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今どきのゲーマーから見たCERO:サイバーパンク2077日本語版の表現規制発表(CERO-B以上を小学生に買い与える親の気持ち)
2026-10-09 18:35

今どきのゲーマーから見たCERO:サイバーパンク2077日本語版の表現規制発表(CERO-B以上を小学生に買い与える親の気持ち)

CEROレーティング制度とゲーム表現規制に関するブリーフィング・ドキュメント

エグゼクティブ・サマリー

本ドキュメントは、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)が運用する年齢別レーティング制度の仕組み、法的・社会的役割、保護者および販売店における扱い、ならびに最高区分である「CERO Z(18歳以上のみ対象)」における禁止表現と国内ローカライズ時の表現調整の実態について、総合的に取りまとめたものである。

CEROレーティングは、過激なゲーム表現が青少年に与える影響への社会的懸念に応えるため、2002年に設立された自主規制制度である。全年齢対象(A)から12才以上(B)、15才以上(C)、17才以上(D)、18才以上のみ(Z)の5区分で構成され、A〜D区分が購入時の「目安」として機能する一方、Z区分は18歳未満への販売・頒布を行わないことが前提とされている。

ゲームの高度な表現力向上に伴い、保護者が家庭内で子どもの視聴環境を管理する必要性が高まる中、地方自治体の条例(神奈川県や静岡県など)による規制や、ノジマのような家電量販店によるCERO Z全品取扱中止といった自主的な取り組みも行われている。また、CERO Zであっても差別的表現や不当な残虐表現などの「禁止表現」が設定されており、海外の大型タイトル(例:『サイバーパンク 2077』)においても日本国内向けに独自の調整が施されている。

1. CEROレーティング制度の概要と年齢区分

1.1 制度の発足背景と目的

CERO(特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構)は、家庭用ゲーム機の表現向上とユーザー層の拡大に伴い、ゲーム表現が青少年へ及ぼす影響に関する社会的要請に応える形で2002年(同年10月1日より開始、2006年3月1日に改訂)に発足した。

制度の目的は以下の通りである:

  • 表現の自由の尊重と倫理水準の維持:コンピュータエンターテインメント文化の健全な発展のため、表現の自由を尊重しつつ、社会の倫理水準に適合したゲームソフトの開発・公表・販売を確保する。
  • 情報提供による青少年育成:利用者に年齢別レーティング情報を提供し、保護者や購入者が適切なソフトを選択できるようにすることで、青少年の健全な育成を図る。

1.2 年齢別レーティングマークと表示基準

国内で販売されるすべての家庭用ゲームソフト(PS5、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、PC等)を対象に、パッケージ表面左下および背表紙(帯色)にアルファベットと色で年齢区分が表示される。

レーティングマークアルファベット帯色基準・対象内容
全年齢対象A黒年齢区別対象となる表現内容が含まれていない
12才以上対象B緑12歳以上を対象とする表現内容が含まれている
15才以上対象C青15歳以上を対象とする表現内容が含まれている
17才以上対象D橙17歳以上を対象とする表現内容が含まれている
18才以上のみ対象Z赤18歳以上のみを対象とする表現内容が含まれている(18歳未満への販売・頒布禁止が前提)

その他の表示マーク

  • 教育・データベース:教育用ソフトやお絵描きソフト等に表示。
  • 規定適合:製品化前の体験版等で禁止表現がないことが確認された場合に表示。
  • 審査予定:制作中のプロモーション販促物等に表示。

1.3 コンテンツアイコン(選定根拠の表示)

