ウチダ
『ちゃぶ台』を読んで移住されたという子もいますし、割と最近いましたし。
ミシマ
そうなんです。『ちゃぶ台』を読んで会社を辞め、そして移住までしたという方がね。
ウチダ
今、うちのMIKKEというお店を始めて半年前ですかね。
はちみつを今までは、僕は普段養蜂家なのではちみつを普段作ってるわけですけど、
はちみつを今まではずっと出荷をしていて、いろんなお店屋さんに送っていたんですが、
半年前にこのラジオでも出させていただいたときに説明しましたけど、
MIKKEという名前でみちばちミュージアムとレストランを始めまして、
今ミシマさん話していたその移住された子は今、うちのお店でも手伝ってくれていますね。
ミシマ
そうなんです。ミシマ社ラジオでは、『木のみかた』という著者の三浦豊さんと私がMIKKEをオープンして、
1ヶ月後ぐらいですかね、訪問して、そこで大変おいしいガレットをいただきながらラジオ収録をさせてもらって、
その周防大島で収録したものがそのままこのラジオで途中ちょっと挟み込むという形で紹介をしています。
回があるのでぜひ聞いていただけると嬉しいです。
ちょっとその三浦さんの話で言いましたけど、この『ちゃぶ台13』に三浦豊さんと訪れて、
周防大島の農家の宮田正樹さんと対談をしてもらっているんですが、この記事、周防大島に住んでいる内田健太郎さんからどんなふうに読んでくださいましたか。
ウチダ
面白かったですね。やっぱりこう、何ですかね、別の木の専門家と、宮田さんは野菜を作られている、
僕もすごく尊敬している農家さんですけど、なんかこう二人の愛通じるものもあって、
これは『ちゃぶ台13』の中でも非常に読みどころの一つなんじゃないかなと僕は思ってますね。
宮田さんね、今まで何回も登場されていて、僕は個人的にこの間からミシマさんにも言ってますけど、
宮田さんの農業書みたいにもあったら読みたいなってすごく思ってるんですけどね。
ミシマ
これは私の念願でもありまして、いつか宮田さんの本を出したいなって。
ウチダ
宮田さんのすごいところは、誰でもできる農業っていうところを言われていて、機械を一切使わない方なので、
だから本当に農業を始めたいっていう方がすごく参考にできるすごい素晴らしい農法なんじゃないかなと思うので、
そんな機会がもしあったら。
ミシマ
本当ですよね。
この30年後っていうテーマで、特集が30年後だったんですけども、
毎日木、森に接している三浦さんと土に触れている宮田さんがお話しになったらどんな会話になるだろう、対話になるだろうと思って企画したんです。
二人初対面だったんですけども、
なんというかもう本当に深いところで二人が通じ合ってですね、
対談の間、すごく大きなものに包み込まれているような感覚を受け、
午前の収録だったんですけども、実はこの紙面には対談までの部分を収録しているんですが、
その対談の後、宮田さんがお昼ご飯を作ってくださっていて、
そこでご一緒したんですね、宮田さんの野菜を食べながらお昼ご飯を食べていると。
三浦さんがもう涙を流してしまう。
そしたら、宮田さんも僕もそこにいるみんなが涙を流しながらお昼ご飯を食べるという。
ウチダ
そんな状態になった。
ミシマ
ちょっとあまり見ないお昼ご飯の光景です。
ウチダ
ちょっとパッと遭遇したら怖い感じの状態ですね。
ミシマ
いや本当そうです。
感極まるとはこういうことだなっていう。
ウチダ
すごいですね。
ミシマ
すごかったですね。
ウチダ
その前日の森を案内していただくという日があるんですが、
その時は僕も一緒に参加してもらって、
その時は三浦さんとも初めましてだったんですけど、
宮田さんももちろんそこでお話しされていて、
でもそこの時点で二人はすごく通じ合っていて、
三浦さんのその解説を聞きながら大島の山、
僕ら何回か行ったことある岩屋権現という大島の、
言ったらちょっと神聖な場所というか、
パワースポットとも言えるのかもしれないですけど、
そういうところを案内していただいたんですけど、
普段何気なく通り過ぎていた小さな木の芽とか葉っぱとか、
まるでドラマチックに三浦さんが解説してくれるものですから、
本当に見え方がどんどん変わっていって、
中でもやっぱり宮田さんはその三浦さんの話に
ものすごい受け止めていましたね。
ミシマ
はああっていらっしゃってね。
ウチダ
