1. 未来をつなぐものづくり
  2. #65遠回りにも価値がある
#65遠回りにも価値がある
2026-09-21 12:54

#65遠回りにも価値がある

各務原市の小学生へ飛行機教室を高校生と一緒に行ってきました。最近の小学生の休日の過ごし方や飛行機作りで気づいたことについて考えたいと思います。

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

岐阜県の工業高校教員が、各務原市の「かかみがはら科学ラボ」で高校生と実施した小学生向け飛行機教室を振り返る。スチレンペーパーの飛行機を、基本原理を学んだ後に自由な発想で作り、翼の形や面積、投げ方を試しながら飛び方を改善した。ゲームや専門的な習い事の価値を認めつつ、自分たちで遊び方や面白さを考える時間、失敗と試行錯誤の大切さを語る。AIが答えを出す時代だからこそ、手を動かし、人と話し、実際に作って試す経験が重要であり、学校は知識を教えるだけでなく挑戦できる場所になるべきだと述べる。教室を手伝った高校生にとっても、小学生への声かけが将来の航空機への関心につながるかもしれない、かけがえのない経験になった。

各務原市の小学生向け飛行機教室
こんにちは。岐阜県の工業高校で教員をしている、すみです。 この番組、未来をつなぐものづくりでは、日本の製造業を支える企業の技術や、そこで働く人たちの思い、そして工業高校の教育の魅力をお届けしていきます。
さて今週は、鏡原市の小学生を対象に飛行機教室をやってきました。 これは毎年鏡の科学ラボという鏡原市が企画している、小学生対象の科学教室なんですけども、
今年もぜひということでお声かけていただきまして、生徒と一緒に、飛行機に興味を持ってもらえたらなということで、スチレンペーパーを使った飛行機づくりということでやってきました。
去年はですね、クイズで叱られましたね。そういえば、どれが正しいでしょうっていう形で問題を出したら、小学生一生懸命考えてくれまして、正解は全部正解ですっていうオチだったんですけども、
そんなんクイズじゃないっていうことで叱られましたので、今年はそのクイズの内容を変えたり、また去年も来てたけど今年も来てくれるっていう子もいたみたいなので、
内容も少し変えて、少しでも楽しんでもらえるように工夫していってきました。 そこで感じたこと、気づいたこと、考えたことを話していきたいなというふうに思っております。
遊びと専門教育、自分で考える時間
教室が始まったら、まず自己紹介とかいろんな話をしていくんですけども、そこで休日とか今日は鏡の科学ラボに来てこうやってものづくりするけども、
この連休とかいつもの休みは何してるのっていう話をしたら、だいたいゲームしてるって言ってましたね。 まあ今時そうだろうなというふうに思います。
ゲーム面白いですからね。 友達と一緒に遊べるのもありますし、むしろゲームでコミュニケーションをとるみたいな、まあそんなようなこともあるかなっていうふうに思いますから。
だから昔の遊びは良くて今のゲームはダメっていうことではないんですけどね。 でも何して遊ぼっかなーっていうところで、自由な発想が少しずつ減ってきてるんじゃないかなっていうふうには感じました。
例えば僕らの時は野球やろっかと言っても9人は揃うことないですからね。 限られた人数でベースをじゃあ1つ減らして、
もしくはここからここを打ったらアウトねとか、まあその場その場でルールを変更して、そしてやれることで自分たちが楽しむみたいなことをやってましたよね。
それは遊んで楽しかったんですけどね。 今はそのスポーツもかなり専門的になってきてるなーっていうふうに感じます。
野球ならかなり小さい時から野球教室みたいなのもありますよね、有料で。 サッカースクールもあるし、勉強なら当然塾。
プログラミングもプログラミングの塾とかね、そういうのもあるんですよ。 絵を描く塾もありますしね。専門的に教えてもらうっていうところがあるっていうのは本当に大きな価値がありますよね。
上達も早いですし、やり方も正しく学べます。 私自身教員ですから教える仕事をしてます。
ですからその良さというのはよくわかってるんです。 ただ一方で大人が準備したものの中で大人が決めたやり方を大人に教えてもらう。
