こんにちは、小説家の岩井啓也です。 News Connect 文化欄のお時間です。
本日のゲストは、小説家の蝉谷めぐ実さんです。
蝉谷さんは、2020年のデビュー以来、数々の文学賞を受賞している、紀英の時代歴史小説家です。
3月に刊行した新刊「見えるか穂喜市」では、第39回山本周五郎賞を受賞するなど、注目を集めています。
そして実は、私と同じ小説家政治大新人賞の出身でもあります。
そんな蝉谷さんの創作に対する姿勢をじっくり伺いました。
それでは本編をどうぞ。
ゲストは小説家の蝉谷めぐ実さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
蝉谷さん、ポッドキャストの出演は今日初めてですか?
これまで何回か出させてはいただいていて。
でもそうか、そうですよね。
そうなんです、そうなんですよ。
他の出版社さんのポッドキャストとか。
出版社さんのやっていらっしゃるポッドキャストに出させていただくことは何回かあるんですけど、
こういうビジネスじゃないですか?
そういうニュースみたいなのには初めてなので、ちょっと今ドキドキ緊張はしております。
第1回のゲストの方はあんまりビジネスの話はなかったね。
大丈夫だと思います。聞き間なくて。
にしてもやっぱり1回目の方はもうトークが。
1回目の方はすごい張り切ってやってくれたのでありがたかったんですけど。
それを聞いた方からするとちょっと物足りないかもしれないですけど。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ではまずですね、セミタニさんのプロフィールをご紹介します。
1992年大阪府生まれ。
2020年バケモノ新住で第11回小説野生時代新人賞を受賞しデビュー。
2021年同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞第27回中山義修文学賞を受賞。
2022年に官公した女の女房で第10回野村鼓動文学賞第44回吉川英二文学新人賞を受賞。
2024年万霊役者の奥義で第15回山田風太郎賞を受賞。
まだあります。
2026年には初めて歌舞伎以外を題材とした長編見えるかほき一で第39回山本修吾郎賞を受賞ということで。
受賞歴を読むだけでめっちゃ大変なんですけど。
ありがたいことです。
まだデビューして6年経ってないんですよね。
そうですね、今が6年目っていう感じです。
5年半とかそんぐらい。
山田風太郎賞を取り吉川英二文学新人賞を取り山本修吾郎賞を取りということで。
ものすごい双々たる受賞歴をお持ちのセミタニさんなんですが。
実は私とセミタニさんが同じ新人賞の出身ということで。
私は第9回の、当時は野生時代フロンティア文学賞という名前だったんですけども。
そこから名前が変わって第11回の小説野生時代新人賞がセミタニさん。
間の第10回は受賞者なしだったんで。
一応私の次の受賞者はセミタニさんということですね。
でも岩井さんの前も2回ぐらい開いてますよね。
そう、あの新人賞は受賞作なしがよくある新人賞なので結構厳しいんですよね。
だからなしなし岩井なしセミタニという順番でしたけど。
実はセミタニさんがデビューした直後に私会ってるんですよね。
そうですそうです。
あれは発売が2020年の化け物真珠が10月とか?
そうです。10月30日に発売をしていて。
その直後に早稲田大学の文化祭でトークイベントをやりましょうっていうことになって。
相手として呼んでいただいたのが、まだ当時僕もデビュー3年目とかでしたけど。
2年目とか3年目とかでしたけど、呼んでいただいて。
そこでイベントをやらせてもらったっていう。
そうですそうです。だから私デビューしてから初めてお会いするプロの作家が岩井さんだったので。
そうか初めての。私もなんかもうプロなのか?ぐらいなね当時は。
いえいえ。もう。
毛が生えたぐらいな感じでしたけど。
実はそうめちゃくちゃ岩井さんを私は追っかけをしていた。
なのでここはちょっといろんな人に追っかけしてたんですって言いまくってるんですけど。
なんかそれは人づてによく聞きます。
そうなんですよ。
取材のときによく岩井さんの名前出してくれてますよみたいな話はよく聞くので。
もうめっちゃくちゃ出していて。
たまにセミタニさんのインタビュー読んでたら全く予期しないタイミングで自分の名前が出てきてびっくりするっていう。
いや本当にだから岩井さんがデビューする前にまだ投稿されてたときの岩井さんの今のペンネームの前のペンネームも。
何で知ってんねんって言うんだよ。
実は知ってて。
どう知るねんそれをっていう。
新人賞の結果からウォッチングしてたってことね。
そうですそうです。岩井さん今回もまたココとココとココにみたいな。
なんでやねん。
横溝と伸べるとみたいな感じで。
なんでやねん。
じゃあ俺からちょっと聞きづらいけど。
はい。
要は小説野生時代新人賞っていう私が受賞したのと同じ賞に投稿して受賞されたわけじゃないですか。
そうですそうです。
ちょっと影響はあったの?
