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2026-11-06 36:18

#257|羊とともに紡ぐモノ。「島根の羊飼い」から始まる洋服トーク

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今回は、いつものバックヤードを飛び出して島根県へ。羊の飼育から羊毛を使った製品づくりまでを手がける「KASAGI」さんを訪ね、特別編をお届けします。なぜ羊を育て始めたのか。羊毛という素材の魅力や、手織りという昔ながらの製法にこだわる理由。そして、効率や便利さが求められる時代に、あえて時間と手間をかけてものをつくる意味とは。実際に現地を訪れ、つくり手の言葉に耳を傾けながら、ものづくりの背景にある思いや、その土地ならではの魅力について、今夜はアレコレと島根県からお届けします。


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サマリー

島根県で羊を飼いながらテキスタイルブランド「KASAGI」を営む笠木舞さんを訪ね、羊との出会いや、羊毛から糸・生地をつくるまでの歩みを聞く。笠木さんは小説の取材で織物に触れ、ウールが軽い力で糸になる性質から、自分と世界との距離を発見したことをきっかけに羊を飼い始めた。2020年に起業し、原毛の手洗い、手作業のごみ取り、無染色で仕上げたウール100%の生地がジャパンテキスタイルコンテストで経済産業大臣賞を受賞し、羊の放牧による草刈りの取り組みでも農林水産省の賞を得た。

島根の羊飼い・笠木さんとの出会い
嬉しい!番組に出られたんだって!すごい!
いやいやいやいやいやいや。
すごい、すごい!
ヤモリさん!
すごくない?ヤモリさん。
笑い
気にしないでください。
羊さんもいることなので、ちょっと早速始めていきます。
よろしくお願いします。
えーと、バックヤードトゥークローゼット。今回は、僕、島根県に来てまして。
で、この番組でもちょっとご説明、ちょっとね、お話しさせてもらったんですけど、羊飼いの笠木さんに会いに来ました。
ようこそ!
もう今ね、餌をね、頭に乗せてね。大変なことになってます。
このパケツの中には、羊たちのおやつが入っています。
おやつね。
あの、笠木っていうテキスタイルメーカーさんですか?
はい、テキスタイルブランド。
ブランドですね。テキスタイルブランドをやってる笠木さんですね。
はい、そうです。
はい、よろしくお願いします。
はい、羊飼いデザイナーの笠木舞です。よろしくお願いします。
ちなみに何ちゃんですか?
この子はアンコちゃんです。
アンコちゃん。
お母さんがアズキちゃんなんで。
で、娘はアンコちゃん。
ウールとの出会いと羊を飼う理由
でね、早速ちょっとね、いろいろ聞きたいことが山ほどあるので。
もともと、なぜ羊を飼いたくなったんですか?
ニットが作りたかったから、羊を飼い始めたのか?
羊を飼い始めて、ニットを作るようになったのか?
どっちですか?
これはどちらでもないと言ってもいいのかもしれないですけど。
どちらでもない?
どちらでもないんですか?
そのちょっと、なぜかっていうところをお話しさせていただきますね。
まずですね、私が何がなんだかわからなかったんですね、若い頃に。
何がなんだかというと。
いろんなことが、なんでなんだろう、これって本当に大事なのかなとか。
この大事でもなさそうなものをみんな大事って言ってる。
あと大事にするためにお金も時間もかかってるけど、本当に大事なのかな。
もっと切実に大事なものってありそうだけどって思いながら。
本当に小さい時からそう思ってきてて。
それは日常を過ごす上で。
日常を過ごす上で。
何もかもに対して納得がいかないというか、なんかしっくりこないなという感じがずっと子供の時からありました。
そこでよくわからないから大学ぐらいから小説を書き始めたんですね。
でもわからなくて。
そういう自分自身の葛藤みたいなものを文章に載せて。
もしくは探すためにという感じで書いていました。
その中である時、織物の小説を書きたいなって思って取材で織物体験に行って。
そこから織物に織るように自分でなりまして。
そうなんですね。
でも元々そういうテキスタイルと言いますか、その織物みたいなものには興味があった。
全然なかったんです。
なくて、でも小説は書きたかった。
小説は書きたくて。
という感じで織物を習って、そのうち織っているうちに糸も作りたいと思いまして。
練習材料がたまたまウールだったんです。糸作りワークショップ。
その時のことを今でも覚えているんですけども、15年前でした。
ウールはですね、本当に生まれたそのままで糸になる性質を持っているんですよ。
というのはどういうことですか?
