【文化欄 #14】追悼・東野圭吾氏。小説家・岩井圭也がおすすめ3作品を紹介
2026-09-03 29:53

【文化欄 #14】追悼・東野圭吾氏。小説家・岩井圭也がおすすめ3作品を紹介

News Connect 文化欄、今回は7月に訃報が伝えられた小説家・東野圭吾さんを特集。MC・岩井が自身の思い出も交えながら、東野さんの経歴や作品を振り返ります。あわせて、これから東野作品を読む方にもおすすめしたい3作品を紹介。ミステリーの世界を広げ続けた作家の魅力と、読者を楽しませることを貫いた姿勢に迫ります。


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岩井圭也(小説家)

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サマリー

今回の文化欄では、小説家・岩井圭也氏が、2024年7月に訃報が伝えられた東野圭吾氏を追悼し、その偉大な功績と作品の魅力について語ります。東野氏は国内発行部数約1億900万部、著作数106冊という驚異的な数字を誇り、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、直木賞など数々の文学賞を受賞した、まさに「偶然絶後の作家」です。 岩井氏は、高校時代に『白夜行』を読んで衝撃を受けた個人的な体験や、自身のペンネームが東野氏と同じ「啓吾」だったため改名したエピソードを披露。また、東野氏がデビュー後14年間「不遇の時期」を過ごし、戦略的に1年間執筆を休止した後に『秘密』でブレイクしたという、多くの作家を励ましてきた苦難の道のりを紹介しました。この経験が、岩井氏自身の作家活動における困難な時期を乗り越える支えになったと語ります。 番組では、東野作品の入門編として『探偵ガリレオ』、『白夜行』、そして比較的新しい作品である『白鳥とコウモリ』の3作品を推薦。特に『探偵ガリレオ』がサイエンスミステリーの先駆けとなった功績や、『白夜行』の壮大なスケール、そして『白鳥とコウモリ』の精巧な構成を絶賛しました。最後に、東野氏が直木賞を6回目の候補で受賞した際も「楽しいゲームだった」と語り、常に「読者を楽しませる」というエンターテインメント作家としての揺るぎない哲学を持っていたことに深い尊敬の念を示し、自身の作家としてのスタンスを模索するきっかけになったと締めくくりました。

東野圭吾氏の偉大な功績と経歴
こんにちは、小説家の岩井圭也です。 News Connect 文化欄のお時間です。今回は初の一人回です。
7月に不法が伝えられた小説家、東野圭吾さんを特集します。 国内外で高い人気を誇り、ミステリーの世界を広げ続けてくれた東野さん。
岩井自身の思い出も交えて、これから読む方にもおすすめしたい3作品を紹介しています。 それでは本編をどうぞ。
こんにちは、岩井圭也です。 今回は初の試みということで、文化欄なんですけれども、岩井の一人回ということでございます。
今回はですね、東野圭吾さんの特集ということで、実はこれは岩井の持ち込みというか、プロデューサーとディレクターにお願いして実現させてもらった回でございます。
ご存知の方も多いと思うんですけれども、改めてご説明しますと、7月27日に講談社から作家の東野圭吾さんが亡くなられたことが発表されました。
出版業界としても、私個人としても、東野さんはすごく重要な書き手の方でしたので、面識はないんです。
僕も別に面識はないですし、お会いしたこともないんですけれども、どうしても東野さんについてお話しする機会が欲しいということで、今回1回分時間を作ってもらいました。
おそらく東野圭吾の名前を1回も聞いたことがないという方はほぼいらっしゃらないんじゃないかと思うんですけれども、改めて東野さんがどういう方だったのかっていうのを本当に簡単ですけれども、ご説明したいなと思います。
これからいろんな数字が出てくるんですけれども、こういう名詞とか、それ聞くと結構びっくりすると思います。
