルでわかりやすいですね。
最後のRがRefinement、これは洗練っていうふうなのが多分定訳かなって思いますけど、動物の苦痛を減らすっていうようなものがRefinement。動物実験、アニマルテスティングなりアニマルエクスペリメントの手法を洗練させて、より苦しみの少ないようにしていくっていうのがこのRefinementになってきます。
この頭文字、このReplacement、Reduction、RefinementのそれぞれのRを取って3Rっていうふうに言われていて、この3Rの最初の提唱って言われているのが、ラッセルとバーチっていう人たちが書いた『人道的な実験技術の原理』っていう本で提唱されたというふうに言われていて、これが1959年に提唱されたと言われていて、これなんとピーターシンガーの動物の開放よりも10年以上前のことなんです。
だから科学者たちの一部はシンガーとかが動物の開放とかを言う前から、やっぱりなんだかんだちょっと問題があるよね。もうちょっと苦痛とかなくしたり、動物から置き換えていかなきゃいけないよねっていう何となくの理念はやっぱり当時からあったのかなっていうふうには思いますし、その3Rっていうのが現代でようやくそのいろんな方の中で組み込まれてきたのかなっていうふうに思います。
日本とEUの動物実験規制の比較
むらた
動物の危害を減らしていくための3つのR、代替・削減・洗練、というのをさらったところで、もうちょっと話していきたいのが、アベマで結構論争っぽくなってた、日本は遅れてる的な話ですけど、規制とかで海外から遅れているっていう話でしたかね。
竹下
そうですね。
むらた
それは事実なんでしょうか。
竹下
多分私はあんまりそういう遅れているっていう表現を使いたくないなって思いながらアベマに参加してたんですけど、でも念頭に置かれているのは多分欧州の、ヨーロッパのことだと思うんですね。
EUの方は規制というかかなり動物実験を、科学者の行う動物実験を全体的に管理しようという動きが結構強くて、まず1つには厳格な統計を取るっていうのがちゃんと行われています。
例えば各国でどの種の個体についてどれぐらいの実験がなされているのか、どれぐらいの数の動物が使われているのかっていうことはもちろんですし、重症度別に、すごくシビアな、度合いが高いのか、めちゃめちゃ苦しんでいる状態での実験なのか、軽度なのかみたいな大体4段階ぐらいあるはずなんですけど、
その重症度別にそれぞれ統計を取っているっていう感じになっていて、かなり透明性があるというか、動物実験がどういうふうにその国で1年通して行われているかっていうのを国民が把握しやすくなっています。
他方で日本は一応各研究機関、その動物実験をしている機関はそれぞれ自分のその機関の中で統計は一応取っているはずなんですけど、それを統一するような政府統計っていうのは日本にはないんですね。
最近になってようやく環境省とかが少しアンケート調査をしたりしながら、大雑把な数の把握っていうのができたりとか、あと数年前とかだと隔年ぐらいで確か動物実験に関しての学会なり研究会みたいなところが販売数っていうのを示していたりしたんですけど、販売数っていうのは使用数ではないので、
そのあたりも本当に国民がすぐに動物実験どれぐらいの規模で行われているんだろうか、どういう仕方で動物って犠牲にされているんだろうかみたいなことをアクセスできるような情報っていうのは日本はない。あんまりストレーが整ってないので、そういうところが一つ遅れているっていう時に念頭に置かれていることなのかなというふうに思います。
むらた
減らすべきだって言っても、その大前提の今どうなっているんだっていうのがまだちゃんと明らかになっていないっていうことですね。
ヨーロッパが進んでいる遅れているって言っちゃってますけど、いろいろと法制を整えているっていうところで、減らしてくださいみたいな規制とかのところはどうなんですかね。
むらた
一つ代表的なのはまさに化粧品の実験ですよね。EUでは化粧品の安全性試験とか毒性試験において、これから追加で動物実験をすることは禁止されていて、加えて動物実験とかで追加でその承認を得ているような製品の販売も禁止するようになっているんですね。
なのでEUにそもそもその動物実験を経た製品さえも入ること、入ること自体はできるかもしれないですけど販売すらできないっていうことになっているっていうのがあります。
これはやっぱりEU内の市民団体とかが署名活動とかをして提出してっていうような流れとかが裏ではあって、それも何年ももめてようやく実現してきたような規制だったりするんですけど、
そういう形でまさにこれは化粧品に関してのアニマルテスティングですよね。それが結構規制がすごく強くなってきたっていうのはあります。
面白い。
むらた
すごいな。それがベースっていうか、もうそれ以外ないんですもんね。動物実験してるやつが、してる化粧品がもう売られないっていう。
協力だな、協力だ。
Kosei
それって日本では動物実験をしている化粧品も売られているじゃないですか。
竹下
はい。
Kosei
EUでは売られていない?