とにかくね、何にもしなくてもウールって糸になっちゃうんですね。
その寄りが。
寄りをかけるだけでというか、軽い力でただ糸になってて。
羊もウールも糸になりたいとも思ってないんですよ。
羊もウールも。はいはいはい。
お構いなし、私がどう思おうが、世界がどうであろうが、ウールは糸になっちゃうし、羊はウールを生やしてるし。
それはきっと、大昔何千年前もこの先の未来、永劫をずっとそうなんだろうと。
私と全く関係なく。
はいはいはい。
これが私と世界との距離の発見だったんですよ。
なるほど。
すごく安心して、ウールと私のこの距離、これが私とこの世界の距離だって思えて。
すごい哲学的ですね。
哲学的すぎるぐらい哲学的ですけど。
それで発見というか。
発見でしたね。
自分の中で何かクリアになった部分はあったってことですよね。
そうです。
だから羊を飼って、糸を紡いで生地を作りたいなと思ってやってるんです。
そうなんですね。
発見が、これもしかしたらそうかもっていうのはわかるんですよ、なんとなく。
ただ、じゃあ羊を飼って糸にして生地にしようみたいなのは本当に難しいので。
たぶん、脳がそう言っちゃったんですね。
そうですね。
なるほど。
アトリエを拝見させていただいて。
ありがとうございます。
地区何年ですか?
今130年です。
もう本当に素敵な場所ですね。
アトリエ自体、ごめんなさい。
受賞した生地と手仕事の工程
アトリエも。
羊ペースで進んでます、収録も。
そうなんです、アトリエは古い家を使っています。
はい。
で、ここのエリア、今シューズを履いたんですけど、
このバリケードっていうんですか、柵があるエリアっていうのが羊ちゃんがいる場所で。
で、さっきちょっとお話しした時に、食事を一緒に食べてる時に聞いたんですけど、
日本一になったんですよね。
ちょっと時系列飛びすぎですね。
岸田さんとお会いしてる写真があったじゃないですか。
ありがとうございます。
あれは、羊を飼って、糸にするぞって言い始めて、どれくらいの時の写真ですか?
あれは2年目でございました。
早いんですね。
はい。
すごい早いですね。
2つ大きい賞をいただきまして、2020年に起業したんですが、
その年作った最初の製品が、ジャパンテキサルコンテストでグランプリの経済産業大臣賞をいただきまして、
それが地域の産一王新報という新聞に掲載していただいて、
それで、その時4頭の羊を飼い始めたんですが、
それで地域の方たちに、笠木さんは羊を飼って、ウールを得て、
それで生地を作りたいっていう人なんだっていうことを、皆さんに知っていただく機会になりました。
そこから、笠木さんは羊を飼ってるんだ。
それを田んぼのアゼに貸し出しをして、草刈りを手伝ってもらおうという動きにつながって、
その取り組みに対して、村の宝アワードという農林水産省提供の賞がございまして、
それで農林水産省の賞をいただいて、その年の個人の部門で1位をいただいて、
それが岸田内閣総理大臣、元の総理大臣のいらっしゃる官邸に伺って、
お話をさせていただくっていう機会がいただいたんですよね。
記事を作り始めて、ジャパンテキスタイルコンテストっていうのは、
他のノートを読ませていただいたんですけど、
実際あれっていうのは、どういう基準で算定されるというか、
クオリティとか背景とか、そういうものでグランプリが受賞というか、
どういう審査基準なんですか?
