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#103 映画『眺めのいい部屋』眺めのある部屋で、ルーシーに見えるようになったもの
2026-09-24 17:43

#103 映画『眺めのいい部屋』眺めのある部屋で、ルーシーに見えるようになったもの

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作品生誕40周年を記念して4K映像で再公開される名作『眺めのいい部屋』(オリジナルタイトルはA Room with a View)。

イタリア・フィレンツェへの旅での小さな出来事をきっかけに、1人の女性の人生が思いがけない方向へ動き出していきます。

 

今回は、映画のあらすじを追いながら、この映画のタイトル「眺めのいい部屋」って、いったい何だったんだろう?と考えてみました。物語の最後、ルーシーは再びイギリスから、フィレンツェの「眺めのいい部屋」へ戻ってきます。

彼女がそこで見つけた「眺め」は、アルノ川やヴェッキオ橋といった美しい景色だけではなかったのでは?

出会いや出来事を通して、ルーシーに少しずつ見えるようになっていったもの。

今回は、そこからこの映画を読み解いてみます。

 

 

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サマリー

映画『眺めのいい部屋』の物語を追いながら、タイトルに込められた意味を考える。1907年、フィレンツェを訪れたルーシーは、エマソン親子との出会いと部屋の交換をきっかけに、階級社会の常識とは異なる価値観に触れる。ジョージとの恋を経験した後、イギリスで決められた人生に戻ろうとするが、再会によって自分の本当の気持ちを認めていく。最後にフィレンツェの部屋へ戻ったルーシーにとっての「眺め」とは、景色だけでなく、自分の心を見渡せるようになった状態だと語られる。