竹下
売れなくなりましたね。
Kosei
すごいですね。全然じゃあ状況が違うんだ、日本と
竹下
状況が全然違います。
むらた
できるんじゃん。できるんじゃんって思っちゃうな。
竹下
実際日本のメーカーも動物実験してませんって言ってるところはね、それなりにあると思うんですよね。
あとはヴィーガンの人とかだと、メーカー単位で動物実験してなければそこの製品を買うっていうようなことをやってると思うんですけど、
むらた
EUの規制とかってあくまでもメーカーに対して求めているというよりは、商品ごとに、もうちょっと言うと成分に対しての規制なので、
メーカー自体が動物実験を別のところにしていても、別にメーカーが開発した動物実験を経ていない化粧品は販売できるので、
そこはちょっとね、ギャップがあるというか、我々が不売運動をするときのギャップが少しあるかもしれないですね。
そういうことですね。
むらた
日本で売られている化粧品で、割と大手のメーカーとかで実験してません。
でも中国とかですかね、法制で実験が求められているところに関してはやってますみたいなのを聞いたりするので、
そういうメーカー全体でやってるのかやってないのか、商品単位でどうなのかみたいな違いはあるんですね。
竹下
まさに。でも中国もね、最近確かその法規制がだんだん変わりつつあるはずなんで。
むらた
そうなんだ。
むらた
全体通してだいたい化粧品に関してのアニマルテスティング、動物試験っていうのは減ってきているというか、規制の方向にあるかなとは思います。
むらた
化粧品以外で言うと、それも統計があまり取られてないので分からないっていう感じですかね、動物実験どれくらい行われているのか。
竹下
そうですね。もう分かんないとしか言いようがないですね。
日本の場合は本当にその政府統計がないので、もう統一してその数を知ることはほぼできないと思います。
もちろんその全部の各研究機関が公表している数を調べに行くみたいなことすればできるかもしれないですけど、それはちょっと難しいですよね。
むらた
全体としては統計も取ってないし、全体としてはあまり規制がされていない、動物実験に対して。
研究者のプレッシャーと実験のリアル
むらた
だけど、その研究室とかこの分野の中で論文を発表するときに、このくらいの動物実験の安全基準なのかな、倫理基準はクリアしてくださいねみたいなのとかもないんですかね、あんまり。
竹下
科学者の自主規制に任せられていると言うほかないですけど、一応その倫理審査ちゃんと通しましたよとかいうのは論文中にちゃんと記載しなきゃいけないというか、そういうのを記載していないような論文というのは基本的に査読を通らない、ジャーナル雑誌、学術雑誌にはそもそも絶対に載らないと思うので、それは最低限されていますし、
一応日本の中でも自主規制とは言うものの、各々で倫理審査をちゃんと通してるんですね。その動物実験のための計画を立てて、これの計画を立てる上で、バイオセキュリティレベルっていう、どれくらい危険なものを取り扱うのかとかにもよりますけど、そういうのをちゃんと書いて、あとはその計画の通りに進める。
その倫理審査自体もちゃんと学内で、一応学内というのはここでは大学が念頭に置かれてますけど、学内でちゃんと倫理審査を通すっていうその流れはちゃんとあるんですよね。
例えばアベマで話題になってたニュースで取り上げられた鹿児島大学の件は、まさにその学内規定でこうしてるじゃんみたいなその計画を立てたんだけど、それと違うやり方で実験が行われていたので問題になったということですね。
むらた
そういうことですね。じゃあ決めたものに則っているかっていうところで評価されていると。
そこに統一的なものが出てくるとより進むのかなっていう感じですかね。
竹下
これは規制したい側と自由に研究したい側のちょっとした対立構造になってしまってますよね。
むらた
そうか。どうですか?ここまでこうせいさんなんかあったりします?