パッケージ裏面には、対象年齢判定の根拠となった表現を示す「コンテンツアイコン」が表示される。

  • 表示対象(9種類):恋愛、セクシャル、暴力、恐怖、飲酒・喫煙、ギャンブル、犯罪、麻薬等薬物、言葉・その他

2. 保護者視点と購買・販売における規制と実情

2.1 A〜D区分とZ区分の本質的違い

保護者が小学生などの未成年者にゲームを与える際、CEROレーティングは重要な判断指標となる。

  • CERO A〜D(目安としての区分): CERO B(12才以上対象)などの区分は、あくまでその年齢以上に適した表現が含まれていることを示す「購入の目安」であり、法的な購入・販売禁止を強制するものではない。小学生にCERO B以上のソフトを買い与えるか否かは、家庭内での判断に委ねられている。
  • CERO Z(18歳未満への販売禁止前提): CERO Zは、身体の分離欠損描写など極めてショッキングな表現を含むため、18歳未満への販売・頒布を行わないことを前提とした区分である。

2.2 地方自治体および店舗による規制措置

CERO Zタイトルに対しては、行政および流通レベルで厳格な規制が実施されている。

  • 自治体条例:
    • 神奈川県:青少年への販売・頒布を行わないよう努める義務(努力義務)を条例で規定。
    • 静岡県:有害図書類として認定し、18歳未満への販売・貸付等を禁止。
  • 小売店舗の対応(ノジマの事例):
    • 家電専門店ノジマでは、来店客が安心・安全に買い物できる環境を整備するため、2023年4月1日より店舗におけるCERO Zゲームソフトの販売を全面中止(ノジマオンラインも順次対応)した。

2.3 家庭内における課題(間接視聴リスク)

大型テレビの普及や描画技術のリアル化により、大人がCERO Zなどの高年齢向けタイトルをプレイする際、家庭内で意図せず子どもの視界に入ってしまう「間接的視聴リスク」が指摘されている。購入時だけでなくプレイ環境への配慮も求められる。

3. CERO Zにおける禁止表現と業界自律規制の意義

3.1 「CERO Z=何でもあり」ではない理由

18歳以上のみを対象としたCERO Zであっても、作中表現に制約(禁止表現)が存在する。これにはゲーム業界特有の歴史的・社会的理由がある。

  • ゲーム悪玉論・有害図書指定の回避: 過去にゲームの残虐性や過激表現が自治体から問題視され、「有害図書指定」や販売禁止法制化の議論へ発展した経緯がある。ゲーム業界が自ら倫理機構(CERO)を立ち上げ、自律的に審査・管理を行えることを社会に実証しなければ、業界全体が法的規制を受け、コンテンツの競争力を失う危険があった。
  • 社会通念と倫理水準の維持: 家庭用ゲームは子どもも容易に接触できる媒体であるため、完全な無制限(何でもあり)にした場合、現実の犯罪教唆、過度な差別、政治的・宗教的扇動などの危険なコンテンツが流通し、社会からの激しい批判を招くおそれがある。

3.2 CERO倫理規定における絶対的禁止表現

CERO倫理規定第7条では、以下の表現が明確に禁止されており、該当する場合はレーティング自体が付与されず、国内での発売不可となる。

  1. 不当な差別表現:
    • 人種、信条、性別、職業、宗教、境遇、心身条件、生活状態等による不当な差別的表現
    • 高齢者、幼児、身体障害者、精神障害者等の社会的に弱い立場にある人々への不当な差別的表現
    • 個人、法人、および団体をみだりに誹謗・中傷し、名誉や尊厳を害する表現
  2. 反社会性・過度の残酷表現:
    • 非合意の性暴力、近親相姦、売春・買春、麻薬等の薬物利用の肯定、自傷・自殺の推奨など

4. 日本国内における表現調整の具体例(『サイバーパンク 2077』)

海外で開発されたCERO Z相当のタイトルが日本国内でリリースされる際、CEROの禁止表現基準をクリアするために日本版独自の調整(検閲・変更)が行われる。

『サイバーパンク 2077』(PS4/Xbox One日本語版)の調整事例

CD PROJEKT REDが開発した『サイバーパンク 2077』日本語版では、海外(北米版等)と比較して以下の表現変更が行われた。

調整対象項目海外版の表現日本語版(CERO Z)の調整内容
裸体・性表現男子および女子キャラクターの完全裸体描写主人公のキャラクター作成画面および作中において、裸体キャラクターが下着を着用した状態に変更
性的オブジェクト・落書き頽廃的な世界観を表す直接的な性的表現・オブジェクト単なる黒塗りではなく、オブジェクトの一部が破損して見えなくなる等、作品の世界観に合わせた自然な表現へ変更
身体分離欠損・人体破壊身体の切断・分離欠損および露出した内臓描写分離欠損演出自体は海外版と同様に維持。ただし、断面を黒く処理し、露出する内臓表現を変更

