■トピック
・日本のベンチャーキャピタルはまだ黎明期
・アメリカにおけるVC産業の成立
・ERISA法改革と年金基金によるVC投資解禁がシリコンバレーの起点となった
・インベストメントチェーン(資金循環)の仕組み
・日本のVC市場の現状
・金融商品(アセットクラス)としてのVC
・時価総額1兆円企業を連続的に生み出す必要性とアニマルスピリッツの重要性
■キーワード
ベンチャーキャピタル, 黎明期, スタートアップ投資, インベストメントチェーン, ERISA法改革, 年金基金, 大学基金, シリコンバレー, 純投資, 独立系VC, LP, 事業会社, 金融商品, アセットクラス, エグジット, アニマルスピリッツ, 時価総額1兆円, エコシステム, 資金循環, 制度的投資家, リターン, インセンティブ構造, 開拓者, 市場創造
■お知らせ
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00:06
This is 令和スタートアップ ソロ編。
この番組は、うまづきベンチャー投資家、Yusuke Asakuraが、
スタートアップに関する山山談義を一人でつぶやきながらお届けいたします。
ゆるりとお聞き流しください。
今日は、日本のベンチャーキャピタルっていうのは、まだまだ黎明期であるという、
そういうお話をしたいと思います。
で、これ、なんでこんな話をしようとしてるかというとですね、
先日参加したイベントでの感想と言いますか、
そこで感じたことが発端になってるんですけれども、
10月の後半にですね、
ジャパンウィークと呼ばれるイベントシリーズが開催されていました。
で、これ何かというと、金融庁を中心とした日本政府が主導して、
日本を資産運用立国国際金融センターとして、
さらに強化するための国内外の金融機関だとか、
機関投資家、資産運用会社などを対象にしたイベントシリーズで、
集中して日本の金融投資環境の魅力を発信するという、
そういった趣旨で設けられていたものです。
この一連のシリーズの中にですね、
三菱UFJ信託銀行さんが主催されて、
スタートアップ投資セミナーというセミナーが開催されていました。
ジャパンウィークって、もちろんこれ、
VCだとかスタートアップ投資に限ったものでは決してないというか、
むしろ他のものが中心で、
そういう意味で言うと、
もうめちゃくちゃニッチなシリーズをですね、
ある種リスクを取って開催していただいたんですけれども、
その中でですね、私はスタートアップへの
インベストメントチェーンと呼ばれるものですね。
お金の流れのつながり、
投資の流れをどう作っていくかという、
そういうテーマでパネルディスカッションする機会をいただきました。
この時のディスカッションを通じて、
改めて感じたのが、
日本のベンチャーキャピタルって本当にまだまだ
黎明期なんだよなということなんですね。
これってね、
日本でスタートアップに関わる活動をしていると、
VCってもうずっとあるものだし、
なんならめちゃくちゃエスタブリッシュなものなんじゃないかと、
もう確立したものじゃないかというふうに、
お感じになるかもしれないですけど、
実際全然そんなことなくって、
むしろまだ本当に何も始まってないんじゃないのっていうような、
そういう段階であるということを、
下手したら始まらないまま終わってしまうかもしれないですけど、
03:02
そういう状況であるということをお話ししたいなと思うわけです。
この話をするにあたって、
まずやっぱり例によって、
本当に先進国であるアメリカの歴史を振り返ってみたいわけですけれども、
アメリカで独立系のVCが一気に増えて、
今みたいに大きな産業になったのって、
だいたい1970年代後半から1980年代前半にかけてのことと言われています。
これに先立って当時、
エリサ法改革と呼ばれる年金運用に関する規制緩和が行われていました。
詳しい内容は箇所にいますけれども、
年金基金だとか大学基金といった、
大口の投資家がベンチャーキャピターに資金を出せるようになったということですね。
VCに限らず、いろんな大棚商品にお金を流せるようになったわけですけど、
実はこれがアメリカのVCエコシステムの起点であり、
もっと言うとスタートアップエコシステムの起点だったわけですね。
つまり何を言いたいかというと、
年金のお金、年金というのはみんなが働いていて、
引退した後支払われる、
そういったお金の原資になるものなわけですけれども、
そういった年金のお金、つまり増えてもらわなきゃ困るわけですよね。
純投資であると。
そういった純投資のお金というものがVCに流れてくるようになった。
それによってVCのお金というのがさらにスタートアップに回ってきて、
そのスタートアップが成長して、上場して、
リターンを年金基金に返すことによって、
さらにそのお金というのがまたVCに還元してきて、
スタートアップに還元する。
こういったある種資金の循環が回り出したわけですね。
