ども、しぶちょーです。ものづくりのラジオは、産業機械の現役エンジニアである私、しぶちょーが、ものづくりに関するトピックをザックバラに語るポッドキャストです。
この番組は、株式会社フレアオリジナル、グラフテスターデザイン株式会社の提供でお送りします。
今回は、科学系ポッドキャストの日という企画に参加しております。この企画は、科学系ポッドキャスターが集まって、毎月10日あたりに共通のテーマについて、それぞれの専門分野の視点で語るという取り組みで
ございます。
毎月テーマを決めるホスト番組があるんですけども、今月のホストは、サイエントークさんでございます。
しかも11月はですね、この科学系ポッドキャストの日という企画4周年記念なんですね。
いやー、4年続くイベントすごいですよね。イベント参加のポッドキャストのプレイリストはですね、概要欄に貼っておきますので、ぜひともチェックしてください。
そんな記念すべき4周年の共通テーマ、こちらでございます。
サプライズでございます。あっと驚く科学技術の話をしてくださいね、みたいな。そんなテーマでございますけども、いきなりですけど、
あなたの手の届くところにですね、ペットボトルございますか?ペットボトルね。見たことないよって人いないと思います。ペットボトル。
コンビニの冷蔵庫にもずらっと並んでるし、あなたの家の冷蔵庫の中にもきっと入っているでしょう。
当たり前すぎて、ペットボトルだね、ぐらいにしか思わないと思うんですけど、このペットボトルを作る技術のことを考えたことはあるでしょうかと。
このペットボトル1本を作る技術の中にも、人類を驚かせた作る技術がいくつも詰まっているんですね。
今日はこのペットボトルというものを一つの入り口として、作る技術の面白さ、その技術が生まれた瞬間まで遡っていきたいと思います。
あくまでもこのペットボトルの作られ方の細かい説明というわけではなくて、その中で使われる作る技術を歴史ものものを含めていろいろ語っていくという、そんな回でございます。
というわけで、今日のテーマはこちら。ペットボトルから学ぶ人類を驚かした作る技術の誕生、科学系ポッドキャストの日。
はい、ここにペットボトルがございます。動画で見ている人はですね、今画像に映しています。別に映さなくてもペットボトル、皆さんわかるとは思うんですけども、
ペットボトルって最初からこの形で生まれてくるわけではないんですよね。
プリフォームっていう試験管みたいな形なんですよ、最初はね。この飲み口の部分のネジの切ってあるところはそのままなんですけど、この下の膨らんでる部分っていうのは本当に細いですね、試験管みたいな形をしてお
りますと。
これを100度ぐらいに温めて、そこを棒で伸ばしてですね、高圧の空気で膨らませて、いわゆるペットボトルの形になると。
そういう使い方をしていますと。この元となるプリフォームというものを作っているのが、射出成形という技術なんですね。
射出成形はですね、プラスチックを熱で溶かして金属の型、つまり金型に圧力をかけてこうギュッと押し込むと、そういう作り方です。
冷えて固まったら型をパカッと開いてですね、取り出しますみたいな。イメージで言うとですね、溶かしたチョコレートを型に流し込んでおいて、お菓子を作るみたいな感じですね。
それの密閉版って感じです。そんな簡単なものじゃないんですけど、つまり型さえ作ってしまえば、同じ形のものをもう何度も何度も作れますよねみたいな、そういう感じでございます。
基本的に、今画像の周りに映っている、いろんなプラスチック部品が世の中にはあるわけなんですけども、文房具ともそうだし家電の外装とかもそうだし、身の回りのプラスチック部品というのは基本的に射出成形という技
術で作られております。
そもそもこの射出成形という技術自体どうやって生まれたのかっていう話なんですけど、実はですね、この射出成形が生まれたきっかけって、
ビリヤードの玉なんですよね、最初は。19世紀のアメリカで、ビリヤードめっちゃ流行っていたんですけど、ビリヤードの玉って基本的に象毛で作られてたんですね。
だから、象の牙を削り出して作るっていうものが主流だったんですけども、やっぱり人気が高まっていく中で、野生の象から象毛を取るっていうのはですね、だんだん供給が足りなくなってきたと。
なので、象毛の代わりにビリヤードを作れる新しい材料ないの?ということで、ビリヤードの玉のメーカーがですね、賞金1万ドル出すから皆さん考えてくださいみたいな、そういうコンペティションをやったぐらいに、
