今回は、心学研究科の小林正観さんの教えから、私たちの人生を苦しめる二つのテーマについてお話ししたいと思います。
一つ目は、私たちがついやってしまいがちな、「なぜ?」という問いかけが、どうして良くないのか。
そして二つ目は、仕事探しや仕事に対する向き合い方についてです。
この二つの話を知ることで、あなたの心はきっと軽くなり、日々の生活がもっと楽になるはずです。
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第1章 「なぜ?」という問いかけが人生を苦しめる理由
皆さんは日頃から、「なぜ?」と問いかけていないでしょうか。
心学研究家の小林正観さんによると、その問いかけが私たちを苦しめている場合があるといいます。
問いかけの正体は現象の否定。
正観さんに相談や質問をされる方の多くは、「なぜ〇〇なのですか?」と聞くことが多かったそうです。
しかし正観さんは、それが単なる相談や質問の形をとってはいるものの、その現象や出来事を否定しているだけに過ぎないと指摘しました。
具体的な例を挙げてみましょう。
なぜ私だけこんなひどい目に遭うのか。なぜあの人はあんなひどいことをしたのか。
あの問題は誰のせいなのか。
これらはすべて表面上は問いかけのように見えますが、その根底にあるのは、こんなことはあってはならないという現象を否定する気持ちなのです。
現象を否定するとどうなるか。
正観さんによると、目の前の現象に、「なぜ?」や、「誰のせい?」と問いかけ始めると、やがて自分か他者のどちらかを責めるようになります。
もし自分を責めた場合、心が不安定になり、鬱状態になることもあります。
もし他者を責めた場合、攻撃的になり、人を傷つけたり、最悪の場合、犯罪を犯してしまうことさえあります。
正観さんは、これらの状態を心の不健康と呼び、その始まりはどちらも、「なぜ?」、「誰のせい?」と問いかけることからだと語りました。
問いかけても問題は解決しない。
さらに、そう問いかけたところで問題は解決しないのです。
例えば、子どもの不登校について、親が、「なぜ?」と問いかける必要はありません。
なぜなら、不登校の原因を、「誰のせいか?」と追求してもキリがないからです。
このように原因を探してもキリがないですし、そもそも問題が解決するわけではありません。
では、どうすればいいのでしょうか。
一つの方法として、受け入れることが大切だと正観さんは言います。
目の前の現象を受け入れること
正観さんは言いました。
目の前の現象や出来事について、何も責めず、現象を否定せず、風に吹かれて、川に流されて生きていけば、それでいいのです、と。
この受け入れることには、2つの大きなメリットがあります。
メリット1。悩みや苦しみがなくなる。
悩みや苦しみの原因は、自分の思い通りにいかないことです。
すべてを受け入れ、自分の思い通りにしようと思わなければ、悩みや苦しみは存在しなくなります。
メリット2。周りにいい影響を与える。
現象を受け入れ、自分自身が笑顔で明るく生きていけば、周りにいい影響を与えることができます。
例えば、不登校の子供がいたとしても、親が笑顔で明るく生きていれば、その子供の不登校ですら、治る可能性があるのです。
親が、学校に行かないとダメだ、と秘めつけているだけなのです。
不登校を例に挙げましたが、これはすべての現象に同じことが言えます。
文句につながるような問いかけをやめることで、心の不健康を避けることができ、さらに現象を受け入れることで、悩みはなくなるのです。
第2章。仕事探しは、得り好みをしない方がうまくいく。
ここからは、仕事に対する向き合い方について、清官さんの教えをご紹介します。
心学研究科の小林清官さんのもとには、さまざまな相談が持ちかけられました。
その中の一つ、仕事探しで困っている人に対して、清官さんは、ハローワークで仕事を探すよりも、街で見かける張り紙の募集に飛び込んでみてはいかがですか、とアドバイスしたことがあるそうです。
これには大きく2つの理由があります。
一つ目は、そうした場所こそ、本当に今、人を必要としているから。
そしてもう一つは、好きな仕事、嫌いな仕事と得り好みしているうちは、宇宙、神様が味方をしない、というのです。
仕事は何でも構わない。ただ、誠実に、真面目にやっていると、自然と道は開けていく。
今回は、実際にそのようにして道が開けた、2つの実例をご紹介します。
料理人から重役へ上り詰めた村上さん。
帝国ホテルで料理長から重役にまでなった、たった1人の人物、村上さんのお話です。
村上さんは、10代の頃に厨房に入りましたが、入ってすぐに先輩から、3年間は鍋磨きだけ、と告げられます。
彼は、辞めていく人もいる中、日本一の鍋磨きになることを決意するのです。
当時使われていた銅の鍋は、磨けば磨くほどきれいに光るそうで、村上さんはそれを徹底的に磨き続けました。
数ヶ月後、先輩たちはきれいに磨かれた鍋を見て、村上さんを認め始めます。
村上さんが鍋磨き当番の時だけ、ソースの入った鍋を洗剤を入れずに返したそうです。
村上さんは、そのソースを指でなめ、どんな味が隠されていたのかを知ることが許されました。
これは先輩たちによる最大の敬意の現れだったに違いありません。
このように目の前の仕事に真面目に真摯に取り組んだ結果、村上さんは料理長だけにとどまらず、帝国ホテルの重役を任されるようになったのでした。
給料以上のことをした新入社員。
ある大卒の新入社員はコピー機の交換の仕事をしていました。
ある会社のコピー機交換を頼まれたのは、会社が休みで誰もいない土曜日のこと。
彼は仕事であるコピー機の交換を終えた後、それだけでは終わりませんでした。
隣のまだ動くコピー機を新品と見劣りしないくらい綺麗に磨き上げたのです。
さらに床と窓ガラスまでピカピカにして帰ったそうです。
週が明けた月曜日に、その会社から交換だけでなく事務所をピカピカにして帰った人物は誰だ。
同じ人物に別の部署のコピー機も交換に来てほしいと連絡が入りました。
彼は同様に給料以上の働きを繰り返していきました。
その噂は広まり、彼の元には仕事の依頼がどんどん入るようになり、
彼は新入社員でありながら、たった3ヶ月で100人ほどいる営業部員の中で売上1位になったそうです。
最後に、ハローワークで仕事を探してももちろん構いません。
しかし重要なのは、どんな職種でもどんな仕事内容でも構わないから、
自分でやりたいやりたくないと選ばずに目の前に回ってきたことを真面目に一生懸命取り組むことです。
どんな仕事であっても、愚痴や泣き言を言わずに誠実に働く。
そうすると、宇宙、神様が味方をしてくれて、人生が面白い展開になっていくようです。