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今どきのゲーマーから見たCERO:サイバーパンク2077日本語版の表現規制発表(親子のCEROについての考え方と認知向上のアプローチ)
2026-10-14 19:32

今どきのゲーマーから見たCERO:サイバーパンク2077日本語版の表現規制発表(親子のCEROについての考え方と認知向上のアプローチ)

CEROレーティング制度とゲーム表現における倫理・安全対策:保護者の理解と社会規範の構築に向けたブリーフィング

エグゼクティブサマリー

コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)が運用する年齢別レーティング制度は、ゲームソフトの表現内容を評価し、適切な対象年齢を示すことで、青少年の健全育成と健全なゲーム文化の発展を目的としている。ゲーム表現の高精細化やプレイヤー層の拡大に伴い、過激な表現やショッキングな内容が青少年に及ぼす影響への配慮が不可欠となっている。

本文書は、CEROの役割、レーティング区分の基準、最高年齢区分である「CERO Z(18才以上のみ対象)」における禁止表現の存在理由、ならびに自治体や販売店舗での取り組みを総合的に分析・整理したものである。主要な結論は以下の通りである。

  • CEROの存在意義と自己規制機能: CEROは、表現の自由を最大限に尊重しつつ、社会の倫理水準に適合したゲーム供給を確保するために、業界主導で発足された(2002年10月開始)。法的規制ではなく自主的な審査機構を設けることで、ゲームが「悪」として社会的に排斥されるリスクを回避している。
  • CERO Zと「禁止表現」の兼ね合い: CERO Z(18才以上のみ対象)であっても完全な無制限(何でもあり)ではなく、明確な「禁止表現」が設けられている。これは、家庭内での他者(子ども等)への露出リスクや、差別表現・犯罪教唆・思想的扇動などの社会的影響を防ぐためである。
  • 海外版との表現調整(規制): 海外で開発されたゲームを日本国内で販売する際、CEROの審査基準に基づき表現の変更(裸体への下着着用、身体分離欠損の切断面黒塗りなど)が行われる。
  • 社会的・地域的規制の強化: CERO Z区分に対しては、自治体の条例(神奈川県の販売努力義務や静岡県の有害図書類認定など)や、家電量販店(ノジマなど)による販売中止措置といった、より厳格な社会的アプローチが取られている。
  • 家庭および親子での認知向上: パッケージの背表紙や表面のレーティングマーク、裏面のコンテンツアイコン、およびWeb検索を活用し、保護者がゲーム内容を正確に把握した上で、子どもへの間接的な視認リスクも含めた適切な管理を行うことが求められる。

CEROレーティング制度の概要と審査構造

発足の背景と目的

2002年、家庭用ゲームの表現技術の進歩とユーザー層の拡大に伴い、ゲーム内容が青少年に与える影響への配慮が強く求められるようになった。自治体からの指摘や「有害図書」指定の議論が急速に高まる中、ゲーム業界は自ら社会倫理に適合できる体制を示す必要に迫られ、特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)を設立した。

CERO倫理規定第1条では、その目的を「コンピュータエンターテインメント文化の健全な発展のため、表現の自由を最大限に尊重し、且つ、社会の要求する倫理水準に適合する家庭用ゲームソフトの開発、公表、販売が確保されること」と規定している。

審査体制の透明性と客観性

CEROの審査は、ゲーム業界とは直接の利害関係を持たない一般から募集された20歳から60歳までの男女(審査員)によって行われる。審査員は事前にCEROによるトレーニングを受け、複数名で表現内容の評価を実施した上で年齢区分を決定する。

審査対象は、プレイステーション、任天堂、Xbox等の各種家庭用ゲーム機用ソフトをはじめ、PCゲーム、スマートフォンアプリ、クラウドゲームサービスなど、国内で販売・配信されるほぼすべてのゲームプラットフォームおよびサービスに及ぶ。

レーティング区分と表示構造

CEROのレーティング制度では、年齢別レーティングマーク(パッケージ表面左下および背表紙の帯色)と、判定根拠となった表現を示すコンテンツアイコン(パッケージ裏面)によって情報が提供される。

