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赤いくつ 後編
2026-10-03 15:20

赤いくつ 後編

0209 261003 アンデルセン 赤いくつ 後編 朗読:松永鈴帆
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サマリー

アンデルセン「赤いくつ」後編の朗読です。赤い靴を脱げなくなったカレンは、昼夜を問わず踊り続け、天使から永遠に踊れと告げられます。カレンは首斬り役人に足と靴を切ってもらい、牧師の家で働きながら悔い改めます。最後に天使が再び現れ、教会と人々に囲まれたカレンの魂は神のもとへ飛んでいきます。

赤い靴に取りつかれたカレン
この時間は、福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
けれどもそれは、赤い髭を生やした、例の老兵で、うなずきながら、「はて、ずいぶんきれいなダンス靴ですわい。」と言いました。
そこで、カレンはびっくりして、赤い靴を脱ぎ捨てようと思いました。 けれども靴は、しっかりとカレンの足にくっついていました。
カレンは靴下を引きちぎりました。しかしそれでも靴は、ぴったりと足にくっついていました。
そしてカレンは踊りました。夜と言わず、昼と言わず、イヤでもオウでも、踊って踊って、踊り続けなければなりませんでした。
そしてカレンは、戸の開いている教会の入り口の方へと踊りながら行った時、一人の天使がそこに立っているのを見ました。
その天使は、白い長い着物を着て、肩から足までも届く翼を生やしていて、顔つきは真面目に、いかめしく、手には幅の広いピカピカ光る剣を持っていました。
いつまでもお前は踊らなくてはならぬ、と天使は言いました。赤い靴を履いて踊っておれ。
お前が青白くなって冷たくなるまで、お前の体がしなびきって、骸骨になってしまうまで踊っておれ。
それ、お前は踊らなくてはならんぞ。踊るのだぞ。観忍してください、とカレンは叫びました。
けれどもその間に、靴がどんどん門のところから往来や小道を通って、畑の方へ動き出して行ってしまったものですから、カレンは天使が何と返事をしたか聞くことができませんでした。
そして、あくまで踊って踊っていなければなりませんでした。
ある朝、カレンはよく見覚えている一軒の家の門口を踊りながら通り過ぎました。
すると家の中で賛美歌を歌うのが聞こえて、花で飾られた棺が中から運び出されました。
それでカレンは、自分を可愛がってくれたお年寄りの奥様が亡くなったことを知りました。
そして自分がみんなから捨てられて、神様の天使からは呪いを受けていることをしみじみ思いました。
カレンはそれでもやはり踊りました。とうとう荒れ野を横切って、そこにぽつんと一つ立っている小さな家の方へ踊って行きました。
その家には首斬り役人が住んでいることをカレンは知っていました。
そこでカレンは窓のガラス板を指で叩いて、「出てきてください。出てきてください。踊っていなければならないので、私は中へ入ることはできないのです。」と言いました。
首斬り役人への懺悔
すると首斬り役人は言いました。
お前はたぶん私が何であるか知らないのだろう。私は斧で悪い人間の首を斬り落とす役人だ。
私、首を斬ってしまってはいやですよ。」とカレンは言いました。
そうすると私は罪を悔い改めることができなくなりますからね。けれどもこの赤い靴と一緒に私の足を斬ってしまってくださいな。
そこでカレンはすっかり罪を懺悔しました。
すると首斬り役人は赤い靴を履いたカレンの足を斬ってしまいました。
でも靴は小さな足と一緒に畑を越えて奥深い森の中へ踊っていってしまいました。
それから首斬り役人は松葉杖と一緒に一対の木の継ぎ足をカレンのためにこしらえてやりました。
そこでカレンは斧を使った役人の手に切笛すると、荒れの泳ぎを切って底を出ていきました。
丸一週間というもの、カレンは悲しくて悲しくて意地らしい涙を流して何度も何度も泣き続けました。
けれども日曜日になった時、私はずいぶん苦しみもしたし戦いもしてきました。
もう私も教会に座って頭を高く上げて少しも恥じるところのない人たちと同じくらい正しい人になったと思うわ、こう思いカレンは勇気を出して行ってみました。
牧師の家での悔い改め
けれども墓地の門にもまだ入らないうちにカレンは自分の目の前を踊っていく赤い靴を見たので、
つくづく怖くなって心の底からしみじみ悔いを感じました。
そこでカレンは牧師さんの家に行ってどうぞお手伝いさんに使ってください。
怠けずに一生懸命働けるだけ働きますと言いました。
お給金などはいただこうと思いません。ただ心の正しい人々と一つ屋根の下で暮らさせていただきたいのです。
こういうので牧師さんの奥様はカレンをかわいそうに思って使うことにしました。
そしてカレンは体操をよく働いて考え深くもなりました。
夕方になって牧師さんが高い声で聖書を読みますとカレンは静かに座ってじっと耳を傾けていました。
子供たちはみんなとてもカレンが好きでした。
けれども子供たちが着物や身の回りのことや王様のように美しくなりたいなどと言い合っている時、カレンはただ首を横に振っていました。
次の日曜日に人々は家連れて教会に行きました。
そしてカレンも一緒に行かないかと誘われました。
けれどもカレンは目にいっぱい涙をためて悲しそうに松葉杖をずっと見つめていました。
そこで人々は神様のお声を聞くために出かけましたが、カレンは一人悲しく自分の狭い部屋に入っていきました。
天使の救いと結末
そこにカレンは賛美歌の本を持って椅子に座りました。
そして新人深い心持ちでそれを読んでいますと、風につれて教会で弾くオルガンの音が聞こえてきました。
カレンは涙で濡れた顔を上げて、「ああ神様、私をお救いくださいまし。」と言いました。
そしてカレンがあの晩、教会の戸口のところで見た天使と同じ天使が白い着物を着てカレンの目の前に立ちました。
けれども今度は鋭い剣の代わりに、薔薇の花のいっぱい咲いた見事な緑の枝を持っていました。
天使がそれで天井に触りますと、天井は高く高く上へ登っていって、触られたところはどこも残らず金の星がキラキラ輝き出しました。
そしてカレンの目になっているオルガンが見えました。
昔の牧師さんたちやその奥さんたちの古い像も見えました。
信者の人たちは飾り立てた椅子について賛美歌の本を見て歌っていました。
教会ごとそっくりこの狭い部屋の中にいるかわいそうな女の子のところへ動いてきたのでございます。
それともカレンの部屋がそのまま教会へ持って行かれたのでしょうか。
カレンは牧師さんのうちの人たちと一緒の席についていました。
そしてちょうど賛美歌を歌い終わって顔を上げたとき、この人たちはうなずいて、
カレン、よくまあここへ来ましたねと言いました。
これもまあ神様のおめぐみでございますとカレンは言いました。
そこでオルガンは鳴り渡り子どもたちの合唱の歌は優しく可愛らしく響きました。
うららかなお日様の光が窓から暖かく流れ込んでカレンの座っている教会の椅子を照らしました。
けれどもカレンの心はあんまりお日様の光であふれて平気と喜びであふれて
そのため張り裂けてしまいました。
カレンの魂はお日様の光にのって神様のところへ飛んで行きました。
そしてもうそこでは誰もあの赤い靴のことを尋ねるものはありませんでした。
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