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こんにちは。保育を語る在宅保育士の声です。 この番組は、保育士がそれぞれの現場で出会った経験や、保育を通して大切にしてきた価値観を語り、保育への尊敬や共鳴、気づきを広げていく番組です。
今回のパーソナリティは、ピオ。保育士の働き方を変えること、ピオです。 今日は、子どもの可能性を信じて待つ保育をテーマに、
私の保育家をお話しします。 どうぞ、最後までお聞きください。
私はピオです。現在は連続育休中で、1歳4ヶ月の娘と、3歳2ヶ月の息子を、自宅保育している保育士ママです。
来年4月には、認可保育園への現場復帰を控えています。 私はこれまで、地元の私立幼稚園に、新卒から13年勤務しました。
幼稚園では、右も左もわからない新人の頃から、先輩の先生方にたくさんのことを教えていただきました。
振り返ってみると、私にとって幼稚園は単なる職場というよりも、子どもたちと一緒に成長していく学びの場だったかもしれません。
そしてその後、幼児の保育スキルも身につけたい。どうせ転職するなら、最先端の保育を学びたい。
そんな思いから、30代を過ぎて思い切って、都内の私立保育園に転職しました。
そこで2年間、保育士として経験を積ませてもらいました。
これまでの保育歴は15年、主に幼児クラスを中心に担当し、主任としての業務も経験してきました。
これまで、たくさんの子どもたち、そして保護者の方々と関わる中で、私が大切にするようになったのが、
一人一人に寄り添い、丁寧に信頼関係を積み重ねること。
子どもにとって、この先生なら大丈夫って思ってもらえるような安心の港でありたい。
そんなことを大切にしながら、15年間保育をしてきました。
今日は、その中でも特に私の心に残っているある男の子との3年間のお話を通して、
私が大事にしているマツ保育についてお話ししたいと思います。
今日、すぐに目が出なくても子どもの可能性を信じてマツというテーマについてお話ししようと思ったのは、
私が幼稚園で担任をしていたある男の子との3年間の経験がきっかけです。
その子は、私が出会った頃、発達のペースがゆっくりで、まだ言葉で気持ちを伝えることが難しい状態でした。
集団の中に入ることも難しく、クラスで一緒に活動するよりも、自分の興味のあることをして過ごすことが多い子でした。
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その姿を見て、私はこの子はこれからどんな風に成長していくんだろうと考えることがありました。
保育をしていると、どうしてもできるようになった、できなかったという見える変化に目が向きやすいと思います。
私自身も、担任としてどうしたらこの子が集団の中で過ごせるようになるんだろうって悩んだ時期がありました。
でも、その子と関わる中で、子どもの成長はこちらが思っているタイミングで現れるものでもないんだなって気づきました。
すぐには変化が見えなくても、その子の中では少しずつ何かが育っている。
だからこそ、焦って答えを出そうとするのではなく、その子の成長を信じて待つことも保育なんじゃないか。
今日はそんなことを強く感じた3年間のお話をしたいと思います。
それは私が幼稚園で担任していた頃の出来事です。
その子、ワイ君との出会いは、入園前の説明会でした。
説明会の途中、私は担当していた仕事を終えて保育室の前を通りかかりました。
すると、ワイ君がずっと泣いてたんです。
先生たちが関わってもなかなか泣き止まなくって、
お母さんもどうしたらいいのかわからないような、とても困った表情をされていました。
私はその様子を見て、ワイ君は発達のペースがゆっくりなんだな、ということを感じました。
そして同時に、お母さんもきっとこの子は幼稚園で大丈夫なのかなと不安を抱えているんだろうなと思いました。
そこで私は、ほんの数分でもこの親子が少しでも安心してこの場で過ごせたらいいなと思い、ワイ君に関わることにしました。
ワイ君はその頃、まだ言葉で気持ちを伝えることが難しく、泣いて自分の気持ちを表していました。
私は抱っこしながら少し歩いてみたり、ワイ君が好きそうなものは何かな、と考えたりしていました。
そしてアンパンマンの絵を描いて見せてみたんです。
すると、少しずつ泣き止んで最後には笑ってくれました。
その時のお母さんの表情が少しだけほっとされたように見えたのを覚えています。
でもお母さんの中にはまだ不安が残っているようでした。
周りの子と比べてしまったり、この子は大丈夫かなと思ったりする気持ちはきっと簡単にはなくならないと思います。
私自身もその親子と関わって、この親子の何か支えになれたらいいなと思いました。
