2024-03-31 05:05

#63 歌と言語の起源1

人間の言語の起源はどこにあるのか。また、歌の起源は何なのかを先史から紐解く話です。

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ストーリーとしての思想哲学
【思想染色】がお送りします。
今回から、歌と言語、なぜ人は歌うのか、なぜ歌は心地よいのか、
そして言語の起源とは何なのか、という話をしていきたいと思います。
これらは、スティーブン・ミズンっていう人の
「歌うネアンデルタール」という本に詳しく書いてあって
これが最近だとちょっと稀に見るほどめちゃくちゃ面白かったので、
普段より少し詳しめに紹介したいと思います。
先に言うと、今僕たちが使っているような日本語とか英語のような言語を
ホモサピエンスが使用するようになったのが、約5万年前。
そして歌はそれよりも古くから存在したと考えられます。
古代文明ってあるじゃないですか。
エソポタミア文明とか古代エジプトとか、
古代文明が発生したのは今からおよそ1万年前とかなわけですが、
5万年前ってどのくらい昔なんでしょうか。
すごい昔のことなんだと捉えるべきなのか、意外と最近だと捉えるべきなのか、
その辺の時間軸がまずわからないかと思うので、
そもそもの人類史の時間軸の話から始めたいと思います。
結論から言うと、5万年前はめちゃくちゃ最近です。
人類が猿から進化したのはいつかって諸説あるんですけど、
最古の人とチンパンジーの共通祖先は、600万から500万年前に生きていたと思われます。
ただこれだけ昔だと十分なエビデンスがなかなかなくって、
化石というエビデンスベースで異論の余地のないところとすると、
450万年前のラミダスエンジンっていうのが最古の人の祖先ということになります。
そして450万から180万年前にかけて、
アフリカには複数の二足歩行の類人猿が生息していて、
行動や食べ物の違いからそれぞれの種がわずかに異なる体格や歯並びをしていました。
二足歩行によって結果的に喉の形などが複雑な発声に向いた形になって、
歯並びや舌、ベロですね。
歯並びや舌の動きなど言語を扱う準備がだんだんと整っていきます。
これは言語を習得するために進化したのではなくて、
あくまで結果論として発声・発話に向いた口や喉の動きっていうのは、
もともとは吸うとか舐めるとか飲み込む・噛むっていった一般的な哺乳類の能力から派生しているんだけど、
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それ以外の脳みそが大きいなどの他の条件も揃えられた哺乳類がたまたま一族だったっていう結果論の話です。
また、言語や歌といった複雑なコミュニケーションをするためには脳みその大きさも重要です。
180万から60万年前にかけて、一族の脳みその大きさっていうのはあんまり変わらなかったんだけど、
60万から10万年前にかけて、急激な脳の拡大期っていうのが訪れました。
で、そうして言語の獲得に至ったわけなんですが、突然言語を喋るようになったわけではありません。
今僕たちが使っている言語は構成言語といって、文法や単語を持つことが特徴です。
この構成言語が発明される前、言語の前の言語ということで前言語とか、
あるいは原型言語、プロトタイプ言語ということで原型言語というものがあって、
そこから徐々に構成言語へと移行していくっていうプロセスを経ていると考えられています。
これ以降、言語の前の前言語、プレ言語のことを分かりやすいように原型言語って統一して言うようにします。
タイトルの歌と言語の起源というのは、この原型言語とは何か、また原型言語はなぜ獲得されたのかという意味です。
今回はここまでで、原型言語の話は次回に続きます。
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