年齢別レーティングマークの種類

レーティングマーク対象年齢帯色概要・基準
A全年齢対象黒年齢区別対象となる表現内容が含まれていない。
B12才以上対象緑12才以上を対象とする表現内容が含まれている。
C15才以上対象青15才以上を対象とする表現内容が含まれている。
D17才以上対象橙17才以上を対象とする表現内容が含まれている。
Z18才以上のみ対象赤18才以上のみを対象とする表現内容が含まれている(18才未満への販売・頒布を行わない前提)。

※2006年3月1日の改訂以前の旧マーク(「全年齢」「12」「15」「18」の数値表記)が施された製品も市場に存在する。

その他のマーク

  • 教育・データベース: 教育用ソフトやお絵描きソフトなどに表示。
  • 規定適合: 製品化前の体験版ソフト等で、禁止表現がないことが確認された場合に表示。
  • 審査予定: 製作中のソフトをプロモーション・販促物等で告知する際に表示(審査未実施)。

コンテンツアイコン(9種類)

年齢区分決定の根拠となった主な表現カテゴリを示す。

  1. 恋愛
  2. セクシャル
  3. 暴力
  4. 恐怖
  5. 飲酒・喫煙
  6. ギャンブル
  7. 犯罪
  8. 麻薬等薬物
  9. 言葉・その他

CERO Z(18才以上のみ対象)における禁止表現と表現調整

CERO DとCERO Zの決定的な違い

CERO D(17才以上対象)とCERO Z(18才以上のみ対象)は対象年齢の設定基準が異なるだけでなく、描写される暴力や残虐性の度合いにおいて大きな隔たりがある。CERO Zには、身体の分離欠損表現や著しい死体描写など、青少年に非常に強いショックを与える描写が含まれる場合がある。

CERO Zであっても「禁止表現」が存在する理由

18才以上の成人のみを対象とし、販売時の年齢確認を前提とするCERO Zであっても、表現に制限が設けられる理由には以下の社会的・倫理的背景がある。

  1. 社会に対する自律性の証明: 倫理的制約を撤廃して無制限とした場合、再び自治体や社会からの激しい反発を招き、ゲーム産業全体が規制される事態を防ぐため。
  2. 家庭環境における非意図的露出: ゲームが購入された後、家庭内で誰がプレイし、誰(特に子ども)の目に触れるかを完全に保証することは不可能であるため。
  3. 差別・中傷の排除(倫理規定第7条): 人種、信条、性別、社会的身分、障害者・高齢者等の弱者に対する不当な差別表現、および個人・法人の尊厳を害する誹謗中傷表現は一律で禁止されている。
  4. 社会的危険性の回避: リアルな表現力を持つゲームが、犯罪教唆、思想の植え付け、政治的扇動、あるいは実際の戦争・テロ行為等を称揚する危険性をチェックする必要があるため。
  5. 社会情勢の変化への対応: 倫理規定の補足に基づき、外務省の渡航中止勧告や国際情勢に配慮して禁止事項が適宜判断される場合がある。

日本国内版における具体的な調整事例(『サイバーパンク 2077』等)

海外で制作されたCERO Zタイトルの国内販売に際しては、CEROの基準に適合させるための変更(規制)が行われる。

  • 性的・裸体表現の変更: 作中の裸体キャラクター(主人公の作成画面含む)への下着の着用、街中の看板やオブジェクトにおける過度な性的描写の破損・一部見えにくくする処理への変更。
  • 分離欠損描写の変更: 人体の分離欠損自体は海外版と同様に維持されつつも、切断面の黒塗り処理や、露出する内臓表現の修正・削除。

地域社会および販売店舗におけるアプローチ

自治体による条例と規制

CEROの審査結果は、行政の青少年の健全育成施策や条例とも連動している。

  • 神奈川県: CERO Zのゲームについて、青少年に販売しないよう努力義務を課している。
  • 静岡県: CERO Z作品を有害図書類として認定し、18才未満への販売・貸付等を禁止している。