ちょっと感動的でしたね。
ミシマ
三浦さんの木の解説、森の解説って、
その表面的な情報ではないんですね。
もう見てください、ここの青木、ちっちゃい青木、
って言った時にもう通じ合ってるんですよね。
三浦さん、三浦豊さんとその木の間にも
完全に何かが巡っているものがあって、
そこの木の声を汲み取って話してくれるっていうような感じが、
こっちにはっきりと伝わってくるんですよね。
ウチダ
三浦さんが感動してるんですね。
木の姿に感動している三浦さんに僕らが感動してる。
その感動が伝わってくるんですよね。
あれはちょっとすごい初めての体験でしたね。
ミシマ
そうですね。思えばもう本当に10年ですね。
今の話を伺いながら、やっぱりちょっと三浦さん、
宮田さんの対談を思い出したんですけども、
一緒に森を歩いていると、
三浦さんがどんどん森が盛り上がってきてますね。
だからこういろいろ人間が整備してきたところが、
整備の手がそこまで、
伸びなくなってというか、できなくなった分、
森が元気になっていっている部分もあるっていう、
そういう捉え方はちょっとすごい面白いというか、
また違う可能性もあるのかなって、全然違うスパンで、
物を見る一つのぼくの中でも、
これを喜びとして捉えられたらいいかなっていうふうにも思いますね。
ウチダ
分かります。今回の『ちゃぶ台』特集がまさに30年後ですけど、
三浦さんの話を聞いていると、そういう何十年後かを見て言ってますよね。
この後森がどうなっていくのかということを、
木の時間軸、森の時間軸で話してくれると、
今自分が感じている人間の時間軸を一瞬忘れるというか、
それこそすごい重要なことだなという感じはありますね。
ミシマ
ちょっとすいません、鼻を噛んでいいですか。
どうぞどうぞ。
はい、失礼しました。
そうそう、内田さんとは結構久しぶりじゃないですっていう話、
しょっちゅう会ってんですって話、冒頭でしましたけども、
今回あれですよね、東京、そして関西と『極楽よのぅ』をもって、
各地の本屋さんを回ってくださったんですよね。
ウチダ
よかったですね、回ったというか、一緒にミシマ社の営業の方たちと、
ミシマさんもですけど一緒に回っていただいて、勉強になりましたね。
結局24店舗ですね。結構回りましたよね。
ミシマ
お疲れ様でした。
ウチダ
いやいや、本当に楽しかったですね。
僕にとっては初めての1冊ですし、どういうふうに書店に置いてもらっているのかとか、
書店員の方と直接お話できたことがすごい楽しかったですし、
書店あってこそだし、書店員、ああいうふうに売ってくださる人がいて、
初めて届くんだなと思って、僕はあくまで消費者側というか、
買う立場でしか全く見てなかったので、ちょっと見方変わりました、本屋さんの。
ミシマ
そうですよね、そっか。
内田さんがどの本屋さんに行っても、書店員さんとずっと知り合いだったかのように。
ウチダ
そんなことないですけどね。
ミシマ
なじんでらっしゃる気がしました。
ウチダ
でも結構個性豊かですよね、書店員の方が。
書店も小さな個人店もそうですし、大きいところで働いている方もそうですし、
本当皆さん個性的な素敵な方ばかりでしたね。
ミシマ
何がこの本屋さん回ってて一番楽しかったですか。
ウチダ
そうですね、でもやっぱりその出会いですかね、書店員の方に、
逆にちょっとこれおすすめなんですけどとか、話の中でちょっと勧めていただいた本とかもあったり、
僕は全然知らない本だったりとかして、それを読んでみたら、
今まさにこれ読みたかったような内容だとかだったりして、
そういうのはなんだかこう、それは西荻窪にある今野書店さんで、
ミズコシさんという書店員の方におすすめしていただいた聞き書きの本だったんですけど、
小野和子さんかな。
それは僕も聞き書きもやっているので、
今も聞き書き続けていくんですけど、
それを読んだことと、読む前と読んだ後でちょっと違うなと思って、
本当に情熱的な聞き書きをやろうとする年配のおばあさんというか年配の方が、
すごい熱心に聞いてもらったものを、その情熱を受け取ったある出版社の方が、
その本の形にしたんだと思うんですけど、
それもなんかこう、書店回らなかったら僕はそれを手にすることはなかったでしょうし、
そういった、その本に対する書店の方が持っている思いも直接聞けて、
