シンプルな解決法
私たちは、人生がうまくいかない時、思い通りにならない時に、悩み苦しみます。
ですが、心学研究家である小林正観さんは、この思い通りにならない時の解決法が、たった二つあると言いました。
さて、これから紹介する二つの解決法は、あなたの人生のお役に立てるでしょうか?
順を追って解説していきます。
二つのシンプルな解決法。
正観さんが説いた解決法は、非常にシンプルです。
一つ目、人生は思い通りにならないものだ、と思い定める。
はじめから思い通りにならないと思っておけば、たとえ思い通りにいかなくても、それで悩むことはありません。
二つ目、思いを持たないこと。
思いそのものを持たなければ、そもそも思い通りにならないこと自体が存在しません。
これだけでは少し抽象的なので、身近な例、人間関係の悩みで考えてみましょう。
人間関係の悩みの確信。
人間関係がうまくいかず、悩み苦しんでいる人は多いのではないでしょうか。
家族を含め、この人たちを自分の価値観内で思い通りに動かしたいのに、動かないから悩み苦しむ。
これが悩みの確信です。
では、先の二つの解決法に当てはめるとどうなるでしょう。
人は思い通りにできないものだと思い定める。
人にこうなってほしい、こうあるべきだという思いを持たない。
そんなことで解決できたら苦労しないと思った方もいるかもしれません。
ですが、よく考えてみてください。
あなたがものすごく腹を立てたり、どなって文句を言ったところで、相手が変わるでしょうか。
そうです。他人は変えられませんし、変えるのは非常に困難です。
しかし、自分なら今この瞬間から変えられます。
だとしても、相手がわがまま放題になってしまうのでは?と思ったかもしれませんが、自分が変わることは極めて重要なのです。
執着を手放す
仏教の教えと不機嫌という罪
自分が変わらない状態、つまり人間関係で悩み続ける状態は、不平不満や愚痴を言ったり、怒ったり、不機嫌という感情を持つことにつながります。
ドイツの詩人ゲーテは言いました。
人間の最大の罪は不機嫌である、と。
これはどういう意味でしょうか。
仮に私たちがニュースで障害事件を見聞きしたとしても、自分も同じ事件を起こしてやろうとは普通思いません。
ですが、不機嫌ならどうでしょう。
人間関係で不機嫌になったとき、その不機嫌は別の誰かにやつ当たりを起こしたり、人から人へと普及し続け、とどまることを知りません。
その不機嫌は職場から家庭へ、町へと広がり、過去に起こった不機嫌が未来の誰かにまで影響する可能性すらあるのです。
その結果、さらなる別事件の引き金を撒き散らす可能性すらあります。
ですからゲーテは、不機嫌こそが最大の罪である、と言ったのです。
自分が変わるとどうなるか。
反対に自分が変わる、悟るとどうなるでしょうか。
自分は常に穏やかで幸せを感じ、にこにこと温かい波動を放ちます。
この波動は周りの人を穏やかにし、周りのイライラでさえ沈める力があるのです。
お釈迦様が自分が悟ればそれでいい、という象徴仏教を説いたのも、
清漢さんが自分がどう生きるかだけ、と言ったのもこの理由からです。
話を戻しましょう。
二つの解決法をしたところで、相手がわがまま放題になるのでは?と思ったかもしれません。
ですが、自分が悟った結果として温かい波動を周りに投げかけ続けることにより、不思議と相手が変わってくるのです。
夫が優しくなる可能性がある。
子供が言うことを聞く可能性がある。
社長が従業員のためを思う可能性がある。
また、温かい気持ちは北海道から沖縄まで、そして過去から未来にまで届き、幸せな連鎖を生み出します。
ですから、思い通りにならないことに目を向けるのではなく、思いを持たないことはとても重要で価値のあることなのです。
執着を手放す宇宙の裏返し構造。
それともう一つ、セイガンさんが伝えた不思議な法則を紹介しておきます。
それは、執着が強ければ強いほど、思い通りにいかないことが多くなるという宇宙の裏返し構造です。
例えば、お金への執着はどうでしょうか。
お金が思い通りにならないと悩む人も多いでしょう。
そこで、先の2つの解決法に当てはめます。
お金は思い通りにいかないものだ、と思い定める。
必要以上に、あれが欲しい、これが欲しい、こうでなくては、という思いを捨てる。
こうやって執着を手放せば手放すほど、自分のところにお金が巡りやすくなるらしい。
これが、セイガンさんが言われた宇宙の裏返し構造です。
最後に、誰しもが人生を思い通りにはできません。
だからこそ、悩み苦しむのですが、問題に直面したとき、ぜひ2つの解決法を思い出してみてください。
思い通りにならない人生に疲れたら、このシンプルな教えを少しずつ試してみてはいかがでしょうか。