玉は作れないよっていう状況があったらしいんですね。
そこに挑んだのがですね、ニューヨーク州のジョン・ウィスリー・ハイヤットという人とそのお兄さんです。
この二人は、麺を薬品で処理した消化麺というものに、小農というものを混ぜて、熱と圧力で固めると。そういう新しい材料を生み出しました。
これがセルロイドというものなんですけど、1869年頃のお話です。
このハイヤットですね、作った人ね、全然科学者じゃないんですよ。16歳から印刷のお仕事をしていた人で、本人も科学の教育って全く受けていなかったと。
これを作ろうと思ったきっかけは、親指の爪ぐらいの大きさの乾いたコロジオンの欠片というのをたまたま見つけたと。
このコロジオンというのは、消化面を溶かした液のことで、乾くと固まるんですよね。
それを最初に何かしらのきっかけに見た時に、これ使えんじゃねということで、そこから何年もいろいろと実験を重ねていきますと。
で、結果完成するんですけど、驚いたのが誰かというと、まず本人たちですね。
後にこの本人たちが講演で語っているんですけど、消脳だけで消化面が溶けて、木のように硬い透明な板ができたと。
これに非常に驚いたサプライズですね。
調べに来た、それができたということでいろいろ発表したんですけど、いやそんな嘘だろうと思って調べに来た教授も、
いやごまかしを見破るつもりで来たが何一つ欠点が見つからないということで認めたんですね。
それぐらい当時の常識では信じられない材料ができたと。
そして1872年にこのハイヤット兄弟はですね、この材料を形作るための機械っていうのを特許取ります。
それまではこの材料を型に入れてですね、プレスと熱と圧力、プレスで熱と圧力をかけて固めていたということなんですけど、
これだと作れる形に限界あるよねということで、その次に作ったのがスタッフィングマシンと、
詰め込み機と呼ばれる機械を作ったんですよ。
熱したシリンダーの中に材料を入れて、プランジャーですね、つまりピストンみたいな棒でギューッと押してノズルからチュルチュルチュルっと材料が出ると。
それを圧力で型に流し込んで固めて形を作りましょうと。
つまり今の射出成形と全く同じ考え方の機械を作ったわけですね。
これが後の射出成形の原点となる機械でございます。
最初の頃の主な商売はこれで入れ場の土台になる素材を作ったみたいなところから始まってるんですけど、
その後いろいろ改良が重ねられて、スクリューを回して材料を練りながら溶かす方式が出てきたりとか、
そのスクリューが前後に動いてさらに押し込みまでこなすとインラインスクリューっていうものが出てきてね、そういうものの特許が取られたりしましたと。
ピストンでギュッと押すだけの機械ってね、やっぱり周りからの熱が伝わって、
溶けていくのを待たなきゃいけなかったりするんですけども、インラインスクリューっていう方式であると練りながら溶かすことができるんで、
すごく詰め込みまで早くなったりするんですね。という技術が作られながらですね、大きい部品も作れるし、薄い部品も早く作れるという風になって、
今の射出成形の土台が、技術としての土台が出来上がっていくんですね。
硬さやればいくらでも同じものが作れますんで、プラスチック部品いろんなもの身の回りにありますけども、
そういうものが作れるきっかけになったというのが実はビリヤードの束一つだったということです。
そういう技術を使ってペットボトルも作られてますよというお話でございますね。
ちなみになんですけど、今ちょっと画面にしか映してないんですけど、家庭用の射出成形機みたいなものも世の中にはありまして、
今ですね、アバロンテックさんという会社から私がお借りしているタイ焼きという家庭用の射出成形機もあります。
家でちょっと射出成形やりたいなって人はこういうものを入手するといいんじゃないかなと思います。
これはまたYouTubeとかでレビューを依頼されているんで、いろいろと説明していきたいと思うんですけど、また別のお話です。
とにかく射出成形って触れられない技術ではなくて、こういうオープンソースなんですけど、こういう機会も出てるよということです。
これのレビューはまた楽しみにしておいてください。私の家には射出成形機もありますよということでございますね。
これでプラスチックの部品作りたい放題なんですが、結局射出成形っていうのは型がいるんですね。
