1. 今日も明日も授業道~国語教育をゆるっと語る~
  2. 494_そのパフォーマンス課題、..
494_そのパフォーマンス課題、本当にオーセンティックですか?~第45回授業道報告~
2026-09-05 18:44

494_そのパフォーマンス課題、本当にオーセンティックですか?~第45回授業道報告~

spotify youtube

そのパフォーマンス課題、本当にオーセンティックですか。GRASPSの型どおりに作った竹取物語の実践に6年間モヤモヤし続けた末、自作のGem「ごっこ遊び脱却チェッカー」でネット上の国語科指導案を判定してみました。羅生門は危険度85%、大村はま実践は0%。パフォーマンス課題の歴史、山本はるか先生による真正性批判、架空設定が有効に働く条件まで整理し、役割設定から始めるのか生徒の問いから始めるのかを問い直します。

この番組ではリスナーさんからのメッセージをお待ちしております。
以下のメールフォームからお気軽に感想やメッセージをお寄せください。
https://naomi-sensei.com/deta/podcast-form/podcast-feedback-form.html

 

#パフォーマンス課題 #国語教育 #大村はま #オーセンティック評価 #ポッドキャスト

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

00:07
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は494回、そのパフォーマンス課題、本当にオーセンティックですかv第45回授業道報告というタイトルでお届けしたいと思います。
今回のテーマは、第45回今日も明日も授業道オンライン交流会の講義パートとなります。きっかけは、6年前に行った竹取物語の実践で感じた違和感。
この違和感を6年間寝かせた宿題の回収。このために授業道というオンライン研修会を開きました。
結論を先に一つ言っておきますと、いわゆるGRASPSというパフォーマンス課題の型通りに行った課題ほど、ごっこ遊びに陥ってしまったという。
そういうところですけれども、聞きどころは私が自作で作ったごっこ遊び危険度チェッカーというね。そういうチェッカーにネット上の指導案を片っ端からかけた結果が聞きどころだと思います。
それでは今日も国語教育をゆるっと語っていきましょう。
はい、ということでですね、国語教育をゆるっと語っていきましょうと言いながら、実は今回は国語教育をガチに語ってしまうような回になると思うんですけれども。
6年前に竹取物語、これを高校1年生で実施しまして、単元名は竹取物語を読んで、パフォーマンス課題は、
次年度入学の1年生に中学校時代とは違う竹取物語の魅力を紹介しましょうというようなものを設定してスタートしたんですね。
当時は西岡かなえ先生の逆向き設計とかパフォーマンス課題とかルーブリック評価という考え方が入ってきて、皆さん熱心に勉強していて、とても取り組みが進んだ時代でもありました。
私も西岡かなえ先生の講義を2回ぐらい聞き、1日あった研修会にも参加し、本も買ってしっかり勉強しまして、役割設定とか対象設定とか架空の設定とか、そういうのを全部盛り込んでパフォーマンス課題にしました。
形通りに作れたなとは思ったんですけれども、作りながら違和感があり、それからこの取り組みは学会でも発表したんですけれども、果たしてこのパフォーマンス課題でよかったのかと自分から疑問を差し挟んで、参加者の皆さんから何らかのフィードバックをもらいたいなと思っていたんですけれども、
03:02
質問はゼロで誰にも引っかからずに自分のモヤモヤだけが残りまして、そのモヤモヤを6年越しに解消しようとした交流会だったということになります。
それでこのパフォーマンス課題というのは、そもそもどういうところから出発してどういうふうに出来上がったものなのかというのを、私はディープリサーチで調べてコンパクトにまとめてみました。
誕生は1980から90年代のアメリカで客観テストに対する批判が出たのが出発点。活用能力を図る手法はないかという問題意識からオーセンティックアセスメント、新生の評価というそういう考え方が生まれたということです。
これをウィキンズという人が逆向き設計として体系化されまして、目標から逆算してパフォーマンス課題を設定してそれをルーブリックで測りましょうという考え方なんですね。
ところが日本にはこういった考え方が入る前から同様な実践がされていました。それが大村浜の単元学習だったということです。
大村浜先生はプレゼンテーションやレポートなどの成果物を通じて知識や技能を総合的に活用させる課題を作っておられました。
理論化されないまま蓄積された実践値、これは方法論的には現在のこのパフォーマンス課題と極めて近いというふうなAIの分析でしたね。
大村浜の実践値が蓄積されていながら、日本は2000年代にピザショック、読解力低下への危機感からこの逆向き設計理論を逆輸入いたしまして、西岡かなえ先生が本格的に翻訳し紹介し導入ということになり、