あの記事は、ビジネス向けのコンテストでございまして、
開発された素材に対して評価が得られるんですけれども、
私の賞を受賞したときは、ウール100%の素材で、しかもただの綾織で、
という受賞が20年ぶりだった。個人の受賞も20数年ぶりだったということで、
一般的には企業の方たちが開発された記事が応募されて、
すべての素材が対象なんです。
私の選挙を読みますと、
手間暇をかけることで環境負荷やウールへのダメージを軽減した。
そういう満足感、ウールへのリスペクトを込められた記事を切る満足感。
手洗いっていうのを採用してましたので、それが評価が高かった。
あとは海外に向けて紹介したい記事だという評価だったんですね。
審査委員長が梶原かな子さんという方で、彼女もテキスタイルデザイナーなんですけれども、
梶原さんは基本的に海外のトレンドを日本に報告して、
日本のものづくりを海外にご紹介するような駆け足となるお仕事をされていて、
より海外に向けて日本の代表としてこういう記事を紹介したいというような観点で選んでくださったんだと思います。
なるほど。
それって実際その企業の方たち、企業が予算を投じて作った記事っていうのは、
やっぱり当然クオリティが高くなりがちというか、受賞傾向にあるというのは何となく僕もわかるんですけど、
笠木さんが作ったその記事っていうのは、具体的にというかわかる範囲でいいんですけど、
他の他社製品と比べてオッシャブルルールみたいなのっていうのは結構あったりするじゃないですか。
その中で何が違うんですか?
私の開発した記事、メリーはですね、まず原料のウール素材を原毛から手洗い加工をしました。
その次にゴミ取りを手で行いました。
それを工場に送って糸にして工場で折っていただいた記事だったんです。
全て無染色でした。
その記事はですね、染めてなかったのでちょっと白っぽい記事なんですが、ちょっと黄色がかっていまして、
それがこの山陰地域の湿度の高い場所で育ったからちょっと黄色っぽくなってたんです。
なるほど。
そのフードが育ったウールを育てた気候もお色の中に入っていたというか。
素晴らしいですね。
羊毛の個体差と「良いウール」
羊ってウールのこの羊さんの毛って、育っている環境でやっぱり同じ種類というか、
メリーの種とかあったり、いろいろ種類がいらっしゃるじゃないですか、羊さんにも。
はい、いらっしゃいます。
でも全然やっぱり環境によって違うんですか、色は。
はい、そうです。環境によってウールの色、一見白にみんな見えるけど、
いろんなクリーム色だったり真っ白だったり、いろんなお色になったりします。
それはじゃあこの島根県の大田地で食べているその草だったり、そういうのにも関係してるんですか。
はい、そうです。
私も飼い始めてより分かったんですけれども、やっぱり育て方やフードの違い、気候でウールのお色は違ってきますし、
あと食べる餌ですとか、あと紫外線、そういうものでお色が変わると。
で、もうなんかさっき教えていただいたんですけど、部位によってその毛質が全然違うんですね。
そうなんですね。だから羊たち一頭の体の中で人間もまつ毛と髪の毛って毛質が違うように、
生えてる部位で全然毛質が違ってて。
そうかそうか、当たり前っちゃ当たり前だけど。
力強い。ちょっとちょっと待ってください。
大丈夫大丈夫。ここの毛はこうだし、見えるかな。
ここが一番均一な毛が取れるんですけど、長いんですね。
なるほど。この表面の硬いのは使えないんですよね。
使えます。全部使ってます。これも洗ってほぐすと全然気持ちいい。
あ、そうかそうか。
お尻、ちょっとお尻も。お尻はちょっと硬いんですよ。
あ、本当だ。
違うでしょ。
若干こっちに比べて毛が太い気がする。
そうなんです。お尻のとこはここら辺はちょっと毛が太くて。
なるほどね。
全然太さも長さも違う。
すごい。でも言ったらもちろん生き物として当たり前なのかもしれないですけど、
実際このラジオでもウールマークってちょっとどうなのっていう話をさせていただいたことがあって、
その基準だったりそういうのがちょっとアバウトっていうかグレーゾーンもあるんだよねみたいな話をさせていただいたんですけど、
ウール製品ってみんながみんな着てるじゃないですか。
でも本当にほとんど知らないんだなっていうのをここに来て改めて感じてるんですけど、
改めて?