Kosei
勉強になるなと思いながら聞いてましたけど、そうですね。どうなんだろう、問題になった大学の研究者はこれは何で予定よりオーバーして動物実験をしたのかなっていうのは気になりましたけど、なんかその都合について推測できるところとかあるのかなって思いました。
竹下
この具体的な件の中身は正直わからないですけど、わかんない
Kosei
最初からちゃんと申告すればよかったんじゃないかっていう。
むらた
確かに。どうせ自主なんだったら。
むらた
そういうわけにいかないのか。
竹下
これの件に限って言うとそれはちょっとわかんないとしか言いようがないんですけど、いくつか動物実験に関わるところで科学者側で誘惑にかかられるところがいくつかあって、
一つはまず動物実験っていったときに何かいつでも実験できるようにするためのストックというか、余剰動物って言ったりするんですけど、余りの動物が大量にいるんですけど、マウス、ラットとかだとは割とそんなに高くなく買え、購入できるんですよね。
もちろんそれを無駄にしたくないんで、何か追加で実験するみたいな、そういう動機づけというかインセンティブ、誘引も多少はあるんですけど、鹿児島大学のこの件って牛だったはずですよね、確か。
そうですね、牛なので高いというか、ほいほい手に入るような代物でもなかったりするので。そういうところで一つ、動物実験ってまさに生き物だからこそ生じる実験の不自由さみたいなものが、追加の、元々含めてなかった実験をするモチベーション、インセンティブになっちゃったりとか、
というのは経済的損失とかもいろいろありますけど、あるかなとは思います。
あと他にも倫理審査から外れるっていうところではないですけど、科学者たちも仕事でやっていて、業績を作らなきゃいけないんですね。
(例えば)私も研究者としてやっぱりいわゆるトップのランクの高いジャーナルに通すために頑張って動物実験したいなと、私は動物実験しない研究をしてますけど、AIとか倫理学の研究なんであんまり関係ないですけど、
でもやっぱりそのランクの高いジャーナルに通そう、学術に通そうとか高い業績を得ていこうみたいなことによって、動物実験をある種不適切にしてしまうようなことももしかしたらあるかもしれないですし、
ここは本当に推測でしかないですけど、一応推測じゃないことを言っておくと、時々ランダム化比較実験っていう一番エビデンスレベルが高い、その証拠の信頼性が高いって言われてるような実験形態とかがあるんですけど、あんまりそういうのが動物実験ではなされてないとか、
結果を過剰に評価したりする、過剰に、数値だけを見るとそんなに良い結果じゃなさそうなんだけど、論文のディスカッション、考察の部分でちょっと誇張表現をしてしまったりとか、あと二重盲検(ダブルブラインド)をしていなかった、ブラインドテストになってなかったとか、
あと動物実験したはいいんだけど、本当に結果が全然出ませんでした。なのでジャーナルにできません、論文に出ませんっていうので、これネガティブリザルトって言ったりするんですけど、ネガティブリザルトを公表しない、だから動物実験したのにその結果がどこにも報告されないまま捨てられてしまうみたいな、そういうこともあったりするんですよね。
こういうのが全体として動物実験、特にアニマルテスティングの有効性を下げてるんじゃないかみたいなことは言われていますね。後でもアニマルテスティングの有効性ちょっと触れますけど、大体全体として最終的にアニマルテスティング通過しても最終的に薬として承認される割合っていうのは10%を切ったり切らなかったりぐらいの確率な割合なので、