なおさらだから面白かったですよ。
書店の方がそういう本に対する情熱を持っているってことを現場で見ることができたのが、
ウチダ
僕はすごく刺激をもらいましたね。
もちろんその方だけじゃないですけど、本当に何人もの方からそういう場面がありましたね。
ミシマ
いやいや本当にありがとうございました。
ウチダ
いやいや。
ミシマ
やっぱり内田さんがこうやって本屋さんを回ってくださると、
これまでもずっと置いてくださってたお店で、
しばらく、6月に出た本なので約半年ぐらい経って、
少し売れが落ち着いてきたかなっていうタイミングだったと思うんですが、
内田さんが訪問してくれるとその後パタパタと売れていったりとかですね。
なんかやっぱりその辺りが面白いなと思いますね。
ウチダ
いやありがたいですよね、本当に。
ミシマ
やっぱ本ってそういう生き物なんだなっていうのを僕は改めて感じました。
ウチダ
なんか僕はそのはちみつを普段作っていて、
はちみつを最初作った時はそれこそ一軒一軒のお店を歩いて売ってもらうところを回っていったんですよね。
それで一個一個置いてもらっていって、
それで少しずつ売れていくようになったんですけど、
すごくそれを思い出しましたね。
初めての本だっていうこともあって、
だからすごく重要なことだと思いました。
ただ本屋さんに並べておいてもらって、
有名作家の方だったらまた別かもしれないですけど、
本当はちゃんと回って一軒一軒歩くっていうのが大事だなって実感しましたね。
ミシマさんにもそう言って言われて、言ってる意味がちょっと後からわかるようになった。
ミシマ
なんか面白いですね。
そのはちみつ、全国行ったんですか?
ウチダ
全国っていうとちょっと大げさですけど、
出身が川崎ですから、里帰りの時に東京方面は結構ワーって行くときに回ったり、
福岡方面とかも行ったりしましたし、関西はそんなに行かなかったですけど、
何か通過したり何か用事があった時に度にははちみつ持って、
いろんな自然食品店さんとかですね。
それこそ書店で言うと割と独立系書店みたいなイメージの、
直接やってる方と直接話せるような規模感のお店屋さんをずいぶん回りましたね。
ミシマ
そうすると、じゃあおくよみたいな感じですか?
ウチダ
そうですね。それしてやってきましたね。
ミシマ
すごいですね。
もう今では大人気でなかなか手に入らない。
ウチダ
いやそんなこと全然ないですけど、全然普通にネットで買ってますよ。
ミシマ
京都ではOyOyさん?
そうですね。今回は本屋でも、八百屋と本屋さんですかね。
ウチダ
坂ノ途中さんというところに卸していて、
坂ノ途中さん経営されているOyOyっていうお店がありますよね。
そこで扱っていただいていて、あそこだけが今本と一緒になられて。
ミシマ
本とはちみつ一緒に買えるというね。
ウチダ
そうですね。それはほんとレアなあそこだけじゃないですかね。
ミシマ
今ところ、そうですね。
今回回ってた中でちょっと増える可能性もあるっていう。
ウチダ
そうですね。蔦屋書店さんとかですかね。
いくつかそういう話が、ありがたいな。
ミシマ
楽しみですね。
またはちみつと『極楽よのぅ』を一緒に買ってもらえるとなと思います。
もうほんとはちみつおいしくて、最近毎日何らかの形で。
ウチダ
そうですか。ありがとうございます。
ミシマ
朝食パンを焼く日だった食パンに売って、
あとちょっとした飲み物に入れたりとかですね。
何らかの形で必ず今、島のはちみつをいただいてます。
ウチダ
ありがとうございます。
ミシマ
今度ミシマ社の方で、ミシマガジンというウェブ雑誌の方で、
今度は養蜂家としての内田さんのエッセイというか、
読み物が読めるということを聞いているんですけれども。
ウチダ
そうですね。新しい企画というか、
もともと書きたいなと思っていたものでもありますし、
何しろ今回『極楽よのぅ』ってこの本を出していただいて、
ウチダ
それこそゴリラにも社会があると思うんですけども、
そういう人間の社会とはもちろん単純には比べられないことですけど、
でも本当に優れた生き物だなと思うので、
ちょっと分かりやすい形で皆さんにもお届けできたらなと思っているところですね。
ミシマ
楽しみです。
そうか、当てもなく出ていくんですね。
ウチダ
そうですね、出ていく時点だそうです。