そうですね。野生時代をまず最初は先行委員の方がすごい好きな方々がいらっしゃる。
辻村みずきさん、深田東三森美樹美彦さん。
最初の時はどれに応募していいかわからないという状況があるので、好きな先行委員の方とかこの方どういう風にプロになっていってらっしゃるかみたいなところを見ながら
どの新人賞に応募しようかというところを選んでいた時に野生時代も一つの選択肢だったんですけど。
じゃあもうちょっとこの選票とか読んだりその受賞作を読んだりしようみたいな感じで
でそこからちょっと待ってあんま俺関係ないなこれ聞いちゃうとおい!
そこで受賞されたずっと岩井さんを追っかけしてた時はもうどれを見ても岩井さんの名前がいっぱいどれにもいっぱい出てて
この人すごいなみたいな感じで見てた後にデビューされてちょっとじゃあそのどの人人賞に出るか選んだ時に野生時代があったので
受賞作を読んでみようってなってデビュー
新しいデビュー作の永遠についての証明
もうあれを私は出しまくってるんですけどいろんなところでお名前を大好きで
そうもう覚えてるのがその読み始めた時にもう止められねえみたいな状況になったのが
ありがとうございます
そう衝撃でもう夜中真っ暗なその時はもうまだ兼業作家
兼業作家じゃないごめんなさい
登校してる頃ね
登校してるところだったので仕事しながらだったので
その時に夜遅く残業してから終わってから夜道を歩きながらもう止めらんねえつって
夜道を歩きながら読んでたの?
そうなんですそうなんですもう光も月の光本当にそこの場面がめっちゃ今
今というかずっと頭の中にあってああいう本書こうと今も思うぐらいの
もう月の光を頼りになんかコンビニの前とか行ったらちょっと何万かめくってみたいなぐらいの
リアル二宮金次郎ですねもう月明かりの下歩きながら本を読むっていう
本当にそうですもうしかも最後の方だったらもう涙だだ漏れでというか流しながら歩いたっていうのが
そっからその前からEIウォッチャーではあったんですけどもそこでもう絶対ここに応募して
ここでデビューすんだっていう感じです
じゃあ最後ちゃんとね私つながったということで
ちゃんとそうですそこはもちろんですもちろんですもちろんです
自分で言って関係なかったというか一番恥ずかしいですから
ちょっといろいろねこう流れを説明しなきゃいけない
でもそれこそ私は最初セミタニさんのデビュー作の化け物神獣を雑誌野生時代か何かの掲載で読んだんですよ
それで本当にひっくり返って
うれしいです
ちょっとこれはちょっと並じゃないぞって
でも自分もまだ当時そんなねまだ3年目とかなんで何の結果も出てない頃だからそんな大したあれじゃないけど
でもやっぱこれはちょっと物が違う人が来たなと思ったんですよね
これは明確に覚えてるんですけど文体がすごすぎるっていう
多分本人にも言ったことあるんですけど僕が最初に連想したのは森見富彦さんだったんですよね
森見さんもやっぱり森見さんにしか書けない文体をお持ちで
セミタニさんの小説を最初読んだ時にやっぱ最初の序盤の段階で
もうこれはすごい文体を持ってる人だぞっていうのは結構感じたんですよね
うれしいです
それがずっと今でも続いてるというか5年6年経ってもずっとそれを磨き抜いて
ここまでたどり着いてるっていうのがやっぱりすごいなと素直に思いますね
うれしいですありがとうございます
やっぱりコストがかかってる文体だなってすごい思うんですよね
これぜひ朗読したら多分読み止まらないと思うので
ぜひ何か一冊ずつ読んで欲しいんですけど
例えば最近出た本で言うと3月に出た見えるかホキイチという本があって
これは山本周五郎賞を受賞された作品ですけれども
これとかも複数視点があるんですよね
複数視点があってそれぞれの登場人物ごとに絵描き分けってのは当然なされてるんですけど
でも一方でどれを読んでもやっぱりセミタニさんしか書けない文体にしっかりなってるっていうところが
やっぱりちょっと凄まじいところで
なんていうんですかね
セミタニさんという筆者の色と登場人物の表現してる感じがすごいうまく混在しててどっちもある
どっちかに触れきってなくてそれが混在してる状態の文章みたいなところって
やっぱちょっとこれただ事じゃないし
やっぱ書くのもすごい大変だったと思うんですけど
今日ね最初に聞きたいのはこの文体っていうのがどういう風にできてるのかなっていうのを聞きたいんですけど
セミタニさんは小説を書くときにプロットというか設計図みたいなの作りますか
私はもう書かないと書けないタイプ
プロットがないと書けないタイプなので
一応最初に全部骨組みで最初から最後まで全部と書きみたいな感じで書いちゃうんですよね
と書きを書くんだ
そうなんですよセリフとここではどう動かすっていうか