型に流し込んでプラスチックの部品を作ると、その型を作る技術っていうのは実はいろいろあるわけですよ。
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さっき言いましたね、ペットボトルの原型はプリフォームという試験管みたいなものです。
このネジの部分はそのままあるんですけど、この下の部分がですね、試験管みたいに細くなってますよと。
このプリフォーム自体どうやって作ってるかというと、射出成形でございます。
さっきも説明したね、この射出成形で、金型にですね、樹脂を流し込んで、1回のショットでですね、8本とか、場合によっては24本一度に作れますよみたいな、そういう形で作ってます。
その射出成形で流し込む型、金属の型ですね、これをどうやって作っているのかという話です。
金型自体はですね、結構ただの金属じゃなくて、強度が必要なんで、硬い鋼でできておりますと、まあいろんな種類あるんですけど、かつとにかく寸法は精密です。
で、金属から形を削り出す、金属、硬い材料を加工しようと思ったら基本的には切削加工って言ってですね、削ります。
私も鉱山機械のエンジニアなんでね、それが専門としてますけども、金属を硬い刃物でガリガリと削っていくっていうことをやります。
エンドミルっていうドリルみたいにくるくる回って刃物を当てて、金属を少しずつ削り取っていって所要の形にすると、金型の形にするということをやるんですけど、
金型づくりでも、まず削れるところは切削で削るんですね。でもですね、この刃物で削るというところで、実はね、この切削にも苦手な分野があるんですよ。
刃物はですね、尖ってるように見えて結構先端丸まっているんで、その内側のね、角の部分、ピン角、パッチリ角にしようって思った部分って、実は切削加工ではできなかったりするんです。
微妙に刃物の丸みが残ってしまったりするんですよね。あとはその深くて、例えば四角い溝とか四角い穴を開けようと思った時も削りではなかなか難しかったりするんですよ。
細くて四角い穴ね。そういうのって別にこの部品とかではあるじゃないですか。なんですけど、じゃあドリルをぐるぐる回すと絶対丸い穴になっちゃうんですね。当たり前ですけど。
なのでそういう部分の金型、そういう形状を作ろうと思った時って切削加工ではなかなか難しいんですね。
そういう時にどういう技術を使うのかというとですね、そこで出てくるのが放電加工というものです。
これ製造業の人にとっては結構馴染み深い加工なんですけど、なかなか聞いたことない人もいると思います。放電加工ってのは電気で削るんですね。そのまま放電です。
刃物を当てずに電気の火花で金属を少しずつ溶かして除去していくという加工が放電加工でございます。
電極と加工したい金属っていうのを液体の中で加工するんですけど、
液体の中で触れる瞬間まで近づけて、そこで電流をバチッと流すんですね。そうするとその電極と金属の間で隙間で火花が飛びますと。
その熱で金属の表面がほんの少し溶けて飛び散るんですね。これを1秒間に数千回から数万回繰り返してバチバチバチバチバチって金属を蒸発させていくと。
で、電極の形を写しとるように彫っていくっていうのが放電加工でございます。その型彫りの放電加工なんですけど、今話したのはね、その他にも細いワイヤーを使ってこう
糸の子みたいに切っていくっていうワイヤーカット放電加工機というものもありますけども、とにかく電気を使って加工するという方法があるんですね。
ポイントは電気さえ通れば材料の硬さ関係ないですよ。ものすごく硬い材料でも簡単に、簡単にとちょっと語弊があるけど加工できてしまうんですね。
かつさっき言ったようにその電極の形に沿ってガリガリガリガリって溶かしていけるので、四角い穴とかすごいこの四角くて長細い穴みたいなものも放電加工であれば
加工することができるんですよ。それがね切削にはない放電加工のメリットでございます。
ただ放電加工にも手間はかかるし、電極を作らなきゃいけないとかね、電極って型彫り用の電極を作らなきゃいけなかったりとか
手間もかかる部分もあるんですけど、やっぱり金型作りってね、金型って一回作ればずっとそれを寿命までは使い続けれるものなので、
そういうところにお金をかけてでもですね、すごく精密な金型を作るというのは大事なんですね。
ただまあいろんな電極をいっぱい作るとより難しいというかお金がかかるので、基本的に切削でできるところは削りでやってしまって仕上げとか