これが先ほど申し上げたインベストメントチェーンというやつです。
例えばAppleとかMicrosoftの創業期に資金を出したのも、
こうした新しい資金の流れを背景に生まれたVCだったわけですね。
つまりVCという仕組みが制度的に整ったからこそ、
それを基盤に巨大なテック企業が次々と生まれるようになってきた。
こういうわけです。
なので、アメリカ、特にシリコンバレーですけど、
シリコンバレーの歴史を振り返ってみると、
何かスタートアップ助成計画とか促進計画みたいなものがあって、
その結果スタートアップが増えてきたというわけでは決してない。
やっぱり一番大きなトリガーとなったものが、
こういったお金が流れてくることになった。
そのお金というのも単にお金が増えましたというわけではなくて、
ちゃんと投資リターンを求める純投資のお金が増えてきた。
ここが本端と言えるわけです。
06:01
一方で日本を振り返ってみると、
確かに昔から独立系のVCと呼ばれるものは以前から存在していた。
VCの歴史の中で一番古いのは、おそらく現ジャフコさんだと思いますけれども、
90年代半ば後半頃には、
今でも日本の独立系VCの優であるグロービス・キャピタル・パートナーズの運用が始まった時だとか、
そういった歴史があったものの、
やっぱり本格的に独立系VC、
皆さんが今知っているような、目にされるような独立系VCが増えてきたのって、
2010年代以降でして、
言うならばたかだかこの10年の間の話なんだなと。
つまりまだまだ第一世代の途中であって、
もっと言うと、今現在の日本のVCのLPってどうなっているかというと、
これは皆さんもご存知の通り、
多くが事業会社、一部金融機関、こういったものがほとんどなんですね。
年金基金だとか大学金といったような、
長期的・制度的な投資家からの、純投資家側のお金っていうのは、
実際ほとんど流れ込んでいない。
その点で言うと、
まだアメリカの1980年のレベルにも至ってないということなんだなと思うわけです。
要はVCというものがアセットクラスとして、
つまり金融商品として確立していない。
VCに投資をしたら結構儲かるんじゃないかなというふうな、
期待感が持たれるような状態にはなっていない。
VCに投資して、そこからスタートアップに投資するのってめちゃめちゃリスキーだよね、
リスキーすぎるというふうにみなされている段階であるということです。
今回イベントでお話した、テーマになっていたインベストメントチェーンというのは、
まさにこういう資金の循環のことなわけですけれども、
年金基金などの準投資家がVCにLP出資して、
VCがお金を預かり、そのお金がスタートアップに流れてきて、
スタートアップがエグジットしてリターンを生み出すという。
それがまたLPに戻って、そのお金がまたVCに流れてくるという。
この高循環というものを回転させて、
エコシステムがそれこそ実装できるようになる、
機能するような状態になるというのが、
まだ至ってないんじゃないかなと思うわけです。
これを実現するためには、やっぱりVCが金融商品として目指えなければいけない。
話が同等巡りになってしまうんだけど、
そのためにはVCが出資しているスタートアップが、
より大きなエグジットを実現する。
こういったことが連続的に起きなきゃいけないなというふうに思うわけです。
09:08
僕はAnimal Spiritsというファームを運営していて、
会社を運営する中で常々言っていることは、
やっぱり本当に大きい会社を生み出したい。
未来世代のための社会変革ということを旗印に掲げているファームである以上、
やっぱりそれぐらいインパクトのある会社を生み出したいと思っています。
生み出すというとちょっとおこがましい語弊がありますけれども、
そういった会社が生まれるある種のきっかけになりたい、
職場になりたいというふうに思っています。
じゃあ具体的にどれぐらいの規模感なのという点で言うと、
僕は本当にこれはある種のノロジックな部分もあるんだけど、
時価総額1兆円というものを目安に置いている。
これ何も未上場のタイミングに時価総額1兆円いってくれというふうには思わないけれども、
上場して以降もその後も継続成長して、
やっぱりそれぐらいを狙える会社、それぐらいの規模になる会社というものを
ご投資をしていきたいというふうに思ったわけですね。
これが大前提なんですけれども、
ただ一社そういった会社が生まれておしまいだと意味がないなと思っていて、
そういった会社が連続的に生まれるような環境を作っていく必要がある。
我々アニマルスピーツもそういった環境が生まれる上での一助になりたいという思いを
強く持っているわけです。
そのためには結局我々が金融商品として確立しなければいけない、
ちゃんとリターンを上げなきゃいけない、
投資パフォーマンスを上げなきゃいけないというふうに思うわけですけれども、
これまた堂々みくりになっちゃうんだけど、
そのためにもスタートアップが大きくならないといけないし、