本当にアニマルテスティングって人間に関しては全然有効じゃないよねって言われるいくつかの要因は、そういう動物実験の不適切な研究に由来しているっていうのはよく議論としては言われていますね。
Kosei
いやー、なんかリアルですね。めっちゃリアル。
竹下
本当にリアルだと思います。
Kosei
でもまあ確かに失敗したら言いづらいだろうなっていうのを察するところはありますね。
竹下
これはなんか心理学とかでもね、なんか心理学とかでも再現性の問題っていうふうに言われたりしますけど、その否定的な結果が科学者コミュニティで共有されないせいで、みんながみんな失敗した実験を後追いしちゃうみたいな現象とかがあったりするんで、
まあそういうのは良くないよねっていうので、心理学の方とかだとそういうネガティブリザルトもちゃんと公表していこうみたいな流れとかあったりするんですけど、
動物実験でももしかしたらそういう流れもあるかもしれないですけど、
まあ本当、研究者も仕事で業績を獲得しなきゃいけないっていう圧があるっていう、
まあ本当なんか人間らしい側面もなんかあるのかなっていう。
むらた
そうか、その業績を挙げるためにやっていることだから失敗は公表しないし、ちょっと曲げちゃったりっていう事例もあったりして、
で、それがさらに公表されないから後追いしちゃってとか、なんか動物実験で何かできるだろうって思っちゃって、また動物実験のインセンティブが高まってっていう感じなんですかね。
竹下
まあ一応付言しておくと、もちろんみんながみんなそうじゃないです。一応科学者の行っていることは立て前としてはちゃんと信頼できるものとして、
まあ適切な科学的なプロセスによって行われているし、倫理審査とかもあるんで厳しい方だとは思うんですよね、他の科学分野と比べたら。
ですけど、別にそういう問題がないわけではないし、いくつかの先行研究でもランダム化非化実験行われてないよねとか、出版の圧力っていう、論文をとにかく出版しろ出版しろって言われてしまう圧力、業績獲得していけみたいなそういうプレッシャーみたいなものがあったりしてしまうというのは事実としてはあるかなとは思いますね。
むらた
そういう動物実験をするようにというプレッシャーとかインセンティブとかがあって、実情数字そんなにわかってないけど、なかなか削減とかは進んでないかもしれないっていうところで、
動物実験削減が進まない背景と現状
むらた
戻りますけど、日本で3R代替・削減・洗練が進んでいないとしたらその背景って他に何かこれかなっていうのはあるんですか。
竹下
まず間違いなく規制が統一化されてないっていうのはあると思いますね。EUとかであれば規制が統一化されているし管理する団体、団体としてはEUの本体なわけですけど、でもそうじゃなくって個別の大学機関内の規制で留まっているんで、
よくも悪くも分散が多分ある可能性がありますね。その大学機関によってもしかしたら厳しいところもあれば、緩いところもあればっていうのはあるかもしれないですし、強い罰則規制とかがあるわけでもないので、別にわざわざその3Rっていうのを推し進めなきゃいけないっていうインセンティブがそんなにない。
それをわざわざするっていう動機づけがそんなにないですし、あとは例えば3Rだけじゃなくて動物実験する際はそれが必要です、動物に対して加える危害よりも得られる利益・ベネフィットが大きいですよっていうそういう正当化もしなきゃいけないってよく言われるんですけど、倫理審査をする審査員たちも同様の科学者たちなので、
基本的にその規制の方向で倫理審査しようとする人ってあんまりいないんですよね。外部監査とかも一応あるにはありますけど、個別の倫理審査で毎回毎回第3者を入れてるわけではないので、そういうところでもその3Rを進めていくっていうようなモチベーションがそんなにないっていうのはあるかなとは思います。