ちょっと深い部分難しいよねっていうのは放電加工であるみたいな形で仕上げていく。まあこれが金型の加工の考え方ですね。
じゃあこの電気で加工しましょうって誰が考えたのかと。これはですね1943年ソ連のポリス・ラザレコンさんという方ですね。
あとナタリア・ラザレコンさんという夫婦でこれ考えられたと。この2人が研究していたのはですね、元々真逆のことなんですよ。
電気の設定、つまりスイッチとかでバチバチっと火花が散るとですね、金属同士がどうしても電気が流れてだんだんと傷んでいってしまうんですね。
これを防ぐため、金属の放電によるその切損、切損というかですね、そこが壊れてたり、壊れたり傷んだりしてしまうよっていうのをどうにか防ごうみたいな研究をしていたんですけど、この2人がですね、ある日発想をひ
っくり返したんですよ。
火花で金属を傷むのであれば、この痛みを金属を取り除く加工に使えるんじゃないかというふうに閃くんですね。
やっかいものだったこの火花、電気の火花を道具に変えちゃおうという発想です。これすごい発想の転換ですよね。放電で加工できんじゃね?みたいなことをちょっと発表するんですけど、日本でもですね、この技術すぐ
に注目されますと、1947年にはですね、東京大学の大取勢三郎さんという教授がですね、ニュースとか文献でこの技術を知って、これ活かせるんじゃないかということで、
一気にね、日本で技術を育てていきますと。1950年には国産の放電加工機がすぐ作られますと。1960年代の話ね、後のソディックを創業する古川さんという方が振り返っております。古川さんは当時ですね、放電加
工機のメーカーに勤めながら、その電源の新しい回路を発明しています。
でもね、社内ではね、なかなかやっぱり認めてもらえなかったらしいですね。新しい技術ってどれだけマーケットあるのかってなかなかわかんなくて、お金つぎ込んでもらえないことってあるあるなんですけど、そこで古
川さんは自分で実験機を作っては、お客さんのところに持ち込んで試してもらっていたんですね。
その時の電源というのはですね、リンゴを入れる木の箱ですね。そこに放電加工機用の電源を詰め込んで、持って行ってお客様のところで試すみたいなことをずっとやっていたみたいですね。
その電源を使ってガラス製品の金型を彫ったと。それまでは金型を二つに割って作るしかなかったみたいな、そういう製品なんですけど、この放電加工機を使うことによって金型を割らずに一塊のままその溝が彫れるよう
になって、ガラス製品が作れるようになったと。
お客さんはそれですごく喜んでですね、その後その型を使ったガラス製品を古川さんにプレゼントするということをやってくれたそうですね。それが嬉しくてですね、ちょっとその成功体験もあって放電加工機
というものがどんどんどんどん世に広まっていくと、その成功体験だけではないですけど、そこで価値を認められてですね、いろんな形で世の中に放電加工が広まっていったと。
そして1980年頃にはですね、日本のメーカーが放電加工の分野で世界視野の半分以上を占めるようになると。もともとソ連で生まれた技術ではあるんですけど、日本が育てて世界一にしたという、そんな技術で
ございますと。それが放電加工ですね、電気で加工するという分野なんですけど、私も放電加工をいろいろとお世話になったことがあって、製造業の中で放電加工でなんかものづくりをしたぜっていう人はそんなに数はい
ないと思うんですけど、
放電加工に助けてもらいましたっていうパターンはよくあってですね、それがこれですね。これまたちょっと動画にしか映ってないんですけど、これタップというものです。これM12のタップなんですけど、これはこう
やってグルグルグル手で回しながら、金属の穴に対してネジを切っていくという、そういうタップというね、道具でございます。
で、このタップ、ちょっとピントを合わせますね。このタップですね。このタップ、何が厄介かというと、M12のタップが折れることはまずないんですけど、まずないというか、そんなにはないんですけど、これ穴の中
で折れてしまったらおしまいなんですよね。もう除去する方法がないと。
なぜならこのタップも非常に硬い金属でできていて、それを抜こうと思っても、どうやっても穴の中で折れてしまうと抜けないと。で、ああもうお釈迦だ、これもう使えないってなるんですけど、そこで出てくるのが放電
