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#910 ヒトの言語と動物の「言語」:線条性と階層性 from Radiotalk
2026-11-07 10:56

#910 ヒトの言語と動物の「言語」:線条性と階層性 from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

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お便りいただいております。 ヨウさんからいただきました。 ありがとうございます。
子獣からやイルカなどの独自の言語を持つ可能性のある動物を観察することは、 人間の言語進化を考える上で重要な役割を持つのでしょうか?
また、人は生体ができてから言語を獲得したのか、 その逆か、並行して進んだのかお聞きしたいです。
言語学というより生物に関してですね、というお便りです。
ギフトと一緒にいただきました。 ありがとうございます。
今回はその動物の言語的なものと人間の言語について、 その違いみたいなものをね、お話ししていこうと思います。
キーワードとしては洗浄性と回想性みたいにね、 なるんではないかと思います。 BGMです。
始まりました。志賀十五のツボ。 皆さんいかがお過ごしでしょうか?
都立第三病院救命救急センター、振動一星です。
番組宛にギフトもいくつかいただいております。
ワルツさん、そしてカナーンさんからギフトいただいてます。 ありがとうございます。
最近、言語の起源とか言語の進化のエピソードはいくらか配信しています。
シャープ907と908でそのあたりの話をしていて、 陽さんもそのあたりのエピソードを聞いてくださったのかもしれません。
あわせてそちらも聞いていただけたらと思います。
動物の言語、ないし言語的なものを研究することは、 人間の言語の進化の研究に重要かどうかということですけど、
そう考えている人も多いと思いますね。
人間の言語の研究のアプローチの仕方として、 人間以外の言語、ないし言語的なものの研究をする。
そういう発想はありますし、あとは子どもの言語ですね。
子どもが言語習得する過程を研究することで、 人間の言語がどのように発達していったかを研究する立場もあります。
僕の個人的な考えとしては、 動物の言語的なものと人間の言語との間には大きな壁があるのではないかと思うんですよね。
そのあたりの話はシャープ907でやっていると思うんですけど、
専門的には二重分節性という特徴を人間の言語は持っていて、
意味のない音を組み合わせることで、 意味のある単語を作り出すというのが言語の持っている特徴です。
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それは有限な材料でもって無限の表現を生み出すと言い換えてもいいんですけど、
例えば日本語はKのシーン、クっていうシーンを持っています。
このシーン自体は意味を持っていません。
アーという母音と組み合わさればカーというモスキートの意味になるし、
イーという母音と組み合わさればキーというツリーの意味になりますし、
ウーと組み合わさればクルシーの意味だし、
エーという母音と組み合わさればヘアーの意味になるし、
オーという母音と組み合わさればチャイルドという意味になります。
もしこれがKというシーン自体に、例えばモスキート、カーという意味があったとしたら、
いくら言語の音があっても足りないんですよね。
この世界のあらゆる物事、事象を言い表すのにそれぞれに音を当ててたら、
人間が表す音では到底足りないと思います。
そうではなくて、意味のない音、動詞を組み合わせることで、
意味のある単語をある意味無限に作り出せるわけですね。
これが人間の言語の持っている大きな、そして根本的な特徴で、
動物の言語的なものはこの二重分析性というのは多分ないんじゃないかと思います。
ある音とある意味が密接に結びついていて、
鳥であればこの鳴き声をすれば逃げろという意味になるし、
この鳴き声をすれば集まれという意味になるしという風に、
音イコール意味ないし機能という風になっているのではないかと思います。
他にも言語の持っている特徴っていくつか挙げられたりするんですけど、
例えば超越性。
時間を超えることができる、あるいは空間を超えることができるっていうのが言語の特徴で、
鳥なりイルカなりが機能の話をできるか、来週の予定を語り合えるかというと、
そうはいかないと思うんですよね。
あるいは想像上の話とか、空想の話をできるかというと、
それも難しいと思います。
これは言語の問題なのか知能の問題なのかちょっと難しいですけど、
そういういくつかの点で動物のコミュニケーションと言語との間には壁があって、
その中で最も根本的なのは二重分析性ではないかなと思います。
お便り中にあった生態ができてから言語ができたのか、
あるいはその逆なのか、はたまた同時並行的に進化していったのかということですけど、
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これは生態が先じゃないかなと思いますね。
人以外の哺乳類も鳴き声っていうのは持っているので、
人の祖先も鳴き声的なものは持っていたでしょう。
そこから言葉っていうのを獲得したと考えるのが自然だと思います。
さて、人間の言語と動物のコミュニケーションを考える上で、
一つ重要になるのは線上性と階層性という特徴だと思います。
言語の線上性っていうのは、これはソシュールという言語学者が指摘して、
言語の根本的な特徴の一つとされています。
言語、特に音声言語っていうのは、物理的に線上に並ぶしかないんですよね。
さっきの話で言うと、「か」っていうのは、「く」という真音と、「あ」という母音が順番に並んで口から出てくることになります。
これを同時に発話することはできません。
音素レベルでもそうなんですけど、単語レベルでもそうで、「かが飛ぶ」っていうのを単語を同時にパッと口から出すことはできません。
「かが飛ぶ」っていうふうに、順番に順番に線上に並べる必要があります。
これは人間が音声というものを使っているので、当然といえば当然の特徴なんですよね。
一方、手話言語はこの言語の線上性の制約を破っているというか、ある意味それを超えているようなところがあるっていうような話はあったりするんですが、
一旦それを置いておいて、言語は線上性という特徴を持っています。
これは動物のコミュニケーションにも観察されて、要は単語が順番に並ぶという問題なので語順があるということですね。
イルカにボール・浮き輪・運ぶと合図したときは浮き輪をボールに運んで、逆に浮き輪・ボール・運ぶといったらボールを浮き輪に運んだという実験結果があったりします。
これは動詞の近い位置が目的語だというふうに解釈できるかもしれませんが、こういった面を見るとイルカの言語、コミュニケーションにも語順という文法的なものがあると言えそうなんですけど、
人間の言語は確かにソシュールの言う線上性という特徴を持っているんですけど、それと同時にというか、考えようによっては階層性という特徴も持っているんですね。
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どういうことかというと、白い猫のしっぽといった場合、これは解釈が二通りあって、白い猫のしっぽ、これは猫全体が白いのか、あるいはしっぽだけが白い猫なのか、結構曖昧なんですよね。
白い猫のしっぽ。線上性という考えに基づくならば、白いというのは猫の前に出てきて、この白い猫というのが隣接しているから猫全体が白いということになるんですけど、猫のしっぽという大きい塊、これ全体を白い
というのが修飾することもできて、
こういうのはよく樹形図を描いたりするんですけど、そういう階層的な構造に言語というのはなっています。
表面上というか、発音上は確かに線上に並んでいくんですが、その中身というか構造というのは階層的になっているんですね。
あるいは、彼は昨日走ったと言ったとかいうのも、この昨日というのは走ったにかかっているのか、行ったにかかっているのか曖昧になります。
彼は昨日走ったと言った。
これも階層的な構造を持っているので、こういった曖昧性が生じるんですね。
この階層的な構造というのはおそらく人間の言語だけに見られる特徴の一つではないかと思います。
というわけで今回のエピソードは、動物と人間の言語についてちょっと見比べてみたということでございました。
関連エピソードもぜひ聞いてみてください。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お会いでは。
しがじゅうごうでした。
またねー。
10:56

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