販売店(ノジマ)における自主規制の取り組み

家電量販店のノジマでは、来店客がより安心・安全に買い物できる環境を整えるため、2023年4月1日より店舗およびオンラインストアでのCERO Z該当ゲームソフトの販売を全面的に中止する措置をとった。これにより、対象年齢に達している場合であっても過激な表現に直面するリスクや、家庭内での不測の露出を未然に防ぐアプローチを推進している。

親子・保護者視点における課題と認知向上策

意図せぬリスクと注意点

  1. 大画面化による二次的リスク: テレビ画面の大型化に伴い、大人がCERO Zなどの過激なゲームをプレイしている際、間接的に子どもの視界に入ってしまうリスクが高まっている。
  2. 未審査表現混入のリスク: メーカー側の手違い等により、審査時に提出されていない禁止表現がそのまま製品版に混入して販売されてしまった事例(例:『アサシン クリード ヴァルハラ』の未審査版問題)が存在する。

保護者・ユーザーが取るべき確認アプローチ

  • パッケージ情報の確認: 購入前にパッケージ表裏の「レーティングマーク(A〜Z)」および裏面の「コンテンツアイコン」を必ず確認し、どの種類の過激表現が含まれているかを把握する。
  • CERO公式サイトの活用: CEROの公式Webサイト(検索機能)を利用することで、ゲームのタイトル名や機種から、レーティング区分および該当するコンテンツアイコンの正確な情報を事前に調べる。
  • 販売自主規制・業界の仕組みへの理解: CEROは審査・区分を行う機関であり、実際の販売自主規制はCESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)や流通業界、自治体が連携して行っている構造を理解する。

感想

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サマリー

日本のゲーム業界でCEROが設立された背景と、年齢レーティングが担ってきた役割をたどる。CEROは行政によるゲーム規制への対抗策として業界を守る一方、CERO Zでも人体の欠損や過激な性的描写を認めず、『サイバーパンク2077』などで国内向けの表現変更が行われている。こうした規制は大人のゲーマーや開発者から、表現や芸術性を損なう過保護な検閲だと批判され、審査費用や期間はインディー開発者の参入障壁にもなる。親子の側では、YouTubeや友人関係を通じてレーティング対象外のゲームが子どもに広まり、マークの意味が誤解される問題が語られる。対策として、ゲーム機のペアレンタルコントロールがCERO情報を裏側で利用し、年齢設定に応じて起動や検索を制限する仕組みが紹介される。さらに、質問票による迅速なIARC審査が、従来のCERO審査モデルに変化を迫っている。最後に、AIがプレイヤーの操作や生体情報から心理状態を読み取り、表現をリアルタイムで調整する未来と、年齢レーティングの将来が展望される。

