サマリー
第134話では、初夏の季語「カゼカヲル」を通じて、クスの木の香りやその歴史について語られています。また、樟脳の話と共に、香りの効果や最近の精油事情についても触れられています。
カゼカヲルの香り
こんばんは、蜜のあじ子です。
ゴールデンウィークが終わり、
今日からお仕事再開、という方も多いと思いますが、
長いお休みの後、
本調子に戻るのには、ちょっと時間が必要。
そんな時は、頑張りすぎず、ゆるゆるリセットするのがおすすめです。
さわやかな5月にぴったりな言葉。
今回のテーマは、
カゼカヲル。
5月7日は、短歌の日なんですって。
5・7・5・7・7、あの短歌です。
全く知識がないので、
これは最近知ったことなんですが、
記語が必要なのは俳句で、
短歌は、5・7・5・7・7、この31音であれば、
あんまり縛りがなさそうなんですよね。
それでも、季節のことを歌にするといいよなぁ。
というわけで、
歌は読みませんが、
5月といえば、ふと頭に浮かんだ言葉が、
風薫る。
初夏の季語で、
新緑や若葉の季節に、
東南から吹いてくる風。
もともとは、
中国漢語の薫風から来ていて、
それを和語にしたのが、この風薫る。
私にとって、今の季節吹いてくる風。
ものすごくいい香りがします。
住んでいるとこの周りは、
クスノキがたくさん植っていて、
クスノキの花が一斉に咲くんです。
毎年ゴールデンウィーク頃だったんですが、
今年はちょっと寒いせいか、
昨日見てみると、まだ固いつぼみです。
これが一斉に咲くと、
部屋から一歩外に出た途端、
すっきりとした、
さわやかな蜂蜜のような香りが漂います。
クスノキからとれる香りとしては、
樟脳、別名カンファーの方が有名ですが、
お花はリナロールがたっぷりの優しい香りです。
せっかくなので、樟脳の話を少し。
暖かいところを好むクスノキ、
日本でも関東より西側でしか育ちません。
特に江戸時代には、
薩摩藩の特産品が樟脳でした。
鎖国していた江戸時代にもかかわらず、
大量に輸出されていた樟脳、
防虫剤とか薬としても使われる樟脳ですが、
一番大きかったのはセルロイドの原料。
セルロイドは世界最初の人工樹脂、
つまり人間が作った最初のプラスチックです。
この製造に樟脳が必要で、
クスノキが育たないヨーロッパ諸国では、
そのほとんどを日本から、
特に薩摩藩から輸入していたんだそうです。
樟脳の効果と歴史
樟脳というと、
あの防虫剤の臭いやつでしょ?
とよく言われるんですけど、
いえいえ、クスノキから作った本物の樟脳。
ものすごくいい香りです。
カンファーという成分が結晶化したものを、
樟脳と呼んでるんですが、
例えて言うなら、ローズマリー、
あとはミントやユーカリのような、
スーッと鼻を抜ける香り。
昔は本当にお薬として使われていて、
カンフル剤と呼ばれてました。
比喩的表現ではなくて、
昔は亡くなる直前なんかに、
注射でこのカンフル剤を打つと、
一瞬目がパッと開くんですよね。
ちょっとホラーですか?大丈夫ですか?
なので現在もカンフル剤という言葉は、
喝を入れるとか、元気を出す、
というような意味合いで使われています。
精油にも同じような効果はあり、
血圧を上げて血行を良くしてくれる、
そんな作用があります。
高血圧症やお年寄りに使う時には、
しっかり希釈をして使うようにしてください。
一度天然樟脳の製造所を見学させてもらったことがあります。
福岡県みやま市の内野樟脳さん。
伺った時は、日本で残っている蒸留所はここだけでした。
現在は技術提供により何件か増えたようなので、
本物の樟脳を手にするチャンスも増えているといいなと思います。
風薫る5月。
クスノキの少し波打った葉っぱがピッカピカに輝いて、
白くて小さな花が満開になるのが楽しみです。
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お相手は蜜のあじ子でした。
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09:24
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