2021年から2022年にかけての右肩上がりを基準にすると、いまの日本のスタートアップ市場は厳しく見えます。実際、2025年あたりから「厳しい」という認識は業界の共通言語になりました。ただ、半年ごとにデータを追い続けてきた立場から数字を並べ直すと、資金の供給そのものは途絶えていません。悲観一色に流されてしまう前に、何が実際に起きたのかを確認しておく必要があります。
今回は、Speedaのウェビナー「2026年上半期レビュー」を終えた直後に、その場の空気を持ち込んだまま収録しました。バブルが弾けたあとに市場から抜けていったのは誰だったのか。海外VCの投資はどう変わったのか。ウェビナーに合わせて毎回実施している約60名へのヒアリングでは、起業家の層の厚みは横ばいから改善、裾野は拡大という回答が大勢を占めます。一方で「本気で大きなリターンを目指す人は増えていない」という声もありました。東証グロース市場の改革によってIPOのハードルが上がり、PSRではなくPERで評価される環境になると、時価総額300億円で上場するために必要な利益水準は決して低くありません。ファンドの10年という時間軸のなかで、それを現実的な目標として掲げられるか。結果として、創業の時点からM&Aを前提に設計する起業が増えているのだとしたら、それは合理的な判断であると同時に、市場全体にとって何を意味するのか。IPOとM&Aの平均的な着地点が離れていくなかで、起業家は最初にどちらかを選ばされているような感覚を持つ、という指摘まで話が及びます。
▼ 今回のトピック
8年続けてきた半期ごとの定点観測から、2026年上半期をどう見たか
2021年を基準にすれば厳しい。ただし資金供給は安定している
「厳しい」が共通認識になったのは2025年頃から
米国のアップダウンの激しさと、日本の安定
バリュエーションのバブルは弾けたが、供給される資金は減らなかった
抜けていったのは海外PEとクロスオーバー投資家、国内PE
2025年、2026年も海外VCの投資は続いている。ただし選別的に
資金供給が続いているからこそ、人材の流入も止まっていない
経験者の市場価値と、シードでの大型調達
約60名のスタートアップ関係者への匿名ヒアリング。9割はVC
40代で上場企業役員やメガベンチャーの事業責任者が起業する時代
AIによって起業のハードルが下がり、ソロプレナーが増えた
一方で「大きなリターンを本気で目指す人」は増えていないという声
PSRからPERへ。時価総額300億円の上場に必要な利益水準
ファンドの10年という時間軸のなかで何を目指せるか
創業時点からM&Aを前提にする合理性と、その副作用
ユニコーンが増えないことは、大きな会社をつくる難しさの証明なのか
DPIが問われるほど、大きな野望を持つ起業家が突き抜けやすくなる可能性
IPOとM&Aの平均像が乖離し、最初にプレイを選ばされる感覚
現実を見すぎて小さくまとまるなら、そもそも資金調達は必要なのか
エコシステムの課題感は、量から質へ進化してきた
M&Aの「量」と言われているものは、実は「大きさ」の話ではないか
▼ 参考文献
国内スタートアップ資金調達動向『Japan Startup Finance 2026上半期』レポート
https://jp.ub-speeda.com/document/260730wp/
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
総額増の裏で深まる選別――2026年上半期スタートアップ資金調達動向
https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2026h1
▼ Selected Startup Pitch 2026 Fall
投資家向け参加登録URL
https://luma.com/73mqvg8w
登壇希望スタートアップ向けURL
https://forms.gle/FSDJz68CHNJRyqQC7
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※本番組の切り抜き・文字起こし・引用は、出典を明記のうえご自由にどうぞ。
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サマリー
2026年上半期の日本のスタートアップ市場は、2021年から2022年の急成長期と比較すると厳しく見えますが、資金供給は安定しており、悲観一辺倒になる必要はありません。海外VCの投資は選別的になったものの続いており、人材の流入も止まっていません。一方で、IPOのハードルが上がり、大きなリターンを目指す起業家が減少傾向にあるという指摘もあります。創業時点からM&Aを前提とする動きが増える中、IPOとM&Aの平均的な着地点が乖離し、起業家が最初に進むべき道を選択させられるような感覚に陥っている状況が語られています。
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