CEROの設立とゲーム業界を守る役割
スピーカー 2
あなたが最後にゲームショップに立ち寄って、新作のパッケージを手に取った時のことをちょっと想像してみてください。
スピーカー 1
ええ。もしくはスマホやPCのデジタルストアで新作リストをスクロールしている時のことでもいいですね。
そうそう。その時、タイトルの横とかパッケージの隅に小さくアルファベットが書かれた黒子マークがあるじゃないですか。AとかCとかZとか。
スピーカー 1
ありますね。年齢区分を示すレーティングマークです。
あれ、私たちの多くは食品の裏にあるアレルギー表示くらいにしか思ってないですよね。
スピーカー 2
ああ、これは大人向けねって一瞬で仕分けするためのただの記号みたいな。
スピーカー 1
ええ。ゲームを買う上で当たり前の風景として完全に溶け込んでいますからね。
あまりにも見慣れていて、そのマークがなぜそこにあるのかを深く考える機会ってほとんどないと思うんです。
スピーカー 2
そうなんですよ。でも、あの小さなシールの裏側をちょっと剥がしてみると、そこには驚くほど複雑で、
なんていうか、ちょっとドロドロとした大人の思惑とか、現代の親たちが抱えるリアルな葛藤が広がっているんです。
スピーカー 1
はい。まさに今回はそこを掘り下げていくわけですね。
スピーカー 2
ええ。ということで、知識よく旺盛なあなたに向けて、今回の深掘りのテーマを発表します。
今回扱うのは、日本のゲーム業界におけるシーロ、コンピューターエンターテインメントレーティング機構についてです。
スピーカー 1
ゲームというメディアが社会とどう折り合いをつけてきたのか、そして今、テクノロジーの波の中でどう変化を迫られているのか。
スピーカー 2
非常に多角的で面白いテーマですよね。今回の深掘りのために、私たち膨大な資料の山に飛び込みました。
ゲームウォッチとか窓の森の解説記事はもちろん、フォーゲーマーによるセロへの直接の切り込みインタビュー。
あとはゲームスパークのコメント欄に寄せられた一般ゲーマーたちの生々しい悲鳴。それから?
スピーカー 1
それから、今回の大きな焦点となるセロの現状と保護者の意識変容に関する包括的な研究レポートですね。
スピーカー 2
はい、それです。それらの資料を点と点でつなぎ合わせていくと、ある一つの明確な事実が浮かび上がってくるんです。
スピーカー 1
私たちが知っているセロというシステムが、今まさに崩壊と進化の入り口に立っているという事実ですね。
スピーカー 2
そうなんです。だからこそ本日のミッションは、「Aは全年齢対象です。」みたいな退屈な教科書の朗読ではありません。
スピーカー 1
ええ、もっと根深い問題に切り込みます。
スピーカー 2
セロがそもそも誰を守るために生まれたのかという意外な歴史から始まって、18歳以上対象のセロZをめぐる大人のゲーマーたちの強烈なフラストレーション。
スピーカー 1
そして何より、親と子にとってセロは本当に機能しているのかという実態と、デジタル時代における全く新しいアプローチについて迫っていきます。
では、まず歴史の前提から共有しておきましょう。このマークがなぜ存在するのかを理解するには、2002年当時の空気を知る必要がありますよね。
スピーカー 1
そうですね。2002年というと、ゲームのグラフィックが飛躍的に向上して、3Dでリアルな街並みとか人間が描けるようになった時代です。
スピーカー 2
なるほど。海外から過激な内容のゲームがたくさん日本に入ってき始めた頃ですよね。
子どもたちに悪影響が出ないように表現を制限しようという純粋な目的でセロは設立されたんですか?
スピーカー 1
実は設立の最大のモチベーションは、子どもを守ることと同時にゲーム業界そのものを守ることにあったんです。
業界を守るですか?
スピーカー 1
はい。当時、リアルな暴力表現なんかを問題視した地方自治体が、次々とゲームを有害図書のように指定して販売を規制しようとする動きを見せていたんですよ。
スピーカー 2
ちょっと待ってください。つまり、おかみから直接このゲームは売るなって命令される危機があったってことですか?
スピーカー 1
その通りです。行政に直接介入されれば、ゲームの表現の自由は完全に奪われてしまいますからね。
うわぁ、それは業界としては致命的ですね。