まずですね、現時点での国内発行部数が約1億900万部。
これはすごい数字としか言いようがないぐらいの数字で、累計発行部数が1000万部っていうのはもう本当に大作家だし、ものすごい売れっ子なんですけど、東野さんの場合は1億部国内だけで、海外も入れるともっとすごい数になるんですけど、
さらに8月5日には文芸春秋からガリレオシリーズの最新刊永遠の記憶が発売されます。
この収録時点ではまだ発売されてないんですが、配信されている時にはもう永遠の記憶が刊行されているんじゃないかなと思います。
この最新刊を含めて著作の数が106冊ですね。
約100冊で1億部なので、1冊平均100万部ということで、出している本が平均で100万部売れているという偶然絶後の作家だと思います。
そしてこの数字はちなみに短著のみなので、アンソロジーとかそういうものは一切含めていない。短著のみで106冊1億900万部という数字を残されています。
ご経歴なんですが、1958年大阪府のお生まれです。
大阪府立大学を卒業後、日本伝送株式会社原伝送で勤務する傍ら、1985年に放課後で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。
1999年に秘密で日本推理作家協会賞を受賞。
2006年容疑者Xの検診で直木賞及び本格ミステリ大賞を受賞。
その後も奈美屋雑貨店の軌跡で中央口論文芸賞を受賞。
無限花で柴田レンザブロー賞を受賞。
祈りの幕が降りる時で吉川英二文学賞を受賞。
さらに野間出版文化賞、菊地勘賞など数々の賞を受賞されております。
2023年には四字法賞を受賞。
2009年から2013年まで日本推作協会理事長。
2013年から2019年まで直木賞の先行委員を務めておられました。
数字もすごいんですけれども受賞歴も先ほどお話ししたように
数え切れないぐらいたくさん受賞歴が多いです。
多分東野さんの作品を1冊とか2冊は読まれたことがある方が
かなり多いんじゃないかなと思います。
岩井圭也と東野作品の出会い、そして苦難の時代
もちろんもっとたくさん読まれてる方もたくさんいらっしゃると思います。
僕が鮮明に覚えてるのは東野圭吾作品との出会いで
多分それが東野さんの作品を読んだ最初だったんですけど
高校3年生の終わり頃ですね。
私北海道大学を受験してて大阪出身なんで
飛行機で行って帰ってくるんですけど
その全期日程、国立大学全期日程を受けて
帰りの新千歳空港で買った白夜行が
多分東野さんを読んだ最初だったんです。
その白夜行買って帰り道で読んだら
もうあまりにも面白くて
そのまま小説を読み続けて結局
後期日程まで全く勉強しなかったんです。
だから全期で受かってなかったら
危うく白夜行のせいで
僕は国立大学には受かれなかった。
そんな状態で受けても国立大学に受かれるはずがないので
だから僕はありがたいことに
幸い全期で受かって北大入学してましたけど
本当に白夜行のせいで
本当に人生を狂わされるところだったと
言っても過言ではないんですけれども
そういう衝撃的な結構出会いだったので
大学生になってからも
いろんな作品を読み漁ってきましたし
それは大人になってからも変わらずという感じでしたね。
私今、岩井啓也という名前で
小説家として活動しているんですけれども
岩井は本名なんですけど
啓也はペンネームなんです。
ただ投稿している頃
新人賞に投稿している頃は
岩井啓吾だったんですこれ。
全く東野啓吾さんと同じ土二つの啓に
数字の語の下に口で啓吾だったんです。
これ別に東野さんから取ったわけではなかったんです。
私の本名を命名するときに
親がお寺の人かなんかに
命名案をいくつかいただいてたんですよね。
その中の候補の一つに啓吾ってあったんです。
そういうところから取って
岩井啓吾っていうペンネームで
いろんな新人賞に応募して
野生時代フロンティア文学賞っていうのを受賞して
デビューが決まって