脚本を書くってこと
みたいな感じですね
なるほどちょっとねまた後で触れたいと思うんですけど
実はセミタニさんは演劇とすごく密接な関係がある方なんですけど
ワセダンも演劇学科ですよね
そうです演劇映像コース
演劇映像コースの出身だし
実は高校中高だっけ演劇部
そうです中高ですね演劇部
だからすごく実は演劇と多分縁の深い人だと思うんですけど
そのプロットもそういうちょっと脚本っぽい感じで書いている
そうですねこれまで時代小説は全部そういう風な感じで
全部最初に骨組み書いてから
後で肉付けしていくみたいな形で書いていて
おそらく本当に演劇的な部分が入っているんだろうなとはすごく思うんですけど
今回の見えるか放棄位置だけは歴史小説だった
事実が動かされる
そうなんですよなので骨組みを書いてしまうと逆にもう書けるものがなくなっちゃうんじゃないか
なって思ってあえて最初の時点では最後の落ちというか
ラストのところまでは全くない
全くなかったんだゼロ
ゼロでしたあの時はそうなんです
でも私見えるか放棄位置って野生時代という雑誌で連載をしてたんですよね
で私その時から読んでたんですけどラストシーン全然違うんですよね
全然違うというか書き足してるんですよね
そうですめちゃくちゃ書き直しました
それがやっぱりめちゃくちゃ交互そうしてるなと思ったし
岩井さん連載の時から読んでくださったしその連載終わった後も読んで
どこが違うからどういいねみたいな感じのことを感想で送ってくださったのが超嬉しかった
そうですねあのね結構今山本修吾郎賞もね受賞されて
私はもっとあの大きいところまで行くと思ってますけど
連載の時から私は言ってたよということだけはね
ここでねちょっと言っておきたいなと思いますけど
でも編集者さんとかももう岩井さんがあんなに言ってくれてるんだから行けますねみたいな感じのことをずっと言っていたので
でもだからちょっと話ずれますけど
1年以上ぶりの新刊ですよねその短著としては
なんかちょっと本屋さんに行くのが嫌な時期があったって聞きましたけど
めちゃくちゃありました超ありました
もうネットとかも見れない
それはどうしてどうして
SNSとかもやっぱり見てるうちにこういろいろやっぱりこうまた新刊出ますみたいな
来月に新刊出ますみたいな
それの人が岩井先生ではあるんですけれども
ちょっとねちょっと人より多いから書いてるさ
やっぱりこう安世時代の先輩ということで
どなたどういうこうどういうふうに書きたいですかというか先輩どなたですかみたいな感じでやっぱりお話になることが多いんですけど
その時に岩井さんが先輩でみたいなことを言うと
それはまああんまり目指さなくても大丈夫です
ちょっとさっすがみたいな感じで
ちょっとあの方は
怒られてます私の日々
岩井さんってプロモーション期間って知ってますかって
いやいやでももうこっちやっぱり私も筆がすごく遅いし
歌舞伎のものをずっと書き続けてきたところなので
岩井さんのようにそのいろんな分野でいろんな人の時代のものが書けるっていうところはちょっとこう世界が違いすぎて
もう目指すにも目指せないぜっていうところなので
もう逆に岩井さんのはすごいというところで
別世界でやってるんだと
そうなんですそこで自分の中で区切りがつけられる部分があるのはありましたね
でもその1年以上出てないという話だったけど
僕は1年以上書けるだけの回はすごくやっぱりあった作品
ただともう12分にあると思っていて
書き位置はねやっぱり
やっぱりその評価もね追いついてきてるんだと思うんですけど
プロットの書き方がちょっと今回違ったということなんですけど
なんかじゃあいつも以上に苦労したっていう感覚もあったりしますか
そうですねだからこれまでで全部書き終わったら私ほとんど開講しないんですよ
そうなんです
あんまりもう最初から最後まで書いたら登場人物増やすとかエピソードを付け足したりとか
逆に削ったりっていうところをほとんどしなくてそのまま本にしてさせていただく
もちろん平塚さんと話してここがちょっと弱いねみたいなところは付け足す部分はあるんですけど
それほどっていう感じだったんですけど
今回に関しては1回書き終わってさこれからですねみたいな感じだったので
そうだよね雑誌とやっぱ全然違ったしね
そうなんですでも岩井さんもクマグスを歴史小説を書かれてらっしゃるじゃないですか
私もね2年前に我はクマグスという今のところ唯一ですけど歴史小説を一応書きました
その候補になったやつあれはどういう形で書かれたんですか書き方変わりましたか
書き方変わったね確かに確かに変わった確かにやっぱ史実を外せないっていうのがちょっと今までと違いすぎて
そこはでも逆にプロットはすごい作ったかもしれない
