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#898 【音韻論】英語の複数形を派生理論で分析してみよう! from Radiotalk
2026-09-26 11:24

#898 【音韻論】英語の複数形を派生理論で分析してみよう! from Radiotalk

主要参考文献
Davenport, M., & Hannahs, S. J. (2020). Introducing phonetics and phonology (4th ed.). London: Routledge.

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英語の名詞には複数形があります。 綴りの上では s をつけることが多いですね。
もちろん不規則なものもあるので、man に対して men となったり、woman に対してwomen というのがあったりしますが、
そういったものは一旦置いておいて、今回は綴りの上で s がつくものに焦点を絞ってお話ししていきます。
例えば、猫、キャットは単数形 cat に対して複数形は cats。
s の音、専門的には無声子系摩擦音と言われるものですが、歯茎の摩擦音がくっつくことになります。
一方、犬の dog の場合は dogs という風にずという濁る音になるんですね。
これも専門的には有声音と言われる音で有声子系摩擦音。
cats の場合は無声音、声帯の震えを伴わない音。 dog の場合はずという声帯の震えを伴う音となります。
ここが一つ今日のポイントで、綴りの上では同じ s で書くわけですが、発音上は違うんですね。
無声音と有声音で違う音となります。
dog の方は音としてはもしかしたら z で書くような音に近いと言えるかもしれません。
このすとずに加えて、もう一つ複数形の設備字にはバリエーションがあります。
例えば、バスに対して bus is という風に is っていう風な音になるものもあるんですよね。
これは綴りの上でも es と書くものがあるんですよね。
cats、dogs、buses それぞれ複数形なわけですが、発音上は異なっていて、
すとなるかずとなるか、いずとなるか。 この3つのバリエーションのうちどれが出てくるかっていうのは
音の環境によって決まってるんですが、今回はそのルールについて派生理論というのに基づいてお話ししていこうと思います。
BGMです。
始まりました4月15のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。長沢奇妙です。
先ほども言ったように、英語の複数形の設備字がすとなるかずとなるか、いずとなるかは音の環境によって決まります。
これは単語ごとに決まっているという語彙的な問題というよりは、
平たく言えば発音上の問題ということになります。 さらに言えばこの複数形の設備字が
出てくるというかくっつく直前の音によって決まってるんですね。 このすとずといずというのは
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潜在的には同じ設備字と考えます。 まあこれは納得できると思うんですね。
今までの話もその前提で進めてますけど、どういうことかというと
キャッツのSとドッグズのズとバッシーズのイズとそれぞれ別個の複数設備字が存在すると考えるのではなくて、
同じ設備字が違う形で出てきている。 実現の仕方が違うだけだと考えます。
それが前提で、そうなると本来の形というか元々の形は数なのかズなのかイズなのかどれなのかっていうのが問題となります。
これってある意味考えなくてもいいんですよね。 抽象的な単位というかある意味概念的なもので実際に発音されることがないものなので
ある意味でどれを規定としてもいいんですよね。 おそらくスでもズでもイズでもどれをスタート地点に考えても規定として考えても分析はできるんですが
今回はズ、ドッグズのズというのが規定にあると考えて話を進めます。 これはもしかしたら意外に思われるかもしれません。
複数形はSをつける、つづりの上でもSなのでスっていうのを規定に考えたくなると思うんですが
ただ、ズの方が出てくる守備範囲が広いんですよね。 この後ちょっとお話ししますけど、キャッツのスは無声シーンの後にしか出てこないんですけど
ドッグズのズは有声シーンだけではなくて 母音も含めてあらゆる
微音とか流音も含めて あらゆる有声音の後に出てくるので
使用範囲がズの方が広いんですね。 そういうこともあって今回はこのズというのを規定にして考えます。
そうなるとドッグにズがついてドッグズになるのは そのままでいいんですよね。ある意味何も考える必要がありません。
ドッグに複数形のズがついて複数形ドッグズになります。 これはこれでおしまいでいいんですね。
問題はキャッツとバッシーズの方で、キャッツ これは規定レベルでは
単数というか、母音のキャット、プラスズということになります。 ただ実際の発音はキャッツにはならないんですね。
キャッツではなくてキャッツというふうに無声音になります。 ここでルールというか規則が必要になるんですね。
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ここの規則は ズの直前の音が無声音であればズも無声化せよというルールです。
無声化規則とか言ってもいいですけど、 要はここではズがスになるというルールですね。
キャットの場合はズがくっつくのはキャットのトゥの音ですね。 これは専門的には無声子系破裂音と言われて
無声音なんですよね。トゥっていうのは声帯の震えを伴わない無声音。 そういった音の後に出てくるときはズはスに変えようというルールが
適用されてキャッツではなくてキャッツになります。 他の無声音で言えば
例えばカップがカップスになるのも同様で、プーという音はこれは無声両親破裂音なので、やはり無声音なので
カップズではなくてカップスになります。 最後にバスがバシーズになるのはこれは母音が挿入されているんですよね。
バスに直接ズがくっついているわけじゃなくて 母音のイっていうのが挿入されてバシーズになっています。
これもやっぱりズがくっつく直前の音によって決まっていて、 専門的にはシビラントと言われる音です。
直前の音がシビラントの場合、母音を挿入せよという規則が適用されます。 シビラントというのは摩擦音と破擦音の集まりで
スズシジチジっていうような音です。 これらのシビラントにくっつく場合はズに母音を挿入せよ
そういった規則があるためにバスはバシーズとなります。
英語の複数設備時について2つルールがあることがわかりました。
直前が無声音であればズはスになる。 そして直前がシビラントであれば母音を挿入する。
次のステップとしてこの2つのルールの順番っていうのを考える必要があるんですね。
複数形を作るときはすべてのルールが適用されるんですけど、該当しなければそのルールは無視していいというふうに考えます。
ですのでドーグに対してドーグズっていうのは直前の音が無声音でもなければシビラントでもないのでズがついたままドーグズとなります。
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ここで2つの規則を仮に無声化規則、ズがスになる無声化規則と挿入規則、ズがイズになるのとそのように名付けたとして
果たして無声化規則と 挿入規則どちらが先に適用されるか
結論から言うと挿入規則の方が先に適用されると考えた方がこの場合都合がいいです。
仮に無声化規則が先に適用されてその後挿入規則が適用されるということになると
まずバスという単語はスという無声音で終わっています。
そうなるとバスプラスズっていうのはまずバススというふうに無声摩擦音が連続することになります。
でこのスという音はシビラントでもあるので 挿入規則の対象になります。
そうなるとイという母音が挿入されてバッシスとなるんですねバッシス。
このバッシスは現実には存在しない形なので順番としては
無声化規則より先に挿入規則が適用されるとするんですね。
つまりバスにズがくっつくときに直前の音がスというシビラントなので
母音のイというのが挿入されて でそれが完成形でバッシーズ。
これだったら最後のズという有声音のまま実現することになるので 実情に合っていることになるんですね。
このように派生理論という考え方では規則の順番というのが結構重要になることもあるんですね。
次回は今回の派生理論とは別の制約理論に基づいて
同じ題材ですね。英語の複数形を考えてみようと思います。 次回のエピソードもお楽しみにしてください。
そして番組フォローまだの方はよろしくお願い致します。 お相手はシガ15でした。
またねー!
11:24

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