やったねと6年間ずっと投稿続けてきて
これでやっと岩井啓吾デビューできるぞって
ある日編集者との顔合わせの席で
ところで岩井さん
本当に啓吾でいきます?って
いいんですけど
別に変な名前とかっていうことでもないし
地面がとかっていうこともないんですけど
全く同じですよって
全く同じ偉大な先人が一人いますけど大丈夫ですかって言われて
変えますって変えたんですよね。
でも愛着もあったんで
一文字だけ変えて啓吾から啓夜にしたんですけど
やっぱり東野さんを
意識して命名してたわけではないんですけれども
結果的に全く同じ名前はさすがに
結構友人とかからも
あれは東野さんを意識してつけてるのかみたいなことを
言われたりもしてたので
一文字変えようかなということで
啓夜という名前に変えたという経緯があるんですけど
でもそれは変えてよかったなって今はちょっと思ってます
東野さんはこれは本当に色んなところで知られてることですし
エッセイでもご自身で書かれてますけども
デビューしてから実は結構なかなか
不遇の時期が長かった方でもあるんですよね
デビュー作の放課後は10万部売れたんですけども
その後なかなかセールス的には厳しい時期が続いたと
1985年にデビューをされてて
いわゆるブレイクされたと言われるのが
秘密という作品ですね
この秘密で日本水作家協会賞を受賞したのが
99年なので14年あるんです
デビューからブレイクまで14年かかってるんですね
実は東野さんって
もちろんその間にもたくさんたくさん作品が書かれていて
その中にはもちろん重版がかかった作品もあったんですけど
でもやっぱり今の東野さんからすると
ちょっと想像しにくいような感じのポジションだったと
非常に言葉を選ばずに言うと
売れなかったという時期が長かった人なんですね
99年の秘密の水協賞受賞で
ブレイクされるんですけれども
実はこの秘密が出たのが98年なんですね
98年に秘密が出て99年に受賞されたんですが
この98年に秘密が出る前の年には
一冊も本を出さなかったんです
それまで毎年本を出してたんですけど
97年だけ一冊も本を出してないんです
これはたまたまじゃなくて意図的だったんですね
どういうことかっていうと
東野さんがこれはエッセイ集
たぶん最後のご挨拶っていうエッセイ集があるんですけども
そこに書かれてるんですが
96年に5冊出したと
これもすごいんですけど
96年に5冊を出したんだけれども
そこからちょっと間を空ければ
多くの書評家たちが多少なりとも
新しい長編に注目をしてくれるのではないかと計算をして
1年間出さなかったっていうんですよ
これ思ってもなかなかできないことだと思うんですよ
これ私が今小説家として活動してるから
なおさら思うんですけど
やっぱり開くのって怖いんですよすごく
できるだけやっぱり忘れられたくないし
僕の場合は書くのが好きなので
それを封じられるのが嫌だっていうこともあるんですけど
でもやっぱり1年間何も出さない
あえて出さないっていうのは
それまで特にいっぱい書いてた人からすると
すごく勇気がいることなんですけど
でも東野さんはそれをやって
その空白期間の後に秘密を出されて
それでしっかりプレイ行こうされたっていうので
そういう戦略面においても
すごい方だったし
この14年売れない時間があったっていうのは
おそらく祝いも含めて
たくさんの書き手を励ましてきたんだと思うんですよ
今は結果が出てないかもしれない
でも東野さんだって14年かかったんだからっていう
だから今はまだ自分大丈夫
これから先ブレイクする
きっとするっていう風に
自分を励ましてきた作家が多分
もう何十人も何百人もいると思うんですよ
このエピソードすごい有名なんで
実際私もデビューしてから丸4年は
1回も発作出して10版がかからなくて
みたいな時期があって
自分ってもう出版業界の中でも
必要とされてない作家なのかなって
思ってた時期もすごくあったんですけど
やっぱり東野さんのエピソードが念頭にあって
