ドローン講習と78歳の講師との出会い
こんにちは。リュウケンの工業高校で教員をしているすみです。 この番組、未来をつなぐものづくりでは、日本の製造業を支える企業の技術や、そこで働く人たちの思い、そして工業高校の教育の魅力をお届けしています。
この土日は、航空機械工学科の職員8名が、二等無人航空機操縦士の技能証明をもらうための実地試験を行いました。
今日ここで話したい内容は、その実地試験がどうだったかっていう内容ではなくてですね、この実地試験を行っていただいたのが、実は78歳の方なんです。
この方との出会いのきっかけは、私の高校時代の野球部の恩師から、近所に住んでいるおじいさんがドローンをやっていると、そしてそのドローンの使い方について、ぜひ高校生に教えたいと言っている。
だからちょっと話を聞いたてくれないかという依頼を受けまして、これはまずは恩師の頼み事でもありますし、どんな方かわかりませんが、とにかく会って話を聞いてみようということでお会いすることになりました。
そしてその時、年齢が78ということを伺っていて、だいぶご高齢だなというふうに思っていました。
最初は78歳の方に最新のドローンというのを本当に教えられるのかなという疑問があったんですよね。
しかし実際にお会いしてその考えは来飛びました。
とても親子的な方で、姿勢もいいんですよ。
そして話している内容もすごく理論的で、私はこの方に早速いろいろ相談してお願いしようというふうな流れになりました。
今日は年齢を重ねてもどのように生きるのかというところに少しフォーカスを当てて考えていきたいと思います。
人生100年時代における学びと生きがい
今、人生100年時代と言われてますし、老後2000万円問題とか、年を重ねるたびに心配事も増えるなという、そんなような世の中になってきています。
その中で今回ドローンを教えていただいた78歳の方は非常に親子的で前向きでエネルギッシュだったんですよね。
そんなような姿を見て私はある確信を持ちました。
それは学校とは知識を詰め込む場所だけではなくて、一生学び続けるための習慣や学び方ということを身につける場所なんじゃないかなということなんです。
それは私たちはつい学校を卒業してしまえば学びは終わりだと思いがちですが、しかし今日改めて78歳の講師の方を見てみると、
新しいことに常にチャレンジして、自分のものにして、そして今まで知らなかったことを知ることによって喜びを得て、そしてまたそれを還元しようとしているパワーがある。
ご本人が生き生きと語る姿を見て、そこには知る喜びや伝える喜びっていうのが人間には必要なんだなっていうふうには感じました。
学ぶこともしないで何も考えず何もしない毎日というのは一見楽に見えるかもしれません。
しかしそれは本当に生きがいなのかと言えるのでしょうか。78歳の講師の方が、
今生き生きとされているのは単に新しいことを学んでいるからだけではないと思うんですよね。それを誰かに伝えて誰かの役に立っているという、
その達成感のサイクルに今まだなおいるというところが最高の喜びにつながっているんじゃないかなっていうふうに感じました。
山崎はじめ氏の「自分株式会社」と講師の生き方
そんな姿を見ながら経済評論家の山崎はじめさんのことを思い出しました。
山崎さんは昨年亡くなられたと思いますが、その遺作の本で山崎はじめのライフマネージメントという本があるんですけども、
その中で山崎さんは投資の話が中心かなというふうに思っておったんですけれども、
老後のための投資をするということではなくて、自分株式会社という考えで人生を歩んでくださいということを書いてあるんですよね。
自分自身に投資をして、最終的なゴールは単にお金持ちになることではなくて、上期限に生きることだということを話してみえるんです。
そんなことを思い出しながら、今回の講師の方もまさにその上期限を体現されているなというふうに思ったんです。
もし若い者に教えてあるというような高圧的な態度だったとしたら、もし昔はこうだったという自慢話ばっかりだったとしたら、
私自身この今回の話は多分受けなかったと思います。そうではなく、フラットな立場で私たちに新しい学びをしてもらいたいという気持ちで接していただく中で、
リスペクトを抱いたわけです。尊敬できたからこそ私たちも学びたいという気持ちになったんですよね。
社会で役立つためのスキルと人間性
年を重ねた時の働き方、生き方として、誰しもが社会に役立ちたいという気持ちは強くなってくるんだと思います。
しかしそれを実現するには2つの条件がいるんじゃないかなというふうに思いました。
一つはやはり社会に必要とされるスキルがあるということですよね。
積み重ねてきたスキルがないと何も伝えることはできません。そしてもう一つ大切なのが尊敬される、リスペクトされる人間性かなというふうに思います。
常に常期限でいるということは単なる性格の問題ではなく、周りの人を幸せにして自分自身が社会と繋がり続けるための最強のスキルなんじゃないかなというふうに思いました。
これは決して高齢者の方だけの話ではありません。今人生にもしかして絶望したり生きがいを見失ったりしている若い世代も少なくありません。
でも生きるとはただまあ心臓が動いているっていうだけの話ではないんですよね。本校には77歳で現役という先生も見えるんです。
OBの人ならわかると思いますけども浜ちゃんですよね。浜ちゃんも77歳、今回の講師の先生は78歳。どちらも常に常期限で周りの方に学びを与え続けている人だと思っています。
彼らのような生きた教材が身近にいるということは生徒たちにとっても最大の幸福です。将来何のために働くのか、その答えは単にお金を得るためのライスワーク、食べるための仕事だけではありませんよね。
自分の魂が喜び社会に貢献できるライフワークをどう見つけるのか。これはこれから職業選択をする上でも大事ですし、当然長い人生を歩む上でも大事になってくると思います。
学び続けることの重要性と将来への展望
高校生の皆さんには今の学びを将来誰かを常期限するための準備だと思ってほしいのです。
人間は年を取れば取るほど将来のことが心配になるというふうに言われているみたいですね。
だから高校生の段階ではあんまり将来のことってピンとこないかもわかりませんが、これは年齢を重ねるたびに心配になってくる部分あると思います。
ぜひ目の前のご高齢の先生やご高齢でも生き生きしている方を見たら、その生き様から学ぶということを謙虚にしてみてはどうでしょうか。
今回の講習会はドローンの資格を取るという目的ではありましたが、私にとっても教員人生を考え直す非常に充実した時間となりました。
スキルを磨くということは自分を自由にしてくれます。そしてそのスキルを常期限に分かち合うことで人生には無限の生きがいが生まれます。
皆さんは78歳になった時、どんな新しい技術にワクワクしたいですか?どんな表情で次の世代にバトンを渡したいですか?
次の世代って言ってもピンとこないと思いますけどね。これは今回、航空機械工学科の8名の先生が受講しましたが、
それぞれの先生はこの講師の先生から無言のメッセージをいただいていると思います。
このメッセージを何らかの形で生徒の皆さんに還元できればなというふうに思っています。
長外学び続けることが自分自身が常期限でいられる秘訣ということを、今回頭の片隅に置きながら生活していきたいと思っております。
未来をつなぐものづくりは毎週月曜日4時に配信しております。
皆さんからのコメントをいただくと私の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします。
ではまた来週お会いしましょう。さようなら。