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408 「答え」ではなく「ひっかかり」を――AI時代の課題設計 | テックLTポッドキャストカレンダー
2026-09-22 05:05

408 「答え」ではなく「ひっかかり」を――AI時代の課題設計 | テックLTポッドキャストカレンダー

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第7回テックLTポッドキャストカレンダー 参加エピソードです(9月22日担当)。

 

AIが答えを,さらには問いまでも生成する時代には,学生に答えさせるのではなく,問わせるだけでも不十分です。AIは問いをいくらでも生成します。ですので,大事なのは,なぜこの問いが大事なのかという問題意識です。問題意識の萌芽が「ひっかかり」「違和感」です。そこを私は大事にしたいと思っています。

 

私の講義を受けた学生に課す課題(例):

第1週の講義ビデオを観て,「なんか引っかかる」「すっきりしない」「どうも納得できない」と感じたことを,問いの形で書いてください。また,その問いがどこから出てきたのかが伝わるように,自分が立ち止まった場面や,そのとき頭に浮かんだこと,違和感をもった理由も書いてください。 なお,その問いの答えを書く必要はありません。

提出された課題の相互コメントワークでコメントを書く際の指示:

・下の3つの投稿(「問い」)すべてにコメント(「一応の答え」と「でも」)をつけてください。
・「でも」には,まだ残っている疑問や違和感を書き,さらにできれば次の問いも書いてください。
 (次の問いへのヒント:まだ問われていないことは?/別の場合は?/そもそも〜?)
・さらに,3つの中で,「でも」が最も自然に出た問いに「★」をつけてください (1つまで)。
・(任意)下の3つの問いの中で,すぐには答えにくいものがあれば,なぜ答えにくかったかを書いてみてください。

 

関連エピソード
305 講義 |「答えようとするな。むしろ問え」の意味
390 メモ | 学生が手抜きをしないようになるには

参考
Report of MIT’s Ad Hoc Committee on AI Use in Teaching, Learning, and Research Training (August 13, 2026)

#テックLTポッドキャストカレンダー

サマリー

AIに考えることを委ねてしまう「認知的降伏」への懸念を背景に、学生が自分で考えるための課題の出し方を紹介する。従来の「教員が問い、学生が答える」枠組みでは、学生がAIの回答を自分のものとして提出できてしまうため、その枠組み自体を変える必要があると述べる。そこで、講義ビデオを見て感じた引っかかりや違和感を問いの形にし、その場面や理由も書かせ、答えは求めない課題を今年度から試している。提出された問いを共有し、相互コメントでさらに問いを深めているという。

AIによる思考放棄への懸念
たなです。今回は「考えることを放棄させない課題の出し方」というテーマで少しお話をします。
最近アメリカの新聞『ニューヨーク・タイムズ』の記事にこういうものがあって私の目に留まりました。
その見出しは、学生たちはAIを何でも使う、それはカンニングにも使われていて、
MITの最近の報告書ではその技術、つまりAIですね、これが認知的降伏、英語で言うとCognitive Surrenderと書いてありますが、
無条件降伏の降伏ですね。認知的な降伏を招いているというような見出しが載っていまして、
ちょっと気になりまして色々調べてみました。
この認知的降伏、この降伏というのは要するに人間がAIに降伏するというイメージだと思うんですけれども、
人間が考えることを放棄してしまってAIに全く従属してしまう、そういう状態だと思うんですが、
そういう刺激的な言葉が使われていまして、
MITの報告書も公開されているので、全部読んではいないのですが、AIに内容を要約してもらいまして、中身を知ることができました。
もちろんMITは大学ですから、そういったことがならないようにどうしたらいいかという、
問いと答えの枠組みを変える
そういう方策を色々とその報告書では書いているのですが、
私の目から見ると果たしてうまくいくのかなという気がしました。
私もそういう問題意識は前から持っていて、それのためにはどうすればいいのかということを色々考えてきました。
そして今年度、つまり今年の4月から試してみているのですが、結構うまくいっているようなので、これを紹介したいと思います。
それはですね、割と簡単なことなんです。
今までの教育は、教員が学生に問いを発し、学生はその問いに答えるということをやってきたのですね。
その答えるというところは、かつては学生が自分で考えて答えたわけですけれども、
今はAIに考えてもらって、それをそのまま自分が考えたかのように出してくるということが問題になっているわけですね。
どうしたらば学生がちゃんと考えるようになるかということを色々議論しているのですが、
私はその枠組み自体がおかしいというふうに思います。
つまり、教員が問うて、学生が答えるという枠組み自体を変えない限り、この問題は解決しない。
だから学生が問う側に回るという、そういう仕組みが必要なんだろうと思います。
それで私はですね、具体的にそれができる方法を考えたわけです。
これは言ってみれば一つの発明じゃないかなというふうに私は思うんですけれども、
そういうふうに思ってもらえるかどうか分かりませんが、こういうふうにしました。
違和感から問いを作る課題
つまり、私の講義を受けた学生にこのような問いを、問いというか課題を出すんです。
「今週の講義ビデオを見て、何か引っかかる、すっきりしない、どうも納得できないと感じたことを問いの形で書いてください。
またその問いがどこから出てきたのかが伝わるように、自分が立ち止まった場面やその時頭に浮かんだこと、違和感を持った理由も書いてください。
なお、その問いの答えを書く必要はありません」。
こういう質問です。
つまり、一言で言えば、どこに引っかかりを感じ、そこからどんな問いを作ったかということですね。
こういう課題を出して、授業ではそれをみんなで共有し、さらにその問いを深めていくという授業をやっています。
それではまた。
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