そこで日本のゲーム業界は、私たちは自分たちの手で社会の倫理水準に適合する作品を審査できる、そういう事情作用を持っていますよと社会にアピールする必要があったんです。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
そのために急いで立ち上げられた第三者機関、それがセロなんです。
スピーカー 2
なるほど、腑に落ちました。つまりセロはゲームをがんじがらめに縛るための鎖として始まったわけじゃなくて、世間からの批判とか行政からの介入を自分たちが一手に引き受ける非来心だったんですね。
スピーカー 1
ええ、まさに非来心です。
スピーカー 2
世間の雷をセロが受けることで、ゲームという文化全体を守る防波堤の役割を果たしていたと。
スピーカー 1
非常にわかりやすい例えですね。実際、その非来心としての役割は見事に機能してきました。
スピーカー 2
エログロだけでなく、差別や現実のテロの賛美など多岐にわたる項目を審査することで、日本のゲーム市場の秩序を保ってきたんです。
今でもセロの審査を通さなければ、日本市場の小売店でパッケージ版を流通させることは極めて困難ですから。
スピーカー 1
防波堤としては大成功だったわけですね。でも、だとしたら、どうして今大人のゲーマーたちからこれほど不満が噴出しているんですか。守ってくれているならありがたいはずですよね。
CERO Zと『サイバーパンク2077』の表現調整
スピーカー 2
それが、防波堤が分厚く、そして高くなりすぎたんですよ。
スピーカー 1
高くなりすぎた?
ええ。その結果、今度は内側にいるプレイヤーやクリエイターとの間に激しい摩擦を生んでいるんです。最も顕著なのが、セロZをめぐる問題ですね。
スピーカー 1
ああ、資料を読んでいて一番驚いたのがそこです。セロZって18歳以上のみ対象ですよね。
スピーカー 2
はい。理論上はそうです。
スピーカー 1
お店で買うときには、わざわざ運転免許証とかの身分証まで見せて買う、完全に大人向けの区分なのに、そこにも絶対に許容されない禁止表現があるってどういうことなんですか。
スピーカー 2
いくら18歳以上を対象としていても、セロの基準では分離、欠損した人体の断面や過激な性的描写などは絶対にNGとされているんです。
スピーカー 1
絶対にダメなんですか?大人なのに。
スピーカー 2
ええ。例えば、サイバーパンク2077という世界的な大ヒット作がありますよね。
スピーカー 1
はいはい。めちゃくちゃ話題になりましたよね。
スピーカー 2
あのゲーム、北米版で存在した表現が日本語版では大幅に修正されたんです。
裸のキャラクターには強制的に下着が着せられ、切断された人体の断面は不自然に黒塗りされ、壁の性的な落書きまで別の絵に差し替えられています。
スピーカー 1
いやいや、身分証を見せて買う大人向けのゲームなのにですよ。
しかも、デッドスペースとかザ・カリスト・プロトコルといった作品に至っては、日本での発売自体が中止になっちゃいましたよね。
そうなんです。
スピーカー 1
デッドスペースって、宇宙船の中で得体の知れないエイリアンと戦うSFホラーの傑作ですけど、あれって恐怖を極限まで煽るために、わざと残酷な描写を取り入れているのが売りじゃないですか。
スピーカー 2
ええ、まさにその通りです。
スピーカー 1
それをカットしろって言われたら、なんというか、そもそもゲームとして成立しなくなりますよね。
開発者側もまさにそう判断したんです。セロの基準に合わせて禁止表現を修正してしまうと、プレイヤーに提供したい体験や我々の芸術的意図が根本から損なわれると。
スピーカー 1
ああ、なるほど。
スピーカー 2
結果として、日本の大人のゲーマーたちは、世界基準のエンターテインメントから取り残される形になりました。
スピーカー 1
これって、R指定映画のクライマックスの重要な殺人シーンを、残酷だからって全部黒塗りにしたりカットしたりして上映するようなもんじゃないですか。
18歳の大人を過保護に扱いすぎですよ。
スピーカー 2
確かにそう感じる人は多いでしょうね。
大人のゲーマーとインディー開発者の不満
スピーカー 1
資料にあったゲームスパークの読者コメント欄、あれすごく考えさせられましたよね。
スピーカー 2
非常に鋭い指摘がありました。
人は白い部分と黒子部分の両方を持っていて、そのドロドロしたものとの付き合い方を時間をかけて学んでいくはずなのに。
なのに、セロは子供は愚か、大人にまで真っ白でいさせようとしていると。