加工ですね。何とか放電加工に収まるサイズであれば、このタップの穴に合わせてですね、グワッと入れていくことで、このタップだけを溶かして蒸発させることができたりするわけです。
タップを抜くときに、折れたタップを除去するときに結構放電加工ね、製造業の中では使いまして、私もですね、ああもう無理、終わったって思ったところを放電加工に助けてもらったこと結構あります。これは製造
業あるあるでございますけど、そういう部分で生かして使ったっていう人もいるとは思うんですけど、もともとはその火花が散るっていうところで接点がこう摩耗していくよっていうのを改善しようと思った研究者が逆転の
発想で作った、そんな驚きの技術が放電加工というものでございます。
こうしてこのね、金型ができて、こういうペットボトルもその技術を使ってプリフォームというのが作られているという話ですよ。驚きですよね。
オーダーメイド試験機ならお任せ。グラフテスターズデザイン株式会社。
11月27日、ベルサール東京日本橋ホール、あのミスミさん主催のリアルイベントミスミックスが開催されます。
人と人とがつながり知見を共有し掛け合わせが生まれる場所。ミスミのデジタルサービスや商品で業務が楽になるヒントはもちろん、人との出会いから生まれる気づきやワクワクするものづくりを考える、そんなイベントで
ございます。
このイベントに、我らがグラフテスターズデザイン株式会社のヤグさんが登壇されます。
一人で年間20台の装置を営業設計組み立て納品している令和最新の装置メーカーの社長にガチ設計者が徹底し継ぎというイベントでございます。
装置メーカーの概念を塗り替える、一人で年間20台製造を実現しているヤグさんのその驚異的なワークフローを紐解きます。
11月27日ミスミックス概要欄にリンク貼っておきますので、是非ともチェックしてください。
まだまだ続きますよ、このペットボトルのお話ね。
ペットボトル、プリフォームというものを作ってふっと膨らまして、こういう形ができますよと。
プリフォーム自体は、射出成型で作られてますし、その射出成型の金型は放電加工とか切削加工で作られてますよというお話をしました。
じゃあ今から説明するのは、その全体ではなくて、ここ。
蓋の部分ですね。ここにネジがありますね、ペットボトルって。
プリフォームを射出成型した時点で、実はこのネジの部分ってもう仕上がってるんですね。
このネジの頭の部分はそのままに、この膨らんでる部分が試験管みたいになってるっていうのがプリフォームなんですよ。
で、このネジですね。ここにネジの技術が使われておりますということでネジのお話でございますね。
ネジって今ね、回して止めるっていう部品のイメージが強いと思うんですけど、
もともとは回して押し込むっていう道具でした。
水を汲み上げるための、紀元前3年頃からアルキメデスのネジっていうのがあってですね。
それで水を汲み上げたりとか、あとブドウを絞るみたいな道具に使われていましたと。
部品を止める、締結するための金属としてのネジが増えたのは、ずっとその後の1950年ぐらいのヨーロッパの話です。
ただね、このネジの技術ですね。これ色々と問題が実はあったんですね。
まず、作るのむずい問題ですね。当たり前ですね。
こんな正確な螺旋を人間の手でなかなか生み出せないということで、
それまではなんとかその部品に合わせてネジを作って、この穴用のネジみたいな感じで、
もう一点ものこのネジはこの穴にしか余りませんよみたいな感じで企画とかも何も統一されてなかったわけですね。
それを変えたのはですね、1800年頃、ロンドンの機械技師が作ったヘンリーモーズリーのネジ切り旋盤というものです。
これすごく有名ですね。旋盤というのは、材料を回して刃物を当てて削る機械のことです。
ネジを切るためにはですね、刃物をこの材料に当てて、
かつ回転を合わせながらきっちり横に一定の速度で送っていかなければならないと。
だからこうぐるぐるぐるぐる回っている材料があってさ、刃物を当てて横に動かしていけば、
なんか螺旋は削れるじゃない。これを遠ピッチにやろうと思ったら、
その回転に合わせて遠ピッチに横に動く機構が必要になってきます。
これを自動送りとかって言うんですけど、この送りの速度を決めているのが機械の中にある親ネジという部品になります。
旋盤には必ず親ネジがついております。この親ネジという本当にそのマスターですよね。
こいつが横に刃物を送ってくれることで、回転に合わせて遠ピッチで横に線を引けると。