5. CERO審査プロセスと将来の課題

5.1 審査のプロセスと審査員の構成

CEROの審査は、特定のゲームメーカーの意向に左右されない客観的な体制で実施されている。

  1. 審査依頼:ソフトウェアメーカーがCEROへ審査を依頼。
  2. 審査実施:一般から募集された20歳〜60歳までの男女で構成される審査員(ゲーム業界関係者は排除され、事前トレーニングを受けた人物)が複数名で表現内容をチェック。
  3. 判定と表示:判定結果がメーカーに通知され、パッケージへ年齢区分マークを掲載。

5.2 技術革新に伴う今後の課題

  • 実写級グラフィックとAI技術: フォトリアルな映像技術やAIを用いた画像・動画生成技術の進化により、フィクションと現実の境界が曖昧になっている。過激な映像表現がプレイヤーに及ぼす影響や、政治的扇動・悪用に繋がるリスクに対して、審査機構の重要性は増している。
  • 未審査コンテンツの流出リスク: 過去にはユービーアイソフトの『アサシン クリード ヴァルハラ』において、審査資料に含まれていない禁止表現相当の表現が製品版に含まれたまま販売されるトラブルが発生した。審査プロセスの厳格性とメーカー側の遵守意識が引き続き問われている。

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サマリー

日本のゲームレーティング制度CEROについて、保護者が小学生に年齢区分を超えるゲームを買い与える背景を、オンラインゲームによる同調圧力やペアレンタルコントロールの普及から考える。CERO Zでも禁止表現があり、『サイバーパンク2077』では裸体や人体破壊表現が日本向けに調整され、『ザ・カリスト・プロトコル』『デッド・スペース』では発売中止に至った例が紹介される。CEROは2002年、行政による直接規制を避ける自主規制機関として設立されたが、リアルなグラフィックやAIの進化で審査の難しさが増している。審査費用や期間が開発者の負担になる一方、IARCの無料・即時の自己申告型レーティングも導入され、プラットフォームごとの使い分けが進む。最後に、VRやメタバースで現実と区別しにくい体験が可能になったとき、境界線を誰が引くのかという問いが投げかけられる。