スピーカー 2
私もあのコメントには深くうなずきました。
ユーザーの見る目を養う機会を奪っている。
痛みとの付き合い方がわからない。
スピーカー 2
体ばかり大きくなった空っぽの大人が出来上がってしまうんじゃないかって。
大人に対する過剰な検閲は、文化の成熟を止めてしまう危険性がありますよね。
しかも開発者側の負担もすごいんでしょう。
スピーカー 1
はい。セロの審査費用は非会員だと約20万円以上かかり、審査期間も1ヶ月から3ヶ月を要します。
スピーカー 2
20万ですか。
ええ。これは大企業ならともかく、スピードと低予算が命のインディーゲーム開発者にとっては、日本市場への参入を躊躇させる巨大な壁になっています。
スピーカー 2
業界を守るための飛来心が、いつの間にか新しい才能を阻む壁になり、大人たちからは過保護な検閲だと飽きられられているわけですね。
そういう側面は否めません。
親子を取り巻くレーティング認知の問題
スピーカー 2
でもですね、ここからが今回の深掘りで私が一番モヤモヤしている確信部分なんです。
というと。
スピーカー 2
大人のゲーマーに対しては発売を中心に追い込むくらい厳格で過保護に検閲しているのに、
じゃあ本来この制度が一番守らなきゃいけないはずの子どもたちや親に対しては完璧に機能しているかというと、これが全く逆なんですよね。
スピーカー 1
その通りです。
セロの現状と保護者の意識変容に関する研究レポートを見ると、親の視点から見たセロマークの存在感はある意味で完全に形外化しつつあります。
スピーカー 2
そう。パッケージの表にデカデカと15歳以上対象って書かれているのに、
実態としては15歳以上対象のCのFortniteとか、17歳以上対象のDのエーペックスレジェンズみたいな10で打ち合うゲームを小学生が当たり前のようにプレイしているわけですよね。
しかも友達同士でボイスチャットをつないで。
スピーカー 1
これを社会全体の構造として捉えると原因は非常に明確なんです。
YouTubeなどのゲーム実況動画プラットフォームの普及と、友人間のコミュニティによる流行の先行ですね。
スピーカー 2
ああ、なるほど。
スピーカー 1
もしあなたが小学生の親だとして、子供からクラスのみんながやっているとか、大好きなYouTuberが毎日配信していると強烈なプレッシャーをかけられたとします。
はいはい。
スピーカー 1
その時にパッケージの裏の小さなマークだけを理由にして、これは15歳以上だから絶対にダメと突き返すのは、現実問題として非常に困難です。
なんというか、あれに似てません?高速道路の制限速度みたいな。
高速道路ですか?もう少し詳しく教えてください。
スピーカー 2
つまりルールとして、ここは制限速度80キロですよっていう標識、つまりC路はしっかり出ているんです。
でも周りの車、要するにYouTubeの流行とかクラスの友達からの影響っていう全体の流れが120キロでビュンビュン飛ばしている状態なんですよ。
スピーカー 1
なるほど。
そんな中で、親が自分の子供にだけ、うちは絶対に80キロで走りなさいって強制するのは、周りから浮いちゃうし、現実的に無理があるじゃないですか。
スピーカー 2
実質的に親もその速すぎるスピードに合わせざるを得なくなっているというか。
スピーカー 1
非常に的確で面白いアナロジーですね。
ルールという標識が存在しても、実社会の流れがそれを完全に無視してしまっている。
スピーカー 2
ええ。
スピーカー 1
さらに深刻なのは、保護者の中にはアルファベットの区分自体を根本的に誤認している人が少なくないというデータです。
スピーカー 2
誤認ですか?どう間違えているんですか?
スピーカー 1
例えば、C路Zのマークを見て、Zだからこのゲームは操作の難易度が一番高いんだなとか、Zクラスの学力が必要なんだなと思い込んでいる保護者が実際にいるんです。
スピーカー 2
嘘でしょ?うちの子はゲーム上手いからZでもクリアできるわよみたいな勘違いをしているってことですか?
スピーカー 1
そういうことになりますね。
それは精度の意図が1ミリも伝わっていませんよ。
スピーカー 2
C路はこの状況にどう対応しているんですか?4Gamerのインタビュー記事がありましたよね。
スピーカー 1
ねえ、C路側はインタビューで、我々はあくまで審査機関であり、レーティングは目安に過ぎない。それをどう活用するかは利用者側の判断だと回答しています。
