バターとその魅力
おはようございます。蜜のあじ子です。
朝からすっごい蝉が鳴いてるんですけど、編集で消えてることを祈ります。
最近、図書館で借りた本が、におい立つような内容だったので、
ちょっと話してみたいなと思います。 今回のテーマは、
バター。7月、8月は、受け負っている仕事がすべて繁忙期なので、読書がはかどります。
どういうことかというと、 夏休みで学生さんの減った通勤電車の中で読んでるからです。
ぎゅうぎゅうの電車だと文庫本を持ち込むことが多いんですが、
先週は空間を利用して、ハードカバーの本を持ち込みました。
柚木麻子さんの「BUTTER」。 2020年発行で、
とっても話題になったので、今更感がありますが、
かなり前に図書館リクエストを出して、やっと回ってきました。
最近は本を増やしたくなくって、ほとんど図書館で借りてるんです。
買うと安心して詰んじゃうんですよね。 結果、読むのが後回しになるので、
図書館で借りると期限内に読もう、ってなるのが不思議です。
さて、このBUTTERという本。 主人公は、
週刊誌の記者、町田里佳。 その里佳の取材相手が、
首都圏連続不審死事件、 婚活詐欺事件、
と聞けば思い出す方も多いと思います。 その犯人をモデルとした梶井真奈子。
この2人の出会い、 そしてその周りにいる人物像、
比喩的表現がたくさん使われた、 細かい描写で描かれていきます。
食と人間の欲望
単行本460ページ。 そんなに分厚い感じはしなかったのですが、
字が小さくて、 思った以上に時間がかかりました。
そして、タイトル通りに バターを使った料理やお菓子が出てきます。
めちゃめちゃバターが食べたくなります。 バターって美味しいですよね。
単なる食材としてではなく、 調味料としても使えるところがたまらない魅力です。
調味料には金を惜しまない。 これ私のモットーなんですが、
我が家では長いこと、 カルピスバターの無塩タイプ、
こちらを常備しております。 ではこのバターのにおい、
その香り成分は、 ラクトン類、
あとは脂肪酸そのもののにおい。 ラクトンとは、
桃やマンゴーに含まれる、 あの甘い香り。
そこにミルク特有の脂肪酸のにおいが加わると、 絶対美味しいですよね、これね。
そしてバターを加熱すると、 よりこれらの香気成分が空気中に広がって、
メイラード反応で発生するメラノイジン、 キャラメルのような良い香りがしてきます。
本を読んでいると、この香りが私を支配して、 美味しいバターを食べたくなりました。
話しててもお腹が空きます。 本の中で一番最初に出てくるのが、
エシレバター。 フランスの超高級な発酵バター、エシレ。
そうそう、バターはいくつか種類があって、 保存性を高めるために塩を加えた有塩バター。
お菓子作りなんかに向いている無塩、塩の入っていないバター。 作る過程で乳酸菌を加えて発酵させた発酵バター。
この順番に値段が高くなります。 発酵バターには特徴香気成分が含まれていて、
6-ドデセン4-オリド。 やはりラクトン類のクリーミーで華やかな香りです。
そしてこれ、ミドル臭と呼ばれる 中年男性からも出てるらしいです。
たまにいます。鼻の下はバターのにおいがする。 っていう人。
美味しそうなにおいでいいじゃない、と思っていると、 あっという間に酸化して、
ただのおじさんのにおいになるので注意してください。 そう、バターって銀色の紙で巻かれています。
あれは光、空気、水、油、これを通しにくいアルミと硫酸紙、これを組み合わせたアルミパーチ紙というらしいです。
なので、あれを剥がさずに保存する方が長持ちします。
ちなみに私はバターを買うと、 50g ずつぐらいの塊に切って、
中央から使って、両端をくっつけて、 冷凍保存してます。
通勤中に読んでいて、美味しいバターを食べたくなったので、 先日、梅田阪急の地下にある
エシレによって、 サブレとガレットを
1枚ずつ買って帰りました。 賞味期限が当日なので、
1枚ずつです。 発酵バターの少し酸味の効いた華やかさ、
存分に味わいました。 モデルとなった殺人事件の
現在は死刑囚、 高級料理教室に通ってたという話は、
別の本、タイトルは「毒婦」で知ってましたが、
バターの話がどこまで創作かはわかりません。 ただ、人間は美味しいものに翻弄される、
これは事実、だと思います。
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ご意見ご感想お待ちしております。 お相手は蜜のあじ子でした。
エシレといえば、東京丸の内にある エシレメゾンデュブール、
ここのクロワッサンが絶品です。 買ってすぐに、
皇居外苑で走ってる人たちを横目にバリバリ食べてください。