いやいや東野さんは14年頑張ったんだからと
4年じゃ判断できないよっていうので
すごい踏ん張れたっていう記憶が鮮明にありますね
多くの作家を多分救ってきたと思います
このエピソード一つで
ちなみにさっき秘密の話をしたんですけど
98年に秘密を出されてそれでブレイクをされたと
実はこの同じ年にもう一冊出てるんですけど
それが探偵ガリレオなんですね
このガリレオシリーズは最初はそんなに
秘密ほどセールス伸びなかったらしいんですけど
続編が出てドラマになってということで
今やもう日本を代表するミステリーシリーズになっていると
さらにその次の年の99年には白夜行が出るということで
やっぱり一気に東野さんの今知り渡っている代表作っていうのが
急にドドドッと出てくるようになった時期だったんですよね
やっぱ多分その作家の活動も波があるんだろうなと思っていて
なかなか売れない時期もあれば
代表作が固めてドッと出てくる時期もあるっていうことも
東野さんの後継歴なんかを見ててすごく感じることですね
おすすめ3作品(1):『探偵ガリレオ』と『白夜行』
ということでですね
面識がないなりに私も恥ずかしいんですが
エッセイ集などから愛読させてもらっているので
ちょっとご紹介させていただいたんですけれども
ちょっとここでですね
私なりのおすすめの3冊というのをちょっと選んでみましたんで
順番にご紹介していきたいと思います
これあらかじめ言っておきますけども
すっごいベタなセレクトです
めちゃくちゃベタです
だからもしかしたら3冊とももう読んでるわっていう人も
いるかもしれないです
でも中にはそこまで読み込めてない
読めてないっていう方もいらっしゃると思いますし
どちらかというとやっぱり東野さんのことは知ってても
すごくたくさん読んでるっていう方が
多数派ではないのかなと思うので
割と入門編というか最初の1冊2冊っていうところでも
楽しんでいただけるようなものっていう視点で選んでみました
3冊ですね
最後に私の偏愛というかそういうのも話しますけども
おすすめの3冊というのをまずちょっとご紹介させていただきます
まず1冊目はですね
先ほどもご紹介しましたが探偵ガリレオですね
もう有名作中の有名作ですけれども
一応あらすじをこれもご紹介させていただきます
あらすじは文芸春秋のホームページから引用したものです
突然燃え上がった若者の頭
心臓だけ腐った男の死体
池に浮かんだデスマスク
夕体離脱した少年
警視庁捜査一課の草薙純平が説明のつかない何事件にぶつかったとき
必ず尋ねる友人がいる
定都大学理工学部物理学科女教授
床は学ぶ
常識を超えた謎に天才科学者が挑む連作ミステリーのシリーズ
第1作ということでございますが
ガリレオシリーズの特筆すべき点というのはやっぱり
サイエンスがまずミステリーの世界に持ち込まれているということがあって
私もその2022年に最後の鑑定人という小説を出させてもらったんですけども
これも理系自分の私自身の理系の経歴を
生かした小説を書きたいって思ったときに
やっぱり真っ先に思ったのがガリレオだったんですよね
でもガリレオみたいなものを書きたいと思って書いたらガリレオになっちゃうので
絶対ガリレオとは何か違うことをやらなきゃいけないなと思ったときに
やっぱりガリレオの魅力って謎の魅力なんですね
燃え上がった若者の頭とか
雄大離脱した少年とかって
ものすごく興味をそそられる謎がどんどん出てきて
それをサイエンスの力で解明していくっていう小説で
それと同じことをやったらまんまガリレオになるなと思ったので
私は普通の人が犯してしまった犯罪を
科学の力で解く話にしようという風に
少しちょっと位相をずらして
プロットを作って書いていったなっていうのを覚えてます
でもやっぱりガリレオがあったからこそ
そういう意味でもできた作品でもあるのかなと思いますね
これ以降やっぱり仮想拳だったり
ミステリーに科学を持ち込むっていうことが