スピーカー 2
それはちょっと突き放しすぎじゃないですか。もちろん教育機関じゃないのはわかりますけど、これだけ誤解されていて、しかもYouTubeという巨大な壁があって親が困り果てているのに、あとは親御さんの自己責任でどうぞって。
スピーカー 1
まあ、機関としての立場上、そう言わざるを得ない部分もあるのでしょうが。
スピーカー 2
じゃあ、親はどうやってこのデジタル社会の荒波から子供を守ればいいんですか?標識が機能していないなら、事故が起きるのはただ待つしかないんですか?
ペアレンタルコントロールによる自動管理
スピーカー 1
いえ、ここからがテクノロジーの出番なんです。
CROのマークを通じた認知が境外化している現状に対して、デジタル技術が親の認知と管理のギャップを見事に埋めようとしています。
スピーカー 2
デジタル技術がですか?
スピーカー 1
はい。現代の解決策は、親にマークの意味を教育することではなく、システムに裏側で自動管理させる方向へとシフトしているんです。
スピーカー 2
ああ、そういうことか。任天堂見守りスイッチとか、PS5のペアレンタルコントロール機能の話ですね。
スピーカー 1
ええ、まさにそれです。
スピーカー 2
私も、お一個のゲーム機の設定を手伝ったことがありますけど。
スピーカー 1
その時に、CROの各アルファベットの厳密な定義を調べましたか?
スピーカー 2
いや、全然。スマホのアプリを開いて、ただ小学生っていう設定をポンって選んだだけです。
あ、そういうこと?
スピーカー 1
気づきましたね。現代の保護者は、パッケージのアルファベットを一つ一つ確認して覚える必要がなくなっているんです。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
ハードウェアのOSに統合された見守り機能で、小学生や幼児といった大まかな年齢設定を選ぶだけで、あとはシステムが全てやってくれます。
スピーカー 2
アプリで設定した瞬間、裏側でCROのレーティングデータが勝手に読み込まれて、年齢対象外のソフトは起動できなくなるし、そもそもストアの検索結果にも出てこなくなるわけですね。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
つまり、親がダメって言う前に、ゲーム機が物理的にブロックしてくれるんだ。
ええ、ここで非常に重要なパラダイムシフトが起きています。
スピーカー 2
シェロのレーティング情報は、親がスーパーで成分表示を読むように直接目で見て確認する標識としての役割から、ゲーム機というシステムが裏側で自動的にコンテンツをろ過するためのバックエンドのデータへと完全に姿を変えたんです。
これすごくないですか?
私が本当に面白いなって思うのは、シェロの認知を向上させるアプローチの正解って、親たちを教室に集めて、Aは全年齢、Bは12歳以上って暗記させることじゃなかったってことです。
スピーカー 1
ええ、教育コストが高すぎますからね。
親にシェロの存在すら意識させないまま、アプリの裏側でデータを機能させて子供を守る。人間に行動を変えさせるんじゃなくて、環境を最適化するテクノロジーによるスマートな解決策ですよ。
スピーカー 1
まさにシステムデザインの観点からも非常に美しい解決策です。しかし、このデジタル化とシステムの自動化の流れは、シェロの審査モデルそのものにももう一つの巨大な変革を突きつけています。
IARCと審査モデルのデジタル化
スピーカー 2
もう一つの変革?
スピーカー 1
それが資料にもあったIARCという国際的な審査基準の対等です。
スピーカー 2
知ってましたね、IARC。最近ダウンロード専用のゲームを買うと、シェロじゃなくてこのIARCのマークがついていることが多いですよね。これってシェロと何が決定的に違うんですか?
スピーカー 1
最大の違いはその審査メカニズムです。シェロは審査員が実際のプレイ映像を見て、一つ一つ人間の目で確認しながら協議してレーティングを決定します。
スピーカー 2
だから20万円の費用と数ヶ月の時間がかかるわけですよね?
ええ。一方のIARCは開発者がオンラインの質問票に答えていくだけなんです。
スピーカー 2
このゲームに流血表現はありますか?はい、いいえといった具合に。
スピーカー 1
えっ、自己申告なんですか?アンケートにポチポチ答えるだけで年齢制限が決まっちゃうんですか?