それで一定のネジを作れるというものなんですけど、これで実は卵ニワトリ問題が出てくるんですね。
正確なネジを作ろうと思った時にはですね、この親ネジというもの、正確な親ネジがいると。
正確な親ネジがいるんですけど、そもそもネジを作る技術がない時に、
じゃあどうやってその正確な親ネジ作るの?誰が作るの?という話ですね。
工作機械の世界には母性原理という言葉があって、機械は自分より精密なものを作れないよと言われております。
だからその親ネジの精度、親ネジがすごく正確に作れていないと、
その親ネジを作って作るネジの部品というのは、それ以下の精度になってしまうよと。
こういう原則母性原理がありますと。
じゃあモーズリーはですね、どういうふうにしたかというと、これ工夫で超えていくんですね。
まず作りやすい木から柔らかい金属材料。
もう斜めに刃を当てていってですね、自分自身でなるべく精度の良いネジを作っていきます。
仮の親ネジですね。
一旦ちょっと雑でもいいけど、なるべく自分の手で作れる限界ぐらいの親ネジをまず作りますよと。
そういう仮の親ネジを作って、その親ネジを使って今度は鋼でより正確なネジを作っていくと。
そういうやり方をしていくんですね。
でもちょっとここに矛盾がありますよね。
いやいや、支部長さん今母性原理の話したばっかじゃないですかと。
親ネジの性能を超えられないんですよねっていう話ではあるんですけど。
もうここはですね、ギャンブルです。
ギャンブル。
ばらつきはあると。
モーズリーが作った木の親ネジから作った金属の親ネジね。
親ネジ。
これもちょっとばらつきはあるんですね。
これによって作られるネジでばらつきはありますけど、
もう何十本何百本作っていろいろ測定して、
その中で偶然これいい精度でできたなっていうものをまた親ネジにして、
そっからまたこういろいろいろ何回も何回も加工して、
これまたちょっといいやつできたなって偶然的にできるものですね。
それを何とか何とか先定しながらですね、
ちょっとずつちょっとずつブラッシュアップしていくんです。
母性原理というのはやっぱり、
もともとの親ネジを超えた精度もできないよねって話なんですけど、
ばらつきがあるよって話なんで、
偶然いいやつができる可能性はあるんですよね。
それを試行錯誤しながら一番いい一本を既に作ってですね、
ちょっとブラッシュアップしていったということがこのモーズリーのやり方なんですよね。
その中でどんどんブラッシュアップしていって、
本当の真の親ネジ、製品として使えるよねって親ネジを作って、
かつそれでまた旋盤をいろいろ作っていく。
旋盤の親ネジも作っていくということで、
こういうやり方をしてネジを進化させたのが、
モーズリーのこの旋盤、ネジ切り版なんですね。
素晴らしいですよね。
このような話とかネジの話をもっと知りたいよっていう方はですね、
ここに移しておきます。
集まる設計一年生初めての締結設計ですね。
こちら出ておりますと、
なんとですね、まだ初版なんですね。
2年、もう3年前、2年前に出したんですけど、
まだ充販かかってない。
かかるかかると言い続けられて、なかなかかからないというね。
辛そうで辛くない、でもちょっと辛い。
ラー油みたいな感じで充販待ちでございます。
皆さんのご協力があればまた充販されると思いますので、
まだ読んでないよという方はですね、
ぜひとも買っていただければという宣伝を挟みつつ、
そんな感じですね。
ネジの話はこれちょっとキャッチアップしてくださいと。
ちなみにですね、このペットボトルの金型ですね。
そんな感じでネジの技術使われてますよということで、
ペットボトルのネジの部分の話をちょっとしたんですけど、
ネジの全般的な話で、
実際このペットボトルのネジの部分ですね。
これどうやって作ってるかというと、
これも金型で作っておりますと。
これはね、型彫りとかではなくて、
切削で金型を削りでね、
ボールエンドミルっていう、
ちょっと真ん中とか先端が丸くなったもので、
ちょっとずつ削りだして、
すごく精密な口の部分の金型を作って、
それでプリフォームのネジの部分を作っているんですけど、
これ皆さん何の気なしに口つけて飲んでるでしょ?
このネジの部分。
これね、めっちゃ難しいんですよ金型作るの。
超難しい。
なぜかというと、
人間の口って非常に敏感なんですよね。
手でもこうやって触っていくとちょっとした段差わかるでしょ?
