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#908 原始の言語:合成説と一語文説 from Radiotalk
2026-10-31 09:59

#908 原始の言語:合成説と一語文説 from Radiotalk

主要参考文献
池内正幸 (2022)『新・ヒトのことばの起源と進化: 新しい人間科学を目指して』東京: 開拓社.

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00:00
前回のエピソード、シャープ907で進化言語学の話をしました。 そのエピソードの中で、というか最後の方、終盤で、私はこんなことを言っております。
しかし、そうは言っても、人類は歴史上のどっかの段階で言語を獲得したわけで、
それがどのようなプロセスを経て、言語になっていったかっていうのは、大きく二つの仮説というか考え方があると思います。
いわば、ボトムアップ式とトップダウン式と、その二つが考えられて、
私、行くというのが、私という単語、行くという単語、それぞれ別個にあって、それを組み合わせることで一つの発話になったのか。
あるいは、私、行くというのが分割できない一つの単位としてあって、一語分的なものがあって、それを後から分割して、私という単語ができて、行くという単語ができて、
そのようにして、後から単語ができたと考えるのか、はたまたその両方なのかっていうのは議論が分かれるところだと思うし、今後の研究が待たれるところではないかと思います。
本日のエピソードは、この言語の起源に関する二つの説、意味のある単語的なものが組み合わさって、一つの発話を形成するようになったのか、
あるいは、一つの切れ目のない発話が分解されて、意味のある単語的なものに分割されていったのか、前者を合成説、後者を一語分説と呼んで、詳しく見ていこうと思います。
始まりました。4月15日のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ジミー・マクグリフです。
直感的に考えると、言語の起源は合成説の方がしっくりくる気がします。少なくとも僕はそうだし、多くの人にとってもそうだと思うんですけど、
要は、俺お前好きとか、お前りんごを食べるとか、単にこの単語を並べるような、そういった発話が原始的だっていうのがイメージしやすいというか、なんとなくそうだったんだろうなと思ってしまいます。
そういった原始的な言語には、がとかをとか、そういった助詞みたいなものもなければ、食べたみたいな過去形もなくて、例えば食べるしたみたいな言い方で食べたを表すとか、
03:13
そのようなものからだんだん助詞とか節字とか細かい文法的な要素が生まれていったんではないかと、初期の初期の言語は単に単語を並べるだけだったと、そういうのがイメージしやすいし、それが合成説の考え方です。
この合成説で前提になっているのは、俺とかお前とか食べるとか、すでに意味を持つ単語っていうのが独立してあって、それを組み合わせるっていうことですよね。
一方、前回のエピソードでもちょっと言った、一語文説っていうのは、ちょっとイメージしづらいかなと思います。
一語文っていうのはストロベリーっていうことではなくて、単語が一つで一つの文だっていうことで、現代語にだって一語文っていうのはあって、打てとか火事とか危ないとか、こういったものは一単語で一つの文で、ある
意味一つの事態というか概念というか、そういったものを表してるんですよね。
一語文説というのは、その分割できない発話というか、言語の一つの単位が分割されて、要は個々の単語になっていったというような、そのような仮説です。
例えば、私は眠いっていうのがワポポと言ってました。このワポポっていうのは一単語で区切ることができずに、このワポポを全体で私は眠いという意味になっています。
それが後に分割されて、ワっていうのが私でポポが眠いになった。そうすると、単語がここで生まれるわけですね。
ワポポがナポポになると、これはあなたが眠いになる。つまりナっていうのがあなたでポポが眠いということですね。
もともと一つの単語で一つの文、そういった発話しかなかったところから、その発話が分割されて単語レベルになっていったというのが一語文説ですけど、さあどうでしょうか。
やっぱりね、僕は直感としては合成説の方がしっくりきて、私とかリンゴとか食べるとか、そういった個々の単語がまず出来上がって、それを組み合わせることで文レベルのものを作っていったんではないかと思うんです
06:09
が、
ただ、一語文説も一理あるなというところはあって、動物のコミュニケーションってある意味で一語文的なんですよね。
要は分割できないので、天敵が来たっていう鳴き声は天敵と来たっていうのを分割することができないし、来たの部分を例えば未来形にして天敵が来るだろうとかそういうことはできないんですよね。
一つの鳴き声に一つの意味、一つの機能があるっていうのが動物の鳴き声だと考えると、人間も元々動物なので、やはり鳴き声が、一つの鳴き声に一つの機能が元々あったと考えるのは筋が通ってる気もするんです
よね。
しかし一語文説も弱点があるといえば弱点があって、さっきのワポポで考えると、このワポポがワとポポに分かれるとか、便宜上そういった話をしましたけど、
そのハッキリした音で発話していたんだろうかっていうのが疑問になりますよね。
動物の鳴き声の延長線上にあると考えるなら、アーとかウーとかせいぜいそのぐらいで、ポーとかそういった唇を使った破裂音とか、そのような複雑な音を出していたんだろうかっていうのが少し疑問点ですね。
一語文説っていうのは、ある意味で音素っていうのを既に前提としているというか、ワポポだったらウーというシーンがあってアーという母音があってっていう風に、音素の体系っていうのを前提としているようなところが
あるので、それもどうなんだろうなという気もするんですよね。
それでいうと合成説の方だって音素っていうのが前提なので、音素の体系というのを言語はどの段階で獲得したのか。
音素がなければ、ある意味語も文も作れないので、音素っていうのは言語にとって本質的なものというか概念なんですけど、その起源となるとミステリーですよね。
言語の起源について合成説と一語文説をご紹介しました。
09:02
おそらく多くの人がイメージするのは合成説の方で、俺リンゴを食べる的な、そういったものが一般的な言語の起源のイメージだと思うんですが、
一語文説という、分割できない一つの発話、一つの事態、一つの概念、意味を表していった、要は単語ですよね。
それを別個の単語ごとに分割するという、そういう一語文説という仮説もあるというお話でございました。
皆さんはどちらの仮説を支持するでしょうかということで、今回のエピソードはここまでということで、また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願いいたします。お相手はシガ15でした。
09:59

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