同僚との再会
17年ぶりに戻った縁で、私は以前一緒に働いていた同期と同じ年長クラスを持つことになりました。
若手の頃、何でも相談し合い、発表会の準備では助け合ってきた私たち。
けれど、久しぶりに一緒に保育をすることになった時、私たちの働き方は以前とは反対になっていました。
私は別の縁で正職員として働き続けた後、フルパートの保育士として永遠へ戻ってきました。
同期は永遠で長くパート保育士として働いた後、正職員になっていました。
そんな二人が一緒に子どもたちを見守ることになった年長クラス。
マーチングの練習が始まり、初めて外で楽器を持った日、子どもたちにも私たちにもいつもとは違う難しさがありました。
今日は同期との再会をきっかけに、子どもたちと一緒に作り上げたマーチングのお話をしたいと思います。
私は24年前、新卒でA社に入社しました。
同期とは私が永遠を退職するまでの5年間、一緒に働きました。
当時の私たちは何でも相談し合える関係でした。
発表会の準備が終わっていなければ、お互いに作業を手伝う。
ピアノが上手な同期に、私が楽譜のわからないところを尋ねると、手を止めて教えてくれる。
同期は私のこともよく気にかけてくれて、たくさん助けてくれました。
私が永遠を退職した後も、二人の関係は続きました。
私は別の縁で正職員として保育を続け、同期は私より2年後に退職。
その後、パート保育士としてA縁に戻り、10年間働き続けていました。
仕事の場所は違っても、時々会って話をする関係でした。
そして、私がA縁を離れてから17年が経った頃、主任から、「また戻っておいでよ。」と声をかけてもらいました。
懐かしい先生たちが今も働いている縁へもう一度戻る。
そう決めた私は、今度はフルパート保育士としてA縁で働くことになりました。
一方で同期は、長くパートとして勤めた後、正職員になって1年が過ぎた頃でした。
前に一緒に働いていた頃とは、立場も重ねてきた経験も変わっています。
同期同士が同じクラスを受け持つことはまずないだろうと思っていました。
ところが今年、私はフリーのパート保育士として主に年長を担当し、同期は年長クラスの担任になりました。
久しぶりに同じ縁で同じ子どもたちを一緒に見守ることになったのです。
年長クラスにはそれぞれに個性のある子どもたちがいました。
日々の様子を見ながら、一人一人に合わせた配慮が必要なクラスでもありました。
同期は子どもたちの気持ちを受け止め、その日の様子を見ながら保育を進めていました。
やがてマーチングの練習が始まりました。
同期にとっては久しぶりのクラス担任としてのマーチングです。
子どもたちの練習を重ね、いよいよ初めて楽器を持って外で練習する日がやってきました。
私は年長のサポートをしたいと思っていました。
でもフリー保育士として練習の時間に他のクラスを手伝うことも多く、
年長の練習にずっと入るわけではありませんでした。
担任の同期を支えたい気持ちと縁全体の動きに合わせて他の場所を手伝う役割、
その両方の間で思うように動けない日もありました。
初めて楽器を持って外で練習する日、
暑い中子どもたちは楽器を手にしていつもとは違う場所に立ちました。
慣れない楽器を持ちながら足踏みをする、バチを握る、
音楽に合わせて指定された位置まで歩いていく、
子どもたちは目の前の一つ一つに一生懸命取り組んでいました。
ところが、室内で練習していたときと外では立つ場所の感覚が違います。
宴廷は部屋よりも広い、部屋で覚えた位置に向かって歩いているつもりでも、
外では同じ歩幅では届かなかったり、行き過ぎたりします。
場所が広くなると歩く距離や歩幅の感覚が変わり、
いつものように進んでいるつもりでも目指す場所までの道のりが違って感じられるのです。
音楽に合わせ、自分のポイントまで行く、それだけのことに見えるかもしれません。
でも、楽器を持ち足踏みをしながら音を聞いて、
友達の動きも気にして、自分の立ち位置を探す、
子どもたちにとってはいくつものことを同時に行う練習です。
友達が近くにいることでどちらへ進めばいいのか迷う子もいました。
左回りなのか右回りなのか、隣の友達につられてしまったり、進む向きがわからなくなったりする姿もありました。
次の位置や進む方向を確かめるように周りを見ている子どもたちもいました。
子どもたちは暑さの中で、慣れない楽器を持ちながら頑張っていました。
思うように音楽に合わせられないことがあっても、
場所を確かめ、友達の様子を見ながらもう一度動こうと頑張っていました。
いつもの動機なら、子どもたちの表情や気持ちを見ながら声のかけ方を変えていきます。
困っている子にはそばで確かめ、気持ちが向いていない子にはまずその様子を受け止める。
子どもたちがどこに立つのか、どちらへ動くのか、迷いやすい場所はどこか、練習を見ながら私も気づいたことを動機に伝えるようになりました。
配置をどのように示すか、動きをどのタイミングで伝えるか、練習を見て気づいたことを持ち寄り、
子どもたちが迷いやすい場所や動きにくそうな場面について2人で話し合うようになりました。
その場で見えた姿をもとに、どうしたら子どもたちが自分の場所を見つけやすいか、どう声をかけたら動きやすいかを2人で考えました。
動機が持っているクラス担任としての視点、私がそばで見て気づいた子どもの表情や動き、
それぞれの気づきを持ち寄り、練習の仕方を少しずつ整えていきました。
もちろん意見がいつも同じだったわけではありません。
別々の縁で保育を続け、それぞれの経験を積んできた私たちです。
声のかけ方や進め方に違いが出ることもありました。
それでも私たちが考えていたのは、子どもたちが安心して練習できること、そして子どもたち自身がマーチングを楽しめることでした。
やり方の違いをそのままぶつけるのではなく、子どもたちにとってどうかを一緒に考える、
そうやって2人でマーチングを作り上げていきました。
練習を重ねるうちに、子どもたちは少しずつ自分の位置や動きを覚えていきました。
広い園庭で音楽を聴き、前を向き、友達との感覚を確かめながら歩く。
はじめは迷っていたところでも、何度も試しながら自分の動きを見つけていきました。
そして迎えた本番。子どもたちがマーチングをしている姿を見たとき、私は1人1人の真剣な顔に目を奪われました。
楽器を持ち、音を聴き、足並みを揃え、覚えた場所へ向かう。
練習のときには迷っていた子どもたちが、今、自分の役割を果たそうとしていました。
カラーガードをしている子どもたちの顔には楽しそうな笑顔もありました。
旗を持って動く姿から、練習のときとはまた違うイキイキした表情が見えました。
暑い中、楽器を持つことに慣れず、右か左か迷いながら練習していた子どもたち。
その姿を知っているからこそ、本番で真剣に演奏し、楽しそうに動く姿に胸がいっぱいになりました。
終わった後、見てくださった方々から拍手をいただきました。
先生方からも、「かっこよかったね。素敵だったよ。」と声をかけてもらいました。
私は動機と顔を見合わせました。
よかったね。よかったよね。子どもたちが楽しんでたね。