出ていく時点ではどこで国づくりするか決まってないんですね。
ミシマ
なかなか勇敢ですね。
ウチダ
そうですね、本当そう思いますね。
ミシマ
中には反対する蜂もいたりとか。
ウチダ
そうですね、そのはずですよね。
まだ今の科学でも全然分かっていない部分は、
残る蜂もいるわけですよ。
つまり母親は半分の子どもを引き連れて出ていくわけですけど、
つまり半分の子どもは残るわけですよ。
誰がどのタイミングでそれを決めるのかって、
これは分からないことなんですね。
でも確かに半分の子たちは旅に出ていくし、半分の子たちは残るわけですよね。
ミシマ
不思議ですよね。
それは意思なのかどうかっていうのも気になりますね。
ウチダ
不思議ですよね。
ミシマ
お前行けよ、なんか。
ウチダ
人間だったらそうじゃないですか。
ビビー、整列みたいな。
お前行く、お前行かないみたいな。
ミシマ
じゃあ最後ジャンケン。
ウチダ
ってなりますね。
そうじゃないんですよ、みつぱちの世界。
ミシマ
蜂の世界にもジャンケンがあるんですか。
ウチダ
そんなオチじゃない。そんなオチじゃないですよ、この話は。
ちょっと書き始めないとどうなっていくのか分からないですけど。
ミシマ
どうなっていくのかね。
それともファイトがあるんだよね。
ウチダ
ファイトでもないはずですけど。
ミシマ
そっか。面白いですね。
それ、本当気になるな。
内田さんが、別に全然養蜂家でもなんでもなかったところから、
養蜂家になって、蜂好きになったんですか。
ウチダ
そうですね。
なったんです。
ミシマ
なってから養蜂家になろうと思ったのか、
なった結果、好きになった。
ウチダ
蜂が好きになってからですかね。
蜂。
そうですね。連載の第一回目で書こうと思っているのは、
蜂とのまず出会いってことについて書こうかなとは思って。
ミシマ
じゃあ第一回目だよね。みなさん気になりますね。
そっかそっか。
ウチダ
そうですね。
あとは、僕の場合はその明確な出会いがありましたけど、
それ以降は農業をやりながら、農園の中でみつばちは飛び交っているので、
つまり野菜の受粉ですね、ポリネーション。
それを手伝ってくれているみつばちたちっていうのは、
もうかわいいとしか言いようがないですよね。
おかげで身がなっているわけですから。
そこを目の当たりにしているととてもありがたい存在になっていって、
それでだんだんとどんどん好きになっていきますよね。
みんなじゃないかもしれないですけど、僕の場合はそんな感じでしたね。
ミシマ
農作業をして畑をやっていると、みつばちとのある種共同作業なわけですよね。
ウチダ
そうですね。蜂が来てくれるおかげで実っていく。
もちろんみつばちだけじゃないです。マルハナバチとか他にもいくつか蜂たちがいますし、
蜂じゃない花を訪れる虫たちもいますけど、
彼ら、彼女らのおかげで実が実っていく。
一般的に言われている農作物の7割が虫たちが受粉したものである。
僕らは口にしているものです。
っていうのは言われてますね。
ミシマ
それは実感が変わりますね。
ウチダ
そうなんですよ。
ミシマ
刺してくる奴っていう存在じゃなくて。
ウチダ
その目線でいくと、殺虫剤を手に取ろうとしますね。
ミシマ
あっち行けみたいな。
ウチダ
それが割と普通の反応かもしれないので、
でもそれはもうちょっと身近に、
可愛い生き物だし、大切な生き物なんだっていうことを、
ちょっと分かりやすい連載にしていけたらいいなと思っているんですけど、
どうなるかと。
ミシマ
どうですか?
フジモトさん、蜂好きですか?
フジモト
蜂。
ちょうどミシマ社の植木のところに蜂の巣があるらしくて、
みんなで掃除してたらすごい出てきちゃった時があって、
すごいちょっと怖かったんですけど。
ウチダ
それって植え込みの。
はい、植え込みのところに。
たぶんそれは黄色スズメバチとかアシナガバチとか、
あれじゃないですか?
みつばちですか?
フジモト
いや、たぶん違います。
ミシマ
違いますよね、そうですね。
アシナガバチとかちょっと危険。
ウチダ
そういうカリバチ系は巣の近くだと非常に攻撃的になるので、
とても危ないと思います。
近寄らないほうがいいかと思います。
フジモト
いろんな蜂がいるんですね。
ウチダ
そうですね。
ミシマ
確かに。
だからアシナガバチとかが好きになったわけではないですか?