そうなんです。
スピーカー 1
それって過激なゲームを作った開発者が流血なんてありませんって嘘をついたらどうなるんですか?
スピーカー 2
当然の疑問ですよね。IARCはアルゴリズムによって瞬時にレーティングを付与しますが、その分、自己チェックを非常に厳格に行っています。
ああ、後から調べるんですね?
スピーカー 2
はい。リリース後にユーザーからの通報や抜き打ちチェックがあり、協議申告が発覚すれば即座にストアから配信停止などの厳しいペナルティが課されます。
スピーカー 1
なるほど。リスクは開発者に背負わせるわけですね。でも、その自己申告性のおかげで…
スピーカー 2
ええ、審査は無料で、かつ瞬時に完了します。
スピーカー 1
20万払って1ヶ月待つセロとは雲泥の差じゃないですか。これなら予算のないインディー開発者でも世界中に一瞬でゲームを配信できますね。
その通りです。デジタル配信が主流となった今、プレイステーションや任天堂といったプラットフォーマー側も、このグローバル基準であるIARCでのリリースを強力に推し進めています。
スピーカー 1
そういうことか。
スピーカー 2
セロの時間をかけて事前審査を行うというモデル自体がビジネスのスピード感に追いつけなくなりつつあるのが現状ですね。
AI時代のレーティングの未来
いや深いですね。今回あなたと一緒にセロという小さなアルファベットの裏側を旅してきましたが、最初は2002年に業界を社会の批判や行政の介入から守る盾として生まれた。
スピーカー 2
はい。しかし時代が進むにつれ、大人のクリエイターやゲーマーにとっては芸術的な表現を縛り付ける過保護な鎖として機能するようになってしまった。
スピーカー 1
そして親御さんたちにとっては直接見て判断するマークではなく、システムの裏側で子供を守るための見えないフィルターのデータへとその役割をダイナミックに変えつつあるわけですね。
ええ。一つの制度がテクノロジーと社会の価値観の変化によってこれほどまでに多面的に解釈を変えていくというのは、メディア史を見ても非常に得意で面白い現象です。
スピーカー 1
本当にそうですね。次にあなたがゲームのパッケージを買うとき、あるいはサブスクのリストを見たとき、なぜこのゲームが配信されているのか、なぜあのシーンの表現が黒塗りになっていたのか、あるいはスマホの見守り設定の裏で何が動いているのか、全く違った視点で見ることができるはずです。
スピーカー 2
間違いなく今までとは見え方が変わるでしょうね。
スピーカー 1
さて、ここで最後に一つ、リスナーのあなたに考えてみてほしいことがあります。現在、AIの技術は私たちが想像する以上のスピードで進化していますよね。
ええ。あらゆる産業の前提を覆しつつあります。
スピーカー 1
もし近い将来、ゲームに搭載されたAIがコントローラーの操作の仕方とか、プレイ中の心拍数、あるいは視線の動きなどのバイタルデータから、プレイヤーの実際の精神年齢や恐怖に対する体勢をリアルタイムで読み取るようになったとしたらどうでしょう?
スピーカー 2
それは非常に興味深い試行実験ですね。そしてその人の体勢や心理的静寂度に合わせてゲーム内の流血表現の量を減らしたり、過激なセリフをマイルドな言葉にプレイ中に自動でリアルタイム変換するようになったとしたら。
スピーカー 1
コンテンツがプレイヤーの倫理観に合わせて動的に変化する究極のパーソナライズの世界ですね。
スピーカー 2
そうなんです。そうなった時、あらかじめ決められた15歳以上対象といったレーティング期間そのものが、この世から完全に消滅する日が来るのではないでしょうか。
確かに、その役目を終える日は来るかもしれません。
スピーカー 2
ええ。パッケージの隅にあった小さな黒子アルファベットのシールはいつか本当にただの過去の遺物として剥がれ落ちてしまうのかもしれません。
スピーカー 1
ええ。
スピーカー 2
その時、私たちは年齢という一律の数字ではなく、本当の意味で自分自身の倫理基準と直接向き合うことになるんでしょうね。
本日の深掘りはここまでです。
あなたも次にゲームを遊ぶとき、その表現がなぜそこにあるのか、あのマークの奥にある歴史と未来を少しだけ想像してみてください。
それではまた。
19:32

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