むらた
なるほど。
竹下
例えば動物倫理学者を入れたら倫理審査ほとんど通らなくなっちゃうっていうこともあるかもしれないですけど、それはそれで科学者にとってはもうそんな不利益なことはないわけでね。
むらた
うんうん。業績がかかってる。今後の研究室の未来がどうなるのかかかってる中で、そうですね。そうか。いやリアルですね。本当に。
まあでもその不必要な害を増やさないっていうことを考えると規制はちゃんとしていったほうがいいですね。統計はとっていたほうがいいですねっていう話でしたかね。アベマのとかで言ってた。
むらた
そうですね。アベマでは透明性を中心に据えて話をしたかなって思っていて、どう考えてもあそこに茂木さんみたいな本場の科学者とかもいたんで、中身に具体的に入っていくと議論としてもすごい不利になるというか、すごい専門的になりすぎちゃうところもあるし、私たちの方もそれに完璧に答えられるわけではなかったので、
どっちかというと、これは制度の問題だよねっていう話にやっぱり持っていきたいっていうのは私は結構あって、それでその一つとしてやっぱり透明性とか統計ちゃんととっていこうねって、それでによって市民がちゃんと動物実験の是非について考えるためのデータをまず揃えなきゃいけないよねっていうようなところを全面的に主張していこうというふうには思っていて、実際そうなっていったかなとは思います。
むらた
そうですね、まずは透明性が確保されて、より良い状況を作るにはどうしたらいいのかっていう議論の下敷きをまず作らないといけないよねっていうことですかね。
はい。科学者の皆さんの業績も動物実験以外の仕方で、プレッシャー、そういう動物実験のプレッシャーが加わらないような方向になっていったらいいなと、いち市民として思いました。
こうせいさん、どうですか、今回パート1の感想は。
Kosei
そう、ちょっと待って、考えさせて。
どうしようかなって思いましたね。倫理学的にというか、倫理のことを考えたらない方がいいというのが当然なわけですけれども、いろいろ都合とか多少必要性のあるところもあるであるとか、
いろんな事情を考えたときに、どうしたら減らしていけるのかなとかいうことってすごい難しいし考えがいのあることなのかなと、今回の研究室の都合とかいろんな話を聞いた上で改めて思いましたね。
むらた
動物倫理の入門書とか読んで、動物実験はあんまり有効性がないからなくそう、みたいなことは本当に理論的な現場からちょっと離れたところの、そういう話を読んだりしてたので、結構頭が凝り固まってたんですけど、
いや〜現場そうなってんのか、とか、わかんないとどうしたら削減の方向に行くのか、研究もちゃんと進められるようになるのかわかんないよなと思い知ったところです。
Kosei
あと面白いなと思ったのは、先ほど話ありましたけど環境省の統計が少しされたっていうことがあって、その資料なんかを見てると、どれくらい動物実験がされているかっていうことが断片的にはわかるなと、それを見ながらちょっと感じるところがありました。
例えばこれ動物ごとに何頭飼ってたかみたいなことの数字があるんですけど、マウスを1万匹以上飼育している施設がたくさんありそうだなとか。猿も1000匹単位で飼ったところがあるんだとか。そんなことがグラフには書いてるので、
国内でですね、ちょっとそんなこと想像したこともなかったから、なかなかちょっと強い印象を受けたっていうのをちょっとお知らせしたかった。
むらた
確かに。猿1000匹?