CEROと小学生に広がる高年齢ゲーム
スピーカー 1
日常生活の中で,何かふと不思議に思う矛盾ってありますよね。 ええ,よくありますね。
スピーカー 2
例えば,あなたが週末に家電量販店のゲームコーナーを歩いているとしますよね。 そこには15歳以上対象とか17歳以上対象っていう警告マークがデカデカと貼られたゲームソフトが並んでいるわけです。
パッケージの左下に書いてあるあのアルファベットですね。 そうそう,あのセロマークです。
でもふとレジの列を見てみると,どう見てもまだ10歳くらいの小学生とそのパッケージを持ってあげている親御さんが並んでいたりするんですよ。
まあ確かによく見かける光景かもしれません。 これって一体どういうことなんでしょうか。
スピーカー 1
あなたが目撃したかもしれないこの身近な謎から今回はスタートしたいと思います。 なるほど,今日のテーマですね。
はい,今回の深掘りのテーマは日本のゲームレーティングシステム,セロの現在地です。
スピーカー 2
この現象を解き明かすために保護者への意識調査から表現規制に悩む開発者のインタビュー,セロの公式声明までありとあらゆるソースを読み込んできました。
スピーカー 1
今回の資料は本当に滝に渡っていましたよね。
スピーカー 2
そこから見えてきたのは単なる年齢制限のルールの話ではなくて現在進行形でアイデンティティクライシスに陥っているシステムの姿だったんです。
よしこれを紐解いていきましょう。
スピーカー 1
このテーマは本当に奥が深いです。ここで非常に興味深いのはあの小さなアルファベットのマーク一つに現代社会の倫理観とか
親の葛藤そしてテクノロジーの進化がすべて凝縮されているってことなんですよね。
スピーカー 2
というと?
スピーカー 1
ソースを総合していくとこのセロというシステムがいかに巨大な重圧を背負わされているかが浮かび上がってくるんです。
スピーカー 2
なるほど。じゃあまずは冒頭の光景に戻りたいんですけど。
はい。
あのセロBつまり12歳以上対象ならまだしもえっとFortniteはセロCで15歳以上ですよね。
オンライン同調圧力と親の判断
スピーカー 2
あとエイペックスレジェンズなんかはセロDで17歳以上対象じゃないですか。
スピーカー 1
そうですねかなり年齢層が高めの設定です。
スピーカー 2
なのに現実の小学校ではこういうゲームが大流行していますよね。
クラスの男子の話題はこれ一色なんてことも全然珍しくない。
でもちょっと待ってくださいよ。
スピーカー 1
何でしょう。
スピーカー 2
これ単に親が甘いだけじゃないですか。
昔なら映画館で15歳未満はお断りって言われたら親はダメなものはダメって突き返していましたよね。
スピーカー 1
一昔前はそうでしたね。
スピーカー 2
なぜ今の親は年齢制限を満たしていない小学生に平気でこういったゲームを買い与えてしまうんでしょうか。
スピーカー 1
その疑問は最もです。
単なる親の怠慢だと思われがちなんですが、保護者の意識調査とかインタビューのソースを深掘りしていくと現代の親たちが直面している非常に残酷な現実が見えてくるんですよ。
スピーカー 2
残酷な現実ですか。
スピーカー 1
はい。それはデジタル空間における同調圧力なんです。
今の子供たちにとってこうしたオンラインゲームって単なる遊び道具じゃなくて放課後の講演そのものなんですよ。
スピーカー 2
放課後の講演。
ああ、なるほど。
スピーカー 1
昔は基地に集まって野球をするのがコミュニケーションでしたけど、今はゲームのボイスチャットに集まって会話をするわけです。
スピーカー 2
確かにみんなヘッドセットつけて喋ってますもんね。
スピーカー 1
そうなんです。それにYouTubeの実況動画なんかで対象年齢の高いゲームの存在をすでにクラス全員が知っていて、それをプレイしていることが共通言語になっているんです。
スピーカー 2
ということは親が年齢制限があるならダメって正論で突っ込んでるのは。
スピーカー 1
自分の子供を友達の上から完全に切り離して社会的効率に追いやるリスクと直結しているんです。
だからこそ親は子供からの強い要求をなかなか拒否できないんですよね。
スピーカー 2
なるほど。それは親にとっても苦渋の決断ですね。