そうなんですね逆に
ここは絶対通んなきゃいけないチェックポイントみたいなのがいっぱいあるから
そこをわーって作ってだから今までと全然書き心地違うなとは思ったかな
なんかそのチェックポイントをクリアするのに精一杯で1回目は
なるほど
2回目でやっと開口でちょっと自分の色とかこうやってやればいいのかなとかっていうのができたっていう感じだけど
あれは連載で
えっと連載でしたね
連載じゃ連載から本になる時もだいぶ変えた
変えた変えた変えた
そうなんですね
変えた変えたやっぱなんかそうなってしまったかな
前対談とかでお話させていただいた時は結構結末は決めないで書かれるが基本っていう感じでらっしゃるんですよね
厳密に言うとプロットで決まってるけどほぼ毎回変わるそれからという感じだけど
でもそれこそラスト変わったじゃない今回
全然変わったじゃない読み心地がもう全然違うっていう
本になった時の読んでこれしかないなって終わり方だったんですよね
それはやっぱり開口もやった甲斐があるというか
どれくらいかかったんですかテーマとか時間っていうのは
開口が一番つらかった
いつもは開口つらいタイプですかそもそもやんないのか
ほとんどやらないですね
開口するのは大好きなんですけどその結構編集者さんに
こうしてくださいみたいなことを言われるとバトルしたくなるタイプ
意外とバトルしたがるわけじゃないけど譲らないタイプよね多分
そうなんですよねそのどうですか修正が入った時
私はあんましません
そうなんですね
私は1回は受け入れて直して
違うなと思ったら直しはしたけどやっぱ違ったんで
こっちで行かせてくださいみたいな感じで変えるタイプなんで
あんまりそこ打ち合わせの場でっていうのはないけど
すみません結構バチバチや
バチバチなんかすごい私も言うんですけど
編集者さんもじゃあやめますみたいな感じで
引いてほしくないというか私を打ち負かしてくださいみたいな
この俺を説得するぐらいの案なんだろうなっていう
もちろんそんなめっちゃファイトするみたいな感じではないんですけど
全力を尽くしたベストを尽くした上でやっぱり納得してやりたいという
そうですねはいなのでもうなんか私のことはないがしろにしていいので
この作品にとって一番いい道一番いい修正ができるのが
お互い向き合ってるというよりは同じ方向を向いて
どっち二人とも作品というものに対して同じ方向を向いて
激しく意見を出し合ってるということですね
おっしゃる通りですだから諸行で私がもう修正なし
それでいってももしそれが気に入らなかったらもう一回言ってくださいみたいな感じで
やってきたのでおっしゃる通り同じ方向を見た上で
直してるよと
はい戦ってきたって感じですね
今回特にすごくいつもそうだと思いますけど
編集者さんとのバチバチ感がいつも以上に伝わってきて
やっぱその分というかすごく多分感謝もしてて
多分あれですよね途中から本に編集者さんの名前入れてもらってますよ
おっしゃる通りそうなんです
サンスリぐらいから
おっしゃる通りそうですそうです
文芸の本って会社によっては最初から入れるところもあるんですけど
基本的には多分担当編集者の名前ってあんま入れないところが多いし
おそらく門川ですよね
今回も初版とかでは入ってなかったと思うんですけど
でもそれは途中から入れてもらうようにお願いをした
おっしゃる通りそうですね
結構最初の方でこれは編集者さんの本として
己の本として向き合っていただけると嬉しいですみたいな感じで
例えば多分すごく善意で良かれと思って編集者さんって
最後はやっぱり作家さんの本ですから
作家さんの良いようにしてくださいみたいな感じで言っていただけることがあるんですけど
それは本当にもう編集者さんのご好意というか
善意100%で言ってくださっているんですけど
それに関してもやだみたいな感じで
もうそんな責任一緒に負ってくださいみたいな
どっちもあるよね
責任持ってやってほしいという気持ちも当然あると思うから
責任持ってほしいというか
自分の本と思って
分かったこととして見てほしい
だから修正のとこでも私が言ったから引きますよりかは
作品のことを考えたらこっちが良ければ
すごいずるい言い方をしちゃうと
作家の方が最後は決めることなんでっていうのは
ある種の逃げ工場にもなってしまうということなんで
そこは遠慮せずに100%で言ってほしいということ
そうなんですよ
なのでもうそれぐらいやっぱりそう言ったことに対して
答えてくださったというか
本当にすごく編集者さんといっぱい
担当の作家さんがいらっしゃる中でも
力を注いでくださった部分があるので
ちょっとここはもう一緒に作った本です
みたいな形で言いたいなと思ったので
名前を出させていただいたっていう感じですね