すごく一般的になったなと思いますし
それはガリレオのすごく大きな功績なんじゃないかなと思います
例えば容疑者Xの検診とか有名作いっぱいあると思うんですけど
いきなり検診を読んでもちろんいいんですけど
できれば探偵ガリレオを読んで予知無を読んで
容疑者Xの検診に行っていただくと
なお楽しめていただけるんじゃないかなと思います
が一冊目ですね
二冊目これも本当にベタで申し訳ないんですけども
白夜行ですね
白夜行ただその結構長い小説ではあるので
もしかしたらちょっとひるんでしまう方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけども
白夜行は読んで損は絶対ないです
もう1000枚以上は多分あるんですけど原稿用紙で
これはちょっと死ぬ前に読んだ方がいいと思います
あらすじをご紹介します
1973年大阪の廃墟ビルで一人の七夜が殺された
容疑者は次々と浮かぶが事件は迷宮入りする
被害者の息子霧原良二と容疑者の娘西本幸穂
暗い目をした少年と波外れて美しい少女はその後全く別の道を歩んでいく
二人の周囲に見え隠れするいくつもの恐るべき犯罪
だが証拠は何もない
そして19年
伏線が幾重にも張り巡らされた緻密なストーリー
壮大なスケールで描かれたミステリー紙に散然と輝く
大人気作家の記念筆記傑作
その通りです
もう全くその通りなんですよね
記念筆記傑作だと思います
やっぱり僕も一冊目に白夜行を読んだっていうのも
個人的な思い入れもすごくありますし
やっぱりあと映像化っていう意味でもすごく成功した作品
もちろんガリレもそうですけど
白夜行はドラマと映画どちらも大ヒットということで
そういう意味でも結構稀有な作品なんじゃないかなと思っております
白夜行は実はもともとこれは
主演者の小説スバールだったかな
雑誌に短編として実は掲載されていたそうなんですね
それを一冊にまとめた長編にまとめたというものだという
お話を伺ったことがあって
要はその短編しか載せてもらえなかったみたいなことが
当時の東野さんの事情としてはあったらしいんですけども
実はそれが結果的にはこの大傑作に繋がったのかなと思うと
すごい印象深いエピソードでもあるなと思っています
だから全ての時期に意味があるということなのかなと思います
この白夜行は書き出しですね
書き出しがすごく印象的で
金鉄不正旗を出て線路脇を西に向かって歩き出したっていう
文章から始まるんですけれども
これが実はかなり東野さんの地元というか
近いんじゃないかという話も聞いたことがあります
やっぱりご自身のルーツみたいなものも
根底にあるおそらく東野さんにとっても
すごく思い入れのある作品だったのかもしれないなと
読みながら思いを馳せるような作品です
白夜行はいろいろ言ったんですけど
読んでほしい
白夜行読んでほしいと言うと一番かもしれないです
この3冊の中で
もう何回言うよりも本当に
まず本屋さん行って文庫買って読んでもらった方がいいと思います
3冊目移ります
おすすめ3作品(2):『白鳥とコウモリ』と個人的な偏愛
おすすめの3冊目は白鳥とコウモリです
この3冊の中だと一番最近の作品ですね
源頭社文庫から上下巻が今刊行されています
上巻のあらすじを読んでいきます
2017年東京竹芝で善良な弁護士白石健介の遺体が発見された
捜査線上に浮かんだ倉木達郎は
1984年に愛知で起きた金融業者殺害事件と
つながりがある人物だった
そんな中突然倉木が2つの事件の犯人と授業
事件は解決したと思えたが
あなたのお父さんは嘘をついています
被害者の娘と加害者の息子は
互いの父の言動に違和感を抱く
ということで
白鳥とコウモリは実は
この回が配信されるのがおそらく9月3日なんですが
9月4日から松村福人さんと今田美代さん主演で
映画が公開されるというタイミングでもあります
だから紹介したというわけではないんですけれども
白鳥とコウモリは本当に比較的最近の
東野さんの作品の中では
僕は一番お勧めしたい作品で