それよりも非常に感度が高いのがこの口というものです。
なので、金型に例えばちょっと口があったりとか、
傷があったりとか段差があったりすると、
口つけた時にすぐにわかってしまうんですね。
かつ射出成形っていうのは、
金型の形状をすごく綺麗に転写します。
だからちょっと段差があったりとか、
目に見えなくても少しボコッとしてたりすると、
すぐ口につけた時にわかってしまうんですね。
なのでペットボトルの口の部分の金型を作れる会社って非常に限られているし、
そういう金型を加工できる機械ってちょっとした機械じゃないです。
数億するようなめちゃくちゃ精密な工作機械を導入しないと、
この金型の口の部分って作れないんですよペットボトルの。
だからここの技術ってめちゃくちゃすごいのね。
っていうことを感じながらですね、
皆さんペットボトル口つけてますか?
私はね、毎回ペットボトル飲む時に、
ああこのに使ってる切削加工すごい技術なんだなと思いながら、
一口一口飲んでるんですよ。
皆さんそうしてますか?
そうしてくださいというお話ですね。
だからちょっとものづくりの技術を知るとですね、
ペットボトル一本見る目もちょっと変わってくるよというお話でございますよ。
ここからですねちょっと飲料工場の中をペットボトルの気持ちになって、
ちょっと覗いてみましょうという話なんですけど、
例えばキリンの工場とかだとプリフォームがですね、
機械の中で温められて空気でプクッと膨らんでボトルになりますと、
出来立てのペットボトルはそのまま中身を詰める機械の方に移っていって、
詰め終わったらすぐにキャップが被せられると。
ラベルが付いて被せられてから蒸気と熱で膨らまして、
ボトルの中にピタッと密着させるのでラベルをね。
それで一本一本機械から検品されていって、
箱に詰められるというところまで流れ作業でバーッと流れていきますと。
よくテレビとかでね、
ラインの製造ラインみたいな食物というか、
食べ物の製造ラインとかね、よく流れてますけど、
あんな感じでペットボトルもバーッと流れて箱詰めされていくんですよ。
驚くべきはそのスピードで、
朝品量の16茶とかだとね、
600mlのペットボトル1分間で650本ぐらいのペースで箱詰めされていくそうですよ。
1秒に10本ぐらいペットボトルが作られて、
どんどん16茶が詰められているということなんで、
とんでもない速さですよね。
ここでね、工場の中をちょっと思い浮かべて欲しいんですけど、
これ当たり前のように今ラインの話しましたけど、
これすごいことなんですよ。
機械ってそれぞれの持ち場に並んでいて動かないと。
動いているのは何かって言ったらペットボトルなんですよね。
ペットボトルがこう流れてきて、
そこで作業されて次の工程に行くというラインが組まれているわけです。
ボトルが次々と次の機械に流れていくと。
機械のところへボトルが流れていくっていう流れですね。
物の方を動かすっていう発想って、
実はこれ自体がすごくサプライズな技術なんですよね。
これがそもそもいつ生まれたかっていう話をしたいと思うんですけど、
時代は100年以上遡りますと、
1913年4月頃アメリカのミシガ州、フォードですね。
ハイランドパーク工場。
ここで作業する人のところに部品の方が流れていくというですね、
移動式の組み立てラインっていうのは動き始めたんですよ。
最初に試したのは車そのものじゃなくて、
エンジンの展開で使う小さなこの発電機。
これを組み立てするラインを、
もともとは人が一人で一個一個部品を集めてきたりして組み立てていたと。
それを細かい作業に分けて部品の方を流していくようにしたということなんですよ。
もともとはやっぱり一人が一個組み立てますような部品を取り入って、
こういうふうに組み立てて、ここ加工してっていうのを一人がやって、
全部の工程を一人でやって納入すると、納品するっていうことをやってたんですけど、
それを工程ごとに分けて物の方が流れて人は同じ作業をするということをやったんです。
この着想のもとっていうのは実は意外なとこにあってですね、
フォード自身が事例で書いてるんですけど、
ヒントはシカゴの食肉業者が牛を捌くように使っていた天井のトロリだったそうです。
なんかわかるよね、見たことあるよね。
牛が吊るされててさ、肉が流れていくと。
それを作業者が順々に解体していくということをやってるんですけど、
この流れが面白いなと思って、これをものづくりに持ち込んだっていうのがフォードの発想でございます。