ルールを守らせるか子供のコミュニティを守るかの二択を迫られていると。
スピーカー 1
まさにその通りです。
スピーカー 2
でも親はパッケージの裏にあるあのシェロマークを見ているはずですよね。
ペアレンタルコントロールへの移行
スピーカー 2
あれを見て何も感じないんでしょうか。
スピーカー 1
実はここにも面白いデータのズレがありまして、シェロマーク自体の認知度は高いんですけど、
それを絶対に守るべき法律みたいに厳密に捉えている親は少数派なんですよ。
スピーカー 2
え、そうなんですか?
スピーカー 1
驚くべきことに、AとかBとかCっていうアルファベットをゲームの操作難易度だと思っていたり。
スピーカー 2
難易度?Cだからちょっとクリアが難しいぞみたいな。
スピーカー 1
そうです。あとは漢字の学年基準だと勘違いしているケースすら報告されているんです。
Cなら小学校高学年レベルの漢字が出るとか。
スピーカー 2
漢字のレベルって、いやそれはちょっと笑えない勘違いですね。
スピーカー 1
ええ、本当に。
スピーカー 2
でもそれってすごく危険な状態じゃないですか。
これってまるで映画館に15歳未満入場禁止っていう大きなポスターが貼ってあるのに、
全員がその意味を知らずに素通りして入っていくようなものですよね。
スピーカー 1
はい、まさにそういう状況に近いですね。
スピーカー 2
じゃあ親は自分の子供を危険な表現にさらしていることに無自覚なんでしょうか。
スピーカー 1
いや決して無自覚なわけではないんです。
ここがテクノロジーの面白いところで、親の管理手法そのものが根本的に進化しているんですよ。
スピーカー 2
管理手法が進化している?
スピーカー 1
ええ。かつて親はパッケージのマークを自分の目で見て買うか買わないか判断するしかありませんでしたよね。
でも今はハードウェア側の見守り設定、いわゆるペアレンタルコントロールに完全に依存する形にシフトしているんです。
スピーカー 2
ああなるほど、スマートフォンのスクリーンタイム制限みたいなものですね。
あれのゲーム基盤だと。
スピーカー 1
その通りです。
例えばNintendo見守りスイッチというアプリの仕組みを見てみるとよくわかります。
親はもうゲームのパッケージを見る必要すらないんですよ。
スピーカー 2
パッケージを見ないでどうやって制限するんですか?
スピーカー 1
スマホのアプリ上でこの子は小学生という大まかな設定を選ぶだけなんです。
スピーカー 2
選ぶだけ?
スピーカー 1
ええ。そうするとシステムが裏側で自動的にセロC以上のソフトの起動をロックしてくれてオンラインストアでの過激なゲームの閲覧も全て遮断してくれるんです。
スピーカー 2
おおそれはすごい。
スピーカー 1
おまけにプレイ時間の上限とか見知らぬ人とのボイスチャットまで一括でブロックしてくれます。
スピーカー 2
つまり親がわざわざセロマークを一つ一つチェックしなくてもシステムが勝手に弾いてくれるわけですね。
スピーカー 1
そういうことです。
現代の親にとってセロはもはや目で見て判断するパッケージのラベルではなくなっているんです。
システムが裏側で処理するための目に見えないフィルタリングデータへと姿を変えつつあるんですよ。
スピーカー 2
だから店頭でのマークの存在感はどんどん形外化していると。
面白いですね。
スピーカー 2
テクノロジーが親の肩代わりをしてくれているんですね。
CERO Zと日本版の表現調整
スピーカー 1
はい。ただここで別の問題も出てきます。
スピーカー 2
ここからが本当に面白いところなんですが、子供をシステムで完璧にブロックできるようになったのなら、今度は大人たちの状況はどうなんでしょうか。
スピーカー 1
大人の状況と言いますと。
スピーカー 2
つまりシステムが子供を守ってくれるなら、年齢確認をパスした18歳以上の大人は何の制限もなく自由に過激なゲームを楽しめるはずですよね。
スピーカー 1
論理的に考えればその通りです。
日本のゲーム市場には0Zという18歳以上のみを対象とした最高区分が存在します。
スピーカー 1
身分証明書を出して買うまさに大人のための区分ですよね。