これも上下巻なんで決して短くはないんですけれども
やっぱりその完成度が
ちょっと波外れている作品なのかなっていうのは
すごく読んでて思うんですよね
いろんな視点が
服装的に絡み合いながら物語が進んでいくんですけど
やっぱりその一つの事件を複数の視点から見ることで
全然違う姿が浮かんでくるみたいなことは
白夜行もそういう面がありますし
この小説もそうなんですが
そういう手法を取った時の東野さんの誠実さというか
これってもうどれぐらい考えをねって書いてるんだろうっていうぐらい
ものすごく精巧に作られてて
そこにまず同じ書き手としても
簡単の息が先に漏れてしまうという感じですね
もちろん純粋に読んでも
真っ当に面白いめちゃくちゃ面白い作品ですので
これもまずは読んでいただきたいなと思います
やっぱり謎がすごく魅力的なんですよね
倉木達郎先ほどあらすじでご紹介しましたけれども
急に辞去するんですよね
2つの事件の犯人ですと私が
なんで急に辞去したのかとか
嘘をついているとしたら
そんな嘘をつく必要はあるのかとか
っていうことを被害者の娘加害者の息子っていう
本来絶対に言うは知れないはずの2人が
一緒に手を組んで動き出していくっていう
そこの部分の謎の作り方だったりとか
でも謎だけが魅力的なわけじゃなくて
2人被害者の娘加害者の息子っていう
キャラクターの造形だったりとかっていうところで
何重にも物語を読ませるためのエンジンが仕込まれている
もちろん刑事も出てくる
五代という刑事が出てきますけども
刑事のパートでの謎の解き方みたいなところも含めて
周到に読み進めざるを得ないような
仕掛けになっているっていうところが
やっぱりこの作品の一番すごいところなのかなと思います
ということで
ベタなセレクトで申し訳ないんですけれども
探偵ガリレオと白夜行白鳥とコウモリの3作品を
ご紹介させていただきました
ちなみに私自身の個人的な思い入れがある作品は
レイクサイドですね
レイクサイドマーダーケースというタイトルで
映画化もされましたけれども
これはかなり最初の方に読んだんですね私も
すごく若い時に多分読んで
二十歳ぐらいの時に読んだんですけど
レイクサイドってすごいドロドロの話なんですよね
ちょっと東野さんの作品の中でも
ちょっとドロドロ具合がかなりすごい作品で
詳しくは読んでいただきたいんですけど
これ読んでいいのかなみたいな
結構そういう背徳的な部分も含めて
ものすごい印象に残ってて
これってミステリーっていうより
背徳的な感能小説じゃないですけど
読んじゃいけないものを読んでるみたい
っていう感覚がすごいあって
やっぱレイクサイドはすごい
僕は個人的に思い入れがある作品ですね
あともちろん秘密とかも面白いですし
怪小小説とか笑うっていう
書くんですけど怪しい笑いって
怪小小説とか国小小説のシリーズもあるんですけど
その辺はあれですね
コメディというかユーモア小説集なんですけども
これもねやっぱすごいシニカルな笑いなんですよね
どれもこうアッハッハっていうよりは
ちょっと皮肉な感じのエスプリが効いた笑いみたいなのが
前編にあって
すごく東野さんっぽいなっていう感じがして
いいんですよね
そういうふうにおすすめの作品を挙げ出すと
東野圭吾氏の作家としての哲学と読者へのメッセージ
ちょっとこの辺にしておくんですけれども
最後にちょっとご紹介したいエピソードとしては
東野さん直樹賞を6回目の候補で
受賞されてるんですね
僕も当時の雰囲気って
うっすらとほんと覚えてるんですけど
なんでまだ受賞させてあげないんだっていう空気というか
もうその時点で当然ものすごい破格の売れっ子だったし
スーパー人気作家だったわけで
実力というのはもう読者はみんな分かっていると
でも僕も今少子化になったから分かるんですけど
やっぱり賞ってすごくタイミングとか時期とか
いろんなものが考慮されるものなので
いろんなものがそういろんな要素がかかってくるものなので
なんかその絶対的な受賞とか