もっと具体的には2008年の学習指導要領の改定で言語活動の充実ということで取り入れられてきました。
けれども言語活動の充実はいつしか同時に活動主義への転落も指摘され始め、現行の学習指導要領で3つの柱に整理されて思考力を深めるためのパフォーマンス課題が導入されることになります。
整理すると、戦前戦後の大村浜先生の実践の蓄積がありながら、米国での理論化をピザショックで導入し、学習指導要領、現行の学習指導要領で組み入れられるという流れになります。
だからこのパフォーマンス課題というのは最近歌われているように見えますが、もう既に日本で行われていたということですね。
06:05
私が現行の学習指導要領が歌われた時から、これって大村浜先生でいいんじゃないって思ったんですけども、やっぱりそうだったんだろうなと思いますね。
はい、それじゃあこのパフォーマンス課題の落とし穴ということについて次はお話ししたいと思います。
パフォーマンス課題の条件としては目的、役割、相手、状況設定、そしてパフォーマンスイコール完成作品と評価の観点ということで頭文字をとってGRASPSと呼ばれていて、
この条件を揃えるということが大切だというふうに言われています。
私もこの条件を揃えてパフォーマンス課題を設定することにしたんですけれども、実際には架空の設定でパフォーマンス課題を書かせることになってしまい、
この架空設定を申請の課題っていうふうに言えるのかなっていうふうに思っていたりなんかしてまして、このことについては西岡かなえ先生が開いていらっしゃるフォーラムっていうそういう勉強の場でも提示されていたということがネットの情報でわかりました。
この架空設定がもたらすものとしては、まず活動がごっこ遊び化してしまいがちだということや、それから設定された世界観とか演劇的要素の面白さに生徒の関心が移ってしまうとか、
それから架空の設定に引きずられてしまって根拠とかテキストの正確な読解とかそういったことが二の次になってしまいがちだということや複雑すぎる架空設定で生徒に過重な負担がかかるとか、そういったことがこの架空設定のもたらす問題点だという落とし穴があるということなんですね。
これは滋賀大学の山本遥先生という教授の方が書いた論文がこの違和感について書かれておりまして、私も読んだんですけれども、やっぱりこの架空設定というもののもたらす問題点というものをちょっと考えてみないといけないなというふうに思いました。
だから専門家とか専門家の文化っていうものをそのまま学校の中に持ち込むと専門家の文化が空転してしまって学習者の動機づけが二の次になってしまったりとか、
それからあなたはプロの編集者ですとか、あなたはプロのレポーターですとか、そういったことの設定でやっぱり学習者が教材との連続性を実感できなくなってしまって、突然授業内容の中に編集者とかレポーターの文脈が入るということで断絶してしまうんじゃないかという指摘もありましたね。
09:23
なので私はこのごっこ遊びというものの問題点、架空設定というものの問題点についてもやもや感が残ってたんだなというふうになんとなく自覚することができました。
だから私なりの結論は、学習者が疑問に思ったことやみんなでこれを課題にしようよというふうに合意形成したものを解決に向かわせる課題にするとか、授業者が学習者の実態をよく捉えて、そして設定したものを課題にするとか、そういった自然な流れの方が授業との断絶を生まなくていいんじゃないかと思いました。
そして何よりも学習内容や授業内容としっかり関わらせて、生徒が連続して夢中で取り組める設計にしたほうがいいんじゃないかなというような感想を持ちました。
それでも架空設定が有効に働いた実践報告もありまして、小学校3年生、ちいちゃんの影送りという奈良県の小学校での実践ですけれども、設定は天国のちいちゃんへお手紙を書こうというものでした。
このことによって生徒は主体性も向上し、登場人物になりきることで学びが進化し、子ども自身も成長を実感し、相互評価も真面目にやったといった実践だったんですけれども、架空設定というものが悪ではなくて、条件付きで教育効果は上がるというようなそういった報告でした。
でもこれって無理くりの架空設定ではなくて、結構自然な架空設定だと思うんですよね。
だから児童生徒の思考の流れをちゃんと考慮して、そして生徒それぞれで多様な創造的な活動ができて、そして本質的な問いに対抗しているというね、そういったものであれば多少架空の設定であれば有効に働くということが分かりました。
それで今回、生成AIと対話しながら、ごっこ遊びというものの危険度チェッカーというのをGEMで作ってみたんですね。
これは多少私の思い込みとか、私の考え方のバイアスがかなり入っているチェッカーなので、ごっこ遊びというのをバッサリ切り取るものになりました。