改めて感じてるんですけど。
あれって知らなかったかも私って。
そうそう。で、なんだろう、人一倍ウール、羊とか羊がくれたその素材に向き合ってこられてて、
そのウールの良さって実際ぶっちゃけどういうところにあると思いますか?
その素材としての良さ。
素材としての良さ。
これがだから私も15年間毎日ウールは触ってきたんです。出会ってから日から。
羊も飼い始めて毎日生えてきてる様子もこうやって見せてもらってるんですけども、
やっぱりわからなくてまだウールという素材はどんなに良いものなのかっていうのがまだわからなくて。
だから一般的にメリノシュだったり、例えばスーパーファインとか名前がついた繊維が細くて長いっていうんですか。
そうですね。
そういうのが一般的には良いウールで、それはコットンと同じかもしれないですけど、
太くて短ければ良くないウールっていうのがなんとなくネットを開いたら書いてると思うんですけど、
実際そこらへんに関してはどう思います?
そうですね。それはもう今聞いてるだけでも楽しいと思っちゃったんですけど。
でも個人的には私も良いウールと悪いウールっていう見え方だと思うんですけど、
どのウールも良いウール悪いウールってないなと思ってて、全部良いウールしかないなと思ってて。
当然ね、本当に生きた証というか。
そうですね。
本当に頂いてるものですからね。
でも一個だけ言えるのはね、羊から生えてないウールはないってことなんですか?
なるほどって言いましたけど、そりゃそうですよね。
そりゃそうなんですけど。
すごいことじゃないって思って。
結局糸も繊維構成法数。糸の中に何本ウールちゃんがいるかなって話を繊維作りって行ってると思うんですけど。
でもこの一本も絶対羊から生えてるんですよ。
そりゃそうですよね。
そりゃそうですよね。
でも本来は獣毛って言われるものだったりとか、毛もレザーも全てに言えることだと思うんですけど、
人間が流通の上でビジネスの上で分かりやすくランク分けしてるだけで、
本来すべて生きた動物の素材っていう部分では変わらないじゃないですか。
今のお話からちょっと今の質問に合ってるかわからないんですが、
混ざり合う羊毛とフランスでの評価
すごく古い遺跡から発見されたウールの毛織物にすごく興味があるんです。
どう作られてきたんだろう?
するとですね、大体いろんな国の毛が混ざってるんですって。古い織物では。
貿易が今よりもっと距離が遠い感じるところですよね、船でとか。
飛行機とかお船が今みたいにない時代のものでも、
何カ国の毛を混ぜて作られた糸から生まれたものが、非常に高貴な身分の方の体を包んだ布だったとか。
つまりですね、今すごく純度の方に高まってる。
細いとか、細い、柔らかいってことはつまり純度が高いってことです。
細い毛しか使ってないよって。
ここですもんね。
ここの上位何パーセントの毛しか使っていませんよっていう純度を言ってるわけなんですよ。
でも、本来ウールって多分混ぜ混ぜした方がいい生地になるのかなって私は思ってまして。
もっと言えば羊の純度を上げるってことは、
この1個の体の中からいいところの毛だけを取り出して集めてるんです。
うちはこの頭の先からお尻の先まで全部一緒に使ってるんですけれども、
それですでにいろんな繊維帳、繊維の毛のものが混ざり合いますけれども、
そういうね、混ぜ混ぜした方がいい製品になるんじゃないかしらっていう気持ちがちょっとわかってきましたね。
市場はやっぱり純度が高くないと均一にならなかったり、
柔らかくならなかったりっていうものを求めるものに合わせて作るんですが、
ウールの本質としてはいろんな子が混ざり合うと良くなるっていう反対の価値観でウールはものが作れるのかな。
じゃあその今笠木さん自身もその素材を作ってフランスに輸出っていうか出してるんですよね。
はい、生地ですね。
結局そのフランスのバイヤーさんたちが、言ったら要望があって好評だから出してるってことじゃないですか。
フランス人バイヤーさんからの見解としては、そういう混ぜて時間をかけて作る生地だからやっぱりそこに対して魅力を感じてるってことですか。
はい、今笠木さんが言ってくださった点もすごく興味を持ってくださってました。
手織りと工業製品、それぞれの魅力
さすが今笠木さん、大洋服のことが分かってます。
私のクライアントのデザイナーさんの一番評価してくださった点は、全工程がオリジナルだと思った。
そのオリジナリティのところが研究や検証や研究が重ねられてた根拠を持っているっていうところが評価されて、
例えば洗い方とか、紡ぎ方、折り方、生地の洗い方、仕上げ、整理加工。
これ一個一個最初の10年くらい全部手でやってたので、
その時にどういう風にウーロを作るって形を変えていくといい製品になるかなっていうのを一人でやってたんですね。
それってどこかで勉強されながらって感じですか?