ウチダ
全然ない。むしろどちらかというと好きじゃないです。
ミシマ
なるほど。
ウチダ
いやですね。
今もスズメバチもちょうど今終わったところですけど、
秋の大事な大変な仕事の一つが、
そのスズメバチからみつばちを守るということで、
単純に言うとスズメバチをたくさん殺さなきゃいけないんですけど、
それはだから、そうですね。
なかなか大変な作業というか。
初めてその場面に遭遇した年は本当にびっくりしましたね。
こんなにスズメバチ来るんだと思って。
ものすごい気持ちですね、みつばちのところに。
ミシマ
そうなんですか。
ウチダ
あとまた凶悪な顔をしてるんですね、スズメバチは。
なかなか本当に憎たらしいというか、たくさん殺されることもありますから。
僕はでもたくさん殺してきてるので、スズメバチを。
多分スズメバチ界ではすごく恨まれてるんじゃないかなと思いますけど。
ミシマ
みつばちにとっての一番の天敵っていうのは?
ウチダ
スズメバチですね。オオスズメバチですね。
ミシマ
オオスズメバチ。
ウチダ
オオスズメバチが一番の天敵ですね。
オオスズメバチは日本が世界に誇るものすごい大きな恐ろしいハチですから。
いない地域が羨ましいですね。
いない地域もありますもちろん。
オオスズメバチはもうとんでもないです。怪物ですね。
まあスズメバチの研究所の方もいるから。
別の見方もあると思いますけど、僕はみつばち側なので。
ミシマ
はちみつはフジモトさん、お好きですか?
フジモト
はい。いただいてすごいおいしくて、はちみつのどにもいいですよね。
ウチダ
ありがとうございます。
そうですね。のどにもいいです。
ミシマ
『極楽よのぅ』の、なんかこのタイトルちょっとやっぱしみじみときますね。
ウチダ
そうですか。そうですかね。
ミシマ
ちょっと内田さんから最後にこの本の紹介を。
ウチダ
紹介ですか。ありがとうございます。
『極楽よのぅ』ってこの本はですね、僕が一番最初にこの世話になった
周防大島での里親になってくれた親分という存在がいるんですけれども、
もう亡くなってしまったんですけれども、
その親分があるお葬式の時にふっと僕のすぐ横で漏らした言葉で、
僕の頭の中にずっとそれが残っていて、
それに関して書かなくてはいけないっていうか、
この言葉を頼りに書き続けたというか、
死後の世界を極楽っていうふうに表現、実感を持って表現した
ある親分というおじいさんですけれども、
ウチダ
それは僕にとっては本当に衝撃的なことだったんですね。
ちょっとこの説明じゃ伝わらないかもしれないですけど、
読んでいただけたらどういうことかっていうのはちょっと分かるんじゃないかと思います。
そうですね。島での暮らした13年間で考えてきたことや、
出会ったおじいさんおばあさんの話っていうのをこの中に収めています。
興味を持っていただいた方は是非手に取っていただけたらなと思います。
ミシマ
はい、是非是非。本当にすごい面白いエッセイ集なんですけれども、
やっぱり今のお話を伺って、やっぱりその親分のこの一言。
「極楽よのぅ」っていった、それがやっぱりずっと島で暮らしていく、生きていく
内田さんにとってやっぱり何か種火というか、
今もやっぱりそれが燃えてるんだなというふうに感じましたね。
ウチダ
そうですね。本当にそれぐらい大きいことでしたね。
移住して最初の年だったと思うんですよね。
本当に都会暮らししか知らない僕ら家族が移住して、
限界集落に暮らしていく中で、
もう経験したことのないようなことをたくさん日々出会っていって、
その中で、そうですね、その親分が言ったことは本当に今もずっと残ってますね。
ミシマ
そういう中でずっと暮らしていきながら起こるいろんなことが本当に面白く、
時におかしく書かれているんですけれども、
やっぱりこのベースに親分の一言というものが、親分との出会いというものが
ずっと脈々と内田さんの中に生きているんだなっていうのを、
最終章なんかイタリアのね、イタリアの紀行文ですけども、
でもなんかやっぱりそこでもこれがやっぱり生きているような感じがすごいしますね。
ウチダ
そうかもしれないですね。
ミシマ
ですからこの養蜂家ですから、
最初内田さん言ったように、はちみつや養蜂の話かと思う人もいるかもしれないですけれども、
だからその職業のことそのものではない、この島で生きるっていうことの、
なんていうか、本当の実感が伝わってくるもんだなと思いますね。
こうしたらいいよとかっていう本でもないし、
なんか島でのなんかゆったりした暮らしみたいなことを綴ってるわけでもなく、
内田さんがこの親分っていう人と出会って、やっぱりその後どう、
ここの島で親分が育ってきた島でどう生きてきたかっていうことの一つの記録でもあるなと。
ウチダ
そうですね、本当に。
ミシマ
思いますね。
ぜひ『極楽よのぅ』の皆さん、じっくり味わっていただければなと思います。