そんな時間が増えていくほど自分たちでどうしたら面白くなるんだろうなーって考える時間が少なくなってるんだろうなーっていうことはちょっと感じますね。
飛行機作りで学ぶ試行錯誤
そんなことを日頃から私も感じていたので、飛行機教室はなるべく自分の発想を大事にしてほしいなというふうに考えていったんです。
ですから基本的なよく飛ぶ飛行機というものの原理を教えて、そこから先は自由な発想で作るということをしてもらいました。
いろんな飛行機作ってましたね一生懸命。 翼をなんか長くしたりですね。
なんかすごい形の翼を作ってそれは無理だろうって思ってたけども実際はちょっと飛んでいるのを見てびっくりしたりですね。
まあいろんなことありましたね。でもそれがでも面白いんですよね。 そしてまた飛ばない時もなんで飛ばないんだろうっていうことを考えながらやっていましたね。
翼の面積を大きくした方がいいんじゃないかとか、投げ方を変えてみるとか、なんかそれでまた飛び方が変わるとまた嬉しい。
まあそんなような繰り返しですよね。 今回の飛行機教室で大切にしたかったのは誰かに正解を教えられているわけではないっていうことなんです。
ここをこうしなさい。ここをこう曲げてください。ここをこうしてください。これはですね一番最初の1機目はそうやって作りました。
こうやってやるとよく飛ぶよっていうことだけは1機目はそのように作らせてもらったんですね。
ただ2機目じゃあ作ろうって思った時はもう自由な発想でこんな翼の形も本当あるよとか、こういう翼の形状にするとこんな飛び方になるよとか。
まあそんなヒントも入れながら、あとはもう自分の発想をうまく生かせれるような形式にしました。
ですからまあうまくいかなかったこともあると思うんですけども、まあそれを失敗だとは思わずにこの方法ではうまくいかなかったなあ、じゃあどうしようかなあ、重心かなあ、翼かなあ、ない方かなあなんて。
まあそんなことをまあ試してくれてるなっていうふうに感じたんで、これは今日は良い教室をやれてるなあなんて自我自賛しちゃいました。
この姿を見ていると小学生だけの話ではないんですよね。私は工業高校でものづくりを教えてますから、高校生もものづくりをする中で思った通りにいかないことも多々あるんですよね。
何が原因だったのかなあ、機械の動かし方なのか、工具選定なのか、それとも材料なのか、加工する条件なのか、まあそれを試行錯誤するというのが実は面白いところなんですよね。
ですからまあ高校生も小学生もそういった姿というのはほとんど違わないかなあっていうふうに見てました。
やってみて結果からまた考える、そしてまた試す、まあその繰り返しがまあある意味面白さということでもあるんじゃないかなあっていうふうに感じています。
効率化と遠回りの学び
だけど最近はこの面白さを効率が悪いっていうふうに捉えがちな社会でもあるんじゃないかなって思うんですよね。
早く正確に間違えずに、そして無駄なく、これはとても大切なことなんですけどね。
だけどもう教育の分野まで全部効率化してしまってはどうなんでしょうかね。
例えば今日の飛行機教室でもこの形にしてください、重りはここにつけてください、翼はこの角度でつけてください。
まあ一気にはそのように作ってよく飛びました。
まあだけれどもそれで終わってしまっては失敗する子もいませんし、こここうしようかなっていう試す子もいませんよね。
また友達の飛行機見てそれいいなぁなんて思う、そんなこともないかもしれません。
一見遠回りに見えるような時間、無駄だなって思うような時間でも実は大切な学びって結構あるんですよね。
むしろそういった時間の方が学びになることが多いんじゃないかなというふうに思うんです。
AI時代に必要なリアルな体験
特に今AIが急速に進化してますよね。
私もたくさん使ってますよ、わからないことが聞いて、そしてとことん教えてくれるんで、文章も作ってくれますしね。
ですからこれからは答えを知っているとか知識がある、まあそんなようなことだけではなかなか価値になってこないんじゃないかなというふうに思います。
何を知りたいのかとか、何を試したいのか、何を作りたいのか、何を面白いと思うのか、そういった部分がますます大切になってくるんじゃないかなと思います。