全然勉強しない。図書館で本を読みながらやったんです。
だからそれはオリジナリティは確かにありますよね。一人でやってるから。
例えばこの温度で洗ったらこうなった、この温度で洗ったらこういう風になったとか、
このぐらいの油が残ってる方がこのぐらいだろうとかっていうのを一人で台所でやってたと。
それを今の生地作りに活かしていて、
それはもう本当に家で一人でやってたもんですから、オリジナリティはあるだろうなって思うんですけど。
本当に僕が今までお会いしてきたものづくりの人たち、職人さんというか、
本当に好きな世界を好きなように表現してくれてる方たちと同じだなって今すごい思うんですけど。
でも普通に考えて、それってすごい大変で。
その答えが見つかるかどうかもわかんない。
しかもそれに対して、じゃあ生活できるだけお金を稼げるかどうかもわかんない。
っていうその中で、本当に賞をいただいたのが2年っていうとすごい早い段階で評価されたとはいえ、
先がわかんないじゃないですか。
やっぱそれって、お会いして思いましたけど、羊への愛というか、お母さんですよね。
地球にいる11億頭の羊がいるそうなんですけど。
11億頭いるんですか。
11億頭子供がいるっていう感じ。
大好きなんですね。
その賞をいただいた時っていうのはウールに出会って10年目だったんですよ。
その時に初めて工業技術を取り入れた方がいいんじゃないか。
全部手でやってたら結局1年に1着ぐらいしか作れない。
でも今アトリエ行かせていただきましたけど、手旗食器というかガチャンガチャンでする機械。
あれでご自身で作られてるものもあるんですよね。
そうです。
どれぐらいのウェイトですか今。機械、マシンでその生地を作ってるものと、自分ご自身でやられて。
ですのでフランスのお客様は5割5割で買ってくださったんです。
手織りと工業製品と半々で買ってくださってたのに。
やっぱり手織りの生地への評価は高いなと思ってます。
開発はやっぱり工業製品の方で進めてきたんです。
9割以上工業製品、工業で織ったものっていう風に進めてきたんですが。
でもその工業製品も5年間必死で取り組んでみたんですね。
手織りで作ってきた知識を生かして、工業的な織り機で織物を織ってる方たちと一生懸命生地開発にこの5年取り組んできたんですけれども。
その生地持ってフランスの展示会も3回行ってきたんですけれども。
改めてその5年を振り返って、手織りの生地っていう魅力をまた感じましたね。
だから本当に別物というか、クオリティというより全く別のものになるじゃないですか。
そうです。
素材は同じでも。
すごい岡崎さんは。
そこは本当に分けてこれからも作り続けていただきたいというか、勝手な話ですけど。
って思ったとともに、僕ね、インスタグラムで電話いただいて、インスタグラムで見たりノート読んだ時に、
もう少し全体的に作られてる生地もイメージですよ。
イメージとして柔らかい、丸っこい。
何て言うんだろうな。角のない。
なんかツルッとしたものなのかなって。
フワッとツルッと。
そうそうそう。って思ってたら、真逆で作られてる生地はもう本当に武骨な。
そうなんですよ。
これどうやねんっていう、もう本当に力のある。
生地自体に本当に表情もあるし、やっぱり力強いものばかりで。
これを本当にちょっと、物は別と。
ご本人のその柔らかなキャラクターと切り離して、物として本当に素晴らしいなって、やっぱり感動しました。
今日はすごい緊張してたんですね。どう映るんだろうっていうのが。
もともと調べていただいたんですよね。スラ&ステディ。
そうそうですね。素敵だなぁと思って。
ブログやラジオ聞かせていただいたり、ノート読ませていただいて、すごく怖い方なんだ。厳しい方なんだ。
当然厳しくないとできない。
いやいやいや、そんなことない。
ここに、この方に自分の丸裸の生地を見ていただくってどうかしらってすごいドキドキしてて、電話したのがあの日だったね。
本当ですか?