しかし実際の運用ではZ指定であっても絶対に許されない絶対的禁止表現というものが存在していて、それが厳格に適用されているんです。
スピーカー 2
絶対的禁止表現。具体的にはどんな表現が禁止されているんですか。
スピーカー 1
例えば頭部や身体の切断とか血損、露出した内臓の表現、あとは直接的な拷問描写などがNGとされています。
具体例としてソースに上がっているのがサイバーパンク2077ですね。
海外版では生々しく描かれている人体の切断面が日本版では真っ黒に塗りつぶされていたりします。
スピーカー 2
黒塗りですか。
スピーカー 1
ええ。他にも本来は裸であるべきキャラクターに強制的に下着が着せられていたりするんです。
スピーカー 2
いや、でも少し意地悪な聞き方をさせてください。
スピーカー 1
はい、どうぞ。
スピーカー 2
日本には日本の倫理観があるわけですよね。海外の極端な語話表現、残酷な描写を規制するのは社会のモラルを守る上で当然の権利じゃないですか。大人が文句を言い過ぎなんじゃないですか。
発売中止とCERO設立の背景
スピーカー 1
もちろん文化的な防衛戦としての役割は確かにあります。これを全体像に結びつけて考えると、問題はそれが作品の芸術性とか没入感を根本から破壊してしまうケースがあるってことなんです。
スピーカー 2
根本から破壊する。例えばどんなケースですか。
ザ・カリスト・プロトコルとかリメイク版のデッド・スペースといった海外の大型ホラーゲームですね。これらはなんと日本での発売自体が中止になってしまったんです。
スピーカー 2
発売中止?一部を修正すれば出せたはずですよね。
ええ、でも開発スタジオ側がそれを拒否したんです。
なぜですか。
スピーカー 1
ホラーゲームにおいて失敗したらこうなるという残酷な結果は、プレイヤーに恐怖と緊張感を与えるための重要なメカニズムなんですよ。
スピーカー 2
なるほど、体験の怖な部分だと。
ええ、だから開発側はセロの禁止表現基準に合わせてマイルドな修正を施すと、私たちがプレイヤーに提供したいと期待している本物の恐怖体験が損なわれると判断したんです。
スピーカー 2
ああ、それは映画で言えば一番怖いクライマックスのシーンで、モンスターが襲いかかってきた瞬間に画面全体にモザイクがかかって陽気なBGMだけが流れているようなものですね。
スピーカー 1
まさにそういうことです。
スピーカー 2
そりゃあ監督もそんな状態で俺の作品を公開しないでくれって怒りますよ。
スピーカー 1
そうですよね。大人のゲーマーたちがメディアに寄せている強い不満の根源もそこにあるんです。
不満の声ですか?
スピーカー 1
はい。自分はお金を払い身分を証明した責任ある大人なのに、なぜ誰かにこれは見ちゃダメと目隠しされて子供扱いされなきゃいけないんだっていうフラストレーションです。
スピーカー 2
確かに。18歳を超えているのにって思いますよね。
スピーカー 1
ええ。中には人間にはフィクションの残酷なものから痛みやタブールを学ぶ機会が必要なのに、セロはそれを奪って大人まで無菌状態に置こうとしているといった深い批判も存在しています。
スピーカー 2
大人からすれば過保護すぎると感じるわけですね。でも、それだけユーザーからの不満が噴出して海外ゲームの日本上陸を阻む障壁にすらなっているのに、なぜセロはこれほど厳しい禁止表現を維持しているんでしょうか?
スピーカー 1
なぜ厳しいままなのかですね。
スピーカー 2
はい。時代に合わせて柔軟に基準を変えればいいのに、なんだか維持になっているようにすら見えますよ。
スピーカー 1
そこを理解するには、セロが設立された2002年当時の歴史的背景と彼らが担っている本当の役割を知る必要があります。
スピーカー 2
2002年に何があったんですか?
スピーカー 1
当時、ゲームのグラフィックが急速に進化して表現がかなりリアルになったんです。
それで残虐なゲームが地方自治体とかマスメディアから青少年に有害であると激しく批判される社会問題に発展しました。
ああ、ありましたね、そういう時代。
スピーカー 1
ええ、一部の自治体では特定のゲームを有害図書のように指定して販売を規制する動きも出ていたんです。
つまり放っておいたら国や自治体が直接法律を作ってゲームを規制しようとしていたと?