AIは答えを出してくれますけども、これをやってみたいって最初の問いは自分、人間から始まるんですよね。
実は私も今回の飛行機教室に使うスチレンペーパーの飛行機の設計ですけども、AIに聞きながらやったんですよ。
よく飛ぶかなって思ったら、実はそのまま作ったらあんまり飛ばなかったんですよ。
だからまあやっぱり最後はまあ経験というかその場で微調整とかっていうのは結構必要なんじゃないかなっていうふうに思ったんですよね。
学校を試せる場所にする
AIの時代だからこそ、自分がやってみるっていうようなリアルな体験というのがより重要し大切になってくるっていうふうに思っています。
だけどもデジタルなのかリアルなのかっていう、まあそういうことではないんですよね。
ゲームがダメってことでもないし、AIがダメっていうことでもないんです。
便利なもの、楽しいものはどんどん使えばいいと思います。
ただそれのみに終わってしまうんじゃなしに、実際に手で触ってみるとか作ってみるとか、体を動かしてみるとか、人と話すとか失敗をしてみるとか、
まあそういった一見不便というか遠回りなようなことも積極的に体験できるといいんじゃないかなっていうふうに思うんです。
じゃあその体験ってどこでできるんですかっていうと、それは学校じゃないですか。
だからこれからの学校って単に知識を教える場所じゃなくなるんじゃないかなと。
まあつまりは試せる場所、いろんなことをやってみれる場所、まあそんな場所になってくるんじゃないかなと。
だから高校を考えるときに、中学生はその3年間でその高校で何が経験できるか、これを一番考えるといいよなんてことを私は思っています。
今日一緒に手伝ってくれた高校生も大変喜んでましたね。
小学生が楽しんでやってるのを見て自分も本当に初心に帰ったとか、そんなこと言ってました。
そしてなんか自分が携わった小学生が岐阜工業に入ってくれたらいいなとか、もしくは航空機に興味持ってくれたらいいなっていうようなことも話しました。
本当にそうですよね。誰かの人生と言っても過言じゃないんですけれども、そこに何かきっかけを与えられる、まあそんなような機会を自分が携わることができた。
そういったのって結構かけがえのない経験だと思うんですよね。
ですから高校生にとっても今日はすごく良い体験、経験になったんじゃないかなっていうふうに思っています。
名前も知らないけども、あの時あの高校生がこんな言葉をかけてくれたから、あの時から航空機に興味持って勉強が好きになったとか、まあそんなことがあるかもしれませんからね。
そういった場にいられたっていうことはかなり貴重なことなんだと思います。
ものづくりが生む問いときっかけ
今日は飛行機教室を振り返ってみて話をしてみました。
小学生って本当に夢中になると時間忘れて本当に汗いっぱいかいてやってましたね。
自分の息子も飛行機作り結構好きで、同じような場面昔あったなぁと思って振り返ってました。
なんか自分で考えることが具現化するっていうことって結構面白いですよね。
そしてそれが目の前で結果として飛ぶ飛ばないがはっきりわかる。
まあそんなことって結構面白かったんじゃないかなって思います。
小学生には今日なんで飛ばないんだろうとか、もっと飛ぶにはどうしたらいいんだろうとか、
まあそんな問いをある意味面白いと思ってくれたら今日の成果は十分なんじゃないかなっていうふうに思っています。
身の回りをこう眺めてみるとなんでそうなってるんだろうとか、これどうなんだろうって思うことってたくさんありますよね。
まあ今AIに聞けばそれなりの答えが出してくれますけども、
なんか一つでもその中で自分が工夫してみようとか、オリジナルのものを作ってみようとか、
なんかそういうのがあるとまた日々マンネリ化した日常に刺激が生まれるんじゃないでしょうか。
ちょっとこの連休はですね、そんな視点で過ごせれたらいいなというふうに思っています。
未来をつなぐものづくりは毎週月曜日朝7時に配信しています。
インスタグラムで航空機械工学科と調べていただきますと日々の取り組みがわかります。
またコメント等をいただけますと私と励みになりますので是非いただけますようお願いします。
ではまた来週お会いしましょう。さようなら!
12:54

コメント

スクロール