もう全然ダメかもしれないと思って。
いやでも、僕も実際その物を通して洋服は売ってますけど、洋服作ったりもしてるけど、実際やっぱり糸の段階で判断するとか、そういうことってやっぱりプロの方がいて、僕もできないんですけど、
ただ、製品としてその生地を見た時の力強さとか、それちょっと感覚値でしか説明できないけど、やっぱり本当に賞をいただいたっていうのがわかるというか、
もちろん上からとかではなくて、やっぱり感動し、人の気持ちを心を大きく動かすような、やっぱり力強い素材だなっていうのは改めて思います。
ありがとうございます。すごく嬉しいと思って。
本当にそれはね、またこれを聞いてくださっている皆さんにもいい報告として再度リリースさせていただこうかなと思ってるんですけど、何かしら作りたいなっていうのもあるので。
ありがとうございます。
24頭の羊と農場の成り立ち
ちなみにすごい脱線するんですけど、羊さんって今何頭飼われてるんですか?
今、24頭です。
24頭いて、一頭一頭、性格は違うんですか?
そうです。全員名前を付けて飼ってるんですけれども、みんな性格も違います。
リーダー的な人も?
リーダー的な人もいますし、神経質な子もいますし、食いしん坊でよく鳴く子もいますし、体がすっごい大きいのに臆病な子とか、ちっちゃいのによく走る子とか。
もともと寂しがり屋だから、一頭では飼えないんですよね?
そうです。
最初に来てくれたのはノンノンっていう羊で、この羊が本当に恩がある羊なんですけれども、
ノンノンのことになると何時間も話しちゃうので止めようと思うんですけれども、
ノンノンが来てくれたときは一頭だったんですね。
私がお料理してるお部屋のそばに来て、私が窓から覗くとずっとそこにいて動かないんですよ。
一人ぼっちが寂しいから。
もともと寂しがり屋っていうのは僕でも知ってるので。
これはいかんなと思ってお友達を3人飼えないって言って譲ってくださる子をいただいて、
その子たちがノンノンの友達でブンブンカンカンドンドンって言う。
正義名にもなってますもんね。
その4頭の羊のおかげでうちの農場があるんですが、やっぱり一頭だったときは本当に寂しそうでした。
だから友達が一緒じゃないと幸せじゃないかなと思います。
じゃあもうちょっと寒いので、もう3つぐらいにしていいですか?