この流れって、もともとパンの工場とかビール工場にはすでにあったんですけど、
食べ物とか飲み物を作る工程ではなくて、このものづくりに利用した、車づくりに利用したっていうのが、
フォードの良い視点の部分ですね。
これによってどれくらい生産性が変わったかというと、
車足を作る、車の骨組みを1台組み立てるのにもともと人が作っていてね、
1人の人が作って12時間くらいかかっていたんですけど、
それがLINEを組むことによって1時間33分になったと。
12時間くらいかかっていたのはですね、
私さっき12時間って言った?12時間28分かかってたらしいんですけど、
それが1時間33分になったと。8分の1以下になったということで、
マジでとんでもない変化をした。それがこの移動式の組み立てLINEというものですね。
さらにもう一つの驚き、翌年起こるんですけど、
1914年1月、フォードが条件を満たした人の日給を5ドルにすると発表したんです。
それまでは多分2.5ドル以下だったんですけど、倍ですね。
だからLINEで働く人たちの給料を上げることができたんですね。
それだけ生産性を上げることによって。
このニュースによってですね、もう本当にアメリカ中から工場に人が押し寄せて、
俺を雇ってくれ!みたいな感じで、暴動に近い形で起きますと。
これどうかなって思うし、今の時代そんなことしていいかなと思うんだけど、
あまりにも人が押し寄せすぎて、放水で追い払うみたいな。
消防ホースで放水でちょっと来るんじゃない?つって追い払うみたいなことがあったみたいです。
それだけやっぱね、その労働者っていうのが結構、
若気に扱われた時期でもあったんで、
生産性を効率化することによって、
労働者のその労働環境を上げるし、給料も上げるしっていうことで、
この移動式の組み立てLINEっていうのは非常にですね、
ものづくりにおいて革命をもたらした、それだけサプライズなんでね。
そういう技術でございますと。
そしてそこからですね、やっぱその労働者の賃金も上がり、
車も安くなり、
そんだけでは12時間かかってるものが1時間で組めるようになったから、
相当生産性が上がってですね、車の値段も下がっていって、
もう車がお金持ちが持つものから、
みんなのもの、民主化されるっていうことになったんです。
このね今の生産LINEの考え方の原型っていうのは、
このここにあるんですね。
もともと食肉から、食肉の加工からですね、
フォードがヒントを得て、そういうふうに作っていったっていうものなんですけど、
ものづくりの分野に取り込んだのはこのフォードというところで、
ここはですね、非常にものづくりにおいても歴史を振り返るとね、
ターニングポイントになっているんじゃないかなというふうに思いますね。
っていう発想を使って、
このペットボトルっていうのもちゃんと作られてる。
当たり前のようにこう、物がバーって流れてきて、
ペットボトルがこう積み込まれていくな、箱に入れられていくなっていうのはね、
もうなんか工場、LINEっていったらね、当たり前の発想じゃないですか。
でもそれをやっぱ考えた人がいて、
ものづくりに取り組んだ人がいるということなんですね。
だからこのペットボトル1本、
今日はね、このペットボトル1本をテーマに、
ちょっとね、いろいろ無理矢理的に話をつなげて、
喋ってきましたけど、
この1本の中にも人類を驚かしたものを作る技術っていうのが、
いくつも詰まっているんですね。
今日紹介しただけじゃなくても、
いろいろもっと話を開ければもっといろんな話ができるんですけど、
皆さんそれを意識したことはありましたかというのが、
今日のお話でございますね。
私はやっぱりものづくりのラジオの中で、
そういう話をどんどん伝えていきたいなと思っています。
人がなかなか気づかない、
ものを作る技術のお話ね。
そういうのを知ることによって、
何かを1つ手にした時に、
そういう作り方をしてるんだなっていう、
あなたたちのものづくりの視点が、
あなたたちっていうと言い方が悪いですね。
リスナーさんのものづくりの視点が1つ増えればなと、
それで興味を持ってくれる人が1人でも増えればなと思って、
やっておりますんで、
今日の話を聞いたあなたはですね、
このペットボトルを手に取った時に、
サプライズを起こしてほしいですね。
あー驚きの技術なんだな、いろいろ詰まってるんだな、
ということ。
だからジュースだけじゃないです。
このペットボトルに詰まっているのは、
ジュースだけじゃない、飲み物だけじゃないと、
驚きが詰まっているというお話でございました。