その後ワイ君は入園することになり、私は担任として関わることになりました。
入園した頃のワイ君はやはり発達のペースがゆっくりで、言葉で気持ちを伝えることが難しい状態でした。
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おもちゃを全部出してしまったり、教室から出て行ってしまったり、みんなと一緒に活動することが難しかったり、
担任としてどう関わったらいいんだろうと悩むこともありました。
クラスにはワイ君だけでなく他の子どもたちもいます。
ずっとワイ君だけについているわけにはいきません。
だから私はワイ君だけを特別な枠に入れるのではなく、
クラス全体を見ながらその中でワイ君が安心して過ごせる方法を探していきました。
そしてもう一つ大切にしていたのがお母さんとの関係です。
お母さんはワイ君のことをとても大切に思っているからこそ、
周りのこと比べてしまったり、これからどうしていけばいいのかわからなくなったりすることもありました。
私は連絡帳や電話、お迎えの時の会話などを通して、
その日のワイ君の様子をできるだけ具体的に伝えるようにしました。
今日はこんなことをしてましたよ。
お友達とこんな寄り取りがありましたよ。
今日はこんな表情をしてましたよ。
そういう小さな出来事を伝えていきました。
すると少しずつお母さんの表情が変わっていきました。
できないことを伝えるだけでなく、
今日こんなことができた、こんな風に過ごしていたを知ることで、
ワイ君の成長を一緒に見てもらえるようになったんです。
そしてワイ君自身も安心して幼稚園で過ごせるようになっていきました。
そんな日々を過ごして、担任になって半年ほど経った頃です。
それまでほとんど言葉を話さなかったワイ君が、
初めて私のことをミン先生と呼んでくれました。
その瞬間は本当に嬉しかったです。
言葉が出たということだけではなくて、
ワイ君の中に私との関係が少しずつできてきたんだと感じたんです。
その後もすぐに何もかもできるようになったわけではありません。
年少の運動会では私と手をつないで一緒に走りました。
発表会ではそばで支えながら自分の位置を覚えて参加することができました。
そして周りの子どもたちも自然にワイ君を支えてくれるようになりました。
ワイ君大丈夫だよ。ワイ君が今〇〇って言ってよ。
そんな風に子どもたち同士の自然な関わりも生まれてきました。
年中になると私はワイ君の担任ではなくなりました。
正直私はこのまま関わり続けたい気持ちもありました。
でもワイ君にとっては新しい先生との信頼関係を作っていくことも大切な経験です。
だから私は自分の気持ちは少し抑えてあえて一歩引くことにしました。
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その後、お母さんから先生との距離ができてしまった気がして少し寂しく感じましたって言われたこともありました。
でも私はこれもワイ君の成長のために必要な時間なんですとお話ししました。
そして年長になりまた私はワイ君の担任になりました。
その時は本当に嬉しかったです。
ワイ君は以前よりもたくさん話せるようになっていてこうしたいという自分の気持ちもしっかり伝えられるようになっていました。
でも成長っていつも右肩上がりではないんですよね。
できることが増えた一方で自分の思いが強くなったことで集団の中に入ることが難しくなることもありました。
一心一体を繰り返しながらワイ君は少しずつ成長していきました。
私はそんなワイ君の姿を見ながら早くできるようにしなくちゃと焦るのではなく、ワイ君自身のタイミングを待つことを大切にするようになりました。
そして迎えた卒園式、私は3年間のワイ君の成長をご家族にも感じてもらえるような姿を見せたいと思っていました。
できれば名前を呼ばれたら一人で前に出て園長先生から卒園証書を受け取ってほしい。
もちろんその日のワイ君の状態によっては私が一緒に行くことも考えていました。
当日ワイ君の名前が呼ばれました。でも恥ずかしそうにしてなかなか前に出ることができません。
私はすぐに手を引いて連れて行くのではなくしばらく待つことにしました。
そして3分ほど経った頃、ワイ君自身が行こうと決めたように前に歩き始めました。
そしてステージに上がる一歩手前で私は小さな声で大丈夫だよ、行ってらっしゃいと声をかけました。
するとワイ君は一人でステージに上がって園長先生から卒園証書を受け取りました。
そして最後には小学校で頑張りたいことは?って聞かれて、
軽食全部食べますって答えたんです。
その姿を見た時私は涙が止まりませんでした。
3年間の中で何度もどうしたらいいんだろうと悩んだこともありました。