大きくなって大きなエグジットを生み出す必要がある。
このように思うわけですね。
じゃあどうしたらそういうスケールするスタートアップが生まれるのかという話になるわけですが、
もちろん必要な要素ってめちゃくちゃたくさんあると思うんだけど、
根本的に大事なのはやっぱりアニマルスピーツだと思っています。
もう本当に非合理なまでに何かを成し遂げたいと、実現したいと考えるような
ある種の野心、決起ですね。
これはもちろん当然スタートアップを行われる企業家の方々も叱りだし、
また同時に我々投資家もそういった精神を持っていなきゃいけない。
同時にもう一つ言うとインセンティブ構造、
そういったアニマルスピーツがある種成功した暁には報われる
インセンティブ構造の設計ということなんですけど、
何はともあれ、いろんなこういったスタートアップ、
もっと大きく言うとマーケットとか資本主義というものを回す上で、
僕はやっぱりなんやかんやで一番大事なのはある種精神論なんだけど、
アニマルスピーツだと思っているわけです。
だからこそそういうアニマルスピーツというのを自分のファームの名称につけました。
ちょっとガディーン推的に聞こえるかもしれませんけれども、
12:01
それだけ大事に思っているということですね。
ちょっと話がとっちらかりましたけれども、何はともあれですね、
スタートアップ投資者の方、僕のVCやポッドキャストも
お聞きいただいている方が多いそうなんですけれども、
そういった方からするとVCってもう出来上がった、
完成されたプレイヤーっていうふうに見えるかもしれないし、
もちろんその時々でいろいろ交渉事とかすることになるかもしれないから、
テーブルのこっち側とあっち側の人たちみたいな、
そういうある種対立概念で捉えがちなんじゃないかなというふうに思います。
これは必ずしも間違っちゃいないし、もちろんそういった局面もある。
だけど是非ご理解いただきたいのは、
実際にはものすごく強大に見えるようなVCっていうのも、
まだまだ試行錯誤の途上なんですよね。
なんて言ったってアメリカの1980年にまだなってないんだから。
だから投資家としての制度的な立ち位置っていうのも固まってないし、
マーケット全体してもまだ構築途中にある。
これがうまくいかなかったら、そもそも構築されないまま終わってしまうかもしれない。
だからこそスタートアップとVCって、もちろん対立する局面あるかもしれないけれども、
基本は対立する関係ではなく、一緒に市場を作っていく共犯者なんだっていう、
そういう視点を持っていただきたいなと思いますし、
同時に僕たちもスタートアップに対してそういった心持ちで向き合っているということを
理解していただけると嬉しいなと思うわけです。
もちろん繰り返しになりますけど、利害対立するときありますよ。
利害対立するときあるんだけど、だけど何はともあれお互い大きくなって成功していかないと
いつまで経ってもこのマーケットが成立しないわけですね。
なので、もちろん企業家の方々っていうのもお一人お一人、
全くよくわからない未知の世界に飛び込むという意味において、
ものすごくリスクを取っていらっしゃるというふうに思うんだけども、
VCっていうのは全然出来上がった世界じゃないんだよってことを知ってもらいたい。
その点においてマーケットを作っていこうとする、まだまだある種の開拓者だと思いますよ。
もしもVCの投資者の人たちがそういう開拓者っていうような認識を持ってないんだとしたら、
これは僕は大間違いだと思うし、認識を新たにした方がいい。
もしくはもうそんな人は辞めた方がいいと思う。
同様に、VCっていう仕事に興味があるって方、よくお話を伺いますけど、
そういった方々も決して今あるものが出来上がったものではないっていうことを理解していただきたくてですね、
もう1次元、2次元、3次元、上の段階に引き上げていかなければいけない。
そういう仕事なんだっていうことをぜひご理解いただきたいなと思うわけです。
別にそれは僕が運営しているアニマルスピーツに限らず、
他のいろんな独立系のVCさん、VCファームさん、同じ状態だよなと思うわけです。
15:04
なんとかしてですね、1つの成功っていうのが1つの成功のままの終わるわけではなく、
成功が連鎖するマーケットっていうのをみんなで作っていきたい。
まだまだ本当に北米に遅れをとっているし、
あまりにも北米は別世界すぎるわけですけど先行きすぎていて、
ヨーロッパに見てみてもね、程度の差こそあれ、
やっぱりそういった純投資家がメインのマーケットであるってことは変わらないわけで、
そういったマーケットを作っていかなきゃいけないんじゃないかなと思ったりするわけです。
ということで、今日は日本のVCっていうのはまだまだ黎明期なんだよっていうテーマでお話をしました。
ご理解いただけると嬉しいなと思います。
ということで今日はここまで。おしまい。
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