『眺めのいい部屋』との出会いと設定
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。
物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
ところで、人生を変えるような出来事って、その瞬間に、これは私の人生を変えることになるってわかるものなんでしょうか?
例えば、旅先で出会った人、たまたま入った場所、ほんの小さな出来事、そんなことは、まさかこれがその後の自分の人生につながっていくなんて思ってもいないでしょうね。
でも後から振り返ってみると、あの時のあれが人生の別れ道だったかもしれないなぁと思うことが、私にもこれまで何回もありました。
今日ご紹介するのは、そんな小さな出来事をきっかけに、一人の女性の人生が思いがけない方向へ起こり始めていく、イギリス映画の名作、「眺めのいい部屋」です。
オリジナルタイトルは、「A Room with a View」、1985年に公開された、E.M.フォースターの小説を映画化した作品です。
時は1907年、堅苦しいイギリスの階級社会を離れて、イタリアのフィレンツェーとやってきた両家の霊嬢ルーシー、おめつけ役で独行した年上のいとこのシャーロットが、部屋からアルノ川が見えない、ドフマを漏らしたことから物語が動き出します。
同じアドに泊まっていた、ちょっと風変わりなエマソン親子から、自分たちの眺めのいい部屋と交換しましょうと声をかけられるんです。
このお父さん、なんだか肩破りでちょっと変わり者、息子のジョージも弱いそうだけど、どこか気になる青年です。
これがルーシーの人生を変えることになる出会いの始まりでした。
美しいフィレンツェーの街を一緒に歩き、思いかけない出来事を経験する中で、二人の間には少しずつ特別な感情が芽生えていきます。
ところが旅の途中で二人の間に起きたある出来事をきっかけに、シャロットはルーシーを急にイギリスへ連れ帰ることにします。
当時の厳しい常識が二人を引き離したんですね。
舞台はイギリスへ。フィレンツェーでの出来事をモネにしまって、いつもの生活に戻ったルーシー。
片仏だけど家柄の良いエリート男性からプロポーズされて婚約しました。
全てが順調のはずだったのに、なんとあのエマソン親子が近くに引っ越してきたことで、封じ込まれたはずの情熱が再び溢れ出します。
私は本当にこのままでいいの?と心の中で揺れ動くルーシー。
フィレンツェーとイギリス、この二つの世界の間で揺れながら、自分の本当の気持ちと向き合っていくルーシー。
美しい街並みと当時のイギリス社会を背景に描かれる恋と人生の物語です。
今回この眺めのいい部屋を紹介しようかなと思ったのは、
今年映画公開40周年ということで、美しい4K化映像になって、
まもなく全国で再公開されることになったからなんです。
大好きな映画なので、これまで何回も見てきましたし、
今回この放送するにあたってもまた見たんですが、映画館にももちろん行く予定です。
大画面、大音響で見るとまた新たな気づきがありそうです。
眺めのいい部屋とエマソン親子
さて私はこの映画を改めて見てみて、タイトルの眺めのいい部屋って何だろうって考えたんですね。
ただフィレンツェーの美しい眺めが見える部屋でもない。
この部屋を手に入れたことをきっかけに、ちょっとずつルーシーの人生が動いていくからです。
ここからはこの眺めのいい部屋というタイトルを入り口にして、
この映画をもう少し深く見ていきたいと思います。
まず眺めのいい部屋とは、ルーシーたちが最初に案内されたのは、
北側の建物に囲まれた空間、中庭のようなところなんですかね。
しか見えない部屋で窓を開けてがっかりするんですね。
いとこのシャーロットは、宿のおかみからもらった手紙に書いてあった、
南側の眺めのいい部屋じゃないって文句を言い出します。
そのために夕食の間もずっとその話ばっかりで、
いい部屋になったらルーシーあなたに譲るからとか、そんな話をばっかりしてるんですね。
この宿はイギリス人がたくさん泊まっているところで、
食事は大きなテーブルで、ルーシーたちのテーブルには9人ほどいろいろな人たちが座っているんです。
そこへ2人の会話を聞いたエマソン氏が、自分たちの部屋と交換しましょうって言ってくれます。
息子と一緒に来ていた労働者会長と思われるエマソンは、思ったことすぐ言っちゃうし、
礼儀作法というよりも自分にとって心地よい方がいいじゃないというタイプですね。
でもこういうのって上流階級の人たちからは無礼だって取られる態度になってしまって、
シャーロットは丁寧にでもあっさりと断ってしまいます。
でもシャーロットはルーシーから失礼な態度だと言われて、
間に入ってくれた牧師さんの助手もあって、結局部屋を交換してもらうことになりました。
2人はフィレンツェの美しい眺めが見える部屋を手に入れたんです。
目の前にはアルノ川に別居橋、そして先にはドゥオーモンに別居宮殿の塔まで見える。
部屋の窓を開けた瞬間にその景色が飛び込んでくるなんて、
もう本当に贅沢すぎて溜め息が出そうな部屋なんです。
じゃあルーシーに同行して細かい指示をするシャーロットって誰なのかというと、
年配の独身のいとこなんですね。
当時のイギリスの上流階級において若い未婚の女性に付き添うシャペロン、付き添いですね。
そしてルーシーとやってきたんです。
シャーロットはルーシーたちからいつもかわいそうなシャーロットと呼ばれてしまう、
経済的にもルーシーの家、ハニーチャージ家に頼っているような立場にありました。
だからこそルーシーの家柄や世間体に泥を塗るわけにはいかない、
ちゃんとしたお嬢様として守り通さなければという固くなな態度や恐れが常にありました。
当時の女性に求められた価値観の中で、一心に生きている人だからこそ、
決して意地悪ではないんだけれども、どうしてもうるさくてややこしい人になってしまう。
だからルーシーもそんなシャーロットを見て、私はあんな風になりたくないという感覚をすでに持っているんです。
じゃあそのルーシーはどう生きたいのかというと、まだ本人にもよくわかっていません。