スピーカー 1
そうなんです。もしあの時ゲーム業界がセロという第三者機関を作って自主規制に乗り出していなければ、行政による直接的な法規制が介入していた可能性が高いんですよ。
スピーカー 2
法律で縛られてしまうと?
はい、法律で表現が縛られれば、日本のゲーム産業は表現の自由を完全に奪われて、世界市場での競争力を失っていたでしょうね。
スピーカー 2
なるほど。つまりセロは楽しみを奪う警察ではなくて、社会が要求する倫理水準に対応し、権力からゲーム業界を守るための自主規制の防波堤だったんですね?
スピーカー 1
まさにその通りです。
スピーカー 2
ああ、彼らは非来心なんですね。社会からの批判という雷をセロが全て吸収してくれるからこそ、ゲーム会社は致命傷を負わずにゲームを作り続けられる。そう考えると、簡単に基準を緩められない理由もわかります。
スピーカー 1
ええ、ただテクノロジーの進化は止まらないですよね。そこが新たなジレンマを生んでいるんです。
スピーカー 2
ジレンマ?
リアリティの進化と審査負担
スピーカー 1
ソースの中で非常に象徴的だったのが、スーパーマリオシリーズの事例です。
スピーカー 2
マリオですか?
スピーカー 1
はい。かつて全年齢対象の代名詞だったマリオですが、ニンテンドースイッチのスーパーマリオオデッセイではシェロB、つまり12歳以上対象になったんです。
スピーカー 2
あれには本当に驚きましたよ。マリオが敵をジャンプで踏んづけるなんて、ファミコンの時代から全く変わっていないじゃないですか。なぜ今になってB指定なんですか?
スピーカー 1
グラフィックが実写に近づきリアルになったからです。リアルな街並みの中でリアルな人型の敵を踏みつけるという表現が、より現実の暴力行為に近く見えるようになったんですね。
スピーカー 2
な、なるほど。
スピーカー 1
テクノロジーの進化がフィクションの境界線を曖昧にしているんです。さらに現代ではAIの進化によって現実と区別がつかない映像が簡単に作れますよね。
スピーカー 2
ええ、見分けがつかないレベルになってきています。
スピーカー 1
なので、ゲームが意図せず犯罪を強査したり、政治的な扇動の道具になる危険性を社会はかつてなく警戒しているんです。
スピーカー 2
では、結局のところこれは何を意味しているんでしょうか。テクノロジーが進化すればするほど、表現の自由と社会的責任のバランスを取るための審査が難しくなるわけですよね。
スピーカー 1
ええ、その通りです。
スピーカー 2
でも、その複雑な審査のせいで開発現場にはものすごい負担が強いられていますよね。
ソースによれば、あのセロの審査を通すためには開発者がゲーム内のすべての過激なシーンを録画して提出しなきゃいけないとか。
スピーカー 1
はい、膨大な作業になりますね。
スピーカー 2
しかも人間の審査員による協議を待たなければならなくて、1タイトルあたり20万円以上の費用がかかり、期間も1ヶ月から3ヶ月も待たされるってありました。
スピーカー 1
なかなかのコストと時間ですよね。
スピーカー 2
大企業ならまだしも、これ、インディーゲームのクリエイターにとっては死活問題じゃないですか。
そこがまさに、現在のセロが抱える最大の構造的課題だったんです。
スピーカー 1
人間の目で見て審査するというアナログな手法が、スピードと低コストが命のデジタル配信時代に全く追いつかなくなってしまった。
スピーカー 2
限界が来ていると。
スピーカー 1
これは非常に重要な問題を提起していますね。
IARC導入とCEROの役割変化
スピーカー 1
しかし近年、この状況を劇的に変える新しい仕組みが日本でも導入されたんです。
それが、アイアーク。国際年齢評価連合です。
スピーカー 2
あ、アイアーク。それはセロとはどう違うんですか?
スピーカー 1
根本的に仕組みが違います。セロが人間による映像審査だとすれば、アイアークはアルゴリズムによる自己申告性の審査なんです。
スピーカー 2
自己申告性?
スピーカー 1
え。開発者はオンライン上で、ゲーム内に流血表現はありますか?とか、性的な描写はありますか?といった質問票のチェックボックスをポチポチと埋めていくだけなんです。
スピーカー 2
