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#909 R. M. W. Dixon の Basic Linguistic Theory (BLT)【言語学者とその思想 vol. 11】 from Radiotalk
2026-11-03 11:25

#909 R. M. W. Dixon の Basic Linguistic Theory (BLT)【言語学者とその思想 vol. 11】 from Radiotalk

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主要参考文献
Dixon, R. M. W. (2009). Basic Linguistic Theory, Volume 1: Methodology. Oxford: Oxford University Press.
Dixon, R. M. W. (2009). Basic Linguistic Theory, Volume 2: Grammatical Topics. Oxford: Oxford University Press.
Dixon, R. M. W. (2012). Basic Linguistic Theory, Volume 3: Further Grammatical Topics. Oxford: Oxford University Press.
ディクソン, R.M.W. 大角翠訳 (2001)『言語の興亡』東京: 岩波書店.

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サマリー

今回は、オーストラリア先住民諸語の記述や類型論的研究で知られる言語学者R. M. W. Dixonと、その研究の集大成である『Basic Linguistic Theory(BLT)』を紹介する。BLTは世界の言語を記述する枠組みを扱う3巻本で、一人の著者による統一感と読みやすさが特徴として語られる。語や品詞、自他動詞、所有表現、関係節、ボイスなど幅広い文法事項の中から、今回は補文節を取り上げる。補文節は文全体が別の文の名詞的な部品になる構造で、日本語の「の」「こと」や英語のthat節が例になる。Dixonは、補文節は少なくとも目的語の位置には現れ、視覚・思考・記憶・好悪などの動詞と結びつきやすいと論じている一方、日本語の「と」を補文節とみなすかには議論があると説明する。最後に、Dixonの日本語訳書『言語の工房』も紹介される。