絶対的な落選みたいなものはないんだなっていうことが
僕も作家になって分かったんですけど
ともかく東野さんは直樹賞の6回目の候補で受賞されたんですね
なかなかやっぱ普通の作家の神経だとしんどいと思うんですね
誤解を落とされるっていうことなので
候補になりましたっていうことは当然期待をするわけだし
その後で電話で落選でしたっていう
落選してる作品も秘密だったりとか白夜行だったりとか
っていうすごい作品が落選してしまっていると
やっぱり普通に考えるとなかなかこれはしんどい経験だなと思うんですけど
東野さんはすごい楽しいゲームでしたって言い切ってるんですよね
それともう一つすごく印象的なのが
エッセイ集に書いてあったんですけども
賞を狙って書くことは絶対にしないっていう風に決められてたらしいんですね
これはものすごく難しいことで
これ本当に小説家になってわかったし
私も一度音楽賞候補にさせてもらって
なおさらそういう部分は肌身で感じるんですが
やっぱ賞を意識しないっていうのは
もう原理的に無理なんじゃないかっていうぐらい難しいことなんですよね
なんかそれを賞を意識しないよみたいな自意識が逆方向に働くこともありますし
だからもう存在する限りは
やっぱり何らかの形では関わってしまうものだと思うんですけど
でも東野さんは賞を狙って書くことは絶対にしないと書かれてて
それを大事なのはそれを言い切ってたことだと思うんですよね
それを公に言い切っていたという
それを言い切った以上はやっぱりその賞を狙いでは書けないっていう
自分への縛りみたいなものももしかしたらあったのかもしれないですし
これはやっぱり僕はすごく見習いたいところだなと思っていて
同じ書き手として
やっぱり何のために書いてるのかっていうことを
東野さんはすごく認識されてたと思うんですね
それはつまり自分はエンターテインメント作家であると
読者を楽しませるために小説を書いているのだと
いうことが揺るがなかった方なんだと思うので
賞を狙って書くことは絶対にしないと
私はそこは本当にすごく尊敬するポイントだと思っていて
私自身まだ何のために書いてるのかって正直に言うと
ちょっと答えが出てないんですよね自分の中でも
読者のためって言い切れたらいいんですけど
それは自分のための面でもあるし
あるいは何かもっと別の大きなもののために書いてる
それは賞っていう意味ではなくてもっと
自分自身のまだ見てない世界を見るために書いてる
みたいなところもあるんですけど
そこが迷ってるんですね私自身正直
小説家として何のために書くのかっていうのは
でも東野さんはそこのスタンスを絶対に崩さなかった
っていうところは本当に尊敬してるところで
僕も同じゴールにたどり着くかどうかわからないんですけれども
でも何か自分のスタンスというものは
これから手に入れていきたいなっていうふうに素直に思いますね
ということで東野さんの作品について語ると
本当にまだまだ時間がいくらあっても足りないんですけれども
そろそろお時間が近づいてまいりましたので
今回の配信はこれでそろそろ終わりにしたいと思うんですけれども
おそらくこれを聞いてくださった皆さんにも
思い出の東野圭吾の一冊があるんじゃないかと思いますので
よければXへの投稿などでお好きな一冊
あるいは最初に読んだ一冊とか教えてくださったら嬉しいです
あるいはSNSじゃなくてもお近くの方
家族友人と東野さんの作品について話すとか
ちょっと本屋さんに行ってみるとかしてくださると
僕がここでいろいろ話しているということの
意味も少しはあるのかなと思います
ということで僕のわがままで今回東野さんの特集をやらせてもらいましたが
以上とさせていただきます
次回からはまたいつも通りゲストをお招きして
対談をお送りしていきたいと思います
ニュースコネクト文化欄お相手は岩井啓也でした
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