それだけでいいんですか?
スピーカー 1
はい。するとアルゴリズムが瞬時に計算して、なんと無料で即座に年齢レーティングを発行してくれるんですよ。
スピーカー 2
無料で即座に。いや、それはインディー開発者にとっては夢のようなシステムですね。
えーと、Nintendo SwitchやPlayStation Storeといったデジタル配信では、日本でもこのアイアークが使えるようになったんですよね?
スピーカー 1
ええ、そうです。これにより海外のインディーゲームが日本市場に参入するハードルは劇的に下がりました。
ちょっと待ってください。じゃあもう全部アイアークでいいじゃないですか?
と言いますと?
スピーカー 2
わざわざ高いお金と時間をかけてセロの審査を受けなくても、アイアークで海外基準のレーティングを取れば大人たちの表現が規制されるっていう不満も、開発者のコストの悩みも一気に全部解決するんじゃないですか?
スピーカー 1
それがそう単純にはいかないのが面白いところであり、今の業界のいびつな部分でもありまして。
スピーカー 2
どういうことですか?
スピーカー 1
プラットフォームごとに対応の差が存在しているんです。例えば、PlayStationにおいてはアイアークの利用を認めているものの、18歳以上を対象とする過激なタイトルについては、引き続き日本市場の倫理観に特化したセロの審査取得をメーカーに要求しているんです。
スピーカー 2
なんだって?つまり、一番議論になりやすい過激な表現に関しては、アイアークのグローバル基準は信用できないから、日本独自のセロを通しなさいっていうダブルスタンダードになっているってことですか?
スピーカー 1
そういうことになります。システムが急速にデジタル化し、国際基準との二元化が進む中で、セロの役割は大きく変化しつつあるんです。
スピーカー 2
大きく変化?
かつての、これを通さないと絶対に日本でパッケージソフトが売れないという絶対的な権威から、保護者の見守り機能を動かすためのデータや、プラットフォーム側が責任を回避するための一つの目安へと、その立ち位置が移行している過渡期にあるんですよ。
VR時代の表現規制の境界線
スピーカー 2
なるほどな。絶対的な門番からシステムの裏方へと役割が変わろうとしているんですね。こうして背景を知ると見方がガラリと変わりますね。
スピーカー 1
本当にそうですね。
スピーカー 2
あなたが次にゲームショップでパッケージの裏のセロマークを見たとき、あるいはお子さんが友達がみんなやってるからこのゲーム買ってとねだってきたとき、
それがただのアルファベットではなく、子どもたちのデジタルな交友関係、表現の自由を求める大人の切実な願い、そしてゲーム業界を法規制から守ってきた歴史の結晶であることに気づくはずです。
スピーカー 1
親の葛藤からグローバルな審査システムのアルゴリズムまで全てが血筋につながっていることがよくわかりますね。
本当に興味深い深掘りでした。そして最後に、ソースで触れられていたテクノロジーとリアリティの進化の話をさらに押し広げて、あなたに一つ考えてみてほしいことがあるんです。
スピーカー 1
何でしょうか。
スピーカー 2
今後のゲームはVRやメタバースの技術が普及することで、単にスクリーンを見るものから五感で体験するものへと完全に移行していきますよね。
スピーカー 1
ええ、より没入感が高まります。
スピーカー 2
もし、現実と全く区別がつかない仮想空間で人に暴力を振るったり、倫理的に危うい行為をリアルに体験できるようになったとしたら、そのとき許される境界線を引くのは一体誰の仕事になるべきなのでしょうか。
スピーカー 1
難しい問題ですね。
スピーカー 2
瞬時に映像を解析する国際的なAIなのか、国内の審査機関なのか、それとも私たち自身のモラルなのか。
次にコントローラーを握るとき、少しだけ考えてみてください。
スピーカー 1
考えさせられますね。
スピーカー 2
それでは今回の深堀りはお別れです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。
18:35

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