想像つかないですね、なかなか。
興味深い。
竹下
猿もね大型類人猿みたいなゴリラとかチンパンジーとかはほとんど現代では実験にされなくなってきて、EUとかだとほとんど禁止、原則禁止になってきていて。それよりももうちょっと小型の猿とか霊長類とかが大体実験対象にされてくるかなとは思いますね。
Kosei
実はちょっと事前に調べてたんですけど、猿はだいたい5000匹くらい今日本が輸入をしている。
かつ国内でも同じくらいの数を国内で繁殖させているということがあるみたいで、だいたい1万匹くらい国内で入ってきているというか現状がある中で、
1000匹とかないし5000匹くらい1箇所の施設に集まっているんだなということを考えると、結構集約されているんだなということとかも想像ができたりして、
Kosei
そんなのもやや興味深いというか、現状をもっと知りたいなと思いました。
竹下
まさに現場の一つの問題は、動物をちゃんと繁殖させる技術自体を持っている研究者とか、あるいは施設管理人がいないと動物実験でできないので、
そういう施設、そういう人がいる、その専門知識を持っている人がいる施設でどうしてもそういうのが偏っていくっていうのは間違いなくあるかなと思いますね。
その点、マウスとかラットとかっていうのは大体動物実験に従事する人であれば、教育のカリキュラムの中で取り扱い方とかを受けていくし、
研究室単位でもそれぞれノウハウの蓄積とかがあったりするので割とできるんですけど、
他の種の個体になってくるとそれは多少その研究室ならではみたいなところも、あるいはそのセンターでっていうところが出てきたりするとは思いますね。
Kosei
なるほど。やっぱり技術が、そういうできる人が少ないからこそ一箇所に集約されていく。
竹下
それだけでもなくて、そもそも飼育・繁殖する施設そのものがちゃんとないといけないですよね。
一応、いわゆるエンリチュメントっていって、動物個体をある程度、福祉、動物実験してない時間帯ですよね。
実験してない時間に別に繋ぎ止めておくわけでは基本的にはないので、実験してない時にはそれなりの環境を用意してあげなきゃいけないんですけど、
それは一応法レベルの規制というよりは要請レベルでの文書とかで規定されているレベルですけど、
大学期間内とか研究施設内での内部規定でこれぐらいのエリアは確保しましょうとかあったりするんですけど、
それが用意できないところだと、そもそも繁殖すらできないし、
購入してもそもそも置いておく場所がない、動物たちを収容しておく場所がないので、実験できないとかもあったりしますね。
Kosei
いや確かにね、現実問題、飼うみたいなことに、半分飼うみたいなことになっちゃいますもんね。
実験室でもそうなってくると飼えんの?って話ですからね。
猿飼えないよっていうのがほとんどでしょうし。
なるほどな。
で結果的に1,000匹とか5,000匹とかお猿さんが暮らしてるんですね、どこかで、国内で。
むらた
いやー、想像したことなかったですね。
考えるいい機会になりました。
まとめと今後の展望
むらた
ということで、今回パート1では動物実験、そもそもどんな種類があるのかっていうところから、
日本の規制だったり統計の状況がどうなってるか、ヨーロッパと比べてどうか、みたいなところを竹下さんからお話聞いてきました。
なかなか現実見させられて、想像していなかったこと、見えてなかったことが見えてきて、大変勉強になりましたね。
次回も引き続き動物実験について取り上げて、ちょっと内容決まってないからな。
聞いていきたいと思います。
竹下
お願いします。
むらた
ということで、パート1は以上です。ありがとうございました。
Kosei
ありがとうございました。
むらた
また次回。ここで署名の募集のお知らせです。
こちら、関心のある方は概要欄のリンクからチェックしてください。
何でも倫理ラジオではお便りを募集しています。
感想、番組で取り上げてほしいテーマ、これって倫理的にどうなんだと思ったエピソードなど、どしどしお送りください。
概要欄のフォームからお待ちしております。
また、SNSでのシェアも大変ありがたいです。
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とっても励みになりますので、ぜひぜひお願いします。
44:17

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