心学研究家である小林正観さんは、人間関係の悩みを解決する方法として、ぼーっとした人になることを提唱しています。
このぼーっとした人とは、具体的にどんな人なのか、正観さんのお話を参考にまとめてみました。
強靭な精神力とは、正観さんは、真に強靭な精神力を持つ人とは、ぼーっとした人、つまり、物事にいちいち過剰に反応したり、イライラしたりしない人であると言います。
なぜぼーっとした人が強いのか? 精神力を糸にたとえるとわかりやすいかもしれません。
両端を固く結びつけた糸は、少しの力で簡単に切れてしまいますが、片方だけが結ばれた糸は、なかなか切れません。
強靭な精神力とは、神経を張り詰めてすべてを跳ね返すことでも、ガードで自分を固めることでもありません。
傷つくことを恐れてガードを固めている人は、むしろ弱いのかもしれないのです。
バカにされても傷つかない人、プライドを傷つけられても笑っていられる人こそが、真に強い人です。
そのためには、目の前の現象に一機一憂しない、ぼーっとした自分になることが重要です。
一機一憂しなければ自分が一番楽になり、それが強靭な精神力へとつながります。
ぼーとぶとよっとぶの考え方
セイカンさんは、ぼーっとした人をぼーとぶの人、その反対をよっとぶの人に例えました。
よっとぶの人は、目の前に30センチの石が落ちていると、それを障害だと認識し、避けて歩けばいいのに、迂回するのは気に入らないと、わざわざ力を込めてどかそうとします。
これは、目の前で起こる出来事や、人を自分の力で思い通りにしようとする人です。
彼らはすべてなし、オールなしの人。
よっとはマストを張りますが、マストは英語で粘らないを連想させます。
目の前の問題に対して何々でなければならない、何々するべきだと、自分にも他人にも厳しい人です。
ぼーとぶの人は、そんなこともあるよね、とぼーっとしている。つまり、目の前の出来事をすべて受け入れている人です。
彼らはすべてあり、オールありの人。
ぼーとは人間が漕ぎ進む乗り物で、よっととは違い、マストを張りません。
面白いことに、実際ぼーとはオールで漕ぎますが、よっとにはオールはありません。
またぼーとぶの人は、人生はシナリオ通りだと受け入れているので、あまり後悔しません。
一方、現象を受け入れないよっとぶの人には、後悔が多いのかもしれません。
人間関係の悩みは、自分がどう生きるかだけ
人間関係の悩みについて、セイカンさんは、自分がどう生きるかだけだと断言します。
よっとぶの人は、人のことについていちいちイライラしたり、自分の手に負えない問題を解決しようとあれこれします。
しかし、自分の力には限界があると悟り、現象も人も自分の思い通りにはできないと認めましょう。
コントロールできるのは、世界にただ一人、自分だけです。
イライラさせる人がいるのではありません。
自分がイライラしたから相手がイライラさせる人になるのです。
自分がぼーっとしてイライラしない人になれば、イライラさせる人は存在しなくなります。
自分の価値観で判断しなければ、問題な人は存在しなくなるのです。
ある女性が、20年間夫を憎み続け、変えようと努力したがダメだった。
夫を変えるには、自分が変わらなければならないと言われた。と、相談した際、正冠さんは言いました。
夫を変える必要はありません。自分が冒頭部に入ったら、問題はすべて解決します。
正冠さんの解決法は、相手を変えるために、まず自分が変わりましょうという話ではありません。
人を変える必要はなく、ただ自分がぼーっとすればいいのです。
自分の価値観を押し付けず、自分がどう生きるかだけに集中する。
その結果、自分が明るく、いつもニコニコしていれば、夫が変わっていく可能性もあるのです。
人間関係の5つの解決法と気にしない生き方。
正冠さんは、人間関係のトラブルにおける解決法として、次の5つを挙げ、最もいいのは下の2つだと示唆しています。
1つ目、戦う。相手を説得したり、屈服させる。
2つ目、逃げる。相手から距離を置く。
3つ目、我慢。ただじっと耐える。
4つ目、気にしない。問題は意識したけれど、とりあえず気にしない。
5つ目、気にならない。問題認識すらしない人。ぼーっとした人。
ここで1つ注意点があります。相手のすべてに無関心でいいのかというと、そうではありません。
肯定的なこと、嬉しい、楽しい、幸せ、ありがとうには積極的に関わるといいでしょう。
投げかけたポジティブな感情が自分にも返ってきて楽しくなるからです。
反対に否定的なこと、怒り、辛い、苦しいには、ぼーっとして認識しない方が自分が楽になれます。
言われっぱなしでいいのかと思うかもしれませんが、宇宙の法則では、投げかけたものが返ってくると言われます。
言い返せば、相手はたちまち敵になり、我慢を続ければ、いつか限界がきます。
誰とも戦わず、敵がないことこそが無敵です。
最後に伝えたいこと。
セイカンさんが伝えたかったことは、何があっても起こらない人格者になりなさい、ということではありません。
ぼーっとして、いろんなことをいちいち気にしなくなると、誰が一番幸せかというと、自分自身です。
問題を抱え込むことも、イライラして敵を作ることもなくなります。
もし今後、嫌なことがあったら、ぼーっとすることを思い出してみてください。
100%とはいかなくても、今までよりは楽に生きられるのではないでしょうか。