DixonとBLTの概要
本日ご紹介するのは、R. M. W. Dixon という言語学者です。
現代言語学の巨人っていうような感じですかね。 このDixonという先生は、
オーストラリアの先住民の、いわゆるアボリジニと言われる人たちの言語の記述文法を書いているということで、
まず有名だと思います。 話者数が少ない、
さらには死語になりつつある言語の記述という意味で非常に貴重であるし、
地球の他の地域に比べてオーストラリア大陸っていうのは言語の研究が遅れている地域で、
他の言語には見られないような特徴がたくさんあるんですよね。
そういった言語が一つ消えてしまうということは、人間の可能性が一つ消えてしまうということでもあるので、
そういった意味でオーストラリアをはじめ、少数言語の記述というのは非常に価値があります。
そういった個別言語の記述と並行して、このディクソンという先生がやっているのは通言語的な研究で、
あるいは類型論的な研究で、世界のあらゆる言語を記述するための枠組みみたいなのを結構提唱しているんですよね。
それをまとめたのが、Basic Linguistic Theoryという本です。
これはオックスフォードから出ている3巻本で、2010年あたりに出た本です。
世界中の言語を記述するというふうに聞くと、例えば生成文法みたいなものを想像するかもしれません。
BLTの構成と読みやすさ
ちょっと理屈っぽいというかね。
しかし、ディクソンのBasic Linguistic Theory、略してBLT、ベーコンレタス・トマトは、
あんまり理屈っぽくない、理論理論した感じはなくて、非常に読みやすいんじゃないかなと思います。
ちょっとラディカルな感じがしないでもないですけど、
言語学を本格的に勉強したいと思っている学生の人なんかは、このBasic LinguisticTheoryから読み始めるのもいいと思います。
3巻あるので、一回一通り目を通して見るのもアリじゃないかなと思います。
BGMです。
始まりました。4月15日のツボ。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
江戸詩蘭です。
このBasic Linguistic Theoryは、ディクソンの今までの研究の集大成みたいなところもあって、
過去に出版したものの再録に近いというか、過去の研究をそのまま章に当てているみたいなところもあるんですけど、
それが3巻本に一気に集まっているっていうことなんで、
まずはこの3冊から、特に文法について研究したいっていう人は読み始めるのがいいんではないかと思います。
このBasic Linguistic Theoryのいいところは、何より一人の著者が書いているということですね。
ディクソン一人が書き上げているというのがいいところで、
一人偏者を決めて、章ごとに違う研究者が書いているっていうこともよくあるんですよね。
そういうのに比べると、当然一人の著者が書いている方が統一感があるし、思想が一つしかないので、
そういう一貫性という意味では非常にいいんではないかと思います。
英語も非常に読みやすいですしね。
繰り返しですけどね、言語学を本格的にやりたい、特に文法関係に興味があるっていう人は、
まずは一通り読んでみるのがいいと思います。
BLTが扱う文法事項
内容として扱われているのは、例えば語の定義ですね。
単語、語というのはどのように定義されるべきかとか、名詞、動詞、あるいは形容詞の区別とか、
自動詞と他動詞、他動性と言われるものとか、所有表現、関係説、あとはボイス関係というかね、
詞役とか受け身とか、逆詞役とか、この辺になるといよいよマニアックっていう感じですが、
そういったものを本当に網羅的に扱っているっていうような感じですね。
これらを一つ一つ紹介していったら、それこそ一つにつき一つのエピソードができるぐらいなので、
補文節の基本と用例
今回はその中でも、補文説についてかいつまんでお話ししてみようと思います。
補文説っていうのは、文全体が名詞っぽく使われるっていうような、
簡単に言うとそういうことで、何て言うんですかね、文全体が別の文の部品になるみたいなものをですね、
日本語だと、のとかこととかっていうのをつけて、補文説化ということをします。
肉が好きだ。この肉っていうのは名詞ですね。
ここに補文説が入ることもできて、野球を見るのが好きだ。この野球を見るのというのが補文説です。
英語であればthat説を使うようなものです。 I know that he cameyesterdayとかだったら、彼が昨日来たことを知っている。
このthat he came yesterdayというのが、I knowの目的語になっているんですよね。
I know the story、その話知ってるっていう時のthe storyと同じ位置にthathe came yesterdayというのが入っています。
補文節の出現位置と動詞
このような構造、文が別の文の一部になるみたいな補文説は、
どんな言語でもありそうですが、その一般化っていうのをディクソンはやっていて、
例えばこの補文説が現れる位置、出てこられる位置っていうのは、まず目的語っていうのが一番あり得る位置だそうです。
というか、ある言語で補文説があるならば、それは必ず目的語として使われる。
まあそれぐらい強く言ってるんですね。
確かに今見た例でも、野球見るのが好きとか、これがっていうのがついているけど、目的語と言っていいと思います。
とか、I know that he came yesterdayもどちらも日本語でも英語でも目的語として補文説が現れています。
ただ多くの言語で目的語以外の位置にも補文説は現れることができて、
日本語でも諦めないことが大事だとか言うと、これは形容詞文の主語っていうことですけど、
ある程度主語の位置にも現れることはできるかなと思います。
目的語に現れるっていうことは、それを受動体にすればその主語になれるので、
地球が太陽の周りを回っていることはよく知られているみたいな、
この知られているっていう受動体を使えば、主語に補文説っていうのは平気で現れることができます。
ただ、日本語の場合は多動詞の主語に補文説っていうのは結構厳しいんじゃないかと思います。
彼が来たことが我々を驚かせたみたいなのは、
いかにも英語っぽいというか、英語だったらこれいけるんですよね。
That he came surprised usみたいに。
ですので補文説がどの位置に現れることができるかっていうのは、言語によって差はあるんですが、
一つ共通しているのは、必ず目的語の位置には現れることができるということです。
さらに補文説を取れる、補文説が目的語に現れることができる動詞についても、
いくつかタイプを認めていて、
例えば視覚系、
彼がやってくるのを見た、やってくるのを聞いた、見るとか聞くみたいな、
ディクソン自身はアテンションと呼んでいるものとか、
あとはthinking、英語だとthinkとか、
あとはrememberとか、そういったものは補文説が現れやすいんですよね。
ただ日本語の場合はこういう時、とが出てくるので、
このとが出たのを補文説と見るかどうか、きっと彼はやってくると考える。
このとはどうですかね、目的語と言えるのか、あるいはただ引用しているだけなのかっていうのは、
ちょっといろいろ議論があるとこだと思います。
あとは好きとか楽しむとか、こういった動詞も補文説を取りやすいと、
主張しています。
まとめと日本語訳書の紹介
今回たまたま取り上げたのは補文説でしたけど、
それ以外にもたくさん面白い章があるので、
かなりマニアックかなと思いますね。
本格的に言語学やってみたいと思っている方は、
ぜひ読んでみてください。
読んでみてくださいと言っても、図書館にもなかなかないですかね。
大学とかじゃないと置いてないかもしれません。
一応このディクソン先生の書籍としては、
言語の工房という本が、
いわなみ新章で、日本語訳で読めるものがあるので、
まずはそちらから読んでみてもいいんではないかなと思います。
というわけで今回は、ディクソンのベーシックリングウィスティックセオリー、BLTについてのお話でした。
いろんな言語の例が出てきて面白いので、
こんな言語があるんだっていう発見にもなるんではないかと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。
お相手はシガ15でした。
またねー。
11:25

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