ネットに落ちているものを片っ端からさらってきて、それでチェッカーにかけてみたんですけれども、危険度85%というのは、羅生門下人のその後を書くっていうね、そういったパフォーマンス課題でした。
12:12
本文の根拠に基づかない自由な作りになっちゃうというような指摘がありましたね。
それから危険度75%というのは、ある個展の作品をワイドショーで報告してみましょうというもので、ワイドショーという演出が先行して、司会者やリポーターの役割に追われて本質が語られないという恐れがあるということでした。
それから危険度60%っていうのは、登場人物の真理を想像して視点を変えてリライドしましょうっていうね、こういったものも危険度60%っていうものを叩き出しておりました。
それから危険度50%は、春は明け物を四季の少ない海外の生徒に伝えるというね、そういったもので意欲は引き出せるんですけれどもテキストの深掘りにならなくて、一般的な四季のイメージの作文に陥ってしまうんじゃないかっていうね、そういったものになっておりました。
それから危険度45%は、平家物語のある部分を登場人物になりきって手紙を書きましょうというね、そういったものになっておりまして、表現力の高い生徒がドラマティックな作文を書いて高評価を得てしまうのではないかというような危険度チェッカーの危険度設定になっていましたね。
私の竹取物語の取り組みは危険度40%ということでバッサリやられておりました。
中でも危険度0%を叩き出したのはなんと大村浜先生の読書の仕方というこの実践報告だったんですね。
やっぱり大村浜先生は丁寧に丁寧に課題を作っていらっしゃいますし、その後の評価もきちんとしていらっしゃいますし、言葉っていうものに着目しているし、大村浜先生の設計というのはさすがすごいんだなって思いましたね。
ということで役割設定が架空で、そして生徒の負荷が高いような設定であればあるほど危険度が高くて、やっぱり大村浜先生の単元設定になると危険度が低いという傾向が出ましたけれども、
結局理念が輸入される前の大村浜先生の単元学習というものをもう一回見直してみるというのが結構原点に変えるというところになるのかなというふうに思いました。
ということで私が大村浜先生推し推しの結論にしまして講義部分は終わったんですけれども、この後開かれたブレイクアウトルームでは結構そうではない意見が出ましてですね。
15:10
一つ目、架空設定イコールごっこ遊びというのは決して悪いことではなくて、立場を変えて捉え直すなってみる学びとして思考力を深める学びになり得るというそういうふうな反論がありました。
私これびっくりというかなってみる学びという言葉があるんだなと思いましたね。
だけど事業設計がきちんとしていて生徒の興味関心に基づいた課題であれば、架空設定があっても思考力や想像力や批判的思考力というのは伸ばす効果があるというふうにいろんな参加者の方から出たので、
ごっこ遊びというのは決して悪いことじゃないんじゃないかというような指摘をいただいて、私自身が結構考えさせられました。
だから結論として、架空設定が良いとか悪いとかという問題なんじゃなくて、ちゃんとした導入とか、それから見通しを持った授業設計とか目標設定とか、生徒の興味関心を引く仕掛けとか、対話によって深めるといった工夫とか、そういう授業設計の質が本当に大事であると、そういった整理になったかなと思います。
私自身は架空の設定というのがすごく違和感があって得意じゃないんだなって思い、生徒が本気になって考えられる課題という、生徒の何を考え、何を日常的に問題としたり何に悩んでいるかという、結構ダイレクト生徒という感じにエネルギーを注ぐタイプなんだなというふうに思いましたけれども、
なってみるっていうところ、視点を変えてみるっていう、そういうパフォーマンス課題の設定っていうのも自分の弱点なんで、これからちょっと考えていこうかなって思いましたね。
まあでも、危険なのは架空設定そのものではなくて、パフォーマンス課題の条件を疑いを持たずに丸飲みしてしまい、形だけ取り入れて授業コースを見直さないまま生徒に提示してしまうということ、これが良くないんじゃないかなって思いました。
ということで、参加者の皆さんといろんな話をしていく中で、私自身の見えなかったところが見え、自分自身の苦手だったところがあらわになり、さらにパフォーマンス課題についての解像度も上がり、大変実りの大きな回となりました。
積み残した課題としては、ルーブリックの評価の疑問点とか、ルーブリック評価がもたらす過重負担について話題に上りましたので、12月の今日も明日も授業堂オンライン交流会のテーマとしてやってみようかなと思っています。
18:15
ということで、今日はそのパフォーマンス課題本当にオーセンティックですかという煽り系の設定で始めた授業堂の報告でした。
感想やメッセージは概要欄のメールフォームからお気軽にお寄せください。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
18:44

コメント

スクロール