そんなルーシーの前に現れるのがエマスの親子です。
シャーロットが見知らぬ人のご好意を受けるのはといって、
部屋の交換を断っちゃった相手がエマスの親子です。
でもシャーロットが断った理由は、ただそれだけが理由ではないなと思うんですよね。
あの男性がシャーロット、自分自身が紳士だなと思うような男性だったり、
牧師さんのように尊敬されているような職業の人だったら、話は違ったんじゃないでしょうか。
でもエマスは労働者階級の人であること、
そして部屋の交換の申し出の言い方がとても強引だったんですよね。
みんなの前で大きな声で。
女は眺めを楽しむが男はそうじゃない。
遠慮なんてバカバカしい。常識を使いなさい。
そんな風に言ってくるんですね。
エマスの子の言葉は何も間違ってもないし、
そうだよなって思っちゃうんですが、ダメだったんですね。
ジョージとの出会いとルーシーの揺れ
エマスの親子を通してルーシーは、
それまで当たり前だと思っていた価値観とは違う考え方に触れます。
自分の外側にある別の世界を知っていく。
それは階級の違いとか当時のこうあるべきという社会への批判です。
そしてこの後も特にエマスの親子が大切にしている
自分の考えや気持ちに忠実であることに出会っていきます。
そしてそのエマスの親子の中でも
ルーシーの人生に大きく関わってくるのが息子のジョージです。
エマスの息子のジョージはいつも疑問や憂鬱を抱えている若者です。
なぜ僕たちは生きているのか。
なぜこんな窮屈な世の中なのかというような
当時のイギリスの堅苦しい階級社会や
古い干渉に縛られた生き苦しさに疑問を感じながら
でもどうやって心から自分の人生を謳歌していいのかわからない状態なんですね。
頭でばかり考えて思い悩んでいるジョージに必要なのは
利口ではなくて人生の美しさや愛だとお父さんは考えているんです。
そんなジョージがルーシーに恋をしたんです。
ある日みんなでピクニックに出かけます。
恋人とイチャイチャしながら運転するイタリア人の馬車に乗って
そこでルーシーは牧師さんを探して歩いていたら
本当に美しく光り輝く麦畑の中に立っている
ジョージのところにたどり着いちゃったんですね。
ジョージは自分を探しに来てくれたと思って
ルーシーのところにまっすぐに向かって歩いていき
情熱的なキスをするというとても美しいシーンがあります。
きっとここでルーシーの中にも
今まで自分でも知らなかった感情が溢れ出してきてしまう。
でもそんな現場を目撃しちゃったシャーロットは
ジョージにこのことを誰にも話さないように言って
ルーシーを連れてイギリスへ速攻帰国してしまったんです。
イギリスでの婚約と再会
イギリスに帰ったルーシーは
ヴィレンゼでいろいろなものを見たはずなのに
また元の世界に戻ろうとしています。
嫌いじゃない人と結婚して決められたような人生を生きるという選択です。
ルーシーのお母さんも弟も変な人だな変わった人だなとも感じているのに
仕方ないと受け止めて上流会期の男性と婚約します。
でもここでまた運命が動き出します。
エマソンが近くに引っ越してくることになったんですね。
ジョージと再会し
ジョージはルーシーの弟と仲良くなって付き合いが始まっていきます。
そんなある日、ジョージはルーシーの結婚を反対します。
ルーシーのことを見せびらかすものにしか思っていない男性と
そしてルーシーも彼のことを愛していないだろうと
まあそう言うんですね。
そしてジョージはルーシーに対して
僕は君のことを愛している。
自分の腕の中にいる時でさえ君がどんな考えを持っていても
どんな気持ちでもいい。
ルーシーをこうあるべきという形にはめないと伝えるんですね。
ルーシーはジョージが好きだったと
そういうことに気がつくんですが
単純に気づくというよりも
もう自分の気持ちを抑えていくことができなくなる。
そして自分が本当はどうしたいのかを認めていくんです。
ルーシーが手に入れた本当の眺め
映画の最後は2人は再びフィレンズへ戻ってきます。
長めの見える美しい部屋にね。
ここで最初の問いに戻ってみたいと思います。
長めのいい部屋って一体何だったんだろう。
最初にルーシーが泊まったのは中庭しか見えない部屋でした。
それはまるで自分の気持ちのフタをして
本当の自分が見えていないルーシーの心の象徴のようでした。
でもフィレンツェの旅やジョージたちとの出会いを通して
ルーシーは自分の本当の気持ちに気づいていきます。
そう考えるとこの映画の長めというのは
フィレンツェのアルノ川や別境橋といった
外の美しい景色だけではなかったはずです。
ルーシーが最後に手に入れた本当の長めのいい部屋というのは
自分自身の本当の気持ちがしっかりと見渡せるようになった
その心の状態のことなんじゃないかなと思ったんですね。
ただ素敵な部屋に泊まれたから人生が変わったわけではなくて
あの部屋きっかけの出会いや出来事があったからこそ
内側にある本当の気持ちを見捨てることができた。
この映画が私たちに問いかけているのは
あなたにとって自分の本当の気持ちが見える場所はどこですか
ということなのかもしれません。
今日は映画長めのいい部屋をご紹介しました。
いかがでしたか?
この映画は登場する俳優陣も
中で使われている音楽も本当に素晴らしいんですね。
今回そのあたりは全く話さなかったんですが
ぜひ検索してチェックしてみてください。
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当時のイギリスの階級意識や文化
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その中から厳選して3つまとめました。
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次回はカントリーハウス巡りの3件目
BBCドラマ高慢と偏見のペンバリーの
インテリアのロケ地サドベリーホールです。
お楽しみに。
私はあんな風になりたくないという感覚をすでに持っているんです。
17:43

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