どうしてもちょっと聞きたいことがあって、
日本というか世界中探しても、
実際その羊を飼ってそこから製品を作るっていう人ってそんなに多くないんですよね。
すごく少ないみたいです。
フランスの展示会でクレイジーって褒め言葉ですよね。
頭に浮かぶけどやらないでしょってフランスの売屋さんたちにもびっくりされて。
僕もそれでびっくりしたので。
その展示会も白生地だけで出したんですよ。
全部白だけで。
それでみんなもう最高だって素晴らしいって言葉はフランス語と日本語で英語だったり通じないのに、
生地はもう全部を伝えてくれたように思いました。
本当強気ですもんね。
やってることはすごい強気ですよね。
過去と未来をつなぐ良い生地
ウールはもう最初に話した通りそのままで十分美しくて、
そのままで最高なので、できるだけ何にもいらないで来ていただきたいっていうのが一番の気持ちなんですけどね。
それだけウールに向き合ってこられて、
実際そのいろんな素材と向き合って生地を作るっていうことをずっとやっていく中で、
笠木さんの中で、ウールに関わらずでいいんですけど、
良い生地、あえて聞きます。
羊の毛に良い悪いなんてないって思ってらっしゃるのもさっき聞きました。
その上で聞きますけど、良い生地って何でしょう?
良い生地は過去と未来をつないでくれる。
たぶんですけど、その記事を見た時に、
ウールにかけてですけど、2000万年前から地球に羊はいたそうなんです。
何度かの氷河期を生き延びて、大陸が氷河期で繋がりますよね。
最初アジア圏にいたけど、それからヨーロッパの方に向けて歩いていって、羊はノコノコノコって。
今は一万年前から家畜化されたと言われてますけども、
すっごい古いんですね。
人間との付き合いは一万年前くらいから付き合ってるけど、
その歴史が一世代も途切れずに羊が生き続けたから、今目の前に羊はいて、
ウールを私が着てるってことは、誰かしかの世代がウールを使い続けたから、今私が着てる。
それを取り込んでるって作られてるってことを着た時に満足感として得られるもの。
今自分が着て、作ったものを着たら、それがその未来にも繋がりますよね。
確かに。
そういうものを感じられるっていうものが良い生地なのかなと思って作ってますね。
それで言うと、そういうものが良い生地であり、そういう生地で作られたプロダクト、アイテムが良いものだと。
それを作って、それを着るってことそのものが、すごい価値があることだと思います。
「羊との契約を結び直す」ブランド理念
じゃあ、これ最後の質問なんですけど、ご自身で買われて作られて、
そういう製品が糸であり、糸っていうか生地であり、プロダクトとして靴下になり、
世の中に出ていって、人の手に渡るじゃないですか。
カサギっていうブランドの商品を通して、
エンドユーザーというか、買ったお客さんたちに何を伝えたいですか、一番。
当然見て、良いなって買ってくれてるじゃないですか。
でも、それを買ったお客さんに、実際、私はこれが伝えたいから作ったんだよって、
一人一人では言えないと思う。
でも何を伝えたいですか。
これはですね、人間と羊の繋がり。
でも本当にすごい長い歴史ですね。
そうですよね。
さっきの話で言うと。
なぜかと言いますと、これが私の会社の理念なんですけれども、
羊との契約を結び直すっていうのが私たちの理念なんです。
書かれてらっしゃるってことですね。
みなさんも良かったらノートを見てくださいってことで。
あの本当に強い、結構あのフレーズって強いじゃないですか。
そうですね。
だからこそそこに至るってことですね。
そうですね。
羊と人間が一緒にいるとこんな素敵な福ができるっていう楽しいっていうことですね。
ウールって楽しいなっていうことがわかって伝わると嬉しいなって。
あとはウールと羊はもう全然あなたに関係なくずっと素晴らしかったし、
未来もずっと素晴らしくあり続けるよ。
あなたがどんなに悩んでも、
傷ついても、どんな生き方をしても変わらずそこにあるんだ。
そりゃそうですよね。
本当に長いこと僕も20年以上洋服やってて、いろんな記事見てて、
本当にあのこれ聞いてくださってる皆さんちょっと楽しみにしていただきたいんですけど、
本当にすごい記事が、すごい力のある、
本当に海外のバイヤーさんたちもやっぱり絶賛するのがわかる記事なんで。
いつかね、いつかというか本当にタイミングで何かしらをご紹介できるタイミングがあると思うので、
それを楽しみにしていてください。
というわけでね、今回は島根県になってまいりまして。
島根県を私、三部さんから笹木農場から。
羊飼いの笹木さんです。
36:18

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