植物のストレスと香りの防御
こんばんは、蜜のあじ子です。
テーマに困ると、参加しようと思ってます。
科学系ポッドキャストの日。今月のテーマは、
ストレス。ストレスにアロマがいい。
そんなことみんなわかりきってる。 というわけで、
人間ではなく、香りを出している側に注目します。
今回のテーマは、植物の鼻。聞いてる方にはわからないかもしれません。
植物のハナと言っても、フラワーではなく、ノーズ。
においを感じる鼻の方です。植物はにおいを出しているのに、
それを感じることがあるのかどうか。 考えたことありませんか?
植物がストレスを感じた時に出る香り。 実は植物同士でキャッチしてます。
例えば、 近くの植物に危険を知らせる時。
セージやトマト、インゲン豆などを、 自分がガジッとかじられてしまうと、
警戒信号となる香りを出して、 周囲の植物にも、
敵が来たぞ!と、 教えてまわります。
そうするとどうなるかっていうと、 その害虫に食べられないように苦味のある物質を出したり、
さらにかじられていない植物も、 サイレンのように周りに警戒する香りをばらまくんです。
それから、乾燥や高温など、 環境ストレスを受けると、
香り成分を増やす植物もいます。 おなじみのラベンダーやローズマリー、タイム、
こういうハーブ類っていうのは、 ストレスを受けると、
自ら出す香りの抗酸化力で、自身の細胞を守り、 害虫からの食害を抑制、
また香りの成分の油膜で包んで、 水分が蒸発しないように守ります。
あとは、虫に食べられた時、 香りで助けを呼んでいることもあります。
トウモロコシとかタバコとか。 植物が昆虫にかじられると、
香りを出して、 その昆虫を
やっつけてくれる天敵、 さらに強い昆虫を呼ぶんです。
植物は動けないけど、 意外としたたか。
香りのキャッチとコミュニケーション
では、その香り、 鼻のない、
そう、ノーズのない植物。 どこでキャッチしているかというと、
葉っぱの表面にある気孔、 空気が出入りする穴。
ここで、 空気とともに入ってきた香り成分を、
細胞の上の受容体がキャッチするんだそうです。 つまり、私たちのように感覚としてにおいを捉えるのではなくて、
化学信号として認識し、 遺伝子上のスイッチをオン・オフして、
新たなにおいや防御物質を作り出したりするんです。 植物のストレス応答を調べていくと、
必ず出てくる香り物質があります。 ジャスモン酸メチル。
その名が表すように、 ジャスミンの香り成分から取り出せる物質なんですが、
一言で言うと、植物ホルモン。 防護作用や種の発芽、
根を伸ばしたり、花を咲かせたり、植物における いろんなスイッチを入れるような、
香り物質の一つです。 このジャスモン酸メチル。
ジャスミンだけではなくて、多くの植物が持っている 共通のストレス応答物質。
例えば、虫に食べられた時に、 葉っぱから放出され、
他の葉っぱや周囲の植物がそれをキャッチ、 苦味成分や毒性物質を作って、
これ以上食べられないように、 防御スイッチをオンにしてくれるんです。
このジャスモン酸メチルの香り、 私も単品で香ったことはないんですが、
ジャスミンにちょっと似た グリーンフローラルな香りのようですよ。
おそらく私たち人間のストレスも 軽減してくれる、いい香りな気がします。
植物は鼻がなくても、 香りでコミュニケーションをとっている。
ちょっと科学的なテーマになった気がします。 どうでしょう?
科学系ポッドキャストの日。 今月はおなじみ、工業高校農業部がホストとして
取りまとめしてくださってます。 いつもお世話になってます。
同じくストレスをテーマにした ポッドキャストのリストもあります。
ぜひ他の番組さんも聞いてみてください。
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お相手は蜜のあじ子でした。
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