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落書きを消すと学級が変わる?窓割れ理論と環境の力
2026-08-11 07:50

落書きを消すと学級が変わる?窓割れ理論と環境の力

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学級の荒れは大きな事件から始まるのではなく、小さなほころびの放置から始まるという見方を取り上げます。犯罪心理学の窓割れ理論と心理的安全性、提出箱の位置を変えるだけで朝のざわつきが減った実践、消極的だけれど責任感のある子が集団を動かした記録、そして休み時間の過ごし方を社会モデルで捉え直す視点を紹介します。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。この番組では、教育の最新情報や現場の話題を2人で掘り下げています。
紗友香さん、学級が荒れるとき、その始まりはどこにあると思いますか?
大きなトラブルが起きた日というイメージがあります。喧嘩が起きたとか、授業が成立しなくなったとか、そういう日です。
今日は、そこではないという話をします。始まりはもっと前で、しかも小さいという見方です。
小さいというのはどのくらいでしょう?
例えば、教室の落書きです。みんなの教育技術の7月31日の記事で、窓割れ理論を学級経営に当てはめる話が出ていました。
窓割れ理論なら聞いたことはあります。犯罪の話でしたよね。
アメリカの犯罪心理学者のケリングが考えた理論です。
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も気にしていないという合図になって、やがて他の窓もすべて壊されるという考え方です。
荒れた窓そのものより、放置されていることは合図になるんですね。
専攻研究も紹介されていました。1969年のジンバル堂の実験で、匿名の状態にいる人は自分もりする意識が下がり、衝動的な行動が出やすくなることが示されています。
郵便機を使った実験では、周りが汚れていると盗まれる率が25%で、きれいだと13%でした。
倍近く違います。それは、周りの環境が人の行動を変えているということですか?
そういうことです。ニューヨーク市では1994年から軽い犯罪を徹底して取り締まって、5年で殺人が67.5%、強盗が54.2%減ったとされています。
教室に置き換えるとどうなるんでしょうか?
小さな問題を早く見つけて手を当てることです。落書きをすぐ消す。決まりから外れたことに適切に指導する。それが学級全体の秩序と安全を保つ、という結論でした。
ただ、ずっと目を光らせるのは先生も疲れてしまいそうです。
鋭いところで、記事はそこも書いています。教師が整えるだけでは足りない。役割を臨盤にして、子ども自身が学習環境を作る側に回ることを勧めていました。
見張る人を増やすのではなく、作る人を増やすということですね。
そこで、同じサイトも8月1日の記事につながります。学びのユニバーサルデザインの考え方を生活指導の方に応用する話です。
以前、この番組でもその考え方は取り上げました。子どもが混乱せずに学習に届けるように環境の方を整えるという話でした。
今日はもっと具体的です。ある教室で、提出箱を教室の奥から黒板の横に移しました。それだけです。
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それだけで何か変わるんですか?
子どもが教室に入る流れの中で自然に出せるようになって、動線が交差しなくなりました。朝のざわつきが明らかに減って、提出忘れも減ったそうです。
朝のざわつきって、静かにしなさいと何度も言う場面ですよね。
その繰り返しがいらなくなります。座席についても、刺激の量を調整すると集中しやすさが変わると書かれていました。
うろうろ歩いてしまう子も、環境の影響なんでしょうか?
記事はそこをはっきり書いています。うろうろする、ぶつかるといった行動は、その子の性格ではなく、環境が生んでいる可能性が高い。
だから環境を整えることが、先生と子どもの関係が悪くなるのを防ぐという説明でした。
叱る回数が減れば、関係も守られます。
ここまでが物の配置の話です。次は人の役割の話に移ります。
7月30日の記事で、千葉県の小学校の先生が、学級の真ん中の層について書いていました。
真ん中の層というのは、2対6対2の6のことですか?
そうです。5月の総合的な学習で、地域を宣伝するキャラクターを作ることになりました。
先生が、刑事物を作ってくれる人がいるといいねと声をかけたところ、消極的だけれど真面目な女の子が、書いていいですかと申し出ました。
待っていたら出てこなかった子ということでしょうか?
先生もそう気づいています。消極的な子にも、どう動けばいいかわからないという事情がある。
だから具体的に頼むことが必要だったという振り返りでした。
その後、その子はどうなったんですか?
他の子たちが、私も書きたいと一斉に集まってきたとき、その子がちょっと待ってと声を張りました。
横に使おう、先生は縦書きがいいと言っていたと指示まで出したそうです。
で、その子がですか、想像していたのと違います。
先生は、成功体験にしてほしいという自分の思いが、むしろおせっかいになっていたと反省を書いています。
やらせてあげる、ではなくて任せるということですよね。
7月には、自習の時間に日直が号令をかけず、クラス全体がその子を責め立てる出来事もありました。
先生は、群れと集団の違いを話します。
群れは考えずに流されるから成長できない。
集団は一人一人がどうするべきかを一生懸命考える、と伝えました。
その子はどう受け止めたんでしょう?
ノートに、注意をしたらみんなは優しくなれたのかもしれない、と書きました。
そして、もう誰一人傷つけたくない、と続けています。
胸が詰まります。先生に言わされた言葉ではなくて、その子が自分で考え抜いた言葉です。
家庭からも、毎日のように手を挙げて発表できるようになった、と報告があったそうです。
記事は、この層の子、学級が変わるかどうかのキーパーソンだと位置づけていました。
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ここまで環境と役割の話でした。最後はどこへ行くんでしょう?
7月29日の記事です。
休み時間は全員外へ、という決まりを、社会モデルという考え方で問い直しています。
社会モデルは、教員採用試験でも出てきます。
障害による制限は、自身の機能だけでなく、社会にある様々な壁との関わりで生じる、という考え方ですよね。
よく出てきました。
それを、障害のある子だけでなく、学びにくさや過ごしにくさを抱える全ての子に広げます。
本人だけに原因を求めず、環境との関係で考える、今日ずっと話してきたことと同じです。
休み時間に外へ出たくない子は、わがままではないということですか?
少なくとも、そう決めつける前に見るべきものがあります。
記事は、揃えることと揃わないことを検討して、子供の声を聞くことを進めていました。
さやかさん、今日の4つを通して、どの辺りが自分の課題になりそうですか?
私は、多分人を見すぎると思います。
あの子は落ち着きがない、あの子は消極的だ、と決めつけてしまいます。
でも、今日の話は全部、物の置き方や役割の渡し方で変わっていました。
教室の空気は、小さな日々から変わります。
脈書き、動線、頼み方、決まりの中身、どれも同意事件の前に手が届くところにあります。
教育カフェテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
ご自分の教室の一番小さな日々を探してみてください。
また次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。
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