でも最後はワイ君自身が自分のタイミングで一歩踏み出した。
その姿を見て私は改めて子供の力を信じて待つことの大切さを感じました。
今振り返ると私が保育で大切にしているのはその子の成長を信じて待つことです。
なぜなら子供の成長は必ずしも大人が思っているタイミングで見える形になるわけではないと考えているからです。
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保育士からするとまだできていないと感じる時期でも
その子の中では少しずつ何かが育っていることがあるんですよね。
だから私はただ待つのではなく今この子は何を感じているんだろう。
何ができるようになってきたんだろうって。
その子の小さな変化をよく見ることを意識しています。
そして子供が自分からやってみようって思えるタイミングが来た時には
そっと背中を押してあげる。
ワイくんの卒園式で私がすぐに手を引かなかったのも
ワイくん自身が今ならいけると思える瞬間を待ちたかったからです。
そして大丈夫だよ行ってらっしゃいと声をかけたのは
私が代わりにやってあげるのではなく
先生はここにいるよと伝えて
安心して自分で一歩踏み出してほしかったからです。
私は保育士の価値って子供に何かできるようにさせることだけではないと思っています。
その子が自分の力で一歩踏み出せるように
そばで見守り信じ必要な時に支えること。
そしてその子の成長を一緒に喜びながら
保護者の方にもこの子は大丈夫と思ってもらえるような関係を作ること。
それも保育士にしかできない大切な役割だと思っています。
保育士として働いているともっとできるようにしてあげたい。
周りの子と同じようにできるようになってほしいと思うことがあると思います。
私自身もワイくんとの関わりの中で
どうしたらこの子が集団の中で過ごせるようになるんだろうと
悩んだことが何度もありました。
特に毎日忙しく保育をしていると
目に見える変化を求めてしまうこともありますよね。
でも子供の成長って本当に一人一人違います。
昨日までできなかったことが今日突然できることもあれば
できるようになったと思ったことがまた難しくなることもあります。
だからもし今なかなか変化が見えないな
この関わり方でいいのかなと悩んでいる先生がいたら
少しだけ立ち止まってその子の小さな変化を探してみてほしいです。
前より少し笑うようになった。
先生のところに来てくれるようになった。
友達のそばにいられる時間が少し長くなった。
そんな小さな変化もその子にとっては大きな一歩かもしれません。
そして待つことは何もしないことではないと思います。
よく見て考えて環境を整えて必要な時には手を差し伸べる。
そしてその子自身が動き出す瞬間を信じて待つ。
私はそれも保育の大切な仕事だと思っています。
もし今関わっている子供のことで悩んでいる先生がいたら
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この子はいつできるようになるんだろうではなく
この子の中では今どんなことが育っているんだろうと見方を変えてみてください。
皆さんは今関わっている子供のまだ見えてない成長をどんなふうに信じていますか。
私はこれから保育士としてこれまで積み重ねてきた経験を大切にしながら
子育てしながらでも自分らしくいられる新しい働き方にも挑戦していきたいと思っています。
これまで15年間子供たちと関わる中で目の前の子供をよく見て
その子の可能性を信じることを大切にしてきました。
これからはその経験を自分の中だけに留めるのではなく
同じように子供や保育に向き合っている先生たちにも
何か届けられるようになりたいと思っています。
働き方が変わっても私が大切にしてきた保育の軸は変わらないと思います。
子供の成長も私自身の成長もすぐに結果が出るものではないからこそ
焦らずその可能性を信じて進んでいきたいです。
今日のお話を聞いてくださった先生もぜひ明日の保育で
目の前の子供のまだ見えてない成長を一つ探してみてください。
今回は子供の可能性を信じて待つ保育についてお話ししました。
私が保育で大切にしているのは信じて待つ
そしてその子の今だという瞬間にそっと背中を押すことです。
この番組ではこれからもいろんな先生が登場し
それぞれの保育の経験や価値観をお届けします。
今回のお話に共感していただけた方
保育についてもっと聞いてみたいと思ってくださった方は
ぜひこのポッドキャストをフォローして
これから登場するいろんな先生のお話も聞いてみてください。
それでは次回の配信でお会いしましょう。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。